| 【発明の名称】 |
磁気浮上式鉄道の地上コイル |
| 【発明者】 |
【氏名】長田 豊 【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内
【氏名】寺井 元昭 【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内
【氏名】西川 洋一 【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内
【氏名】山中 朗央 【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】極ピッチの2倍の寸法に対して3個配置した場合と同等の浮上力を確保し、且つ超電導磁石への影響を3個配置の場合より低減しながら、さらに電磁力脈動を極力小さくする。
【解決手段】極ピッチの4倍の長さ5.4m内に7個の浮上・案内コイル1を等ピッチで配置したものであり、コイルの大きさ(水平方向長さ)が671.4mm、コイル間隔が771.4mmという配置パターンが繰り返し登場することとなる。超電導コイルと浮上・案内コイル1との距離を175mm、走行速度100km/hという条件下での実験の結果、極ピッチの2倍の長さ2.7m内に4個の浮上・案内コイル1を等ピッチで配置した場合に対して電磁力脈動が大きく低減しているのが分かる。また、超電導磁石への影響も極ピッチの2倍に3個等ピッチで配置した場合よりも低減した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】磁気浮上式鉄道のガイドウェイに車両進行方向に沿って連続的に設置され、前記車両の少なくとも浮上機能を発揮する地上コイルであって、極ピッチの2倍の長さの間に4個配置されると共に、その4個の内の中2個のコイルについては、4個のコイルを等ピッチで配置した場合に比べて小さく形成し、一方、端2個のコイルについては前記等ピッチで配置した場合に比べて大きく形成したことを特徴とする磁気浮上式鉄道の地上コイル。 【請求項2】磁気浮上式鉄道のガイドウェイに車両の進行方向に沿って連続的に設置され、前記車両の少なくとも浮上機能を発揮する地上コイルであって、浮上機能を有するコイルとして許容される大きさの範囲内であり、且つ電気角60度、90度、120度及び180度を除く大きさのコイルを等ピッチで配置したことを特徴とする磁気浮上式鉄道の地上コイル。 【請求項3】請求項1に記載の磁気浮上式鉄道の地上コイルにおいて、前記中2個のコイルは、電気角70度以上90度未満の大きさであり、前記端2個のコイルの大きさは電気角90度より大きく110度以下の大きさであることを特徴とする磁気浮上式鉄道の地上コイル。 【請求項4】請求項1に記載の磁気浮上式鉄道の地上コイルにおいて、前記中2個のコイル同士、及び端2個のコイル同士の大きさは等しいことを特徴とする磁気浮上式鉄道の地上コイル。 【請求項5】請求項2に記載の磁気浮上式鉄道の地上コイルにおいて、前記等ピッチで配置するコイルの電気角は150度未満であることを特徴とする磁気浮上式鉄道の地上コイル。 【請求項6】請求項2に記載の磁気浮上式鉄道の地上コイルにおいて、前記等ピッチで配置するコイルの電気角は60度以上120度以下であることを特徴とする磁気浮上式鉄道の地上コイル。 【請求項7】請求項1〜6の何れかに記載の磁気浮上式鉄道の地上コイルにおいて、8字型コイルとして形成され、前記ガイドウェイに対向配置されたコイル同士がヌルフラックス接続されたことを特徴とする磁気浮上式鉄道の地上コイル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁気浮上式鉄道の少なくとも浮上のために用いられる地上コイルに関する。 【0002】 【従来の技術】磁気浮上式鉄道においては、車両を浮上、案内、推進させるための地上コイルをガイドウェイに連続的に設置している。この地上コイルは、車両の超電導磁石の極ピッチ(同一超電導磁石内で隣り合う超電導コイルの中心間の長手方向距離)に応じた長さのものを所定ピッチで連続的に設置している。例えば、極ピッチの2倍の寸法(例えば2.7m)に対し、8の字コイルを図10(a)に示すように6個又は図10(b)に示すように3個設置している。山梨実験線の場合には6個設置を採用し、3個設置については一部山梨実験線を利用した確認試験を行っている。なお、山梨実験線用浮上・案内コイルは基本的に60度ピッチで6個配置する思想であるが、実際には、図10(a)に示すように、430mm、470mmというピッチが交互に繰り返される配置とされている。これは、正確に60度ピッチに相当する450mmピッチでコイルを配置すると、ガイドウェイ側壁のつなぎ目で電磁力脈動が発生することが分かっており(ガイドウェイ側壁つなぎ目部分は470mm)、それを抑制するための工夫である。なお、図10及び後述する図11(a)におけるコイル配置図中に記載されている数値の単位は全て[mm]である。 【0003】これらの設置方法は、主として必要とする浮上力と超電導磁石への加振力によって決められる。6個設置するものについては、浮上力は3個設置と比較して小さいが、超電導磁石の加振力も小さく、これまでの山梨実験線では、超電導磁石への影響が小さいことを重視して6個配置を採用している。また、将来に向けた浮上力向上策として、3個配置を山梨実験線の一部で確認試験を行っているが、超電導磁石の加振力も大きくなることが分かっており、これに耐える超電導磁石の開発が新たに必要となっている。 【0004】このような観点から、極ピッチの2倍の寸法に対して、図11(a)に示すように8の字コイルを4個(90度ピッチ)設置して、3個配置と同等の浮上力を確保しながら、6個配置並みに超電導磁石への影響も小さくしようとする方式が提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように90度ピッチで8の字コイルを4個設置した場合には、3個配置や6個配置の場合と比較して電磁力脈動が大きくなり、車両搭載機器等に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば図11(b)は、図11(a)の配置の場合の電磁力脈動を示したものであり、例えば3個配置の場合の数倍程度の脈動が発生する。 【0006】そこで本発明は、上述した極ピッチの2倍の寸法に対して3個配置した場合と同等の浮上力を確保し、且つ超電導磁石への影響を3個配置の場合より低減しながら、さらに電磁力脈動を極力小さくすることのできる地上コイルを提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の磁気浮上式鉄道の地上コイルは、極ピッチの2倍の長さの間に4個の地上コイルを配置するのであるが、上述のように等ピッチで配置すると電磁力脈動が大きくなるため、4個の内の中2個のコイルを相対的に(つまり等ピッチで配置した場合に比べて)小さくし、一方、端2個のコイルを相対的に大きくしたコイル配置を採用する。 【0008】例えば図5(a)はこのような配置の一例であり、図5(b)にはその配置の場合の電磁力脈動を示した。図11(b)との比較から分かるように、等ピッチで4個のコイルを配置した場合に対して電磁力脈動が低減しているのが分かる。このような配置を構成する上で、中2個同士、端2個同士は必ずしも同じ大きさのコイルである必要はないが、例えば請求項3に示すように同じ大きさとしてもよい。この場合は、コイルの大きさが2種類で済む。 【0009】また、請求項4に示すように、中2個のコイルは、電気角70度以上90度未満の大きさとし、端2個のコイルの大きさは電気角90度より大きく110度以下の大きさとすることも考えられる。これは、本発明者らによる実験の結果、これらの範囲における電磁力脈動が低減することは確認されているからである。もちろん、地上コイルの形状等によってこれらの数値は異なると思われるが、請求項7に示すような、8字型コイルとして形成され、ガイドウェイに対向配置されたコイル同士がヌルフラックス接続された構成を前提として得た一実験結果からは、上記のことが分かった。 【0010】また、上記目的を達成するためになされた請求項2に記載の磁気浮上式鉄道の地上コイルは、浮上機能を有するコイルとして許容される大きさの範囲内(具体的には、製造可能な最小のサイズ〜電気角180度まで)で、電気角60度、90度、120度及び180度を除く大きさのコイルを等ピッチで配置したことを特徴とする。なお、この場合のコイルの電気角については、それが整数になるか否かにこだわるものではない。 【0011】例えば図8(a)はこのような配置の一例であり、極ピッチの4倍の長さに対してコイルを等ピッチで7個(つまり102.9度ピッチ)配置したものである。図8(b)にはその配置の場合の電磁力脈動を示した。図11(b)との比較から分かるように、等ピッチで4個のコイルを配置した場合に対して電磁力脈動が低減しているのが分かる。 【0012】なお、製造可能な最小のサイズとしては例えば40度程度が考えられ、従って、例えば電気角40度〜180度までの間の60度、90度、120度及び180度を除く電気角に対応する大きさであればよい。但し、請求項5に示すように上限として電気角150度程度の大きさを採用することも考えられる。さらには、請求項6に示すように、電気角60度以上120度以下に対応する大きさの範囲にすることが好ましいと考えられる。これは、本発明者らによる実験の結果、電気角60度より小さい場合には期待する浮上特性が得にくくなり、また電気角120度よりも大きい場合には浮上特性が低下し易くなったからである。もちろん、地上コイルの形状等によってこれらの上下限は異なると思われるが、請求項7に示すような、8字型コイルとして形成され、ガイドウェイに対向配置されたコイル同士がヌルフラックス接続された構成を前提として得た一実験結果からは、上記のことが分かった。 【0013】本発明の対象となる地上コイルは、車両の少なくとも浮上機能を発揮できればよく、浮上コイル、浮上・案内コイル、浮上・推進コイル、浮上・案内・推進コイルなどに適用できる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。 【0015】以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は超電導磁気浮上式鉄道のガイドウェイ13及び超電導リニア車両(以下、単に車両と称す。)10を示す断面図であり、図2は、浮上・案内コイル1,1'の配置及び配線の概要を示す説明図である。 【0016】浮上・案内コイル1,1'は、1つのコイルで浮上・案内の機能が実現できるコイルであり、断面略U字状のガイドウェイ13の側壁に車両進行方向に沿って連続的に配置される。ここでは片方の側壁に配置されたものに1と付番し、他方の側壁に配置されたものを1'と付番する。なお、この車両進行方向に沿って連続的に配置する際にどのような間隔で配置するかに特徴があるが、この点については後述することとし、基本的な構成について先に説明する。 【0017】車両10の両側には、超電導磁石20,20'が、浮上・案内コイル1,1'とそれぞれ対向するよう垂直に装着されている。なお、超電導磁石20は浮上・案内コイル1と対向し、超電導磁石20'は浮上・案内コイル1'と対向する。以降の説明においても、車両の進行方向の左右に両方存在する構成に関しては、同じ番号を用いながら一方の番号に'を付することで、'の有無によってそれらが同じ側の構成であることを示すこととする。車両10を構成する車体は、鉄車輪とレールにより走行を行う従来の鉄道車両の車体と同様、客室や乗降用ドア等(図示せず)を有するものである。車両10に対しては、超高速浮上走行という特異な走行条件から、徹底した軽量化と高強度化が求められているため、車体の構体材料にはアルミニウム合金が用いられており、その構造も航空機と同様のセミモノコック構造になっている。また、走行時の空気抵抗を最小限に抑えるために、車体の表面は全体的に滑らかになっている。 【0018】車体は台車に搭載されており、この台車に超電導磁石20,20'やタイヤ12が設けられている。超電導磁石20,20'と推進コイル(図示せず)との磁気相互作用によって生じる推進力により車両10が推進することとなる。超電導磁石20,20'は、複数の超電導コイルが車両全長方向に隣接設置して構成されており、各超電導コイルは、図示しないステンレス製の内槽容器の中に液体ヘリウムとともに収納されている。この超電導コイルはニオブ・チタン合金等の超電導線材を数千回巻いて構成されており、電流を流すことによって磁界が発生する。そして、図示しないステンレス製の内槽容器の中に液体ヘリウムとともに収納されている。また超電導磁石20,20'には、超電導コイルを冷却して超電導状態に保つための、液体ヘリウムを有する車載冷凍機(図示せず)も設けられている。超電導磁石20,20'を構成する隣接した複数個の超電導コイルの極性は、隣り合う極が互いに異極となるように(つまりN極とS極が交互に並ぶように)配置されている。この隣り合う超電導コイルの中心間距離を「極ピッチ」と呼ぶ。 【0019】一方、浮上・案内コイル1,1′は、図2に示すように、上方のコイル2,2'及び下方のコイル3,3'とをヌルフラックス接続した閉回路からなっている。具体的には、一方の側壁の浮上・案内コイルの上方コイル2と、それと対向する(反対側の側壁の)浮上・案内コイル1'の上方コイル2'とがヌルフラックスケーブル4,5を介して図2に示すようにヌルフラックス接続されている。車両10がタイヤ12を介して地上に着座している時における車両10側の超電導磁石20,20'の垂直方向の中心と浮上・案内コイル1,1'の垂直方向の中心とは同一水平線上にあるように設定されている。なお、上方のコイル2,2'と下方のコイル3,3'とはそれぞれ同様の形状にされて上下対称に配置され、8の字型コイルとして構成されている。 【0020】また、図示しないが、ガイドウェイ13の側壁と浮上・案内コイル1,1'との間には推進コイルが配置されている。具体的には、推進コイルは表裏2層からなっており、したがってガイドウェイ13の側壁には、表裏2層の推進コイルを取り付けた後、その表面に浮上・案内コイル1,1'を取り付けて合計3層の地上コイル構成としてある。推進コイルは、車両進行方向に沿って連続的に配置されているのであるが、各推進コイルから磁界を発生させるための電力が図示しない電力変換変電所から供給されている。より具体的には、本実施形態では、各推進コイルには、走らせたい車両速度に応じた周波数の三相交流電流(U相電流、V相電流、W相電流)がそれぞれ流れる。そして、各々の推進コイルから発生する磁界が重なり合うことにより、結果として推進コイルからはN極とS極が交互にしかも連続的に変化する磁界が発生する。 【0021】このような基本的な構成によって、次の■〜■に示す浮上力・案内力・推進力が得られる。 ■浮上力車両10がタイヤ12を介して低速走行している時は、超電導磁石20,20'と浮上・案内コイル1,1'との位置的関係は上述のごとく設定されており、かつ上方及び下方コイル2,2',3,3'はヌルフラックス接続されているので、浮上・案内コイル1,1'の鎖交磁束は0、電流は0であって電磁気的な走行抵抗は0である。車両10の(タイヤ12を引き込めての)浮上走行時には超電導磁石20,20'の垂直方向の中心が浮上・案内コイル1,1'の垂直方向の中心より下方に移行し、上方コイル2,2'及び下方コイル3,3'間で鎖交する磁束に差が生じ、上方及び下方コイル2,2',3,3'に図3に示すような電流が誘起され、反撥と吸引によって超電導磁石20,20'を上方へ戻そうとする浮上力が発生し、車両の重量とバランスした位置で安定する。この場合も上方及び下方コイル2,2',3,3'は小さい電流で有効に浮上力を発生するので、電磁気的な走行抵抗を小さくすることができる。 【0022】■案内力車両10がガイドウェイ13の中央に位置する時は、浮上・案内コイル1,1'はガイドウェイ13の長手方向中心線に対して対称に配置され、かつ対向する上方コイル2,2'はヌルフラックスケーブル4,5を介してヌルフラックス接続されているので、浮上・案内コイル1,1'の鎖交磁束は0、電流は0で、電磁気的な走行抵抗は0である。浮上走行中、車両10が左右方向へ変位すると、左右の上方コイル2,2'間および左右の下方コイル3,3'間で鎖交する磁束に差が生じ、図4に示すような電流が誘起され、それによって超電導磁石20,20'を中央へ戻す案内力が生ずる。 【0023】■推進力推進コイルに電力(本実施形態では三相交流電力)を供給して磁界を発生させ、しかも車両進行方向に隣り合う3つの推進コイルの各々に、走らせたい車両速度に応じた周波数の三相交流電流(U相電流、V相電流、W相電流)をそれぞれ流すと、各々の推進コイルから発生する磁界が重なり合うことにより、結果としてN極とS極が交互にしかも連続的に変化する磁界が発生する。これによって、各推進コイルと対向する車両10側の超電導磁石20,20'との間に相互作用(吸引力又は反発力)が生じて、車両10が推進する。これは、リニアシンクロナスモータによる推進原理を利用したものである。 【0024】次に、浮上・案内コイル1,1'を車両進行方向に沿ってどのような間隔で配置するかについて図5を参照して説明する。なお、本実施例では、左右の浮上・案内コイル1,1'は対称に配置されるので、一方の浮上・案内コイル1について取り上げて説明することにする。 【0025】[第1の配置例]ここでは、超電導磁石20を構成する隣り合う超電導コイルの中心間距離である極ピッチの2倍の長さが2.7mであるとして考える。本第1の配置例は、図5(a)に示すように、極ピッチの2倍の長さ2.7m内に4個の浮上・案内コイル1を配置し、且つ4個の内の中2個の浮上・案内コイル1を相対的に(つまり等ピッチで配置した場合に比べて)小さくし、一方、端2個の浮上・案内コイル1を相対的に大きくしたコイル配置を採用する。そして、このような4個の配置パターンが繰り返し登場することとなる。具体的には、中2個の浮上・案内コイル1の長さは474mmであり、端2個の浮上・案内コイル1の長さは675mmである。また中2個の浮上・案内コイル1同士の間隔は575mm、中2個の浮上・案内コイル1と(それに隣接する)端2個の浮上・案内コイル1との間隔を675mmとなるようなコイル1の大きさ及び配置とする。なお、このような4つのコイルが繰り返し配置されるため、隣接するコイルセットを考えると、長さ675mmという大きい方の浮上・案内コイル1同士が隣接することとなる。それらの間隔は775mmである。図2もこの配置例の場合に対応する。また、浮上・案内コイル1を構成する上下コイル間の距離は420mmとする。なお、この図5(a)や後述の第2の配置例で参照する図8(a)、あるいは従来技術として説明した図10や図11(a)におけるコイル配置図中に記載されている数値の単位は全て[mm]である。 【0026】図5(b)にはその配置の場合の電磁力脈動を示した。なお、ここでは、超電導コイルと浮上・案内コイル1との距離を175mm、走行速度100km/hという条件下での実験結果である。図11(b)は、同一条件下において図11(a)に示すように極ピッチの2倍の長さ2.7m内に4個の浮上・案内コイル1を等ピッチで配置した場合の電磁力脈動を示している。この等ピッチで4個のコイルを配置した場合との比較から分かるように、図5(b)の場合には電磁力脈動が低減しているのが分かる。 【0027】このように、極ピッチの2倍の長さ内に3個配置する場合と同等の浮上力を確保し、且つ6個配置並みに超電導磁石20,20'への影響も小さくできる4個配置を前提としながら、従来の等ピッチ配置に対して、さらに電磁力脈動を極力小さくすることができる。 【0028】ところで、図5に示した配置例は、電気角で言えば、極ピッチの2倍、すなわち360度の範囲を105度−75度−75度−105度の大きさの組み合わせで構成する例である。他の電気角の組合せの場合のいくつかの実験例を示しておく。図6(a)は95度−85度−85度−95度の配置例、同(b)は100度−80度−80度−100度の配置例、同(c)は110度−70度−70度−110度の配置例における電磁力脈動を示したものである。図11(a)に示すように4個の浮上・案内コイル1を等ピッチで配置した場合には90度−90度−90度−90度となるが、この場合の電磁力脈動(図11(b))との比較から分かるように、これらいずれの場合においても電磁力脈動が低減しているのが分かる。したがって、一実験例からではあるが、中2個のコイルは電気角70度以上90度未満の大きさとし、端2個のコイルの大きさは電気角90度より大きく110度以下の大きさとすることによって、90度等ピッチの場合よりも電磁力脈動が低減していることは確認された。 【0029】なお、本配置例では4つで1セットとなる浮上・案内コイル1の中2個同士、端2個同士を同じ大きさにしたが、この場合は、コイル1の大きさを2種類準備すればよいというメリットがある。但し、必ずしも同じ大きさのコイル1である必要はなく、全て違う大きさにしてもよい。もちろん、中2個の浮上・案内コイル1を相対的に小さくし、端2個の浮上・案内コイル1を相対的に大きくするという条件は満たす必要がある。 【0030】このような配置にした場合も、上述のように、中2個のコイルは電気角70度以上90度未満の大きさとし、端2個のコイルの端2個のコイルの大きさは電気角90度より大きく110度以下の大きさとすることが好ましいと考えられる。図7には、電気角100度−80度−70度−110度という、コイル1の大きさが全て異なる場合の配置例における電磁力脈動を示したものである。この場合も、全体的な電磁力脈動の影響を分析すると、4個等ピッチ(90度ピッチ)の場合の電磁力脈動(図11(b))よりも低減しているのが分かる。 【0031】[第2の配置例]上記第1の配置例の場合と同様、極ピッチの2倍の長さが2.7mであるとして考える。本第2の配置例は、図8(a)に示すように、極ピッチの4倍の長さ5.4m内に7個の浮上・案内コイル1を等ピッチで配置したものである。図8(a)では4個のみ示しているが、コイルの大きさ(水平方向長さ)が671.4mm、コイル間隔が771.4mmという配置パターンが繰り返し登場することとなる。なお、実際には5.4mは7で割り切れないため、微調整はされている。 【0032】図8(b)にはその配置の場合の電磁力脈動を示した。なお、上記第1の配置例と同様に、超電導コイルと浮上・案内コイル1との距離を175mm、走行速度100km/hという条件下での実験結果である。図11(a)のような極ピッチの2倍の長さ2.7m内に4個の浮上・案内コイル1を等ピッチで配置した場合の電磁力脈動を示す図11(b)との比較から分かるように、等ピッチで4個のコイルを配置した場合に対して電磁力脈動が大きく低減しているのが分かる。 【0033】なお、図8では、極ピッチの4倍の長さ(つまり、極ピッチの2倍の2.7mという基準ピッチの2倍)5.4m内に7個の浮上・案内コイル1を等ピッチで配置した例を示したが、同じ長さに5個、9個、10個、11個の浮上・案内コイル1を等ピッチで配置することも考えられる。また、極ピッチの6倍の長さ(つまり、上記基準ピッチ2.7mの3倍)8.1m内に7個、8個、10個、11個、13個、14個、15個、16個の浮上・案内コイル1を等ピッチで配置することも考えられる。これらはつまり、従来知られている極ピッチの2倍の2.7mという基準ピッチに対して3個、4個、6個等ピッチで配置する場合を除外したものである。 【0034】なお、理論的には上述した配置コイル数よりもさらに多くの、あるいはさらに少ない数のコイルを等ピッチで配置することも可能であるが、現実的には、コイルサイズの下限として、製造可能な最小のサイズがある。この最小サイズとして例えば電気角40度程度が考えられる。一方、コイルサイズの上限は極ピッチの半分である。この上限値を超えると、超電導コイルのN極とS極が同時に同じ浮上・案内コイル1内に入り、浮上・案内コイル1内にうまく電流が流れず、その結果として、浮上力が発生しないためである。従って、例えば電気角40度〜180度までの間の60度、90度、120度及び180度を除く電気角に対応する大きさを採用することが考えられる。なお、図8に示した配置例は、電気角で言えば、極ピッチの4倍、すなわち電気角720度の範囲内に7個配置しているため、720度/7=102.9度の等ピッチで配置した例である。また、電気角60度以上120度以下に対応する大きさの範囲にすることも好ましいと考えられる。これは、本発明者らによる実験の結果、電気角60度より小さい場合には期待する浮上特性が得られにくくなり、また電気角120度よりも大きい場合には浮上特性が低下する傾向にあったからである。もちろん、一実験例による結果であることは考慮する必要がある。 【0035】いずれにせよ、図8(a)に示す極ピッチの4倍の5.4m内に7個の浮上・案内コイル1を等ピッチで配置する例は、浮上特性の面でも期待する特性が確保でき、さらに図8(b)と図11(b)との比較からも分かるように、電磁力脈動の低減の点で非常に有利である。また、超電導磁石への影響が3個配置の場合より少なくなる。 【0036】なお、他の電気角での実験例を示しておく。図9は極ピッチの4倍である電気角720度の範囲内に5個配置した144度等ピッチの場合の電磁力脈動を示したものである。この場合も、全体的な電磁力脈動の影響を分析すると、4個等ピッチ(90度ピッチ)の場合の電磁力脈動(図11(b))よりも低減しているのが分かる。 【0037】[その他] (1)上記実施例では、浮上・案内コイル1,1'を例にとって説明したが、車両10の少なくとも浮上機能を発揮できればよく、浮上機能のみ発揮するコイル、浮上・案内機能を発揮するコイル、浮上・推進機能を発揮するコイル、さらには1つのコイルで浮上・案内・推進のすべての機能を発揮するコイルなどに適用できる。 【0038】(2)上記実施例においては一つの浮上・案内コイル1,1'を構成している上方コイル2,2'と下方コイル3,3'が同一形状および同一寸法である場合の例について述べたが、これらは同一形状、同一寸法でない場合でも実現は可能である。 【0039】(3)上記実施例では、浮上機能を有するコイルをガイドウェイ側壁に設置するものを用いたが、これを走行路面(U字形の底面)に設置しても実現可能である。 (4)上記実施例ではガイドウェイ13として断面U字状のものを用いたが、逆T字形や箱型断面、板状のもの等、種々の形状のものを用いることができ、ガイドウェイ13の形状は、これに限定されるものではない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390021577 【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社 【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1番4号
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| 【出願日】 |
平成14年5月15日(2002.5.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082500 【弁理士】 【氏名又は名称】足立 勉
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| 【公開番号】 |
特開2003−333709(P2003−333709A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月21日(2003.11.21) |
| 【出願番号】 |
特願2002−140185(P2002−140185) |
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