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【発明の名称】 電気自動車のためのハイブリッド・エネルギー・システム
【発明者】 【氏名】ブルース エム.コフ

【氏名】ジン ソング

【氏名】イ ディン

【要約】 【課題】安価で応答の速いハイブリッド・エネルギー・システムを提供する。

【解決手段】電気自動車のような負荷へエネルギーを供給するハイブリッド・エネルギー・システム10が設けられる。エネルギー・システム10は、エネルギー貯蔵装置14と燃料電池システム16とを含む。エネルギー貯蔵装置14のエネルギー蓄積状態が所定の蓄積状態以上であるとき、エネルギー貯蔵装置14は負荷12へのエネルギーの全てを供給する。エネルギー貯蔵状態が所定の蓄積状態を下回るとき、燃料電池システム16が負荷12へのエネルギーの少なくとも一部を供給する。本発明の観点の一つによれば、負荷12のエネルギー要求が燃料電池システム16の最適エネルギー出力を超えていない限り、燃料電池システム16が負荷12へのエネルギーの全てを供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エネルギー貯蔵装置及び燃料電池システムを有し、エネルギーを負荷に供給するためのハイブリッド・エネルギー・システムであって、上記エネルギー貯蔵装置におけるエネルギーの蓄積状態が所定の第1蓄積状態よりも大きいときに、該エネルギー貯蔵装置がエネルギーの全てを供給し、上記エネルギー貯蔵装置のエネルギー蓄積状態が上記第1蓄積状態以下であるときには、上記燃料電池システムが少なくとも一部のエネルギーを供給する、ように構成したことを特徴とするハイブリッド・エネルギー・システム。
【請求項2】 上記負荷が電気自動車を含むことを特徴とする、請求項1のハイブリッド・エネルギー・システム。
【請求項3】 上記第1蓄積状態が約70パーセントと約90パーセントとの間であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のハイブリッド・エネルギー・システム。
【請求項4】 上記エネルギー貯蔵装置におけるエネルギーの蓄積状態が所定の第2蓄積状態未満であるときに、上記燃料電池システムが上記負荷にエネルギーの全てを供給する、ように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のハイブリッド・エネルギー・システム。
【請求項5】 上記第2蓄積状態が約20パーセントと約50パーセントとの間であることを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド・エネルギー・システム。
【請求項6】 上記エネルギー貯蔵装置の蓄積状態が上記第1蓄積状態以下であり、且つ上記負荷のエネルギー要求が上記燃料電池システムの最適出力以下であるときに、上記負荷への供給エネルギーの全てを上記燃料電池システムにより供給する、ように構成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のハイブリッド・エネルギー・システム。
【請求項7】 上記エネルギー貯蔵装置のエネルギー状態が上記第1蓄積状態以下であり、上記負荷のエネルギー要求が上記燃料電池システムの最適出力よりも大きいとき、上記エネルギー貯蔵装置及び上記燃料電池システムの両方により上記負荷へエネルギーを供給する、ように構成したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載のハイブリッド・エネルギー・システム。
【請求項8】 上記貯蔵装置の蓄積状態が上記第1蓄積状態以下であるとき、上記燃料電池システムが上記エネルギー貯蔵装置を充電する、ように構成したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載のハイブリッド・エネルギー・システム。
【請求項9】 負荷にエネルギーを供給する方法であって、エネルギー貯蔵装置及び燃料電池システムを設け、上記エネルギー貯蔵装置及び燃料電池を制御して、該エネルギー貯蔵装置におけるエネルギーの蓄積状態が所定の第1蓄積状態よりも大きいときに、当該エネルギー貯蔵装置からエネルギーの全てを供給する一方、上記エネルギー貯蔵装置のエネルギー蓄積状態が上記第1蓄積状態以下であるときには、上記燃料電池システムから少なくとも一部のエネルギーを供給する、ことを特徴とするエネルギー供給方法。
【請求項10】 上記負荷が電気自動車を含むことを特徴とする、請求項9のエネルギー供給方法。
【請求項11】 上記第1所定蓄積状態が約70パーセントと約90パーセントとの間にあることを特徴とする請求項9又は10のいずれかに記載のエネルギー供給方法。
【請求項12】 上記エネルギー貯蔵装置のエネルギー蓄積状態が所定の第2蓄積状態未満であるとき、上記燃料電池システムが上記負荷への供給エネルギーである電力の全てを供給する、ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1つに記載のエネルギー供給方法。
【請求項13】 上記第2蓄積状態が約20パーセントと約50パーセントとの間にあることを特徴とする請求項12に記載のエネルギー供給方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば電気自動車等におけるエネルギー・システムやエネルギー供給方法に関し、より具体的には、電気自動車のための電力システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気自動車においては、バッテリーと燃料電池の両方を含むハイブリッド・エネルギー・システムを備える場合がある(例えば、特許文献1乃至6を参照)。通常のバッテリーは単独で用いられる場合、長距離走行を可能にするのに充分な充電量を持っておらず、また、充電するのに比較的長時間を有するので、ハイブリッド・エネルギー・システムが用いられる。更に、通常の燃料電池は、単独で用いられる場合には、車両の動力要求の大幅な変動に対処するのに充分なエネルギーを発生することが出来ない。通常の燃料電池はまた、低外気温において始動時間が長く、車両のエネルギー要求の変化に対する応答が遅い。
【0003】
【特許文献1】米国特許第4839574号明細書【特許文献2】米国特許第4931947号明細書【特許文献3】米国特許第4961151号明細書【特許文献4】米国特許第4962462号明細書【特許文献5】米国特許第5631532号明細書【特許文献6】米国特許第5808448号明細書【0004】
【発明が解決しようとする課題】電気自動車で用いられるハイブリッド・エネルギー・システムは、車両の主動力源として用いられる比較的大容量の燃料電池と、車両の動力要求が燃料電池の最大出力を超えるときに二次動力源として用いられる小型バッテリーと、を含むのが最も一般的である。しかしながら、燃料電池が比較的高価であり、エネルギー・システム全体としては車両の動力要求の変化に対する応答が遅いので、これら従来のハイブリッド・エネルギー・システムは不利である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、例えば電気自動車の様な負荷にエネルギーを供給するためのハイブリッド・エネルギー・システムを提供する。本発明によるハイブリッド・エネルギー・システムは、バッテリーの様なエネルギー貯蔵装置と燃料電池とを含む。上記エネルギー貯蔵装置におけるエネルギーの蓄積状態が所定の第1蓄積状態よりも大きい限り、エネルギー貯蔵装置がエネルギーの全てを供給する。上記エネルギー貯蔵装置のエネルギー蓄積状態が上記第1蓄積状態以下であるときには、上記燃料電池システムが上記エネルギーの少なくとも一部を供給する。
【0006】本発明の別の観点によれば、エネルギー・システムの効率を最適化する様に、エネルギー貯蔵装置及び燃料電池により提供されるエネルギー量を、それぞれ、運転状態に応答して変更することが出来る。具体的には、上記エネルギー貯蔵装置におけるエネルギーの蓄積状態が所定の第2蓄積状態を下回るときに、上記燃料電池から負荷へのエネルギーの全てを供給させるようにすることが出来る。また、上記エネルギー貯蔵装置のエネルギー蓄積状態が上記第1蓄積状態と第2蓄積状態との間にあるときには、上記負荷の要求エネルギー(例えば要求電力等)が上記燃料電池の最適出力以下である限り、上記燃料電池から上記負荷へのエネルギーの全てを供給するようにし、一方、上記負荷の要求エネルギーが上記燃料電池の最適出力を超えるときには、上記エネルギー貯蔵装置と燃料電池の両方から上記負荷へエネルギーを供給するようにすることができる。
【0007】本発明による負荷へのエネルギー供給方法は、エネルギー貯蔵装置と燃料電池を設ける工程を含む。この方法は更に、上記エネルギー貯蔵装置と燃料電池とを制御する工程を含み、そこで、上記エネルギー貯蔵装置のエネルギー蓄積状態が上記第1蓄積状態よりも大きいときには、上記エネルギー貯蔵装置から上記負荷へのエネルギーの全てを供給し、一方、上記エネルギー貯蔵装置の蓄積状態が上記第1蓄積状態以下であるときには、上記燃料電池から上記エネルギーの少なくとも一部を供給する。
【0008】本発明のハイブリッド・エネルギー・システムは、大型の燃料電池を必要とせず、このことで、従来のエネルギー・システムよりも安価とすることが出来る。更に本発明のエネルギー・システムは、負荷によるエネルギー要求の変化に対して比較的迅速に応答することが出来る。最後に、本発明のエネルギー・システム(例えば電力システム)は、エネルギー貯蔵装置と燃料電池のエネルギー発生能力を最適化する様に、エネルギー貯蔵装置と燃料電池とを制御する。
【0009】本発明の上記のものなどの利点は、例として本発明の特徴を示す以下の詳細な説明と添付の図面から、当業者に明らかであろうと思われる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、複数の図面を参照して本発明の説明をする。これら複数の図面では同一の構成部品を特定するのに同じ符号が用いられる。図1は、負荷12へエネルギー(power)を供給するエネルギー・システム10を示している。エネルギー・システム10は、エネルギー貯蔵装置14と、燃料電池システム16と、コンバーター18と、エネルギー貯蔵装置14及び燃料電池システム16を制御する制御回路20と、を含むものとすることが出来る。本発明によれば、負荷12は、例えば電気自動車とすることが出来る。しかしながら、本発明は、他のタイプの負荷にエネルギーを供給するために用いるのも可能であると、理解されるはずである。
【0011】エネルギー貯蔵装置14は負荷12への電力を供給する。この装置14は、燃料電池の付帯物のエネルギー要求に合致する様にして、燃料電池システム16を励起するのに用いることも出来る。エネルギー貯蔵装置14は、この技術分野では一般的なものであり、以下の例に限定されるものではないが、鉛−酸バッテリー、ナトリウム−硫黄(Na/S)バッテリー、ナトリウム−塩酸ニッケル(Na/NiCl2)バッテリー、ニッケル−カドミウム(Ni/Cd)バッテリー、ニッケル−金属水素化物バッテリー、リチウム・イオン・バッテリー又はリチウム・ポリマー・バッテリー、を含む各種通常のバッテリーのいずれかを含むバッテリー、とすることが出来る。また、エネルギー貯蔵装置14は、例えば、平行板又は二層形の、ウルトラキャパシター(高エネルギー密度コンデンサー)を構成しても良い。本発明の実施形態の一つにおいて、装置14が、約10 kWと約100 kWの間の電力(エネルギー)を発生することが出来る。
【0012】燃料電池システム16もまた、負荷12へエネルギーを供給する。このシステム16はまた、エネルギー貯蔵装置14の充電状態(エネルギー蓄積状態)が所定の充電状態以下のときに、該貯蔵装置14へ充電するためにも、設けられている。燃料電池システム16はこの分野では一般的なものであり、以下の例に限定されるものではないが、高分子電解膜燃料電池(polymer electrolyte membrane fuel cell:PEMFC)、固体酸化物燃料電池(solid oxide fuel cell: SOFC)、アルカリ燃料電池(alkaline fuel cell: AFC)、燐酸燃料電池(phosphoric acid fuel cell: PAFC)又は溶融炭酸燃料電池(molten carbonate fuel cell: MCFC)を含む各種従来の燃料電池からなる、一つ又は複数の燃料電池を含むことが出来る。システム16の燃料電池システム16は、直接水素、直接メタノール又は改質燃料で、動作することが出来る。本発明の実施形態の一つにおいて、燃料電池システム16は、約5 kW と約70 kWとの間の出力、より好ましくは約20 kWと約40 kWとの間の出力を発生することが出来る。図示の実施形態において、燃料電池システム16は、エネルギー貯蔵装置14と並列に接続されている。燃料電池システム16がエネルギー貯蔵装置14により充電されるのを防止するために、ダイオード22をシステム16と直列に接続してもよい。以下に詳細に説明するが、燃料電池システム16は、エネルギー貯蔵装置14の充電状態に応じて2つの固定的なモード(例えば、燃料電池システム16の最も効率のよい出力モード又は所定の最大出力モード)のいずれか一方で運転するようにしてもよい。本発明により求められるものではないが、システム16の作動を二つ以上の固定的なモードに限定することは、電力変動による損失を制限し、システム16と電力システム10の制御を単純化し、システム16の熱疲労を回避し、そして、改質システムの安定作動を得る、という点で、有利である。システム16が理想的な効率で出力を発生する際の動作モードは、電気自動車においては、例えば、車両がクルーズ・コントロール(オート・クルーズ)されている及び/又は高速走行中に、起こり易い。当業者に理解されることになる様に、システム16の理想的な効率の出力は、例えば、負荷12が要求するある期間にわたる平均電流を判定するといった、種々の方法により、判定され得る。
【0013】コンバーター18は、エネルギー貯蔵装置14と燃料電池システム16との間の電圧を平衡させるために、設けられる。コンバーター18は、通常のDC/DCコンバーターからなるものとすることが出来る。コンバーター18は、システム16と直列に、そしてエネルギー貯蔵装置14及び負荷12とは並列に、接続され得る。
【0014】制御回路20は、エネルギー貯蔵装置14と燃料電池システム16とを制御するために、設けられる。回路20は、計測装置24, 26、制御装置28、及び制御器30を、含み得る。
【0015】計測装置24, 26は、エネルギー貯蔵装置14及び燃料電池システム16により生成される電流及び/又は電圧を計測するために、設けられる。この装置24, 26は、この分野では一般的なものであり、例えば、電流計からなるものとすればよい。計測装置24は、エネルギー貯蔵装置14と直列に接続すればよく、この貯蔵装置14へ入力する充電電流と貯蔵装置14により出力される放電電流を計測するために用いられ得る。また、計測装置26は、共通ノード32と負荷12との間に接続すればよく、負荷電流を計測するために用いられ得る。計測装置24, 26はそれぞれ、制御器30に対する一つ又は複数の制御信号を生成し得る。
【0016】制御装置28は、燃料電池システム16を選択的に作動させるために設けられる。制御装置28は、この分野では一般的なものであり、通常のスイッチング装置から構成され得る。スイッチング装置は、通常のトランジスタやリレーを含む複数のものであって、通常のいかなる形態も取り得るということが、当業者には理解されるはずである。
【0017】制御器30は、エネルギー貯蔵装置14及び燃料電池システム16を制御するために設けられる。制御器30は、一組のプログラム命令(つまりソフトウェア)の制御の下で作動するマイクロプロセッサーを有するものとすることが出来る。しかしながら、制御器30は、離散型のデジタル及び/又はアナログ回路を用いても実装され得ることが、理解されるはずである。制御器30は、例えば、計測装置24, 26からの入力信号を受け得る。制御器30はまた、エネルギー貯蔵装置14、燃料電池システム16及び制御装置28を制御するために用いられる出力信号を発生し得る。
【0018】制御器30は、一定の動作状態に応答して、エネルギー貯蔵装置14と燃料電池システム16とを制御し、そして、表1に従って動作し得る。ここで、SOCはエネルギー貯蔵装置14の充電状態を示し、SOCLはエネルギー貯蔵装置14の所定の低充電状態を示し、SOCUはエネルギー貯蔵装置14の所定の高充電状態を示し、PFCOPTは燃料電池システム16の最適出力を示し、PREQは負荷12(燃料電池に付随する負荷を含む)のエネルギー要求を示す。そしてX1及びX2は所定の値である。
【0019】
【表1】

@001【0020】表1で設定される様に、制御器30は、本発明による一つ又は複数の作動原則に基き、動作することが出来る。第1に、エネルギー貯蔵装置14の充電状態SOCが所定の高充電状態SOCUよりも大きい限り、貯蔵装置14は負荷12へのエネルギー(電力)の全てを供給する。所定の高蓄積状態SOCUは、約70%と約90%との間とすることが出来る。第2に、蓄積状態SOCが所定の蓄積状態SOCU以上であるとき、燃料電池システム16は、負荷12へのエネルギーの少なくとも一部を供給する。第3に、エネルギー貯蔵装置14の蓄積状態SOCが所定の低充電状態SOCL未満になるとき、燃料電池システム16は負荷12へのエネルギーの全てを供給する。所定の低蓄積状態SOCLは、約20%と約50%との間とすることが出来る。第4に、エネルギー貯蔵装置の蓄積状態SOCが所定の高蓄積状態SOCUと低蓄積状態SOCLとの間にあるとき、負荷12へのエネルギー要求PREQが燃料電池システム16の最適出力PFCOPT以下である限り、燃料電池システム16が負荷12へのエネルギーの全てを供給し、一方、エネルギー要求PREQが燃料電池システム16の最適出力PFCOPTを超えるときには、エネルギー貯蔵装置14が追加で必要とされているエネルギーを供給する。第5に、エネルギー貯蔵装置14の充電状態SOCが所定の高充電状態を下回るときには、燃料電池システム16はエネルギー貯蔵装置14の充電のために放電する。
【0021】ここで図1及び2には、負荷12へエネルギーを供給する方法が示されている。この方法は、エネルギー貯蔵装置14及び燃料電池システム16を設ける工程と、該貯蔵装置14及び燃料電池システム16を負荷12へエネルギーを供給するように構成する工程と、を有し、さらに、エネルギー貯蔵装置14と燃料電池システム16を制御する工程を含む。
【0022】ここで、図2を参照すると、エネルギー貯蔵装置14及び燃料電池システム16は、複数のサブステップを持つ所定のアルゴリズムに従って制御される。しかしながら、図2に示されるアルゴリズムは、本発明の範囲から逸脱することのない範囲で変更してもよい。すなわち、同じ結果が得られるのであれば、例えば、エネルギー貯蔵装置14の充電状態に関する比較を行うときの状態は変更することが出来るし、サブステップの順番もまた、変更することが出来る。
【0023】このアルゴリズムは、エネルギー貯蔵装置14の蓄積状態SOCを所定の高充電状態SOCUと比較するサブステップ34で開始し得る。該貯蔵装置14の充電状態SOCが所定の高充電状態SOCUよりも大きい限り、貯蔵装置14が負荷12へのエネルギーの全てを供給し続け、制御器30はサブステップ36, 38を実施し得る。第1に、燃料電池システム16は、このシステム16が放電するのを防止するサブステップ36に従い、不作動にされ得る。図1を参照すると、制御器30は、制御装置28を不作動にする制御信号を発生し、それにより、燃料電池システム16を不作動にし得る。再び図2を参照すると、制御器30は、エネルギー貯蔵装置14を過充電(回生制動を介してのものを含む)から保護するサブステップ38に従い、当該貯蔵装置14の充電の許可を中断し得る。制御器30は、例えば、ソフトウェア命令に従い生成される制御信号に応答して貯蔵装置14へ充電電流を導く一つ又は複数の離散型の電子要素の制御を通して、サブステップ38を実行し得る。以上のことは当業者に理解されると思われる。
【0024】エネルギー貯蔵装置14の充電状態SOCが所定の高充電状態SOCU以下であるとき、制御器30は、貯蔵装置14の充電状態SOCを別の所定充電状態SOCM1と比較するサブステップ40を実行し得る。この充電状態は、所定の高充電状態SOCUから所定の値X1を差引いたものとして、定義され得る。所定の充電状態SOCM1はエネルギー貯蔵装置14の所定の低充電状態SOCLよりも大きい。エネルギー貯蔵装置14の充電状態SOCが所定の充電状態SOCM1よりも大きい限り、該貯蔵装置14は負荷12へのエネルギーの全てを供給し続ける。
【0025】エネルギー貯蔵装置14の充電状態SOCがSOCM1以下のとき、制御器30がサブステップ42, 44, 46, 48を実行し得る。第1に、制御器30は、サブステップ42に従い、エネルギー貯蔵装置14への充電(回生制動を介してのものを含む)を可能とする。制御器30は、例えば、ソフトウェア命令に従い生成される制御信号に応答して貯蔵装置14へ充電電流を導く一つ又は複数の離散型の電子要素の制御を通して、サブステップ42を実行し得る。回生制動中にエネルギー貯蔵装置14への蓄積をそれぞれ可能及び不能にする2つの別個の値SOCM1及びSOCUを使用することが好ましい。そうすれば、エネルギー貯蔵装置14の充電状態SOCにおける変化に応答して望ましくない振動的作動の発生することを防止できるからである。
【0026】次に、燃料電池システム16は、サブステップ44に従って作動されて、放電を始めるようにしてもよい。図1を参照すると、制御器30が、制御装置28を作動するための制御信号を発生し、それにより燃料電池システム16を作動させることが出来る。再び図2を参照すると、制御器30は次にサブステップ46に従い、燃料電池システム16の出力電流IFCを、電流Ieff_maxへ設定する。Ieff_maxは、燃料電池システム16の最適効率の出力PFCOPTを発生する様に選択される。最終的に、制御器30は、エネルギー貯蔵装置14の充電状態SOCを所定の充電状態SOCM2と比較するサブステップ48を実行し得る。SOCM2は、所定の低充電状態SOCLに所定値X2を足したものと定義することが出来、所定の高充電状態SOCU未満である。
【0027】エネルギー貯蔵装置14の充電状態SOCがSOCM2未満であるとき、制御器30は、貯蔵装置14の充電状態SOCを所定の低充電状態SOCLと比較するサブステップ50を実行することが出来る。エネルギー貯蔵装置14の充電状態SOCが所定の低充電状態SOCL以上であるとき、制御器30は、サブステップ48で設定された比較を繰返すことが出来る。しかしながら、貯蔵装置14の充電状態SOCが所定の低充電状態SOCL未満であるとき、制御器30は、サブステップ52, 54を実行し得る。最初に、制御器30は、貯蔵装置14が更に電流を放出するのを防止するサブステップ52に従い、貯蔵装置14を遮断することが出来る。制御器30は次に、負荷12へエネルギーを供給すると共に貯蔵装置14を充電するためのサブステップ54に従い、所定の最大出力電流Ipwr_maxを放電する様に燃料電池システム16に指示する。サブステップ52, 54の完了に伴い、制御器30は、サブステップ48で設定された比較を繰返すことが出来る。
【0028】サブステップ48に従い、エネルギー貯蔵装置14の充電状態SOCの所定充電状態SOCM2未満であるときに、制御器30はサブステップ56, 58を実行し得る。第1に、制御器30は、サブステップ56に従い貯蔵装置14から電流の放出を可能とすることが出来る。そして、制御器30はサブステップ58に従い、負荷12のエネルギー要求PREQを燃料電池システム16の所定の最適出力PFCOPTと比較し得る。
【0029】負荷12のエネルギー要求PREQが、燃料電池システム16の所定の最適出力以下であるとき、このシステム16が負荷12へのエネルギーの全てを供給する。制御器30はまた、燃料電池システム16から負荷12へ供給される電流が該負荷に必要とされる電流を超えたときに、この超えた分の電流でエネルギー貯蔵装置14が充電されるように、当該貯蔵装置14を制御することができる。また、負荷12のエネルギー要求が燃料電池システム16の所定の最適出力PFCOPTよりも大きいときには、制御器30はサブステップ60に従いエネルギー貯蔵装置14から電流を放電させ、それにより負荷12へのエネルギーを供給するのに要する更なる電流を供給する様に、貯蔵装置14を制御し得る。制御器30はそして、エネルギー貯蔵装置14の蓄積状態SOCの所定蓄積状態SOCM1への比較を繰返すことが出来る。
【0030】
【発明の効果】本発明は、従来のハイブリッド・エネルギー・システムと比較して、大きな進歩を示すものである。具体的には、本発明のエネルギー・システムは、大きな燃料電池を必要とすることがなく、それ故に従来のエネルギー・システムよりも安価である。本発明のエネルギー・システムは、貯蔵装置のエネルギー蓄積状態が所定レベルを超えている限り、負荷へエネルギーを供給するためにバッテリー・パックの様なエネルギー貯蔵装置を用いる。燃料電池は、貯蔵装置のエネルギー蓄積状態が所定レベルを下回るときにのみ、負荷へエネルギーを供給する。燃料電池とエネルギー貯蔵装置は、該貯蔵装置と燃料電池のエネルギー発生能力を最適化する様に、本発明の一つの観点に従い、制御される。本発明のエネルギー・システムはまた、通常のエネルギー・システムとは異なり、負荷によるエネルギー要求の変化に比較的迅速に応答することが出来る。
【出願人】 【識別番号】597092978
【氏名又は名称】フォード、グローバル、テクノロジーズ、インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】FORD GLOBAL TECHNOLOGIES, INC.
【出願日】 平成15年3月25日(2003.3.25)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外6名)
【公開番号】 特開2003−333708(P2003−333708A)
【公開日】 平成15年11月21日(2003.11.21)
【出願番号】 特願2003−83304(P2003−83304)