| 【発明の名称】 |
車両駆動システムの制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡邉 朝紀
【氏名】山下 道寛
【氏名】松本 康
【氏名】江口 直也
【氏名】河村 篤男
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| 【要約】 |
【課題】車輪の空転を事前に抑えつつ、該車両の加速性能を必要以上に損なわない車両駆動システムの制御装置を提供する。
【解決手段】この車両駆動システムの制御装置80を加算手段81,ゲイン手段82,電動機第二回転速度調節手段83からなるトルク調節手段84と、加算手段85と、電動機第一制御手段18とで構成し、車輪4と図示しない線路間の転がり摩擦力(粘着力)と車輪4の外周速度と車両速度との差速度(すべり速度)との特性からすべり速度のしきい値を求め、このしきい値以下にするトクル調節量を導出し、この導出値に基づくトルク設定値(τ* )により電力変換器1を介して電動機2をベクトル制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電力変換器と、この電力変換器により給電される電動機と、該電動機の出力軸に減速機を介して連結された車輪とからなる車両駆動システムを制御する車両駆動システムの制御装置において、前記車輪の円周速度と車両速度との差速度すなわちすべり速度を予め設定されるすべり速度のしきい値以下にするトルク調節量を導出するトルク調節手段と、外部より設定されるトルク設定値と前記トルク調節量とを加算してなる新たなトルク設定値を出力する加算手段と、この新たなトルク設定値と前記電動機の回転速度と前記電力変換器の出力電流とに基づいて、前記電動機を制御する電動機制御手段とを備えたことを特徴とする車両駆動システムの制御装置。 【請求項2】 電力変換器と、この電力変換器により給電される複数(n)台の電動機と、該電動機それぞれの出力軸に減速機を介して連結された前記n台の車輪とからなる車両駆動システムを制御する車両駆動システムの制御装置において、前記n台の車輪それぞれの円周速度と車両速度との差速度すなわちすべり速度を予め設定されるすべり速度のしきい値以下にする前記n個のトルク調節量を導出するトルク調節手段と、前記n個のトルク調節量からいずれか最小値を選択し、これを新たなトルク調節量として出力する最小値選択手段と、外部より設定されるトルク設定値と前記新たなトルク調節量とを加算してなる新たなトルク設定値を出力する加算手段と、この新たなトルク設定値と前記n台の電動機それぞれの回転速度と前記電力変換器の出力電流とに基づいて、前記電動機を制御する電動機制御手段とを備えたことを特徴とする車両駆動システムの制御装置。 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の車両駆動システムの制御装置において、前記制御装置に、前記車両速度に基づいて前記すべり速度のしきい値を補正した新たなすべり速度のしきい値を導出するすべり速度しきい値補正手段を付加したことを特徴とする車両駆動システムの制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、電力変換器と、この電力変換器により給電される1台または複数台の電動機と、該電動機それぞれの出力軸に減速機を介して連結された車輪とからなる車両駆動システムの制御装置に関し、特に前記車輪の空転を抑制するための車両駆動システムの制御に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の車両駆動システムの制御装置としては、特開2001−258299号公報に開示されているものが知られている。 【0003】図5は、上記公報に記載のブロック構成と同等の車両駆動システムのブロック構成図であり、この車両駆動システムには3相電圧形PWMインバータなどの電力変換器1と、電力変換器1の交流出力側に接続された3相誘導電動機などの電動機2と、電動機2の出力軸に連結された減速機3と、減速機3の出力軸に連結された車輪4と、電動機2の回転速度を検出する速度検出器5と、電力変換器1の交流出力電流を検出する電流検出器6と、この車両駆動システムの車両速度を検出する速度検出器7と、電力変換器1を介して電動機2を制御する制御装置8とを備えている。 【0004】また、この車両駆動システムの制御装置8にはすべり速度演算手段9と、微分手段10,11と、駆動力演算手段12と、微分手段13と、すべり速度指令値演算手段14と、電動機回転速度指令演算手段15と、電動機第一回転速度調節手段16と、最小値選択手段17と、電動機第一制御手段18とを備えている。 【0005】先ず、図5に示した制御装置8の各制御ブロックの動作を以下に説明する。 【0006】すべり速度演算手段9では速度検出器5により検出された電動機2の回転速度ωd と、速度検出器7により得られる車両速度Vとから下記数1式に従った演算を行い、車輪4の円周速度と前記車両速度との差速度すなわちすべり速度ΔVを導出している。 【0007】 【数1】ΔV=(R/G)ωd−Vここで、Rは車輪4の半径、Gは減速機3のギア比である。 【0008】微分演算手段10ではすべり速度演算手段9が出力するすべり速度ΔVの微分値ΔV’を求め、また、微分演算手段11では微分演算手段10が出力する微分値ΔV’から前記すべり速度ΔVの2階微分値ΔV”を求めている。 【0009】駆動力演算手段12では後述のトルク指令値τ* と前記回転速度ωd とから下記数2式に従った演算を行い、車輪4から図示しない線路に伝わる駆動力Fを導出している。 【0010】 【数2】F=(G/R){1/(1+sT0)}τ*−(J・G/R){s/(1+sT0)}ωdここで、sはラプラス演算子、T0 はフィルタ演算時定数、Jは電動機2と車輪4との慣性である。 【0011】微分手段13では駆動力演算手段12が出力する駆動力Fの微分値F’を求めている。 【0012】すべり速度指令値演算手段14では前記すべり速度ΔVの微分値ΔV’および2階微分値ΔV”と前記駆動力Fの微分値F’と電動機2の回転速度ωd と前記車両速度Vとに基づき、前記2階微分値ΔV”が予め定めたしきい値以上のときには下記数3式に従った演算を行い、また、前記2階微分値ΔV”が前記しきい値未満のときには下記数4式に従った演算を行い、いずれのときにもその演算結果をすべり速度指令値ΔV* として出力している。 【0013】 【数3】ΔV*=K1・(1/s)(F’/ΔV’) ここで、K1 は係数である。 【0014】 【数4】ΔV*=(G/R)ωd−V(前回値) 電動機回転速度指令演算手段15ではすべり速度指令値演算手段14が出力するすべり速度指令値ΔV* と前記車両速度Vとから下記数5式に従った演算を行い、電動機2の回転速度指令値ω* を導出している。 【0015】 【数5】ω*=(G/R)(ΔV*+V) 電動機第一回転速度調節手段16では電動機2の回転速度指令値ω* と回転速度ωd との偏差の調節演算、例えば比例・積分演算を行い、この演算結果をトルク指令値τ1*として出力している。 【0016】最小値選択手段17では外部から設定されるトルク設定値τ0*および電動機第一回転速度調節手段16の出力であるトルク指令値τ1*それぞれの絶対値のうちのいずれか小さい方を選択し、これを新たなトルク設定値τ* として出力している。 【0017】電動機第一制御手段18では前記トルク設定値τ* に従ったトルクを電力変換器1を介した電動機2から出力させるために、このトルト設定値τ* と電動機2の回転速度ωd と電流検出器6から得られる電力変換器1の交流出力電流すなわち電動機2の一次電流とに基づき、周知の技術である電動機2のベクトル制御動作を行っている。 【0018】次に、図5に示した車両駆動システムにおける車輪4の空転を抑制するための制御動作について、図6に示す特性図を参照しつつ、以下に説明する。 【0019】車輪・線路間の転がり摩擦力(以下、粘着力とも称する)と上述のすべり速度との関係は図6に示すような特性を有する。従って、図5に示した制御装置8が上述の如き動作を行うと、粘着力が小さく空転しそうなときにはすべり速度ΔVの2階微分値ΔV”は前記しきい値以上となって、駆動力Fが粘着力の最大値となるまで、電動機第一回転速度調節手段16の出力であるトルク指令値τ1*を減少させる。この減少したトルク指令値τ1*は上述のトルク設定値τ0*より小さな値となるので最小値選択手段17ではトルク指令値τ1*が選択され、これを新たなトルク設定値τ* として出力するので、空転の発生を事前に抑えつつ、電動機2はこの粘着力最大点に対応するトルクでの加速が可能となる。 【0020】一方、粘着力の最大値が駆動力Fより大きいときには、電動機第一回転速度調節手段16の出力であるトルク指令値τ1*は前述のトルク設定値τ0*より大きな値となるので最小値選択手段17ではトルク設定値τ0*が選択され、これを新たなトルク設定値τ* として出力するので、空転の発生を事前に抑えつつ、電動機2はこの設定されたトルクでの加速が可能となる。 【0021】 【発明が解決しようとする課題】図5に示した従来の車両駆動システムの制御装置8においては、車輪4と図示しない線路間の転がり摩擦力とすべり速度との関係と、前記転がり摩擦力が最大点付近では、図6の特性図からも明らかなように、すべり加速度の変化が小さくなることに着目してなされたものであり、従って、車輪4の空転を抑制するために前記数1式で導出されるすべり速度ΔVの2階微分値ΔV”、すなわち、速度検出器5および速度検出器7それぞれの検出値の2階微分値を用いている。 【0022】そのため、導出した値の演算精度を確保しにくく、また、前記検出値に重畳したノイズの影響も受けやすいために、粘着力の最大点に対応するトルクで電動機2を加速することにはならず車輪4が空転をする、または、過剰に電動機2のトルクを絞ることとなり加速性能が阻害される恐れがあった。 【0023】この発明の目的は、上記問題点を解決する車両駆動システムの制御装置を提供することにある。 【0024】 【課題を解決するための手段】この第1の発明は電力変換器と、この電力変換器により給電される電動機と、該電動機の出力軸に減速機を介して連結された車輪とからなる車両駆動システムを制御する車両駆動システムの制御装置において、前記車輪の円周速度と車両速度との差速度すなわちすべり速度を予め設定されるすべり速度のしきい値以下にするトルク調節量を導出するトルク調節手段と、外部より設定されるトルク設定値と前記トルク調節量とを加算してなる新たなトルク設定値を出力する加算手段と、この新たなトルク設定値と前記電動機の回転速度と前記電力変換器の出力電流とに基づいて、前記電動機を制御する電動機制御手段とを備えたことを特徴とする。 【0025】また第2の発明は電力変換器と、この電力変換器により給電される複数(n)台の電動機と、該電動機それぞれの出力軸に減速機を介して連結された前記n台の車輪とからなる車両駆動システムを制御する車両駆動システムの制御装置において、前記n台の車輪それぞれの円周速度と車両速度との差速度すなわちすべり速度を予め設定されるすべり速度のしきい値以下にする前記n個のトルク調節量を導出するトルク調節手段と、前記n個のトルク調節量からいずれか最小値を選択し、これを新たなトルク調節量として出力する最小値選択手段と、外部より設定されるトルク設定値と前記新たなトルク調節量とを加算してなる新たなトルク設定値を出力する加算手段と、この新たなトルク設定値と前記n台の電動機それぞれの回転速度の平均値と前記電力変換器の出力電流とに基づいて、前記電動機を制御する電動機制御手段とを備えたことを特徴とする。 【0026】さらに第3の発明は前記第1または第2の発明の車両駆動システムの制御装置において、前記制御装置に、前記車両速度に基づいて前記すべり速度のしきい値を補正した新たなすべり速度のしきい値を導出するすべり速度しきい値補正手段を付加したことを特徴とする。 【0027】この発明は、粘着力が最大となるすべり速度は車輪・線路間の接触面積と密接な関係があること、また、この接触面積は車輪および線路それぞれの硬度に依存することに着目してなされたものである。 【0028】すなわち、車両駆動シテスムでは加重により車輪が線路に押しつけられて変形するため、図7に示すように、車輪と線路とは面で接触している。このように車輪と線路とが線で接触している場合には、図8に示すように、車輪の外周面の移動距離Lwと線路面の移動距離Lrとは等しくなる。一方、車輪と線路とが面で接触している場合には、図9に示すように、線路面の移動距離Lr’は車輪の外周面の移動距離Lwよりも短くなる。従って、車輪と線路とが面で接触しているときには、車輪の外周面の移動速度の方が線路面の移動速度よりも速くなっている。このとき、車輪の駆動力が大きくなるのに伴って、すべり速度も増加して滑っている面積が次第に大きくなる。この滑っている部分に粘着力が作用するので、すべり速度の増加にほぼ比例して粘着力も大きくなる。しかしながら、駆動力をさらに大きくすると、滑っている部分が全接触面を占めるようになり、従って、この状態に至ると、これ以上滑っている面積が増えなくなり、粘着力も増えなくなる。 【0029】その結果、粘着力とすべり速度の関係は図10に示すようになり、先述の図6特性は図10における乾燥時の特性と同じであり、また、空転が起こるのは図10における結露・着粉時の特性に示すように、線路の表面が結露したり、着粉したりして粘着力が低下した場合である。このときには車輪と線路との接触面の転がり摩擦力低下するが、車輪と線路との接触面積は基本的には変わらない。従って、転がり摩擦力すなわち粘着力が低下しても、粘着力が最大となるすべり速度は殆ど変わらない。 【0030】以上の特性から、線路,車輪それぞれの材質、標準の加重から、粘着力が最大となる大凡のすべり速度をすべり速度のしきい値ΔVth* として予め求めることが可能である。従って、前記しきい値ΔVth* に基づき下記数6式で導出される電動機回転速度しきい値ωth* を、電動機回転速度検出値ωd が越えた場合に該電動機の回転速度を前記しきい値ωth* にする調節動作を行わせることにより、空転を未然に防ぐことが可能となる。 【0031】 【数6】ωth*=(G/R)(ΔVth*+V) ここで、ΔVth*は線路の材質,車輪の材質,標準の加重から求めたすべり速度のしきい値、Vは車両速度、Gは減速機のギヤ比、Rは車輪の半径である。 【0032】また、一般的に車両速度が増大すると、車輪を線路に押しつける力が強まり、車輪と線路との接触面積が若干増えて、粘着力が最大となるすべり速度も若干増大することが知られている。従って、下記数7式に示すように、車両速度Vに基づいて、前記すべり速度のしきい値ΔVth* を補正した新たなすべり速度のしきい値ΔVth**を求め、このすべり速度のしきい値ΔVth**を上記数6式におけるΔVth* として代入して電動機回転速度しきい値ωth* を求め、この電動機回転速度しきい値ωth* を電動機回転速度検出値ωd が越えた場合に該電動機の回転速度を前記しきい値ωth* にする調節動作を行わせることにより、空転を未然に防ぐと共に、粘着力を有効に利用することが可能となる。 【0033】 【数7】ΔVth**=ΔVth*+K2・Vここで、K2 は係数である。 【0034】 【発明の実施の形態】図1は、この発明の第1の実施例を示す車両駆動システムのブロック構成図であり、図5に示した従来例構成と同一機能を有するものには同一符号を付して、その説明を省略する。 【0035】すなわち、図1に示した車両駆動システムには電力変換器1と電動機2と減速機3と車輪4と速度検出器5と電流検出器6と速度検出器7と制御装置80とを備えている。 【0036】また、制御装置80には電動機第一制御手段18と、加算手段81とゲイン手段82と電動機第二回転速度調節手段83とからなるトルク調節手段84と、加算手段85とを備えている。 【0037】図1に示した車両駆動システムにおける車輪4の空転を抑制するための制御動作について、以下に説明する。 【0038】加算手段81では、前述の如く予め設定される粘着力が最大となるすべり速度のしきい値ΔVth* と、速度検出器7から得られる車両速度Vとを加算し、この加算値をゲイン手段82によりゲイン倍(=G/R)することで、前記数6式の演算結果としての電動機回転速度しきい値ωth* を導出している。 【0039】電動機第二回転速度調節手段83では速度検出器5から得られる電動機2の回転速度ωd が前記電動機回転速度しきい値ωth* よりも大きいときには、下記数8式に示す調節演算を行い、この調節演算結果をトルク調節量Δτ1 として出力し、このときには前記トルク調節量Δτ1 の値は負値である。また、前記回転速度ωd が前記電動機回転速度しきい値ωth* よりも小さいときにも下記数8式に示す調節演算を行い、この調節演算結果が正値または零となったときには前記調節演算における積分項の値および前記トルク調節量Δτ1 を零にし、このトルク調整量Δτ1 (=0)を出力する。 【0040】 【数8】 Δτ1=Kp{1+(1/sTi)}・(ωth*−ωd) ここで、Kp は比例ゲイン、Ti は積分時間、sはラプラス演算子である。 【0041】加算手段85では外部から設定されるトルク設定値τ0*と前記トルク調節量Δτ1 とを加算し、この加算値を新たなトルク設定値τ* として出力し、電動機第一制御手段18では前記トルク設定値τ* に従ったトルクを電力変換器1を介した電動機2から出力させるために、このトルト設定値τ* と電動機2の回転速度ωd と電流検出器6から得られる電力変換器1の交流出力電流すなわち電動機2の一次電流とに基づき、周知の技術である電動機2のベクトル制御動作を行っている。 【0042】すなわち、トルク調節手段84と加算手段85と電動機第一制御手段18とで上述のとおりに制御演算を行うことで、粘着力の最大値が大きく、前記トルク設定値τ0*で電動機2を駆動しても車輪4が空転しないときにはこのトルク設定値τ0*で電動機2を駆動し、また、粘着力の最大値が小さく、前記トルク設定値τ0*で電動機2を駆動すると車輪4が空転する恐れがあるときには、トルク調節算手段84の出力に基づき電動機2の出力トルクを絞って、粘着力の最大点付近で電動機2を駆動する。その結果、空転の発生を事前に抑え、且つ、車両の加速性能を必要以上に損なわない車両駆動システムを提供することができる。 【0043】図2は、この発明の第2の実施例を示す車両駆動システムのブロック構成図であり、図1に示した実施例構成と同一機能を有するものには同一符号を付して、その説明を省略する。 【0044】すなわち、図2に示した車両駆動システムには電力変換器1と、前記複数nとしてn=3のときの電動機21〜23と減速機31〜33と車輪41〜43と速度検出器51〜53と、電流検出器6と、速度検出器7と、制御装置86とを備えている。 【0045】また、制御装置86には加算手段81とゲイン手段82と電動機第二回転速度調節手段87〜89とからなるトルク調節手段90と、最小値選択手段91と、加算手段85と、電動機第二制御手段92とを備えている。 【0046】図2に示した車両駆動システムにおける車輪41〜43の空転を抑制するための制御動作について、以下に説明する。 【0047】電動機第二回転速度調節手段87〜89それぞれは電動機21〜23それぞれの回転速度ωd1〜ωd3 に基づき前述の電動機第二調節手段83と同様の調節演算を行い、それぞれの調節演算結果をトルク調節量Δτ11,Δτ12,Δτ13として出力し、最小値選択手段91ではこれらのトルク調節量Δτ11,Δτ12,τ13のうちの最小値を選択し、この選択した値を新たなトルク調節量Δτ1 として出力している。 【0048】加算手段85では外部から設定されるトルク設定値τ0*と前記トルク調節量Δτ1 とを加算し、この加算値を新たなトルク設定値τ* として出力し、電動機第二制御手段92では前記トルク設定値τ* に従ったトルクを電力変換器1を介した電動機21〜23から出力させるために、このトルト設定値τ* と電動機21〜23それぞれの回転速度ωd1〜ωd3 から求めた平均値と電流検出器6から得られる電力変換器1の交流出力電流とに基づき、電動機21〜23を等価的に1台の電動機として、周知の技術であるベクトル制御動作を行っている。 【0049】すなわち、トルク調節手段90と最小値選択手段91と加算手段85と電動機第二制御手段92とで上述のとおりに制御演算を行うことで、粘着力の最大値が大きく、前記トルク設定値τ0*で電動機21〜23を駆動しても車輪41〜43が空転しないときにはこのトルク設定値τ0*で電動機21〜23を駆動し、また、粘着力の最大値が小さく、前記トルク設定値τ0*で電動機21〜23を駆動すると車輪41〜43が空転する恐れがあるときには、最小値選択手段91の出力に基づき電動機21〜23の出力トルクを絞って、粘着力の最大点付近で電動機21〜23を駆動する。その結果、空転の発生を事前に抑え、且つ、車両の加速性能を必要以上に損なわない車両駆動システムを提供することができる。 【0050】図3は、この発明の第3の実施例を示す車両駆動システムのブロック構成図であり、図1に示した実施例構成と同一機能を有するものには同一符号を付して、その説明を省略する。 【0051】すなわち、図3に示した車両駆動システムには電力変換器1と電動機2と減速機3と車輪4と速度検出器5と電流検出器6と速度検出器7と制御装置93とを備えている。 【0052】この制御装置93には、図1に示した制御装置80と同様機能の電動機第一制御手段18,トルク調節手段84,加算手段85の他に、すべり速度しきい値補正手段94が付加されている。 【0053】すべり速度しきい値補正手段94では粘着力が最大となるすべり速度のしきい値ΔVth* に対して速度検出器7で検出した車両速度Vに対する補正動作として、前記数7式に示した演算を行い、この演算結果を新たなすべり速度のしきい値ΔVth**として、トルク調節手段84へ出力している。 【0054】すなわち、すべり速度しきい値補正手段94とトルク調節手段84と加算手段85と電動機第一制御手段18とで上述のとおりに制御演算を行うことで、粘着力の最大値が大きく、前記トルク設定値τ0*で電動機2を駆動しても車輪4が空転しないときにはこのトルク設定値τ0*で電動機2を駆動し、また、粘着力の最大値が小さく、前記トルク設定値τ0*で電動機2を駆動すると車輪4が空転する恐れがあるときには、トルク調節手段84の出力に基づき電動機2の出力トルクを絞って、粘着力の最大点付近で電動機2を駆動する。その結果、空転の発生を事前に抑え、且つ、車両の加速性能を必要以上に損なわない車両駆動システムを提供することができる。 【0055】図4は、この発明の第4の実施例を示す車両駆動システムのブロック構成図であり、図2に示した実施例構成と同一機能を有するものには同一符号を付して、その説明を省略する。 【0056】すなわち、図4に示した車両駆動システムには電力変換器1と、電動機21〜23と、減速機31〜33と、車輪41〜43と、速度検出器51〜53と、電流検出器6と、速度検出器7と、制御装置95とを備えている。 【0057】この制御装置95には、図2に示した制御装置86と同様機能のトルク調節手段90,最小値選択手段91,加算手段85,電動機第二制御手段92の他に、すべり速度しきい値補正手段94が付加されている。 【0058】すなわち、すべり速度しきい値補正手段94とトルク調節手段90と最小値選択手段91と加算手段85と電動機第二制御手段92とで上述の制御装置86および制御装置93と同様の制御演算を行うことで、粘着力の最大値が大きく、前記トルク設定値τ0*で電動機21〜23を駆動しても車輪41〜43が空転しないときにはこのトルク設定値τ0*で電動機21〜23を駆動し、また、粘着力の最大値が小さく、前記トルク設定値τ0*で電動機21〜23を駆動すると車輪41〜43が空転する恐れがあるときには、最小値選択手段91の出力に基づき電動機21〜23の出力トルクを絞って、粘着力の最大点付近で電動機21〜23を駆動する。その結果、空転の発生を事前に抑え、且つ、車両の加速性能を必要以上に損なわない車両駆動システムを提供することができる。 【0059】 【発明の効果】この発明によれば、電動機により車輪を回転させて車両を走行させる車両駆動システムにおいて、空転を事前に抑制し、且つ、加速性能が確保できる車両駆動システムの制御装置を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000173784 【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所 【識別番号】000154358 【氏名又は名称】株式会社富士電機総合研究所
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| 【出願日】 |
平成14年5月14日(2002.5.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075166 【弁理士】 【氏名又は名称】山口 巖 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−333703(P2003−333703A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月21日(2003.11.21) |
| 【出願番号】 |
特願2002−138085(P2002−138085) |
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