| 【発明の名称】 |
モータの制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 武蔵 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】小宮山 晋 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ハイブリッド車両等に用いる電動機等のモータの制御装置に関し、モータに供給する電流を検出する電流センサに起こった異常の発生を検出することが可能なモータの制御装置に関する。
【解決手段】モータ3への目標トルクに基づいてバッテリ7の目標充放電電力を算出する目標充放電電力算出手段と、バッテリ7の実充放電電力を算出する実充放電電力算出手段と、前記目標充放電電力と前記実充放電電力の差の絶対値と所定値との比較結果に基づいて、電流検出部9の異常を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とするモータの制御装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】電動機と、蓄電装置と、前記電動機の目標トルクを生成する目標トルク生成部と、前記目標トルクに基づいて前記電動機に三相交流電流を供給する電流供給部と、各相に流れる電流を検出する電流検出部と、を備え、前記電流検出部で検出された電流のうち二相の電流を、前記電流供給部と前記目標トルク生成部との少なくとも一方にフィードバックさせ前記電動機を制御するモータの制御装置において、前記電動機への目標トルクに基づいて前記蓄電装置の目標充放電電力を算出する目標充放電電力算出手段と、前記蓄電装置の実充放電電力を算出する実充放電電力算出手段と、前記目標充放電電力と前記実充放電電力の差の絶対値と所定値との比較結果に基づいて、前記電流検出部の異常を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とするモータの制御装置。 【請求項2】電動機と、蓄電装置と、発電装置と、前記電動機の目標トルクを生成する目標トルク生成部と、前記目標トルクに基づいて前記電動機に三相交流電流を供給する電流供給部と、各相に流れる電流を検出する電流検出部と、を備え、前記電流検出部で検出された電流のうち二相の電流を、前記電流供給部と前記目標トルク生成部との少なくとも一方にフィードバックさせ前記電動機を制御するモータの制御装置において、前記電動機への目標トルクと前記発電装置への発電電力指令値との少なくとも一方に基づいて、前記蓄電装置の目標充放電電力を算出する目標充放電電力算出手段と、前記蓄電装置の実充放電電力を算出する実充放電電力算出手段と、前記目標充放電電力と前記実充放電電力の差の絶対値と所定値との比較結果に基づいて、前記電流検出部の異常を判定する電流センサ異常判定手段と、を備えることを特徴とするモータの制御装置。 【請求項3】運転者が要求する駆動力に基づいて、車両に発生させる加速度の目標値を算出する目標加速度算出手段を備え、前記目標車両加速度の誤差を所望範囲内にするように前記所定値を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のモータの制御装置。 【請求項4】前記蓄電装置の状態を検出する蓄電装置状態検出手段と、前記蓄電装置の入力可能電力と出力可能電力とを算出する入出力可能電力算出手段と、を備え、前記電動機の力行時には、前記所定値の上限を前記出力可能電力から前記目標充放電電力を減じた値に設定し、前記電動機の回生時には、前記所定値の上限を前記入力可能電力から前記目標充放電電力を減じた値に設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のモータの制御装置。 【請求項5】前記蓄電装置の状態を検出する蓄電装置状態検出手段と、前記蓄電装置の入力可能電力と出力可能電力とを算出する入出力可能電力算出手段と、を備え、前記入出力可能電力算出手段は、前記発電装置の力行時には前記出力可能電力から前記目標充放電電力を減じた値に前記所定値の上限を設定し、前記発電装置の回生時には前記入力可能電力から前記目標充放電電力を減じた値に前記所定値の上限を設定することを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載のモータの制御装置。 【請求項6】前記目標充放電電力と前記実充放電電力との間で発生する定常誤差に応じて、その誤差が大きいほど前記所定値の下限をを大きく設定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のモータの制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】ハイブリッド車両等に用いる電動機等のモータの制御装置に関し、モータに供給する電流を検出する電流センサに起こった異常の発生を検出することが可能なモータの制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の電動機の制御装置は、電動機に供給される三相交流電流であるU相、V相、W相の三相のそれぞれを電流センサによって検出し、各電流値が所望の指令値と等しくなるようフィードバック制御を行うものが知られている。このような制御装置では、三相交流電源の各相の電流和は0であることを利用して、センサ出力の和を監視することによって、電流センサの異常を検出することができる。 【0003】一方、三相電流のうち二相のみに電流センサを設けて、コストの低減やセンサの設置スペースを省き装置の小型化を図った電動機の制御装置も知られている。この場合には、三相の電流和が0であることを利用して二相の電流検出値から残りの相の電流値を演算することが可能であるが、三相すべての電流の和は検出することができないので、センサの異常を検出することはできない。例えば、U相とV相の電流値を検出すれば、センサを持たないW相の電流は、W相=−(U相+V相) の式で演算することで電流値を推定することはできるが、U相又はV相のセンサが故障しているどうかを検出することはできない。 【0004】特開2001−136781号公報には、二相のみに電流センサを設けた場合において、二相のうちいずれかのセンサに異常が発生した場合にでも電動機が動作できるよう構成した発明が記載されている。その発明によると、三相交流電源から電力が供給されているにも関わらずセンサからの出力が一定となって変動しない場合や、センサからの出力自体が全く無い場合には、センサの異常が発生したと判定している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記の従来の電動機の制御装置において、電流センサの異常が発生した際の出力は上記の場合に限らず、例えば、出力が発振するような場合がある。また、出力が一定と判断する電流の基準値に対して変化が微小である場合や、車両停止時には回転子が動かないためセンサ出力は一定である場合などは、センサの異常検出を誤ってしまう。 【0006】本発明は、以上の問題点について鑑みたものであり、ハイブリッド車両において、駆動用の電動機及び電動のラジエターファンや空調用のファン等の補機で消費される電力並びに発電装置からの電力に基づき算出されるバッテリ充放電電力の目標値と、バッテリに備えた電流センサ及び電圧センサから求める実バッテリ充放電電力との差(以下、「電力ずれ」という)から、その差が所定値以上となった場合には電流センサの異常と判定する、ハイブリッド車両の制御装置を提供する。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電動機と、蓄電装置と、前記電動機の目標トルクを生成する目標トルク生成部と、前記目標トルクに基づいて前記電動機に三相交流電流を供給する電流供給部と、各相に流れる電流を検出する電流検出部と、を備え、前記電流検出部で検出された電流のうち二相の電流を、前記電流供給部と前記目標トルク生成部との少なくとも一方にフィードバックさせ前記電動機を制御するモータの制御装置において、前記電動機への目標トルクに基づいて前記蓄電装置の目標充放電電力を算出する目標充放電電力算出手段と、前記蓄電装置の実充放電電力を算出する実充放電電力算出手段と、前記目標充放電電力と前記実充放電電力の差の絶対値と所定値との比較結果に基づいて、前記電流検出部の異常を判定する異常判定手段と、を備えることを特徴とする。 【0008】請求項2の発明は、電動機と、蓄電装置と、発電装置と、前記電動機の目標トルクを生成する目標トルク生成部と、前記目標トルクに基づいて前記電動機に三相交流電流を供給する電流供給部と、各相に流れる電流を検出する電流検出部と、を備え、前記電流検出部で検出された電流のうち二相の電流を、前記電流供給部と前記目標トルク生成部との少なくとも一方にフィードバックさせ前記電動機を制御するモータの制御装置において、前記電動機への目標トルクと前記発電装置への発電電力指令値との少なくとも一方に基づいて、前記蓄電装置の目標充放電電力を算出する目標充放電電力算出手段と、前記蓄電装置の実充放電電力を算出する実充放電電力算出手段と、前記目標充放電電力と前記実充放電電力の差の絶対値と所定値との比較結果に基づいて、前記電流検出部の異常を判定する電流センサ異常判定手段と、を備えることを特徴とする。 【0009】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、運転者が要求する駆動力に基づいて、車両に発生させる加速度の目標値を算出する目標加速度算出手段を備え、前記目標車両加速度の誤差を所望範囲内にするように前記所定値を設定することを特徴とする。 【0010】請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか一つに記載の発明において、前記蓄電装置の状態を検出する蓄電装置状態検出手段と、前記蓄電装置の入力可能電力と出力可能電力とを算出する入出力可能電力算出手段と、を備え、前記電動機の力行時には、前記所定値の上限を前記出力可能電力から前記目標充放電電力を減じた値に設定し、前記電動機の回生時には、前記所定値の上限を前記入力可能電力から前記目標充放電電力を減じた値に設定することを特徴とする。 【0011】請求項5の発明は、請求項2から4のいずれか一つに記載の発明において、前記蓄電装置の状態を検出する蓄電装置状態検出手段と、前記蓄電装置の入力可能電力と出力可能電力とを算出する入出力可能電力算出手段と、を備え、前記入出力可能電力算出手段は、前記発電装置の力行時には前記出力可能電力から前記目標充放電電力を減じた値に前記所定値の上限を設定し、前記発電装置の回生時には前記入力可能電力から前記目標充放電電力を減じた値に前記所定値の上限を設定することを特徴とする。 【0012】請求項6の発明は、請求項1から5のいずれか一つに記載の発明において、前記目標充放電電力と前記実充放電電力との間で発生する定常誤差に応じて、その誤差が大きいほど前記所定値の下限をを大きく設定することを特徴とする。 【0013】 【発明の作用と効果】請求項1の発明によれば、電動機に供給する三相交流電流のうち二相を検出する電流検出部の異常を、目標充放電電力から実充放電電力の差分の絶対値に基づき、その値が所定値以上であるか否で判断するので、二相を検出する電流センサのうちいずれかのセンサに異常が発生した場合は、その異常を検出することができる。 【0014】請求項2の発明によれば、発電装置を備えた場合であっても、目標充放電電力から実充放電電力の差の絶対値に基づき、その値が所定値以上であるか否で判断するので、二相を検出する電流センサのうちいずれかのセンサに異常が発生した場合は、その異常を検出することができる。 【0015】請求項3の発明によれば、所望の車両加速度が実現されない場合には電流センサの異常とするので、運転者に違和感を与えることを未然に防ぐことができる。 【0016】請求項4の発明によれば、電流検出部の異常が発生したか否かの判断基準に用いる所定値の上限を、電動機の力行時には出力可能電力から目標充放電電力を減じた値、電動機の回生時には入力可能電力から目標充放電電力を減じた値に設定するので、電流検出部の異常を検出した場合には、蓄電装置の過充放電を行わないよう対策を講じることができる。 【0017】請求項5の発明によれば、電流検出部の異常が発生したか否かの判断基準に用いる所定値の上限を、発電装置の力行時には出力可能電力から目標充放電電力を減じた値、発電装置の回生時には入力可能電力から目標充放電電力を減じた値とするので、電流検出部の異常を検出した場合には、蓄電装置の過充放電を行わないよう対策を講じることができる。 【0018】請求項6の発明によれば、所定値に下限を設けることにより、電動機又は発電機における個体による初期性能の違い及び性能劣化並びに駆動電力又は発電電力の指令値に基づいて動作する制御系の制御性能に伴い発生する偏差を、電流検出部の異常によって起こったと誤って判断することを防ぐことができる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下に本発明の第1の実施の形態について図面を参照し説明する。 【0020】図1は、本発明の第1の実施の形態のシリーズハイブリッド車両の構成を表したブロック図である。図1において、太い実線は機械力の伝達経路を、破線は電力線を、細い実線は制御線を表している。 【0021】発電装置1は燃料電池によって構成され、電力をモータ3又はバッテリ6に供給する。発電装置1によって発電された電力はインバータ2を介してモータ3に伝えられる。この電力によってモータ3は駆動され、駆動力を差動装置4、タイヤ5を介して路面に伝えることにより車両を走行させる。 【0022】コントローラ8は、バッテリ6の状態やアクセルペダル12の開度からの駆動力要求に基づき、発電電力指令値を生成し発電装置1に送り、駆動電力指令値を生成しモータ3に送る。モータ3はベクトル制御により動作している。インバータ2はコントローラ8に接続され、コントローラ8からの駆動電力指令値に基づき変換されたトルク指令値から電流指令値を生成し、モータ3に三相交流電流を供給している。この三相交流電流のうち二相は、モータに備えられた電流検出部9(電流センサ)によって電流値が検出される。アクセルペダル12は運転者によって操作され運転者の要求する駆動力をコントローラ8に伝える。 【0023】バッテリ6は、発電装置1とインバータ2とに接続されており、発電装置1から供給される電力や、モータ3の回生時に得られる回生電力によって充電され、モータ3や補機の動作のために必要な電力を放出する。また、バッテリ6は流れる電流値を検出するセンサ、端子電圧を検出するセンサを備え、バッテリ入出力電力演算部7は、電流、電圧の各センサの出力値からバッテリ6の入出力電力を算出する。 【0024】なお、本発明の第1の実施の形態は、シリーズハイブリッド車両に限らず、電気自動車やパラレルハイブリッド車両に適応しても良い。 【0025】次に、バッテリ充放電電力の目標値と充放電電力との差である電力ずれについて説明する。例として、図1に示す第1の実施の形態において、コントローラ8によって検出された発電電力指令値が10[kW]、駆動電力指令値が5[kW]、バッテリ入出力演算部で検出された実充放電電力が2[kW]とした場合について説明する(なお、補機で消費される電力については省略する)。この場合には、バッテリの目標充放電電力は発電電力指令値から駆動電力指令値を減じた値5(=10−5)[kW]が算出される。一方、入出力演算部で算出された実充放電電力は2[kW]であるため、電力ずれは、目標充放電電力から実充放電電力を減じた値3(=5−2)[kW]と算出される。車両システムないの他の部位に異常が検出されていない場合は、電力ずれの3[kW]はモータ3で必要以上に消費されていることとなり、電流センサに異常が発生したことがわかる。すなわち、電力ずれが正の値となった場合は、指令値と比較するとモータで実際よりも余分な電力が消費されたことになる。同様に、電力ずれの値が負の値となった場合には、指令値と比較するとモータで実際よりも必要な電力を消費していないことになる。 【0026】第1の実施の形態では、上記の電力ずれが所定の値を超えた場合に、電流センサの異常が発生したと判断する。 【0027】第1の実施の形態における制御方法の全体の流れを図2のフローチャートで説明する。 【0028】まず、バッテリ入出力電力演算部7にて、バッテリに備えられた電圧、電流の各センサの出力値から、バッテリヘの充放電電力、バッテリの充電状態(以下、SOC(State Of Charge)と呼ぶ)を算出する(S201)。 【0029】次に、コントローラ8にてアクセルペダル12の操作量θa[deg]及び車両速度VSP[km/h]を検出し、運転者が要求している駆動力要求を検出する(S202)。 【0030】次に、S202にて検出された駆動力要求を満たすように、コントローラ8にて、モータ3に供給すべき駆動電力指令値を算出する(S203)。 【0031】次に、算出した前記駆動電力指令値に基づいて、バッテリ6の実SOCを目標SOCに推移させるように、発電装置の発電電力指令値を算出する(S204)。 【0032】次に、駆動電力指令値、発電電力指令値及び補機消費電力から、コントローラ8にて、バッテリヘの充放電電力の目標値を算出する(S205)。 【0033】次に、バッテリヘの充放電電力の目標値と、S201において算出したバッテリの実充放電電力の値との差から、コントローラ8にて、電力ずれの量を算出する(S205)。 【0034】次に、コントローラ8にて、電流センサの異常判定の基準とする判定基準値を設定する(S207)。 【0035】最後に、コントローラ8にて、電力ずれの値と判定基準値とを比較して、電流センサの異常判定を行う(S208)。 【0036】図3は、図2の駆動力指令値の算出(S203)における詳細な処理を示したフローチャートである。 【0037】まず、図2のS202にて検出した車両速度VSP[km/h]及びアクセルペダル12の開度θa[deg]に基づいて、MAPttd(VSP,θa)を予め設定したマップより検索することにより目標駆動トルクtTd[Nm]を算出する(S301)。 【0038】図4に、目標駆動トルク算出マップMAPttd(VSP,θa)の例を示す。目標駆動トルクtTd[Nm]に対しては、運転性向上を目的とした変化率制限や、一次遅れ要素といった動的補償をマップ検索後に加えても良い。 【0039】次に、駆動用のモータ回転速度Nm[rpm]と目標駆動トルクtTd[Nm]とに基づいてMAPlossm(Nm,tTd)を予め設定したマップより検索することにより駆動用モータ損失電力Plossm[kW]を算出する(S302)。図5に、このモータ損失電力マップMAPlossm(Nm,tTd)の例を示す。 【0040】ここで、モータ回転速度Nm[rpm]は、車両速度VSP[km/h]、タイヤ有効半径rd[m]、総減速比Gtotalに基づき、数式1によって算出される。 【0041】 【数1】
次に、算出されたtTd、Nm及びPlossから、運転者の駆動力要求を満たすような駆動力を発生するように、モータに供給する電力の指令値である駆動電力指令値tPdが、数式2によって算出される(S303)。 【0042】 【数2】
図6は、図2の発電電力指令値の算出(S204)における詳細な処理を示したフローチャートである。 【0043】発電電力指令値の与え方にはいくつもか手法が知られているが、第1の実施の形態では、そのうちの最も簡素なものの一つである、設定した目標SOCと実SOCとの偏差を埋めるよう発電電力指令値を与える手法を用いる。 【0044】この発電電力指令値を、数式3によって算出する(S401)。 【0045】 【数3】
数式3において、tPg[kW]は発電電力指令値、tSOC[%]は目標として設定するSOC、kは比例制御ゲインである。比例制御ゲインkは、目標SOCへの追従性を考慮して予め実験によって設定しておけば良い。 【0046】図7は、図2の目標充放電電力の算出(S205)における詳細な処理を示したフローチャートである。 【0047】図3のS303において算出された駆動電力指令値tPd、図6のS401において算出された発電電力指令値tPg及び補機にて消費される電力の計測値である補機消費電力Paux[kW]に基づいて、数式4によって目標充放電電力tPb[kW]が算出される(S501)。 【0048】 【数4】
図8は、図2の電力ずれの算出(S206)における詳細な処理を示したフローチャートである。まず、図2のS201において検出されたバッテリ電流値I[A]とバッテリ電圧値E[V]とから実充放電電力Pb[kW]が数式5によって算出される(S601)。 【0049】 【数5】
次に、図7のS501において算出した目標充放電電力tPbからS601にて算出した実充放電電力Pbを減ずることにより、電力ずれPeが数6式によって算出される(S602)。 【0050】 【数6】
図9は、図2の電流センサ異常判定基準値の算出(S207)における詳細な処理を示したフローチャートである。 【0051】第1の実施の形態では、電力ずれが発生した場合においても、その加速度を所望の範囲内で実現するように電流センサ異常判定基準値Pfj[kW]を算出するが、運転者の駆動力要求を実現する上で確保すべき電力ずれの値を実験により決定し、これを適合しても良い。 【0052】まず、運転者の駆動要求を実現するようにモータにトルクを発生した場合の加速度α[m/s2]を、数式7によって算出する(S701)。 【0053】 【数7】
数式7において、α[m/s2]は運転者の要求する加速度、g[m/s2]は重力加速度、W[kN]は車両重量、rd[m]はタイヤ有効半径、μrはころがり抵抗係数、μlは空気抵抗、A[m]は車両前面投影面積、V[km/h]は車両速度、Gtotalは総減速比を示す。また、Iw[kg・m2]は車輪及び同一回転部分(タイヤ、ホイール、ブレーキディスク、ブレーキドラム、アクスルシャフト等)の慣性モーメント、Ixt[kg・m2]は終減速機入力軸及び同一回転部分(終減速機、プロペラシャフト、他被駆動側歯車等)の慣性モーメントkg・m2]、ifは終減速比、Fは駆動力、Wrは回転部分相当重量、ψは回転部分相当重量と車両重量との比である。また、R0[kN]は無風平坦路での走行抵抗を表すが、必要であるならば風速や勾配を考慮してR0を求めても良い。 【0054】次に、運転者の要求する加速度に対して許容される誤差範囲(上下限)の加速度を発生する際のモータのトルクTfj[Nm](上限値:Tfj_u、下限値:Tfj_u)が、数式8によって算出される(S702)。 【0055】 【数8】
数式8において、α’は運転者の要求する加速度α[m/s2]に対して許容できる誤差(上限値:αeu、下限値:αel)を考慮し、数式9によって算出された値である。 【0056】 【数9】
数式9において、許容誤差αeuとαelとは、運転者の要求する車両加速度に応じて、運転者に違和感を与えない範囲で設定すれば良い。 【0057】次に、加速度を所望の範囲内の値とする際のモータトルクTfjを発生した場合のモータでの消費電力Pfj[kW](上限値:Pfi_u、下限値:Pfj_l)が数式10によって算出される(S703)。 【0058】 【数10】
数式10において、Pfjloss[kW]は,図3のS302にて用いたマップを利用し、モータ回転速度Nm[rpm]と目標駆動トルクTfj[Nm]とに基づいたマップよりMAPlossm(Nm,Tfj)をマップ検索することにより求めることができる。 【0059】次に、数式10によって算出されたPfj_uと駆動電力指令値tPd[kW]との偏差及びPfj_lと駆動電力指令値tPd[kW]との偏差を検出し、小さい方の偏差を異常判定基準電力Pe_fj[kW]とする(S704)。 【0060】次に、S704において求めたPe_fj[kW]に対して、モータの個体差による初期性能の違いや性能劣化及び駆動電力若しくは発電電力の指令値を実現するよう動作する制御系の制御性能に伴い発生する電力ずれに応じて下限値Pfjlow[kW]を設ける(S705)。この下限値Pfjlow[kW]は、電力ずれを所定のローパスフィルタを適用し演算された値の平均値を用いると良い。 【0061】次に、S705で得られた異常判定基準電力Pe_fj[kW]に対して上限値を設ける(S706)。図2のS201で検出したバッテリ6の状態から算出される充放電可能電力に基づいて、モータ3の力行時には出力可能電力Po[kW]から目標充放電電力tPb[kW]を減じた値を、モータ3の回生時には入力可能電力Pi[kW]から目標充放電電力tPb[kW]を減じた値の絶対値を、上限とする。出力可能電力Po[kW]、入力可能電力Pi[kW]は、数式11によって算出される。 【0062】 【数11】
数式11において、Emax[kW]はバッテリ6の上限電圧、Emin[kW]は下限電圧、Eo[kW]は開放電圧、R[Ω]は内部抵抗である。開放電圧Eo[kW]と内部抵抗R[Ω]は、予め実験により求めたバッテリの特性データをマップ化することによって算出することができる。 【0063】図10は、図2の電流センサの異常判定(S208)における詳細な処理を示したフローチャートである。 【0064】ここでは、電力ずれPeと電流センサ異常判定基準値Pfjとを比較する。(S801)。その結果、電力ずれPeの値がPe_fj以上であれば、電流センサの異常が発生したと判断する(S802)。また、電力ずれPeの値がPe_fjよりも小さければ、電流センサは正常に動作していると判断する(S803)。 【0065】上記のように構成される本発明の第1の実施の形態のハイブリッド車両では、モータに供給する三相電流のうち二相のみに電流センサを設けた場合において、バッテリの実充放電電力と、コントローラよって算出された目標実放電電流との差である電力ずれを検出することによって、二相のうちいずれかのセンサに異常が発生した場合にもその異常を検出することができ、異常の検出を受けてバッテリに過充放電を行わないようにすることができる。また、発電機の初期性能や個体差等によって発生する電力ずれを、電流センサの異常と誤って判断することを防ぐことができる。 【0066】なお、第1の実施の形態のハイブリッド車両において、モータ3の三相すべてに電流センサを備えるよう構成しても良い。この場合、本発明は三相のうちいずれか一相について異常が発生した場合において有効である。 【0067】次に、本発明の第2の実施の形態のハイブリッド車両について説明する。 【0068】図11には、発電装置1が発電機10と内燃機関11とによって構成されているハイブリッド車両のブロック図を示す。 【0069】第2の実施の形態では、第1の実施の形態のハイブリッド車両と比べ、発電機に電流センサが備わっている点、電流センサの異常を検出に用いる電流センサ異常判定基準値の設定方法が相違する。なお、第2の実施の形態は、制御方法全体の流れには第1の実施の形態と相違がないため、フローチャートによる説明は省略する。 【0070】次に、具体的な電流センサ異常判定基準値の設定について説明する。 【0071】発電機10では、発電電力指令値を所望の誤差範囲内で実現するように電流センサ異常検出基準値を設ける。この値は、バッテリのSOCを目標値に追従させるように発電電力指令値を求めた場合には、その要求するSOC制御性能に応じて、また、内燃機関の燃費向上を目的として高効率な発電を行うように求めた場合には、誤差による燃費向上効果の低減の量に応じて設定すれば良い。また、発電機10の力行時にはバッテリの出力可能電力を、発電機10の回生時には入力可能電力を、電流センサ異常判定基準値の上限値と設定する。これは、発電機10の個体による初期性能の違い及び性能劣化並びに発電電力の指令値を実現するよう動作する制御系の制御性能に伴い発生する電力ずれに応じて設定すれば良い。 【0072】上記のように構成される本発明の第2の実施の形態のハイブリッド車両では、発電機の三相電流のうち二相のみに電流センサを設けた場合において、バッテリの実充放電電力と、コントローラよって算出された目標実放電電流との差である電力ずれを検出することによって二相のうちいずれかのセンサに異常が発生した場合にそれを検出することができ、異常の検出を受けてバッテリに過充放電が行われないようにできる。また、発電機の初期性能や個体差等によって発生する電力ずれを、電流センサの異常と誤って判断することを防ぐことができる。 【0073】なお、第2の実施の形態のハイブリッド車両において、モータ3の三相すべてに電流センサを備えるよう構成しても良い。この場合、本発明は三相のうちいずれか一相について異常が発生した場合において有効である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成14年5月14日(2002.5.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075513 【弁理士】 【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−333701(P2003−333701A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月21日(2003.11.21) |
| 【出願番号】 |
特願2002−138282(P2002−138282) |
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