| 【発明の名称】 |
四輪駆動車両 |
| 【発明者】 |
【氏名】柴田 由之 【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工機株式会社内
【氏名】大野 明浩 【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】副駆動輪にスリップが生ずると速やかに牽引トルクを発生して再粘着性に優れ、余分なスペースおよび重量増を不要にするとともに、専用の駆動装置、オルタネータ、ならびに発電機を不要にして、搭載性を向上すること。
【解決手段】主駆動輪1を主電気モータ2で駆動するとともに、副駆動輪3を補助電気モータ4で駆動する4輪駆動車両において、前記主電気モータ2が、モータ駆動回路からの三相交流によって駆動されるブラシレスDCモータ21によって構成され、前記補助電気モータ4が、前記ブラシレスDCモータ21を駆動するモータ駆動回路からの三相交流によって駆動される誘導電動機41によって構成されている4輪駆動車両。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主駆動輪を主電気モータで駆動するとともに、副駆動輪を補助電気モータで駆動する四輪駆動車両において、前記補助電気モータが、主電気モータを駆動する駆動出力によって駆動される誘導電動機によって構成されていることを特徴とする四輪駆動車両。 【請求項2】 請求項1において、前記誘導電動機が、前記主電気モータを駆動する三相交流によって駆動されることを特徴とする四輪駆動車両。 【請求項3】 請求項2において、前記主電気モータが、ブラシレスDCモータによって構成されることを特徴とする四輪駆動車両。 【請求項4】 請求項1において、少なくとも発進時に、前記誘導電動機が駆動されることを特徴とする四輪駆動車両。 【請求項5】 請求項1において、前記誘導電動機で発生する回転動力を減速して前記副駆動輪に伝達する減速機を備え、該減速機は通常走行時において前記誘導電動機にすべりが発生しない状態で走行させ得るギヤ比で構成されていることを特徴とする四輪駆動車両。 【請求項6】 請求項1において、前記誘導電動機で発生する回転動力を減速して前記副駆動輪に伝達する減速機を備え、該減速機は通常走行時において前記誘導電動機に所定のすべりが発生した状態で走行させ得るギヤ比で構成されていることを特徴とする四輪駆動車両。 【請求項7】 請求項2において、前記主電気モータを三相交流によって駆動するモータ駆動回路と前記誘導電動機との間に電力遮断装置が介挿されていることを特徴とする四輪駆動車両。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主駆動輪を主電気モータで駆動するとともに、副駆動輪を補助電気モータで駆動する四輪駆動車両に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の第1の四輪駆動車両においては、トランスファ、またはプロペラシャフトにより後輪を駆動することが一般に知られている。 【0003】また従来の第2の四輪駆動車両においては、図6に示されるように副駆動用制御装置ECおよび専用のオルタネータAを利用してDCモータDMによって、副駆動輪である例えば後輪Rを駆動するものであった。 【0004】さらに従来の第3の四輪駆動車両(特開2000−264086)においては、図7に示されるようにエンジンEによって主駆動輪Fを駆動するとともに発電機Gを回転駆動し、発電機Gの交流出力により発生する電動機Mの回転力によって副駆動輪Rを駆動するものであった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の第1の四輪駆動車両は、トランスファ、またはプロペラシャフトにより後輪を駆動するものであるため、トランスファ、またはプロペラシャフトを収容するスペースが必要になり、スペースの確保、重量増から搭載性に問題があった。 【0006】また上記従来の第2の四輪駆動車両においては、副駆動用制御装置ECおよび専用のオルタネータAを利用してDCモータDMによって、副駆動輪である例えば後輪Rを駆動するものであるので、後輪駆動用の制御装置ECおよび専用のオルタネータAが必要であり、システムが大型になる不具合が生じる。 【0007】さらに上記従来の第3の四輪駆動車両は、エンジンによって主駆動輪を駆動するとともに、エンジンEによって主駆動輪Fを駆動するとともに、エンジンEによって回転駆動される発電機Gの交流出力により電動機Mによって副駆動輪Rを駆動するものであるので、前記副駆動輪Rを駆動するために前記電動機Mとは別に専用の前記発電機Gが必要になるという問題があった。 【0008】そこで本発明者は、主駆動輪を主電気モータで駆動するとともに、副駆動輪を補助電気モータで駆動する四輪駆動車両において、前記主電気モータを駆動する駆動出力によって、前記補助電気モータを構成する誘導電動機を駆動して副駆動輪を駆動するという本発明の技術的思想に着眼し、更に研究開発を重ねた結果、副駆動輪にスリップが生ずると速やかに牽引トルクを発生して再粘着性に優れ、余分なスペースおよび重量増を不要にするとともに、専用の駆動装置、オルタネータ、ならびに発電機を不要にして、搭載性を向上するという目的を達成する本発明に到達した。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載の第1発明)の四輪駆動車両は、主駆動輪を主電気モータで駆動するとともに、副駆動輪を補助電気モータで駆動する四輪駆動車両において、前記補助電気モータが、主電気モータを駆動する駆動出力によって駆動される誘導電動機によって構成されているものである。 【0010】本発明(請求項2に記載の第2発明)の四輪駆動車両は、前記第1発明において、前記誘導電動機が、前記主電気モータを駆動する三相交流によって駆動されるものである。 【0011】本発明(請求項3に記載の第3発明)の四輪駆動車両は、前記第2発明において、前記主電気モータが、ブラシレスDCモータによって構成されるものである。 【0012】本発明(請求項4に記載の第4発明)の四輪駆動車両は、前記第1発明において、少なくとも発進時に、前記誘導電動機が駆動されるものである。 【0013】本発明(請求項5に記載の第5発明)の四輪駆動車両は、前記第1発明において、前記誘導電動機で発生する回転動力を減速して前記副駆動輪に伝達する減速機を備え、該減速機は通常走行時において前記誘導電動機にすべりが発生しない状態で走行させ得るギヤ比で構成されているものである。なお、通常走行時とは、主駆動輪及び副駆動輪にスリップが発生していない状態で、直進走行している状態をいう。 【0014】本発明(請求項6に記載の第6発明)の四輪駆動車両は、前記第1発明において、前記誘導電動機で発生する回転動力を減速して前記副駆動輪に伝達する減速機を備え、該減速機は通常走行時において前記誘導電動機に所定のすべりが発生した状態で走行させ得るギヤ比で構成されているものである。 【0015】本発明(請求項7に記載の第7発明)の四輪駆動車両は、前記第2発明において、前記主電気モータを三相交流によって駆動するモータ駆動回路と前記誘導電動機との間に電力遮断装置が介挿されているものである。 【0016】 【発明の作用および効果】上記構成より成る第1発明の四輪駆動車両は、主駆動輪を主電気モータで駆動するとともに、副駆動輪を補助電気モータで駆動する四輪駆動車両において、前記主電気モータを駆動する駆動出力によって、前記補助電気モータを構成する誘導電動機を駆動して副駆動輪を駆動するものであるので、副駆動輪にスリップが生ずると速やかに牽引トルクを発生して再粘着性に優れ、余分なスペースおよび重量増を不要にするとともに、専用の駆動装置、オルタネータ、ならびに発電機を不要にして、搭載性を向上するという効果を奏する。 【0017】上記構成より成る第2発明の四輪駆動車両は、前記第1発明において、前記誘導電動機が、前記主電気モータを駆動する三相交流によって駆動されるものであるので、専用の駆動装置を不要にするという効果を奏する。 【0018】上記構成より成る第3発明の四輪駆動車両は、前記第2発明において、前記主電気モータが、ブラシレスDCモータによって構成されるので、ブラシレスDCモータのロータの回転角度に応じた位相、周波数の三相交流によって、前記誘導電動機を駆動することが出来るという効果を奏する。 【0019】上記構成より成る第4発明の四輪駆動車両は、前記第1発明において、少なくとも発進時に、前記誘導電動機が駆動されるので、前記主電気モータによる前記主駆動輪に加え、前記誘導電動機による前記副駆動輪の駆動を行うので、滑らかな発進を可能にするという効果を奏する。 【0020】上記構成よりなる第5発明の四輪駆動車両は、前記第1発明において、前記誘導電動機で発生する回転動力を減速して前記副駆動輪に伝達する減速機を備え、該減速機は通常走行時において前記誘導電動機にすべりが発生しない状態で走行させ得るギヤ比で構成されているので、通常走行時には副駆動輪にトルクが発生せず、主駆動輪がスリップした場合にのみ誘導電動機にすべりが起き、副駆動輪にトルクが発生することで主駆動輪の駆動力を補完する。即ち、パートタイム4WDとして必要時にだけ副駆動輪に駆動力を発生するので、通常は二輪駆動として走行し、燃費が改善できるとともに、スタック等からの脱出や滑りやすい路面での発進時等には四輪駆動として主駆動輪の駆動力を補助するという効果を奏する。 【0021】上記構成よりなる第6発明の四輪駆動車両は、前記第1発明において、前記誘導電動機で発生する回転動力を減速して前記副駆動輪に伝達する減速機を備え、該減速機は通常走行時において前記誘導電動機に所定のすべりが発生した状態で走行させ得るギヤ比で構成されているので、副駆動輪にも常時、すべりに応じたトルクが発生している。即ち、フルタイム4WDとして常時副駆動輪に駆動力を発生することにより、滑りやすい路面を走行する際などにおいても、常に安定走行が可能となるという効果を奏する。 【0022】上記構成より成る第7発明の四輪駆動車両は、前記第2発明において、前記主電気モータを三相交流によって駆動するモータ駆動回路と前記誘導電動機との間に電力遮断装置が介挿されているので、該電力遮断装置によって前記副駆動輪の回転駆動が必要な場合のみ前記副駆動輪を回転駆動することを可能にするという効果を奏する。 【0023】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につき、図面を用いて説明する。 【0024】(実施形態)本実施形態の四輪駆動車両は、図1ないし図3に示されるように主駆動輪1を主電気モータ2で駆動するとともに、副駆動輪3を補助電気モータ4で駆動する四輪駆動車両において、前記主電気モータ2が、モータ駆動回路51からの三相交流によって駆動されるブラシレスDCモータ21によって構成され、前記補助電気モータ4が、前記ブラシレスDCモータ21を駆動するモータ駆動回路51からの三相交流によって駆動される誘導電動機41によって構成されているものである。 【0025】本実施形態の四輪駆動車両は、一例として前記主駆動輪1としての前輪が前記主電気モータ2としての前記ブラシレスDCモータ21によって駆動されるとともに、前記副駆動輪3としての後輪が補助電気モータ4としての前記誘導電動機41によって駆動されるものである。 【0026】前記主電気モータ2を構成する前記ブラシレスDCモータ21は、図1に示されるように主減速機61およびデフ62を介して主駆動輪としての前輪を回転駆動するように構成されているとともに、該ブラシレスDCモータ21の一部には、前記ブラシレスDCモータ21のロータ回転角を検出する回転角度センサ22が取り付けられている。 【0027】前記補助電気モータ4を構成する前記誘導電動機41は、図1に示されるように副減速機63およびデフ64を介して副駆動輪3としての後輪を回転駆動するように構成されている。 【0028】本実施形態におけるECU5は、図2に示すようにインターフェイス52と、ROM、RAMが接続されたCPU50と、該CPU50に接続されたドライバーとしてのモータ駆動回路51と、該モータ駆動回路51に接続されモータ駆動回路51からの前記ブラシレスDCモータ21の駆動出力の電圧および電流を検出する第1の電圧検出回路53と、前記モータ駆動回路51に接続されモータ駆動回路51からの駆動出力の供給タイミングを制御するリレー54(電力遮断装置)と、該リレー54に接続されモータ駆動回路51からの前記誘導電動機41の駆動出力の電流を検出する第2の電圧検出回路55とから成る。 【0029】前記インターフェイス52は、前記ブラシレスDCモータ21のロータ回転角を検出する回転角度センサ22が接続され、車両のアクセル開度を検出するアクセル開度センサ56と、前後の車輪1、3の速度を検出する車輪速センサ57と、ブレーキ踏込み量センサ58と、4WD選択スイッチ59とが接続されている。 【0030】前記CPU50は、前記ROMに予め格納されているプログラムに従い、図3に示すフローチャートにおけるステップ101において、前記4WD選択スイッチ59がオンかオフか判断され、前記4WD選択スイッチ59がオンの場合は、ステップ102において、車速が一定速度Akm/h以下かどうか判定される。 【0031】車速が一定速度Akm/h以下の場合は、ステップ103において、アクセル開度が一定C%以上かどうか判定され、アクセル開度が一定C%以上の場合はステップ104において、発進時と判断し、前記リレー54をオンにして、前記モータ駆動回路51からの駆動出力である三相交流によって前記誘導電動機41が回転駆動され、前記副駆動輪3としての後輪を回転駆動することにより、前記ブラシレスDCモータ21による駆動前記主駆動輪1としての前輪の回転駆動に対して駆動力が補助される。 【0032】上述のステップ101、ステップ102、ステップ103において、NOと判断された場合は、発進時以外と判断し、前記リレー54がオフにされるので、前記誘導電動機41によって前記副駆動輪3が回転駆動されない。 【0033】従来の電気自動車およびハイブリッド車では、モータドライバにより三相交流をBLDCモータに供給し、主駆動輪(前輪)を駆動しているが、本実施形態においては、図1に示されるように前記副駆動輪3に前記誘導電動機41を用いるもので、主機1である前輪を駆動するための前記BLDCモータ21を駆動するための三相交流を分岐して用い前記誘導電動機41を駆動するものである。 【0034】本実施形態の四輪駆動車両においては、前記副駆動輪3に後輪駆動用の電源として、前輪駆動用の前記BLDCモータ21駆動用の前記モータ駆動回路51からの三相交流を利用できるため、上述した従来における後輪用のドライバ回路、発電装置は不要となる。 【0035】本実施形態の四輪駆動車両においては、前記副駆動輪3を回転駆動する電動機として前記誘導電動機41を用いたことによる利点を次ぎに挙げる。前記誘導電動機41は、ブラシ、コンミュテータを用いていないため、メンテナンスフリーであり、ブラシ火花による電磁ノイズの発生という問題も無い。 【0036】また、誘導電動機41は固定子側巻線に供給される三相交流によって発生する回転磁界の回転速度と回転子の回転速度の間のすべりに応じてトルクを発生するものであることから、特に低μ路等において副駆動輪の駆動力が路面に伝わらなくなった際の挙動が本来的に優れている。即ち、一般に誘導電動機は固定子側に発生する回転磁界の回転速度と回転子の回転速度とが等しい場合には回転子側巻線に誘導起電力が発生せず、電流が流れないために発生するトルクはゼロとなる。回転子の回転速度が回転磁界の回転速度よりも遅れると回転子側巻線に鎖交する磁束が変化するようになるので、回転子側巻線に誘導起電力が発生し、電流が流れるようになる。この回転子側巻線に流れる電流と固定子側巻線で発生する磁界とによって発生する電磁力が回転子を回すトルクになるのである。換言すれば、負荷がゼロに近い場合は殆どすべりがないためにトルクが発生せず、負荷が増すに従ってすべりが大きくなり、これにより負荷に応じたトルクが発生するということである。なお、すべりは、R:回転子の回転速度、S:回転磁界の回転速度とすると、(S−R)/Sの式で与えられる。一般的な誘導電動機ではすべりが3〜10%程度のときに最大トルクを発生する。 【0037】このような特性を持つ誘導電動機41を四輪駆動車両の副駆動輪に用いることで得られる低μ路走行時の利点を以下に説明する。低μ路走行において、タイヤと路面との摩擦抵抗が得られず副駆動輪にスリップが生じた場合には速やかに駆動力を落とし、タイヤのグリップを回復しなければならない。誘導電動機41を四輪駆動車両の副駆動輪に用いれば、「タイヤと路面の摩擦抵抗が得られずスリップが生じたとき」とは、上記説明した「負荷トルクがゼロに近くなったとき」に相当するので、ECU5で何らの制御をすることなく、専ら誘導電動機特有の構成によって駆動力が落ちることとなる。即ち、ECU5では前輪駆動用BLDCモータ21を駆動するための三相交流を出力し、これを分岐して誘導電動機41に供給するように構成しておけば、誘導電動機41によって駆動される副駆動輪のスリップを検知等しなくても、スリップが生じた場合には速やかに副駆動輪の駆動力が落ち、タイヤのグリップが回復すれば再びトルクが発生することとなる。また、主駆動輪がスリップした場合には、主駆動輪の負荷トルクが急激に減少するので、EUC5はアクセル踏み込み量に応じたトルクを出力すべく、主電気モータの回転磁界の回転速度を上げる。これにより、誘導電動機の回転磁界の回転速度が上がるので、すべりが大きくなる。すると、副駆動輪のトルクが大きくなり、主駆動輪の駆動力を補完することができる。このため、誘導電動機41の回転角センサやオルタネータ及びドライバ等を必要とすることなく、極めて簡単で低コスト且つ省スペースな構成により、四輪駆動車両を構成できるのである。 【0038】図5は、誘導電動機(IM)と直流直巻電動機(DM)のトルク速度特性の比較を示めすもので、誘導電動機(IM)の特性は、直流直巻電動機(DM)に比べて極めて急峻であるため車輪の空転が生じた場合、回転速度が高くなるとすべりが少なくなり、トルクが急速に減少するため、直ちに減速されて粘着性を回復する。 【0039】前記ブラシレスDCモータ21および前記誘導電動機41モータの接続関係は、図4に示される、主機である前輪駆動用BLDCモータ21では前記回転速度センサ22によりロータ位置を検出しそれに応じた位相、周波数をドライバとしてのモータ駆動回路51から印加する。このBLDCモータ21を駆動する三相交流を分岐し、前記誘導電動機41を駆動するように構成されており、誘導電動機41には回転速度センサが必要無いのである。 【0040】BLDCモータ21と誘導電動機41の電源供給関係について、述べる。BLDCモータ21には前記回転角センサ22の回転角信号に応じた位相、周波数の三相交流が供給される。それと同じ三相交流が誘導電動機41に入力され、誘導電動機41が駆動される。誘導電動機41の回転速度は、成り行きとなるが、主機と同じ回転速度ではトルクを発生せず、主機の回転速度よりも数%遅い速度でトルクを発生する。 【0041】副駆動輪3の副減速機63のギヤ比の設定について述べる。副減速機63のギヤ比は、主駆動輪1のギヤ比と同じに設定する場合と、または、主駆動輪1のギヤ比に対して数%小さく設定する場合がある。 【0042】ギヤ比が同じ場合は、副駆動輪3に使用される誘導電動機41は、その特性により、固定子の生成する回転磁界と回転子の回転速度とがずれることによってトルクを発生して回転子を回転駆動するので、自動車の主駆動輪1がスッリプを起こさずに回転している走行状態では、副駆動輪3も主駆動輪1と同じ回転速度で従動回転し、誘導電動機41が抵抗となることもなく、また回転トルクを発生することもなく、したがって、二輪駆動状態で走行することになる。 【0043】しかしながら、本来の四輪駆動が必要となる走行状態、例えば、滑りやすい路面を走行している場合や主駆動輪1がスタックした場合のように主駆動輪1がスリップを起こすと、この主駆動輪1の回転速度が副駆動輪3の回転速度よりも大きくなり、誘導電動機41の回転磁界とロータとの間に速度差が発生し滑りが生じて回転トルクが発生する、これによって副駆動輪3に回転駆動力を与えてその車輪を回転駆動して、臨時的に四輪駆動の状態(パートタイム四輪駆動)にするものである。 【0044】これにより、主駆動輪1にスタックが発生していればそのスタックから抜け出すことができ、また、滑りやすい路面でも四輪駆動によって安定した走行が可能となり、また、急発進時にもアクセルの踏み込みに即応した発進加速が得られることにある。 【0045】副駆動輪3の副減速機63のギヤ比を、主駆動輪1の主減速機61のギヤ比に対して数%小さく設定する場合においては、自動車の主駆動輪1がスリップを起こさずに回転している走行状態では、副駆動輪3も主駆動輪1と同じ回転速度で従動回転し、誘導電動機41は回転トルクを発生し、常時四輪駆動状態で走行するものである。ここで、両減速機のギヤ比の割合は、誘導電動機41が最大トルクを発生するときのすべりよりも若干低い割合に減速比を設定することが望ましい。一般的な誘導電動機ではすべりが3〜10%の時に最大トルクを発生するので、副減速機63のギヤ比を主減速機61のギヤ比にくらべて1〜9%小さくするとよい。これにより、例えば主駆動輪にスリップが発生した場合には、すべりの増大に伴ってより大きなトルクを発生できることとなるのである。なお、上記ではBLDCモータ21(主電気モータ)と誘導電動機41(補助電気モータ)とが同一の極数を持つ場合について説明したが、極数が異なる場合にはそれに応じてギヤ比を調整すればよい。また、副駆動輪3の駆動系の回転抵抗等によって発生するエネルギーロスを防ぐため、CPU50の指示によって動作するクラッチにより、不要時には副駆動輪3をメカ的にその駆動系から切り離すようにしてもよい。これにより、さらに燃費を向上させることができる。 【0046】本実施形態の四輪駆動車両は、主駆動輪1(例えば前輪)を主電気モータ2で駆動し、副駆動輪3(例えば後輪)を補助電気モータ4で駆動する四輪駆動車両において、副駆動輪3に誘導電動機41を用いるもので、主機である前輪を駆動する主電気モータ2を駆動するための三相交流を用い誘導電動機41を駆動するように構成したので、副駆動輪3の誘導電動機41は、主駆動輪1に供給する三相交流を分岐させ供給するため、従来における後輪駆動用制御装置、後輪用電源の発電機器の電力交換のための高価で複雑な専用回路用品を必要とせず、単純化された構成にしてコストダウンを実現するという効果を奏する。 【0047】また本実施形態の四輪駆動車両は、前記誘導電動機41をモータ駆動回路51に接続するものであり、前輪駆動機構と後輪駆動機構との間は電力ラインによって接続するだけであるので、搭載性も向上できるメリットがある。 【0048】さらに本実施形態の四輪駆動車両は、上述のように通常走行では二輪駆動であり、本当に四輪駆動が必要となるような走行状態になると自動的に四輪駆動になるので、燃費が改善できる。 【0049】また、本実施形態の四輪駆動車両は、上述のように副駆動輪3を駆動する誘導電動機41が再粘着性に優れるため、副駆動輪3がスリップした場合も速やかにトルクを発生できる利点がある。 【0050】さらに本実施形態の四輪駆動車両は、前記誘導電動機41は、ブラシ、コンミュテータを用いていないため、メンテナンスフリーであり、ブラシ火花による電磁ノイズの発生という問題が無いとともに、主駆動輪(前輪)1を駆動する前記ブラシレスDCモータ21で必要となる高価で振動やノイズに弱い高精度なロータ位置検出器が不要であるため、コストダウンを可能にして安定な動作を可能にし、構造が簡単であり、堅固であるという利点を有する。 【0051】上述の実施形態は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003470 【氏名又は名称】豊田工機株式会社 【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成14年4月19日(2002.4.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083046 【弁理士】 【氏名又は名称】▲高▼橋 克彦
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| 【公開番号】 |
特開2003−319510(P2003−319510A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月7日(2003.11.7) |
| 【出願番号】 |
特願2002−118602(P2002−118602) |
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