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【発明の名称】 鉄道車両のパンタグラフ保護方法及び装置
【発明者】 【氏名】倉持 政浩
【住所又は居所】東京都渋谷区代々木2丁目28番12号 小田急電鉄株式会社内

【氏名】蛯原 裕之
【住所又は居所】愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号 日本車輌製造株式会社内

【氏名】金子 靖
【住所又は居所】愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号 日本車輌製造株式会社内

【要約】 【課題】ハイブリッド型車両が非電化区間に進入したときに、パンタグラフを上げていると走行できなくすることで、パンタグラフを保護する。

【解決手段】電化区間ではパンタグラフ8を介して架線7からの給電を受けて電動機5を駆動させるとともに車体2に搭載した蓄電池11に充電し、非電化区間では蓄電池11から給電を受けて電動機5を駆動させる構内車両移動機1に、架線電圧検出装置15と、パンタグラフ昇降検知用の近接センサーと、両検出器の信号に基づいて車輪4の回転を制動するブレーキ6を作動させる制御装置19とを備え、電化区間から非電化区間へパンタグラフ8を下降させずに走行した場合は、電動機5の駆動を停止させるとともに走行を停止させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電化区間ではパンタグラフを介して架線からの給電を受けて電動機を駆動させるとともに車体に搭載した蓄電池に充電し、非電化区間では前記蓄電池から給電を受けて電動機を駆動させる鉄道車両において、該鉄道車両が前記電化区間から前記非電化区間へ前記パンタグラフを下降させずに走行した場合は、前記電動機の駆動を停止させるとともに、走行を停止させることを特徴とする鉄道車両のパンタグラフ保護方法。
【請求項2】 電化区間ではパンタグラフを介して架線からの給電を受けて電動機を駆動させるとともに車体に搭載した蓄電池に充電し、非電化区間では前記蓄電池から給電を受けて電動機を駆動させる鉄道車両において、前記パンタグラフの下降時、またはパンタグラフ上昇時でかつ架線電圧を検出したときのみ、前記電動機の起動を可能とすることを特徴とする鉄道車両のパンタグラフ保護方法。
【請求項3】 電化区間ではパンタグラフを介して架線からの給電を受けて電動機を駆動させるとともに車体に搭載した蓄電池に充電し、非電化区間では前記蓄電池から給電を受けて電動機を駆動させる鉄道車両において、パンタグラフ昇降検知機と、架線電圧検出装置と、両検出器の信号に基づいて車輪の回転を制動するブレーキを作動させる制御装置とを備えたことを特徴とする鉄道車両のパンタグラフ保護装置。
【請求項4】 電化区間ではパンタグラフを介して架線からの給電を受けて電動機を駆動させるとともに車体に搭載した蓄電池に充電し、非電化区間では前記蓄電池から給電を受けて電動機を駆動させる鉄道車両において、パンタグラフ昇降検知機と、架線電圧検出装置とを備え、前記パンタグラフ昇降検知機がパンタグラフの下降を検出したとき、または、前記パンタグラフ昇降検知機がパンタグラフの上昇を検出したときで、かつ、前記架線電圧検出装置が架線電圧を検出したときに、前記電動機の起動スイッチを起動可能とする電気回路を有することを特徴とする鉄道車両のパンタグラフ保護装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電化区間ではパンタグラフを介して架線からの給電を受けて走行するとともに車体に搭載した蓄電池に充電し、非電化区間では前記蓄電池から給電を受けて走行する鉄道車両のパンタグラフ保護方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電化された車両基地の構内で入場車両を移動させる場合、場所によっては架線のない箇所もあるため、非電化区間を走行できる構内車両移動機が不可欠である。非電化区間を走行できる車両として、内燃機関を搭載した構内車両移動機が一般的に用いられているが、諸々の事情により内燃機関を使用しない場合に、架線電源と自車に搭載した電源を切り替え、もしくは併用する、いわゆるハイブリッド型の車両が必要とされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ハイブリッド型車両は、非電化区間においてパンタグラフを上げたまま走行できるので、例えば、入庫しようとしたときに、建屋等にパンタグラフをぶつけて壊してしまう虞がある。
【0004】そこで本発明は、ハイブリッド型車両が非電化区間に進入したときに、パンタグラフを上げていると走行できなくすることで、パンタグラフを保護する鉄道車両のパンタグラフ保護方法及び装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するため、本発明の鉄道車両のパンタグラフ保護方法は、電化区間ではパンタグラフを介して架線からの給電を受けて電動機を駆動させるとともに車体に搭載した蓄電池に充電し、非電化区間では前記蓄電池から給電を受けて電動機を駆動させる鉄道車両において、請求項1の手段は、該鉄道車両が前記電化区間から前記非電化区間へ前記パンタグラフを下降させずに走行した場合は、前記電動機の駆動を停止させるとともに、走行を停止させることを特徴とし、請求項2の手段は、前記パンタグラフの下降時、またはパンタグラフ上昇時でかつ架線電圧を検出したときのみ、前記電動機の起動を可能とすることを特徴とし、本発明の鉄道車両のパンタグラフ保護装置は、電化区間ではパンタグラフを介して架線からの給電を受けて電動機を駆動させるとともに車体に搭載した蓄電池に充電し、非電化区間では前記蓄電池から給電を受けて電動機を駆動させる鉄道車両において、請求項3の手段は、架線電圧検出装置と、パンタグラフ昇降検知機と、両検出器の信号に基づいて車輪の回転を制動するブレーキを作動させる制御装置とを備えたことを特徴とし、請求項4の手段は、パンタグラフ昇降検知機と、架線電圧検出装置とを備え、前記パンタグラフ昇降検知機がパンタグラフの下降を検出したとき、または、前記パンタグラフ昇降検知機がパンタグラフの上昇を検出したときで、かつ、前記架線電圧検出装置が架線電圧を検出したときに、前記電動機の起動スイッチを起動可能とする電気回路を有することを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示される実施形態例に基づいて説明する。構内車両移動機1は、車体2下部前後の台車3,3に、車輪4,4と該車輪4,4を駆動する電動機5とを有し、各車輪4に、車輪4の回転を制動するブレーキ6をそれぞれ備えている。車体2の屋根上には、架線7から集電するパンタグラフ8が設けられ、該パンタグラフ8の近傍の屋根上には、パンタグラフ8に設けたセンサー作動子9の近接・離間によって、パンタグラフ8の昇降を検出する、パンタグラフ昇降検知機として近接センサー10が配設されている。
【0007】車体2内には、蓄電池11と、該蓄電池11に充電する充電装置12が搭載され、充電装置12には、前記パンタグラフ8からの動力電源回路13が接続され、前記蓄電池11とは動力電源回路14で接続されている。前記動力電源回路13には、架線電圧検出装置15が動力電源回路16にて接続され、前記動力電源回路14には、前記電動機5がモータ制御装置17を介して動力電源回路18にて接続されている。充電装置12は、パンタグラフ8による架線7から集電を受けて電動機5を駆動するととともに蓄電池11に充電する。
【0008】また、車体2内には、制御装置19が搭載されている。該制御装置19は、前記ブレーキ6とは信号伝達回路20で、前記近接センサー10とは信号伝達回路21で、前記蓄電池11とは信号伝達回路22で、前記架線電圧検出装置15とは信号伝達回路23で、前記モータ制御装置17とは信号伝達回路24でそれぞれ接続されている。また、該架線電圧検出装置15と前記蓄電池11とは信号伝達回路25で接続されている。
【0009】制御装置19の電気回路26は、図3に示されるように、ライン26a,26b,26c,26dを有する。ライン26aのコイルAが励磁されると接点A1及び接点A2が導通され、接点A3の導通が解除される。ライン26bのコイルBが励磁されると接点B1が、ライン26cのコイルCが励磁されると接点C1が導通される。ライン26dのコイルDが励磁されると接点D1の導通が解除され、接点D2が導通される。
【0010】ライン26aは、コイルAと接点B1と起動用スイッチSW1とを直列接続し、接点A1は起動用スイッチSW1と並列接続している。ライン26bは、コイルBと接点C1と接点D1とを直列接続し、接点D2は接点C1と接点D1との直列接続に並列接続している。ライン26cは、コイルCと電圧有りで導通される電圧検出センサーEの接点E1とを直列接続している。ライン26dは、コイルDとパンタグラフ折り畳み位置で導通されるパンタ位置検出センサーFの接点F1とを直列接続している。また、走行用回路27は、接点A2が導通しているときに通電し、ブレーキ用回路28は、接点A3が導通しているときにブレーキ6を作動して制動を行う。
【0011】したがって、図4のフローチャートにも示されるように、パンタグラフ8が下降している時は、パンタ位置検出センサーFの接点F1が導通され、ライン26bの並列接続された接点D2が導通されることにより、コイルBも励磁されるから、起動用スイッチSW1を押すと前記電動機5の起動が可能となる。また、パンタグラフ8が下降していなくても、電圧検出センサーEが架線電圧を検出していれば、接点E1が導通され、ライン26bの直列接続された接点C1と接点D1との導通により、コイルBも励磁されるから、起動用スイッチSW1を押すと前記電動機5の起動が可能となる。なお、パンタグラフ8が下降しておらず、電圧検出センサーEが架線電圧を検出していない場合は、接点E1及び接点F1が導通されないから、起動回路がOFFになって、起動用スイッチSW1を押しても前記電動機5を起動できない。
【0012】また、電化区間において、構内車両移動機1がパンタグラフ8を上昇させて架線7から集電し、架線電圧検出装置15から電圧検出センサーEに電圧有りの信号が送られていれば、パンタ位置検出センサーFの接点F1の導通が解除されているものの、電圧検出センサーEの接点E1が導通しているから、起動用スイッチSW1を押してコイルAが励磁されれば、走行用回路27が通電状態になり、架線7及び蓄電池11からの給電を受けて電動機5が駆動可能となり構内車両移動機1が走行できる。
【0013】架線7の無い非電化区間においては、架線電圧検出装置15から電圧検出センサーEに電圧無しの信号が送られ、接点E1の導通が解除されるものの、パンタグラフ8が下降している時は、パンタ位置検出センサーFの接点F1が導通されるから、起動用スイッチSW1を押して、コイルAが励磁されれば、走行用回路27が通電状態になり、前記蓄電池11からの給電を受けて電動機5が駆動可能となり構内車両移動機1が走行できる。
【0014】しかしながら、構内車両移動機1が電化区間から非電化区間へ進入した場合に、パンタグラフ8が下降していなければ、架線電圧検出装置15から電圧検出センサーEに電圧無しの信号が送られ、接点E1の導通が解除されるとともに、パンタ位置検出センサーFの接点F1の導通は解除されたままだから、走行用回路27の導通が解除され、電動機5の駆動が停止するとともに、ブレーキ用回路28の接点A3が導通されてブレーキ6が作動して制動作用を行い、構内車両移動機1が停止する。
【0015】この場合には、パンタグラフ8を下降させて、パンタ位置検出センサーFの接点F1を導通させ、起動用スイッチSW1を押せば、接点A1が導通して、走行用回路27が通電状態になり、前記蓄電池11からの給電を受けて電動機5が駆動可能となり構内車両移動機1が走行できる。
【0016】したがって、非電化区間に進入したときに、パンタグラフ8が下降していなければ走行できないから、パンタグラフ8を建屋等にぶつけて壊してしまうことがなくなり、パンタグラフ8を保護することができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のパンタグラフ保護方法及び装置によれば、ハイブリッド車両が非電化区間において、パンタグラフを上げたまま走行することを防止できる。したがって、有効にパンタグラフを保護することができる。
【出願人】 【識別番号】594002439
【氏名又は名称】小田急電鉄株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区代々木2丁目28番12号
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号
【出願日】 平成14年4月22日(2002.4.22)
【代理人】 【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
【公開番号】 特開2003−319509(P2003−319509A)
【公開日】 平成15年11月7日(2003.11.7)
【出願番号】 特願2002−119512(P2002−119512)