| 【発明の名称】 |
車両用機器冷却装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松木 毅 【住所又は居所】茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式会社日立製作所電機システム事業部内
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| 【要約】 |
【課題】駅のホームなど駅構内での騒音が充分に低減できるようにした車両用機器冷却装置を提供すること。
【解決手段】電動送風機制御部9に電圧印加情報10と地点情報11、それに電車情報12を入力し、車両用変圧器1が持っている容量の余裕分をりようすることにより、駅停車時も含め、その前後でも電動送風機8の運転を停止させるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両が駅に停車したとき、当該車両に艤装されている電気機器を冷却するための電動送風機の運転を停止させる方式の車両用機器冷却装置において、前記駅の近傍において前記電動送風機の動作を停止させる手段を設け、前記駅の近傍における前記電動送風機の運転停止区間が、前記電気機器に仕様として与えられている出力定格の余裕度と、当該変圧器が持つ熱容量による温度変化遅れの少なくとも一方に基づいて設定されていることを特徴とする車両用機器冷却装置。 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、前記電気機器が送油風冷式の車両用変圧器であることを特徴とする車両用機器冷却装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両に艤装された電気機器の冷却装置に係り、特に当該機器が送油風冷式の変圧器の場合に好適な車両用機器冷却装置に関する。 【0002】 【従来の技術】車両には冷却を要する種々の電気機器が搭載されているが、その一例に交流電気車に艤装される変圧器がある。そして、この場合、通常は電動送風機を備えた送油風冷式の変圧器が用いられる。 【0003】ここで、この送油風冷式の変圧器では、絶縁油を冷却媒体とし、これを油ポンプにより循環させ、このときの冷却媒体の循環経路に、電動送風機の冷却風が送られている熱交換器(油冷却器)を設け、損失により発生した熱の放散を図り、温度上昇が抑えらるようになっている。 【0004】ところで、このとき使用される電動送風機は、例えばパンタグラフが上げられなど、集電装置の作動により車両の主電源系統に電圧が印加されたとき動作を開始し、パンタグラフが下げられ、電圧が印加されなくなって無電圧になったとき動作を停止するように作られているのが一般的である。 【0005】従って、この電動送風機は、車両の主電源系に電圧が印加されている間は運転状態であり、このことは、駅に停車したときなど、変圧器の負荷が軽いときでも同じで、電動送風機は常に運転されているのが一般的であった。 【0006】ここで特開昭55−152662号公報によれば、車両に搭載されている電動空気圧縮機に関するものではあるが、騒音対策のため、駅の近傍なでは当該電動空気圧縮機の運転を停止させる技術について開示している。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】車両については発生する騒音が大きな問題となり、このため、走行中の車両騒音の改善など各種の対策により低騒音化が図られてきているが、駅停車時の騒音については、対応策に苦慮しているのが現状である。 【0008】ここで、車両停車時の騒音源としては、変圧器の電動送風機がその主たる要因であり、この場合、電動送風機とホーム上の乗客との距離が特に短いため、しばしば騒音が大きな問題になる。 【0009】ところで、この問題の解決には、駅停車時、電動送風機の運転を停止すればよい。しかしながら変圧器の場合、そこで発生する損失のもとになる負荷は車両走行用の電動機だけではなく、車両に艤装され、設置されている各種の補機も負荷になっている。 【0010】そして、これら各種の補機には、各種制御及び保護装置、冷暖房機器など、車両が停車中も電力を必要とするものが多く存在するので、たとえ停車中でも変圧器の通電を止めることはできない。 【0011】ここで、上記した従来技術では、車両停車時の騒音源として主たる要因になっている変圧器の電動送風機の運転については何も開示がされておらず、騒音抑制に不満が残るという問題があった。 【0012】本発明の目的は、駅のホームなど駅構内での騒音か充分に低減できるようにした車両用機器冷却装置を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的は、車両が駅に停車したとき、当該車両に艤装されている電気機器を冷却するための電動送風機の運転を停止させる方式の車両用機器冷却装置において、前記駅の近傍において前記電動送風機の動作を停止させる手段を設け、前記駅の近傍における前記電動送風機の運転停止区間が、前記電気機器に仕様として与えられている出力定格の余裕度と、当該変圧器が持つ熱容量による温度変化遅れの少なくとも一方に基づいて設定されるようにして達成される。 【0014】このとき、前記電気機器が送油風冷式の車両用変圧器であるようにしても、同じく目的が達成される。 【0015】ここで、車両に搭載されている各種補機が消費する電力は、車両走行に必要とする電力に比して格段に小さく、従って、車両停車中は変圧器の負荷が軽く、発生する損失も少なくなる。 【0016】従って、これに電圧印加状態で発生する無負荷損失が加わったとしても、車両走行時に発生する損失に比べれば十分小さく、たとえ電動送風機を停止させたとしても、変圧器の温度が急激に上昇する虞れは少なく、この結果、本発明によれば、上記目的が達成できるのである。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明による車両用機器冷却装置について、図示の実施の形態により詳細に説明すると、図1は本発明の一実施形態で、図において、1は変圧器で、本体は巻線2と鉄心3からなり、これがタンク4の中に収納され、さらにタンク4内には絶縁油5が満たされている。 【0018】タンク4内の絶縁油5は、油ポンプ6により、油冷却器7を通って循環されるようになっているが、このとき、この油冷却器7には電動送風機8から空気が供給されている。 【0019】そこで、絶縁油5が油ポンプ6で循環されることにより、巻線2と鉄心3が冷却され、さらに絶縁油5が油冷却器7で電動送風機8の冷却風により冷却されることになり、従って、変圧器1は、いわゆる送油風冷式に作られていることになる。 【0020】そして、この電動送風機8の送風動作と動作停止は、電動送風機制御部9によりが制御され、このため、この電動送風機制御部9には、車両に対する電圧印加情報10と、この変圧器1が艤装されている車両の走行経路(線路)上での位置を表わす地点情報11、それに当該車両の走行速度に基づいた各種の情報からなる電車情報12が入力されるようになっている。 【0021】次に、この実施形態の動作について、電動送風機制御部9による電動送風機8の制御を中心にして説明する。 【0022】図2は、車両の運転状態における代表的な車両用変圧器の絶縁油の温度の時間的推移の一例を示したもので、ここで車両用変圧器で発生する損失のほとんどは巻線より発生し(いわゆる銅損)、負荷が重いほど損失が多くなる。 【0023】他方、車両は、加速状態、すなわち車両が走行を開始してから最高速度まで到達させるまでに多くの電力を消費するので、このとき変圧器に大きな負荷がかかり、減速状態、つまり最高速度から停車するでは、電力があまり消費されないので、負荷は小さくなる。 【0024】従って、この図2に示されているように、変圧器の絶縁油の温度は、車両の走行中の前半、つまり加速時に大きく上昇し、負荷の少ない後半では低下の傾向を示し、さらに駅停車中も低下する。この状況は、車両の走行条件により変化するが、傾向は同じである。 【0025】実際の運用では、このような走行と駅停車を繰返し、車両運用区間が運転されるので、このような実際の運行状況を考慮し、車両用変圧器が正常に運用されるように、変圧器の定格容量など仕様が決定されている。なお、ここでは、駅停車中の冷却を期待し、駅停車中も温度が低下することを前提としている。 【0026】このような一般的な現状の運用状況に対して、本発明の実施形態では、以下に示す適用条件にしている。 【0027】まず、通常の場合でも、車両用変圧器の仕様は、正常時の運用条件だけで決定するのではなく、多くの場合、一部の機器の異常時を想定し、多少の過負荷でも運用が可能になるように設定されている。 【0028】このとき想定される異常についての条件は、機種によってまちまちであり、顧客によっても考え方が異なるが、正常時での運用に対して余裕分を持たせる点では共通である。 【0029】そこで、本発明の実施形態では、この余裕分、すなわち車両用変圧器容量の余裕分を見越し、駅停車時だけではなく、駅の前後にわたっても電動送風機の停止に適用しようとしたものであり、ここで、この本発明を適用した場合の車両用機器冷却装置について、再び図1に戻って説明する。 【0030】ここで、まず、電圧印加情報10の出力信号■は、車両の主電源系統に電圧が印加された状態ではレベル1になり、車両の主電源系統が無電圧のときはレベル0となる。 【0031】次に地点情報11の出力信号■は、停車駅に当該車両が接近したことを検知したときレベル0になり、停車駅を発車して駅から車両が離れたことを検知したときレベル1になる。 【0032】そして車両情報12の出力信号■は、当該車両が低速及び減速であることを条件として、駅停車直前であることを検知したときレベル0になり、当該車両が停車から加速及び低速であること条件として、駅発車直後であることを検知したときレベル1になる。 【0033】そして、これらの信号■、■、■は、何れも電動送風機制御部9に入力され、ここで電動送風機8のON、OFFを制御する信号■に演算され、電動送風機8に供給される。このときの演算条件は、次の通りである。 【0034】■=■・■・■つまり、信号信号■、■、■が全てレベル1のときだけ、信号■がレベル1になり、信号■、■、■の何れかでもレベル0になったときは、信号■はレベル0になる。そして、信号■については、信号■がレベル1⇒電動送風機8がON(入:運転)信号■がレベル0⇒電動送風機8がOFF(切:停止)となる。 【0035】図3は、このときの電動送風機8の〔入〕、〔切〕と、変圧器1の絶縁油の温度の時間的推移の一例を示したもので、この実施形態でも、図2の例の場合と同様、変圧器の負荷が大きいときは温度が上昇し、負荷が小さくなると温度は低下するが、駅停車の前に電動送風機8が停止されるので、ここでは絶縁油の温度はほとんど低下しなくなり、駅停車時においてもこの傾向は継続される。 【0036】他方、発車の際は絶縁油の温度は大きく上昇し、発車直後の電動送風機の運転で上昇が緩やかとなり、これらの温度変化が繰返えされ、車両運用区間で運転される。 【0037】ここで、この実施形態の場合、絶縁油の温度上昇は、従来技術のように、電動送風機が連続して運転されたときの絶縁油の温度上昇に比べれば高くなる。しかし、この実施形態では、その温度上昇分を変圧器1の容量の余裕分でまかなおうというものである。 【0038】従って、この実施形態によれば、変圧器1内の絶縁油5の温度を許容範囲に納めながら、駅停車時も含め、駅の前後の位置でも電動送風機8の運転を停止されることができ、大幅に騒音レベルを低下させることができる。 【0039】なお、既に説明したように、変圧器の容量の余裕分については、異常に対する条件や顧客の考え方により異なるので、中には余裕分が少ない場合もあるが、この場合は電動送風機の停止を駅停車時のみに限定する等電動送風機の停止時間を短くすることにより対応が可能となる。 【0040】一方、変圧器容量の余裕分が大きなものについては、正常時の他にも、異常時においても本発明を適用し、駅停車前後での電動送風機の停止を実施することも可能である。 【0041】このとき、絶縁油の温度を保護条件として利用し、絶縁油5の温度が、使用者や製造者などにより設定された注意レベルの温度に達した際は、電動送風機8の駅停車前後での停止の運用を止めるようなインターロック機能を付加することもでき、更に製品信頼性を高めることも可能である。 【0042】また、本発明の適用を正常運用時のみに限定し、車両異常時には、この異常情報をインターロック信号として、電動送風機8の運転が停止されるのを禁止してやれば、変圧器1のオーバーヒートの防止も可能である。 【0043】但し、このような変圧器には、絶縁油の温度上昇について想定以上に上昇した際警報信号を出す機能が具備されており、オーバーヒートを防ぐシステムになっているのが一般的であるのは勿論である。 【0044】ところで、本発明の実施形態では、油ポンプ6については、それが常時運転されているものとし、これにより電動送風機7が停止しているときも巻線2の急激な温度上昇を抑えることができる。 【0045】ここで、この油ポンプ6の運転状態を表わす信号をインターロック信号として使用し、電動送風機8の運転が停止されるのを禁止することも可能である。 【0046】ところで、この油ポンプの騒音は、通常、55dB(A)程度で、騒音が80dB(A)程度にも達する電動送風機8の場合に比べ充分に小さく、従って、駅構内での騒音としては無視でき、連続して運転した場合でも駅構内の騒音低減に支障はない。 【0047】以上、本発明の一実施形態について説明してきたか、ここで、車両用変圧器の仕様を検討する際、本発明の内容を取り入れ、車両の正常時と異常時のいずれにおいても、駅停車時及びその前後において、電動送風機が停止できるよう、車両用変圧器の容量についてのシミュレーションを実施し、車両用変圧器の容量等の仕様を決定することにより、より効率的な製品を提供することができる。もちろん考え方によっては、本発明の適用を車両の正常時に限ることも可能である。 【0048】また、本発明は、車両用変圧器に限定されるものではなく、車両に艤装され、電動送風機を使用する全ての機器に適用することが可能であり、このとき、駅停車時及びその前後において電動送風機を停止することにより、駅構内での騒音を充分に下げることができる。 【0049】また、本発明は、上記した実施形態における車両用変圧器と同様、車両に艤装され電動送風機を使用する全ての機器において、その仕様決定の際に、本発明の内容を取り入れ、駅停車時及びその前後において電動送風機を停止できるように機器の容量のシミュレーションを実施し、機器の容量等の仕様を決定することにより、より効率的な製品を提供することができる。 【0050】以上、述べてきたように、本発明は、電動送風機を使用する車両用変圧器又は車両に艤装される全ての機器において、車両用変圧器又は車両に艤装される機器の容量の余裕分を駅停車時及びその前後における電動送風機の停止による温度上昇分に使用し、駅停車時及びその前後において電動送風機の停止を可能にしたものであり、これにより駅構内での騒音が低減できるようにしたのが本発明の特徴である。 【0051】 【発明の効果】本発明によれば、車両用変圧器の電動送風機の運転を駅停車時及びその前後でも停止することができ、駅停車時において車両の騒音が問題となる場合に適用して、充分に騒音を低減させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【住所又は居所】東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地
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| 【出願日】 |
平成14年4月24日(2002.4.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093492 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 市郎 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−319501(P2003−319501A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月7日(2003.11.7) |
| 【出願番号】 |
特願2002−122525(P2002−122525) |
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