| 【発明の名称】 |
ハイブリッド型車両駆動制御装置、ハイブリッド型車両駆動装置の制御方法及びそのプログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 康夫 【住所又は居所】愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ハイブリッド型車両の重量を小さくすることができるだけでなく、ハイブリッド型車両のコストを低くすることができるようにする。
【解決手段】第1のバッテリと、第2のバッテリと、第1のバッテリの第1の電源電圧と第2のバッテリの第2の電源電圧との間で電圧を変換する電圧変換部材と、バッテリ環境を検出するバッテリ環境検出部と、前記第1、第2のバッテリのうちの所定のバッテリが所定のバッテリ環境下に置かれたときに、一方のバッテリから他方のバッテリに電力を移動させる電力移動処理手段91とを有する。この場合、第1、第2のバッテリのうちの所定のバッテリが所定のバッテリ環境下に置かれたときに、一方のバッテリから他方のバッテリに電力が移動させられるので、他方のバッテリにおいて十分な放電を行うことができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1のバッテリと、第2のバッテリと、前記第1のバッテリの第1の電源電圧と第2のバッテリの第2の電源電圧との間で電圧を変換する電圧変換部材と、バッテリ環境を検出するバッテリ環境検出部と、前記第1、第2のバッテリのうちの所定のバッテリが所定のバッテリ環境下に置かれたときに、一方のバッテリから他方のバッテリに電力を移動させる電力移動処理手段とを有することを特徴とするハイブリッド型車両駆動制御装置。 【請求項2】 前記バッテリ環境は第1、第2のバッテリのうちの所定のバッテリの温度である請求項1に記載のハイブリッド型車両駆動制御装置。 【請求項3】 前記所定のバッテリ環境は極低温である請求項1に記載のハイブリッド型車両駆動制御装置。 【請求項4】 前記第1のバッテリは、モータに電力を供給するための電源となる主バッテリであり、前記第2のバッテリは、補機に電力を供給するための電源となる補機バッテリである請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド型車両駆動制御装置。 【請求項5】 前記他方のバッテリにおける充電時の化学反応は発熱反応である請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイブリッド型車両駆動制御装置。 【請求項6】 第1のバッテリ、第2のバッテリ、及び第1のバッテリの第1の電源電圧と第2のバッテリの第2の電源電圧との間で電圧を変換する電圧変換部材を備えたハイブリッド型車両駆動装置の制御方法において、バッテリ環境を検出し、前記第1、第2のバッテリのうちの所定のバッテリが所定のバッテリ環境下に置かれたときに、一方のバッテリから他方のバッテリに電力を移動させることを特徴とするハイブリッド型車両駆動装置の制御方法。 【請求項7】 第1のバッテリ、第2のバッテリ、第1のバッテリの第1の電源電圧と第2のバッテリの第2の電源電圧との間で電圧を変換する電圧変換部材、及びバッテリ環境を検出するバッテリ環境検出部を備えたハイブリッド型車両駆動装置の制御方法のプログラムにおいて、コンピュータを、前記第1、第2のバッテリのうちの所定のバッテリが所定のバッテリ環境下に置かれたときに、一方のバッテリから他方のバッテリに電力を移動させる電力移動処理手段として機能させることを特徴とするハイブリッド型車両駆動装置の制御方法のプログラム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド型車両駆動制御装置、ハイブリッド型車両駆動装置の制御方法及びそのプログラムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、エンジンのクランクシャフトにモータを直結し、モータを駆動してエンジンを始動したり、モータによって発生させられたトルク、すなわち、モータトルクを駆動輪に伝達したりするようにしたハイブリッド型車両が提供されている。 【0003】該ハイブリッド型車両においては、前記エンジン、モータ等を駆動するために車両駆動装置が配設されるとともに、前記モータに電力を供給するための電源となる第1のバッテリとしての主バッテリ、及びハイブリッド型車両の補機、例えば、電装品に電力を供給するため電源となる第2のバッテリとしての補機バッテリが配設される。 【0004】そして、前記モータは、力行(駆動)時に、主バッテリから直流の電流を受けて駆動され、前記モータトルクを発生させ、回生(発電)時に、ハイブリッド型車両のイナーシャによって回生トルクを受け、直流の電流を発生させ、該電流を主バッテリ及び補機バッテリに供給するようになっている。 【0005】ところで、前記主バッテリとして、例えば、正極にニッケル酸化物を、負極に水素吸蔵合金を使用し、活物質である水素を電気化学的に吸蔵・放出することができるニッケル・水素蓄電池を使用した場合、主バッテリが極低温下に置かれると、ニッケル・水素蓄電池は水素を吸蔵・放出することが困難になり、特性が極めて低下してしまう。 【0006】したがって、前記ニッケル・水素蓄電池のように極低温下において特性が低下するバッテリを主バッテリとして搭載したハイブリッド型車両においては、極低温時にエンジンを始動しようとしても、主バッテリから十分な量の電力(以下「バッテリ放電電力」という。)をモータに供給することができず、エンジンを始動することが困難になってしまう。 【0007】そこで、前記モータのほかに、極低温時においてエンジンを始動するためのスタータをハイブリッド型車両に搭載し、補機バッテリから供給された電流に基づいてスタータを駆動したり、鉛蓄電池等のように極低温下において特性が低下しないバッテリを主バッテリとして使用したりしてエンジンを始動することが考えられる。 【0008】図2はニッケル・水素蓄電池及び鉛蓄電池の特性を表す図である。なお、図において、横軸に主バッテリの温度tmBを、縦軸にバッテリ放電電力を採ってある。 【0009】図において、Ln1はニッケル・水素蓄電池の特性の例を表す線、Ln2は鉛蓄電池の特性の例を表す線である。図に示されるように、線Ln1、Ln2は点Pcで交差し、バッテリの温度tmBが前記点Pcにおける値Tcより高い場合、ニッケル・水素蓄電池のバッテリ放電電力Pb1は、鉛蓄電池のバッテリ放電電力Pb2より大きく、バッテリ温度tmBが値Tcを採る場合、バッテリ放電電力Pb1、Pb2は等しく、バッテリ温度tmBが値Tcより低い場合、ニッケル・水素蓄電池のバッテリ放電電力Pb1は、鉛蓄電池のバッテリ放電電力Pb2より小さい。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来のハイブリッド型車両においては、極低温時においてエンジンを始動するためのスタータを搭載する場合、スタータが搭載される分だけハイブリッド型車両の重量が大きくなるだけでなく、ハイブリッド型車両のコストが高くなってしまう。 【0011】また、鉛蓄電池を主バッテリとして搭載する場合、鉛蓄電池はニッケル・水素蓄電池より寿命が短いので、主バッテリを頻繁に交換する必要があり、ハイブリッド型車両のコストが高くなってしまう。そして、鉛蓄電池の出力密度が低いので、加速時等における動力性能がニッケル・水素蓄電池より低くなってしまう。したがって、ニッケル・水素蓄電池と同じ動力性能を得ようとすると、ニッケル・水素蓄電池より大きい電力容量の鉛蓄電池を搭載する必要があり、ハイブリッド型車両の重量が大きくなってしまう。 【0012】本発明は、前記従来のハイブリッド型車両の問題点を解決して、ハイブリッド型車両の重量を小さくすることができるだけでなく、ハイブリッド型車両のコストを低くすることができるハイブリッド型車両駆動制御装置、ハイブリッド型車両駆動装置の制御方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】そのために、本発明のハイブリッド型車両駆動制御装置においては、第1のバッテリと、第2のバッテリと、前記第1のバッテリの第1の電源電圧と第2のバッテリの第2の電源電圧との間で電圧を変換する電圧変換部材と、バッテリ環境を検出するバッテリ環境検出部と、前記第1、第2のバッテリのうちの所定のバッテリが所定のバッテリ環境下に置かれたときに、一方のバッテリから他方のバッテリに電力を移動させる電力移動処理手段とを有する。 【0014】本発明の他のハイブリッド型車両駆動制御装置においては、さらに、前記バッテリ環境は第1、第2のバッテリのうちの所定のバッテリの温度である。 【0015】本発明の更に他のハイブリッド型車両駆動制御装置においては、さらに、前記所定のバッテリ環境は極低温である。 【0016】本発明の更に他のハイブリッド型車両駆動制御装置においては、さらに、前記第1のバッテリは、モータに電力を供給するための電源となる主バッテリである。そして、前記第2のバッテリは、補機に電力を供給するための電源となる補機バッテリである。 【0017】本発明の更に他のハイブリッド型車両駆動制御装置においては、さらに、前記他方のバッテリにおける充電時の化学反応は発熱反応である。 【0018】本発明のハイブリッド型車両駆動装置の制御方法においては、第1のバッテリ、第2のバッテリ、及び第1のバッテリの第1の電源電圧と第2のバッテリの第2の電源電圧との間で電圧を変換する電圧変換部材を備えたハイブリッド型車両駆動装置に適用される。 【0019】そして、バッテリ環境を検出し、前記第1、第2のバッテリのうちの所定のバッテリが所定のバッテリ環境下に置かれたときに、一方のバッテリから他方のバッテリに電力を移動させる。 【0020】本発明のハイブリッド型車両駆動装置の制御方法のプログラムにおいては、第1のバッテリ、第2のバッテリ、第1のバッテリの第1の電源電圧と第2のバッテリの第2の電源電圧との間で電圧を変換する電圧変換部材、及びバッテリ環境を検出するバッテリ環境検出部を備えたハイブリッド型車両駆動装置の制御方法に適用される。 【0021】そして、コンピュータを、前記第1、第2のバッテリのうちの所定のバッテリが所定のバッテリ環境下に置かれたときに、一方のバッテリから他方のバッテリに電力を移動させる電力移動処理手段として機能させる。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。 【0023】図1は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両駆動制御装置の機能ブロック図である。 【0024】図において、43は第1のバッテリとしての主バッテリ、45は第2のバッテリとしての補機バッテリ、48は前記主バッテリ43の第1の電源電圧と補機バッテリ45の第2の電源電圧との間で電圧を変換する電圧変換部材としてのDC/DCコンバータ、63はバッテリ環境として主バッテリ43の温度を検出するバッテリ環境検出部としてのバッテリ温度センサ、91は、前記主バッテリ43、補機バッテリ45のうちの主バッテリ43が所定の温度に置かれたときに、一方のバッテリから他方のバッテリに電力を移動させる電力移動処理手段である。 【0025】図3は本発明の実施の形態における車両駆動装置の要部を示す概略図である。 【0026】図において、12は図示されないエンジンと連結されたクランクシャフト、13はドライブプレート、14は流体伝動装置としてのトルクコンバータ、25は前記クランクシャフト12と直結された電動機械としてのモータ、15は前記トルクコンバータ14のセンタピースである。前記トルクコンバータ14は、前記センタピース15、該センタピース15と連結されたフロントカバー16、該フロントカバー16と連結されたポンプインペラ17、該ポンプインペラ17と対向させて配設され、ポンプインペラ17と共にトーラスを構成し、かつ、タービンハブ18を介して変速装置の入力軸19と連結されたタービンランナ21、ステータ22、係脱自在に配設されたロックアップクラッチ装置23、及びポンプインペラ17とタービンハブ18との間を伝達されるトルク、すなわち、伝達トルクの変動を吸収するダンパ装置24を備える。 【0027】そして、前記トルクコンバータ14において、前記エンジンから伝達された回転は、クランクシャフト12及びセンタピース15を介してフロントカバー16に伝達され、該フロントカバー16に固定されたポンプインペラ17に伝達される。この場合、該ポンプインペラ17が回転すると、トーラス内の油は、トルクコンバータ14の軸の周囲を流れ、遠心力が加わってポンプインペラ17、タービンランナ21及びステータ22間を循環し、タービンランナ21を回転させ、前記入力軸19に回転が伝達される。 【0028】そして、ハイブリッド型車両の発進時等のように、前記ポンプインペラ17が回転を開始したばかりで、ポンプインペラ17とタービンランナ21との回転速度差が大きい場合、タービンランナ21から流れ出た油はポンプインペラ17の回転を妨げる方向に流れる。そこで、ポンプインペラ17とタービンランナ21との間に前記ステータ22が配設され、該ステータ22は、ポンプインペラ17とタービンランナ21との回転速度差が大きいときに、ポンプインペラ17の回転を助ける方向に油の流れを変換する。 【0029】そして、前記タービンランナ21の回転速度が高くなり、前記ポンプインペラ17と前記タービンランナ21との回転速度差が小さくなると、ステータ22のブレードの表側に当たっていた油が裏側に当たるようになって、油の流れが妨げられる。そこで、前記ステータ22を一定方向にだけ回転可能にするために、前記ステータ22の内周側にワンウェイクラッチFが配設される。したがって、油がブレードの裏側に当たるようになると、ワンウェイクラッチFによってステータ22は自然に回転させられるので、前記油は円滑に循環する。 【0030】そして、ハイブリッド型車両が発進した後、あらかじめ設定された車速が得られると、ロックアップクラッチ装置23が係合させられ、前記エンジンの回転が油を介することなく前記入力軸19に直接伝達される。 【0031】ところで、前記モータ25は、車両駆動装置ケース26に固定されたステータ28、該ステータ28より径方向内方において、前記センタピース15にセンタリングされて回転自在に配設されたロータ31を備え、前記ステータ28は、ステータコア32、及び該ステータコア32に巻装されたコイル33を備え、前記ロータ31は、ロータコア34、及び該ロータコア34の円周方向における複数箇所に配設された図示されない永久磁石を備える。なお、35は、ロータコア34及び永久磁石を挟むための板である。 【0032】前記ロータ31はロータハブ36を介して前記センタピース15にセンタリングされ、前記ロータハブ36は、ボルトbt1によってフロントカバー16と連結されるとともに、環状プレート38及びボルトbt2を介してドライブプレート13と連結される。 【0033】図4は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両駆動制御装置の概略図、図5は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両駆動制御装置の要部を示す概略図である。 【0034】図において、11はエンジン、12はクランクシャフト、14はトルクコンバータ、25はモータ、29は該モータ25を駆動するためのモータインバータとしてのインバータ、37は駆動輪、41は、前記トルクコンバータ14を介してモータ25及びエンジン11と連結され、トルクコンバータ14から出力された回転を所定の変速比で変速する変速装置、43は、ハイブリッド型車両を走行させるに当たり、モータ25に電力を供給するための電源となる第1のバッテリとしての主バッテリ、45はハイブリッド型車両の補機、例えば、図示されない電装品に電力を供給するための電源となる第2のバッテリとしての補機バッテリである。 【0035】前記インバータ29は、電源用リレーとしてのメインリレー47及び直流ケーブルCB1、CB2を介して主バッテリ43と接続され、該主バッテリ43から直流の電流が供給される。また、前記主バッテリ43は、メインリレー47、直流ケーブルCB1、CB2、及び該直流ケーブルCB1、CB2から分岐する直流ケーブルCB3、CB4を介して電圧変換部材としてのDC/DCコンバータ48に接続され、該DC/DCコンバータ48と前記補機バッテリ45とが接続される。 【0036】なお、主バッテリ43として、正極にニッケル酸化物を、負極に水素吸蔵合金を使用し、活物質である水素を電気化学的に吸蔵・放出することができるニッケル・水素蓄電池が使用され、補機バッテリ45として鉛蓄電池が使用される。また、前記電装品としては、照明品、制御部品、空調器等が使用される。 【0037】本実施の形態において、前記主バッテリ43における第1の電源電圧としての電圧は42〔V〕であり、前記補機バッテリ45における第2の電源電圧としての電圧は12〔V〕であり、前記DC/DCコンバータ48は、42〔V〕の電圧を12〔V〕の電圧に変換したり、12〔V〕の電圧を42〔V〕の電圧に変換したりする。また、前記DC/DCコンバータ48内にスイッチ56が配設され、該スイッチ56をオン・オフすることによって、DC/DCコンバータ48を作動させたり、DC/DCコンバータ48の作動を停止させたりすることができる。 【0038】前記インバータ29の入口側に、インバータ29に印加される直流の電圧、すなわち、インバータ電圧としてのモータインバータ電圧VMを検出するために直流電圧検出部としての電圧センサ76が配設され、前記直流ケーブルCB2の所定の箇所に、インバータ29に供給される直流の電流、すなわち、モータインバータ電流IMを検出したり、回生時に主バッテリ43に供給される直流の電流、すなわち、バッテリ電流Ibを検出したりするために直流電流検出部としての電流センサ78が配設される。そして、前記モータインバータ電圧VMは車両制御装置51に、モータインバータ電流IM及びバッテリ電流Ibはモータ制御装置49に送られる。前記主バッテリ43とインバータ29との間に平滑用のコンデンサCが接続される。 【0039】また、前記車両制御装置51は、図示されないCPU、記録装置等から成り、車両駆動装置の全体の制御を行い、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。前記車両制御装置51は、エンジン制御装置46、モータ制御装置49及び自動変速機制御装置52に接続される。そして、前記エンジン制御装置46は、図示されないCPU、記録装置等から成り、エンジン11の制御を行うために、スロットル開度θ、バルブタイミング等の指示信号をエンジン11に送る。また、前記モータ制御装置49は、図示されないCPU、記録装置等から成り、前記モータ25の制御を行うために、駆動信号をインバータ29に送る。そして、前記自動変速機制御装置52は、図示されないCPU、記録装置等から成り、自動変速機の制御を行うために、ソレノイド信号等の各信号を変速装置41に送る。前記ソレノイド信号は、各変速段ごとに発生させられ、所定の変速段に対応するソレノイド信号が変速装置41に送られると、変速装置41において前記変速段が達成され、該変速段の変速比で変速が行われる。なお、前記各CPUに代えてMPU等を使用することもできる。 【0040】前記エンジン制御装置46、モータ制御装置49及び自動変速機制御装置52によって第1の制御装置が、前記車両制御装置51によって、第1の制御装置より上位に位置する第2の制御装置が構成される。また、前記前記エンジン制御装置46、モータ制御装置49及び自動変速機制御装置52は、車両制御装置51と同様に、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。 【0041】前記インバータ29は、前記駆動信号に従って駆動され、力行時に主バッテリ43から直流の電流を受けて、各相の電流IMU、IMV、IMWを発生させ、該電流IMU、IMV、IMWをモータ25に供給し、回生時にモータ25から電流IMU、IMV、IMWを受けて、直流の電流を発生させ、主バッテリ43に供給する。 【0042】そして、44は前記主バッテリ43の状態、すなわち、バッテリ状態としてのバッテリ残量SOCを検出するバッテリ残量検出装置、53は変速操作部としての図示されないシフトレバーの位置、すなわち、シフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ、55は図示されないアクセルペダルの位置(踏込量)、すなわち、アクセルペダル位置APを検出するエンジン負荷検出部及びアクセル操作検出部としてのアクセルスイッチ、62は図示されないブレーキペダルの位置(踏込量)、すなわち、ブレーキペダル位置BPを検出するブレーキ操作検出部としてのブレーキスイッチ、63はバッテリ環境として主バッテリ43の温度tmBを検出する温度検出部としてのバッテリ温度センサである。該バッテリ温度センサ63によってバッテリ環境検出部が構成される。前記バッテリ残量SOC及び温度tmBは車両制御装置51に送られる。なお、前記アクセルペダル位置APによってエンジン11に対する負荷、すなわち、エンジン負荷が表される。 【0043】そして、68、69はそれぞれ電流IMU、IMVを検出する交流電流検出部としての電流センサ、72は前記バッテリ状態としてのバッテリ電圧VBを検出する主バッテリ43用の電圧検出部としてのバッテリ電圧センサである。前記バッテリ電圧VBは車両制御装置51に送られ、電流IMU、IMVはモータ制御装置49及び車両制御装置51に送られる。 【0044】前記車両制御装置51は、前記エンジン制御装置46にエンジン制御信号を送り、エンジン制御装置46によってエンジン11の駆動・停止を設定させる。また、前記車両制御装置51の図示されない車速算出処理手段は、車速算出処理を行い、モータ25のロータ31(図3)の位置、すなわち、ロータ位置を読み込み、該ロータ位置の変化率を算出し、該変化率、及び前記センタピース15から駆動輪37までのトルク伝達系におけるギヤ比に基づいて車速Vを算出する。 【0045】そして、車両制御装置51は、エンジン11の回転速度、すなわち、エンジン回転速度NEの目標値を表すエンジン目標回転速度NE* 、及びモータトルクTMの目標値を表すモータ目標トルクTM* を設定し、エンジン目標回転速度NE* をエンジン制御装置46に、モータ目標トルクTM* をモータ制御装置49に送る。本実施の形態においては、前記モータ25を、エンジン11を始動するためのスタータとして使用したり、発電機として使用したりするようになっているが、エンジン11のスロットル開度θが変化してエンジントルクTEが変動したときに補助駆動源として使用することもできる。 【0046】次に、前記モータ制御装置49の動作について説明する。この場合、モータ制御装置49は、前記ロータ31の磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御を行う。 【0047】まず、モータ制御装置49の図示されないモータ回転速度算出処理手段は、モータ回転速度算出処理を行い、前記ロータ位置を読み込み、該ロータ位置の変化率を算出することによってモータ25の回転速度、すなわち、モータ回転速度NMを算出する。 【0048】続いて、モータ制御装置49の図示されないモータ制御処理手段は、モータ制御処理を行い、モータ目標トルクTM* 及びバッテリ電圧VBを読み込み、前記モータ回転速度NM、モータ目標トルクTM* 及びバッテリ電圧VBに基づいて、前記モータ制御装置49の記録装置に記録されたモータ制御用の図示されない電流指令値マップを参照し、d軸電流指令値IMd* 及びq軸電流指令値IMq* を算出し、決定する。 【0049】また、前記モータ制御処理手段は、電流センサ68、69から電流IMU、IMVを読み込むとともに、該電流IMU、IMVに基づいて電流IMWIMW=IMU−IMVを算出する。なお、電流IMWを電流IMU、IMVと同様に電流センサによって検出することもできる。 【0050】続いて、前記モータ制御処理手段の交流電流算出処理手段は、交流電流算出処理を行い、交流の電流であるd軸電流IMd及びq軸電流IMqを算出する。そのために、前記交流電流算出処理手段は、3相/2相変換を行い、電流IMU、IMV、IMWをd軸電流IMd及びq軸電流IMqに変換する。そして、前記モータ制御処理手段の交流電圧指令値算出処理手段は、交流電圧指令値算出処理を行い、前記d軸電流IMd及びq軸電流IMq、並びに前記d軸電流指令値IMd* 及びq軸電流指令値IMq* に基づいて、電圧指令値VMd* 、VMq*を算出する。また、前記モータ制御処理手段は、2相/3相変換を行い、電圧指令値VMd* 、VMq* を電圧指令値VMU* 、VMV* 、VMW* に変換し、該電圧指令値VMU* 、VMV* 、VMW* に基づいてパルス幅変調信号SU、SV、SWを算出し、該パルス幅変調信号SU、SV、SWを前記モータ制御装置49の図示されないドライブ処理手段に対して出力する。該ドライブ処理手段は、ドライブ処理を行い、パルス幅変調信号SU、SV、SWに基づいて駆動信号を前記インバータ29に送る。このようにして、フィードバック制御が行われる。 【0051】ところで、前記DC/DCコンバータ48は、リレーによって形成され、補機バッテリ45の正極側の端子に接続されたスイッチ56、チョッパとして配設されたNPN形のトランジスタTr1、Tr2、各トランジスタTr1、Tr2のエミッタ/コレクタ間に接続されたダイオードD1、D2、コイルから成り、一端がトランジスタTr1のエミッタとトランジスタTr2のコレクタとの間に接続され、他端が前記スイッチ56に接続されたインダクタンスL、及び一端が前記スイッチ56とインダクタンスLとの間に接続され、他端が補機バッテリ45の負極側の端子に接続されたコンデンサC1を備える。本実施の形態において、前記スイッチ56はリレーによって形成されるが、スイッチ56としてパワーMOSFET、パワートランジスタ、SSR(ソリッドステートリレー)等を使用することもできる。 【0052】また、前記トランジスタTr1において、コレクタはメインリレー47及び主バッテリ43の正極側の端子と接続され、ベースはDC/DC制御回路58と接続され、エミッタは前述されたようにインダクタンスLに接続され、前記トランジスタTr2において、コレクタは前述されたようにインダクタンスLに接続され、ベースはDC/DC制御回路58と接続され、エミッタは主バッテリ43及び補機バッテリ45の負極側の端子と接続される。なお、前記コンデンサC1は、スイッチ56を形成するリレーの電気的接点を開閉する際に発生するチャッタリング(接点跳動)等のノイズを吸収する。そして、前記コンデンサC1に電圧検出回路57が接続される。また、前記補機バッテリ45の正極側の端子には、電源回路59及びイグニッションスイッチ61が接続される。 【0053】そして、前記DC/DCコンバータ48を使用して昇圧を行う場合、車両制御装置51の図示されない昇圧処理手段は、DC/DC制御回路58に対して所定の指示を送り、昇圧処理を行う。該DC/DC制御回路58は、トランジスタTr1に所定の駆動信号を送り、スイッチングさせるとともに、トランジスタTr2には駆動信号を送らず、トランジスタTr2を停止させる。その結果、補機バッテリ45の12〔V〕の電圧が42〔V〕の電圧に変換され、42〔V〕の電圧が出力される。これに伴って、補機バッテリ45から主バッテリ43に電力が移動させられる。 【0054】一方、前記DC/DCコンバータ48を使用して降圧を行う場合、車両制御装置51の図示されない降圧処理手段は、DC/DC制御回路58に対して所定の指示を送り、降圧処理を行う。そして、DC/DC制御回路58は、トランジスタTr2に所定の駆動信号を送り、スイッチングさせるとともに、トランジスタTr1には駆動信号を送らず、トランジスタTr1を停止させる。その結果、主バッテリ43の42〔V〕の電圧が12〔V〕の電圧に変換され、12〔V〕の電圧が出力される。これに伴って、主バッテリ43から補機バッテリ45に電力が移動させられる。 【0055】ところで、本実施の形態においては、前述されたように、前記主バッテリ43としてニッケル・水素蓄電池が使用される。したがって、主バッテリ43が所定の環境、例えば、極低温下に置かれると、主バッテリ43の温度tmBが極低温になり、ニッケル・水素蓄電池において水素を吸蔵・放出することが困難になり、特性が極めて低下してしまう。 【0056】そこで、本実施の形態においては、主バッテリ43の温度tmBが極低温になると、補機バッテリ45から主バッテリ43に電力を移動させ、主バッテリ43の温度tmBを高くするようにしている。 【0057】図6は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両駆動制御装置の動作を示すフローチャートである。 【0058】この場合、車両制御装置51(図4)の電力移動処理手段91(図1)は、電力移動処理を行い、バッテリ温度センサ63によって検出された主バッテリ43の温度tmBを読み込み、該温度tmBが極低温であるかどうか、すなわち、温度tmBが補機バッテリ45から主バッテリ43に電力を移動させるのに適した第1の閾(しきい)値、例えば、本実施の形態においては、値Tcである−20〔℃〕より低いかどうかを判断する。そして、温度tmBが−20〔℃〕より低い場合、前記電力移動処理手段91は、補機バッテリ45から主バッテリ43に電力を移動させる。なお、本実施の形態においては、温度tmBが−20〔℃〕より低い場合に、補機バッテリ45から主バッテリ43に電力を移動させるようにしているが、温度tmBが主バッテリ43の放電電力が著しく低下する所定の温度より低い場合に、補機バッテリ45から主バッテリ43に電力を移動させることもできる。 【0059】そのために、前記電力移動処理手段91は、DC/DC制御回路58に対して昇圧処理における指示と同じ指示を送る。そして、DC/DC制御回路58は、トランジスタTr1に所定の駆動信号を送り、スイッチングさせるとともに、トランジスタTr2には駆動信号を送らず、トランジスタTr2を停止させる。その結果、補機バッテリ45の12〔V〕の電圧が42〔V〕の電圧に変換され、42〔V〕の電圧が出力される。これに伴って、42〔V〕の電圧の所定の電流が、DC/DCコンバータ48から主バッテリ43に供給され、電力が移動させられる。 【0060】ところで、補機バッテリ45から主バッテリ43に電力が移動するのに伴って、主バッテリ43において充電が行われるが、主バッテリ43を構成するニッケル・水素蓄電池における充電時の化学反応は発熱反応であり、充電に伴って主バッテリ43は発熱し、バッテリ温度tmBが高くなる。また、ニッケル・水素蓄電池のバッテリセルの接続部分が、自ら保有する電気抵抗によって発熱するので、バッテリ温度tmBは一層高くなる。 【0061】そこで、前記電力移動処理手段91は、主バッテリ43の温度tmBを読み込み、温度tmBが、ニッケル・水素蓄電池において水素を吸蔵・放出することが容易になり、特性を向上させることができる第2の閾値、本実施の形態においては、値Tcである−20〔℃〕以上であるかどうかを判断する。 【0062】そして、温度tmBが−20〔℃〕以上である場合、車両制御装置51の図示されない指令発生処理手段は、指令発生処理を行い、クランキングトルク指令を発生させ、該クランキングトルク指令をエンジン制御装置46に送る。クランキングトルク指令が車両制御装置51から送られてくると、エンジン制御装置46の図示されないエンジン始動処理手段は、エンジン始動処理を行い、エンジン11を始動する。 【0063】続いて、車両制御装置51は図示されないエンジン回転速度センサによって検出されたエンジン回転速度NEを読み込み、エンジン回転速度NEが所定の値より高くなったかどうかを判断することによって、エンジン始動が成功したかどうかを判断する。そして、エンジン始動が成功した場合は処理を終了し、エンジン始動が成功していない場合、前記電力移動処理手段91は、電力移動処理を再び開始する。 【0064】なお、エンジン11が始動された後は、エンジン11の回転がモータ25に伝達され、モータ25において発電が行われ、主バッテリ43に電流が供給され、充電が行われるので、主バッテリ43は十分に発熱する。 【0065】このように、主バッテリ43の温度tmBが−20〔℃〕より低い場合に、補機バッテリ45から主バッテリ43に電力が移動させられ、主バッテリ43の温度tmBが高くされるので、極低温下において主バッテリ43の特性を向上させることができる。 【0066】また、極低温時において主バッテリ43において十分な放電が行われ、モータ25に供給された直流の電流によってエンジン11が始動されるので、モータ25とは別に、エンジン11を始動するためのスタータをハイブリッド型車両に搭載する必要がなくなる。したがって、ハイブリッド型車両の重量を小さくすることができ、ハイブリッド型車両のコストを低くすることができる。 【0067】また、主バッテリ43として鉛蓄電池が使用されないので、主バッテリ43を頻繁に交換する必要がなくなり、ハイブリッド型車両のコストを低くすることができる。そして、ニッケル・水素蓄電池においては、出力密度が高いので、加速時等における動力性能を高くすることができる。また、鉛蓄電池より小さい電力容量のニッケル・水素蓄電池を主バッテリ43としてハイブリッド型車両に搭載するので、ハイブリッド型車両の重量を小さくすることができ、搭載性を向上させることができる。 【0068】次に、フローチャートについて説明する。ステップS1 主バッテリ43の温度が−20〔℃〕より低いかどうかを判断する。主バッテリ43の温度が−20〔℃〕より低い場合はステップS2に進み、主バッテリ43の温度が−20〔℃〕以上である場合は処理を終了する。ステップS2 補機バッテリ45から主バッテリ43に電力を移動する。ステップS3 主バッテリ43の温度が−20〔℃〕以上であるかどうかを判断する。主バッテリ43の温度が−20〔℃〕以上である場合はステップS4に進み、主バッテリ43の温度が−20〔℃〕より低い場合はステップS2に戻る。ステップS4 クランキングトルク指令を送る。ステップS5 エンジン始動が成功したかどうかを判断する。エンジン始動が成功した場合は処理を終了し、エンジン始動が成功していない場合はステップS1に戻る。 【0069】本実施の形態においては、第1、第2の閾値が値Tcである−20〔℃〕にされるが、第1の閾値を値Tcと異なる値に設定することができるだけでなく、第2の閾値は、値Tc以上の任意の値に設定することができる。 【0070】また、本実施の形態においては、バッテリ温度センサ63によってバッテリ環境として主バッテリ43の温度tmBが検出され、ステップS1において温度tmBが−20〔℃〕より低いかどうかを判断するようになっているが、ハイブリッド型車両の所定の箇所の温度をバッテリ環境として検出することができる。この場合、ステップS3において、主バッテリ43の温度tmBが−20〔℃〕以上であるかどうかを判断する必要があるので、主バッテリ43にバッテリ温度センサ63を配設する必要がある。 【0071】また、本実施の形態においては、主バッテリ43が極低温下に置かれた場合に、補機バッテリ45から主バッテリ43に電力を移動させて、主バッテリ43において発熱反応を起こすようになっているが、主バッテリ43及び補機バッテリ45のうちの所定のバッテリ、例えば、主バッテリ43が所定のバッテリ環境として極高温下に置かれた場合に、降圧処理と同様に、主バッテリ43から補機バッテリ45に電力を移動させ、主バッテリ43に吸熱反応を起こすようにすることもできる。 【0072】なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。 【0073】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、ハイブリッド型車両駆動制御装置においては、第1のバッテリと、第2のバッテリと、前記第1のバッテリの第1の電源電圧と第2のバッテリの第2の電源電圧との間で電圧を変換する電圧変換部材と、バッテリ環境を検出するバッテリ環境検出部と、前記第1、第2のバッテリのうちの所定のバッテリが所定のバッテリ環境下に置かれたときに、一方のバッテリから他方のバッテリに電力を移動させる電力移動処理手段とを有する。 【0074】この場合、第1、第2のバッテリのうちの所定のバッテリが所定のバッテリ環境下に置かれたときに、一方のバッテリから他方のバッテリに電力が移動させられるので、他方のバッテリにおいて十分な放電を行うことができる。 【0075】したがって、例えば、エンジンを始動しようとする場合、他方のバッテリを使用することができるので、スタータを配設する必要がなくなる。その結果、ハイブリッド型車両の重量を小さくすることができるだけでなく、ハイブリッド型車両のコストを低くすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000100768 【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 【住所又は居所】愛知県安城市藤井町高根10番地
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| 【出願日】 |
平成14年3月29日(2002.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096426 【弁理士】 【氏名又は名称】川合 誠 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−299210(P2003−299210A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月17日(2003.10.17) |
| 【出願番号】 |
特願2002−94791(P2002−94791) |
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