| 【発明の名称】 |
電気自動車の回生制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】金重 慶一 【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内
【氏名】ケビン ウォルターズ 【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】バッテリの放電した電気自動車を牽引する場合であって、牽引車と電気自動車とに安全な間隔を保ちつつ、牽引ロープを弛ませないように牽引車の加減速および牽引経路中の道路状況等に応じた最適な回生制御を行う電気自動車の回生制御装置を提供する。
【解決手段】電気自動車が牽引される際の、牽引車との間に張架された牽引ロープの張力を検出する張力検出手段と、前記張力検出手段が検出した張力に応じて回生制動力を制御する回生制動力制御手段とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気自動車の回生制御装置であって、前記電気自動車が牽引される際、牽引車との間に張架された牽引ロープの張力を検出する張力検出手段と、前記張力検出手段が検出した張力に応じて回生制動力を制御する回生制動力制御手段とを具備したことを特徴とする電気自動車の回生制御装置。 【請求項2】 前記回生制動力制御手段は、前記張力検出手段が検出した張力が小さいときは回生制動力を増加させ、前記張力検出手段が検出した張力が大きいときは回生制動力を減少させるものである請求項1に記載の電気自動車の回生制御装置。 【請求項3】 前記回生制動力制御手段は、前記張力検出手段が検出した張力が所定の範囲となるよう回生制動力を制御するものである請求項1に記載の電気自動車の回生制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車の牽引時に電気自動車に搭載されたバッテリの充電制御を行う電気自動車の回生制御装置に関する。 【0002】 【関連する背景技術】バッテリに蓄えられた電力を基に動作する電気自動車が、大気汚染の防止等の環境対策から注目されている。この電気自動車は、制動時に回生制御装置によって、自動車が持っている運動エネルギーを電気エネルギーに変換すると共に、この電気エネルギーをバッテリに蓄えてバッテリの電力消耗を遅らせるよう構成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種の電気自動車にあっては、バッテリに蓄えられた電力が喪失すると、例えば、他の自動車等によって電気自動車を充電スタンドまで牽引して貰う必要が生じる。このとき、電気自動車を牽引する自動車と、この電気自動車との間に張架された牽引ロープを弛ませないように、牽引車両の加減速に応じて、電気自動車のブレーキを操作して速度調整を行う必要がある。このため、頻繁な発進停止や、上りと下りの連続する道路状況下を牽引する場合、頻繁にブレーキを操作して適切な速度になるよう運転する必要があり,電気自動車の運転者の負担が大きくなるという問題があった。 【0004】また、牽引時に電気自動車を回生運転して、放電したバッテリを充電する方法も考えられるが、牽引中、常時一定の回生電力が得られるように電気自動車の回生運転を行うと、牽引車の負担が大きくなるという問題があった。本発明は、上述した課題を解決すべく牽引車と電気自動車とに安全な間隔を保ちつつ、牽引ロープを弛ませないように牽引車の加減速および牽引経路中の道路状況等に応じた最適な回生制御を行うことのできる電気自動車の回生制御装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するため、本発明に係る電気自動車の回生制御装置は、前記電気自動車が牽引される際、牽引車との間に張架された牽引ロープの張力を検出する張力検出手段と、前記張力検出手段が検出した張力に応じて回生制動力を制御する回生制動力制御手段とを具備したことを特徴としている。 【0006】特に、前記回生制動力制御手段を、前記張力検出手段が検出した張力が小さいときは回生制動力を増加させ、前記張力検出手段が検出した張力が大きいときは回生制動力を減少するように構成することが好ましい。好ましくは、前記回生制動力制御手段は、前記張力検出手段が検出した張力が所定の範囲となるよう回生制動力を制御するよう構成される。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係る電気自動車の回生制御装置について説明する。図1は電気自動車の回生制御装置の概略構成図である。そして、図2は本発明を適用した電気自動車の回生制御装置の主要部およびこの電気自動車を牽引する牽引車を示す概略図である。これらの図において、この回生制御装置の主制御装置をなすトルク制御部10には、牽引車1との間に張架された牽引ロープ2の張力を検出する張力計測部11の他、車両の状態をモニタする各種センサが設けられている。 【0008】この各種センサとしては、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン/オフ状態を検出するイグニッションスイッチセンサ12、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み状態を検出するアクセル開度センサ13、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込み状態を検出するブレーキ開度センサ14、シフトレバー(図示せず)のポジションを検出するシフトポジションセンサ15、主蓄電池40の充電状態を検出する充電状態センサ16および主蓄電池40の電池残量を検出する電池管理部17などがある。 【0009】また、この回生制御装置には、トルク制御部10の指令に基づき、モータ30を制御するモータ制御部20が設けられている。このモータ制御部20は、電気自動車の駆動源となるモータ30R、30Lに与える電力を制御するインバータ21を備え、このインバータ21を介してモータ30を駆動するように構成されている。ちなみに、このモータ30は、例えば三相誘導電動機などで構成され、その出力は、図示しない駆動系へ与えられている。 【0010】また、モータ30の電源となる主蓄電池40の端子には、図示しないイグニッションスイッチと連動するコンタクタ41が接続され、主蓄電池40をモータ30およびその周辺回路から開放/接続可能なように構成されている。一方、前記張力計測部11は、例えば車両前部の牽引フック4の部位に設けられた張力センサ11sからなる。この張力センサ11sは、図2に示すように牽引車1が電気自動車3を牽引した場合、牽引ロープ2を介して電気自動車3に加わる張力を検出する役割を担う。そして、張力計測部11を介して検出された張力情報は、前記トルク制御部10に与られている。尚、この回生制御装置の制御回路用電源として、制御用電池42を主蓄電池40とは別に備えている。 【0011】このように構成された電気自動車は、アクセル開度センサ13およびシフトポジションセンサ15により検出された情報からトルク制御部10が運転に必要なトルクを計算し、モータ制御部20へ転送する。モータ制御部20は、この情報に基づきインバータ21の点弧角制御を行い、モータ30を可変速制御する。また、この点弧角制御情報からモータ30の回転速度を求めることができるので、モータ制御部20は、点弧角制御情報をトルク制御部10へ転送する。この回転速度を受け取ったトルク制御部10は、点弧角制御情報から車速を計算すると共に、コンビネーションメータ18に車速を表示する。更には、電池管理部17が検出するバッテリ残量を受け取ったトルク制御部10は、電池残量をコンビネーションメータ18へ表示する。これらは電気自動車の構成として,良く知られているのでここではこれ以上詳しく述べない。 【0012】ところで、電気自動車3に搭載された主蓄電池40の電力を使い切ってしまった場合、他の自動車などの牽引車1によって電気自動車3を充電スタンドまで牽引して貰う必要があるが、このような状態における本発明の電気自動車の回生制御装置の特徴とするところを以下に詳述する。先ず、牽引車1により電気自動車3を牽引するとき、電気自動車3の運転者は、牽引運転が行われること(牽引モード)をモード切替スイッチ19によってトルク制御部10に伝える。この牽引モードでは、モータ30を誘導発電機として利用すると共に、インバータ21を回生運転動作させモータ30が発生する交流電力から直流電力を作り出し,主蓄電池40を充電する。 【0013】詳しくはインバータ21で直流電力に変換回生電力は、コンタクタ41を介して主蓄電池40に供給されて充電される。このとき、主蓄電池40に対する充電電圧は、充電状態センサ16でモニタされ、主蓄電池40を充電するにふさわしい電圧になるように、トルク制御部10およびモータ制御部20を介して、インバータ21戻され、フィードバック制御される。 【0014】また、牽引車1と電気自動車3との間に張架された牽引ロープ2の張力が張力計測部11により検出される。例えば図3に示すように、この張力計測部11によって検出された張力情報を受けたトルク制御部10は、トルク制御部10が有する張力―回生トルク特性10aによって、張力に見合う回生トルクを発生させるようモータ制御部20に指令する。例えば、この張力の大きさに反比例するような回生トルクを発生させるように指令を出す。具体的には、牽引車1が電気自動車3を牽引しながら発進や加速または登坂などの状態にある場合、牽引ロープ2を介して電気自動車3に加わる張力が大きくなる。このとき、電気自動車3を回生運転すると、牽引車1の走行の妨げとなる。したがって、この場合トルク制御部10は、モータ制御部20に回生トルクを減少させる指令を出す。 【0015】逆に、牽引車1が減速または下り坂を走行中は、牽引ロープ2を介して電気自動車3に加わる張力が減少する。このとき、電気自動車3に適切な制動力(回生トルク)を発生させないと、牽引されている電気自動車3が、牽引車1に追突する虞がある。したがって、この場合、トルク制御部10は、モータ制御部20に回生トルクを増加させる指令を出す。 【0016】より詳しくは、張力―トルク特性10aを例えば、100[%]の回生トルクをTM[N・m]、張力の最大値をFM[N]としたとき、牽引ロープ2の張力がF[N]であったとすれば、そのときの回生トルクTを、T=TM{1−(F/FM)}[N・m] となるように制御すればよい。 【0017】このように、トルク制御部10は、牽引ロープ2を介して電気自動車3に加わる張力が大きいときは、回生トルクを徐々に(段階的に)減少させ、逆にこの張力が小さいときには、回生トルクを徐々に(段階的に)増加させるようにモータ制御部20を制御する。更に、トルク制御部10の回生制御手順の一例を図4に示す回生制御装置の制御手順を示すフロー図を用いて説明する。このフローチャートは、例えば予め定めた所定の範囲の牽引力となるように制御する手順を示すものである。 【0018】先ず、トルク制御部10は、電気自動車3が回生制動モードかどうかを判定する(ステップS1)。ちなみに、回生モードかどうかはモード切替スイッチ19のポジションをトルク制御部10が読み取ることによって検出可能である。そして、このステップS1で、回生モードでない場合はそのままリターンし、回生モードの場合、トルク制御部10は張力計測部11から得られる牽引ロープを介して電気自動車3に加わる牽引トルクの情報を得る(ステップS2)。 【0019】この張力情報を受けたトルク制御部10は、予め定めたトルク値T1よりも大きいかどうかを判定する(ステップS3)。そして、このT1よりトルク値が小さい場合、牽引車1が減速しているか、または下り坂を走行中であるので、トルク制御部10は、回生トルクを増加させるようモータ制御部20へ指令を出す(ステップS4)。ステップS3でT1より牽引トルクTが大きい場合、トルク制御部10は、更に予め定めたトルク値T2と比較する(ステップS5)。ちなみに、上述したT1およびT2との関係は[T2>T1]となるよう予め設定しておく。 【0020】ところで、ステップS5で予め定めたT2より牽引トルクTが小さい場合は、そのままリターンし、逆にT2より牽引トルクTが大きい場合は、牽引車1が発進や加速または登坂などの状況にあると判断できるので、回生トルクを減少させるためモータ制御部20へ指令を出す(ステップS6)。かくして、このように構成された電気自動車の回生制御装置によれば、牽引車の運転状態に応じて回生トルクを自動的に可変調整することができるので最適な回生トルクを得ることができると共に、牽引時の回生発電の効率を向上させることができる。また、従来のような牽引車の加減速や上り/下りの路面状況に対応するべく、運転者の頻繁なブレーキ制御が不要となり、運転者の負担を激減させることができる。 【0021】尚、この発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々変型して実施することができる。上述した実施形態では牽引ロープにもたらされる張力の大きさに回生制動力を変化させる構成であったが、張力の時間変化によって回生トルクを変化させるように構成してもよい。この場合、微小時間dt[s]間に牽引ロープに加わる張力の微小変化がdF[N]であったとすれば、次に示すように回生制御を行うとよい。 【0022】(1)[dF/dt>0]のときこの場合は、加速や登坂走行等により牽引車1に負荷が加わる状態にあるので、回生運転を行わない。ただし、一定加速度の場合は[dF/dt=0]となるので、好ましくは前述した張力による回生制御の手段を併用するとよい。或いは、[dF/dt>0]を検出してから所定の時間内は回生運転しないように制御してもよい。 【0023】(2)[dF/dt≦0]のときこの場合は、減速や下り坂走行等により牽引ロープの張力Fが減少している状態にある。このため、速やかに回生運転に移行する。このような制御方法をとることによって、例えば牽引車の加速度が一定でない場合であっても、牽引力の時間的変化を捉えて制御しているので、牽引車の運転状態を検出することができ、牽引車の過渡的な過負荷となることを防ぐことができると共に、確実に電気自動車を回生運転させることができる。このため、なめめらかな回生運転が可能となり運転者に与える違和感を極めて少なくすることができる。 【0024】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の電気自動車の回生制御装置によれば、牽引車の運転状態に応じて電気自動車の回生電力を自動的に可変調整することができるので最適な回生トルクを得ることができると共に、牽引時の回生発電効率を向上させることができる。また、運転者の頻繁なブレーキ制御が不要となり、運転者の負担を激減させることができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006286 【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区港南二丁目16番4号
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| 【出願日】 |
平成14年3月29日(2002.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090022 【弁理士】 【氏名又は名称】長門 侃二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−299205(P2003−299205A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月17日(2003.10.17) |
| 【出願番号】 |
特願2002−97117(P2002−97117) |
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