トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 編成車両用測定システム
【発明者】 【氏名】木澤 嘉孝
【住所又は居所】名古屋市熱田区三本松町1−1 日本車輌製造株式会社内

【氏名】竹山 武
【住所又は居所】名古屋市熱田区三本松町1−1 日本車輌製造株式会社内

【氏名】祝田 久仁一
【住所又は居所】名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内

【氏名】渡邊 元秀
【住所又は居所】名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内

【要約】 【課題】設置及び撤収作業が容易な編成車両用測定システムを提供すること。

【解決手段】編成中の任意の一車両に設置された中央装置1と、編成中の全車両または任意の複数車両に設置された端末装置2とを有し、中央装置1の制御によって各端末装置2が該当車両の車両性能測定を行い、その各端末装置2で得られた測定データの収集・解析を中央装置1で行うようにしたものであって、中央装置1及び各端末装置2に無線機14,24を備え、中央装置1と各端末装置2との通信を直接又は途中の端末装置2の無線機24を中継して行う無線ネットワークが構築された編成車両用測定システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 編成中の任意の一車両に設置された中央装置と、編成中の全車両または任意の複数車両に設置された端末装置とを有し、中央装置の制御によって各端末装置が該当車両の車両性能測定を行い、その各端末装置で得られた測定データの収集・解析を中央装置で行うようにしたものであって、中央装置及び各端末装置に無線機を備え、中央装置と各端末装置との通信を直接又は途中の端末装置の無線機を中継して行う無線ネットワークが構築されたものであることを特徴とする編成車両用測定システム。
【請求項2】 請求項1に記載する編成車両用測定システムにおいて、前記無線ネットワークは、各無線機が通信可能な他の無線機を検出し、中継可能な伝送ルートを自動で形成するものであることを特徴とする編成車両用測定システム。
【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載する編成車両用測定システムにおいて、前記無線ネットワークは、無線機同士がスペクトル拡散方式で無線通信を行うものであることを特徴とする編成車両用測定システム。
【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載する編成車両用測定システムにおいて、前記端末装置は、測定データのバッファ手段又はバックアップ手段を備えたものであることを特徴とする編成車両用測定システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、編成列車の全車両又は任意の複数車両における車両性能測定を行う編成車両用測定システムに関し、特に1人の測定者によって各車両の測定を行うことができ、設置の容易な編成車両用測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば新幹線電車においては、全検・重検、台検など車体−台車間の縁切りを伴う検収の際に本線試運転によって車内振動や主電機電流などの車両性能測定が義務づけられている。測定の一方法としては、各車両に設置された測定器毎にそれぞれ測定者を配置し、各測定者が担当車両を測定することにより行われていた。しかしこれでは、1編成の全車両を対象とする新幹線電車の測定を行う場合、16両全てについて測定者が必要になって非常に多くの人手を要する上、各測定者の技量によって測定値にばらつきが発生し、測定結果について信頼性が低いものになりがちであった。
【0003】そこで、従来ではこうした問題を解決するため、各車両に測定手段を備えた端末装置を設置し、これら各端末装置と任意の1車両に設置した中央装置とを、編成車両中に敷設したケーブルで接続した有線LANによる編成車両用測定システムが採用されていた。このシステムによれば、中央装置により各車両に設置された端末装置を集中制御することができるので、中央装置で各車両の測定データを収集してリアルタイムで視ることができ、また解析することができる。そのため、有線LANによって構築された従来の編成車両用測定システムでは、編成車の全車両を1人で測定することができ、また均一な測定によって信頼性の高い結果を得ることが可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、新幹線電車のように1編成が16両もあり全長が約400mにもなる編成車両の場合、有線LANによって構築された従来の編成車両用測定システムでは、測定時の人手は要らないものの設置及び撤収時には長い距離にわたってケーブルの敷設及び回収を行う必要があり、そのために多くの手間を要していた。また、測定装置を追加するに当たっては、接続ジャックの増設などの大掛かりな改修が必要になり、取り扱いについて不便な点が多かった。
【0005】そこで本発明は、かかる課題を解決すべく、設置及び撤収作業が容易な編成車両用測定システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の編成車両用測定システムは、編成中の任意の一車両に設置された中央装置と、編成中の全車両または任意の複数車両に設置された端末装置とを有し、中央装置の制御によって各端末装置が該当車両の車両性能測定を行い、その各端末装置で得られた測定データの収集・解析を中央装置で行うようにしたものであって、中央装置及び各端末装置に無線機を備え、中央装置と各端末装置との通信を直接又は途中の端末装置の無線機を中継して行う無線ネットワークが構築されたものであることを特徴とする。
【0007】そして、本発明の実施態様としては次のようなものであることが好ましい。前記無線ネットワークが、各無線機が通信可能な他の無線機を検出し、中継可能な伝送ルートを自動で形成するものであること。前記無線ネットワークが、無線機同士がスペクトル拡散方式で無線通信を行うものであること。更に、前記端末装置が、測定データのバッファ手段又はバックアップ手段を備えたものであること。
【0008】よって本発明では、中央装置及び複数の端末装置間の通信を無線で行うようにしたので、編成車両へは各車両ごとに装置を運び込んでセットするだけで良く、従来のようにケーブルで接続する必要がなくなり、編成車両用測定システムの設置及び撤収作業が容易に行えるようになった。また、より好ましい態様で実施すれば、通信可能な他の無線機を検出して中継可能な伝送ルートを自動で形成するので、特定の無線機同士の間で通信障害が生じても他の伝送ルートを選択して通信することが可能となる。また、より好ましい態様で実施すれば、無線機同士がスペクトル拡散方式で無線通信を行うので、高速通信を行うことができるうえに、ノイズの影響も受けにくい。更に、より好ましい態様で実施すれば、端末装置にバッファ手段を備えることにより短時間の通信障害に対して対応することができ、またバックアップ手段を備えることにより通信不能になった場合にでも測定データ確保が保証される。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る編成車両用測定システムの一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。ここで図1は、編成車両用測定システムを新幹線電車の振動測定に用いたときのシステム構成図である。編成車両用測定システムは、全16車両ある新幹線電車のうちの一車両にだけ中央装置1が配置され、また全車両には端末装置2,2…が設置され、そうした中央装置1と各端末装置2,2…とが無線によって通信可能に構成されている。本実施形態では、従来の有線LANの問題を無線によって解決することとし、その際通信媒体としてSS無線を採用することとした。編成車両用測定システムをSS無線による無線ネットワークによって構築したが、それは以下の理由による。
【0010】先ず、編成車両用測定システムの通信媒体として通常の無線を使用することが考えられた。しかし通常無線の使用には、測定者が、無線取り扱いのための免許を取得している必要があり、また測定を実施する場合には無線を使用することについて所定の申請を行っておく必要がある。そのため、通常の無線によれば従来の有線LANに比べてケーブルの敷設・回収などの不便さはなくなるが、規制に対する不便さがあり、加えて無線機自体が高価であるという従来とは別の問題が発生した。従って、通常の無線による編成車両用測定システムの構築は、以上の点を考慮すると有線LANの代替手段として現実的でなかった。
【0011】一方、無線の中でも特定小電力無線を用いれば使用に際して免許や申請が不要であり、上記のような問題は生じない。しかし、これについても次のような別の問題があった。すなわち、編成車両用測定システムは移動する車両内での通信を行うため、走行中に発生するノイズなどの影響によって通信障害が起こりやすいという点である。特に新幹線電車のような高速走行し、かつ編成車両数の多い(通信距離の長い)編成車両では、中央装置と各端末装置との間で直接通信することが困難となる。
【0012】そこで、こうした問題を解決するための一案として、別の端末装置を中継させて伝送させることが考えられた。ところが特定小電力無線では、周波数帯域幅が狭いため伝送速度が遅く、中継を行っていたのでは所定の時間内に全ての端末装置から中央装置1へ測定データが収集ができない。ましてや収集した測定データの解析を本線試運転中に完了することは不可能であった。そうだとすれば、測定データは各端末装置に保存させておき、測定者が試運転終了後に回収すれば済むことなので、本線試運転中に各端末装置の測定データをわざわざ中央装置へ伝送する意味がなくなってしまう。そして、それでは測定システムの価値を極めて低いものにしてしまうので、本線試運転中に測定データをモニターできたり、終了後には直ちに解析データの得られることが望まれる。
【0013】そこで、特定小電力無線でも測定データの収集・解析を可能とするためには、データ量を抑えて伝送時間を短縮させ、効果的な時間内での中継によるデータ伝送を可能とすることが考えられる。しかし、それには各車両の測定データの解析を予め各端末装置で行う必要があり、各端末装置にデータ解析を行うための解析手段を備えるためのコストが問題であった。従って、特定小電力による方法は、以上の点を考慮すると有線LANの代替手段として現実的ではなかった。
【0014】しかし、編成車両用測定システムのデータ伝送手段を有線LANからSS無線に変更することにより、こうした様々な点をクリアすることができる。SS無線は、通常の無線のように免許や申請の問題がなく、また中央装置1と各端末装置2,2…とをつなぐ通信媒体としてデータ伝送を高速で行うことができ、一つの端末装置2と中央装置1とを他の端末装置2を中継してつなぐ複数の伝送ルートの確保が可能だからである。
【0015】続いて、SS無線を使用した編成車両用測定システムの構成について具体的に説明する。先ず、SS(Spread Spectrum :スペクトル拡散 )無線とは、情報信号を変調用キャリヤによって角度変調すると共に、その角度変調波を分周してクロック信号を生成し、さらにそのクロック信号を基に拡散符号信号を発生させて、拡散符号により角度変調波を拡散変調したスペクトル拡散変調波を送受信する通信方式のものである。特定小電力無線と比較すると、周波数帯が高いため電波の回りこみは期待できないが、送信速度が非常に速く、またノイズにも強い特徴がある。
【0016】編成車両用測定システムは、例えば前述した16車両ある新幹線電車では、特定の1車両に中央装置1が、そして各車両全てに端末装置2,2…が配置され、中央装置1と各端末装置2,2…はSS無線によって無線ネットワークを構築している。中央装置1は、図1に示すように各端末装置2の制御や測定データの解析などを行う制御部11を有し、その制御部11に速度測定部12が接続されている。速度測定部12は、車両の現在位置や現在速度を計測するためのものであり、速度発電機31に接続されている。
【0017】ここで図2は、中央装置1について示した構成図である。制御部11は、主に該システムの制御及びデータ解析などを行うパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)13などの計算機によって構成され、それに各端末装置2,2…との間で送受信を行うためのSS無線機14が接続されている。パソコン13には、各端末装置2,2…における測定開始及び終了、測定データの収集・表示・出力・解析などを行うためのプログラムが格納されている。また制御部11には、パソコン13によって得られた解析結果を出力するための手段として、MOドライブ15やプリンタ16が用意されている。
【0018】速度測定部12は、速度発電機31から出力される出力パルスを走行位置や走行速度に変換する変換モジュール18と、走行位置及び走行速度データをデータ通信で送信する送信器17を有し、この送信器17がパソコン13とLAN回線20を介して接続されている。
【0019】次に、各車両毎に設置される端末装置2は、図1に示すように車両の振動に対するデータを得るためのセンサ部22と、そのセンサ部22で得られたデータを測定データとして中央装置1へ伝送する制御部21とから構成されている。ここで図3は、端末装置2について示した構成図である。制御部21は、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)23などの計算機によって構成され、それに中央装置1や中継端末装置2,2…との間で送受信を行うためのSS無線機24が接続されている。パソコン23には、センサー部22の起動や測定データを伝送するためのプログラムが格納されている。センサ部22は、X,Y,Z方向に対する振動加速度計25を備えており、A/Dコンバータ26を介してパソコン23に接続されている。
【0020】続いて、こうした編成車両用測定システムによる新幹線電車の振動測定について説明する。編成車両用測定システムは可搬式であるため、測定に際して所定の各車両に中央装置1及び端末装置2,2…がそれぞれ運び込まれて設置される。中央装置1は所定の一車両に、そして端末装置2,2…は全16車両全てに設置される。設置された編成車両用測定システムは、各装置1,2,2…に備えられているSS無線機14,24,24…によって無線ネットワークが構築されるため、搬入時には所定の装置を車両に運び込んでセットするだけで、有線LANのように長いケーブルを引き回して敷設する必要がない。そこで、セットが完了すれば直ちに本線試運転による新幹線電車の振動測定を開始することができる。
【0021】本線を走行する新幹線電車では、各車両に発生する振動が端末装置2,2…によってそれぞれ測定され、その測定データが中央装置1へと伝送されてそこで収集・解析される。その場合、各端末装置2,2…の操作は中央装置1で集中管理され、その中央装置1の操作は1人の測定者によって行われる。走行速度は、現在の走行位置とともに速度測定部12によって確認される。すなわち中央装置1では、速度発電機31から出力された出力パルスが速度測定部12に取り込まれ、速度とともに走行位置が算出される。その速度及び位置データはパソコン13へと送られ、モニタに表示される。
【0022】新幹線電車が測定区間に入ると、測定開始指令が中央装置1から各端末装置2,2…にSS無線によって伝えられる。図4は、SS無線による通信状態を模式的に示した図である。中央装置1から各端末装置2,2…に向けて発信された測定開始指令は、途中の端末装置2,2,…を中継して伝えられる。
【0023】端末装置2,2…に備えられた各SS無線機24,24…は、通信可能な他のSS無線機24を検出するモデムを有しているため、中継可能な伝送ルートを自動的に選択してデータ伝送を行う。そこで、中央装置1から各端末装置2,2…に向けて送信された測定開始指令は、通信可能な近くの端末装置2では直接データを受け取り、より遠くの端末装置2では途中に設置された端末装置2のSS無線機24を中継して受け取る。中継の具体的イメージとしては、例えば図4に示すように一車両づつの連続であったり(破線)、一車両をとばして同時に2つのルートで伝送するものであったりする(実線)。本実施形態では、こうした中継を繰り返して全ての端末装置2,2…へ測定開始指令が伝えられる。
【0024】各端末装置2,2…で測定開始指令が受信されると、パソコン23から起動信号が振動加速度計25に発信され、その振動加速度計25によって計測が開始される。そして、センサ部22では振動加速度計25によってX,Y,Z方向の振動加速度が計測され、その測定値が測定データとしてA/Dコンバータ26によりデジタル化されてパソコン23へと取り込まれる。ここで、任意に設定されたしきい値を越える振動を検出した場合は、中央装置1にアラームを送信する。振動加速度計25による測定は、中央装置1からの測定終了指令を制御部21が受け取るまで行われ、終了後は、パソコン23,23…に取り込まれた各車両の測定データが中央装置1へと送られる。
【0025】各車両で得られた測定データは、任意に決められた号車順に端末装置2,2…から中央装置1へと送信される。従って、中央装置1から所定の順番で各端末装置2,2…へ通信要求がかけられ、当該要求を受けた端末装置2から順に測定データが中央装置1へと送られる。この場合もSS無線機14,24,24…による無線ネットワークにより、中央装置1との距離が近い端末装置2であれば直接送られ、遠い端末装置2の場合には途中の端末装置2を中継して送られることになる。そして後者の場合には、SS無線機24が中央装置1の途中にある通信可能なSS無線機24を自動で検出し、中央装置1までの伝送ルートを自動で選択して測定データを伝送する。
【0026】従って、この無線ネットワークによると、例えば送信元のSS無線機24と、あるSS無線機24との間に障害が生じてしまって測定データが送れないようになっても、別の通信可能なSS無線機24を選択して伝送ルートを切り換えることができる。端末装置2では、測定データが一時的にパソコン23のバッファに蓄えられており、通信障害が短時間に回復したならば改めて測定データが送信される。一方で、測定データを送る端末装置2のSS無線機24に送信不能になるなどの問題が生じ、バッファの容量が不足するほどの長時間にわたって通信障害が続いた場合には、中央装置1のパソコン13のモニタにメッセージが表示されると共に、当該端末装置2の測定データは、パソコン23のバックアップ手段であるメモリーカード28に保存される。
【0027】測定データが各号車の端末装置2,2…から中央装置1に伝送されると、その収集された測定データがパソコン13内に取り込まれ、測定システムのオペレーション状態がモニターされる。また、収集された測定データから任意に設定されたしきい値を超える振動が観測された場合には、その発生号車及び該当成分(X,Y,Z)が表示され、更に測定データから得られた振動波形も表示される。そして収集された測定データは、測定日、測定車両、識別(上り、下り)に基づいて分類されて保存される。
【0028】中央装置1のパソコン13では、この他にも測定データが解析されて乗り心地評価が行われる。例えば本実施形態では次の様な解析及び評価が行われる。測定データを加速度(絶対値)ごとの発生頻度で集計し、加速度値の発生分布を示す「ヒストグラム表示」、測定データの周波数値を1/3オクターブバンドごとに区切り、帯域ごとの最大周波数値を示す「FFT解析」、更には測定データを、周波数域は1/3オクターブバンドごと、加速度も区切りマトリクスとし、それぞれの発生分布を示したうえで所定の基準に基づく判定曲線との重なりから乗り心地判定を行う「乗り心地評価」である。
【0029】また、パソコン13では、こうした解析の他にも測定データから「最大加速度」「平均加速度」「最大周波数」「平均周波数」を各車両ごとに集計することができる。そして、上記の集計データや解析データなどの各データは、パソコン13に繋いだプリンタ16を使用して紙面上に出力することができ、またパソコン13に繋いだMOドライブ15により光磁気ディスクに保存させることができる。ところで、先に述べたように通信不能によって端末装置2にバックアップされた測定データは、パソコン23からその測定データの保存されたメモリカード28を取り出して中央装置1のパソコン13に読み込ませることにより、伝送された測定データと同様な処理を行うことができる。
【0030】以上説明した本実施形態の編成車両用測定システムは次のような効果を奏する。無線ネットワークを構築したことによって、測定に際して中央装置1及び端末装置2,2…を各車両に運び込んでセットするだけでよく、ケーブル接続などの手間が減って設置及び撤収作業が容易に行えるようになった。無線ネットワークの構築にSS無線機14,24,24…を利用したことにより、測定の際に通常無線のような免許や申請が必要ない点で取り扱いが便利である。また、本線試運転中における測定データの解析・判定をリアルタイムに行うことができ、更に測定結果をパソコン13のモニタで見ることができる。
【0031】また、中央装置1及び端末装置2,2…に備えられたSS無線機14,24,24…は、通信可能な他の無線機を検出しても中継可能な伝送ルートを自動で形成するのでデータ伝送の信頼性が高い。またスペクトル拡散方式のSS無線では、ノイズの影響を受けにくいため、この点でもデータ伝送の信頼性が高い。更に端末装置2,2…のパソコン23にバッファ手段を備えることにより短時間の通信障害に対して対応することができ、また通信不能になった場合にでもメモリカード28に保存することで測定データを確実に確保することができる。
【0032】なお、本発明は実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、前記実施形態では、中央装置1及び端末装置2,2…にSS無線機14,24,24…を備えて無線ネットワークを構築したが、本発明は通信手段をSS無線に限定するものではない。また、前記実施形態では、新幹線電車の振動測定について説明したが、編成車両用測定システムは、空調性能特性など、他の測定及び編成電車への利用が可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明は、中央装置及び各端末装置に無線機を備え、その中央装置と各端末装置との通信を直接及び途中の端末装置の無線機を中継して行う無線ネットワークを構築したので、無線による伝送ルートであってもデータ伝送の信頼性が高く、設置及び撤収作業が容易な編成車両用測定システムを提供することが可能となった。
【出願人】 【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1番4号
【出願日】 平成14年3月29日(2002.3.29)
【代理人】 【識別番号】100097009
【弁理士】
【氏名又は名称】富澤 孝 (外3名)
【公開番号】 特開2003−299203(P2003−299203A)
【公開日】 平成15年10月17日(2003.10.17)
【出願番号】 特願2002−94219(P2002−94219)