| 【発明の名称】 |
車両用リアクトル装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】松木 毅 【住所又は居所】茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式会社日立製作所電機システム事業部内
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、直流リアクトルと電線が発生する漏洩磁束による車両内の漏洩磁束を規定値以下に簡単に低減できる車両用リアクトル装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、車両6の床下に設置される直流リアクトル1は端子4、5を有している。直流リアクトル1は電線9が発生する漏洩磁束Φ2を打消す方向に漏洩磁束Φ1が発生するように直流電流の通電方向、つまり、端子4、5への接続が設定されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両の床下に設置される直流リアクトルと、前記直流リアクトルと前記車両の床下の間に配置されるシールド材と、前記車両の床下に配線されている直流電流を通流する電線とを備え、前記直流リアクトルは、前記電線が発生する漏洩磁束を打消す方向に漏洩磁束を発生するように直流電流の通電方向を設定されていることを特徴とする車両用リアクトル装置。 【請求項2】車両の床下に設置され、高周波電流を抑制する直流リアクトルと、前記直流リアクトルと前記車両の床下の間に配置されるシールド材と、前記車両の床下であって、前記直流リアクトルの近傍に配線されている直流電流を通流する複数本の電線とを備え、前記直流リアクトルは、前記複数本の電線がそれぞれ発生する漏洩磁束の合成漏洩磁束を打消す方向に漏洩磁束を発生するように直流電流の通電方向を設定されていることを特徴とする車両用リアクトル装置。 【請求項3】請求項1または2において、前記直流リアクトルは電気メーカで製作され、前記直流リアクトルの前記車両の床下に取付けと前記電線の配線は前記車両の車体メーカにより行われるものであることを特徴とする車両用リアクトル装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両の床下に艤装される直流リアクトルと電線が発生する漏洩磁束の車両内への侵入量を低減する車両用リアクトル装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、インバータで駆動される交流電動機(誘導電動機)により電車(車両)を走行させるインバータ電車が多く採用されている。インバータ電車はインバータが発生する高調波電流を抑制するために、直流架線とインバータの間に直流リアクトルを接続している。通常、直流リアクトルは車両の床下に設置されている。 【0003】車両の床下に設置(艤装)される直流リアクトルは、車両運転時の通電状態において漏洩磁束を発生する。直流リアクトルの漏洩磁束の一部は車両内にまで浸入する。ところが、近年、人体への漏洩磁束の影響が問題視され、特に、乗客が装着している心臓のペースメーカーの誤動作の防止のために車両床面での漏洩磁束の大きさが規制されるようになっている。 【0004】この対策として、直流リアクトルと車両の床下の間にシールド板を配置している。これにより直流リアクトルから車両床面への漏洩磁束を低減させ、車両床面での漏洩磁束を規定値以下にすることができる。 【0005】また、直流リアクトルと車両の床下の間に電線を配設し、電線の発生する磁束によって直流リアクトルが発生する漏洩磁束を打消し車両床面の漏洩磁束を低減することが提案されている。このことは、例えば、特開平6−90501号公報に記載されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従来技術は、直流リアクトルが発生する漏洩磁束の車両床面での低減を図ることができる。ところで、車両の床下には架線からインバータに給電する電線も配線されている。インバータに給電する電線(主回路電線)には直流電流が通電し、漏洩磁束を発生する。 【0007】車両の床下に設置する電気機器の実装密度が高くなり、直流リアクトルの近傍に近接して主回路電線が配線されるようになってきている。このため、直流リアクトルの漏洩磁束と電線の漏洩磁束の重畳によって車両床面の漏洩磁束が規定値以上になるという事態がしばしば発生するという問題点を有する。 【0008】このことは、特に、直流リアクトルは電機メーカで製作し漏洩磁束の検討がなされ、他方、直流リアクトルの車両の床下への取付けと主回路電線の配線を車体メーカが対応するということがしばしば発生させる大きな要因になっている。 【0009】なお、直流リアクトルと車両の床下の間に電線を配設し、電線の発生する磁束によって直流リアクトルが発生する漏洩磁束を打消し車両床面の漏洩磁束を低減する方法は、電気機器の実装密度が高くなると実用化困難であり、また、コスト高になる。 【0010】本発明は上記点に対処して成されたもので、その目的とするところは直流リアクトルと電線が発生する漏洩磁束による車両内の漏洩磁束を規定値以下に簡単に低減できる車両用リアクトル装置を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするところは、車両の床下に設置される直流リアクトルは、電線が発生する漏洩磁束を打消す方向に漏洩磁束が発生するように直流電流の通電方向を設定されていることにある。 【0012】本発明は、直流リアクトルが、電線が発生する漏洩磁束を打消す方向に漏洩磁束を発生するように直流電流の通電方向を設定されているので、直流リアクトルと電線が発生する漏洩磁束の合成漏洩磁束を低減できる。したがって、車両内の漏洩磁束を規定値以下に低減することができ、しかも、直流リアクトルの端子への電線の接続によって簡単に行える。 【0013】 【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例を示す。図1は車両用直流リアクトルを車両床下に艤装した状態を示している。 【0014】図1において、直流リアクトル1は内部に巻線2を収納し、端子箱3には巻線2に主回路電線(図示せず)を接続する端子4と端子5を備えている。直流リアクトル1は吊り金具8により車両(車両床)6に取付けて設置されている。直流リアクトル1と車両床6の間にはシールド板(シールド材)7が吊り金具8に固定配置されている。直流リアクトル1は、通常、電機メーカで製作し漏洩磁束の検討がなされ、他方、直流リアクトル1の車両6の床下に取付け配置と主回路電線の配線は車体メーカが対応するようにしている。 【0015】主回路電線9は車両床下の直流リアクトル1の近傍に艤装(配線)されている。電線9に付した・印は直流電流の通流方向を示しており、紙面から上方向に通流していることを示している。電線9は車両6の車体メーカにより配線される。 【0016】この構成において、車両運転時の通電状態においては直流リアクトル1の巻線2と車両床下に配線されている電線9に磁束が発生する。端子箱3の端子5に正側電線、端子4に負側電線を接続して直流リアクトル1の直流電流の通電方向を端子5から端子4の方向とすると、巻線2の内部に白抜き矢印の方向に主磁束Φmが発生し、外部には矢印で示す方向に漏洩磁束Φ1が生じる。 【0017】なお、直流リアクトル1の直流電流の通電方向を端子4から端子5の方向とすると、図2に示すように巻線2の内部に白抜き矢印の方向に主磁束Φmが発生し、外部には矢印で示す方向に漏洩磁束Φ1が生じる。 【0018】一方、電線9は・印の通流方向に直流電流が流れると、漏洩磁束Φ2を発生する。 【0019】図1のように直流リアクトル1の通電方向を端子5から端子4の方向に設定すると、漏洩磁束Φ1とΦ2は図3に示す方向に発生する。漏洩磁束Φ1の×印は紙面から下方向に発生することを示しており、また、漏洩磁束Φ2の・印は紙面から上方向に発生することを示している。 【0020】また、直流リアクトル1の通電方向を図2のように端子4から端子5の方向に設定すると、漏洩磁束Φ1とΦ2の両者は図4に示すように・印方向で同一方向に発生する。 【0021】さて、直流リアクトル1の通電方向を図2のように端子4から端子5の方向に設定すると、位置10における漏洩磁束Φ1とΦ2の合成漏洩磁束Φ0は図5(b)に示すようになる。図5(b)から明らかなように、位置10における直流リアクトル1からの漏洩磁束Φ1と電線9からの漏洩磁束Φ2は共に車両6の床下から上方向に向いており、その合成漏洩磁束Φ0は漏洩磁束Φ1と漏洩磁束Φ2より大きくなる。 【0022】一方、図1のように直流リアクトル1の通電方向を端子5から端子4の方向に設定すると、位置10における漏洩磁束Φ1とΦ2の合成漏洩磁束Φ0は図5(a)に示すようになる。図5(a)から明らかなように、位置10における直流リアクトル1からの漏洩磁束Φ1と電線9からの漏洩磁束Φ2は反対方向となり打消し合い、その合成漏洩磁束Φ0は漏洩磁束Φ1と漏洩磁束Φ2より小さくなる。 【0023】このように、直流リアクトル1の通電方向を端子5から端子4に設定することにより、合成漏洩磁束Φ0は直流リアクトル1又は電線9の各々単独で発生する漏洩磁束Φ1、Φ2より小さくなっており、車両6内に侵入する漏洩磁束を規定値以下にすることができる。そして、直流リアクトル1の通電方向は、端子箱3での外部からの電線の接続を変更すればよく簡単に行える。 【0024】図6に本発明の他の実施例を示す。図6は2台の直流リアクトルと複数本(4本)の電線の場合の例を示している。 【0025】図6において、直流リアクトル1aは直流電流の通電方向を端子5から端子4の方向に設定され、また、直流リアクトル1bは通電方向を端子4から端子5の方向に設定されている。直流リアクトル1aは白抜き矢印の方向に主磁束Φmaが発生し、外部に漏洩磁束Φ1aを発生する。直流リアクトル1bは白抜き矢印の方向に主磁束Φmbが発生し、外部に漏洩磁束Φ1bを発生する。 【0026】一方、電線9a〜9dはそれぞれ矢印で示す通電方向に直流電流が通流して漏洩磁束Φ2a〜Φ2dを発生する。 【0027】図6において、直流リアクトル1aは電線9a〜9cの漏洩磁束Φ2a〜Φ2dを低減する観点からすると通電方向を逆方向にするのが望ましいが、レール磁化防止のために直流リアクトル1bの主磁束Φmbと逆方向の主磁束Φmaを発生するように通電方向を設定されている。 【0028】図6の例では、直流リアクトル1bに近接している電線9a、電線9b、電線9dの通電方向が同じになり、漏洩磁束Φ2a、Φ2b、Φ2dの方向も同じになるので合成漏洩磁束が大きくなる。漏洩磁束Φ2a、Φ2b、Φ2dの合成漏洩磁束を打消すために直流リアクトル1bの漏洩磁束Φ1bが×印方向となるように直流リアクトル1bの通電方向を端子4から端子5に設定している。 【0029】以上説明したように、本発明は直流リアクトルの通電方向を設定することにより直流リアクトルと電線の合成漏洩磁束を直流リアクトル又は電線の各々単独で発生する漏洩磁束より小さくでき、車両内に侵入する漏洩磁束を規定値以下にすることができる。そして、直流リアクトルの通電方向は、端子への電線の接続を変更すればよく簡単に行える。 【0030】なお、直流リアクトルの通電方向を反対とすることは、直流リアクトルの取付け位置を180°反転させることも含むことは勿論のことである。 【0031】 【発明の効果】本発明は、直流リアクトルが、電線が発生する漏洩磁束を打消す方向に漏洩磁束を発生するように直流電流の通電方向を設定されているので、直流リアクトルと電線が発生する漏洩磁束の合成漏洩磁束を低減できる。したがって、車両内の漏洩磁束を規定値以下に低減することができ、しかも、直流リアクトルの端子への電線の接続によって簡単に行える。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【住所又は居所】東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地
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| 【出願日】 |
平成14年3月29日(2002.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074631 【弁理士】 【氏名又は名称】高田 幸彦
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| 【公開番号】 |
特開2003−299202(P2003−299202A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月17日(2003.10.17) |
| 【出願番号】 |
特願2002−94178(P2002−94178) |
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