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【発明の名称】 車両駆動装置の給電装置
【発明者】 【氏名】鈴木 実
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【氏名】玉川 裕
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内

【要約】 【課題】本発明では、エンジン始動時におけるバッテリの電圧降下に起因するプリチャージコンタクタの故障の誤判定を防止することができる車両駆動装置の給電装置を提供することを課題とする。

【解決手段】車両駆動装置Mは、車両を駆動するモータ2と、給電装置Sとを主に備えている。この給電装置Sは、メインバッテリ1、サブバッテリ6、パワードライブユニット8、コンデンサ9、コンタクタ10およびコントロールユニット15を主に備えている。このコントロールユニット15は、プリチャージコンタクタ10bを閉じることでコンデンサ9の電圧が所定値以上になるように駆動コイル10fに駆動電圧を供給する初期充電手段と、その供給時間が所定時間経過後、コンデンサ9の電圧が所定値未満でサブバッテリ6の電圧が所定値以下の場合、所定時間後に初期充電を再実行する初期充電再実行手段とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の推進力を出力するエンジンを補助または車両を駆動する電動機と、この電動機に電力を供給する第1の蓄電装置と、前記電動機と第1の蓄電装置の間に接続されるメインコンタクタと、このメインコンタクタと並列に接続されるプリチャージコンタクタと電流制限抵抗とからなるプリチャージ回路と、前記電動機の入力側に設けられ複数のスイッチング素子を接続したスイッチング回路からなるパワードライブユニットと、このパワードライブユニットの入力側に並列接続されたコンデンサと、前記第1の蓄電装置よりも電圧が低く、少なくとも前記プリチャージコンタクタの駆動コイルに駆動電圧を供給する第2の蓄電装置と、を具備する車両駆動装置の給電装置において、前記プリチャージコンタクタを閉じることで前記コンデンサの電圧が所定値以上になるように前記駆動コイルに駆動電圧を供給する初期充電手段と、この初期充電手段による駆動電圧の供給時間が所定時間経過後、コンデンサの電圧が所定値未満で第2の蓄電装置の電圧が所定値以下の場合、初期充電を一旦停止して所定時間後に初期充電を再実行する初期充電再実行手段と、を備えたことを特徴とする車両駆動装置の給電装置。
【請求項2】 少なくとも前記プリチャージコンタクタを冷却する冷却ファンを備え、この冷却ファンはイグニッションスイッチをオンにした時点から駆動し、前記初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越え、かつ、前記冷却ファンの駆動を開始してから所定時間経過した時点で初期充電を再実行する冷却初期充電手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両駆動装置の給電装置。
【請求項3】 前記プリチャージコンタクタと、前記パワードライブユニットまたは第1の蓄電装置の少なくとも一方とを冷却する冷却ファンと、前記パワードライブユニットまたは第1の蓄電装置の温度を検出する温度検出手段とを備え、前記冷却ファンはイグニッションスイッチをオンにした時点から駆動し、前記初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越え、かつ、前記冷却ファンの駆動を開始してから前記温度検出手段により検出された温度が所定値以下まで低下すると初期充電を再実行する冷却初期充電手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両駆動装置の給電装置。
【請求項4】 少なくとも前記プリチャージコンタクタを冷却する冷却ファンを備え、前記初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越えると前記冷却ファンを駆動し、前記冷却ファンの駆動を開始してから所定時間を経過すると初期充電を再実行する冷却初期充電手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両駆動装置の給電装置。
【請求項5】 前記プリチャージコンタクタと、前記パワードライブユニットまたは第1の蓄電装置の少なくとも一方とを冷却する冷却ファンと、前記パワードライブユニットまたは第1の蓄電装置の温度を検出する温度検出手段とを備え、前記初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越えると前記冷却ファンを駆動し、前記冷却ファン駆動後に前記温度検出手段で検出された温度が所定値以下まで低下すると初期充電を再実行する冷却初期充電手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両駆動装置の給電装置。
【請求項6】 前記冷却初期充電手段による初期充電を実行してから所定時間後にコンデンサの電圧が所定値以上にならず、かつ第2の蓄電装置の電圧が所定値を越えるときに、前記プリチャージコンタクタの故障と判定する故障判定手段を備えたことを特徴とする請求項2〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の車両駆動装置の給電装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド自動車のエンジンやモータを駆動する車両駆動装置の給電装置に関し、特に、高圧バッテリからの電力をパワードライブユニットのコンデンサに供給するためのプリチャージコンタクタの制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ハイブリッド自動車のエンジンやモータを駆動する車両駆動装置は、モータに電力を供給するための高電圧の高圧バッテリと、スタータ等の補機類に電力を供給するための低電圧のサブバッテリとを備えている。高圧バッテリからの電力は、電磁開閉器であるコンタクタとパワードライブユニットを介してモータに供給されている。
【0003】パワードライブユニットには、トランジスタ等のスイッチング素子が内蔵されていて、さらに、このスイッチング素子のオン、オフに伴う電源電圧変動を防止するために、大容量のコンデンサがスイッチング素子と並列に設けられている。そして、高圧バッテリからパワードライブユニットへの電力供給は、コンタクタの開閉により行われるが、コンタクタをいきなり接続すると、前記コンデンサの充電のためにコンタクタに大電流が流れ、この電流値がコンタクタの許容電流値を超えてしまうおそれがあった。
【0004】そこで、従来では、電源供給経路を直結させるメインコンタクタとは別にメインコンタクタと並列に接続され、かつ電流制限抵抗と直列に接続されたプリチャージコンタクタを設けている。そして、前記コンデンサへの充電時には、先にプリチャージコンタクタをオンにし、コンデンサへの充電完了後にメインコンタクタをオンにする制御を給電装置で行うことで、メインコンタクタに大電流が流れることを防止している。すなわち、コンデンサへの充電時においては、この給電装置からプリチャージコンタクタをオンにする信号が出力され、サブバッテリからプリチャージコンタクタの駆動コイルに電力が供給され、このプリチャージコンタクタがオンするようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジン始動時においては、スタータ等の電力消費によりサブバッテリの電圧降下が起こるため、給電装置がプリチャージコンタクタにオン指令を出しても、駆動コイルが十分励磁されず、プリチャージコンタクタがオンされないことがあった。そのため、正常であるプリチャージコンタクタを故障していると誤判定するおそれがあった。
【0006】また、コンタクタはその駆動コイルの温度が異常に上昇すると、コイル電流が減少して接点機構を駆動するだけの磁力が発生しなくなり、接点の切り換えが不能となるおそれがあった。この対策として、従来では、特開平10−224901号公報に開示するように、コンタクタの駆動コイルの温度をセンサで測定することで、作動不良を事前に運転者に報せるようにしている。
【0007】しかし、コンタクタは防水や防塵のためにケースにより密閉されているため、コンタクタのコイル温度を直接測定することが難しかった。さらに、このようにケースにより密閉されたコンタクタのコイル温度を監視するためには、システムが複雑になるといった問題があった。
【0008】そこで、本発明の課題は、エンジン始動中におけるサブバッテリの電圧降下に起因するプリチャージコンタクタの故障の誤判定を防止することができる車両駆動装置の給電装置を提供することにある。また、本発明の課題は、コンタクタの駆動コイルの温度を直接測定することなく、コンタクタの温度上昇に起因する作動不良を防止することができる車両駆動装置の給電装置を提供することにもある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に記載の発明は、車両の推進力を出力するエンジンを補助または車両を駆動する電動機と、この電動機に電力を供給する第1の蓄電装置と、前記電動機と第1の蓄電装置の間に接続されるメインコンタクタと、このメインコンタクタと並列に接続されるプリチャージコンタクタと電流制限抵抗とからなるプリチャージ回路と、前記電動機の入力側に設けられ複数のスイッチング素子を接続したスイッチング回路からなるパワードライブユニットと、このパワードライブユニットの入力側に並列接続されたコンデンサと、前記第1の蓄電装置よりも電圧が低く、少なくとも前記プリチャージコンタクタの駆動コイルに駆動電圧を供給する第2の蓄電装置と、を具備する車両駆動装置の給電装置において、前記プリチャージコンタクタを閉じることで前記コンデンサの電圧が所定値以上になるように前記駆動コイルに駆動電圧を供給する初期充電手段と、この初期充電手段による駆動電圧の供給時間が所定時間経過後、コンデンサの電圧が所定値未満で第2の蓄電装置の電圧が所定値以下の場合、初期充電を一旦停止して所定時間後に初期充電を再実行する初期充電再実行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】請求項1に記載の発明によれば、初期充電手段が、第2の蓄電装置から駆動コイルに駆動電圧を供給することでプリチャージコンタクタを閉じてコンデンサの電圧が所定値以上になるように所定時間充電する。そして、この初期充電手段による充電時間が所定時間経過後、コンデンサの電圧が所定値未満で第2の蓄電装置の電圧が所定値以下の場合は、初期充電再実行手段が所定時間後に初期充電を再実行する。そのため、たとえば第2の蓄電装置における電圧の所定値をプリチャージコンタクタの感動電圧(プリチャージコンタクタがオンする電圧)に設定すれば、エンジン始動中に第2の充電装置が電圧降下を起こして、その電圧が感動電圧以下となりプリチャージコンタクタがオンされない場合も、再実行によりその後電圧が回復した後にプリチャージコンタクタがオンされる。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、少なくとも前記プリチャージコンタクタを冷却する冷却ファンを備え、この冷却ファンはイグニッションスイッチをオンにした時点から駆動し、前記初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越え、かつ、前記冷却ファンの駆動を開始してから所定時間経過した時点で初期充電を再実行する冷却初期充電手段を備えたことを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による作用に加え、イグニッションスイッチをオンすると、まず、冷却ファンが駆動されてプリチャージコンタクタが冷却される。そして、初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越え、かつ、冷却ファンの駆動を開始してから所定時間経過したときは、冷却初期充電手段が初期充電を再実行する。すなわち、たとえばエンジン始動時に駆動コイルの温度が異常に上昇している場合、イグニッションスイッチのオンと同時に駆動コイルが冷却ファンにより冷却されるので、プリチャージコンタクタの感動電圧が徐々に下がっていく。そして、初期充電再実行手段による所定回数の再実行によってもプリチャージコンタクタがオンされない場合は、冷却ファンが所定時間駆動して駆動コイルが充分冷却された後、冷却初期充電手段により初期充電が再実行される。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、前記プリチャージコンタクタと、前記パワードライブユニットまたは第1の蓄電装置の少なくとも一方とを冷却する冷却ファンと、前記パワードライブユニットまたは第1の蓄電装置の温度を検出する温度検出手段とを備え、前記冷却ファンはイグニッションスイッチをオンにした時点から駆動し、前記初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越え、かつ、前記冷却ファンの駆動を開始してから前記温度検出手段により検出された温度が所定値以下まで低下すると初期充電を再実行する冷却初期充電手段を備えたことを特徴とする。
【0014】請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による作用に加え、イグニッションスイッチをオンすると、まず、冷却ファンが駆動されてプリチャージコンタクタと、たとえばパワードライブユニットとが冷却される。そして、初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越え、かつ、冷却ファンの駆動を開始してから温度検出手段により検出された温度が所定値以下まで低下したときは、冷却初期充電手段が初期充電を再実行する。すなわち、たとえばエンジン始動時に駆動コイルの温度が異常に上昇している場合、イグニッションスイッチのオンと同時に駆動コイルとパワードライブユニットが冷却ファンにより冷却され、プリチャージコンタクタの感動電圧が徐々に下がっていく。そして、初期充電再実行手段による所定回数の再実行によってもプリチャージコンタクタがオンされない場合は、パワードライブユニットの温度を温度検出手段で検出することにより、駆動コイルの温度を間接的に測定し、その温度が所定値まで低下すると冷却初期充電手段が初期充電を再実行する。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、少なくとも前記プリチャージコンタクタを冷却する冷却ファンを備え、前記初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越えると前記冷却ファンを駆動し、前記冷却ファンの駆動を開始してから所定時間を経過すると初期充電を再実行する冷却初期充電手段を備えたことを特徴とする。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による作用に加え、初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越えると、冷却ファンが駆動されて、プリチャージコンタクタが冷却される。そして、この冷却ファンの駆動を開始してから所定時間を経過すると、冷却初期充電手段が初期充電を再実行する。すなわち、たとえば駆動コイルの温度が異常に上昇することで、初期充電再実行手段による初期充電を所定回数再実行してもプリチャージコンタクタがオンされない場合は、冷却ファンが駆動して、プリチャージコンタクタの駆動コイルが冷却される。そして、この冷却ファンが所定時間駆動して駆動コイルが充分冷却された後、再度冷却初期充電手段により初期充電が再実行される。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、前記プリチャージコンタクタと、前記パワードライブユニットまたは第1の蓄電装置の少なくとも一方とを冷却する冷却ファンと、前記パワードライブユニットまたは第1の蓄電装置の温度を検出する温度検出手段とを備え、前記初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越えると前記冷却ファンを駆動し、前記冷却ファン駆動後に前記温度検出手段で検出された温度が所定値以下まで低下すると初期充電を再実行する冷却初期充電手段を備えたことを特徴とする。
【0018】請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による作用に加え、初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越えると冷却ファンが駆動する。そして、この冷却ファンがプリチャージコンタクタの他にたとえばパワードライブユニットを冷却する場合、この冷却ファン駆動後に温度検出手段により検出されたパワードライブユニットの温度が所定値以下まで低下すると、冷却初期充電手段が初期充電を再実行する。すなわち、たとえば駆動コイルの温度が異常に上昇することで、初期充電再実行手段による初期充電を所定回数再実行してもプリチャージコンタクタがオンされない場合は、その後冷却ファンが駆動して、プリチャージコンタクタの駆動コイルとパワードライブユニットが冷却される。そして、このパワードライブユニットの温度を温度検出手段で検出することにより、駆動コイルの温度を間接的に測定し、その温度が所定値まで低下すると冷却初期充電手段が初期充電を再実行する。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の発明の構成において、前記冷却初期充電手段による初期充電を実行してから所定時間後にコンデンサの電圧が所定値以上にならず、かつ第2の蓄電装置の電圧が所定値を越えるときに、前記プリチャージコンタクタの故障と判定する故障判定手段を備えたことを特徴とする。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、請求項2〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の発明による作用に加え、冷却初期充電手段により初期充電を実行してから所定時間後になってもコンデンサの電圧が所定値以上にならず、かつ第2の蓄電装置の電圧が所定値を超えるときは、故障判定手段によりプリチャージコンタクタが故障と判定される。
【0021】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕以下、図面を参照して、第1の実施形態に係る車両駆動装置の給電装置の詳細について説明する。参照する図面において、図1は本発明の第1の実施形態に係る車両駆動装置の全体を示すブロック図、図2は図1の給電装置を冷却する構造を示す概略平面図、図3は図1の給電装置の主要部を示すブロック図、図4は図1のコンタクタの特性を示すグラフである。
【0022】図1に示すように、車両駆動装置Mは、車両の推進力を出力するエンジン4を補助または車両を駆動するモータ(電動機)2と、給電装置Sとを主に備えている。この給電装置Sは、メインバッテリ(第1の蓄電装置)1、サブバッテリ(第2の蓄電装置)6、パワードライブユニット8、コンデンサ9、コンタクタ10およびコントロールユニット15を主に備えている。なお、この給電装置Sにおけるメインバッテリ1、パワードライブユニット8およびコンタクタ10等は、図2に示すように、ケースC内に収納されている。そして、このケースCに設けられる冷却ファン18が駆動すると、車室内に接続された空気吸引口C1から吸引した空気がケースC内を流れて空気排出口C2から排出されることで、給電装置Sの一部(メインバッテリ1、パワードライブユニット8等)を冷却する構造となっている。
【0023】図1に示すように、メインバッテリ1は、車両をモータ2の駆動力で走行させるときには、モータ2に電力を供給し、車両を減速させるとき等には、モータ2を発電機として動作させ、発電によって得られた電気エネルギを充電する。このメインバッテリ1は、複数のセルを直列に接続して1つのモジュールとし、このモジュールをさらに複数直列に接続して高圧電圧(144〜288V)を出力するように構成されている。そして、このメインバッテリ1には、その温度を検出する温度センサ(温度検出手段)17が取り付けられている。
【0024】サブバッテリ6は、メインバッテリ1よりも低い電圧を出力するものであり、その+側端子6aと−側端子6bからは12Vの電圧が出力される。このサブバッテリ6の+側端子6aと−側端子6bとの間には、サブバッテリ6の出力電圧V3を検出する電圧センサ6cが設けられている。また、このサブバッテリ6の+側端子6aには、サブバッテリ6からの電源供給をオン、オフするためのイグニッションスイッチ21が接続されている。そして、このサブバッテリ6は、エンジン4を始動させるスタータ5、ヘッドライト、デフロスター、エアコン等の各種電装品7、コンタクタ10およびコントロールユニット15等に電力を供給している。
【0025】パワードライブユニット8は、モータ2の入力側に設けられ、モータ2へ供給する電力の量やモータ2から取り出す電力の量を制御している。このパワードライブユニット8の入力側には、平滑用のコンデンサ9が並列接続されている。このコンデンサ9は、メインバッテリ1からの2本の配線が接続されたパワードライブユニット8の2つの端子、すなわち+側端子8aと−側端子8bの間に設けられている。そして、この+,−側端子8a,8bには、コンデンサ9の電圧V2を測定するための電圧センサ13bが設けられている。
【0026】このパワードライブユニット8は、スイッチング素子が2つ直列接続されたスイッチング回路からなるインバータの構成を内蔵している。このパワードライブユニット8内部のスイッチング素子は、後述するコントロールユニット15によってオン、オフされ、これによりメインバッテリ1からパワードライブユニット8に供給される直流電流を三相交流電流に変換し、変換した三相交流電流を三相線8u,8v,8wを介してモータ2に供給する。これらの三相線8u,8v,8wには、これらの三相線8u,8v,8wを流れる電流を検出するための電流センサ19u,19v,19wが設けられている。また、このパワードライブユニット8には、その温度を検出するための温度センサ(温度検出手段)27が設けられている。
【0027】コンタクタ10は、図3に示すように、モータ2とメインバッテリ1の間に接続されるメインコンタクタ10aと、このメインコンタクタ10aと並列に接続されるプリチャージコンタクタ10bおよび電流制限抵抗10cからなるプリチャージ回路10dとを有している。このメインコンタクタ10aとプリチャージコンタクタ10bには、それぞれ駆動コイル10e,10fが設けられている。そして、後述するコントロールユニット15から各コンタクタ10a,10bをそれぞれオンにする信号が出力されると、サブバッテリ6から各駆動コイル10e,10fに駆動電圧が供給され、各コンタクタ10a,10bがオンされるようになっている。なお、この図3は、図1における構成のうち主要部のみを抜き出して簡略的に図示したものである。
【0028】また、このコンタクタ10は、図4に示すように、各駆動コイル10e,10fの温度により感動電圧(各コンタクタ10a,10bがオン可能な電圧)の閾値が変わる特性を有している。すなわち、各コンタクタ10a,10bがオンするためには、その駆動コイル10e,10fの温度が高くなればなるほど、高い電圧が必要になっている。
【0029】コントロールユニット15は、CPU(中央演算装置)およびメモリによって主に構成されている。そして、このコントロールユニット15は、主にモータ2、パワードライブユニット8、冷却ファン18、DC−DCコンバータ11およびコンタクタ10を制御している。特に、このコントロールユニット15は、コンタクタ10を制御するために、前記電圧センサ6c,13bや温度センサ17,27からの出力を参照している。
【0030】また、このコントロールユニット15には、プリチャージコンタクタ10bを閉じることでコンデンサ9の電圧が所定値以上になるように前記駆動コイル10fに駆動電圧を供給する初期充電手段(図示せず)と、この初期充電手段による駆動電圧の供給時間が所定時間経過後、コンデンサ9の電圧が所定値未満でサブバッテリ6の電圧が所定値以下の場合、初期充電を一旦停止して所定時間後に初期充電を再実行する初期充電再実行手段(図示せず)とが備えられている。さらに、このコントロールユニット15には、前記初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越えた後、温度センサ17,21により検出された温度のうち一方の温度が所定値まで低下するか、冷却ファン18の駆動が所定時間経過すると初期充電を再実行する冷却初期充電手段(図示せず)が備えられている。また、このコントロールユニット15には、前記冷却初期充電手段による初期充電を再実行してから所定時間後にコンデンサ9の電圧が所定値以上にならず、かつサブバッテリ6の電圧が所定値を超えるときに、プリチャージコンタクタ10bの故障と判定する故障判定手段(図示せず)が備えられている。
【0031】次に、このコントロールユニット15によるコンタクタ10の制御について図5および図6を参照して説明する。この第1の実施形態では、コントロールユニット15から出力される冷却ファン18を駆動するための冷却ファン駆動信号が、前記イグニッションスイッチ21(図1参照)がオンされた時点で出力される場合について説明する。
【0032】まず、イグニッションスイッチ21をオンにすると、コントロールユニット15から冷却ファン駆動信号が出力され、この冷却ファン駆動信号により冷却ファン18が駆動される(図3参照)。その後、このコントロールユニット15は、図5に示すルーチン作業をメインコンタクタ10aがオンされるまで、または、プリチャージコンタクタ10bが故障と判定されるまで定期的に繰り返し行う。
【0033】図5に示すように、コントロールユニット15では、まず、プリチャージ回路10dにおける電流制限抵抗10cの焼損防止のため前回のコンデンサ9の充電処理からプリチャージコンタクタ10bの冷却時間を考慮して規定されるプリチャージ間隔が所定値以上となっているか否かが判断される(ステップS1)。このステップS1において、プリチャージ間隔が所定値以上であると判断された場合は、次にプリチャージコンタクタ10bにオン指示(駆動信号)が出力されているか否かが判断される(ステップS2)。なお、前記ステップS1において、プリチャージ間隔が所定値未満であると判断された場合は、このルーチン作業が一旦終了し、再度このルーチン作業が開始される。
【0034】ステップS2において、プリチャージコンタクタ10bにオン指示が出力されていると判断された場合は、次にコンデンサ9の充電が終了したか否か、すなわちコンデンサ9の電圧V2が所定値以上になるまで充電されたか否かが判断される(ステップS3)。このステップS3において、コンデンサ9の充電が終了したと判断された場合は、メインコンタクタ10aにオン指示を出力した後(ステップS4)、プリチャージコンタクタ10bにオフ指示を出力し(ステップS5)、その後冷却ファン18を停止させる(ステップS6)。
【0035】前記ステップS2において、プリチャージコンタクタ10bにオン指示が出力されていないと判断された場合は、前記初期充電再実行手段による初期充電(プリチャージ)の再実行(リトライ)が所定回数行われているか否かが判断される(ステップS7)。このステップS7において、プリチャージリトライが所定回数行われていないと判断された場合は、プリチャージコンタクタ10bにオン指示が出力された後(ステップS8)、前記ステップS3に進む。
【0036】ステップS3において、コンデンサ9の充電が終了していないと判断された場合、すなわちコンデンサ9の電圧V2が所定値未満であると判断された場合は、所定時間連続してプリチャージコンタクタ10bにオン指示が出力されているか否か、すなわちプリチャージに必要な所定時間が経過したか否かが判断される(ステップS9)。このステップS9において、プリチャージに必要な所定時間が経過していないと判断された場合は、このルーチン作業が一旦終了して再度このルーチン作業が開始される。
【0037】また、ステップS9において、プリチャージに必要な所定時間が経過したと判断された場合は、プリチャージコンタクタ10bにオフ指示が出力された後(ステップS10)、サブバッテリ6の電圧V3、すなわちプリチャージコンタクタ10bの駆動コイル10fの駆動電圧が所定値(判定閾値)以下であるか否かが判断される(ステップS11)。ここで、この判定閾値は、駆動コイル10fの感動電圧に依存しており、たとえばイグニッションスイッチ21がオンされた時点では、そのときの駆動コイル10fの感動電圧閾値が初期値として参照される。
【0038】ステップS11において、駆動電圧が判定閾値以下ではないと判断された場合は、プリチャージコンタクタ10bの故障と判定されて(ステップS12)、このルーチン作業は終了する。また、ステップS11において、駆動電圧が判定閾値以下であると判断された場合は、このルーチン作業が一旦終了して再度このルーチン作業が開始される。
【0039】前記ステップS7において、プリチャージリトライが所定回数行われていると判断された場合は、次に冷却ファン18が作動済みか否かが判断される(ステップS13)。このステップS13において、冷却ファン18が作動していないと判断された場合は、メインバッテリ1の温度が所定値以下になるまで低下したか否かが判断される(ステップS14)。このステップS14において、メインバッテリ1の温度が所定値以下になっていないと判断された場合は、パワードライブユニット8の温度が所定値以下になるまで低下したか否かが判断される(ステップS15)。そして、このステップS15において、パワードライブユニット8の温度が所定値以下になっていないと判断された場合は、このルーチン作業が一旦終了し、再度このルーチン作業が開始される。
【0040】前記ステップS13において、冷却ファン18が作動済みであると判断された場合は、次にこの冷却ファン18の駆動がその開始から所定時間経過しているか否かが判断される(ステップS16)。このステップS16において、冷却ファン18が所定時間駆動していないと判断された場合は、前記ステップS14に進む。また、このステップS16で冷却ファン18が所定時間駆動していると判断された場合、前記ステップS14でメインバッテリ1の温度が所定値以下になったと判断された場合または前記ステップS15でパワードライブユニット8の温度が所定値以下になったと判断された場合は、プリチャージコンタクタ10bにオン指示が出力される(ステップS17)。このステップS17の後、前記ステップS11で駆動電圧と比較するための判定閾値が、温度センサ17,27のうちどちらか一方からの出力値に基づいて算出される前回値より低めの感動電圧閾値に持ち替えられた後(ステップS18)、冷却ファン18が停止される(ステップS19)。
【0041】次に、前記ルーチン作業の具体例について図5〜図7を参照して説明する。まず、イグニッションスイッチ21をオンしたときにサブバッテリ6が電圧降下を起こす場合における前記初期充電再実行手段によるリトライの効果を説明する。なお、ここでの動作は請求項1に係る給電装置の動作に相当する。また、この説明においては、冷却ファン18による冷却は特に必要ないため、イグニッションスイッチ21のオン後もこの冷却ファン18は駆動していないものとする。
【0042】〔FlowA〕図6に示すように、イグニッションスイッチ21をオンにすると、コントロールユニット15では、まずステップS1,S2,S7の処理を経てステップS8まで進み、このステップS8において一回目のオン指示をプリチャージコンタクタ10bに出力する。このとき、サブバッテリ6の電圧V3は電圧降下により感動電圧閾値Vtよりも低くなっているためプリチャージコンタクタ10bはオンされず、ステップS8以降の処理はステップS3,S9を経て再度ルーチン作業に戻る。
〔FlowB〕次に、プリチャージに要する所定時間Tpが経過するまで、ステップS1,S2,S3,S9の処理を繰り返し行う。
〔FlowC〕プリチャージに要する所定時間Tpが経過した後は、ステップS10においてプリチャージコンタクタ10bにオフ指示が出力され、その後ステップS11を経て再度ルーチン作業に戻る。
〔FlowD〕次に、前記プリチャージ間隔が所定値Ti以上になるまでは、ステップS1でNoと判断され、各処理を行わずに時間待ちする。
【0043】そして、前記プリチャージ間隔が所定値Ti以上になると、FlowAと同様にステップS1,S2,S7の処理を経てステップS8まで進み、このステップS8において二回目のオン指示がプリチャージコンタクタ10bに出力される。このとき、サブバッテリ6の電圧V3は回復して感動電圧閾値Vtよりも高くなっているためプリチャージコンタクタ10bがオンとなってコンデンサ9の充電が行われる。
〔FlowE〕そして、FlowBを繰り返してコンデンサ9の充電が終了すると(ステップS3)、ステップS4,S5,S6を経てこのルーチン作業が終了する。
【0044】続いて、イグニッションスイッチ21をオンする前に、すでにプリチャージコンタクタ10bの感動電圧閾値Vtがサブバッテリ6の電圧V3よりも高くなっている場合における前記冷却初期充電手段によるリトライの効果を説明する。図7に示すように、イグニッションスイッチ21をオンにすると、冷却ファン18が駆動されてプリチャージコンタクタ10bの感動電圧閾値Vtが徐々に下がっていく。そして、コントロールユニット15では、前記と同様な処理が行われて、まず一回目のオン指示をプリチャージコンタクタ10bに出力する(FlowA〜C)。このとき、サブバッテリ6の電圧V3は感動電圧閾値Vtよりも低くなっているためプリチャージコンタクタ10bはオンされない。そして、プリチャージ間隔が所定値Ti以上となった後(FlowD)、前記と同様な処理が行われて、二回目のオン指示がプリチャージコンタクタ10bに出力される(FlowA〜C)。このとき、まだサブバッテリ6の電圧V3は感動電圧閾値Vtよりも低くなっているためプリチャージコンタクタ10bはオンされない。
【0045】〔FlowF〕そして、再びステップS7まで処理が進むと、このステップS7においてプリチャージのリトライが所定回数(本実施形態では2回)済んだと判断され、その後ステップS13を経てステップS16まで処理が進む。このステップS16以降の処理は、冷却ファン18の駆動時間が所定値Tc1になるまで、ステップS14,S15を経て再度ルーチン作業に戻り、その後ステップS1,S2,S7,S13,S16,S14,S15の処理を繰り返し行う。
【0046】〔FlowG〕そして、冷却ファン18の駆動時間が所定値Tc1になると、ステップS17にてオン指示がプリチャージコンタクタ10bに出力される。このとき、サブバッテリ6の電圧V3が感動電圧閾値Vtよりも高くなるためプリチャージコンタクタ10bはオンとなる。そのため、その後の処理は、ステップS18,S19を経て再度ルーチン作業に戻る。そして、ステップS1,S2,S3を経てステップS4にてオン指示がメインコンタクタ10aに出力され、ステップS5,S6を経て終了する(FlowE)。以上、ここまでの動作が請求項2に係る給電装置の動作に相当する。
【0047】また、冷却ファン18の駆動時間が所定値Tc1になった後もプリチャージコンタクタ10bがオンされない場合は、再度ルーチン作業に戻り、ステップS1,S2,S3,S9,S10,S11を経てステップS12まで進み、このステップS12においてプリチャージコンタクタ10bが故障と判定される。この動作は請求項6に係る給電装置の動作に相当する。
【0048】なお、冷却ファン18の駆動時間が所定値Tc1になるまでの間に感動電圧閾値Vtが所定値(サブバッテリ6の電圧V3)より下がった場合、すなわちメインバッテリ1またはパワードライブユニット8の温度が所定値まで低下した場合は、冷却ファン18の駆動時間が所定値Tc1になる前にプリチャージコンタクタ10bがオンされることになるので(ステップS14,S15,S17参照)、早期にプリチャージコンタクタ10bをオンさせることができる。この動作は請求項3に係る給電装置の動作に相当する。
【0049】以上によれば、第1の実施形態において次のような効果を得ることができる。
(1)イグニッションスイッチ21をオンしたときにサブバッテリ6が電圧降下を起こしても、リトライによりその後電圧が回復した後にプリチャージコンタクタ10bがオンされるので、サブバッテリ6の電圧降下に起因するプリチャージコンタクタ10bの故障の誤判定を防止することができる。
【0050】(2)初期充電再実行手段による所定回数のリトライによってもプリチャージコンタクタ10bがオンされない場合は、冷却ファン18が所定時間駆動して駆動コイル10fが充分冷却された後、冷却初期充電手段によりプリチャージリトライが行われるので、駆動コイル10fの温度上昇による作動不良を防止することができる。また、冷却ファン18がイグニッションスイッチ21のオンと同時に駆動されるので、駆動コイル10fを早期に冷却することができ、その分プリチャージコンタクタ10bがオンされるまでの時間を短縮することができる。
【0051】(3)初期充電再実行手段による所定回数のリトライによってもプリチャージコンタクタ10bがオンされない場合は、温度センサ17,27により間接的に検出される駆動コイル10fの温度が冷却ファン18により所定値まで低下すると冷却初期充電手段がプリチャージリトライを行うので、駆動コイル10fの温度上昇による作動不良を防止することができる。さらに、駆動コイル10fが所定値まで冷却されたかどうかをパワードライブユニット8またはメインバッテリ1の温度から推定した後リトライするので、冷却が完了した時点ですぐにプリチャージリトライを行うことができる。また、温度センサ17,27はパワードライブユニット8とメインバッテリ1の温度を検出するので、プリチャージコンタクタ10bの温度を直接測定する必要がなくなり、システムを簡単にすることができる。
【0052】(4)冷却初期充電手段によりリトライしてから所定時間後になってもコンデンサ9の電圧が所定値以上にならないときは、ステップS12においてプリチャージコンタクタ10bの故障が判定される。すなわち、プリチャージコンタクタ10bの作動不良が、サブバッテリ6の電圧降下によるものでなく、かつ駆動コイル10fの温度上昇によるものでもない他の原因によるものであると判断され、プリチャージコンタクタ10bの故障と判断される。
【0053】〔第2の実施形態〕以下、図面を参照して、第2の実施形態に係る車両駆動装置の給電装置の詳細について説明する。この実施形態は第1の実施形態におけるコントロールユニット15による制御方法を一部変更したものなので、第1の実施形態と同様の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0054】コントロールユニット15の冷却初期充電手段は、前記初期充電再実行手段による初期充電の再実行回数が所定回数を越えると冷却ファン18を駆動するための冷却ファン駆動信号を出力している。そして、このコントロールユニット15では、図8に示すようなルーチン作業が行われている。このルーチン作業は、前記ルーチン作業におけるステップS7とステップS13の間に冷却ファン18に駆動信号を出力する新たなステップS20が加えられ、ステップS11とステップS12の間に冷却ファン18が作動済みか否かを判断する新たなステップS21が加えられて構成されている。
【0055】次に、前記ルーチン作業の具体例について、図8および図9を参照して説明する。図9に示すように、イグニッションスイッチ21をオンにすると、コントロールユニット15では、前記と同様な処理が行われ、二回目のオン指示が出力されてもプリチャージコンタクタ10bがオンにならない場合は(FlowA〜D,A〜C)、ステップS20において冷却ファン18が駆動される。その後ステップS13を経てステップS16まで処理が進む。このステップS16以降の処理は、冷却ファン18の駆動時間が所定値Tc2になるまで、ステップS14,S15を経て再度ルーチン作業に戻り、その後ステップS1,S2,S7,S20,S13,S16,S14,S15の処理を繰り返し行う。
【0056】そして、冷却ファン18の駆動時間が所定値Tc2になると、ステップS17にてオン指示がプリチャージコンタクタ10bに出力される。このとき、サブバッテリ6の電圧が感動電圧閾値よりも高くなるためプリチャージコンタクタ10bはオンとなる(FlowG)。そのため、その後の処理は、ステップS18,S19を経て再度ルーチン作業に戻り、ステップS1,S2,S3を経てステップS4にてオン指示がメインコンタクタ10aに出力され、ステップS5,S6を経て終了する(FlowB,E)。以上、ここまでの動作が請求項4に係る給電装置の動作に相当する。
【0057】また、冷却ファン18の駆動時間が所定値Tc2になった後もプリチャージコンタクタ10bがオンされない場合は、再度ルーチン作業に戻った後、ステップS1,S2,S3,S9,S10,S11を経てステップS21まで進み、このステップS21で冷却ファン18が作動済みであると判断されるとステップS12においてプリチャージコンタクタ10bが故障であると判定される。
【0058】なお、冷却ファン18の駆動時間が所定値Tc2になるまでの間に感動電圧閾値Vtが所定値まで下がった場合、すなわちメインバッテリ1またはパワードライブユニット8の温度が所定値(サブバッテリ6の電圧V3)まで低下した場合は、冷却ファン18の駆動時間が所定値Tc2になる前にプリチャージコンタクタ10bがオンされることになるので(ステップS14,S15,S17参照)、早期にプリチャージコンタクタ10bをオンさせることができる。この動作は請求項5に係る給電装置の動作に相当する。
【0059】以上によれば、第2の実施形態において次のような効果を得ることができる。
(5)初期充電再実行手段によるプリチャージを所定回数リトライした後に冷却ファン18が駆動して、プリチャージコンタクタ10bの駆動コイル10f等が冷却されるので、イグニッションスイッチ21のオンと同時に冷却ファン18を駆動する場合に比べて消費電力を少なくすることができる。
【0060】以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。本実施形態では、初期充電再実行手段におけるリトライの所定回数を二回としたが、本発明はこれに限定されず、いくつであってもよい。また、その他の冷却ファン18の駆動時間等の各種設定値は適宜に変更可能であることはいうまでもない。本実施形態では、パワードライブユニット8とメインバッテリ1の双方の温度を検出するために2つの温度センサ17,27を設ける構造としたが、本発明はこれに限定されず、パワードライブユニット8またはメインバッテリ1のうち少なくとも冷却ファン18で冷却される方に温度センサを設ける構造であればどのような構造でもよい。
【0061】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、たとえばエンジン始動中に第2の充電装置が電圧降下を起こしても、再実行によりその後電圧が回復した後にプリチャージコンタクタがオンされるので、エンジン始動中における第2の蓄電装置の電圧降下に起因するプリチャージコンタクタの故障の誤判定を防止することができる。
【0062】請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加え、初期充電再実行手段による所定回数の再実行によってもプリチャージコンタクタがオンされない場合は、冷却ファンが所定時間駆動して駆動コイルが充分冷却された後、冷却初期充電手段により初期充電が再実行されるので、駆動コイルの温度上昇による作動不良を防止することができる。また、冷却ファンがイグニッションスイッチのオンと同時に駆動されるので、駆動コイルを早期に冷却することができ、その分プリチャージコンタクタがオンされるまでの時間を短縮することができる。
【0063】請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加え、初期充電再実行手段による所定回数の再実行によってもプリチャージコンタクタがオンされない場合は、温度検出手段により間接的に検出される駆動コイルの温度が冷却ファンにより所定値まで低下すると冷却初期充電手段が初期充電を再実行するので、駆動コイルの温度上昇による作動不良を防止することができる。また、冷却ファンがイグニッションスイッチのオンと同時に駆動されるので、駆動コイルを早期に冷却することができ、その分プリチャージコンタクタがオンされるまでの時間を短縮することができる。さらに、駆動コイルが所定値まで冷却されたかどうかをパワードライブユニットまたは第1の蓄電装置の温度から推定した後再実行するので、冷却が完了した時点ですぐに初期充電を再実行することができる。また、温度検出手段はパワードライブユニットまたは第1の蓄電装置の温度を検出するので、プリチャージコンタクタの温度を直接測定する必要がなくなり、システムを簡単にすることができる。
【0064】請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加え、初期充電再実行手段による所定回数の再実行によってもプリチャージコンタクタがオンされない場合は、冷却ファンが所定時間駆動して駆動コイルが充分冷却された後、冷却初期充電手段により初期充電が再実行されるので、駆動コイルの温度上昇による作動不良を防止することができる。また、初期充電再実行手段による初期充電を所定回数再実行した後に冷却ファンが駆動されて、プリチャージコンタクタの駆動コイル等が冷却されるので、イグニッションスイッチのオンと同時に冷却ファンを駆動する場合に比べて消費電力を少なくすることができる。
【0065】請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加え、初期充電再実行手段による初期充電を所定回数再実行した後に冷却ファンが駆動して、プリチャージコンタクタの駆動コイル等が冷却されるので、イグニッションスイッチのオンと同時に冷却ファンを駆動する場合に比べて消費電力を少なくすることができる。また、駆動コイルが所定値まで冷却されたかどうかをパワードライブユニットまたは第1の蓄電装置の温度から推定した後再実行するので、冷却が完了した時点ですぐに初期充電を再実行することができる。さらに、温度検出手段はパワードライブユニットまたは第1の蓄電装置の温度を検出するので、プリチャージコンタクタの温度を直接測定する必要がなくなり、システムを簡単にすることができる。
【0066】請求項6に記載の発明によれば、請求項2〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の発明による効果に加え、冷却初期充電手段により再実行してから所定時間後になってもコンデンサの電圧が所定値以上にならず、かつ第2の蓄電装置の電圧が所定値を超えるときは、故障判定手段によりプリチャージコンタクタの故障が判定される。すなわち、プリチャージコンタクタの作動不良が、第2の充電装置の電圧降下によるものでなく、かつ駆動コイルの温度上昇によるものでもない他の原因によるものであると判断され、プリチャージコンタクタの故障と判断される。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
【出願日】 平成14年3月28日(2002.3.28)
【代理人】 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
【公開番号】 特開2003−289601(P2003−289601A)
【公開日】 平成15年10月10日(2003.10.10)
【出願番号】 特願2002−90560(P2002−90560)