| 【発明の名称】 |
車両の操縦装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡部 由佳 【住所又は居所】愛媛県松山市衣山1丁目2番5号株式会社アテックス内
|
| 【要約】 |
【課題】操縦者の使い勝手を向上して操舵時の減速のわずらわしさを解消し、不慮の事故発生の可能性がある状態にあっては減速して安全に走行できる車両を提供することを課題とする。
【解決手段】駆動輪1と操向輪2を備えた走行装置と、操向輪2を所定角度以上に操舵すれば減速を行う減速装置3と、方向指示装置4を備えた電動車両であって、該減速装置3の作動前に、方向指示装置4を入操作した場合には、減速装置3の作動を制限することを特徴とする車両の操縦装置の構成とする。又、減速装置3の作動中に方向指示装置4を入操作した場合には、減速状態を保持する車両の操縦装置とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】駆動輪(1)と操向輪(2)を備えた走行装置と、操向輪(2)を所定角度以上に操舵すれば減速を行う減速装置(5)と、方向指示装置(4)を備えた車両であって、該減速装置(3)の作動前に、方向指示装置(4)を入操作した場合には、減速装置(3)の作動を制限することを特徴とする車両の操縦装置。 【請求項2】減速装置(3)の作動中に方向指示装置(4)を入操作した場合には、減速状態を保持することを特徴とする請求項1記載の車両の操縦装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両の操縦装置に関するものであり、更に詳しくは小型電動車や自動車等における操舵時の安全に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より車両に備えられた操舵に対応する安全装置には様々なものが提案されており、例えば実開平3−40801号公報には方向指示装置を作動させると自動的に走行用電動モータが減速する技術が開示されている。しかしながらこの技術はどのような走行状態にあっても方向指示装置を作動させれば自動的に減速するので、減速しなくても良い場合でも減速されてしまい、使い勝手が悪く操縦者にとってわずらわしいという問題があった。又、特開2001−339813号公報には、後進時には減速し、前進時には減速しない制御方法や操向輪の操向角度に応じた車速調整を行う技術が開示されている。しかしながら、慣れた前進方向の走行状態であっても後続の車両や歩行者に気付かず旋回した場合には追突等の不慮の事故につながることが想定され、安全性から考えた場合には不十分なものであった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、操縦者の使い勝手を向上して操舵時の減速のわずらわしさを解消し、不慮の事故発生の可能性がある状態にあっては減速して安全に走行できる電動車両を提供することを課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】駆動輪1と操向輪2を備えた走行装置と、操向輪2を所定角度以上に操舵すれば減速を行う減速装置3と、方向指示装置4を備えた車両であって、該減速装置3の作動前に、方向指示装置4を入操作した場合には、減速装置3の作動を制限することを特徴とする車両の操縦装置の構成とする。又、減速装置3の作動中に方向指示装置4を入操作した場合には、減速状態を保持する車両の操縦装置の構成とする。 【0005】 【発明の作用及び効果】請求項1の発明にあっては、減速装置3の作動前に、方向指示装置4を入操作した場合には、減速装置3の作動を制限するため、操舵する操縦者が減速によるわずらわしさを感じることがなく、使い勝手が良い。減速装置3の作動前の状態は、略直進で走行している状態であるため、操縦者が方向指示装置4を入操作する余裕を持った状態である。この状態で方向指示装置4を作動させることは、操縦者が操舵して、進行方向を方向指示装置4の指示方向に変更しようとする意思を有するものであり、周囲の状況に注意しながら操舵を行うことから、危険の少ない走行状態であると言える。又、方向指示装置4を作動させると、後続の車両や歩行者が旋回操作を予測することができるので、不慮の事故につながる可能性が低い状態でもある。このような安全状態であるにも係わらず減速させると操縦者がわずらわしさを感じるため、本発明は安全な状態では減速装置3の作動を制限し、減速しないスムーズな旋回を行うことができるものである。 【0006】請求項2の発明にあっては、減速装置5の作動中に方向指示装置4を入操作した場合、すなわちハンドル操舵を行った後に方向指示装置4を入操作した時には減速した状態を保持し、ハンドルを略直進状態に戻すまで、すなわち減速装置3が非作動状態になるまでは減速状態を保持するので、後続の車両や歩行者が追突してしまう等の不慮の事故につながる可能性がある時には確実に減速し、安全な走行を行うことができる。又、方向指示装置4をいつ入操作しても減速装置3の作動を制限する単純な構成では、減速装置3作動中に方向指示装置4を入操作した時には、安全に旋回できるよう一旦減速した状態から、方向指示装置4を入操作した途端に減速装置3の作動が解除されて車速が旋回前の速度に復帰して危険である。従って、安全な走行状態になるまでは減速状態を保持する構成とすれば、旋回時の安全性を高めることができる。 【0007】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図例は、本発明の電動三輪車であって、車体の前部にフロントフォーク12で軸支13した操向輪2を設け、該フロントフォーク12上面から上方へ向け延設した回動軸16を設けてある。回動軸16は車体フレーム10前部のボス部14に軸支してあり、フロントフォーク12とボス部14下端との間には、該回動軸16に溶着した扇形状のリミットプレート17を設けてあり、回動軸16の回動とともにリミットプレート17も回動する構成である。ボス部14の下方部外周にはスイッチ取付板18を溶着し、スイッチ取付板18の先端部にリミットスイッチ19を取着してある。リミットスイッチ19は固定であり、リミットローラ37が回動自在なリミットプレート17外周の凹部38に位置している時にはOFF状態で、リミットローラ37がリミットプレート17外周の凸部39に位置すればリミットスイッチ19がON状態となるよう構成してある。 【0008】回動軸16上端にはハンドル軸20を装着し、該ハンドル軸20上端部には操縦者が把持操舵可能のループ形状ハンドル21を設けてある。すなわちハンドル21を操舵すれば操向輪2の方向が変わり、進行方向を変えることが可能である。ハンドル21の左右方向中央部には操作パネル22を設け、該操作パネル22には、アクセルレバー23,キースイッチ24,バッテリーメータ25,方向指示スイッチ26,ホーンスイッチ27,車速調整用の変速ダイヤル28を設けてある。29はバックミラーであり、30は手動のブレーキレバーである。 【0009】車体の後部には、左右一対の駆動輪1を駆動するモータ40やバッテリー41、ギヤボックス32等からなる駆動装置と、充電トランスや充電コンセントからなる充電装置(図示せず)を搭載して、全体をリヤカバー33で覆ってある。リヤカバー33上側には、単座シート34を設け、操縦者が座って操縦を行う。リヤカバー33の左右側面部には、方向指示ランプ35を設け、方向指示スイッチ26を押すことで方向指示ランプ35が点滅するよう構成した方向指示装置4を設けてある。 【0010】次に、上述の制御についてフローチャート図にて説明する。図5は方向指示装置4のフローチャートで、図6は減速装置3のフローチャートであり、CPUにプログラムされ、一定周期毎にCPUによって処理される。図5のステップS10とステップS11,ステップS15及び図6のステップS22については、CPU内部に保持された前回の設定から判断するものであり、次の切換処理が実行されるまではその設定状態を保持する。電源を「入」操作した時にステップS10とステップS15の判断の基となるCPU内部の前回設定状態は、電源を入れた時の方向指示スイッチ26とリミットスイッチ19の状態によって異なるが、例えば方向指示スイッチ26に触れることなく、操向輪2直進状態でキースイッチ24を「入」操作した場合には、方向指示スイッチ26はOFFのまま、リミットスイッチ19もOFFのままとしてCPU内部に前回の設定として記憶され、ハンドル21を操舵した状態で電源を「入」操作すればリミットスイッチ19はONのままとしてCPU内部に前回の設定として記憶される。又、ステップS11の判断の基となるCPU内部の前回設定状態は、方向指示ランプ35は点滅中ではないとして記憶され、図6のステップS22の判断の基となるCPU内部の前回設定状態は、減速有効の設定として記憶されるよう構成してある。 【0011】まず、通常の直進走行時における制御の流れについて説明する。キースイッチ24を「入」にして通電すると図5のステップS10で方向指示スイッチ26がOFFからONに変化したかどうかの判断を行う。この時は方向指示スイッチ26はOFFのままであってOFFからONに変化していないので、ステップS15に進む。ステップS15では減速用のリミットスイッチ19がONからOFFに変化したかどうかの判断を行う。直進走行中であるため、リミットスイッチ19はOFFであるがONからOFFに変化したのではないため、次の切換処理が実行されるまではこのフローを繰り返す。減速装置制御については図6のステップS21でリミットスイッチ19はONであるかの判断を行う。直進走行中はリミットスイッチ19はONされていないため、その処理を終了し次の切換処理が実行されるまではこのフローを繰り返す。 【0012】次に、方向指示装置4を作動させて減速装置3の作動を制限する制御について説明する。図5に示すステップS10で方向指示スイッチ26がOFFからONに変化したかどうかの判断を行うわけであるが、方向指示スイッチ26を「入」操作した時方向指示スイッチ26がOFFからONに変化したと判断してステップS11に進み、ここで方向指示ランプ35が点滅中であるかどうか判断する。ステップS11では方向指示ランプ35が消灯状態のためステップS12に進み、減速用のリミットスイッチ19がOFF、すなわち操向輪2がまだ操舵されていない略直進状態であり減速無効の設定S13とし、方向指示ランプ35の点滅S14をさせる。この時点ではリミットスイッチ19はONになっていないので、図6のステップ21から終了に進みこのフローを繰り返す。次に、方向指示装置のフローチャートである図5の制御を行う時には、方向指示スイッチ26が再び「入」操作されたわけではないので、ステップS15に進み、ステップS15の判断においてもリミットスイッチ19はONからOFFに変化していないので終了の処理となり、減速無効の設定がされたままでこのフローを繰り返す。次にハンドル21を操舵して減速用のリミットスイッチ9がONになれば、ステップS21でリミットスイッチ19がONに変化したと判断してステップS22で減速が有効設定か無効設定かの判断を行う。前述の通り、方向指示装置制御は、減速無効の設定がされたままでステップS10からステップS15に進み終了となるフローを繰り返していたため、減速装置3は非作動状態のまま操舵可能である。この状態は、減速用のリミットスイッチ19がONで方向指示ランプ35が点滅中であるが、その後ハンドル3を直進状態に戻してリミットスイッチ19がOFFになると、図5のステップS10では方向指示スイッチ26はOFFからONに変化したのではないのでステップS15に進み、ステップS15ではリミットスイッチ19がONからOFFに変化したと判断し、ステップS11で方向指示ランプ35がS14で点滅中であったことから方向指示ランプ35の消灯S16を行い、減速有効の設定S17状態とする。その後は次の操舵に備えて、方向指示スイッチ26又は減速用のリミットスイッチ19が作動するまでは、図6に示すステップS21でリミットスイッチ19はONではないと判断して終了とし、図5においてはステップS10で方向指示スイッチはOFFからONに変化していないと判断し、ステップS15でリミットスイッチ19はONからOFFに変化したのではないと判断して終了となるというフローを繰り返すよう構成してある。 【0013】次に、減速装置5作動中に方向指示装置4を作動させた場合について説明する。まず、方向指示スイッチ26を押さない状態では、ステップS10で方向指示スイッチ26はOFFからONに変化したものではないと判断し、ステップS15の判断を行う。この時にはハンドル21を操舵して減速用のリミットスイッチ19がONになったので、リミットスイッチ19はONからOFFに変化したのではないと判断する。すなわち、方向指示装置制御については、減速有効の設定でステップS10からステップS15に進み終了となるフローを繰り返している。次に図6のステップS21では、ハンドル21がすでに操舵されているためリミットスイッチ19がONであると判断して、ステップS22では、前記減速有効の設定S17状態であったことから速度を制限S23する、すなわち減速装置5を作動状態とする。この減速装置5の作動状態で方向指示装置4を作動させると、図5のステップS10で方向指示スイッチ26がOFFからONに変化したと判断し、ステップS11で方向指示ランプ35はそれまでは点滅していなかったことから、ステップS12でリミットスイッチ19がどの状態にあるか判断する。ステップS12の判断時にはハンドル21を操舵した減速装置3の作動状態であるため、減速無効の設定S13への切換を回避して方向指示ランプ35を点滅S14させる。次に図6のステップS21では減速用のリミットスイッチ19はONであることからステップS22の判断を行う。前回ステップS12では、減速無効の設定S13への切換を回避したため、ステップS22では減速有効の設定であるとの判断を行い、速度を制限S23して減速状態を保持する。その後、ハンドル21を直進状態に戻してリミットスイッチ19をOFFにすると図5のステップS15でリミットスイッチ19がONからOFFに変化したと判断し、ステップS11で方向指示ランプ35が直前には点滅中であったことから方向指示ランプ35の消灯S16を行い、減速有効の設定S17状態となれば操舵開始前の速度に戻り、次の操舵に備えるよう構成してある。 【0014】従って、安全な走行状態の際には操舵による自動的な減速を行わないので操縦者がわずらわしさを感じないとともに、減速した方が良いと想定される状態においては確実に減速し、操舵した後に安全な走行状態となるまでは減速状態を保持するので、使い勝手が良いとともに安全性の高い電動車両を提供することができるものである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000144980 【氏名又は名称】株式会社アテックス 【住所又は居所】愛媛県松山市衣山1丁目2番5号
|
| 【出願日】 |
平成14年3月19日(2002.3.19) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2003−284209(P2003−284209A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月3日(2003.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−77050(P2002−77050) |
|