| 【発明の名称】 |
車両用発電機の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小渡 武彦
【氏名】山本 立行
【氏名】松崎 則和
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| 【要約】 |
【課題】車輪を駆動するモータに電力を供給する発電機の発電を停止したときに、発電機を駆動するエンジンの急激な回転数の上昇を防止する。
【解決手段】車両を駆動するエンジン1に連結されかつ駆動される発電機2の発電電力を制御する車両用発電機の制御装置4において、車輪の回転数を検出する車輪回転数検出手段7を備え、発電電力を低減するときに、車輪がスリップしていない場合には、スリップしている場合に比べて、発電機の発電電力を緩やかに低減させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両の駆動を補助するモータに電力を供給する発電機の電力量を制御する車両用発電機の制御装置において、車両の車輪の速度信号に基づいて車輪の回転状態を検出し、その車輪の回転状態とモータの回転信号に基づいて発電機の電力量を制御する制御信号を生成し出力する演算部と、その演算部により出力された制御信号に基づいて発電機の電力制御用コイルに流す電流を生成する電流発生部と、を有することを特徴とする車両用発電機の制御装置。 【請求項2】車両を駆動するエンジンに連結されかつ駆動される発電機の発電電力を制御する車両用発電機の制御装置において、車輪の回転数を検出する車輪回転数検出手段を備え、発電電力を低減するときに、車輪がスリップしていない場合には、スリップしている場合に比べて、発電機の発電電力を緩やかに低減させることを特徴とする車両用発電機の制御装置。 【請求項3】車両を駆動するエンジンに連結されかつ駆動される発電機の発電電力を制御する車両用発電機の制御装置において、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段とスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度検出手段と、現在の発電電力を検出する発電電力検出手段を備え、前記発電電力制御装置が、前記エンジン回転数検出手段とスロットルバルブ開度検出手段と発電電力検出手段の検出値によって、発電電力を低減する際の発電電力の減少速度を変えることを特徴とする車両用発電機の制御装置。 【請求項4】請求項2に記載の車両用発電機の制御装置において、発電電力を低減する場合に、発電電力検出手段が検出した発電トルクによらず、前記スロットル開度検出手段が検出したスロットル開度と前記エンジン回転数検出手段が検出したエンジン回転数が同一である場合、発電トルク検出手段が検出した発電トルクが大きい程、発電電力の減少速度を遅くすることを特徴とする車両用発電機の制御装置。 【請求項5】車両を駆動するエンジンに連結され駆動され、エンジンの非駆動輪を駆動可能にする電動モータに接続された発電機の発電電力を制御する車両用発電機の制御装置において、車輪の速度を検出する手段を備え、第1と第2の所定の車輪の速度の範囲で、車輪の速度の増加とともに発電電力を減少させることを特徴とする車両用発電機の制御装置。 【請求項6】車両を駆動するエンジンに連結され駆動され、エンジンの非駆動輪を駆動可能にする電動モータに接続された発電機の発電電力を制御する車両用発電機の制御装置において、スロットルバルブの開度を検出するスロットルバルブ開度検出手段と、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、車輪の回転速度を検出する車輪速度検出手段とを備え、第1と第2の所定の車輪の速度の範囲で、車輪速度検出手段が検出した車輪の速度の増加とともに発電電力を減少させ、かつ、アクセル開度とアクセル開度の変化率に応じて、第1の所定の車輪の速度と第2の所定の車輪の速度を設定することを特徴とした車両用発電機の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】車両の駆動を補助するモータに供給する電力量を制御可能な車両用発電機の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】エンジンの負荷が低減した場合に、エンジンの回転数上昇や、車輪のスリップを回避または低減する手法として、エンジンの出力を電子制御スロットル等によって低減する手法が知られている。また、この他にも、特開2000−14255号公報によって、モータによる駆動力を急激に大きくしようとして発電機の発電電力を急激に増大させたときに、エンジンストールを防止する制御方法が知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】車両を駆動するエンジンに接続された発電機を有する車両において、発電電力を低減させると、発電機の発電トルクが減少し、その分のエンジンのトルクが過剰となり、エンジンの回転数が増大したり、車両が急加速し、運転者に違和感を与える可能性がある。特に、前後輪のどちらか一方をエンジンが駆動し、エンジンが駆動する発電機の電力をモータに供給し、そのモータでエンジンが駆動していない車輪を駆動するような車両においては、この現象が生じ易い。このような車両では発電機の発電トルクも大きいため、モータの発生トルクを低減した場合に生じる過剰なエンジントルクも大きい。そのため、モータのトルクを急激に低減した場合、エンジンによって駆動する車輪のトルクの増加も大きく、運転者が意図せぬエンジン回転数の急増、車両3の急加速が生じることがある。極端な場合には、図9に示すように、エンジンが駆動する車輪がスリップし、車両の加速が不安定になる。 【0004】発明者らは、後輪のどちらか一方をエンジンが駆動し、エンジンが駆動する発電機の電力をモータに供給し、そのモータでエンジンが駆動していない車輪を駆動するような車両の制御における上記問題を新たに見出したものである。 【0005】しかしながら、上記問題に対して、電子制御スロットルを用いてエンジンのトルクを絞ることは容易に考えられるが、加速が悪化しやすいといった欠点がある。また、エンジンを制御するために、電子制御スロットルが必要であり、また制御が複雑になる。 【0006】本発明は、簡単なシステム構成にて、モータによる駆動を停止し、エンジンのみの駆動に切り替えた場合もスムースな車両の加速が得られ、エンジンの回転数が安定した状態で運行できる車両と、発電機の制御装置の提供を目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の車両用発電機の制御装置は、車両を駆動するエンジンに連結されかつ駆動される発電機の発電電力を制御する発電電力制御装置において、車輪のスリップを検出するスリップ検出手段を備え、発電電力を低減するときに、スリップ検出手段によりスリップが検出されていない場合には、スリップが検出されている場合に比べて、発電機の発電電力を緩やかに低減させるようにしたものである。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明に係る一実施の形態を説明する。図1に、発電機の発電電力を制御する発電電力制御装置が搭載された車両を示す。本車両は、駆動力を発生するエンジン1、エンジンの駆動力を使って駆動される駆動輪9aおよび9b、エンジンによって駆動され、電力を発生する発電機2、発電機の電力の発生量を制御するコントローラ4、モータアシスト力を発生するモータ5,モータによって駆動する二つの車輪8a、8bに分配しモータの駆動力を入り切りするクラッチを内蔵したディファレンシャル6、各車輪の速度を検出する車輪速センサ7、発電機からの発生する電流をモータまで導く配線10、コントローラ4から発電機2の発電電力を制御する信号線2、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(すなわちスロットル開度)を検出するアクセルペダルセンサから構成される。アクセルペダルセンサ、車輪速センサ7の信号はコントローラ4へ伝達される。なお、本車両においては、前輪がエンジンによって、後輪がモータによって駆動される。 【0009】本車両は、通常はエンジン1によって駆動輪9を駆動して走行するが、場合により低速(おおよそ時速30kmまで)では、モータ5によってエンジンに駆動されていない車輪8を駆動する。低速以上の速度では、モータ5の効率が悪化するためエネルギの損失が大きく、モータへの電力の供給を停止すると同時に、駆動輪8からのつれまわしによるモータの過回転防止とディファレンシャルやモータの摩擦抵抗によるエネルギ損失を防ぐために、ディファレンシャル6に組込まれたクラッチを切断する。 【0010】車両が静止状態から発進し、低速域を越えるときには上記のモータ停止およびディファレンシャル内部のクラッチを切り離す操作を行うが、モータ停止のためには、モータが接続している発電機の発電を停止する操作をする必要があり、それはコントローラ4が行う。コントローラ4が発電を急に停止した場合には、発電機が消費していたエンジンのトルクが急に過剰となり、エンジンが駆動する車輪に急激に伝わり、ショックや車輪のスリップ、エンジンの急な回転数上昇につながる恐れがある。そのため、コントローラ4は、下記の制御をおこなう。 【0011】図2にモータのトルクを減少するときの制御の概要を示す。モータのトルクを減少するため、ブロック21では発電機の発電電力を減少する速度の検定を行う。ブロック21の演算結果を基に、ブロック22では発電電力の決定を行う。ブロック23では、ブロック22で決定した発電電力となるように、発電機の発電電力を実際に制御する。このような構成をとるため、発電電力を減少するときには、減少の速度を様様々に設定することができる。 【0012】図3に、ブロック21の内容をしめす。ブロック31では車輪速検出手段として各車輪の回転速度測定する車輪速センサの信号を入力する。 【0013】スリップの有無を調べるため、ブロック32では、車輪速センサの検出信号のうち、特に前輪と後輪の速度差を調べ、後輪の速度が大きい場合には後輪がスリップしていると判断し、ブロック33へ進む。後輪がスリップしていない場合にはブロック34へ進む。ブロック33およびブロック34では、発電電力の減少速度を係数(K)として指定する。係数(K)と減少速度は正の相関があり、大きいときにはより減少の速度が大きい。係数Kの値はブロック33の方が、ブロック34より大きくなるようにしている。すなわち、スリップを検知した時には、そうでない場合のときよりも発電電力の減少速度が速くなるようにしてある。その理由を説明する。 【0014】本実施形態の車両は、エンジンで前輪をモータで後輪を駆動する。一般に、後輪がスリップすると、車両がスピンに陥りやすくなるため、後輪のスリップはできるだけ回避したほうがよい。本車両の場合、後輪がスリップした場合に、スリップを速やかに解消するには、モータのトルク、すなわち発電電力を素早く低減するのが効果的である。そのために、スリップした場合には、減少速度が速くなるように係数(K)を設定する。 【0015】一方、スリップしていない場合には、発電電力の急激な低減はエンジン駆動輪へのトルクの急増大につながり、前輪のスリップを誘発する可能性があるため、避けなければならない。そこで、スリップしていない場合には、ブロック34に格納されている係数(K)を採用する。この係数(K)の値は、ブロック33に格納されている係数(K)の値より小さくなっている。 【0016】ブロック22では、ブロック21で決まった発電電力の減少速度にしたがって、新たに発電電力の制御目標を決定する。発電電力は、必ずしも発電トルクに線形の比例をせず、発電電力を減少させたときに、急激なトルクの変動が現れる可能性がある。そこで、それを防止するため、一旦、発電機の発電電力を発電機のトルクに置換え、そこからトルクを定められた減少速度にそって減少し、最後にトルクを発電電力に置換え、その発電電力に沿うように発電機を制御する。このようにすることで、トルクをスムースに減少させることができ、エンジンの急激なトルク変動を防止することができ、車両の加速等がより滑らかに行われる。 【0017】上記のように、後輪のスリップの有無により発電機の発電電力の減少速度を設定したため、モータ駆動輪のスリップしたときには迅速にモータの駆動トルクを低減し、またスリップしていない場合には、エンジンが駆動する車輪のトルクがスムースに増えるようにすることができる効果がある。 【0018】図4を使って、スリップしていない場合においても、より円滑に発電機を停止する方法を説明する。その場合、ブロック34をブロック41から49で置換える。ブロック32でスリップがないと判断されると、ブロック41にてエンジン回転数をエンジンの回転センサパルスから演算し、次にブロック42にてスロットルバルブ開度をスロットルバルブ開度センサの信号を用いて求める。これらブロック41と42で求めた結果を、ブロック43にて、予め格納しておいたスロットル開度とエンジン回転数をパラメータとしたエンジントルクの2次元テーブルに参照して、エンジントルクを求める。この結果をブロック49に伝達する。 【0019】ブロック44では発電機の現在の出力電圧、ブロック45では発電機の現在の出力電流を検出し、ブロック46で発電電力を求める。ブロック47ではブロック41で求めたエンジン回転数を受け取り、ブロック48では発電機の発電電力とエンジンの回転数をパラメータとした発電機の発電トルクのテーブルから、現在の発電トルクを求める。そして、ブロック49ではエンジンのトルクを発電機の発電トルクで割って、エンジントルクの発電機のトルクに対する比を求め、さらに車両によって変わる、実験的に求めた定数を掛けて、発電電力の減少速度をあらわす係数(K)とする。このように、発電トルクに対するエンジンのトルクの比から発電電力の減少速度をあらわす係数(K)を定めると、発電のトルクが相対的にエンジントルクに対し大きいとき、すなわち発電を停止したときに過剰となるエンジントルクが大きいときには、発電電力の減少速度が小さくなる。 【0020】これらブロック41から49を実施することによって、発電電力が多いときには発電電力の減少速度を小さくすることができ、発電電力を減少した際に生じるエンジンの過剰なトルクの急激な発生を抑えることができる。この操作は、現在のエンジンのトルクと発電機の発電トルクから発電電力の減少速度を決めているが、より、運転者にとって望ましい速度で発電機の発電電力を低減するには、次のようにして発電電力の減少速度を決める方法もある。 【0021】本車両のように、エンジンにより駆動される発電機に直接モータがつながったような構成である場合、発電機により機械エネルギから電気エネルギに、さらにモータにより電気エネルギを機械エネルギに変換するので、エネルギの変換ロスが生じる。よって運転者がより速い加速を望んだときには、なるべく速くモータの駆動力を停止し、エンジンの駆動力のみで加速を行ったほうがエネルギの効率が良い。 【0022】一般に、運転者が速く加速したいときには、アクセルペダルの踏み込み量を大きく(スロットルバルブの開度を大きく)する、あるいは、スロットルペダルの踏み込み速度を速くする。そこで、運転者のアクセルペダルの操作パターンを記憶しておき、運転者が急加速を望んでいるようであれば、発電機の発電電力の減少率を大きくし、速やかにモータの駆動を停止する方法をとると、運転者の意図に沿ってより急な加速が得られる。 【0023】踏み込みパターンの判別をするのに、簡便には、図5のブロック51から53で示す方法がある。 【0024】ブロック51ではブロック42と同様にスロットル開度を検出する。ブロック52ではブロック51の時刻歴を記録しておき、時刻暦からスロットルバルブの開度の時間変化率を演算する。ブロック53には、ブロック51で求めた現在のスロットルバルブ開度と、ブロック52で演算したスロットルバルブの時間変化率をパラメータとした、発電電力の減少速度をあらわす係数(K)のテーブルがある。このテーブルは、時間変化率、あるいはスロットルバルブの開度大きくなると係数(K)が増大するようにできている。 【0025】運転者が急な加速をしようとして、アクセルペダルの踏み込み量が大きい、あるいはアクセルペダルの踏み込み速度が速い、といった場合には係数(K)が大きくあらわれる。その結果、発電機の発電電力の減少速度は速くなり、より速やかにモータの駆動が停止され、エンジンの駆動力による車両の加速ができるようになる。 【0026】本実施形態の制御を使った結果例を図6(a)〜(d)に示す。図6(a)に係数(K)が大きい場合(線B)と小さい場合(線A)の発電量の時間変化、図6(b)に発電トルクの時間変化、図6(c)にエンジン駆動輪のトルクの変化、図6(d)にモータトルクの時間変化を示す。係数Kが大きい場合(線B)は小さい場合に比べて、発電量、発電トルク、モータトルクは急激に低下する。逆に、エンジン駆動輪のトルクは、急激に増大している。 【0027】図7に車輪にスリップがある場合の、車輪速の時間変化、およびスリップレシオと時間の変化を表す。線B(実線)が本実施形態を使用した場合のプロットであり、係数Kは大きい。比較のため、係数Kが小さい場合のプロットを線A(破線)としてしめす。スリップした場合に係数Kを大きくすることにより、エンジン駆動輪とモータ駆動輪の車輪速が速やか一致し、すなわちスリップレシオがゼロに近づいており、より速やかに車両を安定して走行させることができていることわかる。 【0028】図8に、本実施形態を車輪がスリップしていない場合に適用した例を示す。車輪がスリップしていないので、係数Kは小さくなり、そのため発電トルクの減少は緩やかとなっている。そのため、モータの駆動輪トルクの減少も緩やかであり車輪のスリップは生じない。 【0029】 【発明の効果】本発明により、簡単なシステム構成にて、モータによる駆動を停止し、エンジンのみの駆動に切り替えた場合もスムースな車両の加速が得られ、エンジンの回転数が安定した状態で運行できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成14年3月15日(2002.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075096 【弁理士】 【氏名又は名称】作田 康夫
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| 【公開番号】 |
特開2003−274511(P2003−274511A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月26日(2003.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願2002−71188(P2002−71188) |
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