| 【発明の名称】 |
電力変換装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】花村 昭宏 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】温度管理を行う電力変換装置を提供する。
【解決手段】エンジン1の出力軸に発電機2が接続され、エンジン1の駆動によって発電機2で発電された電力がコンバータ3、インバータ5を介してモータ6に出力されてモータ駆動を行う。コンバータ3には、コンバータからの電力が不足しているときに、インバータの出力を維持するバッテリ4が接続されている。コンバータ3とインバータ5は、共通の冷却装置10で冷却される。モータ制御ユニット7は、温度センサ9によって冷却水温度Twを読み取り、冷却水温が過度に上昇したとき、その温度に応じてコンバータ3とインバータ5の合計電力を減少して発熱を抑える。電力の減少はまずコンバータ3から行う。これによって、インバータ5単独の発熱に応じて冷却装置10の冷却能力を設定すれば、インバータとコンバータが過熱になるのを防止することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発電手段と、該発電手段から発電された電力により駆動される駆動手段との間に設けられる電力変換装置において、前記発電手段または駆動手段の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段によって検出された温度が所定の温度以上である時は、前記発電手段と前記駆動手段の合計発熱量を所定値以下に制限する制限手段とを有することを特徴とする電力変換装置。 【請求項2】 前記発電手段と前記駆動手段の合計発熱量は、前記温度検出手段によって検出された温度に対して、前記発電手段または前記駆動手段のどちらかが単独で発熱しても、その上限温度に達しない発熱量に等しく設定されることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。 【請求項3】 前記発電手段は発電機と該発電機から出力される交流電力を直流電力に変換するコンバータを有し、当該コンバータにはバッテリが接続され、前記駆動手段は前記コンバータおよび前記バッテリに接続され、直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記インバータによって駆動されるモータとを有し、前記発電手段と前記駆動手段の合計発熱量が所定値以下に制限された場合は、前記発電手段の出力を初めに制限することを特徴とする請求項1または2記載の電力変換装置。 【請求項4】 前記バッテリの充電量から充電に必要な電力量を演算し、演算された充電電力量を前記発電手段の指令値に重畳するようにしたことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。 【請求項5】 少なくとも前記コンバータと前記インバータは、共通の冷却手段で冷却されるとともに、前記インバータ、コンバータの順番で冷却するようにしたことを特徴とする請求項3または4記載の電力変換装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、とくに温度管理を行うようにした電力変換装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、電気自動車に搭載する電力変換装置は大電力化の要望が著しく、出力の向上に伴い発熱も増大する傾向にある。このため、十分な定格で設計された冷却装置を用いたとしても、高出力状態が長時間続いた場合や故障により冷却能力が低下した場合には、温度が過度に上昇し、効率の低下や装置の破損などを発生する可能性が大きくなる。これらの問題を改善するため、例えば特開平11−55810号公報では過温度保護を行うようにしたものが提案されている。 【0003】これは原動機の出力軸に発電機を接続して必要な電力を発生させ、この電力を用いてモータを駆動して車両を駆動する装置であって、発電機(または電力変換に用いられるコンバータ回路)の温度を検出して所定の温度に到達した場合、その温度に対応して発電機の出力を低減して、発電機(または電力変換に用いられるコンバータ回路)の温度を低減させて保護を行うものである。 【0004】次に、図5、図6を用いて上記従来例の動作を説明する。まず、発電機が発電した電力のみでモータを駆動する場合を考えてみる。発電機とモータの間には、電力変換を行うコンバータとインバータが接続されている。図5は、インバータおよびコンバータ内のパワー素子の温度変化状況を示す図である。ここで、簡単のために発電機の発電電力量がモータの駆動電力量と等しいと仮定し、発電機とモータの間に接続されるコンバータおよびインバータ内のパワー素子の温度Tjも等しいものと考える。冷却水温をTw、温度センサによって検出されるコンバータ温度をTgとし、最大電力時のパワー素子の温度Tjとコンバータ温度の温度差TwをΔTとする。パワー素子の動作上限温度をTjmaxとする。 【0005】モータを制御するモータ制御ユニットが、温度センサから、コンバータ温度Tgを読み取り、必要に応じて発電機の発電量を制限して、パワー素子が過温度になるのを防止する。図7は、発電量の制限値とコンバータ温度Tgとの関係を示す制限マップである。制限マップによれば、コンバータ温度Tgが所定値Tg1未満である場合には、発電機は最大電力量Pmaxまで発電することができる。コンバータ温度Tgが所定値Tg1以上である場合には、コンバータ温度Tgに応じて発電機の発電電力量Pgが制限され、ある温度Tg2に達すると発電量Pgはゼロに制限される。 【0006】ここで、発電機側のコンバータをGとし、モータ側のインバータをMとして、それぞれのパワー素子温度Tjg、Tjmの変化について説明する。コンバータG、インバータMは、最大電力量を出力する時に、パワー素子の温度Tjg、Tjmが最大に達し、コンバータで検出されたコンバータ温度Tgも最大に達する。このとき、コンバータ温度Tgは、所定値Tg1未満の場合は、発電機の電力が制限されないから、コンバータとインバータは最大電力で動作することができ、このときのパワー素子温度Tjm、Tjgの最大温度は、図5の(a)と(b)で示すようにパワー素子の動作上限温度Tjmaxに達することはない。 【0007】一方、コンバータ温度Tgは、所定値Tg1以上になると、(c)で示すように、その温度値に応じて発電機の電力が制限されるから、コンバータおよびインバータの電力も制限され、パワー素子温度Tjm、Tjgの上昇が抑えられる。そして、コンバータ温度Tgがさらに上昇し、所定値Tg2に達すると、発電機の出力がゼロに制限されるから、(d)のように温度の上昇を最大限に抑えられる。 【0008】ここで、インバータが最大出力を要求され続けている場合について考える。まず、冷却水温度が低い状況では、コンバータ温度Tgは所定値Tg1より低いため、コンバータとインバータは最大出力で動作することができる。駆動に伴い冷却水温度Twが上昇するため、コンバータ温度Tgは所定値Tg1を超えるようになり、この時、コンバータ温度Tgに応じて発電機の電力が制限されるため、コンバータのパワー素子温度Tjgは、このときの温度を最高温度として低下していく。インバータとコンバータの電力量が等しいので、インバータのパワー素子温度Tjmも同様に、低下していく。このように、インバータとコンバータを同じ電力とすることによって、コンバータの電力が制限された場合、インバータの電力も制限され、双方の発熱を抑え、冷却水温が一定値で平衡に達し、装置の破損を防止することができる。 【0009】しかし、パワー素子の最高温度Tj=ΔT+Tg1<Tjmaxの関係があり、上記制御法を特にモジュールの熱抵抗が大きいインバータ、コンバータに適用した場合には、ΔTが大きいために、温度の上昇を制限する所定値Tg1を低く設定しなければならず、容易に出力制限されてしまうという問題があった。 【0010】次に、発電機が発電した電力が不足した場合、バッテリの電力を追加してモータを駆動する場合を考える。図6は、この場合のインバータおよびコンバータ内のパワー素子の温度変化状況を示す図である。インバータが最大電力の出力を続けている場合、冷却水温度が低い状況では、図5と同じく、(a)、(b)で示すようにコンバータ温度Tgは所定値Tg1より低いため、コンバータとインバータは最大電力で動作することができる。 【0011】駆動によって冷却水温度が上昇し、(c)のようにコンバータ温度TgはTg1を超えるようになると、発電機の出力が制限されるため、コンバータのパワー素子温度が低下するが、インバータはバッテリの残存容量が許す間は最大出力を続けることができるから、最高温度を維持する。 【0012】これによって、コンバータ温度Tgが所定値Tg2となった時に、コンバータの電力はゼロとなっても、インバータが依然として最大電力を出力し続けることができるから、冷却水温度Twが所定値Tg2を超えて上昇する可能性がある。これを防止するためにインバータ温度を検知してインバータが出力する電力を制限する手段が別途必要になる。 【0013】また、コンバータの電力が制限された状況で、一時的にモータの出力が減少した場合には、コンバータを冷却する能力が向上し、発電機が出力する電力を上げてバッテリに充電を行うことが可能であるが、冷却水の温度はゆっくりと低下していくため、コンバータ温度Tgが低下して発電機の電力制限が解除されるまでには長い時間が必要となり、十分なバッテリの充電が行われない。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、インバータとコンバータの出力を同じ電力とすることにより、高出力が長時間続いた場合や冷却装置の冷却能力が低下した場合でも、インバータおよびコンバータが過温度になることはないが、インバータの出力は、パワー素子温度TjmがTjmaxよりも十分低いにもかかわらず出力が制限されてしまうから、運転者の意図に反して車両の出力が低下する可能性があったり、或いはモータ以外の動力を増大させて動力不足を補うため装置の効率が悪化するという問題があった。 【0015】一方、バッテリを用いて、コンバータの電力が制限された場合に、バッテリの電力で、制限された分をインバータを介してモータに供給する場合は、出力の低下は免れるが、インバータには過温度を防止する装置が必要になり、コスト高になる問題があった。本発明は、上記従来の問題点を鑑み、低コストで、インバータおよびコンバータが過温度になるのを有効に防止し、信頼性の高い電力変換装置を提供することを目的としている。 【0016】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、発電手段と、該発電手段から発電された電力により駆動される駆動手段との間に設けられる電力変換装置において、前記発電手段または駆動手段の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段によって検出された温度が所定の温度以上である時は、前記発電手段と前記駆動手段の合計発熱量を所定値以下に制限する制限手段とを有するものとした。 【0017】請求項2記載の発明は、前記発電手段と前記駆動手段の合計発熱量が、前記温度検出手段によって検出された温度に対して、前記発電手段または前記駆動手段のどちらかが単独で発熱しても、その上限温度に達しない発熱量に等しく設定されたものとした。 【0018】請求項3記載の発明は、前記発電手段は発電機と該発電機から出力される交流電力を直流電力に変換するコンバータを有し、当該コンバータにはバッテリが接続され、前記駆動手段は前記コンバータおよび前記バッテリに接続され、直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記インバータによって駆動されるモータとを有し、前記発電手段と前記駆動手段の合計発熱量が所定値以下に制限された場合は、前記発電手段の出力を初めに制限するものとした。 【0019】請求項4記載の発明は、前記バッテリの充電量から充電に必要な電力量を演算し、演算された充電電力量を前記発電手段の指令値に重畳するようにしたものとした。 【0020】請求項5記載の発明は、少なくとも前記コンバータと前記インバータが、共通の冷却手段で冷却されるとともに、前記インバータ、コンバータの順番で冷却するようにしたものとした。 【0021】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、発電手段または駆動手段の温度を検出し、所定の温度を超えた場合には発電手段および駆動手段の発熱量の合計値を制限することとしたため、過度の温度上昇により発電手段および駆動手段を破損することがない。 【0022】請求項2記載の発明によれば、発電手段または駆動手段の発熱量に合わせて、冷却手段の冷却能力を設定すればよい。発電手段と駆動手段の合計最大損失を冷却するより、冷却手段を小型にすることができ、かつ、駆動手段の出力を低減することはない。また、冷却手段の発熱量の平均化を図ることができるため、冷却水温度の変動が小さくなり、装置の信頼性の向上につながる。 【0023】請求項3記載の発明によれば、インバータまたはコンバータの温度を検出し、所定の温度を超えた場合にはインバータとコンバータの発熱量の合計値を所定の大きさに制限し、最初にコンバータの発熱量から制限することとしたため、コンバータおよびインバータを破損することなく、かつインバータの出力を連続させることができる。例えば電気自動車で用いられた場合は、運転者の意図に反して駆動力が低下してしまうという運転性能の低下が起こりがたい。 【0024】請求項4記載の発明によれば、バッテリの充電量分を予め発電手段が出力するようにしたので、駆動手段の出力が減少した時点で速やかに発電手段の出力を高めてバッテリを充電することができるため、バッテリの充電量がなくなってしまうことを効果的に防止する。なお、合計発熱量を制限しているため、バッテリの充電のために発電手段の出力を高くしても、装置が過温度になることは無い。 【0025】請求項5記載の発明よれば、冷却手段が、インバータ、コンバータの順に冷却する構成としたため、冷却水温度の上昇を効果的に抑止でき、また、冷却水温が高くなる下流側のコンバータの加熱を防止できる。 【0026】 【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を電気自動車の駆動に用いられた実施例により説明する。図1は、実施例の構成を示す図である。エンジン1の出力軸に発電機2が接続されている。発電機2はコンバータ3と電気的に接続され、またコンバータ3とバッテリ4とが電気的に接続される。コンバータ3およびバッテリ4はさらにインバータ5と電気的に接続されている。インバータ5はモータ6と電気的に接続されている。エンジン1の駆動により発電機2が発電し、発電された電力は、コンバータ3、インバータ5を介してモータ6を駆動するとともに、バッテリ4に対して充電可能になっている。 【0027】モータ制御ユニット(MCU)7が、発電機2が出力する交流電流値およびバッテリ電圧、モータ回転数などセンサが検出した情報を入力し、コンバータ3およびインバータ5を制御することによりモータ6を制御する。制御を行うためにはコンバータ3、インバータ5からフィードバック情報Tがモータ制御ユニット7に、モータ制御ユニット7からはスイッチング信号SWが出力されている。 【0028】エンジン制御ユニット(ECU)8がモータ制御ユニット7と信号のやり取りを行うように電気的に接続され、エンジン1の制御を行うようになっている。バッテリ4は充電量SOCを検出する機能をもち、その情報がモータ制御ユニット7に出力され、モータ制御ユニット7では、充電が必要と判断した場合は、充電量を算出し、コンバータ3の出力電力量に充電量分を加算するように指令信号をエンジン制御ユニット8に出力する。コンバータ3とインバータ5を、共通の冷却装置10で冷却し、インバータを上流側に、コンバータを下流側に冷却水が循環するようにし、冷却水の上流側には、温度センサ9を設けて、冷却する直前の冷却水温Twを検出するようになっている。 【0029】次に、実施例の動作について説明する。モータ制御ユニット7は、温度センサ9により冷却水温度Twを読み取り、これが所定の温度Tw1を超えた場合、コンバータ3とインバータ5の合計電力量Pm+Pgを制限する。 【0030】図2は、電力量の制限値と冷却水温度Twとの関係を示す制限マップである。冷却水温度Twが所定値Tw1より低い場合には、コンバータ3とインバータ5は合計で最大電力量Pmaxで動作することができる。冷却水温度Twが所定値Tw1を超えるが、所定値Tw2未満の場合には、冷却水温度Twに応じてコンバータ3とインバータ5の合計電力が制限されるようになっている。冷却水温度Twが所定値Tw2に達したときには、コンバータ3とインバータ5の合計出力がゼロになる。 【0031】モータ制御ユニット7では、温度センサ9から冷却水温度Twを読み取り、冷却水温度Twが所定値Tw1以下と判断した場合には、コンバータ3とインバータ5が最大電力で動作することを可能とし、車両側からの運転指令でモータ6に所定のトルクを発生するようにコンバータ3とインバータ5を制御する。 【0032】冷却水温度Twが、所定値Tw1を超えるが、所定値Tw2未満と判断すると、図2の制限マップにしたがって、コンバータ3とインバータ5の合計電力を制限するように制御する。この際、まず、コンバータ3から電力制限を行い、コンバータ3の出力がゼロになっても、制限値を超えている場合には、インバータ5の電力を制限する。 【0033】冷却装置10は、インバータ5の最大発熱を冷却可能になるように設計される。これにより、コンバータ3の電力がゼロの時点で本来これ以上の水温上昇は起こらない。しかしながら、冷却装置10の性能低下や故障が生じたような場合には、冷却水の温度が更に上昇する可能性があるので、モータ制御ユニット7は、冷却水温度Twが所定値Tw2に達したと判断すれば、コンバータ3とインバータ5の電力をともにゼロにすることによって、コンバータ3とインバータ5の温度上昇を抑える。 【0034】図3は、冷却水温度Twとコンバータおよびインバータの温度上昇の関係を示す図である。(a)では、冷却水温度Twが所定値Tw1以下のため、コンバータ3とインバータ5は、最大電力を出力することができ、電力が最大に達したとき、インバータ5のパワー素子温度Tjm、コンバータ3のパワー素子温度Tjgが最大になる。この場合は、動作制限温度Tjmaxに達することはないから、安定してモータ6を駆動し車両を駆動することができる。 【0035】冷却水温度Twが所定値Tw1を超えた(b)では、コンバータ3の電力が制限されるから、冷却水温度の上昇を抑えることができる。コンバータ3の出力が制限された分、バッテリ4から電力が出力され、インバータ5は、最大電力を維持することができる。 【0036】(c)のように、コンバータ3の電力がゼロに制限されても、温度が上昇した場合には、高出力が長時間持続し、または冷却能力が低下することになるから、インバータ5の電力が制限される。これによって、インバータ5の発熱による冷却水温の上昇が抑えられる。コンバータ3とインバータ5の電力の合計が制限された状況で、モータ6の駆動電力の要求が減少してインバータ5の出力が低下した場合、図4に示すように、インバータ5の電力が減少した分、コンバータ3に電力を発生する余裕が生じるため、(d)のように、モータ制御ユニット7は速やかにコンバータ3の出力を増加する指令をエンジン制御ユニット8に出力し、コンバータ3の電力を増加することができる。 【0037】例えば、バッテリ4の充電量が減少してきた場合は、SOC情報から充電に必要な電力量を算出し、モータ制御ユニット7に指令して発電機2に要求される電力量に加算して発電させる。このようにすると、モータ6側の電力量が低減した際に発電機2側の電力量をその分増加して発電することが可能で、そのときの発熱量は冷却装置10の冷却能力を超えないように制限されるから、装置が過熱することはない。 【0038】そして、冷却装置10の故障などにより、冷却水温度Twが所定値Tw2になったときには、図3の(e)のようにコンバータ3およびインバータ5の出力がゼロに制限される。 【0039】本実施例は以上のように構成され、冷却装置10はインバータ5またはコンバータ3が単独で最大発熱を行ってもパワー素子が動作温度上限に達しない冷却能力で設計すれば十分である。このため、インバータ5とコンバータ3の両方の発熱量の合計の最大値を冷却するものに比べて冷却装置10の冷却能力を小さく設定でき、大幅にその放熱器などを小型化することが可能である。 【0040】また、冷却水温度がTw1に到達した以降はコンバータ3とインバータ5の給電力量が制限されるため、冷却水温度の上昇が抑制され、また、インバータ5の駆動電力が低減できる時は、変わりにコンバータ3の電力をその分増加させるため、冷却水温度の変動が小さくなり、冷却装置10の信頼性の向上につながる。 【0041】さらに、インバータ5を先に冷却してコンバータ3を後で冷却する順番としたため、電力が制限される期間にインバータ5の出力が増加した時はこれに連動してコンバータ3の出力を低減するため、インバータ5によって温度の上がった冷却水がたどり着く前にコンバータ3の発熱を減らすことができるため、水温の上昇を効果的に抑制できる。また、下流ほど冷却水温度が高くなるが、下流側のコンバータ3の出力制限をするため、素子温度の上昇を抑止できて破損の危険性を低減できる。 【0042】インバータ5単独で最大発熱した時に冷却可能な性能の冷却装置を設けているため、コンバータ3出力がゼロになった状況ではインバータ5が最大発熱をしても破損することはないのであるが、冷却装置に異常が発生し、冷却性能が著しく低下した場合などでも、コンバータ3とインバータ5の出力が自動的に制限されるため、装置の破損という致命的な状況を回避できる。 【0043】また、インバータ5の出力まで制限する指令値をモータ制御ユニット7が出力する場合は、冷却装置10に異常が発生している可能性があり、または、過度の高負荷運転がなされている可能性があるため、コンバータ3出力のゼロ指令を出す時点で、運転者に注意表示などをすれば、インバータ5の電力を低減する前に運転者の注意を喚起することもできる。 【0044】なお、上記説明以外にもインバータ5とコンバータ3とモータ6と発電機2を同一の冷却装置で冷却しても良いし、温度センサ9の検出部位はコンバータ3の直後の水温でも良いし、インバータ5とコンバータ3の間の水温でも良いし、インバータ5のパワー素子の温度でも良いし、コンバータ3のパワー素子の温度でも良いし、モータ6の発熱部の温度でも良い。 【0045】また、簡単のために、電力の制限マップを用いて合計電力が制御される説明をしたが、効率マップなどによりコンバータ3とインバータ5の電力と損失の関係が予めわかっている場合には、検出温度対損失マップを用いて合計電力の制御を行うこともできる。また、電力の制限マップの所定値Tw1以上での変化は図2に示した直線に限定されるものではなく、折れ線であったり曲線であっても良いことはいうまでもない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成14年3月15日(2002.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086450 【弁理士】 【氏名又は名称】菊谷 公男 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−274509(P2003−274509A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月26日(2003.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願2002−72403(P2002−72403) |
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