| 【発明の名称】 |
電気自動車の地絡検出回路 |
| 【発明者】 |
【氏名】清水 工 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】小林 徹也 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】加藤 智也 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】藤田 浩 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】杉浦 利彦 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
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| 【要約】 |
【課題】直流電源回路の状態変動にもかかわらず地絡判定精度の格段の改善が可能な電気自動車の地絡検出回路を提供すること。
【解決手段】出力インピーダンス素子25及びカップリングコンデンサ26を通じて高電圧バッテリ1の一点に交流電圧を印加し、出力インピーダンス素子25とカップリングコンデンサ26との接続点の電圧をバンドパスフィルタ22を通じて増幅回路部23に印加することにより、高電圧バッテリ1の電圧変動による地絡誤判定を防止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行モータに電力制御回路を通じて給電するバッテリを含み、接地電位をなす車体に対して高い電気抵抗を有する直流電源回路中の所定の一点に一端が接続されるカップリングコンデンサと、所定周波数の交流電圧を前記カップリングコンデンサの他端に所定の出力インピーダンスを通じて印加する発振回路部と、前記カップリングコンデンサの前記他端の対地電圧を増幅する増幅回路部と、増幅された前記対地電圧の振幅レベルの変化に基づいて前記直流電源回路の地絡を検出する地絡判定回路部と、を備える電気自動車の地絡検出回路において、前記カップリングコンデンサの前記他端と前記増幅回路部の信号電圧入力端との間に介設されて、入力される前記対地電圧のうち前記所定周波数よりも小さい所定の遮断周波数値よりも低い低周波成分を遮断するフィルタを有することを特徴とする電気自動車の地絡検出回路。 【請求項2】請求項1記載の電気自動車の地絡検出回路において、前記増幅回路部は、単電源型オペアンプ回路からなる電気自動車の地絡検出回路。 【請求項3】請求項1記載の電気自動車の地絡検出回路において、前記フィルタは、前記所定周波数の交流電圧を通過させるバンドパスフィルタからなる電気自動車の地絡検出回路。 【請求項4】走行モータまたは車載補機に電力制御回路を通じて給電するバッテリを含み、接地電位をなす車体に対して高い電気抵抗を有する直流電源回路中の所定の一点に一端が接続されるカップリングコンデンサと、所定周波数の交流電圧を前記カップリングコンデンサの他端に所定の出力インピーダンスを通じて印加する発振回路部と、前記カップリングコンデンサの前記他端の対地電圧を増幅する増幅回路部と、増幅された前記対地電圧の振幅レベルの変化に基づいて前記直流電源回路の地絡を検出する地絡判定回路部と、を備える電気自動車の地絡検出回路において、前記発振回路部の前記出力インピーダンスは、前記発振回路部の出力端と前記カップリングコンデンサの前記他端とを接続するコンデンサから主として構成されていることを特徴とする電気自動車の地絡検出回路。 【請求項5】走行モータまたは車載補機に電力制御回路を通じて給電するバッテリを含み、接地電位をなす車体に対して高い電気抵抗を有する直流電源回路中の所定の一点に一端が接続されるカップリングコンデンサと、所定周波数の交流電圧を前記カップリングコンデンサの他端に所定の出力インピーダンスを通じて印加する発振回路部と、前記カップリングコンデンサの前記他端の対地電圧を増幅する増幅回路部と、増幅された前記対地電圧の振幅レベルの変化に基づいて前記直流電源回路の地絡を検出する地絡判定回路部と、を備える電気自動車の地絡検出回路において、前記発振回路部は、所定周期で間欠的に駆動されることを特徴とする電気自動車の地絡検出回路。 【請求項6】走行モータまたは車載補機に電力制御回路を通じて給電するバッテリを含み、接地電位をなす車体に対して高い電気抵抗を有する直流電源回路中の所定の一点に一端が接続されるカップリングコンデンサと、所定周波数の交流電圧を前記カップリングコンデンサの他端に所定の出力インピーダンスを通じて印加する発振回路部と、前記カップリングコンデンサの前記他端の対地電圧を増幅する増幅回路部と、増幅された前記対地電圧の振幅レベルの変化に基づいて前記直流電源回路の地絡を検出する地絡判定回路部と、を備える電気自動車の地絡検出回路において、前記発振回路部は、その出力端と前記カップリングコンデンサの他端とを接続するインピーダンス素子を有し、前記増幅回路部は、前記インピーダンス素子の電位差を差動増幅することを特徴とする電気自動車の地絡検出回路。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車(走行モータまたは車載補機駆動のために従来の12Vよりも高電圧のバッテリを搭載する自動車を言うものとする)の地絡検出回路に関する。 【0002】 【従来の技術】バッテリ電圧として高電圧(たとえば数百V)の採用が合理的であるバッテリ駆動自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車などの電気自動車では、地絡保護の重要性が認識されており、従来より各種の地絡検出方式が提案されている。 【0003】従来の地絡検出方式のうち、特に本出願人らの出願になる特許第2933490は、対地的に浮遊状態に保持された高電圧バッテリ回路(以下、直流電源回路ともいう)中の所定の一点に電圧検出抵抗及びカップリングコンデンサを順次介して低周波電圧を印加し、前記直流電源回路における地絡による前記電圧検出抵抗の電圧降下の変動を検出する地絡検出方式(以下、カップリングコンデンサ型交流検出方式ともいうものとする)を提案している。この方式は、カップリングコンデンサにより地絡検出回路系を直流電源回路から直流的に分離し、かつ、地絡検出回路が検出した信号電圧を、浮遊電圧系である直流電源回路と無関係の通常の対地電源電圧で作動する制御回路系に簡単に出力することができるので、安全性が高くかつフォトカプラなどを必要としないために回路構成を簡素化することができるという利点がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明者らは、上記したカップリングコンデンサ型交流検出方式の実車搭載試験を重ねるうちに、たとえば回生状態から急加速状態へ、又はその逆の状況などの走行状態の急変により高電圧バッテリの蓄電レベルが短時間の間に大きく変動すると、地絡が生じていないにもかかわらず上記地絡検出回路が地絡と誤判定する場合があることを発見した。とくにこの問題は、電圧検出抵抗の電圧降下を増幅する検出回路系が単電源型である場合に顕著であった。 【0005】本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、回路構成の複雑化を抑止しつつ直流電源回路の状態変動にもかかわらず地絡判定精度の格段の改善が可能な電気自動車の地絡検出回路を提供することをその目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の電気自動車の地絡検出回路は、走行モータに電力制御回路を通じて給電するバッテリを含み、接地電位をなす車体に対して高い電気抵抗を有する直流電源回路中の所定の一点に一端が接続されるカップリングコンデンサと、所定周波数の交流電圧を前記カップリングコンデンサの他端に所定の出力インピーダンスを通じて印加する発振回路部と、前記カップリングコンデンサの前記他端の対地電圧を増幅する増幅回路部と、増幅された前記対地電圧の振幅レベルの変化に基づいて前記直流電源回路の地絡を検出する地絡判定回路部とを備える電気自動車の地絡検出回路において、前記カップリングコンデンサの前記他端と前記増幅回路部の信号電圧入力端との間に介設されて、入力される前記対地電圧のうち前記所定周波数よりも小さい所定の遮断周波数値よりも低い低周波成分を遮断するフィルタを有することを特徴としている。 【0007】本発明者らは、上記したカップリングコンデンサ型交流検出方式を採用する電気自動車の地絡検出回路において、直流電源回路(高電圧バッテリ系)の状態変動とその地絡検出回路への影響について実験、解析を進めたところ次のことを見いだした。すなわち、等価回路的には対地絶縁された直流電源回路のバッテリ容量レベルの変動は地絡検出回路の信号電圧に大きな電位変動を与えないはずであると考えられていたが、実際には、高電圧バッテリを構成する各単電池の電極電位変動がこれら電極の対地寄生容量や対地絶縁抵抗を通じて個々に対地結合し、またこれら単電池の総和としての高電圧バッテリの正極端子、負極端子に接続される高位電源線及び低位電源線も対地寄生容量や対地絶縁抵抗を通じて対地結合し、全体としてネットワーク回路を構成している。 【0008】このため、高電圧バッテリの容量変動により直流電源回路の内部電位変動が長じると、この内部電位変動は上記対地寄生容量や対地絶縁抵抗を通じての電流(以下、直流電源回路の内部電位変動に基づく対地電流又は更に簡単に対地電流ともいう)を発生させ、その結果として、この直流電源回路の対地電流が、発振回路部から電圧検出抵抗及びカップリングコンデンサを通じてこれら対地寄生容量や対地絶縁抵抗に流れる交流信号電流に重畳される。 【0009】この直流電源回路の対地電流の一部は、直流電源回路各部からこれら対地寄生容量や対地絶縁抵抗、接地ライン、電圧検出抵抗、カップリングコンデンサを経由する回路を構成するために、この直流電源回路の対地電流の一部は、地絡検出回路の電圧検出抵抗により偽電圧に変換され、この偽電圧は電圧検出抵抗の両端に生じる交流信号電圧に重畳するわけである。 【0010】実験によれば、高電圧バッテリの容量変動の時間的な変化の主要成分は、地絡検出回路の発振回路部が出力する交流電圧の周波数(たとえば1Hz程度)に比較して100mHz程度と小さく、したがって、電圧検出抵抗の両端で検出される信号電圧のうち、発振回路部の発振周波数より小さい遮断周波数(たとえばHz程度)未満の成分をフィルタで遮断すれば、直流電源回路の容量変動に起因する上記偽電圧はほとんど除去でき、これにより、地絡検出回路の誤判定をほとんど除去できることがわかった。 【0011】このようなフィルタとしては単純なハイパスフィルタやバンドパスフィルタを用いればよく、またそれらは簡単なCR受動素子で構成することができ、このフィルタの増設による検出精度の低下やノイズの付加なども小さい。また、このフィルタとして能動型フィルタやソフトウエアフィルタ処理を採用してもよい。 【0012】なお、カップリングコンデンサの他端とこのフィルタとの間に入力電圧振幅範囲が大きい電流バッファや電圧増幅回路を追加してもよい。 【0013】請求項2記載の構成によれば請求項1記載の電気自動車の地絡検出回路において、前記増幅回路部を、単電源型オペアンプ回路により構成している。単電源型オペアンプ回路は、正負電源電圧型オペアンプ回路に比較して入力電圧許容変化範囲が狭く、その結果として、上記した直流電源回路の内部電位変動に基づく偽の対地電流の変化により増幅回路部の出力電圧が偽の電位レベルに振れやすくなる。そこで、このハイパスフィルタやバンドパスフィルタの採用によりこの単電源型オペアンプ回路の入力電圧中の上記偽の対地電流×発振回路部の出力インピーダンスで決定される偽の信号電圧成分を除去すれば、判定精度を劣化させることなく簡単な単電源型オペアンプ回路を採用して地絡検出回路の回路構成を簡素化することができる。 【0014】請求項3記載の構成は請求項1記載の電気自動車の地絡検出回路において、前記フィルタを前記所定周波数の交流電圧を通過させるバンドパスフィルタにより構成する。このようにすれば、種々の高周波ノイズを同時に除去することができるので、地絡判定精度の一層の向上を図ることができる。なお、このバンドパスフィルタとして、前記所定周波数を共振周波数とする共振回路を採用しても良い、請求項4記載の電気自動車の地絡検出回路は、走行モータまたは車載補機に電力制御回路を通じて給電するバッテリを含み、接地電位をなす車体に対して高い電気抵抗を有する直流電源回路中の所定の一点に一端が接続されるカップリングコンデンサと、所定周波数の交流電圧を前記カップリングコンデンサの他端に所定の出力インピーダンスを通じて印加する発振回路部と、前記カップリングコンデンサの前記他端の対地電圧を増幅する増幅回路部と、増幅された前記対地電圧の振幅レベルの変化に基づいて前記直流電源回路の地絡を検出する地絡判定回路部とを備える電気自動車の地絡検出回路において、前記発振回路部の前記出力インピーダンスが、前記発振回路部の出力端と前記カップリングコンデンサの前記他端とを接続するコンデンサから主として構成されていることを特徴としている。 【0015】詳しく説明すると、上記した従来のカップリングコンデンサ型交流検出方式のもう一つの問題点は、直流電源回路の対地寄生容量が非常に大きく、その結果、発振回路部の充放電電流を低減するために、電圧検出抵抗の抵抗値を大きく設定して発振回路部の電力消費の低減を図る必要があることである。しかし、電圧検出抵抗の抵抗を増大すると、主としてカップリングコンデンサと直流電源回路の対地容量(対地絶縁抵抗を無視した場合)との直列コンデンサ回路の容量と電圧検出抵抗の抵抗との積であるCR時定数が大きくなって信号電圧周波数を大きくすることができない。 【0016】そこで、この構成では、発振回路部はこの電圧降下検出用の出力インピーダンスとしてのコンデンサ(電圧降下検出用コンデンサともいう)、カップリングコンデンサ、直流電源回路の対地寄生容量(対地絶縁抵抗を無視した場合)からなる直列コンデンサ回路のうち、電圧降下検出用コンデンサの電圧降下を信号電圧として検出する。このようにすれば、上記CR時定数を大幅に小さくすることができ、高速に地絡を検出することができる。また、従来の電圧検出抵抗の抵抗雑音による検出精度の低下を防止することができる。 【0017】なお、この場合、増幅回路部は、発振回路部の出力段の出力抵抗とこの電圧降下検出用コンデンサとで構成されるCR回路の電圧降下を検出しても良く、電圧降下検出用コンデンサだけの電圧降下を検出しても良い。 【0018】請求項4記載の電気自動車の地絡検出回路は、走行モータまたは車載補機に電力制御回路を通じて給電するバッテリを含み、接地電位をなす車体に対して高い電気抵抗を有する直流電源回路中の所定の一点に一端が接続されるカップリングコンデンサと、所定周波数の交流電圧を前記カップリングコンデンサの他端に所定の出力インピーダンスを通じて印加する発振回路部と、前記カップリングコンデンサの前記他端の対地電圧を増幅する増幅回路部と、増幅された前記対地電圧の振幅レベルの変化に基づいて前記直流電源回路の地絡を検出する地絡判定回路部とを備える電気自動車の地絡検出回路において、前記発振回路部は、所定周期で間欠的に駆動されることを特徴としている。 【0019】上記したように、地絡検出回路から印加される交流電圧により充放電される直流電源回路の対地寄生容量は大きいので、発振回路部の電力消費の低減が過大となる。一方、地絡現象のほとんどは徐々に生じ、また、急激に生じる場合でも主として問題となる火災などの問題は瞬時に生じるものではない。そこで、この発明では、発振回路部は地絡の有無を検出するに十分な発振を所定インタバルで間欠的に実行する。これにより地絡による災害などを抑止しつつ回路の小型化と電力消費の低減を実現することができる。 【0020】請求項6記載の電気自動車の地絡検出回路は、走行モータまたは車載補機に電力制御回路を通じて給電するバッテリを含み、接地電位をなす車体に対して高い電気抵抗を有する直流電源回路中の所定の一点に一端が接続されるカップリングコンデンサと、所定周波数の交流電圧を前記カップリングコンデンサの他端に所定の出力インピーダンスを通じて印加する発振回路部と、前記カップリングコンデンサの前記他端の対地電圧を増幅する増幅回路部と、増幅された前記対地電圧の振幅レベルの変化に基づいて前記直流電源回路の地絡を検出する地絡判定回路部とを備える電気自動車の地絡検出回路において、前記発振回路部は、その出力端と前記カップリングコンデンサの他端とを接続するインピーダンス素子を有し、前記増幅回路部は、前記インピーダンス素子の電位差を差動増幅することを特徴としている。 【0021】本発明によれば、発振回路部内部の出力インピーダンスの電圧降下を検出しないので、この出力インピーダンスの変動の影響による誤差を低減することができるとともに、発振回路部内部又は発振回路部に電源電圧を印加する制御電源回路に発生又は重畳するノイズ電圧を除去することができる。 【0022】 【発明の実施の形態】本発明の好適な実施態様を以下の実施形態を参照して説明する。 【0023】 【実施例1】本発明の電気自動車の地絡検出回路の実施例1を図1に示す回路図を参照して説明する。 (回路構成)1は走行用直流電源である定格電圧数百Vの高電圧バッテリであり、高電圧バッテリ1は図示しない走行モータ制御用インバータ回路やその他の車載電気負荷に給電し、全体として本発明で言う直流電源回路を構成している。この直流電源回路は高電圧バッテリの負極端11および正極端12は車体から電気絶縁されているが、直流電源回路の各部と車体との間には対地寄生容量や対地絶縁抵抗が存在する。図1では、対地寄生容量13や対地絶縁抵抗14は高電圧バッテリ1の負極端11および正極端12に接続されているものと仮に等価図示している。 【0024】2は地絡検出回路であり、発振出力部(発振回路部の一部を構成している)21、バンドパスフィルタ22、増幅回路部23、マイクロコンピュータ24、出力インピーダンス素子25及びカップリングコンデンサ26を有している。マイクロコンピュータ24は、発振回路部の残部と地絡判定回路部とを構成している。 【0025】発振出力部21は、マイクロコンピュータ24から出力される Hzのパルス電圧を電圧、電流増幅し、小さい出力インピーダンスをもつ。発振出力部21は、抵抗器からなる出力インピーダンス素子25及びカップリングコンデンサ26を順次通じて高電圧バッテリ1の負極端11にパルス電圧(交流電圧であればよい)を印加している。バンドパスフィルタ22は、低域側遮断周波数が Hz、高域側遮断周波数が Hzに設定されており、出力インピーダンス素子25とカップリングコンデンサ26との接続点と接地との間の交流電圧を抽出して次の増幅回路部23に出力する。増幅回路部23は、入力された交流電圧を電圧増幅してマイクロコンピュータ24に出力する。マイクロコンピュータ24は、入力電圧のレベルを判定して地絡を判定する。27はローパスフィルタ、28は高低両側で増幅回路部23の出力電圧の振幅レベルを制限する電圧クリップ回路である。 (動作)高電圧バッテリ1の地絡が生じていない場合は、対地絶縁抵抗14が大きいので、抵抗素子からなる出力インピーダンス素子25の電圧降下が小さく、マイクロコンピュータ24が検出する電圧ピークレベルは小さくなるので、検出したローレベル電圧にもとづいてマイクロコンピュータ24は地絡ではないと判定する。 【0026】高電圧バッテリ1が地絡すると、対地絶縁抵抗14が小さくなるために、出力インピーダンス素子25が分担する交流電圧の電圧降下分が増大する。バンドパスフィルタ22は、この電圧のうちバンドパスフィルタ22で発振周波数及びその近傍の帯域成分だけを濾過し、濾過電圧は増幅回路部23で増幅されてマイクロコンピュータ24に入力される。抵抗素子からなる出力インピーダンス素子25の電圧降下が大きくなると小さく、電圧ピークレベルは定期的に大きくなるので、検出したハイレベル電圧にもとづいてマイクロコンピュータ24は地絡であると判定する。 【0027】上記説明した実施例によれば、バンドパスフィルタ22が、高電圧バッテリ1の容量変動により生じた低周波の電位変動が増幅回路部23に入力されるのを遮断することができるので、マイクロコンピュータ24が上記電位変動を地絡と誤判定するのを防止することができる。 (変形態様)変形態様を図2に示す。 【0028】この態様では、図1に示すバンドパスフィルタ22の前段に、遮断周波数がHzのハイパスフィルタ29と、ハイパスフィルタ29の出力電圧を電流増幅する電流バッファ30とを有している。このようにすれば、増幅回路部23に入力される上記電位変動をハイパスフィルタ29とバンドパスフィルタ22とにより二重に除去することができるので、地絡の誤判定を一層低減することができる。なお、バンドパスフィルタ22をローパスフィルタに代替することもできる。 【0029】実験結果を図4〜図7に示すタイミングチャートを参照して以下に説明する。 【0030】図4は高電圧バッテリ1の正極端電位が360Vから0Vに低下した後、0Vから360Vに上昇した場合における増幅回路部23の出力電圧波形を示す従来例(図1においてバンドパスフィルタ22をもたない場合)を示し、図5はバンドパスフィルタ22を持つ場合のそれを示す。図6は高電圧バッテリ1の正極端電位が0Vから360Vに上昇した場合における増幅回路部23の出力電圧波形を示す従来例(図1においてバンドパスフィルタ22をもたない場合)を示し、図7はバンドパスフィルタ22を持つ場合のそれを示す。これらの実験結果からわかるように、バンドパスフィルタ22の増設という簡単な方法により容量変動による優れた地絡判定精度を実現することができる。 (変形態様)変形態様を図3に示す。 【0031】この態様では、図1に示すバンドパスフィルタ22の前段に、遮断周波数がHzのバンドパスフィルタ31と、バンドパスフィルタ31の出力電圧を電流増幅する電流バッファ30とを有している。このようにすれば、増幅回路部23に入力される上記電位変動をバンドパスフィルタ31、22により二重に除去することができるので、地絡の誤判定を一層低減することができる。 【0032】また、この実施例では、電流バッファ30や増幅回路部23を単電源型オペアンプ回路で構成している。すなわち、電流バッファ30や増幅回路部23のオペアンプの電源電圧は、5Vと0Vを電源電圧として用い、バンドパスフィルタ22の出力電圧の直流レベルは2.5Vに設定されている。 【0033】この実施例では、高電圧バッテリ1の容量変動(電圧変動)に伴う増幅回路部23の入力電圧の変動を大幅に低減することができるので、増幅回路部23のオペアンプとして正負5Vの二電源型オペアンプを用いることなく、マイクロコンピュータ24への出力電圧の有害なレベル変動を防止することができる。 【0034】 【実施例2】本発明の電気自動車の地絡検出回路の実施例2を図8を参照して以下に説明する。 【0035】この実施例では、本発明で言う発振回路部の出力インピーダンスを構成する出力インピーダンス素子として、図1に示す抵抗器25の代わりにコンデンサ250を用いたものである。このようにすれば、地絡検出回路のCR時定数を小さくすることができるので、短期間に地絡検出を行うことができる。すなわち、地絡していない時には、対地絶縁抵抗14は非常に大きくなり、バンドパスフィルタ22の入力電圧は、コンデンサ250、カップリングコンデンサ26、対地寄生容量13の間で容量分割される値となり、地絡が生じると対地寄生容量13の電圧が減少してバンドパスフィルタ22の入力電圧は小さくなる。 (変形態様)なお、この場合、発振出力部21の電流が増加するので、発振出力部21を間欠駆動することにより、回路の電力消費を低減することができる。また、この間欠駆動により地絡検出動作を休止する期間に他のオペアンプなどへの電源電圧印加を中止すれば更に電力消費を低減することができる。 【0036】 【実施例3】本発明の電気自動車の地絡検出回路の実施例3を図9を参照して以下に説明する。 【0037】この実施例では、図8に示すコンデンサ250の両端の電圧をそれぞれバンドパスフィルタ221、222を通じて帯域制限して差動増幅器230で差動増幅するようにしたものである。100は発振回路部である。このようにすれば、ノイズ低減を図ることができる。 (変形態様)この実施例では、発振回路部100の出力電圧レベルがハイレベルとなった場合にこのコンデンサ直列回路へ突入する充放電電流が増大し、発振回路部100の出力インピーダンスによる発振回路部100の出力電圧降下が問題となる。そこで、発振回路部100が実際に出力する出力電圧V1により、コンデンサ250の電位差ΔV1を割ることにより、その悪影響を低減することができる。 (変形態様)上記実施例では、カップリングコンデンサは高電圧バッテリの低位端に接続されたが、直流電源回路のどの部位に接続しても良いことは自明である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成14年3月15日(2002.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081776 【弁理士】 【氏名又は名称】大川 宏
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| 【公開番号】 |
特開2003−274504(P2003−274504A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月26日(2003.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願2002−72963(P2002−72963) |
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