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【発明の名称】 搬送台車のトロリー高さ測定装置
【発明者】 【氏名】秦野 直樹
【住所又は居所】千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式会社千葉製鉄所内

【要約】 【課題】搬送台車の側面方向にトロリーが設置されている場合でも、トロリー高さを測定可能として、トロリー高さ異常の早期発見を可能とし、トラブルを未然に防ぐ。

【解決手段】台車側トロリーシュー42直近のパンタグラフ40に、地上基準面32からのパンタグラフの高さL1を測定するパンタグラフ高さ測定センサ(50)を設置し、該パンタグラフ高さ測定センサによる測定値が、予め設定された、保全基準限界値を超過した場合に警報を出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】搬送台車給電用のトロリー高さ測定装置において、台車側トロリーシュー直近のパンタグラフに、地上基準面からのパンタグラフの高さを測定するパンタグラフ高さ測定センサを設置することを特徴とする、搬送台車のトロリー高さ測定装置。
【請求項2】前記パンタグラフ高さ測定センサによる測定値が、予め設定された保全基準限界値を超過した場合に、警報を出力することを特徴とする、請求項1に記載の搬送台車のトロリー高さ測定装置。
【請求項3】台車の走行位置を検出する台車位置検出センサを更に設置し、前記パンタグラフ高さ測定センサによる測定値が、予め設定された保全基準限界値を超過した場合に異常とみなし、該異常が発生した台車の走行位置を、前記台車位置検出センサにより検出して出力することを特徴とする、請求項1又は2に記載の搬送台車のトロリー高さ測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搬送台車用のトロリー高さ測定装置に係り、特に、熱延ライン出側や冷延ラインのコイル搬送台車給電用のトロリー高さ測定に用いるのに好適な、台車の側面方向にトロリーが設置されている場合でも、トロリー高さを測定することが可能な搬送台車のトロリー高さ測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】モータで動く搬送台車に電力を供給する方法の1つに、地上側に配設されたトロリー線に、台車に搭載したパンタグラフのシューを摺動接触する方法がある。この方法でパンタグラフが安定に摺動接触するためには、トロリー線の架設高さを常に基準値に保持する必要がある。
【0003】そのためのトロリーの高さを測定する技術として、従来は、例えば特開平5−278502や、特開平6−281147が提案されている。
【0004】これらの技術では、電車若しくは車体の上方に位置するトロリーに対して、電車若しくは車体から上方に向けて、可視光若しくはレーザ光を照射し、トロリーからの反射光を受光することによって、距離を測定することを基本原理としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1に示す如く、搬送台車10の側面方向にトロリー20が設置されている場合には、既存発明による装置例のように、トロリーは台車の上方向にはなく、既存発明による装置は適用できない。
【0006】更に、図1のように、トロリー20は支持体22により垂直な壁面24に設置されているため、トロリー設置高さと、トロリー高さ測定基準面、例えばレール30の上面や地上面32との間の距離L1は、通常30cm程度と非常に狭い。このため、トロリー20の下部には、既存発明による装置を設置するスペースがない。
【0007】又、トロリー線20は、各相に対応して、高さ方向に3段配列されているので、下方から高さを計測しても、最下段のトロリー線の高さしか測定できない等の問題点を有していた。
【0008】本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、台車の側面方向にトロリーが設置されている場合でも、トロリー高さを測定可能とすることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、搬送台車給電用のトロリー高さ測定装置において、台車側トロリーシュー直近のパンタグラフに、地上基準面からのパンタグラフの高さを測定するパンタグラフ高さ測定センサを設置するようにして、前記課題を解決したものである。
【0010】又、前記パンタグラフ高さ測定センサによる測定値が、予め設定された保全基準限界値を超過した場合に、警報を出力するようにしたものである。
【0011】更に、台車の走行位置を検出する台車位置検出センサを設置し、前記パンタグラフ高さ測定センサによる測定値が、予め設定された保全基準限界値を超過した場合に異常とみなし、該異常が発生した台車の走行位置を、前記台車位置検出センサにより検出して出力するようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明によるトロリー高さ測定装置の第1実施形態を装備した搬送台車10を、該台車10の走行方向から簡略的に描いた正面図である。なお、実際の台車10への給電用トロリー20は、通常、複数本設置されているが、図1においては、本発明の要旨を理解し易くするため、トロリー20の数を1本として描いている。図において、8は、台車10により搬送されるコイルである。
【0014】まず、図1により、台車10の走行時の動作概要を説明する。
【0015】台車10は、台車駆動装置12により、駆動力が車軸14を通じて車輪16に伝わり、レール30の上を走行する。
【0016】走行に必要な電力は、トロリー20に接しているパンタグラフ40の先端に取付けられたトロリーシュー42から台車10へ給電される。
【0017】前記パンタグラフ40は、図2に詳細に示す如く、台車側支持棒44の長穴44Aにより、上下方向にフレキシブルに昇降可能な機構となっており、トロリー20の高さ変動に対して、追従可能となっている。図2において、46は、支持棒44の昇降に合わせて摺動する一対の棒、48は、トロリーシュー42側の棒であり、一対の棒46の上端は、トロリー側の棒48で回動自在に軸支されている。従って、例えば台車10が上昇すると、一対の棒46の下端が長穴44A内を図の左方向へ摺動するので、台車10の昇降に応じて、パンタグラフ40はフレキシブルに動く。
【0018】パンタグラフ40には、該パンタグラフ40とパンタグラフ高さ測定基準面(ここでは地上面32)との間の距離を測定することができる距離計50が取付けられており、図1の例では、A点までの距離を測定可能としている。
【0019】ここで、パンタグラフ高さ測定基準面の高さは、フロアレベル(FL)であり、任意の地点において、一定の高さ、即ち固定値である。
【0020】なお、距離計50は、図1の例では、レーザ光52による反射光検知式センサとしているが、他の形式の距離計を取付けてもよい。
【0021】又、図1中のL1は、パンタグラフ高さ測定基準面32から、トロリー20までの高さを表わしている。
【0022】以下、フロアレベルFLからのトロリー20の高さL1を測定する方法を詳細に説明する。
【0023】パンタグラフ40は、トロリー20の高さ変動に追従して昇降する。即ち、パンタグラフ40の高さは、トロリー20の高さと常に等しい。
【0024】更に、距離計50は、パンタグラフ40に固定されているので、距離計50により測定されたパンタグラフ測定基準面32までの距離は、パンタグラフ40とパンタグラフ高さ測定基準面32の間の距離に等しいことは言うまでもなく、その値は、フロアレベルFLからのトロリー20の高さL1に他ならない。
【0025】次に、図3を参照して、本発明によるトロリー高さ測定装置の第2実施形態を詳細に説明する。
【0026】図3は、図1の右下部分を拡大して示したものである。図3においても、距離計50はパンタグラフ40に固定されているが、その測定対象は、図1と異なり、パンタグラフ40と台車走行レール30の上面のB点との距離L3である。
【0027】図3から、次式の関係が成立する。
【0028】L1=L3*cosθ1+L2 …(1)
【0029】ここで、L2はレール30の高さであるので、既知の固定値であり、又、θ1は、台車10を含む全ての機械の取付位置寸法から定まる固定値である。
【0030】従って、(1)式の関係から、パンタグラフ40とレール30との距離L3を測定することにより、トロリー高さL1が算出可能であることが分かる。即ち、距離計50による測定値L3により、フロアレベルFLからのトロリー20の高さL1を、第2実施形態においても測定可能である。
【0031】この第2実施形態は、床面に搬送台車からの落下物等が存在していて床面の平面性が確保できない場合においても有効に使用できる。
【0032】なお、この第2実施形態はトロリー20と搬送台車10との水平方向の位置関係がレール30の幅以上に大きく偏倚すると正確でなくなる場合があるが、通常の搬送台車では水平方向への相対位置の偏倚は10cm以下程度であって問題はない。又、大きく偏倚するのを避けられないような設置箇所で使用する場合には、距離計50の設置位置にカメラ(図示せず)を設置してレール30近傍を写し、画像解析によりレール上面を認識して、該レール上面へ向けて距離計50の向きを変更すると共に、その向きの変更量からθ1を求める機構とすることもできる。
【0033】次に、図1、図3のIV−IV線に沿う横断面を示した図4を参照して、前記のトロリー高さ測定装置によるトロリー高さ異常検出方法を説明する。
【0034】通常、トロリー20は、トロリー支持材22により、走行方向に対して、ほぼ一定間隔で支持されている。
【0035】トロリー20は、正常であれば図4のC部やD部に示すように、水平に保持されているが、経年劣化等の様々な要因により、E部に示すように、トロリー20が垂れ下がってしまうような異常が発生することがある。このような異常は、台車10のトロリーシュー42外れ等のトラブルを引き起こす原因となるため、早期発見し、是正する必要がある。
【0036】そこで、本発明では、図1や図3に示したような機構のトロリー高さ測定装置を用い、トロリー20の高さL1を測定し、その値が、保全基準値上下限値を超過したことにより、異常と判断する。
【0037】更に、図1に詳細に示す如く、台車10に、その駆動装置12と共に回転するギヤ54を介して台車走行位置検出器56を設け、前記異常が発生した台車の走行位置を、該台車走行位置検出器56により検出して出力することにより、トロリー高さの異常位置を容易に知ることができる。なお、台車走行位置検出器を台車10に搭載する代わりに、地上32側に設けることも可能である。
【0038】前記実施形態は、本発明を、コイル搬送台車に適用していたが、本発明の適用対象はこれに限定されない。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、台車の側面方向にトロリーが設置されている場合でも、トロリー高さを測定できるようになり、トロリー高さ異常を早期発見して、トラブルを未然に防ぐことが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区内幸町二丁目2番3号
【出願日】 平成14年3月13日(2002.3.13)
【代理人】 【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭 (外2名)
【公開番号】 特開2003−274503(P2003−274503A)
【公開日】 平成15年9月26日(2003.9.26)
【出願番号】 特願2002−68845(P2002−68845)