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【発明の名称】 自動車用電池管理システム
【発明者】 【氏名】船橋 淳浩
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】中西 直哉
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】木下 晃
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】能間 俊之
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】米津 育郎
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【要約】 【課題】ハイブリッド電気自動車1に搭載された二次電池14の正確な診断を可能とすると共に、運用方法の改善を図る。

【解決手段】本発明に係る自動車用電池管理システムは、ハイブリッド電気自動車1と、エネルギーステーション21に設置された接続ユニット2と、複数台のハイブリッド電気自動車1を対象として各二次電池14を一元管理する一元管理装置4とから構成される。ハイブリッド電気自動車1は、エネルギーステーション21にて接続ユニット2と通信可能であると共に、接続ユニット2と一元管理装置4とはインターネット3を介して互いに接続されている。ハイブリッド電気自動車1は、その走行状態と二次電池14の動作状態に関する運転情報を収集し、収集された運転情報を接続ユニット2を経由して一元管理装置4へ送信する。一元管理装置4は、複数台のハイブリッド電気自動車1から送られてくる運転情報を蓄積し、管理する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動力の少なくとも一部を二次電池(14)の電力によって発生させる自動車(1)と、自動車(1)に燃料及び/又は電力のエネルギーを補給するエネルギーステーション(21)に設置された接続ユニット(2)と、複数台の自動車(1)を対象として各自動車(1)に搭載されている二次電池(14)を一元管理する一元管理装置(4)とから構成され、自動車(1)は、エネルギーステーション(21)にて接続ユニット(2)と通信可能であると共に、接続ユニット(2)と一元管理装置(4)とはインターネット(3)を介して互いに接続されており、自動車(1)は、自動車(1)の走行状態と二次電池(14)の動作状態に関する運転情報を収集する情報収集手段と、収集された運転情報を接続ユニット(2)を経由して一元管理装置(4)へ送信する情報送信手段とを具え、一元管理装置(4)は、複数台の自動車(1)から送られてくる運転情報を自動車(1)毎に蓄積し、管理することを特徴とする自動車用電池管理システム。
【請求項2】 自動車(1)には、エネルギーステーション(21)にて接続ユニット(2)と接続するための接続ターミナル(19)が設けられ、該接続ターミナル(19)は、エネルギーの補給中に接続ユニット(2)と接続される請求項1又は請求項2に記載の自動車用電池管理システム。
【請求項3】 一元管理装置(4)には、前記運転情報に基づいて自動車(1)の二次電池(14)の特性を診断する診断手段と、診断結果を表わす診断情報を接続ユニット(2)へ送信する情報送信手段とが設けられ、自動車(1)には、一元管理装置(4)から接続ユニット(2)を経て送られてくる診断情報を受診する情報受信手段と、受信された診断情報を運転者に伝達する情報伝達手段とが設けられている請求項1又は請求項2に記載の自動車用電池管理システム。
【請求項4】 一元管理装置(4)には、前記運転情報に基づいて自動車(1)の二次電池(14)を最適運用するための管理情報を作成する情報作成手段と、該管理情報を接続ユニット(2)へ送信する情報送信手段とが設けられ、自動車(1)には、一元管理装置(4)から接続ユニット(2)を経て送られてくる管理情報を受信する情報受信手段と、受信された管理情報に基づいて二次電池(14)の運用方法を切り替える運用切替え手段とが設けられている請求項1又は請求項2に記載の自動車用電池管理システム。
【請求項5】 一元管理装置(4)には、自動車(1)の使用者毎に個人情報が登録されている使用者情報登録手段と、種々の業種の広告情報が登録されている広告情報登録手段と、接続ユニット(2)に接続されている自動車(1)の使用者の個人情報を使用者情報登録手段から抽出し、該個人情報に基づいて前記広告情報登録手段から関連する広告情報を抽出し、接続ユニット(2)へ送信すべき情報に該広告情報を付加する情報付加手段とが設けられている請求項1乃至請求項4の何れかに記載の自動車用電池管理システム。
【請求項6】 一元管理装置(4)の広告情報登録手段に広告情報が登録されている広告提供者から広告費を徴収する請求項5に記載の自動車用電池管理システム。
【請求項7】 駆動力の少なくとも一部を二次電池(14)の電力によって発生させる自動車(1)と、複数台の自動車(1)を対象として各自動車(1)に搭載されている二次電池(14)を一元管理する一元管理装置(4)とから構成され、自動車(1)には、自動車(1)の走行状態と二次電池(14)の動作状態に関する運転情報を収集する情報収集手段と、収集された運転情報をインターネット(3)を経由して一元管理装置(4)へ送信する情報送信手段とを具え、一元管理装置(4)は、複数台の自動車(1)から送られてくる運転情報を自動車(1)毎に蓄積し、管理することを特徴とする自動車用電池管理システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド電気自動車の如く、駆動力の少なくとも一部を二次電池の電力によって発生させる自動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハイブリッド電気自動車においては、例えばパラレル方式の場合、エンジンに大きな負荷がかかる発進時や加速時には、二次電池の電力によってモータを作動させて、駆動力を補助する一方、エンジンの効率が悪い軽負荷時には、モータを発電機に変えて二次電池を充電し、エンジンの負荷変動を平滑化することが行なわれている。この様なハイブリッド電気自動車においては、二次電池の性能を最大限に引き出すことが、燃費の向上を図る上で重要となる。そこで、従来のハイブリッド電気自動車においては、二次電池の出力電圧や電流を監視して、その値が閾値を越えたとき、二次電池の使用を停止させるか、又は異常と判断して自動車の使用者(ドライバー)に報知することが行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ハイブリッド電気自動車においては、主な走行地域が山間部であるか、高速道路であるか、或いは市街地であるかによって、二次電池の使用状態が異なり、これによって二次電池の寿命も変わってくるにも拘わらず、従来は出力電圧や電流を一定の閾値と比較する診断方法が採られているに過ぎず、信頼性の高い診断結果を得ることが出来ない問題があった。又、二次電池は、その性能を最大限に引き出すためには、寿命時期が初期であるか、中期であるか、或いは末期であるかによって、その運用方法を変えることが必要であるが、従来のハイブリッド電気自動車においては、二次電池の運用方法は寿命時期に拘わらず一律となっており、常に最大の性能を引き出すことが出来ない問題があった。更に又、二次電池の管理は、自動車毎に個別に行なわれているに過ぎないため、二次電池の動作状態についての情報を多くの自動車から収集して、運用方法の改善に利用することが出来ない問題があった。
【0004】そこで本発明の目的は、多数の二次電池の特性を一元的に管理して、各二次電池の正確な診断を可能とすると共に、運用方法の改善を図ることが出来る自動車用電池管理システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明に係る自動車用電池管理システムは、駆動力の少なくとも一部を二次電池(14)の電力によって発生させる自動車(1)と、自動車(1)に燃料及び/又は電力のエネルギーを補給するエネルギーステーション(21)に設置された接続ユニット(2)と、複数台の自動車(1)を対象として各自動車(1)に搭載されている二次電池(14)を一元管理する一元管理装置(4)とから構成される。自動車(1)は、エネルギーステーション(21)にて接続ユニット(2)と通信可能であると共に、接続ユニット(2)と一元管理装置(4)とはインターネット(3)を介して互いに接続されている。自動車(1)は、自動車(1)の走行状態と二次電池(14)の動作状態に関する運転情報を収集する情報収集手段と、収集された運転情報を接続ユニット(2)を経由して一元管理装置(4)へ送信する情報送信手段とを具えている。又、一元管理装置(4)は、複数台の自動車(1)から送られてくる運転情報を自動車(1)毎に蓄積し、管理するものである。
【0006】上記本発明の自動車用電池管理システムにおいては、自動車(1)の走行中に、自動車(1)の走行状態に関する運転情報(例えば、走行距離、走行時間等の履歴、燃料消費量)と、二次電池(14)の動作状態に関する運転情報(例えば、電圧、電流、出力、抵抗、温度等の履歴、生涯経過時間)とが自動的に収集される。その後、エネルギーステーション(21)においては、自動車(1)が接続ユニット(2)と接続されて、エネルギーの補給中に、前記収集された運転情報が自動車(1)から接続ユニット(2)を経て一元管理装置(4)へ送信される。一元管理装置(4)は、複数台の自動車(1)から送られてくる運転情報を自動車(1)毎に蓄積し、管理する。
【0007】上記自動車用電池管理システムによれば、複数台の自動車(1)を対象として、各自動車(1)の走行状態と二次電池(14)の動作状態に関する運転情報が自動的に収集されて、これらの情報が一元管理されるので、自動車毎に個別に二次電池の特性を管理していた従来に比べて、より品質の高い管理が実現される。又、自動車(1)の走行状態に関する情報を含む運転情報に基づいて二次電池(14)の寿命を推定することが可能であるので、二次電池(14)の使用状態に応じて、二次電池(14)を高い信頼性で診断することが出来る。更に又、二次電池(14)の寿命に応じて、二次電池(14)の運用方法を変えることが可能であり、これによって、二次電池(14)から常に最大の性能を引き出すことが出来る。
【0008】具体的構成において、自動車(1)には、エネルギーステーション(21)にて接続ユニット(2)と接続するための接続ターミナル(19)が設けられ、該接続ターミナル(19)は、エネルギーの補給中に接続ユニット(2)と接続される。ここで、接続ターミナル(19)は、例えば自動車(1)の給油口の近傍に取り付けられる一方、接続ユニット(2)は、例えば給油ガンに併設された接続ジャックを具え、給油時に、該接続ジャックを接続ターミナル(19)に差し込むことによって、自動車(1)と接続ユニット(2)とが互いに通信可能となる。或いは、近距離無線通信によって自動車(1)の接続ターミナル(19)と接続ユニット(2)とを無線で接続することも可能である。
【0009】又、具体的構成において、一元管理装置(4)には、前記運転情報に基づいて自動車(1)の二次電池(14)の特性を診断する診断手段と、診断結果を表わす診断情報を接続ユニット(2)へ送信する情報送信手段とが設けられ、自動車(1)には、一元管理装置(4)から接続ユニット(2)を経て送られてくる診断情報を受診する情報受信手段と、受信された診断情報を運転者に伝達する情報伝達手段とが設けられている。従って、自動車(1)の使用者は、診断情報に基づいて、二次電池(14)が良好な性能に維持されているか、或いは何らかの不具合が発生しているかを認識することが出来、これによって、二次電池(14)の早期の点検、修理が可能となる。
【0010】或いは、一元管理装置(4)には、前記運転情報に基づいて自動車(1)の二次電池(14)を最適運用するための管理情報を作成する情報作成手段と、該管理情報を接続ユニット(2)へ送信する情報送信手段とが設けられ、自動車(1)には、一元管理装置(4)から接続ユニット(2)を経て送られてくる管理情報を受信する情報受信手段と、受信された管理情報に基づいて二次電池(14)の運用方法を切り替える運用切替え手段とが設けられている。これによって、自動車(1)の二次電池(14)が寿命に拘わらず、常に最適運用されることになる。
【0011】更に具体的な構成において、一元管理装置(4)には、自動車(1)の使用者毎に個人情報が登録されている使用者情報登録手段と、種々の業種の広告情報が登録されている広告情報登録手段と、接続ユニット(2)に接続されている自動車(1)の使用者の個人情報を使用者情報登録手段から抽出し、該個人情報に基づいて前記広告情報登録手段から関連する広告情報を抽出し、接続ユニット(2)へ送信すべき情報に該広告情報を付加する情報付加手段とが設けられている。これによって、自動車(1)の使用者は、二次電池(14)の診断情報と共に、自己にとって有益な広告情報を入手することが出来る。
【0012】又、該具体的構成においては、一元管理装置(4)の広告情報登録手段に広告情報を登録している広告提供者から広告費を徴収することが可能であり、これによって本発明の自動車用電池管理システムの運営が可能となる。
【0013】尚、本発明の自動車用電池管理システムは、上述の如く、自動車(1)から接続ユニット(2)を経由して一元管理装置(4)へ情報を送信し、一元管理装置(4)から接続ユニット(2)を経由して自動車(1)に情報を送信する構成に限らず、接続ユニット(2)を省略して、自動車(1)から直接に一元管理装置(4)へ情報を送信し、一元管理装置(4)から直接に自動車(1)へ情報を送信する構成も採用可能である。この場合、一定期間(例えば100時間)毎、或いは一定走行距離(例えば200km)毎のタイミングで、自動車(1)と一元管理装置(4)の間の通信を実行すればよい。
【0014】
【発明の効果】本発明に係る自動車用電池管理システムによれば、多数の二次電池の特性を一元的に管理して、各二次電池の正確な診断を可能とすると共に、二次電池の運用方法の改善を図ることが出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明をハイブリッド電気自動車に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。図1に示す如く、本発明に係るハイブリッド電気自動車(1)は、エンジン(11)とモータ/発電機(12)とを互いに連結して動力発生装置を構成し、二次電池(14)から供給される直流の電力をインバータ(13)にて交流の電力に変換して、モータ(12)へ供給し、或いは、発電機(12)からの回生電力をインバータ(13)にて直流の電力に変換して、二次電池(14)を充電する、所謂パラレル方式のハイブリッド電気自動車である。
【0016】ハイブリッド電気自動車(1)には、マイクロコンピュータからなる制御装置(15)と、ROMやRAM等からなる記憶装置(16)と、液晶ディスプレイからなる表示装置(17)と、接続装置(18)とが配備されており、接続装置(18)は、給油口(図示省略)の近傍に設置された接続ターミナル(19)と繋がっている。
【0017】一方、ガソリンスタンド等のエネルギーステーション(21)には、接続ユニット(2)が配備されており、該接続ユニット(2)は、給油ガン(図示省略)に併設された接続ジャック(図示省略)を有し、給油時に、該接続ジャックを接続ターミナル(19)に差し込むことによって、自動車(1)と接続ユニット(2)とが互いに通信可能に接続される。
【0018】接続ユニット(2)は、インターネット(3)を介して、ハイブリッド電気自動車(1)のメーカ或いはディーラに設置された一元管理装置(4)と接続されている。一元管理装置(4)はマイクロコンピュータ等から構成され、該一元管理装置(4)には、ハードディスク装置から構成される運転情報データベース(41)、使用者情報データベース(42)及び広告情報データベース(43)が接続されている。
【0019】電池特性データベース(41)には、ハイブリッド電気自動車(1)の走行状態に関する運転情報(走行距離、走行時間等の履歴、燃料消費量等)と、二次電池(14)の動作状態に関する運転情報(電圧、電流、出力、抵抗、温度等の履歴、生涯経過時間等)が、ハイブリッド電気自動車(1)毎に蓄積されており、ハイブリッド電気自動車(1)から接続ユニット(2)及びインターネット(3)を経て随時送られてくる運転情報が追加記録される。使用者情報データベース(42)には、会員登録をしているハイブリッド電気自動車(1)の使用者毎に、性別、年齢、仕事、家族構成、趣味、嗜好等の個人情報が登録されている。又、広告情報データベース(43)には、種々の業種の業者から提供される広告情報が登録されている。
【0020】図3は、ハイブリッド電気自動車(1)の制御装置(15)が実行する制御手続きを表わしている。ハイブリッド電気自動車(1)の電源がオンになると、先ずステップS1では、給油中かどうかが判断される。ここで走行中の場合はノーと判断され、ステップS2にて、ハイブリッド電気自動車(1)の走行状態と二次電池(14)の動作状態に関する上述の運転情報が収集される。収集された運転情報は記憶装置(16)に記憶される。ガソリンスタンドで給油中であって、ハイブリッド電気自動車(1)の接続ターミナル(19)を接続ユニット(2)と接続した状態では、ステップS1にてイエスと判断されて、ステップS3に移行し、接続装置(18)をオンとした後、ステップS4にて、記憶装置(16)に記憶されている運転情報を接続ユニット(2)からインターネット(3)を経由して一元管理装置(4)へ送信する。尚、運転情報には、ハイブリッド電気自動車(1)を識別するための識別データが含まれている。
【0021】一元管理装置(4)においては、図4に示す如くステップS21によって運転情報の受信の有無が監視されており、運転情報の受信があったとき、ステップS22にて、受信した運転情報をハイブリッド電気自動車(1)毎に運転情報データベース(41)に記録する。続いて、ステップS23では、ハイブリッド電気自動車(1)の走行パターンを判別する。例えば図5に示す如く、走行時間の経過に伴う二次電池(14)の出力の変動パターンによって、同図(a)を山間部の走行パターン、同図(b)を市街地の走行パターン、同図(c)を田舎道或いは高速道路の走行パターンと判別することが出来る。尚、同図(a)の山間部走行パターンは、加速減速時の電池出力と時間の積が所定値を上回っているかどうかで判断することが出来る。同図(b)の市街地走行パターンは、加速減速の単位時間当たりの回数が所定値を上回っているかどうかで判断することが出来る。又、同図(c)の高速道路走行パターンは、エンジンの回転数が一定となる時間が所定値を上回っているかどうかで判断することが出来る。
【0022】次に図4のステップS24にて、二次電池(14)の状態を判定する。即ち、一元管理装置(4)においては、二次電池(14)の使用開始からの生涯経過時間、生涯走行距離、給油毎の走行距離、経過時間、燃料消費量、燃費、車温度履歴、エンジン回転数履歴、及び電池の履歴(充電深度(SOC)、電圧、電流、出力、温度)に基づいて、二次電池(14)の寿命をシミュレーションするコンピュータプログラムが登録されており、該シミュレーションの実行によって、現状の電池の特性、全寿命における位置付け、寿命時期の予測を行なう。例えば図6に示す如く、生涯経過時間T、温度t、電圧V、充電深度SOCを変数とする寿命予測関数fに基づいて、現在の生涯経過時間Tにおける換算出力P(初期の換算出力に対する比率)を導出し、更にその結果に図7の判断基準を適用して、寿命時期が初期であるか、中期であるか、或いは末期であるかを判定する。
【0023】又、図6に示す寿命予測関数fにおいて、生涯経過時間Tに対する電池出力Pの変化率ΔP/ΔTを算出し、その結果が所定値を上回っているとき、二次電池(14)に何らかの異常が発生していると診断して、ハイブリッド電気自動車(1)の使用者に点検を促すこととする。そして、上述の寿命予測の結果や診断の結果を診断データとする。
【0024】次に図4のステップS25では、二次電池(14)の運用方法を寿命に応じた最適な運用方法に切り替えるための運用切替えデータを作成する。例えば、図8(a)(b)(c)に示す如く、寿命時期が初期、中期、末期の何れであるかに応じて、二次電池(14)の1セル当りの電圧の下限及び上限の範囲と、電流の上限と、出力及び入力の上限とを導出する。更に、ハイブリッド電気自動車(1)の走行パターンが山間部走行パターン、高速道路走行パターン、市街地走行パターンの何れであるかによって、図8(c)の出力及び入力の上限を更に制限するための、寿命を考慮した出力及び入力の上限を導出する。この様にして導出された制限値を運用切替えデータとする。
【0025】更に、一元管理装置(4)においては、接続ユニット(2)に接続されているハイブリッド電気自動車(1)の個人情報を使用者情報データベース(42)から抽出し、更に該個人情報に基づいて広告情報データベース(43)から関連する広告情報を抽出する。
【0026】そして、図4のステップS26では、上述の診断データ、運用切替えデータ及び広告情報を含む管理情報を作成し、ステップS27にて該管理情報をインターネット(3)を経由して、ハイブリッド電気自動車(1)が給油しているエネルギーステーション(21)の接続ユニット(2)へ送信する。その後、ステップS28にて、一元管理装置(4)の電源がオフとなったかどうかを判断し、ノーの場合はステップS21に戻って、他のエネルギーステーション(21)の他のハイブリッド電気自動車(1)からの運転情報の受信に待機する。
【0027】ハイブリッド電気自動車(1)においては、図3のステップS5にて、一元管理装置(4)からインターネット(3)を経由して送られてくる管理情報を接続ユニット(2)から受信し、ステップS6にて、受信した管理情報を表示装置(17)に表示する。例えば、管理情報に含まれる二次電池(14)の診断情報が表示されることによって、ハイブリッド電気自動車(1)の使用者は、二次電池(14)の状態を認識することが出来、二次電池(14)を早期に点検修理に出すことが可能となる。又、表示装置(17)に広告情報が表示されることによって、ハイブリッド電気自動車(1)の使用者は有益な情報を入手することが出来る。
【0028】次にステップS7では、受診した管理情報に含まれる運用切替えデータによって、それまでの運用切替えデータを更新し、ステップS8では、更新後の運用切替えデータを表示する。その後、ステップS9にて接続装置(18)をオフとし、ステップS10にて送信済みの情報を消去した後、ステップS11にて、ハイブリッド電気自動車(1)の運転が停止されたどうかを判断し、ノーの場合は、ステップS1に戻って、同じ手続きを繰り返す。
【0029】ハイブリッド電気自動車(1)においては、上述の如く運用切替えデータが更新されることによって、該運用切替えデータに基づく新たな運用が開始され、該運用は走行中、継続される。例えば、二次電池(14)のセル電圧が上限値に達すると、強制的に発電機(12)の機能を停止させ、或いは充電回路を遮断し、二次電池(14)に対する充電を停止する。又、二次電池(14)のセル電圧が下限値に達すると、放電を停止し、エンジン(11)によって発電機(12)を駆動して、二次電池(14)を充電する。発進時の出力発生時、或いは減速時の入力発生時に、二次電池(14)に流れる電流が上限値に達すると、それ以上の電流が流れない様に制限がかかる。又、発進時の出力発生時(或いは減速時の入力発生時)に、二次電池(14)の出力(或いは入力)が上限値(或いは下限値)に達すると、その以上の出力(或いは入力)が発生しない様に制限がかかる。更に、ハイブリッド電気自動車(1)の走行パターンに応じて、二次電池(14)の出力(或いは入力)に対して制限が加わることになる。
【0030】本発明に係る自動車用電池管理システムによれば、多数の二次電池の特性が一元的に管理されることによって、各二次電池の診断が正確に行なわれると共に、二次電池が寿命時期に拘わらず常に最適運用されて、ハイブリッド電気自動車の総合的な効率が向上することになる。又、ハイブリッド電気自動車(1)の使用者が転居する等、走行パターンが変化した場合においても、走行パターンの変化に応じて運用方法が切り替えられるので、常に最適な運用が行なわれる。
【0031】更に、本発明に係る自動車用電池管理システムによれば、膨大な量の運転情報の蓄積が可能であり、これによって、二次電池(14)の性能向上や燃費の改善が可能な新しい電池運用方法が開発された場合には、一元管理装置(4)から各ハイブリッド電気自動車(1)へ新しいプログラムをダウンロードすることが可能である。従って、ハイブリッド電気自動車(1)の使用者に負担をかけることなく、運用方法を次々と進化させることが出来る。更に又、一元管理装置(4)の広告情報データベース(43)に広告情報を登録している広告提供者から広告費を徴収することによって、本発明の自動車用電池管理システムの運営が可能となる。
【0032】尚、本発明の自動車用電池管理システムは、図1に示す如くガソリンスタンド等に設置された接続ユニット(2)を介して通信を行なう形態に限らず、図2に示す如く、接続ユニットを省略して、ハイブリッド電気自動車(1)から直接に一元管理装置(4)へ情報を送信し、一元管理装置(4)から直接にハイブリッド電気自動車(1)へ情報を送信する構成も採用可能である。この場合、ハイブリッド電気自動車(1)においては、制御装置(15)に対して接続装置(5)を介して携帯電話機(51)を接続し、該携帯電話機(51)とインターネット(3)上の中継装置(6)との間で、一定期間(例えば100時間)毎、或いは一定走行距離(例えば200km)毎のタイミングで、通信を実行する。又、会員となっているハイブリッド電気自動車(1)の使用者から会費を徴収して、運営費用に充てることも可能である。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
【出願日】 平成14年3月11日(2002.3.11)
【代理人】 【識別番号】100100114
【弁理士】
【氏名又は名称】西岡 伸泰
【公開番号】 特開2003−264906(P2003−264906A)
【公開日】 平成15年9月19日(2003.9.19)
【出願番号】 特願2002−65944(P2002−65944)