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【発明の名称】 ハイブリッド自動車
【発明者】 【氏名】山口 公一
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内

【氏名】小幡 篤臣
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内

【氏名】植野 博孝
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内

【氏名】新野 典彦
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内

【氏名】細矢 龍太郎
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内

【氏名】多賀 豊
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【要約】 【課題】ハイブリッド自動車に搭載されている電池がすでに充電された状態にあるときに、さらに電気制動が有効に作用するように改良する。大型の放熱抵抗器や冷却ファンなどを装備することなく、制動により発電される電気エネルギを合理的に消耗させる。

【解決手段】電気エネルギを回生すべき電池がすでに充電された状態にあるときには、第二電動発電機を車両走行により駆動される発電機となるように制御し、この発電機により発生する電気エネルギを第一電動発電機に供給してこれを電動機として制御駆動し、燃料供給を遮断したエンジンをこの第一電動発電機により回転駆動させる。このときエネルギはエンジンの機械的な回転抵抗により消耗される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジンと、このエンジンの出力軸に連結されたトルク変換手段と、このトルク変換手段のエンジン側の回転軸に結合された第一電動発電機と、このトルク変換手段の駆動車軸側に結合された第二電動発電機と、電池と、この電池にその直流端子が接続され前記第一電動発電機および前記第二電動発電機にそれぞれ交流端子が接続されたインバータと、前記エンジンの出力軸の回転情報および前記第一電動発電機の回転情報ならびに前記第二電動発電機の回転情報を取込み前記インバータが前記二つの電動発電機の界磁巻線にそれぞれ供給する交流位相を制御する制御回路とを備えたハイブリッド自動車において、前記制御回路には、車両が制動状態になったときに前記第二電動発電機を発電機として制御し、前記エンジンに対する燃料供給を遮断もしくは制限するとともに、前記第一電動発電機を電動機として制御しこの第一電動発電機に前記第二電動発電機から電力を供給することにより前記エンジンを回転駆動させる制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド自動車。
【請求項2】前記制御回路には、前記第一電動発電機により前記エンジンを回転駆動させているときにそのエンジンの排気通路に設けられた排気ブレーキ弁を閉塞状態に制御する手段を含む請求項1記載のハイブリッド自動車。
【請求項3】前記排気ブレーキ弁を閉塞状態に制御する手段は、運転席に設けられた排気ブレーキ・スイッチの操作により有効化される請求項2記載のハイブリッド自動車。
【請求項4】前記トルク変換手段はプラネタリギヤである請求項1記載のハイブリッド自動車。
【請求項5】前記プラネタリギヤのキャリア・ギヤに前記エンジンの出力軸が連結され、このプラネタリギヤのサン・ギヤに前記第一電動発電機の回転子が連結され、このプラネタリギヤのリング・ギヤに前記第二電動発電機の回転子が連結された請求項2記載のハイブリッド自動車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハイブリッド自動車の制動モードの改良に関する。本発明は、一つの内燃機関によるエンジンと、二つの電動発電機と、この二つの電動発電機の間に設けた一つのトルク変換手段(具体例としてプラネタリギヤ)との組み合わせにより、車両の走行車軸を回転駆動し、またその走行車軸の回転駆動力により電池に電気エネルギを蓄積させるハイブリッド自動車の改良に関する。とくに車両が制動状態にあるとき、電池がすでに充電されているときの電気エネルギの放散に関する。
【0002】
【従来の技術】はじめに、一つのエンジンと、二つの電動発電機と、一組のプラネタリギヤとの組み合わせによるハイブリッド自動車について、その構成および動作の概要を説明する。この構成は特開平7−135701号公報(出願人: エクォス・リサーチ)に開示された技術に関連するものである。
【0003】車両のシャシに取り付けられたエンジン1の出力軸は、プラネタリギヤ2のキャリア・ギヤCに固定的に連結されている。このプラネタリギヤ2のサン・ギヤSには、第一電動発電機11の回転子が固定的に連結される。この第一電動発電機11の界磁巻線は車両のシャシに固定されている。このプラネタリギヤ2のリング・ギヤRには第二電動発電機12の回転子が固定的に連結される。この第二電動発電機12の界磁巻線は車両のシャシに固定されている。そして、この電動発電機12の回転子がプロペラ軸3に固定的に連結され、差動歯車8を介して車輪9を駆動する。
【0004】第一電動発電機11および第二電動発電機12はいずれも三相の同期回転機であり、回転子はブラシレスである。この三相の同期回転機は、界磁巻線に供給される三相交流の位相回転速度と回転子の機械的な回転速度との関係にしたがって、電動機としてあるいは発電機としても作用する。二つの電動発電機の界磁巻線は、それぞれインバータ4の二つの交流端子に接続され、このインバータ4の直流端子は電池5に接続される。そしてこのインバータ4が、それぞれ二つの電動発電機11および12に供給する三相交流の位相回転速度はそれぞれ制御回路6により制御される。制御回路6は、エンジン1の駆動軸(プラネタリギヤ2のキャリア・ギヤCと同じ)の回転センサ、第一電動発電機11の回転子(プラネタリギヤ2のサン・ギヤSと同じ)の回転センサ、および第二電動発電機12の回転子(プラネタリギヤ2のリング・ギヤRと同じ)の回転センサの検出出力にしたがって、二つの電動発電機11および12の界磁巻線に供給する三相交流の位相をそれぞれ制御する。
【0005】二つの電動発電機11および12は、その回転子の機械的な回転速度が界磁巻線に供給される交流電流が形成する回転位相の回転速度より小さいとき、それぞれ電動機として作用する。このとき電気エネルギは電池5から電動機に流れる。二つの電動発電機11および12は、その回転子の機械的な回転速度が界磁巻線の回転位相の回転速度より大きいときには、それぞれ発電機として作用する。このとき電動発電機により電気エネルギが発電されて、インバータ4を介して電池5に流れ、電池5は充電される。すなわち、二つの電動発電機11および12は、それぞれ電動機として作用するときには車両を走行駆動させ、発電機として作用するときには電気制動の状態となり車両に対しては制動力を与え、発電により生じた電力を電池5に充電することにより、いわゆる回生制動の状態となる。二つの電動発電機11および12の一方が発電機として作用しているとき、その発電機から発生する電気エネルギを他方の電動発電機を電動機として作用させ、発電機で発生した電気エネルギを電動機として利用するように動作させることもできる。電動発電機の界磁巻線により発生する位相回転速度が回転子の機械的な回転速度とちょうど等しい状態になると、電動発電機はたんに空転している状態になり、その電動発電機ではエネルギの発生も消費もなくなる。
【0006】さらにエンジン1の燃料ポンプ7がエンジンに供給する燃料流量は、前記制御回路6からの信号に応じてエンジン制御回路10により制御される。エンジンに負荷をかけると、その回転速度にしたがって発生する駆動力が変化し燃料消費量も変化する。エンジンに対する負荷を変化させてもエンジンの回転速度が一定になるように、そのエンジンに対する燃料供給量を調節制御すると、発生する駆動力に対して最も効率的に燃料を供給することができる駆動力の点がわかる。複数の回転速度について最も効率的に燃料を供給することができる駆動力の点が得られると、回転速度に対する駆動力の平面上に最も効率のよい最適動作曲線を描くことができる。さらにこの最適動作曲線の上で最も燃料効率のよい最適回転速度の点を知ることができる。
【0007】いま一例として車両が発進し加速するときの状態を考えると、エンジンは車速が大きくなるにしたがって回転速度が大きくなる。しかし図1に示す構成のハイブリッド自動車では、二つの電動発電機11および12を補助電動機として作用させることにより、エンジン1の回転速度を最適回転速度に維持させて加速を実行するように制御することができる。さらに車両が加速すると、最適回転速度で回転するエンジン1が発生する回転エネルギに余剰分が生じてくる。このとき第一電動発電機11を発電機として作用させ、第二電動発電機12が消費する電力の一部を補うように制御することが可能になる。このようにして、車両速度がしだいに上昇する加速時に、エンジン1の回転速度を連続的に最適回転速度に維持させるように制御することができる。
【0008】なお上記従来例技術として例示した特許公開公報との関連を説明すると、この公報には多数の実施例が記載されていて、上で説明した構成は、上記公報に第16実施例として説明されている図34に示される構成に関連が深い。この図34の構成では、上で説明した構成とは、プラネタリギヤのリング・ギヤおよびキャリア・ギヤの結合が、入れ違いになっている構成として理解することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような装置で、車両が減速する状態になると、エンジンに対する燃料供給量はエンジン制御回路の制御により最小値に制限され、第二電動発電機を発電機として作用させて電気制動の状態となる。電気制動により発生した電気エネルギは電池5に回生充電される。このとき電池がすでに充電された状態にあり、さらに充電を行うことができる余裕がなくなっていると、第二電動発電機により発電された電気エネルギは行き先がなくなり制動効果も得られないことになる。
【0010】このような状態のときに、回生すべき電気エネルギを抵抗器に供給して、熱として消費放散するように構成されたハイブリッド自動車も知られている。しかしこのための抵抗器はかなり大型のものを必要とする。とくに車両が貨物自動車である場合には、最大積載量に相当する貨物が搭載されているときには、電気制動により発生する電気エネルギは相応に大きくなる。このために急に発熱する大型の抵抗器を車両に装備しなければならない。これには相応に大型かつ堅固な機械構造が必要であるとともに、冷却ファンなど大きい空間を必要とする装備も設けなければならない。
【0011】電池をさらに大型のものを装備するように設計することも考えられるが、電池の重量および体積が大きくなると、車両の積載能力を小さくすることになるからそれには限度がある。これはとくに貨物自動車の設計についてはきわめて重要な要素である。またこのように電池が充電された状態にあって、さらに制動により電気エネルギが発生される状態は、車両の運行状況からきわめてひんぱんに、あるいは定常的に発生する状態ではないから、このために車両構造を変更したり車両重量を増大させることは合理的な設計にはならない。また電池が充電された状態にあるときに、制動能力が十分でなくなる場合には、車輪の摩擦ブレーキの負担が大きくなり、ハイブリッド自動車としての特長が失われることになる。
【0012】本発明はこのような背景に行われたものであって、制動により発生した電気エネルギを回生するための電池が充電された状態になったときに、制動により発生する大きい電気エネルギを合理的に放散させることができる構造を提供することを目的とする。本発明は、特別な付加構造を設けることなく、車両重量を増大させたり、車両の積載能力を制限することなく、電気制動により発生する電気エネルギを放散させることができるハイブリッド自動車を提供することを目的とする。本発明は、ハイブリッド自動車としての特長を有効に利用することができる装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、車軸側に連結された第二電動発電機を発電機として作動させ車両の電気制動を行うときに、電池がさらに充電電流を受け入れる余裕がなくなったときには、エンジンに供給する燃料を遮断もしくはきわめて小さくするとともに、第一電動発電機を電動機として作動させ、第二電動発電機により発電される電気エネルギを第一電動発電機に供給し、エンジンを強制的に回転駆動させるように制御することを最大の特徴とする。すなわちこの状態では、エンジンが第一電動発電機により駆動されてエンジン・ブレーキの状態になり、電気制動により第二電動発電機から発生した電気エネルギは、エンジンの機械的な回転抵抗により消費されることになる。エンジンには相応に大きい熱放散のための装置が装備されているから、ここにあらためて熱放散のための装備を行う必要はない。さらにこのエンジンの排気管路に排気ブレーキが装備されているなら、あわせて排気ブレーキ弁を閉塞状態に制御することにより、エンジンの実効的な機械的な回転抵抗はさらに大きくなり制動状態は有効になる。
【0014】すなわち本発明は、エンジン(1)と、このエンジン(1)の出力軸に連結されたトルク変換手段(2)と、このトルク変換手段(2)のエンジン側の回転軸に結合された第一電動発電機(11)と、このトルク変換手段(2)の駆動車軸側に結合された第二電動発電機(12)と、電池(5)と、この電池(5)にその直流端子が接続され前記第一電動発電機(11)および前記第二電動発電機(12)にそれぞれ交流端子が接続されたインバータ(4)と、前記エンジン(1)の出力軸の回転情報および前記第一電動発電機(11)の回転情報ならびに前記第二電動発電機(12)の回転情報を取込み前記インバータ(4)が前記二つの電動発電機(11,12)の界磁巻線にそれぞれ供給する交流位相を制御する制御回路(6)とを備えたハイブリッド自動車において、前記制御回路(6)には、車両が制動状態になったときに前記第二電動発電機(12)を発電機として制御し、前記エンジン(1)に対する燃料供給を遮断もしくは制限するとともに、前記第一電動発電機(11)を電動機として制御しこの第一電動発電機(11)に前記第二電動発電機(12)から電力を供給することにより前記エンジン(1)を回転駆動させる制御手段を備えたことを特徴とする。
【0015】上記括弧内の数字はあとから説明する実施例図面の参照数字である。これは、本発明の構成を理解しやすいように付すものであって、本発明を実施例の構成に限定して理解するためのものではない。以下の説明においても同様である。
【0016】ここで「電池」と表現するものは、電気エネルギを充電または放電することができるあらゆる要素を含むものであり、化学的な蓄電池に限るものではない。たとえば大きい静電容量による蓄電素子およびその組み合わせもこの「電池」に含まれる。
【0017】前記「車両が制動状態になったとき」とは、運転操作によりブレーキ操作が行われたときのほか、アクセル・ペダルの操作により走行中の車両が実質的に制動状態になったときを含む。
【0018】前記制御回路(6)には、前記第一電動発電機により前記エンジン(1)を回転駆動させているときにそのエンジン(1)の排気通路に設れらた排気ブレーキ弁(15)を閉塞状態に制御する手段を含む構成とすることができる。この排気ブレーキ弁(15)を閉塞状態に制御する手段は、車両が回生制動の状態になったときに自動的に連動して起動されるように構成することができるし、あるいは運転席に設けられた排気ブレーキ・スイッチの操作により有効化される構成とすることができる。
【0019】前記トルク変換手段はプラネタリギヤであり、このプラネタリギヤのキャリア・ギヤに前記エンジンの出力軸(3)が連結され、このプラネタリギヤのサン・ギヤに前記第一電動発電機(11)の回転子が連結され、このプラネタリギヤのリング・ギヤに前記第二電動発電機(12)の回転子が連結された構成とすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明実施例装置のブロック構成図である。この装置は、エンジン1と、このエンジン1の出力軸に連結されたトルク変換手段としてのプラネタリギヤ2と、このプラネタリギヤ2のエンジン側の回転軸に結合された第一電動発電機11と、このプラネタリギヤ2の駆動車軸側に結合された第二電動発電機12と、電池5と、この電池5にその直流端子が接続され前記第一電動発電機11および前記第二電動発電機12にそれぞれ交流端子が接続されたインバータ4と、前記エンジン1の出力軸の回転情報および前記第一電動発電機11の回転情報ならびに前記第二電動発電機12の回転情報を取込み前記インバータ4が前記二つの電動発電機11、12の界磁巻線にそれぞれ供給する交流位相を制御する制御回路6とを備えた装置である。この装置の基本的な構成は上記従来例装置の欄で説明したので、ここではその説明の繰り返しは回避する。
【0021】本発明の特徴とするところは、車両が制動状態になったときに、電池5が充電された状態にあり、さらなる電気エネルギの蓄積が不可能あるいはほとんど不可能になったときの制御にある。すなわち、制御回路6は電池5の充電状態の情報を取り込む。そして、電池5がすでに充電された状態にあり、さらなる電気エネルギを充電できないとき、あるいはほとんど充電された状態にあり、もはやほとんど充電することができない状態にあるときに、第二電動発電機12を発電機として動作させ、その発電により生じた電気エネルギを第一電動発電機11に供給し、プラネタリギヤ2を介してエンジン1を強制的に回転駆動するように制御することにある。このとき、エンジン1に供給される燃料は遮断される、あるいはきわめて小さい流量に制限される。
【0022】したがって、電動機として作用している第一電動発電機11の機械的な回転出力は、エンジン1の機械的な回転抵抗により消耗されることになる。またエンジン1には、補機13として表示されているように、車両に搭載された各種電気装置に電流を供給するためのオルタネータ(12Vあるいは24V)、空気コンプレッサ、真空ポンプ、冷却ファン、冷却水の駆動ポンプ、その他が定常的に連結されていて、これら補機13に回転エネルギを供給することにより利用される。
【0023】エンジン1か空転することにより消費される機械的な回転エネルギは、エンジン1を発熱させることにより消耗される。エンジン1には冷却水の循環装置、冷却ファンなど、有効に熱放散を実行するための装備が施されているから、あらためて熱放散のための規模の大きい装備を必要としない。
【0024】エンジン1の機械的な回転抵抗をさらに大きくするには、エンジン1の排気通路14に設けられた排気ブレーキ弁15を閉塞状態に制御することが、きわめて有効である。排気ブレーキ弁15に係る主要な装備は、排気通路14に設けられた電動の排気ブレーキ弁15、運転席の操舵輪のすぐ下方に設けられた排気ブレーキ・スイッチ16、およびこの排気ブレーキ・スイッチ16の操作情報にしたがって、排気ブレーキ弁15を制御する制御ソフトウエアおよびリレー回路である。制御ソフトウエアはエンジン制御回路10に実装される。これらの排気ブレーキ弁に係る装備は、すでに大型のエンジンについて広く実施されているところであり、本発明ではこれらの装備を利用することにより、特別の付加装置を必要とすることなく制動により生じるエネルギを合理的に処理することができる。この排気ブレーキ弁15の制御は、制御回路6の制御により自動的に実行するように構成することができる。試作装置であるこの実施例装置では、運転者が排気ブレーキ・スイッチ16を操作することにより有効になるように構成された。
【0025】車両が制動状態になったことは制御回路6のソフトウエアにより判定される。すなわち制御回路6にはアクセル・ペダル17の操作情報、排気ブレーキ・スイッチ16の操作情報、および車速情報(具体的にはプロペラ軸3の回転情報すなわちリング・ギヤRの回転情報)が取り込まれていて、主としてアクセル・ペダルの操作量に対する車速の変化から判定される。排気ブレーキ・スイッチ16の操作情報は、エンジン制御回路10から通信バス18を経由して制御回路6に取り込まれる。車両が制動状態になったことを判定するソフトウエアについては、すでに多くのものが知られているので、ここではさらに詳しい説明は省略する。
【0026】ハイブリッド自動車に装備される電池5の充電状態の判定については、電池の種類および性質によりさまざまな技術が知られていて、これらを利用することができる。もっとも単純には電池の端子電圧を監視することにより充電状態の情報が得られる。さらに詳しくは電池から放電電流が供給されている状態にあるとき、その放電電流に対応する端子電圧を監視し、あらかじめ設定されたテーブルを参照して充電状態を判定する論理回路を利用することである。このような論理回路は制御回路6にソフトウエアにより設けることができる。
【0027】図2に、本発明実施例装置の制御回路6に設けられるソフトウエアについて、その要部構成をフローチャートにより示す。すなわち車両が制動状態になったとき、電池5の状態判定を実行し、電池5がすでに充電されている状態にあるときには、エンジン制御回路10に制御信号を送りエンジン1に供給する燃料を遮断する。さらに第二電動発電機12を発電機とし、第一電動発電機11を電動機として、第二電動発電機12の発電エネルギを第一電動発電機11に供給するように制御を実行する。第一電動発電機11の回転速度をその制動状態に応じてエンジン1の機械的回転抵抗の大きい領域に制御する。さらに、排気ブレーキスイッチ16がオン状態に操作されているなら、エンジン制御回路10に制御信号を送り排気ブレーキ弁15を閉塞状態に制御する。電池5の状態がさらに充電電流を受け入れることができる状態であるときの通常の制御については、ここでは説明を省略する。
【0028】
【発明の効果】本発明の装置は、制動により発生した電気エネルギを回生するための電池が充電された状態になったときに、制動により発生する大きい電気エネルギを合理的に放散させることができる。本発明により、特別な付加構造を設けることなく、車両重量を増大させたり、車両の積載能力を制限することなく、電気制動により発生する電気エネルギを放散させることができるハイブリッド自動車を提供することができる。本発明により、電池にさらなる充電が不可能になっている状態でも、ハイブリッド自動車としての特長を有効に利用することができる。
【出願人】 【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
【出願日】 平成14年3月8日(2002.3.8)
【代理人】 【識別番号】100078237
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 直孝 (外1名)
【公開番号】 特開2003−264904(P2003−264904A)
【公開日】 平成15年9月19日(2003.9.19)
【出願番号】 特願2002−63736(P2002−63736)