| 【発明の名称】 |
荷役車両の走行制御装置及び制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】冨山 泰信 【住所又は居所】京都府長岡京市東神足2丁目1番1号 日本輸送機株式 会社内
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| 【要約】 |
【課題】プラギング開始時における走行速度が同じであれば、荷重の大小に関係なく常に同じ制動距離で停止できるようにする。
【解決手段】CPU33により、アクセルオフプラギングによる制動開始直後における速度センサ31による検出速度から、当初目標制動距離が導出され、CPU33により、プラギングに制動開始から制動途中における走行距離が導出されると共に、当初目標制動距離からこの制動途中における走行距離を減算した残り制動距離が導出され、残り制動距離と、この残り制動距離導出時における走行速度から導出される途中制動距離とが比較され、残り制動距離の方が長ければ、所定の目標電流値が走行モータ39を流れる電流値より大きいかどうか判断されて、目標電流値の方が大きければチョッパ回路37bがオンされ、小さければモータ駆動手段がオフされる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アクセルの操作に応じモータ駆動手段により出力制御される走行モータを備え、前記アクセルを中立状態に戻したときに、前記モータ駆動手段により前記走行モータにプラギングによる制動をかける荷役車両の走行制御装置において、プラギングによる制動時に前記荷役車両の走行速度を検出する速度検出手段と、前記速度検出手段による検出速度に比例する目標制動距離を導出する制動距離導出手段と、プラギングによる制動開始から制動途中における走行距離を導出する走行距離導出手段と、プラギングによる制動開始直後における前記制動距離導出手段による当初目標制動距離から、前記走行距離導出手段により導出される前記走行距離を減算した残り制動距離を導出する残り制動距離導出手段と、前記残り制動距離導出手段による前記残り制動距離の導出時における前記検出速度から、前記制動距離導出手段により導出される途中目標制動距離と、前記残り制動距離とを比較する比較手段と、前記走行モータの電流を検出する電流検出手段と、前記比較手段により前記残り制動距離の方が前記途中目標制動距離よりも長い場合に、所定の目標電流値が前記電流検出手段により検出される電流値より大きいかどうかを判断し、大きいときには前記モータ駆動手段をオンし、小さいときに前記モータ駆動手段をオフする制御手段とを備えていることを特徴とする荷役車両の走行制御装置。 【請求項2】 走行速度に対する目標制動距離の関係データを予め記憶した記憶手段を備え、前記制動距離導出手段が、前記速度検出手段による検出速度に対応する前記目標制動距離を前記記憶手段から読み出すものであることを特徴とする請求項1に記載の荷役車両の走行制御装置。 【請求項3】 前記モータ駆動手段が、プラギングによる制動時に、前記走行モータへの電流の通流方向を設定するコンタクタを切り換える切換手段と、前記走行モータへの電流を制御するチョッパ回路とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の荷役車両の走行制御装置。 【請求項4】 アクセルの操作に応じモータ駆動手段により出力制御される走行モータを備え、前記アクセルを中立状態に戻したときに、前記モータ駆動手段により前記走行モータにプラギングによる制動をかける荷役車両の走行制御方法において、プラギングによる制動開始直後に前記荷役車両の走行速度を検出すると共に、この検出速度に比例する当初目標制動距離を導出し、プラギングによる制動開始から制動途中における走行距離を導出すると共に、前記当初目標制動距離から、制動途中に導出した前記走行距離を減算した残り制動距離を導出し、前記残り制動距離の導出時に走行速度を検出し、このときの検出速度に比例する途中目標制動距離と、前記残り制動距離とを比較し、比較の結果、前記残り制動距離の方が前記途中目標制動距離よりも長い場合に、所定の目標電流値がそのときの前記走行モータを流れる電流値より大きいかどうかを判断し、大きいときには前記モータ駆動手段をオンし、小さいときには前記モータ駆動手段をオフすることを特徴とする荷役車両の走行制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、アクセルの操作に応じモータ駆動手段により出力制御される走行モータを備え、アクセルを中立状態に戻したときに、モータ駆動手段により走行モータにプラギングによる制動をかける荷役車両の走行制御装置及び制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術】荷役車両であるフォークリフトでは、アクセルを中立状態に戻したときに、チョッパ回路等から成るモータ駆動手段により走行モータにプラギングによる制動をかけることが行われている。この制動は、回生を伴わないことから、アクセルオフプラギングと呼ばれている。 【0003】そして、従来のアクセルオフプラギングの制御動作は、例えば図6に示すようなフローチャートに従って行われる。即ち、アクセルオフプラギングモードがスタートすると、図6に示すように、アクセルが中立か否かの判定がなされ(S1)、この判定結果がNOであれば、アクセルオフプラギングではないと判断されてニュートラルモードの制御に移行する。 【0004】一方、ステップS1の判定結果がYESであれば、速度検出器などにより検出される車体の走行速度Vが予め設定された設定速度Vs以下(V≦Vs;Vsは例えば3km/hの低速度)であるか否かの判定がなされ(S2)、この判定結果がYESであれば、アクセルオフプラギングの必要はないと判断されてニュートラルモードの制御に移行し、判定結果がNOであれば、モータ駆動手段の故障やコンタクタの異常といったエラーがあるか否かの判定がなされ(S3)、この判定結果がYESであれば、アクセルオフプラギングの必要はないと判断されてニュートラルモードの制御に移行する。 【0005】また、上記したステップ3の判定結果がNOであれば、車両が暴走状態か否かの判定がなされ(S4)、この判定結果がYESであれば車両進行方向が中立に設定され(S5)、ニュートラルモードの制御に移行し、判定結果がNOであれば、予め定められた目標電流値Itと、電流検出器により検出される走行モータに流れる実電流値Iとが比較され、目標電流値Itが実電流値I以上(It≧I)であるか否かの判定がなされ(S6)、この判定結果がYESであれば、目標電流値Itが設定された後(S7)、チョッパ回路がオンされ(S8)、その後ステップS1に戻る一方、ステップS6の判定結果がNOであれば目標電流値Itが設定された後(S9)、チョッパ回路がオフされ(S10)、その後ステップS1に戻る。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のアクセルオフプラギングでは、実際に検出される走行モータの電流値Iと目標電流値Itとの比較結果に基づき、モータ駆動手段を構成するチョッパ回路をオンオフすることで制動をかけているため、アクセルオフプラギング開始時における走行速度が同じであっても、フォークリフトの荷重の大小によって制動距離が大きく変動するという問題点があった。 【0007】そして、フォークリフトの荷重の大小による制動距離の変動を事前に考慮して、所望の停止位置で車体を停止させようとすると、オペレータはフォークリフトの荷重に応じてアクセルオフプラギングの開始タイミングを変更調整しなければならず、このようなタイミングの調整はオペレータの経験と勘に大きく左右されるため、運転に不慣れなオペレータにとっては非常に煩雑であり、安定した制動を実現することが困難であった。 【0008】そこで、本発明は、プラギング開始時における走行速度が同じであれば、荷重の大小に関係なく常に同じ制動距離で停止できるようにすることを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、本発明は、アクセルの操作に応じモータ駆動手段により出力制御される走行モータを備え、前記アクセルを中立状態に戻したときに、前記モータ駆動手段により前記走行モータにプラギングによる制動をかける荷役車両の走行制御装置において、プラギングによる制動時に前記荷役車両の走行速度を検出する速度検出手段と、前記速度検出手段による検出速度に比例する目標制動距離を導出する制動距離導出手段と、プラギングによる制動開始から制動途中における走行距離を導出する走行距離導出手段と、プラギングによる制動開始直後における前記制動距離導出手段による当初目標制動距離から、前記走行距離導出手段により導出される前記走行距離を減算した残り制動距離を導出する残り制動距離導出手段と、前記残り制動距離導出手段による前記残り制動距離の導出時における前記検出速度から、前記制動距離導出手段により導出される途中目標制動距離と、前記残り制動距離とを比較する比較手段と、前記走行モータの電流を検出する電流検出手段と、前記比較手段により前記残り制動距離の方が前記途中目標制動距離よりも長い場合に、所定の目標電流値が前記電流検出手段により検出される電流値より大きいかどうかを判断し、大きいときには前記モータ駆動手段をオンし、小さいときに前記モータ駆動手段をオフする制御手段とを備えていることを特徴としている(請求項1)。 【0010】このような構成によれば、制動距離導出手段により、プラギングによる制動開始直後における速度検出手段による走行速度から、当初目標制動距離が導出され、走行距離導出手段により、プラギングによる制動開始から制動途中における走行距離が導出され、制動距離導出手段により、当初目標制動距離からこの制動途中における走行距離を減算した残り制動距離が導出され、比較手段により、残り制動距離と、この残り制動距離導出時における走行速度から導出される途中制動距離と比較され、残り制動距離の方が長ければ、制御手段により、所定の目標電流値が走行モータを流れる電流値より大きいかどうか判断されて、目標電流値の方が大きければモータ駆動手段がオンされ、小さければモータ駆動手段がオフされる。 【0011】そのため、制動途中における残り制動距離を見ながら、走行モータを流れる電流値と目標電流値との比較結果に応じてモータ駆動手段をオンオフ制御するため、従来のように走行モータを流れる電流値と目標電流値との比較結果のみに応じたモータ駆動手段のオンオフ制御によるプラギングとは異なり、車両の荷重の大小に関係なく、プラギング開始時における走行速度が同じであるときには、一定の制動距離になるように制動することができ、荷重の大小に関係なく常に同じ制動距離で停止することができる。 【0012】更に、オペレータは、従来のように荷重に応じてアクセルオフプラギングの開始タイミングを変更調整する必要がなく、運転に不慣れなオペレータであっても非常に簡単に安定したアクセルオフプラギングによる制動を行うことができる。 【0013】また、本発明は、走行速度に対する目標制動距離の関係データを予め記憶した記憶手段を備え、前記制動距離導出手段が、前記速度検出手段による検出速度に対応する前記目標制動距離を前記記憶手段から読み出すものであることを特徴としている(請求項2)。 【0014】このような構成によれば、走行速度と目標制動距離とが比例関係にあることから、走行速度に対する目標制動距離の関係データを作成することは非常に簡単であり、この関係データを記憶手段に記憶させておけば、速度検出手段による検出速度に対応する目標制動距離を記憶手段から読み出すことによって、目標制動距離を容易に導出することができる。 【0015】また、本発明は、前記モータ駆動手段が、プラギングによる制動時に、前記走行モータへの電流の通流方向を設定するコンタクタを切り換える切換手段と、前記走行モータへの電流を制御するチョッパ回路とを備えていることを特徴としている(請求項3)。 【0016】このような構成によれば、切換手段によりコンタクタが切り換えられてプラギングによる制動がかけられ、チョッパ回路のオンオフにより、プラギングによる制動の断続が制御されるため、プラギングによる制動とその制御を確実に実現することができる。 【0017】また、本発明は、アクセルの操作に応じモータ駆動手段により出力制御される走行モータを備え、前記アクセルを中立状態に戻したときに、前記モータ駆動手段により前記走行モータにプラギングによる制動をかける荷役車両の走行制御方法において、プラギングによる制動開始直後に前記荷役車両の走行速度を検出すると共に、この検出速度に比例する当初目標制動距離を導出し、プラギングによる制動開始から制動途中における走行距離を導出すると共に、前記当初目標制動距離から、制動途中に導出した前記走行距離を減算した残り制動距離を導出し、前記残り制動距離の導出時に走行速度を検出し、このときの検出速度に比例する途中目標制動距離と、前記残り制動距離とを比較し、比較の結果、前記残り制動距離の方が前記途中目標制動距離よりも長い場合に、所定の目標電流値がそのときの前記走行モータを流れる電流値より大きいかどうかを判断し、大きいときには前記モータ駆動手段をオンし、小さいときには前記モータ駆動手段をオフすることを特徴としている(請求項4)。 【0018】このような構成によれば、プラギングによる制動開始直後における走行速度から、当初目標制動距離が導出され、プラギングによる制動開始から制動途中における走行距離が導出され、当初目標制動距離から、この制動途中における走行距離を減算した残り制動距離が、そのときの走行速度から導出される途中制動距離と比較され、残り制動距離の方が長ければ、走行モータを流れる電流値が所定の目標電流値より大きいかどうか判断されて、目標電流値の方が大きければモータ駆動手段がオンされ、小さければモータ駆動手段がオフされる。 【0019】そのため、制動途中における残り制動距離を見ながら、走行モータを流れる電流値と目標電流値との比較結果に応じてモータ駆動手段をオンオフ制御するため、従来のように走行モータを流れる電流値と目標電流値との比較結果のみに応じたモータ駆動手段のオンオフ制御によるプラギングとは異なり、車両の荷重の大小に関係なく、プラギング開始時における走行速度が同じであるときには、一定の制動距離になるように制動することができ、荷重の大小に関係なく常に同じ制動距離で停止することができる。 【0020】更に、オペレータは、従来のように荷重に応じてアクセルオフプラギングの開始タイミングを変更調整する必要がなく、運転に不慣れなオペレータであっても非常に簡単に安定したアクセルオフプラギングによる制動を行うことができる。 【0021】 【発明の実施の形態】この発明を荷役車両であるカウンタバランス型フォークリフトに適用した場合の一実施形態について図1ないし図5を参照して説明する。但し、図1はカウンタバランス型フォークリフトの斜視図、図2は制御装置のブロック図、図3は動作説明図、図4及び図5は動作説明用フローチャートである。 【0022】本実施形態におけるカウンタバランス型フォークリフトは、図1に示すように構成されている。即ち、車体1の運転席3に設けられた座席5の下方にはバッテリ(図示せず)が搭載、収容され、フォークリフト起動用のキースイッチ(図示せず)のオンにより、走行系を構成する走行モータや油圧系を構成する油圧モータ(いずれのモータも図示せず)にバッテリから給電されるようになっている。 【0023】そして、アクセルペダル7の踏み込みに応じ、マイコン等から成る制御装置からの出力指令値に基づいて走行モータが駆動され、ディレクショナルレバー9の操作により設定された前進方向または後進方向に車体1が走行する。このとき、ステアリングハンドル11により後輪13の操向制御が行われる。尚、15は駆動輪である前輪17に制動をかけるブレーキペダルである。 【0024】更に、図1に示すように、車体1の前部にマスト19が伸縮自在に取り付けられ、このマスト19にリフトブラケット21を介して一対のL字状のフォーク23が取り付けられている。そして、運転席3に設けられたリフトレバー25の操作に応じた制御指令値に基づいて油圧モータが駆動され、リフトシリンダが作動してマスト19が伸縮し、マスト19の伸縮によってフォーク23が昇降する。尚、運転席3には、リフトレバー25のほかに、フォーク23がマスト19と共にティルト(傾動)するためのティルトレバー27が設けられている。 【0025】次に、制御装置の構成について図2を参照して説明すると、図2に示すように、アクセルペダルの踏み込みを検出するアクセルスイッチ29により、アクセルペダル7の踏み込みの有無が検出されると共に、例えば駆動輪である前輪17に設けられたエンコーダから成る速度センサ31により、フォークリフトの走行速度Vが検出され、アクセルスイッチ29の出力、及び速度センサ31により検出された走行速度(以下、これを検出速度と称する)VがCPU33に取り込まれる。そして、CPU33により、アクセルオフプラギングの開始直後における検出速度Vに基づき、目標制動距離が導出される。 【0026】このとき、図3に示すように、走行速度と目標制動距離とは比例関係にあり、走行速度に対する目標制動距離の関係データが予め求められ、CPU33に内蔵或いは外付けのROMから成る記憶手段としてのメモリ35に予め格納されている。 【0027】そして、CPU33は、アクセルペダル7が中立状態に戻されてアクセルオフプラギングが開始された直後における当初検出速度Viを取込、この当初検出速度Viに対応する当初目標制動距離Dtiをメモリ35から読み出して導出するのである。このCPU33による当初目標制動距離Dtiの導出処理が本発明における制動距離導出手段に相当する。 【0028】また、CPU33は、アクセルオフプラギングの制動開始から、制動途中における走行距離(以下、これを途中走行距離と称する)Lpを導出する。この途中走行距離Lpは、例えばアクセルオフプラギングの制動開始直後における当初検出速度Viと、途中走行距離Lpの導出時における速度センサ31による途中検出速度Vpとの時間変化から計算により導出することが可能である。このCPU33による制動途中の途中走行距離Lpの導出処理が本発明における走行距離導出手段に相当する。 【0029】更に、CPU33は、導出した当初目標制動距離Dtiから、導出した途中走行距離Lpを減算した残り制動距離Dr(=Dti−Lp)を導出する一方、途中走行距離Lpの導出時における速度センサ31による途中検出速度Vpを取り込み、メモリ35の記憶データから取り込んだ途中検出速度Vpに対応する目標制動距離(以下、これを途中目標制動距離と称する)Dpを読み出して導出し、先程導出した残り制動距離Drと、この途中目標制動距離Dpとを比較する。このCPU33による残り制動距離Drの導出処理が本発明における残り制動距離導出手段に相当し、残り制動距離Drと途中目標制動距離Dpとの比較処理が本発明における比較手段に相当する。 【0030】ところで、CPU33は、アクセルオフプラギングによる制動時にコンタクタ切換手段37aに切換制御信号を出力し、コンタクタ切換手段37aにより、走行モータへの電流の通流方向を設定するコンタクタ(図示せず)を前進側から後進側へ、或いは、後進側から前進側に切り換える。 【0031】また、CPU33は、トランジスタ等から成るチョッパ回路37bに駆動制御信号を出力し、チョッパ回路37bにより、上記したバッテリから走行モータ39への電流を制御する。ここで、コンタクタ切換手段37a及びチョッパ回路37bによりモータ駆動手段37が構成されている。 【0032】更に、図2に示すように、走行モータ39の電流を検出する電流検出手段である電流センサ41が設けられており、CPU33はこの電流センサ41により検出される電流値Iを取り込み、残り制動距離Drと途中目標制動距離Dpとの比較の結果、残り制動距離Drの方が途中目標制動距離Dpよりも長い場合に、予め定められた目標電流値Itが検出電流値Iより大きいかどうかを判断する。 【0033】そして、目標電流値Itが検出電流値Iよりも大きいときには、プラギングによる制動力が小さいと判断できることから、CPU33は、モータ駆動手段37のチョッパ回路37bにオン制御信号を出力してこれをオンさせ、目標電流値Itが検出電流値Iよりも小さいときには、プラギングによる制動力が大きすぎると判断できることから、CPU33は、チョッパ回路37bにオフ制御信号を出力してこれをオフさせ、こうしてCPU33は、所定の制動距離になるようにアクセルオフプラギングによる制動力を制御するのである。このCPU33による制御処理が本発明における制御手段に相当する。 【0034】次に、一連の動作について図4及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。まず、図4に示すように、フォークリフトのキースイッチがオンされると、図4に示すように、CPU3により走行制御が行われ(S21)、アクセルペダル7が中立か否かの判定がなされ(S22)、この判定結果がNOであれば通常走行と判断され、ディレクショナルレバー9が前進か後進かの判定がなされ(S23)、ディレクショナルレバー9が前進に切り換えられている場合、力行モードか否かの判定がなされる(S24)。 【0035】そして、このステップS24の判定結果がYESであれば、車両進行方向が前進に制御され(S25)、その後上記したS21に戻る。一方、ステップS24の判定結果がNOであればいわゆるプラギングと判断され、車両進行方向が後進に制御され(S26)、その後上記したS21に戻る。 【0036】また、上記したステップS23の判定の結果、ディレクショナルレバー9が後進に切り換えられている場合、上記したステップS24の処理と同様に、力行モードか否かの判定がなされ(S27)、この判定結果がYESであれば、車両進行方向が後進に制御され(S28)、その後上記したS21に戻り、判定結果がNOであればいわゆるプラギングと判断され、車両進行方向が前進に制御され(S29)、その後上記したS21に戻る。 【0037】ところで、上記したステップS22の判定結果がYESであれば通常走行ではないと判断され、速度センサ31による検出速度Vが予め設定された第1設定速度Vs1以下(V≦Vs1;Vs1は例えば3km/hの低速度)であるか否かの判定がなされ(S30)、この判定結果がYESであれば、例えばインチング作業のようにアクセルオフプラギングを必要としない場合と判断され、車両進行方向が中立に制御され(S31)、その後上記したS21に戻る。 【0038】一方、ステップS30の判定結果がNOであれば、チョッパ回路37bのトランジスタの故障やコンタクタの異常といったエラーがあるか否かの判定がなされ(S32)、この判定結果がYESであれば、アクセルオフプラギングの必要はないと判断されて上記したS21に戻り、判定結果がNOであれば、アクセルオフプラギングであると判断されてCPU33によりコンタクタ切換手段37aが制御され、コンタクタが反転制御された後(S33)、図5に示す次のステップS34に移行する。尚、図4に示すメインルーチンが、例えば4ms毎に繰り返し実行されるように設定されている。 【0039】そして、アクセルオフプラギングのルーチンが、例えば32ms毎に実行されるように設定され、アクセルオフプラギングのルーチンがスタートすると、図5に示すように、まずステップS34において、アクセルペダル7が中立か否かの判定がなされ(S34)、この判定結果がNOであれば上記したS21に戻り、判定結果がYESであれば、速度センサ31による検出速度Vが、予め設定された第1設定速度Vs1よりも低速の第2設定速度Vs2以下(Vs1>Vs2;Vs2は例えば1.5km/hの低速度)であるか否かの判定がなされる(S35)。 【0040】そして、ステップS35の判定結果がYESであれば、アクセルオフプラギングを必要としない場合と判断されて上記したS21に戻り、判定結果がNOであれば、チョッパ回路37bのトランジスタの故障やコンタクタの異常といったエラーがあるか否かの判定がなされ(S36)、この判定結果がNOであれば上記したS21に戻り、判定結果がYESであれば、最初のプラギングモードか否かの判定がなされる(S37)。 【0041】このステップS37の判定結果がYESであれば、メモリ35に記憶されている走行速度に対する目標制動距離の関係データ(図3参照)から、速度センサ31によるアクセルオフプラギング開始時の当初検出速度Viに対応する当初目標制動距離Dtiが導出され(S38)、その後上記したS34に戻り、ステップS37の判定結果がNOであれば、車両が暴走状態か否かの判定がなされ(S39)、この判定結果がYESであれば車両進行方向が中立に設定された後(S40)、上記したS21に戻る。 【0042】一方、ステップS39の判定結果がNOであれば、CPU33により、アクセルオフプラギングの制動開始から、制動途中における途中走行距離Lpが導出されると共に、導出した当初目標制動距離Dtiから、導出した途中走行距離Lpを減算した残り制動距離Dr(=Dti−Lp)が導出され(S41)、この途中走行距離Lpの導出時における速度センサ31による途中検出速度Vpに対応する途中目標制動距離Dpがメモリ35の記憶データ(図3参照)から読み出されて導出される(S42)。 【0043】そして、CPU33により、ステップS41で導出された残り制動距離Drと、ステップS42で導出された途中目標制動距離Dpとが比較され、残り制動距離Drが途中目標制動距離Dp以上(Dr≧Dp)であるか否かの判定がなされ(S43)、この判定結果がNOであれば予め定められた目標電流値Itが設定された後(S44)、この目標電流値Itと電流センサ41による検出電流値Iとが比較され、目標電流値Itが検出電流値I以上(It≧I)であるか否かの判定がなされ(S45)、この判定結果がYESであれば、モータ駆動手段37であるチョッパ回路37bがオンされ(S46)、その後ステップS34に戻る。 【0044】一方、ステップS43の判定結果がYESの場合、プラギングの制動が効きすぎの状態であるため、目標電流値Itが設定された後(S47)、ステップS45の判定結果がNOの場合、つまり過剰に制動がかかり過ぎると判断される場合と共にステップS48に移行し、チョッパ回路37bがオフされ(S48)、その後ステップS34に戻る。 【0045】従って、上記した実施形態によれば、アクセルオフプラギングによる制動途中における残り制動距離Drを見ながら、走行モータ39を流れる電流値Iと目標電流値Itとの比較結果に応じてモータ駆動手段37のチョッパ回路37bをオンオフ制御するため、従来のように走行モータを流れる電流値と目標電流値との比較結果のみに応じたモータ駆動手段のオンオフ制御によるプラギングとは異なり、車両の荷重に関係なく、アクセルオフプラギング開始時における走行速度が同じであるときには、一定の制動距離になるように制動することができ、その結果、搭載している荷物の荷重の大小に関係なく常に同じ制動距離で停止することができる。 【0046】更に、オペレータは、従来のように荷重に応じてアクセルオフプラギングの開始タイミングを変更調整する必要がなく、運転に不慣れなオペレータであっても非常に簡単に安定したアクセルオフプラギングによる制動を行うことができる。 【0047】なお、上記した実施形態では、速度検出手段を前輪17に設けられたエンコーダから成る速度センサ31とした場合について説明したが、速度検出手段は特にこれに限定されるものではない。 【0048】また、上記した実施形態では、アクセルオフプラギングの制動途中における途中走行距離Lpを、アクセルオフプラギングの制動開始直後における当初検出速度Viと、途中走行距離Lpの導出時における速度センサ31による途中検出速度Vpとの時間変化から計算により導出する場合を例としたが、その他の手法により途中走行距離Lpを導出するようにしても構わないのは勿論である。 【0049】更に、上記した実施形態では、荷役車両をカウンタバランス型フォークリフトとした場合について説明したが、本発明の適用範囲はカウンタバランス型フォークリフトに限定されるものではなく、リーチ型フォークリフトをはじめとする他の型式のフォークリフトやその他の荷役車両であって、アクセルが中立状態に操作可能なものに対して、本発明を適用することができ、上記した実施形態と同等の効果を得ることができる。 【0050】また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。 【0051】 【発明の効果】以上のように、請求項1,4に記載の発明によれば、制動途中における残り制動距離を見ながら、走行モータを流れる電流値と目標電流値との比較結果に応じてモータ駆動手段をオンオフ制御するため、従来のように走行モータを流れる電流値と目標電流値との比較結果のみに応じたモータ駆動手段のオンオフ制御によるプラギングとは異なり、車両の荷重の大小に関係なく、プラギング開始時における走行速度が同じであるときには、一定の制動距離になるように制動することができ、荷重の大小に関係なく常に同じ制動距離で停止することが可能になる。 【0052】更に、オペレータは、従来のように荷重に応じてアクセルオフプラギングの開始タイミングを変更調整する必要がなく、運転に不慣れなオペレータであっても非常に簡単に安定したアクセルオフプラギングによる制動を行うことが可能になる。 【0053】また、請求項2に記載の発明によれば、走行速度と目標制動距離とが比例関係にあることから、走行速度に対する目標制動距離の関係データを作成することは非常に簡単であり、この関係データを記憶手段に記憶させておけば、速度検出手段による検出速度に対応する目標制動距離を記憶手段から読み出すことによって、目標制動距離を容易に導出することが可能になる。 【0054】また、請求項3に記載の発明によれば、切換手段によりコンタクタが切り換えられてプラギングによる制動がかけられ、チョッパ回路のオンオフにより、プラギングによる制動の断続が制御されるため、プラギングによる制動とその制御を確実に実現することが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000232807 【氏名又は名称】日本輸送機株式会社 【住所又は居所】京都府長岡京市東神足2丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成14年2月28日(2002.2.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−259503(P2003−259503A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月12日(2003.9.12) |
| 【出願番号】 |
特願2002−53070(P2002−53070) |
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