| 【発明の名称】 |
車両用地絡検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】森田 剛 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】地絡の発生、或いは車両容量の増大を高精度に検知することのできる車両用地絡検出装置を提供する。
【解決手段】カップリングコンデンサC1の一端側に直流電源1のプラス端子を接続し、カップリングコンデンサC1の他端側となる測定点Aに、矩形波パルス信号を印加し、測定点Aに発生するの電圧信号を検出して、直流電源1の地絡を検出する車両用地絡検出装置において、矩形波パルス信号が第1の位相となる時点で、測定点にて測定される電圧VHと、矩形波パルス信号が第2の位相となる時点で、測定点Aにて測定される電圧値VLと、の差分VP-Pを求め、該差分電圧VP-Pに基づいて、直流電源1の地絡を検出することを特徴とする |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カップリングコンデンサの一端側に直流電源のプラス端子を接続し、前記カップリングコンデンサの他端側となる測定点に、矩形波パルス信号を印加し、前記測定点に発生するの電圧信号を検出して、前記直流電源の地絡を検出する車両用地絡検出装置において、前記矩形波パルス信号が第1の位相となる時点で、前記測定点にて測定される第1の電圧値と、前記矩形波パルス信号が前記第1の位相とは異なる第2の位相となる時点で、前記測定点にて測定される第2の電圧値と、の差分を求め、該差分電圧に基づいて、前記直流電源の地絡を検出することを特徴とする車両用地絡検出装置。 【請求項2】 カップリングコンデンサの一端側に直流電源のプラス端子を接続し、前記カップリングコンデンサの他端側となる測定点に、矩形波パルス信号を印加し、前記測定点に発生するの電圧信号を検出して、前記直流電源の地絡を検出する車両用地絡検出装置において、前記測定点に矩形波パルス信号を出力する発振回路と、前記矩形波パルス信号が第1の位相となる時点で、前記測定点にて測定される第1の電圧値と、前記矩形波パルス信号が前記第1の位相とは異なる第2の位相となる時点で、前記測定点にて測定される第2の電圧値と、を測定し、且つ、第1の電圧値と第2の電圧値との差分を求める電圧測定手段と、前記電圧測定手段により測定された差分電圧に基づいて、前記直流電源の地絡を検出する検出手段と、前記検出手段にて地絡が検出された際に、これを報知する報知手段と、を具備したことを特徴とする車両用地絡検出装置。 【請求項3】 前記矩形波パルスは、デューティー比50%であり、前記第1の位相は、該矩形波パルスがHレベルの時点であり、前記第2の位相は、矩形波パルスがLレベルの時点あることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両用地絡検出装置。 【請求項4】 前記矩形波パルスは、車両が有する容量が、容量最大値の90%を越えたときに、前記第1の電圧と第2の電圧との差分電圧が小さくなるように前記矩形波パルス信号の周波数、及び前記第1の位相、第2の位相を設定することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両用地絡検出装置。 【請求項5】 車両が有する容量に応じた周波数を有するパルス信号を前記測定点に出力し、当該測定点における電圧振幅を測定し、この測定された電圧振幅と、予め設定した電圧振幅と絶縁抵抗との対応データに基づいて、地絡を検出することを特徴とする車両用地絡検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、地絡検出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、電気自動車に設けられた高電圧の電源と車体との地絡を検出する技術として、特開平8−70503号公報(以下、従来例という)に記載された技術が知られている。 【0003】上記従来例では、直流電源のプラス母線にカップリングコンデンサ、抵抗を介して接続したインピーダンス変換器にデューティー比50%の矩形波パルスを入力し、この矩形波パルスの出力を基準電圧と比較し、地絡を検出するようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来例に記載された地絡検出装置では、高電圧電源のプラス母線と接続されたカップリングコンデンサの一端におけるインピーダンスを予め定められたしきい値と比較するようにしているので、車体自身が有する容量によって生じるインピーダンスについても検出してしまう。即ち、地絡を検出するためのインピーダンス成分と、車両の容量に起因するインピーダンスとを合計したインピーダンスを検出してしまい、高精度な検出ができないという欠点があった。 【0005】この発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高精度な地絡検出が可能な車両用地絡検出装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、カップリングコンデンサの一端側に直流電源のプラス端子を接続し、前記カップリングコンデンサの他端側となる測定点に、矩形波パルス信号を印加し、前記測定点に発生するの電圧信号を検出して、前記直流電源の地絡を検出する車両用地絡検出装置において、前記矩形波パルス信号が第1の位相となる時点で、前記測定点にて測定される第1の電圧値と、前記矩形波パルス信号が前記第1の位相とは異なる第2の位相となる時点で、前記測定点にて測定される第2の電圧値と、の差分を求め、該差分電圧に基づいて、前記直流電源の地絡を検出することを特徴とする。 【0007】請求項2に記載の発明は、カップリングコンデンサの一端側に直流電源のプラス端子を接続し、前記カップリングコンデンサの他端側となる測定点に、矩形波パルス信号を印加し、前記測定点に発生するの電圧信号を検出して、前記直流電源の地絡を検出する車両用地絡検出装置において、前記測定点に矩形波パルス信号を出力する発振回路と、前記矩形波パルス信号が第1の位相となる時点で、前記測定点にて測定される第1の電圧値と、前記矩形波パルス信号が前記第1の位相とは異なる第2の位相となる時点で、前記測定点にて測定される第2の電圧値と、を測定し、且つ、第1の電圧値と第2の電圧値との差分を求める電圧測定手段と、前記電圧測定手段により測定された差分電圧に基づいて、前記直流電源の地絡を検出する検出手段と、前記検出手段にて地絡が検出された際に、これを報知する報知手段と、を具備したことを特徴とする。 【0008】請求項3に記載の発明は、前記矩形波パルスは、デューティー比50%であり、前記第1の位相は、該矩形波パルスがHレベルの時点であり、前記第2の位相は、矩形波パルスがLレベルの時点あることを特徴とする。 【0009】請求項4に記載の発明は、前記矩形波パルスは、車両が有する容量が、容量最大値の90%を越えたときに、前記第1の電圧と第2の電圧との差分電圧が小さくなるように前記矩形波パルス信号の周波数、及び前記第1の位相、第2の位相を設定することを特徴とする。 【0010】請求項5に記載の発明は、車両が有する容量に応じた周波数を有するパルス信号を前記測定点に出力し、当該測定点における電圧振幅を測定し、この測定された電圧振幅と、予め設定した電圧振幅と絶縁抵抗との対応データに基づいて、地絡を検出することを特徴とする。 【0011】 【発明の効果】請求項1の発明では、矩形波パルスが第1の位相となる時点で測定される第1の電圧と、第2の位相となる時点で測定される第2の電圧との差分電圧を求め、該差分電圧の大きさに基づいて、地絡を検出する。従って、地絡の発生、或いは車両容量の増大を確実に検知することができる。 【0012】請求項2の発明では、発振回路より出力される矩形波パルスが第1の位相となる時点で測定される第1の電圧と、第2の位相となる時点で測定される第2の電圧を測定する。そして、電圧測定手段では、これらの差分電圧を測定し、この差分電圧の大きさに基づいて地絡を検出する。従って、地絡の発生、或いは車両容量の増大を確実に検知し、操作者に通知することができる。 【0013】請求項3の発明では、矩形波パルスのデューティー比を50%とし、第1の位相を矩形波パルスのHレベルの時点、第2の位相を矩形波パルスのLレベルの時点に設定するので、高精度な地絡検出が可能となる。 【0014】請求項4の発明では、車両が有する容量が、容量最大値の90%を越えたときに、第1の電圧と第2の電圧との差分電圧が小さくなるように矩形波パルスの周波数、及び第1の位相、第2の位相を設定するので、確実に地絡の発生、或いは車両容量の増大を検出することができる。 【0015】請求項5の発明では、予め設定した電圧振幅と絶縁抵抗との対応データに基づいて、地絡の発生、或いは車両容量の増大を検出するので、検出精度を向上させることができる。また、車両の種類に応じて、測定回路の素子を変更する必要がないので、構成が容易となる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る地絡検出装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、該地絡検出装置10は、電気自動車用のモータ3駆動用のインバータ2に電圧を供給するための直流電源1が地絡した際に、これを検知するものであり、地絡検出回路4と、地絡が検出された際に、これを操作者に通知するためのインジケータ(報知手段)5と、を具備している。 【0017】地絡検出回路4は、直流電源1のプラス側出力端と接続するカップリングコンデンサC1と、制御回路6と、電圧測定回路7と、抵抗R1とを有している。 【0018】電圧測定回路7は、カップリングコンデンサC1の一端側(測定点A)に発生する電圧を測定するものであり、抵抗R2とコンデンサC2との直列接続回路、及びコンデンサC2に対して並列的に接続されるツェナーダイオードD1とを有している。そして、抵抗R2とコンデンサC2との接続点は、制御回路6に接続されている。 【0019】制御回路6は、測定点Aに矩形波パルス信号を出力し、且つ、該測定点Aに発生する電圧を検出して、直流電源1に地絡を検出するものであり、矩形波パルスを出力する出力部(発振回路)11と、電圧測定回路7より出力される電圧信号(抵抗R2とコンデンサC2との接続点に発生する電圧信号)をA/D変換するA/D変換部12と、制御中枢となるCPU(電圧測定手段、検出手段)13、及びRAM14、ROM15、タイマ16、カウンタ17を具備している。 【0020】そして、後述するように、CPU13は、出力部11より出力する矩形波パルス信号の周波数、デューティー比を設定すると共に、A/D変換部12より出力される電圧信号に基づいて、直流電源1の地絡を検出する。 【0021】また、ROM15には、電圧測定回路7にて測定される電圧値(電圧振幅値)と直流電源1の絶縁抵抗値との対応を示すデータが記憶されている。 【0022】次に、上述のように構成された本実施形態の動作について、図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。 【0023】まず、ステップS10の処理で、カウンタ17をリセットする。次いで、ステップS20にて、カウンタ17によるカウントを開始する。 【0024】その後、ステップS30にて、出力部11より、予め設定した周期T、及びデューティー比(例えば、50%)となる矩形波パルス信号の、「H」レベルとなる信号を出力する。そして、カウンタ17にて計時される時間Tcが周期Tの1/2の直前となると、即ち、T/2の時間が経過する直前となると、ステップS40でYESとなり、ステップS50にて、電圧測定回路7により検出される測定点Aの電圧値が、A/D変換部12を介してCPU13に読み込まれる。このときの電圧値をVH(第1の電圧値)とする。 【0025】次いで、ステップS60にて、矩形波パルス信号の、「L」レベルとなる信号を出力する。そして、カウンタ17にて計時される時間Tcが周期Tの直前となると、ステップS70でYESとなり、ステップS80にて、電圧測定回路7により検出される測定点Aの電圧値がA/D変換部12を介してCPU13に読み込まれる。このときの電圧値をVL(第2の電圧値)とする。 【0026】その後、ステップS90にて、CPU13では、前述の処理で測定された電圧値VHと、VLとの差分(VH−VL)を演算する。この差分電圧をVP-Pとする。 【0027】ステップS100では、差分電圧VP-Pと第1のしきい値V1とを比較し、差分電圧VP-Pの方がしきい値V1よりも大きい場合には、異常無し(即ち、地絡していない)と判断して、ステップS10からの処理を繰り返す。 【0028】他方、しきい値V1よりも小さい場合には、ステップS110にて、第2のしきい値V2(但し、V2<V1)と、差分電圧VP-Pとを比較する。V2の方が小さい場合には、軽微な地絡、或いは車両容量の増大のいずれかであると判断し、ステップS130にて、インジケータ5に警告を表示する。 【0029】また、V2の方が大きい場合には、重度の地絡、或いは車両容量の増大のいずれかであると判断し(即ち、これ以上車両の運転を継続することは良くないと判断し)、ステップS120にて、モータ3の停止を促す旨の表示を行う。 【0030】こうして、測定点Aの電圧値を検出し、この検出結果に基づいて、地絡或いは車両容量の増大が発生しているかどうかを判断し、インジケータ5にて警告、或いは停止を促す旨の表示を行うことができるのである。 【0031】次に、図3に示すタイミングチャートを参照しながら、測定点Aに発生する電圧波形について説明する。 【0032】図3(a)は、出力部11より出力される矩形波パルス信号(周期T)を示しており、図中S1,S2,・・・はサンプリングのタイミングを示している。図示のように、サンプリングのタイミングS1,S2,・・・は、矩形波パルス信号の後縁(立ち下がり点)のやや手前、及び前縁(立ち上がり点)のやや手前に設定されている。即ち、サンプリングのタイミングS1,S2,・・・は、T/2毎に設定されており、矩形波パルス信号が「H」レベル、及び「L」レベルの時点を交互にサンプリングしている。そして、タイミングS1,S3,・・(奇数回目;第1の位相)にて、前述した電圧VHを測定し、タイミングS2,S4,・・(偶数回目;第2の位相)にて、電圧VLを測定している。 【0033】同図(b)は、正常時、即ち、地絡が発生していないときの、測定点Aに発生する電圧波形を示している。図示のように、測定点Aにおける電圧波形は、矩形波パルスの前縁、及び後縁にて若干滑らかに丸みをおびているものの、タイミングS1で測定される電圧VHと、タイミングS2で測定される電圧VLとの差分VP-P(=VH−VL)は、大きい値となっている。従って、前述したステップS100でNOとなり(図2)、地絡は検出されない。 【0034】また、図3(c)は地絡が発生している場合の、測定点Aに発生する電圧波形を示しており、地絡が発生している場合には、直流電源1の絶縁抵抗が低下するため、タイミングS1,S3,・・(奇数回目)で測定される電圧値VHは低い値となる。従って、差分電圧VP-P(=VH−VL)は低い値となり、該電圧VP-Pが第1のしきい値V1以下で、第2のしきい値V2よりも大きい場合には、警報が出力され、第2のしきい値V2よりも小さい場合には、車両の停止を促す旨の表示が行われる。 【0035】更に、図3(d)は、車両の容量が増加した場合の、測定点Aに発生する電圧波形を示しており、この場合においても、地絡が発生したときと同様に、直流電源1の絶縁抵抗が低下するため、電圧VHが低い値となる。従って、警報、或いは停止を促す旨の表示がされる。 【0036】そして、車両の運転者は、この表示を見ることにより、適切な対応をとることができる。 【0037】つまり、従来例では、測定点Aに発生する電圧の実効値を求め、該実効値に基づいて、地絡を検知する方式であるので、図4(a)に示すように、アドミッタンス検知特性が、車両容量(2πfC)の影響を受けて、地絡を検出する電圧実効値に影響を与えているが、本実施形態では、同図(b)に示すように、車両容量の影響を受けない領域が存在するので、この領域内において、高精度な地絡検出を行うことができる。 【0038】このようにして、本実施形態に係る地絡検出装置10では、カップリングコンデンサC1の一端側(測定点A)に矩形波パルス信号を印加し、該矩形波パルス信号がHレベルの時の測定電圧VH、及びLレベルのときの測定電圧VLを求め、これらの差分VP-Pに基づいて、地絡の発生或いは車両容量の増加を検出している。従って、確実な地絡検出、或いは車両容量の増大の検出が可能となる。 【0039】また、図3(d)に示すように、車両容量が増加した場合には、パルス波形の前縁付近で大きく変化し、後縁付近ではあまり変化しないことが理解される。従って、サンプリングのタイミングS1,S2,・・・を、パルス波形の後縁付近となるように設定すれば、車両容量の影響を低減することができる。しかし、逆に、このことによって車両容量の変化が検出しにくくなってしまう。そこで、車両容量による影響を除去しつつ、且つ、車両容量の変化を高精度に検出するために、設計上の最大車両容量の90%を越えると、差分電圧VP-Pの値が小さくなるように出力部11より出力する矩形波パルス信号の周波数を設定することにより、より高精度な地絡検出が可能となる。 【0040】更に、図1に示したROM15に、予め電圧振幅と絶縁抵抗との対応データを記憶しておき、測定点Aにて測定された電圧値を、この対応データに当てはめることにより、絶縁抵抗を求め、これに基づいて、地絡を検知するように構成することも可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成14年2月26日(2002.2.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−250201(P2003−250201A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月5日(2003.9.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−49642(P2002−49642) |
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