| 【発明の名称】 |
電動モータ搭載型車両 |
| 【発明者】 |
【氏名】円城寺 直之 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】鈴木 征治 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】菊池 英明 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】割石 義典 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】小田 優 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】構成の小型化および簡素化を図るとともに、効率的な運転状態を維持することを可能にする。
【解決手段】車両30を構成する燃料電池システム32は、メイン電動モータ15と、補器である燃料ガスポンプ6、冷却媒体ポンプ9、スーパーチャージャ12およびコンプレッサ19とを着脱し、前記補器に駆動力を伝達可能な駆動力伝達機構38と、前記メイン電動モータ15に同軸的に連結可能であるとともに、運転状態に応じて前記補器に駆動力を伝達する副電動モータ40とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】電動モータにより走行する電動モータ搭載型車両であって、主電動モータと補器とを着脱し、前記主電動モータから前記補器に駆動力を伝達可能な駆動力伝達機構と、前記主電動モータに同軸的または並列的に連結可能であるとともに、運転状態に応じて前記補器に駆動力を伝達する副電動モータと、を備えることを特徴とする電動モータ搭載型車両。 【請求項2】請求項1記載の車両において、少なくとも前記主電動モータに電力を供給する電力供給機構と、前記主電動モータに発生する回生電力を蓄電するとともに、必要に応じて前記主電動モータおよび/または前記副電動モータに電力を供給する蓄電機構と、を備えることを特徴とする電動モータ搭載型車両。 【請求項3】請求項2記載の車両において、前記電力供給機構は、電解質の両側に一対の電極を設けた電解質・電極構造体とセパレータとを交互に積層して構成された燃料電池スタックを備え、前記補器は、前記燃料電池スタックに燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方である反応ガスを供給する反応ガス供給用ポンプを備えることを特徴とする電動モータ搭載型車両。 【請求項4】請求項3記載の車両において、前記補器は、前記燃料電池スタックに冷却媒体を供給する冷却媒体供給用ポンプを備えることを特徴とする電動モータ搭載型車両。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータにより走行する電動モータ搭載型車両に関する。 【0002】 【従来の技術】電動モータにより走行する電動モータ搭載型車両として、例えば、固体高分子型燃料電池を用いた燃料電池車両が開発されつつある。この固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる電解質膜の両側にそれぞれアノード側電極およびカソード側電極を対設した電解質膜・電極構造体を、セパレータによって挟持することにより構成されている。 【0003】この種の燃料電池は、通常、電解質(電解質膜)・電極構造体およびセパレータを所定数だけ積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。前記燃料電池スタックにおいて、アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば、水素含有ガスは、触媒電極上で水素イオン化され、適度に加湿された電解質膜を介してカソード側電極側へと移動し、その移動の間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。 【0004】カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば、空気等の酸素含有ガスが供給されているために、このカソード側電極において、水素イオン、電子および酸素ガスが反応して水が生成される。 【0005】ところで、燃料電池車両では、上記の燃料電池スタックを組み込む燃料電池システムが用いられている。図25に示すように、燃料電池システム1は、燃料電池スタック(電力供給機構)2を備え、この燃料電池スタック2には、水素含有ガス等の燃料ガスを供給するための燃料ガス供給部3と、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給部4と、酸素含有ガス(例えば、空気)等の酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給部5とが設けられている。 【0006】燃料ガス供給部3は燃料ガスポンプ(反応ガス供給用ポンプ)6を備え、この燃料ガスポンプ6と燃料電池スタック2の燃料ガス流路(図示せず)とが、燃料ガス供給路7を介して連通している。燃料ガスポンプ6には、ポンプ用電動モータ8が連結されている。 【0007】冷却媒体供給部4は冷却媒体ポンプ(冷却媒体供給用ポンプ)9を備えている。この冷却媒体ポンプ9と燃料電池スタック2の冷却媒体流路(図示せず)とは、冷却媒体供給路10を介して連通している。冷却媒体ポンプ9には、ポンプ用電動モータ11が連結されている。 【0008】酸化剤ガス供給部5はスーパーチャージャ(反応ガス供給用ポンプ)12を備えており、このスーパーチャージャ12と燃料電池スタック2の酸化剤ガス流路(図示せず)とが、酸化剤ガス供給路13を介して連通している。スーパーチャージャ12には、ポンプ用電動モータ14が連結されている。 【0009】燃料電池スタック2は、メイン電動モータ(主電動モータ)15に電力を供給するとともに、前記メイン電動モータ15がトランスミッション16を介して車軸17に連結されている。この車軸17の両端には、タイヤ18が取り付けられている。燃料電池スタック2は、メイン電動モータ15と電動モータ8、11および14の他、空調エアコン用コンプレッサ19に付設された電動モータ20に主電力を供給している。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の従来技術では、反応ガスや冷却媒体を供給する補器である燃料ガスポンプ6、冷却媒体ポンプ9およびスーパーチャージャ12を駆動するために、それぞれ専用の電動モータ8、11および14が設けられるとともに、それぞれ駆動装置(図示せず)が必要となっている。 【0011】しかも、空調エアコン用コンプレッサ19に付設された専用の電動モータ20を駆動しなければならない。このため、燃料電池システム1全体のエネルギ効率やスペース効率が相当に低下するとともに、部品点数が増加しかつ構造が複雑化してしまい、製造費が高騰するという問題が指摘されている。 【0012】そこで、例えば、米国特許第6,223,844B1号公報に開示されているように、タイヤを回転させるための少なくとも1つのホイールモータと、各種の補器を駆動するための主モータとを個別に設けた燃料電池エンジンが知られている。 【0013】ところが、通常、車両を加速させる際には、比較的大きな出力が必要となる。従って、上記の従来技術では、各種の補器に所望の駆動力を付与するために、主モータが大型化してしまう。これにより、特にアイドリング時等のように燃料電池を低出力に維持し得る運転状態でも、主モータの出力が大きいために必要以上の発電が行われてしまい、効率的ではないという問題が指摘されている。 【0014】また、走行中に燃料電池を停止する場合に、補器やエアコンをそれぞれの独立した主モータで個別に停止させる必要がある。このため、燃料電池の効率が悪いという問題がある。 【0015】本発明はこの種の問題を解決するものであり、構成の小型化および簡素化を図るとともに、効率的な運転状態を維持することが可能な電動モータ搭載型車両を提供することを目的とする。 【0016】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る電動モータ搭載型車両では、主電動モータと補器とを着脱し、前記主電動モータから前記補器に駆動力を伝達可能な駆動力伝達機構と、前記主電動モータに同軸的または並列的に連結可能であるとともに、運転状態に応じて前記補器に駆動力を伝達する副電動モータとを備えている。この場合、補器とは、車両に組み込まれ駆動力として電力を必要とする各種の機器類をいう。 【0017】このため、副電動モータにより主電動モータがアシストされて加速が行われるとともに、補器の駆動力が、運転状態に応じて前記主電動モータまたは前記副電動モータから、あるいは前記主電動モータおよび前記副電動モータの双方から供給される。これにより、車両構成の小型化および簡素化を図るとともに、車両全体のエネルギ効率および動力性能を有効に向上させることができる。 【0018】また、本発明の請求項2に係る電動モータ搭載型車両では、少なくとも主電動モータに電力を供給する電力供給機構と、前記主電動モータに発生する回生電力を蓄電するとともに、必要に応じて前記主電動モータおよび/または前記副電動モータに電力を供給する蓄電機構とを備えている。 【0019】従って、主電動モータに発生する回生電力を有効に利用することが可能になる。しかも、蓄電機構がフル充電した際には、回生電力を副電動モータに供給することにより、前記回生電力を補器の動力源として利用することができるとともに、ブレーキの踏力が変動することを有効に阻止することが可能になる。 【0020】さらにまた、本発明の請求項3に係る電動モータ搭載型車両では、電力供給機構が、電解質の両側に一対の電極を設けた電解質・電極構造体とセパレータとを交互に積層して構成された燃料電池スタックを備え、補器が、前記燃料電池スタックに燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方である反応ガスを供給する反応ガス供給用ポンプを備えている。 【0021】このため、例えば、車両を加速させる際には、主電動モータおよび副電動モータから補器に電力(駆動力)を供給するとともに、燃料電池スタックの出力不足を蓄電機構からのアシストで補うことにより、良好な加速を行うことが可能になる。一方、アイドリング時等、燃料電池スタックの出力を低下させる際には、副電動モータのみから補器に駆動力を供給することにより、前記燃料電池スタックの出力を良好に低下させることができ、燃料電池システムのエネルギ効率の向上が図られる。 【0022】また、本発明の請求項4に係る電動モータ搭載型車両では、補器が燃料電池スタックに冷却媒体を供給する冷却媒体供給用ポンプを備えている。従って、燃料電池スタックを冷却するために、空冷方式の他、冷却媒体を使用した冷却方式が採用される。 【0023】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動モータ搭載型車両30の概略構成説明図であり、図2は、前記車両30を構成する燃料電池システム32の要部斜視説明図である。なお、図25に示す燃料電池システム1と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。 【0024】燃料電池システム32を構成する燃料電池スタック2は、PCU(power control unit)34を介してメイン電動モータ15と蓄電機構36とに電気的に接続される。 【0025】燃料電池システム32は、メイン電動モータ15と、補器である燃料ガスポンプ6、冷却媒体ポンプ9、スーパーチャージャ12およびコンプレッサ19とを着脱し、前記補器に駆動力を伝達可能な駆動力伝達機構38と、前記メイン電動モータ15に同軸的に連結可能であるとともに、運転状態に応じて前記補器に駆動力を伝達する副電動モータ40とを備える。蓄電機構36は、例えば、キャパシタや2次電池により構成されている。 【0026】メイン電動モータ15の駆動軸42と、副電動モータ40の入力軸44とは、クラッチ機構(または無段変速機構)46を介して着脱自在であるとともに、前記副電動モータ40は、PCU34にスイッチ48を介して電気的に連結可能である。 【0027】駆動力伝達機構38は、副電動モータ40の出力軸50に軸着されるプーリ52を備え、このプーリ52の外周面には、4条のベルト溝54a〜54dが互いに平行に形成される。ベルト溝54a〜54dには、第1乃至第4駆動ベルト56a〜56dが係合する(図1乃至図3参照)。なお、プーリ52に代替して、歯車を使用してもよい。 【0028】コンプレッサ19、燃料ガスポンプ6、冷却媒体ポンプ9およびスーパーチャージャ12には、クラッチ機構58a、58b、58cおよび58dを介してプーリ60a、60b、60cおよび60dが装着される。第1乃至第4駆動ベルト56a〜56dは、プーリ60a〜60dに架け渡される。 【0029】図2および図3に示すように、燃料電池スタック2は、所定組数の単位燃料電池セル62を鉛直方向(矢印A方向)に重ね合わせて構成されている。単位燃料電池セル62は、電解質膜(電解質)・電極構造体64と、前記電解質膜・電極構造体64を挟持する第1および第2セパレータ66、68とを備える。 【0030】燃料電池スタック2は、マニホールドブロック70の上面70aに固定されるとともに、前記燃料電池スタック2上には、PCU34とエアコン72とが積層される。 【0031】マニホールドブロック70の底部には、メイン電動モータ15、クラッチ機構46および副電動モータ40が、同軸的に連結された状態で取り付けられている。メイン電動モータ15に並列して、コンプレッサ19が配置されている。マニホールドブロック70の側面70b側には、スーパーチャージャ12と燃料ガスポンプ6とが固定される一方、前記マニホールドブロック70の側面70c側には、冷却媒体ポンプ9が組み付けられる。 【0032】マニホールドブロック70は、燃料ガスポンプ6、冷却媒体ポンプ9、スーパーチャージャ12から燃料電池スタック2内に燃料ガス、冷却媒体および酸化剤ガスを供給するとともに、前記燃料電池スタック2から使用済みの燃料ガス、冷却媒体および酸化剤ガスを排出するための通路(図示せず)を備えている。 【0033】このように構成される車両30の動作について、以下に説明する。 【0034】まず、車両30を通常(定常)走行させる際には、図4および図5に示すように、クラッチ機構46がオンされるとともに、スイッチ48がオフされている。このため、メイン電動モータ15には、後述するように、燃料電池スタック2から電力が供給されており、このメイン電動モータ15の駆動作用下に、トランスミッション16を介して車軸17に回転力が伝達され、タイヤ18が所定方向に回転して車両30の通常走行が行われる。 【0035】メイン電動モータ15の駆動軸42は、クラッチ機構46を介して副電動モータ40の入力軸44が連結されており、前記メイン電動モータ15の回転駆動力は、前記副電動モータ40の出力軸50に設けられているプーリ52に伝達される。このプーリ52の各ベルト溝54a〜54dには、第1乃至第4駆動ベルト56a〜56dが係合している。従って、プーリ52が回転することにより、第1乃至第4駆動ベルト56a〜56dが周回走行して、プーリ60a〜60dが回転駆動される。 【0036】この場合、クラッチ機構58b〜58dがオンされており、プーリ60b〜60dが回転することによって、燃料ガスポンプ6、冷却媒体ポンプ9およびスーパーチャージャ12に駆動力が付与される。このため、燃料電池スタック2には、マニホールドブロック70を介して水素含有ガス等の燃料ガス、純水やエチレングリコールやオイル等の冷却媒体および酸化剤ガスとして空気等の酸素含有ガスが供給される。 【0037】従って、図2および図3に示すように、各単位燃料電池セル62では、電解質膜・電極構造体64のカソード側電極(図示せず)に供給される酸化剤ガスとアノード側電極(図示せず)に供給される燃料ガスとが、触媒電極内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。この発電によって、メイン電動モータ15に電力が供給され、前記メイン電動モータ15を動力源として車軸17並びに補器である燃料ガスポンプ6、冷却媒体ポンプ9およびスーパーチャージャ12の駆動が行われる。 【0038】なお、エアコン72を駆動する際には、クラッチ機構58aをオンすることにより、駆動力伝達機構38を介してコンプレッサ19を選択的に駆動すればよい。また、蓄電機構36が規定量だけ充電していない際には、燃料電池スタック2からの出力によって、前記蓄電機構36の充電を行うことができる(図5参照)。 【0039】次いで、車両30を加速させる際には、図6に示すように、クラッチ機構46とスイッチ48とがオンされる。このため、図7に示すように、メイン電動モータ15の回転と副電動モータ40によるアシストとによって、車両30の加速が行われる。その際、燃料電池スタック2の出力が不足する場合、蓄電機構36から電力が供給されてアシスト(放電)が行われる。 【0040】一方、車両30を減速させる際には、図8および図9に示すように、クラッチ機構46をオンさせるとともに、スイッチ48がオフされており、クラッチ機構58b〜58dのオン/オフ制御が行われている。従って、燃料電池スタック2への燃料ガス、冷却媒体および酸化剤ガスの供給が、前記燃料電池スタック2の出力に応じて調整される。 【0041】このため、メイン電動モータ15および副電動モータ40の回転数が減少し、前記メイン電動モータ15のブレーキ回生により発生する回生電力が蓄電機構36に充電される。そして、蓄電機構36が規定量だけ充電(フル充電)を行うと、スイッチ48がオンされて副電動モータ40への電気回路がオンされる。 【0042】これにより、メイン電動モータ15で発生する余剰の回生電力が副電動モータ40に供給され、この副電動モータ40を介して副動力伝達機構38が駆動される。なお、必要に応じて、コンプレッサ19等の駆動が行われている。 【0043】このように、車両30の減速時にメイン電動モータ15で発生する回生電力が蓄電機構36に充電された後、余剰の回生電力が副電動モータ40に供給されて、燃料ガスポンプ6、冷却媒体ポンプ9、スーパーチャージャ12およびコンプレッサ19等の動力源として利用することができる。従って、蓄電機構36に規定量の充電が終了した後、エンジンブレーキの作動に変化が発生することがなく、所望のブレーキ踏力を得ることが可能になる。 【0044】次に、車両30をアイドリング状態で停止させる際には、図10および図11に示すように、クラッチ機構46がオフされる。燃料電池スタック2は、インテリア電気等の負荷運転に応じて出力されており、スイッチ48がオンされることによって、蓄電機構36から副電動モータ40に電力が供給されている。このため、副電動モータ40の駆動作用下に、駆動力伝達機構38を介してプーリ60a〜60dが回転する。 【0045】その際、クラッチ機構58aをオンすることにより、コンプレッサ19を介してエアコン72の運転が行われる。一方、クラッチ機構58b〜58dをオン/オフ制御することによって、蓄電機構36の残容量に応じて燃料電池スタック2の起動、発電および停止を繰り返し行うことができる。これにより、燃料電池スタック2は、効率の良好な範囲で運転可能となる。 【0046】そこで、図示しないイグニッションがオフされた際には、図12に示すような制御が行われる。すなわち、蓄電機構36の残容量に応じてスイッチ48をオンさせ、副電動モータ40の駆動作用下に、燃料電池スタック2を発電させる。さらに、蓄電機構36が規定量だけ充電(フル充電)した後、前記燃料電池スタック2を自動的に停止させる。 【0047】なお、イグニッションがオンされている際には、蓄電機構36をある規定量まで消費させておき、この蓄電機構36が回生電力を充電し得る状態にしておく場合もある。 【0048】さらにまた、車両30の始動時(初期アイドリング時)には、図10および図13に示すように、クラッチ機構46をオフ状態にしており、暖気状態に応じて燃料電池スタック2の負荷を制御するため、副電動モータ40への燃料電池スタック2からの電気回路、すなわち、スイッチ48をオンする。 【0049】その際、電気ヒータ等のように始動負荷が高い場合には、蓄電機構36からの出力補正も行われるが、基本的には、暖気負荷に応じて前記蓄電機構36の充放電が繰り返される。 【0050】ここで、暖気中に車両30の走行を開始した場合には、クラッチ機構46をオフにした状態で、メイン電動モータ15を駆動させる。そして、メイン電動モータ15が副電動モータ40と同期回転した際に、クラッチ機構46をオンにして通常走行に移行する。 【0051】このように、第1の実施形態では、燃料ガスポンプ6、冷却媒体ポンプ9、スーパーチャージャ12およびコンプレッサ19等の補器の駆動力が、車両30の運転状態に応じてメイン電動モータ15、または、副電動モータ40から、あるいは、前記メイン電動モータ15および前記副電動モータ40の双方から供給される。 【0052】例えば、車両30を加速させる際には、メイン電動モータ15および副電動モータ40から補器に駆動力を供給するとともに、燃料電池スタック2の出力不足を蓄電機構36からのアシストで補うことにより、良好な加速を行うことが可能になる。 【0053】一方、アイドリング時等、燃料電池スタック2の出力を低下させる際には、副電動モータ40のみから補器に駆動力を供給することにより、前記燃料電池スタック2の出力を良好に低下させることができる、従って、燃料電池スタック2のエネルギ効率が向上することになる。 【0054】これにより、第1の実施形態では、車両30の全体構成を小型化および簡素化するとともに、前記車両30全体のエネルギ効率および動力性能を有効に向上させることができるという効果が得られる。 【0055】さらに、メイン電動モータ15に発生する回生電力を蓄電機構36で充電することにより、この回生電力を有効に利用することが可能になる。しかも、蓄電機構36がフル充電した際には、回生電力を副電動モータ40に供給することができ、ブレーキの踏力が変動することを有効に阻止することが可能になる。 【0056】さらにまた、補器および副電動モータ40は、メイン電動モータ15に直列的に連結されている。このため、燃料電池スタック2の出力を停止させた場合に、慣性力によって補器をメイン電動モータ15と同期した回転数に維持することができる。これにより、燃料電池スタック2による発電を迅速に開始することが可能になり、効率の向上が容易に図られる。 【0057】図14は、本発明の第2の実施形態に係る電動モータ搭載型車両80の概略構成説明図である。なお、第1の実施形態に係る車両30と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3乃至第6の実施形態においても、同様である。 【0058】車両80を構成する燃料電池システム82は、燃料ガス供給部84、冷却媒体供給部86および酸化剤ガス供給部88を備えている。燃料ガス供給部84は、燃料ガスポンプ6の燃料ガス吐出口と燃料電池スタック2の燃料ガス供給口とを連通する燃料ガス供給路7の途上に、バイパス用第1バルブ90aを設けている。 【0059】第1バルブ90aは、燃料ガスポンプ6の燃料ガス吐出口を、燃料電池スタック2に連なる燃料ガス供給路7と第1バイパス流路92aとに、選択的に連通する機能を有するとともに、前記第1バイパス流路92aが前記燃料ガスポンプ6の燃料ガス導入口に連通する。この第1バイパス流路92aには、燃料ガスの流れに燃料電池スタック2内の流れと同様な流動抵抗を付与するために、第1絞り94aが配置されている。 【0060】冷却媒体供給部86および酸化剤ガス供給部88には、同様に冷却媒体供給路10および酸化剤ガス供給路13の途上に、バイパス用第2および第3バルブ90b、90cが配置される。第2バルブ90bは、冷却媒体ポンプ9の冷却媒体吐出口を、燃料電池スタック2に連なる冷却媒体供給路10と第2バイパス流路92bとに、選択的に連通する機能を有するとともに、前記第2バイパス流路92bが前記冷却媒体ポンプ9の冷却媒体導入口に連通する。 【0061】第3バルブ90cは、スーパーチャージャ12の酸化剤ガス吐出口を、燃料電池スタック2に連なる酸化剤ガス供給路13と第3バイパス流路92cとに、選択的に連通する機能を有するとともに、前記第3バイパス流路92cが前記スーパーチャージャ12の酸化剤ガス導入口に連通する。第2および第3バイパス流路92b、92cには、流動抵抗を付与するための第2および第3絞り94b、94cが配置される。 【0062】このように構成される第2の実施形態では、燃料ガスポンプ6、冷却媒体ポンプ9およびスーパーチャージャ12と、プーリ60b〜60dとの間に、クラッチ機構が設けられていない。従って、燃料電池スタック2に対する燃料ガス、冷却媒体および酸化剤ガスの供給を停止する際には、第1乃至第3バルブ90a、90bおよび90cを切り替え操作し、前記燃料ガス、前記冷却媒体および前記酸化剤ガスを第1乃至第3バイパス流路92a、92bおよび92cを介して循環させる。 【0063】このため、燃料電池スタック2には、燃料ガス、冷却媒体および酸化剤ガスが不要に導入されることがない。しかも、燃料ガスポンプ6、冷却媒体ポンプ9およびスーパーチャージャ12が規定の回転速度で回転しているため、第1乃至第3バルブ90a、90bおよび90cを切り替え操作するだけで、燃料電池スタック2に燃料ガス、冷却媒体および酸化剤ガスを迅速かつ確実に供給することが可能になる。 【0064】図15は、本発明の第3の実施形態に係る電動モータ搭載型車両100の概略構成説明図である。 【0065】この車両100を構成する燃料電池システム102は、第1および第2の実施形態で用いられている燃料電池システム32、82を組み合わせて構成されている。従って、第3の実施形態では、クラッチ機構58b〜58dと第1乃至第3バルブ90a〜90cとが駆動制御されることにより、種々の運転状態の変化に対し、良好に対応することができる。 【0066】例えば、燃料電池スタック2を比較的長時間停止させる際には、クラッチ機構58b〜58dをオフにする。一方、燃料電池スタック2の起動および停止を繰り返す際には、クラッチ機構58b〜58dをオンにした状態で、第1乃至第3バルブ90a〜90cを切り替え操作して、燃料ガス、冷却媒体および酸化剤ガスを第1乃至第3バイパス流路92a〜92cに循環させればよい。 【0067】図16は、本発明の第4の実施形態に係る電動モータ搭載型車両110の概略構成説明図である。 【0068】この車両110を構成する燃料電池システム112では、メイン電動モータ15の駆動軸42に、クラッチ機構46、駆動力伝達機構38および副電動モータ40の順で直列的に連結されている。従って、第4の実施形態では、第1の実施形態に係る車両30と同様の効果が得られる。 【0069】図17は、本発明の第5の実施形態に係る電動モータ搭載型車両120の概略構成説明図である。 【0070】この車両120を構成する燃料電池システム122は、メイン電動モータ15に並列的に連結可能な副電動モータ124を備える。副電動モータ124の出力軸126には、クラッチ機構46と並列してクラッチ機構128が設けられ、このクラッチ機構128は、前記出力軸126と駆動力伝達機構38に連結された連結軸130とを着脱可能である。 【0071】なお、第5の実施形態では、PCU34と副電動モータ124との間にスイッチ48を設けなくてもよい。 【0072】このように構成される車両120では、第1の実施形態に係る車両30と略同様に、運転状態に応じてメイン電動モータ15と副電動モータ124とが選択的に、あるいは組み合わされて駆動制御される。 【0073】具体的には、車両120の通常走行時には、図18に示すように、クラッチ機構46がオンされる一方、クラッチ機構128がオフされる。このため、副電動モータ124が停止した状態で、メイン電動モータ15のみが駆動され、このメイン電動モータ15を介して車軸17に回転力が伝達されるとともに、補器である燃料ガスポンプ6、冷却媒体ポンプ9およびスーパーチャージャ12に駆動力が付与されて、燃料電池スタック2の運転が行われる。 【0074】補器であるコンプレッサ19等にも、駆動力伝達機構38を介して駆動力が付与されており、必要に応じてエアコン72が運転される。 【0075】また、車両120の加速時には、図19に示すように、クラッチ機構46および128がともにオンされる。従って、車両120は、メイン電動モータ15と副電動モータ124によるアシストとによって加速を行うとともに、燃料電池スタック2の出力が不足する際には、蓄電機構36からのアシスト(放電)が行われる。 【0076】さらに、車両120の減速時には、図20に示すように、クラッチ機構46がオンされる一方、クラッチ機構128がオフされており、メイン電動モータ15に発生する回生電力が蓄電機構36に充電された後、前記クラッチ機構128がオンされる。これにより、余剰の回生電力で副電動モータ124が駆動され、この回生電力が補器の駆動源として利用されるとともに、エンジンブレーキの変動を阻止することが可能になる。 【0077】さらにまた、車両120のアイドリング時には、図21に示すように、クラッチ機構46がオフされる一方、クラッチ機構128がオンされる。そして、燃料電池スタック2から副電動モータ124やインテリア電気等の負荷に電力が供給される。ここで、燃料電池スタック2は、蓄電機構36の残容量に応じて起動、発電および停止を繰り返し行って、効率のよい範囲で運転が遂行される。 【0078】また、車両120のイグニッションがオフされる際には、図22に示すように、蓄電機構36の残容量に応じて副電動モータ124に電力が供給され、燃料電池スタック2を発電させて前記蓄電機構36を規定量だけ充電させた後、前記燃料電池スタック2を自動停止させる。 【0079】さらにまた、車両120を始動させる際には、図23に示すように、クラッチ機構46をオフ状態にし、暖気状態に応じて燃料電池スタック2の負荷を制御するため、副電動モータ124に電力が供給される。そして、暖気中に車両120の走行が開始されたときには、クラッチ機構46をオフにしてメイン電動モータ15を駆動させ、このメイン電動モータ15が副電動モータ124と回転同期した際に、前記クラッチ機構46をオンさせて通常走行に移行する。 【0080】これにより、第5の実施形態に係る車両120では、第1の実施形態に係る車両30と同様の効果が得られる。 【0081】図24は、本発明の第6の実施形態に係る電動モータ搭載型車両140の概略構成説明図である。 【0082】この車両140を構成する燃料電池システム142は、メイン電動モータ15、駆動力伝達機構38および副電動モータ144が直列的に連結されるとともに、前記メイン電動モータ15、前記駆動力伝達機構38および前記副電動モータ144が、クラッチ機構46、146を介して互いに着脱可能である。 【0083】このように構成される車両140では、クラッチ機構46、146を駆動制御することにより、運転状態に応じてメイン電動モータ15と副電動モータ144とを選択的に、あるいは、組み合わせて使用することができる。このため、第6の実施形態では、第5の実施形態に係る車両120と同様の動作および効果を得ることが可能になる。 【0084】なお、第1乃至第6の実施形態では、燃料電池スタック2を冷却するために、冷却媒体ポンプ9を介して純水やエチレングリコールやオイル等の冷却媒体を前記燃料電池スタック2に供給しているが、これに限定されるものではなく、該燃料電池スタック2を空冷により冷却する構成であってもよい。 【0085】 【発明の効果】本発明に係る電動モータ搭載型車両では、主電動モータが副電動モータによりアシストされるとともに、車両に組み込まれた補器の駆動力が、運転状態に応じて前記主電動モータまたは前記副電動モータから、あるいは前記主電動モータおよび前記副電動モータの双方から選択的に供給される。 【0086】これにより、車両構成の小型化および簡素化を図るとともに、車両全体のエネルギ効率および動力性能を有効に向上させることができる。従って、車両による効率的な運転状態を確実に維持することが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成14年2月5日(2002.2.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077665 【弁理士】 【氏名又は名称】千葉 剛宏 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−235113(P2003−235113A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月22日(2003.8.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−28366(P2002−28366) |
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