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【発明の名称】 集電ブラシ及び集電ブラシの摩耗検出装置
【発明者】 【氏名】松栄 豊和
【住所又は居所】東京都千代田区大手町一丁目6番1号 日立電線株式会社内

【氏名】小圷 弘美
【住所又は居所】東京都千代田区大手町一丁目6番1号 日立電線株式会社内

【氏名】菊地 正年
【住所又は居所】茨城県日立市日高町4丁目12番1号 日立電線機器株式会社内

【要約】 【課題】危険な点検作業を行うことなく、ブラシ本体が所定の摩耗量に達したことを正確に検出できる集電ブラシ及び集電ブラシの摩耗検出装置を提供する。

【解決手段】トロリー線Tの導体Dに接触摺動し、移動機器の負荷に電力を供給するために集電するブラシ本体9を備えた集電ブラシ5において、上記ブラシ本体9に、その底面15からブラシ本体9の使用上の摩耗限界位置Hまで貫通した穴部16を形成し、絶縁電線17の先端部の被覆を所定長さ剥がして導体19を露出させ、その導体19を絶縁材料でモールドして摩耗検知部20を形成し、その摩耗検知部20が上記摩耗限界位置Hに位置するように、上記絶縁電線17を上記穴部16内に挿入して固定したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トロリー線の導体に接触摺動し、移動機器の負荷に電力を供給するために集電するブラシ本体を備えた集電ブラシにおいて、上記ブラシ本体に、その底面からブラシ本体の使用上の摩耗限界位置まで貫通した穴部を形成し、絶縁電線の先端部の被覆を所定長さ剥がして導体を露出させ、その導体を絶縁材料でモールドして摩耗検知部を形成し、その摩耗検知部が上記摩耗限界位置に位置するように、上記絶縁電線を上記穴部内に挿入して固定したことを特徴とする集電ブラシ。
【請求項2】 上記絶縁電線を上記穴部内に挿入した後、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、接着剤あるいは銅粉のうち少なくとも一つを上記穴部内に充填して上記絶縁電線を穴部内に固定した請求項1記載の集電ブラシ。
【請求項3】 トロリー線の導体に接触摺動し、移動機器の負荷に電力を供給するために集電するブラシ本体を備えた集電ブラシの摩耗検出装置において、上記集電ブラシのブラシ本体に、その底面からブラシ本体の使用上の摩耗限界位置まで貫通した穴部を形成すると共に、絶縁電線の先端部の被覆を所定長さ剥がして導体を露出させ、その導体を絶縁材料でモールドして摩耗検知部を形成し、その摩耗検知部が上記摩耗限界位置に位置するように、上記絶縁電線を上記穴部内に挿入して固定し、上記絶縁電線の後端部に、電圧検出手段を接続すると共に、その電圧検出手段に警報手段を接続し、上記ブラシ本体が摩耗限界位置まで摩耗して上記トロリー線の導体と上記摩耗検知部の導体とが短絡したときに、上記電圧検出手段を介して上記警報手段により報知することを特徴とする集電ブラシの摩耗検出装置。
【請求項4】 上記警報手段が、ランプ、パトライト及びブザーのうち何れか一つ、あるいはそれらの併用である請求項3記載の集電ブラシの摩耗検出装置。
【請求項5】 上記警報手段を上記電圧検出手段から離れた位置に設け、上記電圧検出手段は、上記トロリー線の導体と上記摩耗検知部の導体とが短絡すると、上記警報手段に信号を送信する無線手段を備えた請求項3又は4記載の集電ブラシの摩耗検出装置。
【請求項6】 3相電源を上記移動機器に供給すべく、3本のトロリー線の導体にそれぞれ上記ブラシ本体が接触集電し、上記電圧検出手段は、上記絶縁電線の後端部と、その絶縁電線が固定された集電ブラシとは異なる相の電源とを接続する請求項3〜5いずれか記載の集電ブラシの摩耗検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーン、ホイストなどの移動機器に電力を供給するトロリー線の導体に接触、摺動して集電する集電ブラシ及び集電ブラシの摩耗検出装置に係り、特に、点検作業を行うことなく、集電ブラシのブラシ本体が摩耗限界まで摩耗したことを正確に検出できる集電ブラシ及び集電ブラシの摩耗検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クレーン、ホイストなどの移動機器に電力を供給するために裸トロリー線や絶縁トロリー線が広く用いられている。例えば、図9に断面図の一例を示すように、絶縁トロリー線Tは、銅などの導電金属からなる導体Dに接触集電のための開口部Aを除いて絶縁被覆Iを設けたものである。この絶縁トロリー線Tを一定間隔ごとにハンガー(図示せず)で支持してクレーン、ホイストなどの移動機器の走行路に沿って平行に布設し、コレクタを介して移動機器へと電力を供給する。
【0003】図11に示すように、コレクタC’は移動機器に設けられたコレクタ牽引用の角棒(支持棒)41に、取付金具42を介して起伏自在に取り付けられたアーム44と、そのアーム44の先端部にピン46を介して揺動可能に取り付けられた集電ブラシ45とを備えている。
【0004】集電ブラシ45は、絶縁部材からなるブラシホルダ47と、ブラシホルダ47内に支持され、カーボン、銅などの燒結合金からなるブラシ本体49とを備えている。ブラシ本体49にはリード線50が接続されており、このリード線50が外部に引き出され、端子台(図示せず)などを介してモーター等、移動機器の負荷に接続される。このブラシ本体49が、図9に示したようなトロリー線Tの導体Dと接触摺動して集電し、リード線50を介して移動機器へと電力を供給するのである。
【0005】アーム44の先端部と取付金具42との間は引張バネ51で結ばれており、この引張バネ51の付勢力によってアーム44が上方向に引っ張られ、ブラシ本体49が絶縁トロリー線Tの導体Dに押し付けられるようになっている。
【0006】ブラシ本体49は、図10に示すように、その上面、即ち、導体Dとの摺動部52が絶縁トロリー線Tの導体Dに適合する形状になっている。また、ブラシ本体49の側面部には雌ネジ部53が形成されており、図11に示すリード線50をネジにて接続できるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、集電はトロリー線Tの導体DとコレクタC’のブラシ本体49とが接触摺動することにより実現されるので、当然、使用に伴い導体D及びブラシ本体49が摩耗していく。通常、ブラシ本体49の材質の方がトロリー線Tの導体Dの材質よりも柔らかく設定されており、ブラシ本体49の摩耗の方が導体Dの摩耗よりも大きくなる。
【0008】そこで従来、図10に示すように、ブラシ本体49の側面部に、その上面(摺動部)52からブラシ本体49の使用上の摩耗限界位置Hまで延びる凹部54を形成し、この凹部54がなくなるまでブラシ本体49が摩耗した場合、摩耗限界に達したと判断して交換作業を行うようにしていた。即ち、従来は、ブラシ本体49の点検を定期的に実施して、ブラシ本体49が摩耗限界に達したかどうかを確認していたのである。
【0009】ところが、一般的にトロリー線TおよびコレクタC’は高所に取り付けてあることが多く、ブラシ本体49の点検は危険が伴う煩わしい作業となる。また、点検を怠るとブラシ本体49が摩耗しすぎたのに気付かず、本来の集電能力を発揮することができなくなるばかりか、偏摩耗の進行、トロリー線Tへの損傷、走行中のブラシ本体49の脱線などを引き起こす原因となる。
【0010】そこで、実公昭54−1687号の公報に開示されているように、ブラシ本体が摩耗限界まで摩耗したことを自動的に検出して、それを報知する装置が開発されている。
【0011】この装置は、図12に示すように、ブラシ本体49の両側部において、ブラシ本体49の摩耗限界位置Hと同じ高さに補助極55を配置し、その補助極55にランプなどの警報装置56を接続したものである。ブラシ本体49が摩耗限界位置Hまで摩耗すると、トロリー線の導体Dと補助極55とが接触して短絡し、警報装置56がそれを報知する。
【0012】ところが、この装置では補助極55がブラシ本体49から距離を隔てた位置に配置されているため、ブラシ本体49の摩耗を正確に検出することができないという問題があった。具体的には、例えば、トロリー線が上下に起伏していた場合、ブラシ本体49が摩耗限界まで摩耗しているにも関わらず、トロリー線の導体Dと補助極55とが接触しなかったり、逆に、ブラシ本体49がまだ摩耗限界まで摩耗していないのにトロリー線の導体Dと補助極55とが接触してしまう可能性があった。また、トロリー線が左右(紙面前後方向)に湾曲していた場合、補助極55がトロリー線の導体Dの真下からずれてしまい、ブラシ本体49が摩耗限界まで摩耗してもトロリー線の導体Dと補助極55とが接触しない可能性もあった。
【0013】更に、集電ブラシ45がピン46を中心に揺動した場合(図11参照)、ブラシ本体49が摩耗限界まで摩耗していないのに、トロリー線の導体Dと補助極55とが接触してしまう可能性もある。
【0014】要するに、従来の集電ブラシの摩耗検出装置では、ブラシ本体が摩耗限界に達した時期を正確に検出できないという問題があったのである。
【0015】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、危険な点検作業を行うことなく、ブラシ本体が所定の摩耗量に達したことを正確に検出できる集電ブラシ及び集電ブラシの摩耗検出装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、トロリー線の導体に接触摺動し、移動機器の負荷に電力を供給するために集電するブラシ本体を備えた集電ブラシにおいて、上記ブラシ本体に、その底面からブラシ本体の使用上の摩耗限界位置まで貫通した穴部を形成し、絶縁電線の先端部の被覆を所定長さ剥がして導体を露出させ、その導体を絶縁材料でモールドして摩耗検知部を形成し、その摩耗検知部が上記摩耗限界位置に位置するように、上記絶縁電線を上記穴部内に挿入して固定したものである。
【0017】ここで、上記絶縁電線を上記穴部内に挿入した後、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、接着剤あるいは銅粉のうち少なくとも一つを上記穴部内に充填して上記絶縁電線を穴部内に固定することが好ましい。
【0018】更に本発明は、トロリー線の導体に接触摺動し、移動機器の負荷に電力を供給するために集電するブラシ本体を備えた集電ブラシの摩耗検出装置において、上記集電ブラシのブラシ本体に、その底面からブラシ本体の使用上の摩耗限界位置まで貫通した穴部を形成すると共に、絶縁電線の先端部の被覆を所定長さ剥がして導体を露出させ、その導体を絶縁材料でモールドして摩耗検知部を形成し、その摩耗検知部が上記摩耗限界位置に位置するように、上記絶縁電線を上記穴部内に挿入して固定し、上記絶縁電線の後端部に、電圧検出手段を接続すると共に、その電圧検出手段に警報手段を接続し、上記ブラシ本体が摩耗限界位置まで摩耗して上記トロリー線の導体と上記摩耗検知部の導体とが短絡したときに、上記電圧検出手段を介して上記警報手段により報知するものである。
【0019】ここで、上記警報手段は、ランプ、パトライト及びブザーのうち何れか一つ、あるいはそれらの併用であっても良い。
【0020】また、上記警報手段を上記電圧検出手段から離れた位置に設け、上記電圧検出手段は、上記トロリー線の導体と上記摩耗検知部の導体とが短絡すると、上記警報手段に信号を送信する無線手段を備えるようにしても良い。
【0021】また、3相電源を上記移動機器に供給すべく、3本のトロリー線の導体にそれぞれ上記ブラシ本体が接触集電し、上記電圧検出手段は、上記絶縁電線の後端部と、その絶縁電線が固定された集電ブラシとは異なる相の電源とを接続するようにしても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0023】まず、図5を用いて、本実施形態の集電ブラシが取り付けられるコレクタの全体構成を説明する。
【0024】コレクタCは、図11に示したコレクタC’と同様の構成であり、移動機器に設けられたコレクタ牽引用の角棒(支持棒)1に、取付金具2を介して起伏自在、かつ軸3周りに旋回自在に取り付けられたアーム4を備え、そのアーム4の先端部に本実施形態の集電ブラシ5がピン6を介して揺動可能に取り付けられる。集電ブラシ5は、絶縁部材からなるブラシホルダ7と、ブラシホルダ7内に支持されたブラシ本体9とを備えている。ブラシ本体9にはリード線10が接続されており、このリード線10が外部に引き出され、端子台(図示せず)などを介してモーター等、移動機器の負荷に接続されている。アーム4の先端部と取付金具2との間は引張バネ11で結ばれており、この引張バネ11の付勢力によってアーム4が上方向に引っ張られ、集電ブラシ5のブラシ本体9の上面が、図9に示した絶縁トロリー線Tの導体Dに押し付けられるようになっている。ブラシ本体9がトロリー線Tの導体Dと接触摺動して集電し、リード線10を介して移動機器へと電力を供給する。
【0025】さて、図1〜図3を用いて、本実施形態に係る集電ブラシ5のブラシ本体9について詳述する。
【0026】ブラシ本体9は銅系燒結合金からなり、その上面(摺動部)12は、図9に示したようなトロリー線Tの導体Dに適合する形状となっている。また、ブラシ本体9の側面部には上記リード線10を接続するための雌ネジ部13が形成されている。なお、図1(b)において、ブラシ本体9の側面部に、上面(摺動部)12からブラシ本体9の使用上の摩耗限界位置Hまで延びる凹部14が示されているが、これは、本実施形態が、図10に示した従来のブラシ本体49に改良を加えたものとして示されているからであり、本発明に必ず必要とされるものではない。
【0027】図3に示すように、ブラシ本体9には、その底面15からブラシ本体9の使用上の摩耗限界位置Hまで貫通した穴部16が二つ設けられている。穴部16の数は二つに限定されず、一つあるいは三つ以上設けるようにしても良い。
【0028】各穴部16にはそれぞれ、絶縁被覆で覆われた絶縁電線17が挿入されている。絶縁電線17は、図4に拡大して示すように、その先端部の被覆が所定長さ剥がされて導体19が露出しており、その導体19が熱可逆性の樹脂でモールド絶縁されて摩耗検知部20が形成されている。
【0029】この絶縁電線17が、ブラシ本体9の底面15から穴部16内に挿入されており、絶縁電線17の先端部の摩耗検知部20は摩耗限界位置Hと同じ高さに位置する。絶縁電線17が穴部16内に挿入された後、穴部16内に、熱可逆性樹脂、熱硬化性樹脂、接着剤あるいは銅粉などの固定材料21が充填され、絶縁電線17が穴部16内に固定される。絶縁電線17の先端部の導体19はモールド絶縁されているので、ブラシ本体9と絶縁電線17の導体19とで短絡することはない。
【0030】図5に示すように、ブラシ本体9から外部に引き出された二本の絶縁電線17は、アーム4の動きを阻害しないように、たるみを持たせて、リード線10と一まとめにして取付金具2に固定されている。
【0031】次に、このブラシ本体9の摩耗を自動的に検出するための摩耗検出装置について図6を用いて説明する。
【0032】本実施形態では、移動機器に電力を供給する電源が3相電源であり、トロリー線の導体D及びそれに接触摺動して集電するブラシ本体9はそれぞれ三つずつ設けられる。各ブラシ本体9u,9v,9wには摩耗検知部20を先端部に備えた絶縁電線17が二本ずつ埋め込まれており、各ブラシ本体9u,9v,9wに埋め込まれた2本の絶縁電線17の後端側はそれぞれ1本に接続される。そして、一本に接続された絶縁電線17の後端部と、その絶縁電線17が固定されたブラシ本体9(集電ブラシ)とは異なる相の電源(ブラシ本体9がU相の場合はV相、V相の場合はW相、W相の場合はU相)とが、電圧検出手段としての電線23u,23v,23wによって接続されている。より具体的には、各絶縁電線17の後端部が、電圧検出手段23u,23v,23wを介して、異なる相のブラシ本体9のリード線10u,10v,10wに接続されている。
【0033】電圧検出手段23u,23v,23wにはそれぞれ、電圧検出手段23u,23v,23wに電流が流れたときに、それを報知する警報手段25u,25v,25wが接続されている。本実施形態では、警報手段25u,25v,25wはトロリー線の定格電圧に耐えうるランプからなる。
【0034】なお、図中24は端子台である。
【0035】図7を用いてこの摩耗検出装置の作用を説明する。
【0036】図7は各ブラシ本体9u,9v,9wにおける2つの摩耗検知部20と、絶縁トロリー線の導体Dとを、それぞれ1つのスイッチ26u,26v,26wとしてみた場合の等価回路図である。
【0037】何れかの相のブラシ本体9がトロリー線の導体Dと接触摺動することによって摩耗し、その摩耗量が摩耗限界位置Hまで達すると、絶縁電線17の摩耗検知部20のモールド部も摩耗して、その導体19が露出し、トロリー線の導体Dと絶縁電線17の導体19とが短絡する。例えば、U相のブラシ本体9が摩耗して絶縁電線17の導体19とトロリー線の導体Dとが短絡した場合、スイッチ26uがONされることになり、ランプ25uがU相とV相に接続されて点灯する。同様に、他の相のブラシ本体9が摩耗限界位置Hまで摩耗すれば、その相のランプ25が点灯することになる。
【0038】従って、各ランプ25u,25v,25wをそれぞれのコレクタCの近傍に配置しておけば、どのコレクタCのブラシ本体9が摩耗限界に達したかが視覚的に確認できる。このとき、各ランプ25u,25v,25wを、それぞれのコレクタCの近傍で下向きに配置すれば、高所に取り付けられたコレクタCに対しても、地上から容易かつ安全にブラシ本体9の摩耗限界への到達有無を確認できる。即ち、本発明によれば、高所での危険で煩わしい点検作業を行うことなく、ブラシ本体9が摩耗限界に達したことを容易に確認できる。
【0039】また、本発明では摩耗検知部20がブラシ本体9の内部に一体的に埋め込まれているため、トロリー線22が上下に起伏していたり、トロリー線22が左右に湾曲していた場合であっても、ブラシ本体9が摩耗限界まで摩耗すればトロリー線の導体Dと摩耗検知部20の導体19とが確実に接触する。また、集電ブラシ5が揺動したとしても、ブラシ本体9が摩耗限界に達していなければ、摩耗検知部20の導体19とトロリー線の導体Dとが接触することはない。従って本発明によれば、ブラシ本体9が摩耗限界に到達した時期を正確に検知できる。
【0040】図8を用いて他の実施形態を説明する。
【0041】図8に示した形態は、警報手段としてランプ30とブザー31とを併用したものである。具体的には、ランプ30u,30v,30wと直列にリレー32u,32v,32wのコイル部33u,33v,33wを結線し、かつリレー32u,32v,32wの接点部35u,35v,35wに、交流電源36u,36v,36wとブザー31u,31v,31wとを接続したものである。この場合には、各リレー32u,32v,32wはコレクタCの近傍に配置する必要はなく、移動機器の内部などに設けることもできる。
【0042】例えば、U相においてブラシ本体9が摩耗限界位置Hまで摩耗して摩耗検知部20の導体19とトロリー線の導体Dとが短絡した場合、スイッチ26uがONされてランプ30uとリレー32uのコイル部33uがU相及びV相と接続されることになる。その結果、ランプ30uが点灯すると共に、リレー32uのコイル部33uが励磁され、接点部35uが閉じる。これによって、交流電源36uに接続されたブザー31uに通電して鳴動する。このように、ランプ30uとブザー31uとを併用すれば、周囲の作業者がランプ30に注意をはらっていなくても、音により摩耗を確実に報知することができる。そして、どの相のブラシ本体9の摩耗であるかはランプ30の点灯から知ることができる。
【0043】このように、警報手段はランプに限定されず、パトライトやブザー、あるいはそれらの併用など、様々な手段が適用できる。
【0044】更に、警報手段を、電圧検出手段23とは別々に離れた位置に設け、トロリー線の導体Dと摩耗検知部20の導体19とが短絡したときに、電圧検出手段23に設けた図示しない無線手段によって警報手段に信号を送信するようにすれば、地上の監視盤など、離れた場所で摩耗限界到達の遠隔管理を行うことができる。
【0045】また、図8ではリレーの接点をa接点として示したが、b接点あるいはc接点としてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、高所での危険のともなう、煩わしい点検作業を行うことなく、ブラシ本体の摩耗による交換時期を確実に検出することができる。また、ランプなど視覚的な警報手段の他にリレーを介したブザーなどを使用すれば、周囲の作業者が注意をはらっていなかったとしても確実に摩耗の警報を報知することが可能であり、加えて無線による遠隔監視なども可能になることから、点検、管理の大幅な省力化を図ることが可能である。また、摩耗検知部がブラシ本体に埋め込まれているため、ブラシ本体の摩耗時期を正確に検出できる。
【出願人】 【識別番号】000005120
【氏名又は名称】日立電線株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町一丁目6番1号
【出願日】 平成14年2月8日(2002.2.8)
【代理人】 【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
【公開番号】 特開2003−235102(P2003−235102A)
【公開日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【出願番号】 特願2002−32591(P2002−32591)