| 【発明の名称】 |
鉄道車両 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡邉 朝紀
【氏名】廿日出 悟
【氏名】前田 孝
【氏名】小西 幹郎
【氏名】河野 仁
【氏名】吉岡 良樹
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| 【要約】 |
【課題】走行時は接地電流の均一化を図りつつ、パンタグラフが架線と離接する時は高速鉄道車両の車体に発生する異常電圧を低減し、発生する車載機器の損傷等の防止を図る鉄道車両を目的とする。
【解決手段】車輪202の車軸と台車201との間を電気的に接続する接地装置203を複数組備える車両101〜105であって、各接地装置203間を相互に接続する接地電線301〜305と、接地電線301〜305と車両101〜105の車体アースとを接続するものであって炭化珪素焼結体によって形成され、かつ所定の高周波領域におけるインピーダンスが所定値以下に管理された接地抵抗器151〜155とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車軸と台車との間を電気的に接続する接地装置を複数組備える車両であって、前記各接地装置間を相互に接続する接地電線と、前記接地電線と、車両の車体アースとを接続するものであって、炭化珪素焼結体によって形成され、かつ所定の高周波領域におけるインピーダンスが所定値以下に管理された接地抵抗器とを備えることを特徴とする鉄道車両。 【請求項2】 車軸と台車との間を電気的に接続する接地装置を複数組備える車両であって、前記各接地装置間を相互に接続する接地電線と、前記接地電線と、車両の車体アースとを接続するものであって、10Hz〜1MHzにおいて平坦な周波数特性を有するように管理された接地抵抗器とを備えることを特徴とする鉄道車両。 【請求項3】 車軸と台車との間を電気的に接続する接地装置を複数組備える車両であって、前記各接地装置間を相互に接続する接地電線と、前記接地電線と、車両の車体アースとを接続するものであって、炭化珪素焼結体によって形成され、かつ10Hz〜1MHzにおいて平坦な周波数特性を有するように管理された接地抵抗器とを備えることを特徴とする鉄道車両。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両に係り、特に、高速鉄道車両で発生する車体の異常電圧を低減することができる鉄道車両に関する。 【0002】 【従来の技術】鉄道車両のうち比較的高速な走行速度を有し、電力を駆動源とする高速鉄道車両では、常に走行速度の更新が求められている。そのため、より高電圧の電力を架線からパンタグラフを介して車両内に取り込み、それによって、より大容量の電動機を駆動するという技術が開発されてきている。 【0003】一般に、高速鉄道車両では、架線からは25kVの高電圧の交流電力が供給されている。電力で駆動される鉄道車両(電車)が走るための動力装置を一式備えている車両をユニットと呼ぶが、一般的には2、3両で1ユニットを構成している。そして車載機器は、スペース的には、例えば第1車両に制御装置とパンタグラフ、第2車両にインバータと電動機というように分散して搭載されているのが普通である。各ユニットに電力を供給するためには、各車両に電力の引通し線を設置して、搭載されている各パンタグラフから全電力が供給される。この引通し線としては特別高圧ケーブルが使用されている。 【0004】車中に取り入れられた高電圧電力は、車中の遮断機を介して主変圧器に接続される。そして、主変圧器の一次巻線アース側は直接車体に接続されている。ここで接地方式としては、例えば0系新幹線(新幹線開業時に使用開始された車両)の接地装置では、車体と台車が直接接続されているので、接地電流は、車体からは、接地装置(アースブラシおよびスリップリング)と、車輪軸を経由して、レールに流されるようになっている。 【0005】しかし、より高速化を図った車両では、パンタグラフ数が例えば一列車編成中2基に減少され、特別高圧ケーブルを各ユニットに対し、引通すようになると、接地電流の分布が列車編成の両端付近の車両に集中するようになってきていた。 【0006】一方、車体および台車の構造について着目すると、近年、車体を搭載する台車が改良され、ボルスタレス台車が使用されるようになり、車体と台車間の絶縁が強化されるようになってきている。このボルスタレス台車では、振動を抑制するために、機械的な接続部分が全てゴム等の弾性体を介して接続されるようになっており、必然的に車体と台車間の絶縁は強化されている。この結果、車体・台車間の接地電流は、ボルスタレス台車の場合、金属接触部が全くなく、接地抵抗器を通して流れるのみとなっている。 【0007】なお、車体からレールへの接地方式については、接地電流の列車編成両端の車両への集中を緩和するとともに、制御装置のデジタル化等に伴う電気的雑音の低減のため、新幹線の26次車以降では、車両内に接地電線を新たに設置し、ここに主変圧器一次側を接続して、車体アースは接地抵抗器を介してこの接地電線に接続するようになっていた(次数は車両の製造時期を発注回数で表現する単位であり、26次車は昭和53年〜54年ごろに製造された車両である)。そして、車体のアースブラシおよびスリップリング等からなる接地装置は接地電線に接続されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来の技術では、架線から25kVの高電圧電力が供給されるにもかかわらず、パンタグラフ数を減少させ、特別高圧ケーブルをそれらのパンタグラフから全車両に引通すようにしている。更に台車と車体間の絶縁が強化されてきている。そのため、接地電流が一部の車両に集中する傾向が高まってきていた。そこで、対策として、接地電流を均等化するために接地電線と接地抵抗器が設けられるようになった。 【0009】しかしながら、今後、さらに車両の高速化のために高電圧化等を進めると、現状の構成では、接地電流の増大に対して接地装置の定格をさらに増大させる必要が生じたり、車輪軸の軸受け等に発生する可能性のある電食を防止するための新たな対策が必要となったりすることが考えられる。また、接地電流の分布が不均一であること等に起因する電気磁気的な雑音の増大や、パンタグラフを上昇させて架線に接触させる際やパンタグラフが架線から離間する際に過渡的に短時間発生する車体の異常電圧によって、車載機器に誤動作、故障が発生する現象が起こったり、特に制御装置や台車に取り付けられた制御弁等に焼損が発生したりするといった課題も考慮する必要がでてくると考えられる。 【0010】そこで、本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであって、走行時は接地電流の均一化を図りつつ、パンタグラフが架線と離接する時は高速鉄道車両の車体に発生する異常電圧を低減し、発生する車載機器の損傷等の防止を図る鉄道車両を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、車軸と台車との間を電気的に接続する接地装置を複数組備える車両であって、前記各接地装置間を相互に接続する接地電線と、前記接地電線と、車両の車体アースとを接続するものであって、炭化珪素焼結体によって形成され、かつ所定の高周波領域におけるインピーダンスが所定値以下に管理された接地抵抗器とを備えることを特徴とする。 【0012】請求項2記載の発明は、車軸と台車との間を電気的に接続する接地装置を複数組備える車両であって、前記各接地装置間を相互に接続する接地電線と、前記接地電線と、車両の車体アースとを接続するものであって、10Hz〜1MHzにおいて平坦な周波数特性を有するように管理された接地抵抗器とを備えることを特徴とする。請求項3記載の発明は、車軸と台車との間を電気的に接続する接地装置を複数組備える車両であって、前記各接地装置間を相互に接続する接地電線と、前記接地電線と、車両の車体アースとを接続するものであって、炭化珪素焼結体によって形成され、かつ10Hz〜1MHzにおいて平坦な周波数特性を有するように管理された接地抵抗器とを備えることを特徴とする。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明による鉄道車両の一実施形態の機器構成を示す回路図である。図1は、レール100上で一列車を編成する複数の車両のうちの一続きの5台の車両101、102、103、104及び105を示している。この場合、車両101と車両102、車両103と車両104、及び車両105と図示していない1または数台の車両とが、それぞれ1つのユニットを構成している。 【0014】各車両101〜105には、各4台のボルスタレス型の台車201によって台車201毎に各4本の車輪202が設けられている(だたし図1では図面に向かって手前側の面の台車と車輪のみ示している)。各車輪202には、各車両101〜105共通に、各車輪202の車軸に組み付けられたスリップリングと、そのスリップリングに接触するように台車201に設置されたアースブラシからなる接地装置203がそれぞれ設けられている。また、各接地装置203の間は、車両101〜105毎に各車両101〜105の車体アースから離間して設けられている接地電線301、302、303、304及び305によって、接続されている。そして、接地電線301と接地電線302、接地電線303と接地電線304、及び接地電線305と図示していない他の車両の接地電線は、それぞれ接続ケーブル306、307及び308で接続されている。 【0015】また、車両103にはパンタグラフ111が、車両105にはパンタグラフ112が、それぞれ設けられている。また、車両101、車両103、及び車両105には、真空遮断器113〜115と、主変圧器116〜118と、図示していない他の制御装置とがそれぞれ設けられている。そして、車両102と車両104には、図示していないインバータと電動機がそれぞれ搭載されているものとする。 【0016】パンタグラフ111は、車両102に設けられたケーブルヘッド121と、車両103に設けられたケーブルヘッド122に接続されている。パンタグラフ112は、車両104に設けられたケーブルヘッド123と、車両105に設けられたケーブルヘッド124に接続されている。 【0017】ケーブルヘッド121には特別高圧ケーブル131が接続され、ケーブルヘッド122には特別高圧ケーブル132及び特別高圧ケーブル133が接続されている。ケーブルヘッド123には特別高圧ケーブル134が接続され、ケーブルヘッド124には特別高圧ケーブル135が接続されている。これらの特別高圧ケーブル131〜135と、後述する各特別高圧ケーブル136〜138は、それぞれ、高電圧電力が供給される芯線141とそのシールド142とから構成されている。そして、シールド142は、各特別高圧ケーブルが引き通されるいずれかの車両101〜105の車体にアースされている。 【0018】上述した車両102内に敷設されている特別高圧ケーブル131は、車両102内の特別高圧ケーブル用直線接続部402、接続用特別高圧ケーブル136、及び車両101内の特別高圧ケーブル用直線接続部401を介して、車両101内に敷設されている特別高圧ケーブル137に接続されている。車両101では、特別高圧ケーブル137の芯線が、真空遮断器113の一方の端子に接続され、真空遮断器113の他方の端子が主変圧器116の一次巻線の一方の端子に接続されている。その主変圧器116の一次巻線の他方の端子は、接地電線301に接続され、接地電線301は接地抵抗器151によって車両101の車体にアースされている。車両101の車体アースは、接続ケーブル311と接続ケーブル312によって、車両102の車体アースに接続されている。そして、車両102では、接地電線302が、接地抵抗器152によって、車両102の車体にアースされている。 【0019】車両103内に敷設されている特別高圧ケーブル133は、車両103内の特別高圧ケーブル用直線接続部403、接続用特別高圧ケーブル138、及び車両104内の特別高圧ケーブル用直線接続部404を介して、車両104内に敷設されている特別高圧ケーブル134に接続されている。車両103では、特別高圧ケーブル132の芯線が、真空遮断器114の一方の端子に接続され、真空遮断器114の他方の端子が主変圧器117の一次巻線の一方の端子に接続されている。主変圧器117の一次巻線の他方の端子は、接地電線303に接続され、接地電線303は接地抵抗器153によって車両103の車体にアースされている。車両103の車体アースは、接続ケーブル313によって、車両102の車体アースに接続されるとともに、接続ケーブル314と接続ケーブル315によって、車両104の車体アースに接続されている。そして、車両104では、接地電線304が接地抵抗器154によって車両104の車体にアースされている。 【0020】そして、車両105では、特別高圧ケーブル135の芯線が、真空遮断器115の一方の端子に接続され、真空遮断器115の他方の端子が主変圧器118の一次巻線の一方の端子に接続されている。主変圧器118の一次巻線の他方の端子は、接地電線305に接続され、接地電線305は接地抵抗器155によって車両105の車体にアースされている。車両105の車体アースは、接続ケーブル316によって、車両104の車体アースに接続されるとともに、接続ケーブル317と接続ケーブル318によって、図示していない隣接する車両の車体アースに接続されている。 【0021】以上の構成において、各車両101〜105の車体は、接地抵抗器151〜155を介して接地電線301〜305にそれぞれ接続されている。そして、接地電線301〜305からは、アースブラシ、スリップリング等からなる接地装置203、203、…を介して各車輪202の車輪軸からレール100へと接地回路が構成されている。 【0022】上記のような車体に対して、パンタグラフ111、112を上昇させて架線に接触させたり、下降して離間したりすると、その接触あるいは離間の瞬間に特別高圧ケーブル131〜138の芯線141に急激な電圧変化が起き、シールド142に高電圧が誘起される。シールド142は車体に接続(アース)されているので、車体には電位が発生し、車体とレール100間に短時間、過渡的に接地電流が流れ、車体に接地電流によるサージ電圧が発生する。この瞬間に車体に搭載、接地されている車載機器に接地電流によるサージ電圧が印加されることになる。車両の高速化に伴う高電圧電力を用いる場合、サージ電圧の大きさによっては、状況に応じて絶縁の弱い部分に絶縁破壊等が発生して、機器が損傷したり、誤動作したりする可能性があるので、このサージ電圧を低減することが重要な課題となる。 【0023】そこで、本実施の形態では、各接地装置203、203、…間を接続する各接地電線301〜305と、各車両101〜105の車体アースとの間に設けられている接地抵抗器151〜155の周波数特性を所定の範囲に管理することで、サージ電圧の発生を低減するようにしている。すなわち、接地抵抗器151〜155の直流あるいは商用周波数域等の低周波域におけるインピーダンスを所定の範囲に設定管理するとともに、高周波(例えば10kHz〜1MHz程度の周波数範囲)におけるインピーダンス変化を所定の値以下に(あるいは平坦な特性を有するように)管理することで、サージ電圧の低減を図っている。高周波におけるインピーダンスの管理は、設計段階のみならず、製造過程においても、実際に図1に示すような構成の列車編成を製造した際、あるいは各車両の製造中あるいは完成時の検査等においても管理を実施することが望ましい。 【0024】高周波領域においてインピーダンスを低下させるための重要な要素としては、抵抗器の外部で鎖交する磁束数や媒質の透磁率によって決まるインダクタンスを低下させることと、抵抗器の内部のインダクタンスの影響によって生じる表皮効果の影響を小さく抑えることであると考えられる。すなわち、抵抗器を流れる電流の回路(電流の通路)の形を、その回路に電流が流れたときにその回路と鎖交する磁束数をできるだけ増加させないようなものに設定することと、その回路と鎖交する磁束の媒質の透磁率をできるだけ増加させないように設定することと、抵抗器の内部インダクタンスをできるだけ増加させないように設定することとが重要な課題になると考えられる。これらの課題を解決するためには、例えば抵抗器の形状を、できるだけ電流の流れる向きの長さを短く抑えるとともに、直線状、すなわち直方体や楕円柱等のように、電流の流れる向きに垂直な中心軸を有する立体形状となるようにし、かつ、表皮効果を抑えるため、抵抗器の断面の厚さを薄く抑えるとともに、抵抗器の材質を透磁率ができるだけ小さくするように、その形状と材質とを設計することが重要である。さらに、接地電流に対する許容電流の特性を満足するとともに、鉄道車両において使用するのに適した耐震性、耐水性、耐火性等の耐環境特性を備えていることが要求される。 【0025】抵抗器(抵抗体)の材質としては、直流あるいは低周波域で所望の抵抗値を実現することができる物質あるいは合成物であって、磁気的な特性については、鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性体やそれらの物質を主要な構成成分とする強磁性体の合成物ではない、非磁性体(ここでは強磁性体でない磁性体を非磁性体とする。)である、アルミニウム、パラジウム、白金等の常磁性体や、銀、鉛、銅、炭素、珪素等の反磁性体の物質、あるいはそれらの合成物を用いることが好ましい。また、形状寸法としては、抵抗体の断面の厚さ(あるいは直径)の1/2の長さが、表皮効果の影響が顕著となる目安の長さである、表皮厚さδ=√(2/μσω)程度以下(ただし、μは抵抗体の透磁率、σは抵抗体の電気伝導率、ωは電磁場の角振動数)となるような大きさとすることが望ましい。 【0026】より具体的には、抵抗器の材質としては、非磁性体であって、上述したような形状で電気的及び構造的な要求特性を満足することを用いることが望ましい。このような材質の一例としては、例えば、特開2001−76902号公報、特開2001−244103号公報に記載された炭化珪素焼結体がある。 【0027】なお、非磁性体の他の材料による接地抵抗器としては、例えば、鉄に十数パーセント程度以上のクロムを含有して形成されたステンレス鋼によって構成した抵抗器や、カーボン抵抗器が考えられる。しかしながら、ステンレス鋼によって接地抵抗器を構成した場合、ステンレス鋼の電気伝導率が比較的高いので、所望の許容電流値を満足するとともに所望の抵抗値を得るのには、ある程度の長さを必要とし、接地抵抗器のインダクタンスを低く抑えることが難しいという課題がある。また、カーボンあるいはカーボンと酸化アルミニウムの複合材料などを用いた接地抵抗器では、カーボン自体が吸湿性のため水分の影響によって抵抗値の安定性に乏しく、その上、機械的強度も低いので、鉄道車両などの振動が発生する用途では、場合によっては、割れや欠けなどの損傷が生じる問題点がある。 【0028】図2は、本実施形態の一例としての炭化珪素焼結体で構成された接地抵抗器151〜155の周波数特性(実線)の実測値を、従来の抵抗器の特性(破線)と比較して示す図であり、横軸に周波数10Hz〜10MHzの値を対数値でとり、縦軸にインピーダンス(Ω)の値を対数値でとっている。なお、従来の抵抗器としては、鉄・クロム・アルミニウムからなる非磁性耐食ステンレス材で形成されたものを用いた。図2に示す例では、共に商用周波数域で0.45Ω程度のインピーダンスであるのに対して、本実施形態の接地抵抗器では周波数700kHzで約0.46Ω、1MHzで約0.53Ωとなっており、従来の抵抗器でそれぞれ約43Ω、約65Ωとなっているのに比べ、1MHz以下の高周波領域では大幅な特性改善が達成されている。 【0029】なお、図2に示す例では、従来の抵抗器において、1kHz〜700kHzの周波数領域で、高周波になるに従って誘導性が大きくなる傾向が現れている。このような特性を持つ抵抗器を用いた場合、条件によっては、車両等の浮遊容量との共振を引き起こす可能性がある。その場合には、共振点付近でその周波数の高周波成分が増大し、サージ電圧が増大することが考えられる。しかしながら、本実施形態のように設計及び製造段階で接地抵抗器の周波数特性を管理した場合、そのような共振による影響も容易に防止することが可能である。 【0030】次に、図3を参照して、本実施形態によるサージ電圧低減の効果について説明する。図3は、本実施形態の低誘導形の接地抵抗器151〜155を、車体と接地電線301〜305との間に接続した場合に、車体を伝播する連続矩形進行波に対する接地抵抗器151〜155の接続点Pに到来する入射電圧波(異常電圧)および反射電圧波の合成波、並びに透過電圧波を示す図である。図3では、(a)が、サージ電圧(入射波)が接続点Pに到来する前の状態を示す図であり、(b)が、サージ電圧(入射波)が接続点Pに到来し、透過波と反射波が発生した後、さらに入射波が連続しているときの状態を示す図である。 【0031】図3(a)、(b)に示す回路で、接続点Pにおける、入射波の電圧をE1、透過波の電圧をE2、反射波の電圧をE3、接続点P前後の線路のサージインピーダンスをZ0、接地抵抗器の抵抗値をRとすると、透過波の電圧E2はE2=2R・E1/(2R+Z0)、反射波の電圧E3はE3=−Z0・E1/(2R+Z0)で与えられる。ここで、仮に接地抵抗器151〜155が0(=R)である場合には電圧E2は0である。接地抵抗器151〜155が∞(=R)である場合には電圧E2はE1に等しくなる。 【0032】本実施形態のように、高周波領域のインピーダンス値が所定値以下に管理された接地抵抗器151〜155で、接続点Pが接地されている場合には、接地抵抗器151〜155によって走行時の車体側への接地電流の流入を抑制しつつ、接続点Pからの反射波により連続して到来する進入波を抑制し、かつ接続点Pから車体末端へ透過する透過波を抑制することが容易に可能となる。なお、この場合、同時に同一透過電圧波が接地抵抗器に伝播することになる。 【0033】なお、本発明の実施の形態は、上記の構成に限定されることなく、例えば、列車の編成方法や、各機器、パンタグラフ、特別高圧ケーブル、接地電線、接地装置、及び接地抵抗器の配置や個数については、適宜変更あるいは増加あるいは増減させることが可能である。 【0034】また、本発明の態様として、鉄道車両の製造方法を考える場合には、例えば、各車両において接地電線を接地装置に接続する過程と、高周波領域におけるインピーダンス(例えば10Hz〜700kHzあるいは1MHz程度以下の領域あるいはそのなかの所定範囲)を、所定値以下に、あるいは、平坦な特性を有するように、管理した接地抵抗器によって接地電線と車両の車体アースとを接続する過程とを含むことを特徴とするようにする。また、これらの過程に加え、接地電線と車両の車体アースとの間の高周波領域における(例えば10Hz〜700kHz内の所定の範囲の周波数あるいは1MHz程度以下の周波数あるいはそのなかの所定範囲の1または複数の周波数点における)接地インピーダンスを測定する過程とを含むようにしてもよい。 【0035】 【発明の効果】以上に示されるが如き本願発明においては、低誘導形接地抵抗器を用いることにより、パンタグラフの上昇あるいは下降時時の架線に接触あるいは離間するときに車体に発生する異常な高電圧を低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000173784 【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所 【識別番号】000183266 【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年1月25日(2002.1.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−224905(P2003−224905A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月8日(2003.8.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−17631(P2002−17631) |
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