| 【発明の名称】 |
太陽電池充電式電気走行装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小国 元春
【氏名】▲高▼橋 和彦
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| 【要約】 |
【課題】燃料を使用せず、搭載バッテリの電力だけで長期間の走行が可能で、一定速度で安定した走行を実現する太陽電池充電式電気走行装置を提供する。
【解決手段】太陽電池11からの電力をスタータ用バッテリ13に蓄電し、スタータ用バッテリ13の電力でダイナモ14…を駆動する。ダイナモ14…で得た電力を対応する第2のバッテリ15…に蓄電した後、各第2のバッテリ15…の電力を電源に走行用モータ16を駆動し、電気バス10を走行する。結果、電流値の変動を抑え、一定速度で安定した走行が実現できる。燃料を使用せず、外部設備を使った充電やバッテリ交換をしなくても、搭載された第2のバッテリ15…の電力だけで長期間の走行ができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 太陽電池が取り付けられた太陽電池パネルと、上記太陽電池により得られた電力を蓄電する第1のバッテリと、該第1のバッテリから供給された電力によって発電する複数台の発電機と、1台の発電機に対して1個ずつ配置され、対応する発電機からの電力を蓄電する複数個の第2のバッテリと、各第2のバッテリから供給された電力によって駆動する走行用モータと、これらの太陽電池パネル、第1のバッテリ、発電機、第2のバッテリ、走行用モータが搭載され、該走行用モータを動力源とした走行部とを備えた太陽電池充電式電気走行装置。 【請求項2】 太陽光を受光して太陽の位置を検出する位置センサと、該位置センサからの検出信号に基づき、上記太陽電池の電池面が太陽に正対するように太陽電池パネルを動かす太陽追尾手段とを有し、上記太陽電池パネルは、該太陽電池パネルの重心を通過し、該太陽電池パネルの表面と平行な面内に配置された回動中心線を中心にして回動自在に設けられ、上記太陽追尾手段が、上記太陽電池パネルに先端が固定された吊下部材をドラムから導出または巻き上げて、上記回動中心線を中心に太陽電池パネルを回動させるウインチである請求項1に記載の太陽電池充電式電気走行装置。 【請求項3】 上記太陽追尾手段が、方位磁石が組み込まれた方位センサと、上記太陽電池パネルを水平旋回して、上記方位センサにより検出された地軸方向に、常時、上記太陽電池パネルの回動中心線を配置するパネル旋回手段とを有している請求項2に記載の太陽電池充電式電気走行装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は太陽電池充電式電気走行装置、詳しくは、燃料を使用せず、しかも外部設備を利用した充電やバッテリ交換などを行わなくても、搭載されたバッテリの電力だけで長期間の走行が可能で、またバッテリから走行部に対して安定した電流値の電力を供給し、一定速度での安定的な走行を実現する太陽電池充電式電気走行装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、走行用モータを駆動源とした電気自動車が開発されている。この電気自動車では、その走行モータを駆動する直流電源として、例えば240ボルト程度のバッテリが搭載されている。走行時には、バッテリから電力を取り出し、運転者が要求した速度に応じた電流をインバータを介して走行モータに供給することで走行する。ところで、一般的な電気自動車によれば、減速時、走行モータによって駆動したエネルギを有効に回収するため、電力の供給が断たれることで発電機となった走行モータにより発生した電力を、バッテリに回生(充電)していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の電気自動車にあっては、このように減速時に走行モータで発生する電力をバッテリに回生するものの、バッテリに充電される電力に限界がある。そのため、このような減速時の回生に頼った充電方法では、長い距離を走行することは困難であった。そこで、この問題点を解消する従来技術として、走行モータと内燃機関とを駆動源としたハイブリット車が開発されている。ハイブリット車では、内燃機関での走行時に、この内燃機関に結合された発電機で発電し、その電力をバッテリに充電することができる。しかしながら、このハイブリット車は、駆動源が内燃機関だけの一般的な燃料自動車と比べると燃費は少ないものの、走行時には走行距離に応じて費用が嵩むガソリン,灯油,LPGなどの燃料が必要であった。 【0004】そこで、発明者は、鋭意研究の結果、上記電気自動車にバッテリ充電用の太陽電池を搭載すれば、ハイブリット車のような燃料の消費、充電所でのバッテリ充電やバッテリ交換などを行わなくても、搭載しているバッテリの電力だけで十分に長距離の運転が行えることを知見し、この発明を完成させた。また、この発明者は、まず太陽電池からの電力を第1のバッテリに蓄電し、この第1のバッテリの電力で複数の発電機を駆動し、各発電機で生じた電力をこれらの発電機と個別対応の第2のバッテリにそれぞれ蓄電し、続いて各第2のバッテリの電力を電源として走行用モータを作動するようにすれば、発電機で得られた電力を、直接、走行用モータに供給した場合に生じる電流値の変動を抑え、一定速度で安定した走行を実現できることを知見し、この発明を完成させた。 【0005】 【発明の目的】この発明は、燃料を使用せず、外部設備を利用した充電やバッテリ交換などを行わなくても、搭載されたバッテリの電力だけで長期間の走行が可能で、しかもバッテリから走行部に対して安定した電流値の電力を供給し、一定速度での安定的な走行を実現することができる太陽電池充電式電気走行装置を提供することを、その目的としている。また、この発明は、日陰の走行時以外、晴天下の日中は常に発電が可能であって、1日当たりの発電量を高めることができ、しかも小さな操作力で太陽電池パネルを回動させることができる太陽電池充電式電気走行装置を提供することを、その目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、太陽電池が取り付けられた太陽電池パネルと、上記太陽電池により得られた電力を蓄電する第1のバッテリと、該第1のバッテリから供給された電力によって発電する複数台の発電機と、1台の発電機に対して1個ずつ配置され、対応する発電機からの電力を蓄電する複数個の第2のバッテリと、各第2のバッテリから供給された電力によって駆動する走行用モータと、これらの太陽電池パネル、第1のバッテリ、発電機、第2のバッテリ、走行用モータが搭載され、該走行用モータを動力源とした走行部とを備えた太陽電池充電式電気走行装置である。 【0007】太陽電池充電方式が採用された電気走行装置の種類は限定されない。例えば、自動車,バイク,農業用トラクタ,耕運機,フォークリフト車,ダンプカーなどの各種の車両(平ボディ車を含む)を採用することができる。このうち、四輪車の場合には、各タイヤに個別に走行用モータを配備して全輪駆動車とすれば、プロペラシャフトやデフレンシャルギヤなどを削減することができる。そのほか、電気走行装置として、各種の船舶なども採用することができる。太陽電池の種類は限定されない。例えば、一般的な単結晶シリコン系の太陽電池やアモルファスシリコン系の太陽電池などを採用することができる。太陽電池パネルに取り付けられる太陽電池の使用枚数は限定されない。また、太陽電池パネルの形状も限定されない。通常は、正面視して矩形状である。第1のバッテリの使用個数は限定されない。1個でもよいし、複数個でもよい。 【0008】第1のバッテリ、第2のバッテリの電圧は限定されない。例えばDC12V,DC24V,DC36V,DC42Vなどが挙げられる。両バッテリの搭載個数はそれぞれ限定されない。1個でも、複数個でもよい。要は、使用電力の大きさによって適宜変更される。第2のバッテリの使用個数は2個以上であればよい。各第2のバッテリは、並列に接続しても、直列に接続してもよい。発電機としては、直流の出力が得られるものであれば限定されない。例えば、DCゼネレータであるダイナモなどを採用することができる。また、発電機の使用個数は、第2のバッテリの個数分となる。なぜなら、第2のバッテリ1個に対して発電機1台が接続されるためである。走行部の構造は限定されない。例えば、電気走行装置が車両の場合、変速機,ドライブシャフト,タイヤなどを搭載したシャシとなる。また、電気走行装置が船舶の場合には、船底に搭載された変速機,スクリューなどが組み込まれた機関部となる。 【0009】請求項2に記載の発明は、太陽光を受光して太陽の位置を検出する位置センサと、該位置センサからの検出信号に基づき、上記太陽電池の電池面が太陽に正対するように太陽電池パネルを動かす太陽追尾手段とを有し、上記太陽電池パネルは、該太陽電池パネルの重心を通過し、該太陽電池パネルの表面と平行な面内に配置された回動中心線を中心にして回動自在に設けられ、上記太陽追尾手段が、上記太陽電池パネルに先端が固定された吊下部材をドラムから導出または巻き上げて、上記回動中心線を中心に太陽電池パネルを回動させるウインチである請求項1に記載の太陽電池充電式電気走行装置である。 【0010】位置センサの種類は限定されない。例えば、太陽光の成分のうちの1種または2種類以上を検知可能な光センサなどが挙げられる。光センサとしては、例えば赤外線センサの他、紫外線センサなどを採用することができる。要は、太陽の高さ位置を検出可能なセンサであればよい。太陽追尾手段の機構は、ウインチ式であれば限定されない。要は、常時、太陽電池の電池面が太陽と正対するように、吊下部材をドラムから導出または巻き上げて、太陽電池パネルの向きを太陽の動きに合わせて変更できればよい。ウインチの使用個数は限定されない。1台でもよいし、2台以上でもよい。1台のウインチから導出される吊下部材(例えばケーブル)の本数は限定されない。1本でもよいし、2本以上でもよい。吊下部材が1本の場合には、通常、太陽電池パネルの回動中心線と直交する方向の一端部に吊下部材の先端が固定される。また、吊下部材が2本の場合には、通常、各吊下部材の先端は太陽電池パネルの回動中心線と直交する方向の両端部にそれぞれ固定される。 【0011】請求項3に記載の発明は、上記太陽追尾手段が、方位磁石が組み込まれた方位センサと、上記太陽電池パネルを水平旋回して、上記方位センサにより検出された地軸方向に、常時、上記太陽電池パネルの回動中心線を配置するパネル旋回手段とを有している請求項2に記載の太陽電池充電式電気走行装置である。方位センサとしては、方位の検出部分に方位磁石が組み込まれていれば、その種類は限定されない。パネル旋回手段としては、例えば第2のバッテリに蓄電された電力を電源とする旋回モータなどでもよい。そのほか、油圧シリンダなどの各種のアクチュエータを採用してもよい。 【0012】 【作用】この発明によれば、まず太陽電池からの電力を第1のバッテリに蓄電し、この第1のバッテリの電力で複数の発電機を駆動する。次いで、これらの発電機で得られた電力を、各発電機と個別対応の第2のバッテリにそれぞれ蓄電する。その後、各第2のバッテリの電力を電源として走行用モータを駆動し、電気走行装置を走行する。これにより、発電機で得た電力を、直接、走行用モータに供給したときに生じる電流値の変動を抑え、一定速度で安定した走行を実現することができる。しかも、燃料を使用せず、外部設備を利用した充電やバッテリ交換などを行わなくても、搭載されたバッテリの電力だけで長期間の走行が可能になる。 【0013】特に、請求項2の発明によれば、位置センサで太陽光を受光して太陽の位置を検出し、位置センサからの検出信号に基づき、太陽追尾手段により太陽電池の電池面が太陽と正対するように、太陽電池パネルを動かす。このように太陽を自動追尾することで、日陰の走行時以外は、上空での太陽の位置にかかわりなく、晴天下の日中は常に発電が可能であって、1日当たりの発電量を高めることができる。しかも、この太陽の追尾時には、ドラムから吊下部材を導出したり巻き上げたりして、太陽電池の電池面が太陽に正対する角度位置まで、太陽電池パネルを回動中心線を中心にして回動させる。このように、太陽追尾手段として、太陽電池パネルをシーソーの板としたウインチ駆動式のシーソー機構を採用したので、小さな操作力で太陽の追尾を行なうことができる。 【0014】また、請求項3の発明によれば、方位センサにより地軸(南北方向)の向きを検出し、常時、この地軸と直交する方向に太陽電池パネルの回動中心線が向くように、パネル旋回手段によって太陽電池パネルを水平旋回する。これにより、シーソー板(太陽電池パネル)の両端方向だけにしか回動しないシーソー式の太陽追尾手段を搭載し、しかも走行方向がそのときどきで任意に変更される電気走行装置であっても、常に太陽電池の電池面を太陽と正対させることができる。その結果、1日当たりの発電量を高めることができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は、この発明の第1の実施例に係る太陽電池充電式電気走行装置のシャシの概略平面図である。図2は、この発明の第1の実施例に係る太陽電池充電式電気走行装置の斜視図である。図1および図2において、10はこの発明の第1の実施例に係る電気バス(太陽電池充電式電気走行装置)であり、この電気バス10は、太陽電池11が取り付けられた太陽電池パネル12と、太陽電池11により得られた電力を蓄電する1個のスタータ用バッテリ(第1のバッテリ)13と、このスタータ用バッテリ13から供給された電力を電源にして発電する8台のダイナモ(発電機)14…と、1台のダイナモ14に対して1個ずつ配置され、対応するダイナモ14…からの電力を蓄電する8個の第2のバッテリ15…と、各第2のバッテリ15…から供給された電力によって駆動する走行用モータ16と、これらの太陽電池パネル12,第1のバッテリ13,ダイナモ14…,第2のバッテリ15…および走行用モータ16が搭載され、この走行用モータ16を動力源として電気バス10を走行させるシャシ(走行部)17とを備えている。 【0016】以下、これらの構成部品を詳細に説明する。太陽電池パネル12は、矩形容器状の車体18の天井板の中央部上に、車幅方向に2枚、車長方向に4枚の合計8枚が展張されている。総発電量は、1.2〜1.5kwである。太陽電池パネル12は、平面視して矩形状を有するベース板の表面に、多数枚の太陽電池11を格子状に配列させたものである。太陽電池11としては、集積型アモルファスシリコン系の矩形状を有する太陽電池モジュールが採用されている。1枚の太陽電池パネル12の寸法は縦80.2cm,横120.0cm,厚さ4.6cmで、重量は12.5kgである。 【0017】スタータ用バッテリ13は、シャシ17の車両後部の一側部分に搭載され、第2のバッテリ15…と同じDC24V用である。これらの第2のバッテリ15…は、シャシ17の車両後部の両側部に4個ずつ分配されている。各第2のバッテリ15…には、それぞれ1個ずつダイナモ14…が併設されている。対配置された第2のバッテリ15…とダイナモ14…との総数は、電気バス10の大きさに応じて適宜変更される。走行用モータ16は、シャシ17の車両後部の中央部分に搭載されている。車両前方に延びる出力軸は変速機19に連結され、足踏み式のアクセル(ハンドルレバー式のアクセルでもよい)の踏み具合をポテンショメータで検出し、その検出信号に基づき、図示しないコントローラによって各第2のバッテリ15…から流れる電流量を調整する。これにより、走行用モータ16の出力軸が所定の速度で回転し、続いてプロペラシャフト20が回転し、その後、デフレンシャルギヤ21を介して、ドライブシャフト22が所定速度で回転し、リヤ側のタイヤ23,23が回転して走行する。 【0018】次に、この第1の実施例の電気バス10の作動を説明する。図1および図2に示すように、まず太陽電池11を利用したバッテリ充電を行う。すなわち、太陽光が太陽電池11に当たると、太陽電池11の表面と裏面とにそれぞれ配置された両電極間で直流の電流が生じる。この光電効果で得られた電力をスタータ用バッテリ13に蓄電し、ここで蓄電された電力で各ダイナモ14…を駆動する。なお、ダイナモ14…駆動中も常時、スタータ用バッテリ13に対する太陽電池11による充電は行われる。次いで、各ダイナモ14…で得られた電力を、ダイナモ14…と1対1の関係で併設された第2のバッテリ15…にそれぞれ蓄電する。こうして、各第2のバッテリ15…の充電が完了する。以降、各ダイナモ14…は、対応する第2のバッテリ15…の、使用により減少した電力を補充するためだけに用いられる。 【0019】バス運転時には、運転者のアクセルの踏み具合をポテンショメータで検出し、その検出信号に基づき、コントローラが第2のバッテリ15…から流れる電流量を調整する。その際、高速走行時には各第2のバッテリ15…を直列に接続し、低速走行時には各第2のバッテリ15…を並列に接続するようにしてもよい。これにより、走行用モータ16が所定の速度で回転し、プロペラシャフト20,デフレンシャルギヤ21を介してドライブシャフト22が回転する。こうして、リヤ側のタイヤ23,23が回転し、電気バス10が走行する。その結果、一定速度での走行時において、ダイナモ14…で得られた電力を、直接、走行用モータ16に供給したときに生じるような電流値の変動が抑えられる。その結果、一定速度での安定した電気バス10の走行を実現することができる。 【0020】しかも、燃料を使用せず、外部設備を利用した充電やバッテリ交換などを行わなくても、第2のバッテリ15…の電力だけで長期間の走行が可能となる。これにより、電気バス10でありながら、ガソリン車やヂィーゼル車と同じ程度の耐用年数(8〜12年)が得られる。このように、バッテリ13,15…の耐用年数が長くなるのは、常にバッテリ13,15…の電気容量が全容量の3分の2以上に保持されているためである。従来の電気自動車などは、バッテリの電力を略使い切ってから充電していた。そのため、バッテリの電気的な損傷が大きく、それだけ耐用年数が短くなっていた。ちなみに、この電気バス10に搭載された太陽電池11の耐用年数は約30年、バッテリ13,15の耐用年数は約10年、ダイナモ14…の耐用年数は約10年(ブラシ交換でさらに延長可能)、走行用モータ16の耐用年数は約10年である。さらに、上記車両においては車庫入れ時、発電機を用いてバッテリ容量を満タンとすることもできる。この場合、スタータ用バッテリを用いて発電機を駆動する。また、発電機の回転数を一定として運転すれば、炭素ブラシの消耗を抑えることもできる。その場合、バッテリの容量をチェックし、この結果に基づいて回転数を上昇させて発電機を運転することもできる。 【0021】次に、図3〜図5に基づき、この発明の第2の実施例に係る太陽電池充電式電気走行装置を説明する。図3は、この発明の第2の実施例に係る太陽電池充電式電気走行装置の縦断面図である。図4は、この発明の第2の実施例に係る太陽電池充電式電気走行装置に組み込まれたシーソー式ソーラー発電システムの斜視図である。図5は、この発明の第2の実施例に係るシーソー式ソーラー発電システムの制御回路を示すブロック図である。 【0022】図3〜図5に示すように、この第2の実施例の電気船(太陽電池充電式電気走行装置)30は、第1の実施例の電気バス10の充電設備を船舶に適用した例である。電気船30では、対配置される多数のダイナモ14…と第2のバッテリ15…とを船底に設置している。これらは、船の大きさに応じて適宜増減される。これらのダイナモ14…および第2のバッテリ15…は、船の錘としてのバラスト(海水)の代わりにもなる。したがって、電気船30のメンテナンス時など、船底に対する海水の注排水が不要になるとともに、メンテナンスに要する期間の短縮および船の耐用年数を延長することができる。走行用モータ16および変速機19は、船尾の底部に配されたスクリューシャフト31に連結されている。スクリューシャフト31の先部は、船底の壁板を通過して船外に突出し、スクリュー32が固着されている。 【0023】甲板上には、多数枚の固定式の太陽電池パネル12が上向きに展張されている。また操舵室33の上部には、旋回ステージ34および旋回モータ(パネル旋回手段)35を介して、シーソー式ソーラー発電システム40が水平旋回自在に設けられている。以下、このシーソー式ソーラー発電システム40を詳細に説明する。図4に示すように、シーソー式ソーラー発電システム40は、多数枚の太陽電池11が張り付けられた太陽電池パネル12Aと、太陽光を受光して太陽の位置を検出する位置センサ部43と、風力を検出する風力計44と、この位置センサ部43からの検出信号に基づき、太陽電池11の電池面が太陽に正対するように太陽電池パネル12Aを回動する1対のウインチ(太陽追尾手段)45とを備えている。 【0024】シーソー式ソーラー発電システム40が搭載された旋回ステージ34は平面視して円形のステージで、旋回モータ35の上向きの回転軸を中心にして水平旋回する。旋回ステージ34の上面の両側には、3本組の台柱36を介して、1対の箱型の基台46が固定されている。それぞれの基台46の内部空間には、ウインチ45が収納されている。また、各基台46の上板の中央部には、1対の長尺なポール47がそれぞれ立設されている。両ポール47の上端部には、回転の中心軸を共有した2個の滑車からなる2連滑車47aが軸支されている。また、一方のポール47の上端には、風力計44の支柱部44aが固定されている。支柱部44aの上端には、上記位置センサ部43が固定されている。位置センサ部43については後述する。 【0025】1対の基台46の対向側の端部上には、それぞれ軸受46aが上方へ突設している。各軸受46aには、太陽電池パネル12Aの南側の辺の中間部から突出する軸体12a、または、太陽電池パネル12Aの北側の辺の中間部から突出する軸体12aがそれぞれ軸支されている。太陽電池パネル12Aは矩形状である。そのため、両軸体12aは、太陽電池パネル12Aの重心を通過し、しかもこの太陽電池パネル12Aの表面に平行な回動中心線上に配置されている。また、各基台46の上板のポール47を挟んだ両側部には、対応するウインチ45のドラム48の両端部から導出された2本のワイヤ(吊下部材)49を遊挿する貫通孔がそれぞれ形成されている。各ウインチ45のドラム48から上方へ導出された2本のワイヤ49は、各貫通孔を通過して2連滑車47aの対応する滑車に架け渡されてから斜め下方へ折り返され、それぞれ太陽電池パネル12Aの対応する隅部に固定される。 【0026】各ウインチ45にあっては、回転モータ50によってドラム48を回転させた際、ドラム48の一端部から一方のワイヤ49が導出され、これと同時に、他方のワイヤ49がドラム48の他端部に巻き取られる。したがって、これらの回転モータ50を同期回転させることで、太陽電池パネル12Aが軸体12aを中心にして垂直面内で回動する。この太陽電池パネル12Aの発電量は、3〜3.5kwである。次に、上記位置センサ部43を詳細に説明する。この位置センサ部43は、中空球状をした球状カバー51と、その内部空間の下部に設けられた半球状のセンサ固定台52と、このセンサ固定台52に固定されて、太陽光の成分のうちの赤外線を感知する3個の赤外線センサ54a,54b,54cとを有している。 【0027】球状カバー51には、それぞれ異なる角度位置から太陽光の一部をカバー内に導入する3本の導光孔51a,51b,51cが形成されている。導光孔51aは、球状カバー51の周壁のうち、東向き、30度の上方位置に形成されている。導光孔51bは、球状カバー51周壁のうち、真上に形成されている。導光孔51cは、球状カバー51の周壁のうち、西向き、水平位置に形成されている。これに対して、赤外線センサ54aは、センサ固定台52の外周面のうち、東向き、30度の上方位置に固定されている。赤外線センサ54bは、センサ固定台52の外周面のうち、真上位置に固定されている。赤外線センサ54cは、センサ固定台52の外周面のうち、西向き、水平位置に固定されている。 【0028】図5に示すように、シーソー式ソーラー発電システム40の制御回路は、制御部55の入力側に赤外線センサ54a,54b,54c、風力計44および方位センサ56が配置されている。一方、制御部55の出力側に1対の回転モータ50および旋回モータ35が配置されている。上記方位センサ56は、方位磁石が組み込まれて地軸を検出するセンサである。各赤外線センサ54a,54b,54cが太陽光を検出すると、それぞれの検出信号が制御部55に入力される。そして、制御部55から各ウインチ45に対して、太陽電池パネル12Aを垂直面内で東向きに回動させたり、西向きに回動させたりする指令が出される。そして、風力計44からの風速の測定信号に基づき、この太陽電池パネル12Aの回動が補正される。 【0029】すなわち、若干風が強い時(例えば風速10m未満)には、太陽電池パネル12Aの傾斜角度を、通常の傾斜角度(東向き30度)よりも、5〜10度ほど小さくする。それ以上の強風時(例えば風速10m以上)には、太陽電池パネル12Aを水平状態にする。また、方位センサ56により地軸(南北方向)の向きを検出すると、その検出信号が制御部55に入力される。そして、制御部55から旋回モータ35に対して、常時、この地軸と直交する方向に太陽電池パネル12Aの軸体12aが向くまで水平旋回させる指令が出される。図3中、17Aは、船体の機関部(走行部)である。 【0030】次に、このシーソー式ソーラー発電システム40の作動を説明する。図4に示すように、午前中、導光孔51aから位置センサ部43内に太陽光が導入されると、その赤外線の成分が赤外線センサ54aにより受光される。この検出信号に基づき、制御部55が各回転モータ50に太陽電池パネル12Aを東向きに回動させる指令信号を出力する。これにより、ウインチ45が作動し、その太陽電池11の電池面が太陽と正対する東向き(例えば30度の傾斜状態)になるまで、太陽電池パネル12Aが軸体12aを中心にして垂直面内で回動する。また、正午前後となり、導光孔51bから位置センサ部43内に太陽光が導入されると、その赤外線の成分が赤外線センサ54bによって受光される。これにより、ウインチ45が作動し、この太陽電池11の電池面が太陽と正対する真上(水平状態)に向くまで、太陽電池パネル12Aを垂直面内で回動させる。 【0031】さらに、昼過ぎ、導光孔51cから位置センサ部43内に太陽光が導入されると、その赤外線の成分が赤外線センサ54cにより受光される。その結果、ウインチ45が作動し、太陽電池11の電池面が太陽と正対する西向き(30度の傾斜状態)になるまで、太陽電池パネル12Aが垂直面内で回動する。ただし、風力計44からの風速の測定信号に基づき、この太陽電池パネル12Aの回動角度が補正される。具体的には、若干風が強い時(例えば風速5〜10m)には、太陽電池パネル12Aの傾斜角度を、通常の傾斜角度(西向き30度)よりも、例えば5〜10度ほど小さくする。それ以上の強風時(例えば風速10m以上)には、太陽電池パネル12Aを水平状態にして、風からの回避を優先する。風の強さに応じて太陽電池パネル12Aの傾きを修正するので、風による太陽電池パネル12Aの損傷を抑制することができる。 【0032】このように、太陽電池パネル12Aが太陽を自動的に追尾するので、上空での太陽の位置にかかわりなく、日陰の走行時以外、晴天下の日中は常に太陽電池11により発電を行なうことができる。その結果、太陽電池11の1日当たりの発電量を、例えば追尾しない場合に比べて5〜5.5倍まで高めることができる。また、方位センサ56により地軸の向きを検出し、常時、地軸と直交する方向に太陽電池パネル12Aの軸体12aが向くように、旋回モータ35によりシーソー式ソーラー発電システム40を水平旋回するようにしたので、シーソー板(太陽電池パネル12A)の長さ方向だけの太陽追尾となるシーソー式の太陽追尾手段が搭載され、しかも航行方向はそのときどきに任意に変更される電気船30であっても、1日当たりの発電量を高めることができる。 【0033】さらに、安価な赤外線センサ54a,54b,54cにより、太陽光の成分のうちの赤外線を感知し、太陽の位置を検出するようにしたので、位置センサ部43のコスト低減が図れる。そして、太陽追尾手段として、太陽電池パネル12Aをシーソーの板とするウインチ駆動式のシーソー機構を採用したので、小さな操作力で太陽電池パネル12Aの回動(太陽追尾)を行なうことができる。したがって、回転モータ50として、安価な低出力のモータを採用することができる。また、ここでは太陽追尾用の回転モータ50の電力を、太陽追尾する太陽電池パネル12Aに組み込まれた太陽電池11によって得ている。これにより、例えば図示しない別体の太陽電池パネルを設置し、この太陽電池パネルを外部の電力によって太陽追尾した場合に比べて、装置のコンパクト化および設備コストの低減を図ることができる。なお、余剰の電力は、電気船30内に配備された各種の電気設備用として利用することができる。その他の構成、作用および効果は、第1の実施例から推測可能な範囲であるので説明を省略する。 【0034】次に、図6〜図8に基づき、この発明の第3の実施例に係る太陽電池充電式電気走行装置を説明する。図6は、この発明の第3の実施例に係る太陽電池充電式電気走行装置の側面図である。図7は、この発明の第3の実施例に係る太陽電池充電式電気走行装置の背面図である。図8は、この発明の第3の実施例に係る太陽電池充電式電気走行装置のダンプ時の側面図である。図6〜図8に示すように、この第3の実施例のダンプカー(太陽電池充電式電気走行装置)60は、第1の実施例の電気バス10の充電設備を車両の一種であるダンプカーに適用した例である。 【0035】具体的には、ダンプカー60の荷台61の両側板62,62の上縁部に軸支された1対の幌板63,63の表面の全域に、多数枚の太陽電池パネル12を展張し、シャシ17に第1のバッテリ13,ダイナモ14…,第2のバッテリ15…を搭載している。第3の実施例のダンプカー60の作動を説明すると、例えば砂利などの積荷を荷台61に積載し、幌板63,63を垂直面内で上方(内方)に回動させ(図7参照)、太陽電池パネル12側の面を上向きにして太陽電池11により発電しながら走行する。一方、積荷のダンプ時には、幌板63,63を垂直面内で下方(外方)に回動させ(図8参照)、その後、シャシ17に配備された油圧シリンダ64のロッド64aを突出させる。これにより、荷台61の車両前部が持ち上げられ、荷台61が傾斜して積荷が荷台61の外に滑り落ちる。なお、荷台61の両側板62,62の外面または幌板63,63の縁部などにクッション材(図示せず)を突設すれば、幌板63,63を下方回動させた際およびダンプ時における、幌板63,63に固着された太陽電池パネル12への衝撃力を低減させることができる。ここでは、太陽電池パネル12を回動式の幌板63,63に展脹したが、これに限定しなくても、例えば固定式の幌板の表面、荷台の両側板62,62の表面、運転席の天井板の上面などに展脹してもよい。その他の構成、作用および効果は、第1の実施例から推測可能な範囲であるので説明を省略する。 【0036】なお、本発明の太陽電池充電式電気走行装置は、そのほか農業用トラクタ,耕運機およびフォークリフト車などに搭載することができる。これらの場合、基本構成は第1の実施例の電気バス,第3の実施例のダンプカーと同じである。例えば、トラクタ,耕運機およびフォークリフト車の各車体の天井板の上に太陽電池パネルを2〜4枚取り付け、第1のバッテリを1個、第2のバッテリを2〜4個、発電機を2〜4個、走行用モータを1機搭載する。 【0037】 【発明の効果】この発明によれば、太陽電池からの電力を第1のバッテリに蓄電し、この第1のバッテリの電力で複数の発電機を駆動し、これらの発電機によって得られた電力を、各発電機と個別対応の第2のバッテリにそれぞれ蓄電した後、各第2のバッテリの電力を電源として走行部を作動して電気走行装置を走行するので、燃料を使用せず、外部設備を利用した充電やバッテリ交換などを行わなくても、搭載されたバッテリの電力だけで長期間の走行が可能で、しかもバッテリから走行部に対して安定した電流値の電力を供給し、一定速度での安定的な走行を実現すことができる。 【0038】特に、請求項2の発明によれば、位置センサで太陽光を受光して太陽の位置を検出し、その検出信号に基づき、太陽追尾手段によって太陽電池が太陽を追尾するので、日陰の走行時以外は、太陽の位置にかかわりなく、日中は常に発電が可能であって、1日当たりの発電量を高めることができる。しかも、太陽追尾手段として、太陽電池パネルをシーソーの板としたウインチ駆動式のシーソー機構を採用したので、小さな操作力で太陽の追尾を行なうことができる。 【0039】また、請求項3の発明によれば、方位センサにより地軸の向きを検出し、常時、地軸と直交する方向に太陽電池パネルの回動中心線が向くように、パネル旋回手段により太陽電池パネルを水平旋回するので、シーソー式の太陽追尾手段を搭載し、走行方向がそのときどきに任意に変更される電気走行装置であっても、1日当たりの発電量を高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500541645 【氏名又は名称】小国 元春 【識別番号】502032611 【氏名又は名称】▲高▼橋 和彦
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| 【出願日】 |
平成14年1月28日(2002.1.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094215 【弁理士】 【氏名又は名称】安倍 逸郎
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| 【公開番号】 |
特開2003−224903(P2003−224903A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月8日(2003.8.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−19094(P2002−19094) |
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