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【発明の名称】 車載燃料電池のガス排出構造
【発明者】 【氏名】増田 隆彦
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内

【氏名】金森 謙二
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内

【要約】 【課題】ガス排出通路および開口部と、車体パネルとの間を、密閉構造とすることなく、燃料電池からの排出ガスを車体外部に排出できるようにする。

【解決手段】燃料電池システムのユニットFから排出されるガスは、ユニットFのケーシング1の後端上部に形成したガス排出口7から、車体Bのサイドパネルに沿って上方に延びる配管9を経て、ルーフ15上に設置したエアスポイラ15内に達する。エアスポイラ15内に入り込んだ排出ガスは、エアスポイラ15の車両後端部に形成してあるガス放出口から外部へ放出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両に搭載した燃料電池ユニットから、車体外側の整流用構造物に設けた開口部に至るガス排出通路を有することを特徴とする車載燃料電池のガス排出構造。
【請求項2】 前記整流用構造物の開口部は、整流用構造物の表面が負圧になる位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の車載燃料電池のガス排出構造。
【請求項3】 前記整流用構造物の開口部は、整流用構造物の車両後方側端部に設けられていることを特徴とする請求項2記載の車載燃料電池のガス排出構造。
【請求項4】 前記整流用構造物内に、前記燃料電池ユニットから排出されるガスを燃焼させる触媒を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車載燃料電池のガス排出構造。
【請求項5】 前記整流用構造物内に外気を導入する吸気孔を、前記整流用構造物に設けたことを特徴とする請求項4記載の車載燃料電池のガス排出構造。
【請求項6】 前記整流用構造物は、脚部を介して車体に取り付けられていることを特徴とする請求項4または5記載の車載燃料電池のガス排出構造。
【請求項7】 前記ガス排出通路は、前記触媒の車幅方向外側で前記整流用構造物内に連通接続される一方、前記整流用構造物の開口部は、前記触媒の車幅方向内側に設定されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の車載燃料電池のガス排出構造。
【請求項8】 前記整流用構造物は、車体のルーフ後端部に設けられていることを特徴とする請求項6または7記載の車載燃料電池のガス排出構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両に搭載した燃料電池ユニットから排出されるガスを、車体外部に排出するための車載燃料電池のガス排出構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車載燃料電池のガス排出構造としては、例えば特開2000−225853号公報に記載されたものが知られている。これは、車体の床下に搭載された燃料電池ユニットから車体のサイドシル内およびピラー内を通して、サイドルーフレールの車室外側に形成された開口部に至るガス排出通路を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の車載燃料電池のガス排出構造は、開口部が直接車室外側に設けられているので、車体パネルの継ぎ目など、開口部以外の部位から排出ガスが排出されないように、ガス排出通路および開口部と、車体パネルとの間を、密閉構造とする必要が生じ、車体構造の複雑化を招いている。
【0004】そこで、この発明は、ガス排出通路および開口部と、車体パネルとの間を、密閉構造とすることなく、燃料電池からの排出ガスを車体外部に排出できるようにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、請求項1の発明は、車両に搭載した燃料電池ユニットから、車体外側の整流用構造物に設けた開口部に至るガス排出通路を有する構成としてある。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明の構成において、前記整流用構造物の開口部は、整流用構造物の表面が負圧になる位置に設けられる構成としてある。
【0007】請求項3の発明は、請求項2の発明の構成において、前記整流用構造物の開口部は、整流用構造物の車両後方側端部に設けられる構成としてある。
【0008】請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明の構成において、前記整流用構造物内に、前記燃料電池ユニットから排出されるガスを燃焼させる触媒を設けた構成としてある。
【0009】請求項5の発明は、請求項4の発明の構成において、前記整流用構造物内に外気を導入する吸気孔を、前記整流用構造物に設けた構成としてある。
【0010】請求項6の発明は、請求項4または5の発明の構成において、前記整流用構造物は、脚部を介して車体に取り付けられる構成としてある。
【0011】請求項7の発明は、請求項4ないし6のいずれかの発明の構成において、前記ガス排出通路は、前記触媒の車幅方向外側で前記整流用構造物内に連通接続される一方、前記整流用構造物の開口部は、前記触媒の車幅方向内側に設定される構成としてある。
【0012】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、燃料電池ユニットからのガス排出通路に連通する開口部を、車体外側の整流用構造物に設けたので、ガス排出通路および開口部と、車体パネルとの間を、密閉構造として車体構造を複雑化することなく、燃料電池ユニットからの排出ガスを車体外部へ確実に排出することができる。
【0013】請求項2の発明によれば、整流用構造物に導入された排出ガスを、負圧によって車体外部へより確実に排出させることができる。
【0014】請求項3の発明によれば、開口部を負圧発生状態が充分な車両後方側端部に設けたので、負圧による排出ガスの外部への排出作用を高めることができる。
【0015】請求項4の発明によれば、整流用構造物内に触媒を設けることで、燃焼後の排出ガスを外部に排出することができ、この燃焼反応によって温度が上昇する触媒は、整流用構造物の周囲を流れる走行風などによって冷却性が向上し、触媒の長寿命化を達成することができる。
【0016】請求項5の発明によれば、吸気孔から導入される外気により、触媒反応を効果的に機能させることができる。
【0017】請求項6の発明によれば、脚部を介して車体に取り付けられる整流用構造物は、外気に接触する表面積が増大するので、内蔵する触媒の冷却性を向上させることができる。
【0018】請求項7の発明によれば、燃料電池システムからの排出ガスが、整流用構造物内で車幅方向外側から同内側に向けて触媒内を効率よく通過し、触媒反応を効果的に機能させることができる。
【0019】請求項8の発明によれば、車体のルーフ後端に設けた整流用構造物内の触媒を、ルーフ上を流れる走行風によって確実に冷却することができる。また、触媒が故障した場合でも、車体の高所であるルーフに配置してある整流用構造物に開口部を設定してあるので、大気への排出ガスの放出が確実になされる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0021】図1は、この発明の実施の一形態を示す車載燃料電池のガス排出構造を適用した自動車の側面図、図2は同平面図、図3は同背面図である。上記した自動車の車体Bにおける床下には、燃料電池システムのユニットFが搭載されている。このユニットFは、燃料電池本体を始め、この本体に供給する水素を生成する改質器や、本体に供給する酸素を含む空気を圧縮する圧縮機などがケーシング1に格納されている。
【0022】上記した燃料電池システムのユニットFを車体Bの床下に取り付けるに際しては、車体Bのアンダボディを構成するサイドメンバ3などを利用してここにボルトなどで固定する。ここでのユニットFは、図3に示すように、ほぼ車体Bの幅を有するので、サイドメンバ3に、ユニットFのケーシング1を固定している。
【0023】ユニットFのケーシング1は、図4(a)に平面図として示すように、その天井面5にガス排出口7が複数(ここでは車幅方向両端に1個ずつ全部で2個)設けられている。天井面5は、図4(a)の右側面図である図4(b)に示すように、中央が低く、車幅方向外側に向かうに従って徐々に高くなるよう傾斜しており、その高くなった上下方向最高面位置における車幅方向両端部の車両後端部に、上記したガス排出口7が設定されている。
【0024】上記した各ガス排出口7には、ガス排出通路となる配管9が連通接続されている。配管9は、ガス排出口7からフロアパネルを貫通してサイドメンバ3の車幅方向内側から、サイドパネル11に沿って上方に向けて延設され、ルーフ13上の車体後端部に引き出されている。
【0025】車体後端部のルーフ13上には、整流用構造物としてのエアスポイラ15が、車幅方向両端の脚部17を介して固定されている。エアスポイラ15および脚部17は、図5の断面図で示すように、いずれも中空に形成され、前記した配管9のルーフ13上に引き出された端部が、上記脚部17内を経てエアスポイラ15内に開口している。このため、燃料電池システムのユニットFのケーシング1から配管9を流れるガスは、エアスポイラ15内に導入される。
【0026】エアスポイラ15の車両走行時に負圧が発生する車両後方側端部には、図3に示すように、車幅方向中央部にて互いに所定間隔をおいて外部に開放する開口部としての二つのガス放出口19が設けられている。
【0027】なお、上記した図5は、配管9とガス放出口19とを便宜上同一断面上となるよう記載してあるが、実際にはこれらは図3に示されているように、車幅方向に互いにずれた位置にある。
【0028】このような車載燃料電池のガス排出構造によれば、燃料電池システムのユニットFから排出されてそのケーシング1内に流出した排出ガス、特に水素は、ケーシング1内にて最高面位置に形成してあるガス排出口7から配管9内を上方に向かって流れる。
【0029】配管9を上昇するガスは、エアスポイラ15内に流入し、ガス放出19から外部に放出される。このとき、ガス放出口19は、車両走行時にあっては、負圧が高まる車両後端部に位置しているので、エアスポイラ15内に導入された排出ガスは、外部へより確実に放出される。
【0030】この場合、燃料電池システムのユニットFのケーシング1と、エアスポイラ15に設けたガス放出口19とを配管9で連通接続しているので、燃料電池システムから排出されるガスは、配管9を経て車体Bの外部のエスポイラ15内に直接達することになり、排出ガスの通路および外部への開口部(ガス放出口19)と、車体パネルとの間を密閉構造とする必要がなく、車体構造の複雑化が回避される。
【0031】図6は、図3におけるガス放出口19と脚部17との間のエアスポイラ15内に、燃料電池システムから排出されるガスを燃焼させる触媒21を設けた例を示している。触媒21を設けることで、排出ガスが燃焼し、比較的水素濃度の高いガスの大気中への放出が回避される。
【0032】また、エアスポイラ15は、脚部17を介してルーフ13上に設置しているので、その上下両面を走行風が通過することになり、外気に接触する表面積が増大したものとなっている。このため、停車中はもちろんのこと、エアスポイラ15内に収容した触媒21は、この上下両面を通過する走行風によって効果的に冷却され、触媒21の長寿命化が達成される。さらに、触媒21が故障した場合でも、車体Bの高所であるルーフ13上に配置してあるエアスポイラ15にガス放出口19を設定してあるので、大気への排出ガスの放出が確実になされる。
【0033】また、触媒21は、エアスポイラ15内において、車幅方向外側の配管9と、同内側のガス放出口19との間に配置されているので、排出ガスは、エアスポイラ15内で車幅方向外側から同内側に向けて触媒21内を効率よく通過し、触媒反応が効果的に機能する。
【0034】図7は、図6の例に対し、エアスポイラ15の車両前方側の端部の下部に吸気孔23を設けている。この吸気孔23から導入される外気により、触媒21の反応がより効果的に機能する。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
【出願日】 平成14年1月23日(2002.1.23)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
【公開番号】 特開2003−219512(P2003−219512A)
【公開日】 平成15年7月31日(2003.7.31)
【出願番号】 特願2002−14123(P2002−14123)