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【発明の名称】 二次電池の充放電制御装置
【発明者】 【氏名】菊池 義晃
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】浮田 進
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】正司 吉美
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】戸島 和夫
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】浅川 史彦
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】中西 利明
【住所又は居所】静岡県湖西市境宿555番地 パナソニック・イーブイ・エナジー株式会社内

【氏名】木村 忠雄
【住所又は居所】静岡県湖西市境宿555番地 パナソニック・イーブイ・エナジー株式会社内

【要約】 【課題】電池の使用環境および電池の状態に応じた適切な電力で充放電を行う。

【解決手段】電池の温度が所定温度以下、または所定温度以上のときに、充電電力上限値Pin-s、放電電力上限値Pout-sを常温時に比して小さくなるように定める。電池の温度を検出し、この温度における充放電電力上限値Pin-s,Pout-s以下になるように、充電電力、放電電力を定め、電池の充電制御を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 二次電池の充放電を制御する装置であって、前記二次電池の温度を検出する温度検出手段と、前記検出された温度が、所定の温度以下である場合、あらかじめ定められた、温度に応じて変化する充放電電力上限値を超えないように、充放電電力を制御する充放電電力制限手段と、を有する、二次電池の充放電制御装置。
【請求項2】 二次電池の充放電を制御する装置であって、前記二次電池の温度を検出する温度検出手段と、前記検出された温度が、所定の温度以上である場合、あらかじめ定められた、温度に応じて変化する充放電電力上限値を超えないように、充放電電力を制御する充放電電力制限手段と、を有する、二次電池の充放電制御装置。
【請求項3】 請求項1または2に記載の充放電制御装置において、前記二次電池の蓄電量を検出する蓄電量検出手段を備え、前記充放電電力制限手段は、あらかじめ定められた、蓄電量に応じて変化する充放電電力上限値を超えないように、充放電電力を制御するものである、二次電池の充放電制御装置。
【請求項4】 熱機関と電動機を駆動源とし、熱機関の出力の一部で発電した電力と制動時の回生電力の少なくとも一方を、二次電池に充電するハイブリッド自動車において、前記二次電池の充放電を、請求項1から3のいずれかに記載の二次電池の充放電制御装置により制御する、ハイブリッド自動車。
【請求項5】 請求項1に記載の二次電池の充放電制御装置であって、当該装置は、蓄電量を、電池容量のほぼ半分の値を目標として制御する、二次電池の充放電制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池の充放電制御に関し、特に二次電池の置かれた環境、および二次電池の状態に基づき充放電電力を制限する充放電制御に関する。
【0002】
【従来の技術】電動機により全部または一部の車両駆動力を得ている電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)は、二次電池(以下、単に電池と記す)を搭載し、この電池に蓄えられた電力により前記の電動機を駆動している。このような電気自動車に特有な機能として、回生制動がある。回生制動は、車両制動時、前記の電動機を発電機として機能させることによって、車両の運動エネルギを電気エネルギに変換し、制動を行うものである。また、得られた電気エネルギは電池に蓄えられ、加速を行う時などに再利用される。したがって、回生制動によれば、従来の内燃機関のみにより走行する自動車においては、熱エネルギとして大気中に放散させていたエネルギを再利用することが可能であり、エネルギ効率を大幅に向上することができる。
【0003】ここで、回生制動時に発生した電力を有効に電池に蓄えるためには、電池にそれだけの余裕が必要である。また、車載された熱機関により発電機を駆動して電力を発生し、これを電池に充電することができる形式のハイブリッド自動車においては、電池に蓄えられた電力、すなわち蓄電量を自由に制御できる。よって、前述のようなハイブリッド自動車においては、電池の蓄電量を回生電力を受け入れられるように、また要求があれば直ちに電動機に対して電力を供給できるように、蓄電量は満蓄電の状態(100%)と、全く蓄電されていない状態(0%)のおおよそ中間付近(50〜60%)に制御されることが望ましい。
【0004】電気自動車に搭載された電池は、様々な使用環境に置かれることになる。寒冷地で使用される場合は、−10℃以下、ときには−20℃以下の環境で使用される場合が考えられる。また、高温下で使用される場合や、電池の使用により電池温度が上昇する場合、40℃以上の環境で使用される場合が考えられる。このような過酷な環境下で電池を用いる場合、電池の特性に応じた制御が必要となる。特に低温時においては、電池内の化学反応の速度が低下するために大電流を流すと電圧が低下し、必要な電圧が得られなくなるという問題がある。また、高温時においては、電池の劣化が進むという問題がある。特開平7−67209号公報には、電池の電解液の温度に応じて、充電電圧を制御する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公報に記載の技術のように、充電電圧のみを制御するだけでは、高温時の電池の劣化を十分抑制することができない。また、前記公報には低温時には大きな電流を流すことができないという認識がない。特に充電電圧のみ制御していては、放電電力の制御を行うことはできない。
【0006】さらに、電池の蓄電量が少ない場合、これが0%にならないように放電を制限する必要がある。逆に、蓄電量が多い場合には、これが100%を超えないように充電を制御する必要がある。
【0007】本発明は、前述の課題を解決するためになされたものであり、電池の使用環境や電池の状態に応じて適切な充放電の管理を行うことができる二次電池の充放電制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するために、本発明にかかる二次電池の充放電制御装置は、前記二次電池の温度を検出する温度検出手段と、前記検出された温度が、所定の温度以下である場合、あらかじめ定められた、温度に応じて変化する充放電電力上限値を超えないように、充放電電力を制御する充放電電力制限手段と、を有している。これによって、低温環境において大電流が流れることを抑制し、電池の端子電圧が低下することを防止することができる。
【0009】また、本発明にかかる他の二次電池の充放電制御装置は、前記二次電池の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出された温度が、所定の温度以上である場合、あらかじめ定められた、温度に応じて変化する充放電電力上限値を超えないように、充放電電力を制御する充放電電力制限手段と、を有している。これによって、電池が高温となったときに、電池温度がさらに上昇することを防止し、電池の劣化を抑制することができる。
【0010】さらに、前述の二つの二次電池充放電装置のいずれかにおいて、前記二次電池の蓄電量を検出する蓄電量検出手段を設け、前記充放電電力制限手段は、あらかじめ定められた、蓄電量に応じて変化する充放電電力上限値を超えないように充放電電力を制御するものとすることができる。これによれば、蓄電量が極端に減少すること、極端に増加することを防止することができる。
【0011】また、本発明にかかるさらに他の二次電池の充放電制御装置は、前記二次電池の温度を検出する温度検出手段と、前記二次電池の蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、前記検出された温度と、前記検出された蓄電量とに基づきあらかじめ定められた充放電電力上限値を超えないように充放電電力を制御する充放電電力制限手段と、を有している。
【0012】また、本発明にかかるさらに他の二次電池の充放電制御装置は、前記二次電池の温度を検出する温度検出手段と、前記二次電池の蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、前記検出された温度が所定の温度以下の場合について、あらかじめ定められた温度に応じて変化する第1の充放電電力上限値と、前記検出された温度が所定の温度以上の場合について、あらかじめ定められた温度に応じて変化する第2の充放電電力上限値と、前記検出された蓄電量に応じて変化する第3の充放電電力上限値と、前記検出された温度と、前記検出された蓄電量と基づきあらかじめ定められた第4の充放電電力上限値とのうち最も低い上限値を超えないように充放電電力を制御する充放電電力制限手段と、を有している。
【0013】さらに、以上の充放電制御装置のいずれかを、熱機関と電動機を駆動源とし、熱機関の出力の一部で発電した電力と制動時の回生電力の少なくとも一方を、二次電池に充電するハイブリッド自動車に搭載し、この充放電装置によって、ハイブリッド自動車に搭載される二次電池の制御を行うものとすることができる。ハイブリッド自動車に限らず自動車は、様々な温度環境下で使用され、また移動体であることから、電池の温度を一定とするための加熱装置、冷却装置などにより電池温度の管理を行うことが困難である。本発明の二次電池の充放電制御装置を用いることで、環境適応性の高いハイブリッド自動車を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に従って本発明の実施の形態(以下、実施形態と記す)を説明する。図1には、本発明の充電制御装置が搭載された車両のパワープラントの概略図が示されている。エンジン10の出力軸12には、ねじれダンパ14を介して遊星ギア機構16のプラネタリギア18を支持するプラネタリキャリア20が接続されている。遊星ギア機構16のサンギア22とリングギア24は、それぞれ第1モータジェネレータ26と第2モータジェネレータ28のロータ30,32に接続されている。第1および第2モータジェネレータ26,28は、三相交流発電機または三相交流電動機として機能する。リングギア24には、さらに動力取り出しギア34が接続されている。動力取り出しギア34は、チェーン36、ギア列38を介してディファレンシャルギア40と接続されている。ディファレンシャル40の出力側には、先端に図示しない駆動輪が結合されたドライブシャフト42が接続されている。以上の構造によって、エンジン10または第1および第2のモータジェネレータ26,28の出力が駆動輪に伝達され、車両を駆動する。
【0015】エンジン10は、アクセルペダル44の操作量や、冷却水温、吸気管負圧などの環境条件、さらに第1および第2モータジェネレータ26,28の運転状態に基づきエンジンECU46によりその出力、回転数などが制御される。また、第1および第2モータジェネレータ26,28は、制御装置48により制御が行われる。制御装置48は、二つのモータジェネレータ26,28に電力を供給し、またこれらからの電力を受け入れる電池(二次電池)50を含んでいる。本実施形態において、電池50はニッケル水素電池である。電池50と第1および第2モータジェネレータ26,28との電力のやりとりは、それぞれ第1および第2インバータ52,54を介して行われる。二つのインバータ52,54の制御は、制御CPU56が行い、この制御は、エンジンECU46からのエンジン10の運転状態の情報、アクセルペダル44の操作量、ブレーキペダル58の操作量、シフトレバー60で定められるシフトレンジ、電池の蓄電状態、さらに遊星ギア機構16のサンギアの回転角θs、プラネタリキャリアの回転角θc、リングギアの回転角θrなどに基づき、行われる。また、前記遊星ギア機構16の三要素の回転角は、それぞれプラネタリキャリアレゾルバ62、サンギアレゾルバ64およびリングギアレゾルバ66により検出される。電池に蓄えられた電力、すなわち蓄電量は電池ECU68により算出される。制御CPU56は、前述の諸条件や第1および第2モータジェネレータ26,28のu相、v相の電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2さらには電池または他方のインバータから供給される、または供給する電流L1,L2などに基づき第1および第2インバータ52,54のトランジスタTr1〜Tr6,Tr11〜Tr16を制御する。
【0016】遊星ギア機構16の、サンギアの回転数Ns、プラネタリキャリアの回転数Ncおよびリングギアの回転数Nrは、サンギアとリングギアのギア比ρとすれば、 Ns=Nr−(Nr−Nc)(1+ρ)/ρ ・・・(1)
で示される関係がある。すなわち、三つの回転数Ns,Nc,Nrの二つが定まれば、もう一つの回転数が決定する。リングギアの回転数Nrは、車両の速度で決定するので、プラネタリキャリアの回転数Ncすなわちエンジン回転数と、サンギアの回転数Nsすなわち第1モータジェネレータ回転数の一方の回転数が決定されれば、他方が決定される。そして、第1および第2モータジェネレータ26,28の界磁電流をその時の回転数に応じて制御して、これらのモータジェネレータを発電機として作用させるか、電動機として作用させるかを決定する。二つのモータジェネレータ26,28が、全体として電力を消費している場合は電池50から電力が持ち出され、全体として発電している場合は電池50に充電が行われる。たとえば、電池50の蓄電量が少なくなっていることが電池ECU68により検出された場合、エンジン10の発生するトルクの一部により二つのモータジェネレータ26,28の一方または双方により発電を行い、電池50への充電を行う。また、電池50の蓄電量が多くなった場合、エンジン10の出力を抑え気味にして、第2モータジェネレータ28を電動機として作用させ、これの発生するトルクを車両走行用に用いるように制御する。また、制動時においては、二つのモータジェネレータ26,28の一方または双方を発電機として動作させ、発生した電力を電池50に充電する。
【0017】自動車の制動は、いつ行われるか予測することは困難であるから、電池50は、回生制動によって発生した電力を十分受け入れられるような状態にあることが望ましい。一方、エンジン10の出力だけでは、運転者の所望する加速を得られない場合、第2モータジェネレータ28を電動機として動作させるために、電池50はある程度蓄電量を確保していなければならない。この条件を満たすために、電池50の蓄電量は、電池容量、すなわち電池が蓄えられる最大の電力の半分程度となるように制御される。本実施形態の場合は、蓄電量が約60%となるように制御が行われる。
【0018】特に、エンジンの出力によって発電を行うことにより電池に充電することができるハイブリッド自動車の場合、電池の蓄電量を適切に管理することにより、制動時の回生電力を十分に回収しエネルギ効率を高め、また加速時には運転者の所望する加速を達成することができる。言い換えれば、前記のようなハイブリッド自動車の場合、エネルギ効率を高め、所望の加速などを得るためには、電池の蓄電量を適切に制御することが必要となる。
【0019】図2には、本実施形態の電池の充電回路および充放電制御装置の概略構成が示されている。図2において、図1と共通する構成要素には、同一の符号を付している。電池50は、図示するように複数のセルを直列した組電池であり、インバータ52,54を介して、モータジェネレータ26,28に接続されている。また、電池50の端子電圧を検出する電圧センサ70、電池50に流れる電流を検出する電流センサ72が設けられている。さらに、電池50の複数箇所に電池温度を検出する温度センサ74が設けられている。温度センサ74を複数の箇所に設けたのは、電池50の温度が場所により異なるためである。電圧センサ70、電流センサ72および温度センサ74の出力は、電池ECU68に送られる。電池ECU68では、得られた電圧と電流に基づき、電池の蓄電量を算出し、また、温度に関する情報を制御CPU56に送出する。制御CPU56は、電池ECU68から送られてきたデータと、前述した各種のデータとを総合して、モータジェネレータ26,28の運転状態を決定し、これに応じてインバータ52,54の制御を行う。したがって、温度センサ74は温度検出手段として機能し、電圧センサ70、電流センサ72および電池ECU68は、蓄電量検出手段として機能する。
【0020】電池の蓄電量の算出は、以下のように行われる。本実施形態で用いられているニッケル水素電池は、蓄電量が全容量の20から80%の間では、端子電圧など測定できる物理量がほとんど変化しない。このため、蓄電量20〜80%においては、それまで流れた電流を積算して蓄電量の推定を行っている。また、蓄電量20%以下または80%以上では、そのときの電流と電圧に対応した蓄電量を示すマップをあらかじめ記憶しておき、検出された電流、電圧をマップに照らして蓄電量を算出している。
【0021】制御CPU56は、検出された電池の温度に基づき、充放電電力の上限値を定めている。図3には、温度によって定まる、放電電力の上限値Pout-s充電電力の上限値Pin-sが示されている。一般的に、電池は低温になると安定して放電できる電力が低下する傾向がある。すなわち、低温で大きな電流を流そうとすると、電圧が低下する。この電圧は、本実施例においては、各装置の制御を行う電圧が低下することを意味し、第1および第2モータジェネレータ26,28やエンジン10などの運転ができなくなる可能性がある。したがって、低温時には、図示するように温度が低くなるに従って放電電力の上限値Pout-sが小さくなるように定められており、記憶されている。そして、制御CPU56においては、この上限値を超えない範囲で放電電力が決定され、これに基づきインバータ52、54などが制御される。また、低温時に充電を行う場合、大きな電流を流すと、電池50の端子電圧が上昇する。この電圧が、他の回路部品、たとえばコンデンサなどの耐電圧を超えると、この部品が破壊される場合がある。よって、回路部品を保護するために、低温時に大きな電流を流さないよう、温度が低くなるに従って充電電力の上限値Pin-sが小さくなるように定められ、記憶されている。そして、制御CPU56においては、この上限値を超えない範囲で充電電力が決定され、これに基づきインバータ52、54などが制御される。
【0022】電池が高温になると、電池の劣化を促進することが知られている。よって、図3に示すように、高温時においても充放電電力の上限値Pin-s,Pout-sを高温になるに従って小さくなるように定め、これをあらかじめ記憶している。このように上限値を徐々に小さくしているのは、充放電時に発生するジュール熱によって、電池が加熱されることを考慮したものであり、本実施形態の上限の温度55℃に到達するのを遅らせることを考慮したものである。また、充電時に限っては、温度が高いとき充電効率が悪化し、この悪化分がさらに反応熱となるので、より温度上昇を招くことになる。さらに、上限温度に達した時点でいきなり充放電電力を0としてしまうと、制御が不連続となり、車両走行上、搭乗者に違和感を感じさせる可能性があるためもある。
【0023】なお、充放電電力上限値Pin-s,Pout-sは、中間的温度においては、回路部品の耐電圧などに基づき一定値に定められている。
【0024】図4には、電池の蓄電量に応じて定められた充放電電力の上限値Pin-c,Pout-cが示されている。蓄電量が少なくなると、過放電による電池劣化が促進され、また、ニッケル水素電池においては水素が発生する可能性もある。また、本実施形態において、エンジン10の始動を第1および第2のモータジェネレータ26,28により行っているので、これに必要な蓄電量は常に確保する必要がある。そこで、本実施形態においては、たとえば蓄電量が20%以下となると、放電電力の上限値Pout-cを小さくし、蓄電量がさらに低下することを抑制している。また、図示するように蓄電量20%を下回った後、徐々に放電上限値Pout-cを小さくしているのは、急激にこの値が変わると、制御が不連続となる場合があり、車両走行上、搭乗者に違和感を感じさせる可能性があるためである。
【0025】また、蓄電量が多くなると、充電効率の低下、発熱などが生じる。これを抑えるため、本実施形態においては、たとえば蓄電量が80%を超えると、充電電力上限値Pin-cを小さくして、充電を抑制している。また、図示するように蓄電量が80%を上回った後、徐々に充電上限値Pin-cを小さくしているのは、急激にこの値が変わると、制御が不連続となる場合があり、車両走行上、搭乗者に違和感を感じさせる可能性があるためである。
【0026】なお、上記以外の領域、すなわち放電においては蓄電量20%以上において、充電においては蓄電量80%以下において、充放電電力の上限値Pin-c,Pout-cは、回路の耐電圧などにより定まる一定値に定められている。
【0027】図5には、充電による発熱を考慮して定められた充電電力の上限値Pin-ηが示されている。同一の蓄電量で比較した場合、電池低温時よりも高温時の方が充電効率が低下するため、発熱も高温時の方が大きくなる。したがって電池温度が高いとより発熱し、急に電池温度が上昇する可能性がある。このような温度の急上昇を防止するために、電池温度が低ければある程度の発熱は許容し、一方電池温度が高ければ発熱を抑制している。すなわち、図5(a)に示すように、電池温度が低い温度、たとえば25℃では、蓄電量の上限80%近辺まで、大きな充電電力を確保できるように上限値Pin-ηが定められている。また、図5(b)に示すように、電池温度が高い温度、たとえば45℃のときには、比較的低い蓄電量から充電電力が抑制されるように、上限値Pin-ηが低められている。なお、実際には、25℃,45℃以外のいくつかの温度において、図5に示すような上限値の設定がなされている。そして、検出された電池温度に最も近い温度のグラフが選定されて、そのときの充電電力の上限値が決定される。このように、電池温度と蓄電量の二つを変数とした2元関数として充電電力上限値Pin-ηが定められているので、そのときの電池の状態に即した充電制御が行われる。なお、放電時においても、同様に電池温度と蓄電量を変数とした2元関数として放電電力上限値Pout-ηを定め、これに基づき制御を行うことが可能である。
【0028】さらに、前述した、電池温度から定めた上限値Pin-s,Pout-s、蓄電量から定めた上限値Pin-c,Pout-c、電池温度および蓄電量から定めた上限値Pin-η,Pout-ηのうち、最も小さい値の上限値をそのときの上限値として制御することも可能である。
【0029】また、個々の電池の蓄電量を均一化するために、意図的に80%以上の高い蓄電量においても充電を行う均等化充電を行う場合がある。この場合には、電池温度から定めた上限値Pin-s,Pout-s、蓄電量から定めた上限値Pin-c,Pout-cのうち小さい方の値を上限値として定めて充電を行う。これは、上限値Pin-η,Pout-ηも採用すると、図5に示されるように蓄電量80%以上では充電が行われないことになってしまうことを考慮したものである。
【0030】以上、本実施形態において、制御CPU56が充放電電力の上限値を超えないように充放電電力を制御する充放電電力制限手段として機能する。
【0031】以上本実施形態によれば、電池の温度環境および電池の蓄電状態に応じた制御を行うことによって、電池の劣化を防ぐと同時に、ハイブリッド自動車の走行性能においても、搭乗者に違和感を感じさせないようにすることができる。
【0032】なお、本実施形態においては、ハイブリッド自動車に搭載された電池を例にあげ説明したが、本発明はどのような用途の電池であっても適用可能である。また、本実施形態のニッケル水素電池に限らず、リチウムイオン電池、ニッケルカドミウム電池、鉛電池などにも適用可能である。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成9年12月9日(1997.12.9)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎 (外3名)
【公開番号】 特開2003−219510(P2003−219510A)
【公開日】 平成15年7月31日(2003.7.31)
【出願番号】 特願2002−322998(P2002−322998)