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【発明の名称】 鉄道車両用電力変換装置
【発明者】 【氏名】山口 芳廣
【住所又は居所】東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝府中事業所内

【要約】 【課題】鉄道車両用電力変換装置において、変換素子の冷却の際に沸騰変化した冷媒と凝固変化した冷媒の衝突を減少させ冷却効率の良い電力変換装置を提供することを目的とする。

【解決手段】本発明の鉄道車両用電力変換装置は、電力変換を行なうモジュール型素子と、このモジュール型素子にねじ止めされ前記モジュール型素子の発する熱を受け取るための受熱部と、この受熱部内に封入され前記モジュール型素子の発する熱を前記受熱部を介して受け取る冷媒と、前記受熱部上面に溶接され前記冷媒が気化した際に空冷により前記冷媒を冷やす一つの凝固部と、前記受熱部内に溶接され前記冷媒が気化した際または前記冷媒が前記凝固部により液化した際に、前記冷媒を誘導する冷媒流仕切り板とを備えることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電力変換を行なうモジュール型素子と、このモジュール型素子と係合し前記モジュール型素子の発する熱を受け取るための受熱部と、この受熱部内に封入され前記モジュール型素子の発する熱を前記受熱部を介して受け取る冷媒と、前記受熱部上面と係合し前記冷媒が気化した際に空冷により前記冷媒を冷やす一つの凝固部と、前記受熱部底面と略平行に前記受熱部内に設置された冷媒流仕切り板と、を備えることを特徴とする鉄道車両用電力変換装置。
【請求項2】 電力変換を行なうモジュール型素子と、このモジュール型素子と係合し前記モジュール型素子の発する熱を受け取るための受熱部と、この受熱部内に封入され前記モジュール型素子の発する熱を前記受熱部を介して受け取る冷媒と、前記受熱部上面と係合し前記冷媒が気化した際に空冷により前記冷媒を冷やす複数の凝固部と、を備えることを特徴とする鉄道車両用電力変換装置。
【請求項3】 電力変換を行なうモジュール型素子と、このモジュール型素子と係合し前記モジュール型素子の発する熱を受け取るための受熱部と、この受熱部と係合し前記冷媒が気化した際に空冷により前記冷媒を冷やす一つの凝固部と、前記受熱部内に封入され前記モジュール型素子の発する熱を前記受熱部を介して受け取る冷媒と、前記受熱部底面と略並行に前記受熱部内に設置された冷媒流仕切り板と、この冷媒流仕切り板と垂直に交わり前記受熱部内に設置された冷媒流仕切り縦板と、を備えることを特徴とする鉄道車両用電力変換装置。
【請求項4】 電力を変換するモジュール型素子と、このモジュール型素子と係合し前記モジュール型素子の発する熱を受け取るための受熱部と、この受熱部と係合し前記冷媒が気化した際に空冷により前記冷媒を冷やす一つの凝固部と、前記受熱部内に封入され前記モジュール型素子の発する熱を前記受熱部を介して受け取る冷媒と、前記受熱部上面と係合し前記凝固部と共に前記冷媒を空冷により冷却する冷却フィンと、を備えることを特徴とする鉄道車両用電力変換装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄道車用電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気車について図を参照して詳細な説明を行う。図26は電気車の構成図である。図27は電気車の構成図である。電気車は、パンタグラフ1,車体2,変圧器3,電力変換装置4,台車5,誘導電動機6,車輪7より構成されている。パンタグラフ1が、車体2上面に接続されている。車体2の底面に主変圧器3が設置されている。車体2底面には、電力変換装置4と主変圧器3が設置されている。台車5a,5bが車体底面2に、固定されている。台車5aには誘導電動機6a,6bが設置され、台車5bには誘導電動機6c,6dが設置されている。誘導電動機6a,6b,6c,6dは、車軸(図示しない)と係合している。車軸(図示しない)は、車輪7と固定されている。電力変換装置4を冷却するために、車体2底面には、電動送風機8a,8b,8cが設置されている。電気車は、運転開始時にパンタグラフ1を架線9に接触させる。電気車は、パンタグラフ1を架線9と接触させることにより、架線9より架線電力を受ける。架線9より供給された架線電力は、車体2底面の主変圧器3に伝えられる。主変圧器3が、架線電圧を一般電圧に変圧し、電力変換装置4に加えられる。電力変換装置4に伝えられた電力は、所定の周波数所定の電圧に変換される。電力変換装置4により一般電圧に変換された電力は、台車5a,5bに設置された誘導電動機6a,6b,6c,6dに加えられる。誘導電動機6a,6b,6c,6dは、電力変換装置4により変換された所定の周波数,所定の電圧の電力により駆動する。誘導電動機6a,6b,6c,6dは駆動し、この回転力を車軸(図示しない)に伝える。車軸(図示しない)の回転に伴い、車輪7が回転する。車輪7が回転することにより、電気車は動くことが出来る。
【0003】電力変換装置について図を参照して詳細に説明する。図28は、従来の鉄道車両用電力変換装置周辺の構造配置図である。図29は、従来の鉄道車両用電力変換装置の正面図である。図30は従来の鉄道車両用電力変換装置の上面図である。第31図は従来の鉄道車両用電力変換装置の右側面図である。図32は、従来の鉄道車両用電力変換装置のD-D断面図である。では、電動送風機8a,8b,8cが、電力変換装置4に電動送風機8a,8b,8cからの風が当たるように、隣に設置されている。電力変換装置は、変換素子10a,10b,10c,10d,10e,10fの上面に受熱部11がねじ止めされ、この受熱部11の上面に凝固部12が溶接されている。また受熱部11内部には、冷媒13が封入されている。電力変換装置は、主変圧器3から伝わった電力を、所定の周波数所定の電圧の三相電力に変換する。電力を所定の周波数所定の電圧の三相電力に変換するために、変換素子10a,10b,10c,10d,10e,10fが用いられている。しかし所定の周波数所定の電圧の三相電力に変換する場合には変換素子10a,10b,10c,10d,10e,10fによる発熱を必ず伴うため、変換素子10a,10b,10c,10d,10e,10fの冷却が必要不可欠になってくる。そのため、受熱部11内には冷媒13が封入されている。
【0004】電力を所定の周波数所定の電圧の三相電力に変換するために、変換素子10a,10b,10c,10d,10e,10fが発熱すると、受熱部11を介してこの冷媒が熱を受け、液相から気相に相変換する。なお、気体化した冷媒13は、凝固部12によって冷却され液体に戻り下部還流する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、変換素子10a,10b,10c,10d,10e,10fを多数実装するため、凝固部12を受熱部11より小さくすると、受熱部11にて沸騰相変化した冷媒13と凝固部12によって凝固変化した冷媒13との衝突が繰り返されるため、冷却効率が悪いという問題がある。本発明の鉄道車両用電力変換装置の目的として、変換素子の冷却の際に沸騰変化した冷媒と凝固変化した冷媒の衝突を減少させ冷却効率の良い電力変換装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決すための手段】本発明の鉄道車両用電力変換装置は、電力変換を行なうモジュール型素子とこのモジュール型素子にねじ止めされ前記モジュール型素子の発する熱を受け取るための受熱部とこの受熱部内に封入され前記モジュール型素子の発する熱を前記受熱部を介して受け取る冷媒と前記受熱部上面に溶接され前記冷媒が気化した際に空冷により前記冷媒を冷やす一つの凝固部と前記受熱部内に溶接され前記冷媒が気化した際または前記冷媒が前記凝固部により液化した際に、前記冷媒を誘導する冷媒流仕切り板とを備えることを特徴とする。本発明の鉄道車両用電力変換装置は、電力変換を行なうモジュール型素子とこのモジュール型素子にねじ止めされ前記モジュール型素子の発する熱を受け取るための受熱部とこの受熱部内に封入され前記モジュール型素子の発する熱を前記受熱部を介して受け取る冷媒と、前記受熱部上面に溶接され前記冷媒が気化した際に空冷により前記冷媒を冷やす複数の凝固部とを備えることを特徴とする。本発明の鉄道車両用電力変換装置は、電力変換を行なうモジュール型素子とこのモジュール型素子にねじ止めされ前記モジュール型素子の発する熱を受け取るための受熱部とこの受熱部と溶接され前記冷媒が気化した際に空冷により前記冷媒を冷やす一つの凝固部と前記受熱部内に封入され前記モジュール型素子の発する熱を前記受熱部を介して受け取る冷媒と前記受熱部内に溶接され前記前記冷媒が気化した際または前記冷媒が前記凝固部により液化した際に、前記冷媒を誘導する冷媒流仕切り板とこの冷媒流仕切り板と垂直に交わり前記冷媒流仕切り板の冷媒の誘導を補助する冷媒流仕切り縦板とを備えることを特徴とする。
【0007】本発明の鉄道車両用電力変換装置は、電力を変換するモジュール型素子とこのモジュール型素子にねじ止めされ前記モジュール型素子の発する熱を受け取るための受熱部とこの受熱部と溶接され前記冷媒が気化した際に空冷により前記冷媒を冷やす一つの凝固部と前記受熱部内に封入され前記モジュール型素子の発する熱を前記受熱部を介して受け取る冷媒と前記受熱部上面に差し込まれ溶接され前記凝固部と共に前記冷媒を空冷により冷却する冷却フィンとを備えることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本実施形態の電気車の制御装置の配置について図を参照し詳細に説明する。図1は本発明に基づく第1の実施形態の構造配置図である。本実施形態の電気車の制御装置では、電動送風機8a,8b,8cc(別名Blower)が、第1の電力変換装置4aと第2の電力変換装置4bに送風し空気による冷却を行うために、第1の電力変換装置4aと第2の電力変換装置4bの隣に設置されている。本発明に基づく第1の実施形態の電力変換装置について図を参照し詳細に説明していく。図2は、本発明に基づく第1の実施形態の正面図である。図3は本発明に基づく第1の実施形態の上面図である。図4は本発明に基づく第1の実施形態の右側面図である。図5は本発明に基づく第1の実施形態の断面図である(図4のD-D断面の断面図 )。本実施形態の鉄道車両用電力変換装置4a(以後4(本実施形態の4a,4bは冷却のための構成は同様であるため。))は、モジュール型素子IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10f(実際にはn個(n>1)とする)が、モジュール型素子IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fの発する熱を効率良く冷媒13(後述)に伝えるため、熱伝導性の良い銅製の受熱部11の下面にねじ止めされている。銅製の受熱部11内部には、優れた電気絶縁性と熱伝導性そして沸点が低いという特性を有する冷媒13であるフロリナートが封入されている。銅製の受熱部11内部には、銅製の冷媒仕切り版14a,14b,14c,14dが、受熱部11内部に冷媒仕切り板14a,14b,14c,14d底面(図2参照)と受熱部11の底面が平行になるようにかつ受熱部11側面と冷媒仕切り板14a,14b,14c,14dが垂直に成るようにろう付けされている。銅製の凝固部12が、受熱部11上面にろう付けされている。
【0009】受熱部11は外形は直方体のようになっている。しかし、内部は中空になっており、上面の一部は凝固部12と取り付けられる用の穴があいている。凝固部12は、外形は直方体のようになっている。凝固部12の底面積は、受熱部11の底面積に比べ大幅に小さくなっている。凝固部12の内部と底面の一部には、電動送風機9から送り出された空気が流れ凝固部12を空冷するため空気流路15a,15b,15cが設けられている。また凝固部12の内部と底面の一部には、冷媒13が気化し誘導される通路である冷媒流路16a,16b,16c,16dが設けられている。空気流路15a,15b,15cは、正面から見ると狭い二枚の板の間に、Sの字をの下端と上端をつなげいくつも連ねたような形状をした板を挟んだような形状をしている(図2参照)。多数の板に仕切られることにより、空気流路15a,15b,15cの表面積が増加し、その結果電動送風機8a,8b,8ccによる冷却効率が向上する。冷媒流路16a,16b,16c,16dは、表面のケースをはずし上面から見ると、狭い二枚の板の間に直線的なSの字を連ねたような形になっている。冷媒流路16a,16b,16c,16dは、多数の板により冷媒流路16a,16b,16c,16dは分けられている。冷媒流路16a,16b,16c,16dは、冷媒を分断し効率良く冷却することが出来る。
【0010】空気流路15a,15b,15cと冷媒流路16a,16b,16c,16dは、壁面同士が接触し冷媒流路16a,16b,16c,16dに電動送風機9より送り出された空気が流れることにより、空気流路15a,15b,15c壁面が冷やされ、空気流路15a,15b,15cと冷媒流路16a,16b,16c,16dの接触面を通して伝熱が行われ、冷媒が冷やされる。冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14dは、二枚の平行な銅板の片端同士を一枚の銅板の両端と接続した形になっている。図5のD-D断面図では、Z字状になっている。この冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14dが、本実施形態では四つ取り付けられている。電動送風機9は本実施形態の鉄道車両用電力変換装置4a,4bを冷やすために二つの電動送風機が電力変換装置の近くに設置されている。電動送風機9は電気により誘導電動機(図示しない)が回転し、羽根(図示しない)を駆動し風を送りこむ。なお凝固部12の取り付ける向きについては、空気流路に風が効率よく流れるようになっていれば、側面を90度回転させてもよいので鉄道車両全体の設計時に都合に応じて向きを変えて製造すればよい。
【0011】本実施形態の電力変換装置4では、モジュール型素子IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fが、電力を単相交流電力から直流電力へ第1の電力変換装置4aにて変換する。第1の電力変換装置4aにより変換された直流電力は、第2の電力変換装置4bモジュール型素子IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fにより、直流電力より三相交流電力に変換される。第1の電力変換装置4aと第2の電力変換装置4bは、ともに電力変換を行う際に必ずモジュール型素子IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fが発熱をする。鉄道車両の場合、高電圧を変換するため、モジュール型素子IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fから発熱も大きい。モジュール型素子IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fの発するの熱は、受熱部11に伝熱される。受熱部11に伝熱されたモジュール型素子IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fの発する熱は、受熱部11内部に封入されたフロリナート13に加えられる。フロリナート13に加えられた熱により、フロリナート13の温度は上昇し、フロリナート13は徐々に気化する。気化したフロリナート13は、上昇する。受熱部11の中央部分に配置されたモジュール型素子10c,10d上面から気化したフロリナート13は、冷媒移動ルート17(中央部から気化したフロリナートの上昇の仕方)のように直線的に上昇する。受熱部11の中央部分より気化し、直線的に上昇したフロリナート13は、凝固部12に到達する。受熱部11の壁面付近に配置されたモジュール型素子10a,10f上面から気化したフロリナート13は、上段の冷媒流仕切り板16a.16cに到達するまで直線的に上昇をする。受熱部11の壁面付近に配置されたモジュール型素子9a,9f上面から気化し上段の冷媒流仕切り板14a.14cまで到達したフロリナート13は、上段の冷媒流仕切り板16a.16cと下段の冷媒流仕切り板14b,14dの間に誘導され冷媒ルート18(壁面付近から気化したフロリナートの上昇の仕方)のように上昇し、凝固部12に到達する。受熱部11の壁面付近に配置されたモジュール型素子10a,10fと中央部分に配置されたモジュール型素子10c,10dの間に配置されたモジュール型素子10b,10e付近から気化したフロリナート13は、下段の冷媒流仕切り板14b,14dに沿って冷媒移動ルート19(中央部分と壁面部分の間の領域から気化したフロリナートの上昇の仕方)のように上昇し、凝固部12に到達する。
【0012】凝固部12に到達したフロリナート13は、冷媒流路16a,16b,16c,16d内に入り上昇する。上昇途中に、Blower13により常に空気が送り込まれ冷却されている空気流路15a,15b,15cとの接触面と接触することにより、フロリナート13が冷却されている。フロリナート13は、凝固部12により冷却されると次第に凝縮し気体から液体に相変化する。液化したフロリナート13は、冷媒流路16a,16b,16c,16dと重力に従い下に落下する。フロリナート13は、気化し上昇したときと同様に、液化し落下するときにも、冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14dに沿って落下するものと直接受熱部11内に溜まっているフロリナート13液面に落下するものがある。本実施形態の鉄道車両用電力変換装置は、従来の鉄道車両用電力変換装置に比べて、冷却効率が良いということがあげられる。また、受熱部11の底面積より凝固部12の底面積が小さいので、たとえ本実施形態の電力変換装置4を並べて配置したとしても、第1の凝固部12と第2の凝固部12の間には空間が生まれる。そのため、冷却効率が落ちることはなく、電動送風機9からの風が効率よく行き渡るというメリットもある。また鉄道列車の場合、乗客をなるべく多く乗せるために機械を収納できるスペースが限られることが多い。そういったときにも、本実施形態の電力変換装置であれば、第1の凝固部12と第2の凝固部12の間にスペースができる事から、他の機器をそこに配置しても問題はない。本実施形態では、冷媒流仕切り板14を4つとしているが、冷媒流仕切り板の数については限定はしない。
【0013】(第2の実施形態)第2の実施形態を図を参照して詳細に説明する。図6は本発明に基づく第2の実施形態の正面図である。図7は本発明に基づく第2の実施形態の上面図である。図8は、本発明に基づく第2の実施形態の右側面図である。図9は、本発明に基づく第2の実施形態のD-D断面図である。図2に記載のものと構造上同一のものは、同一符号を付して説明を省略する。本実施形態の鉄道車両用電力変換装置では、凝固部12,冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14d受熱部11の材料として、熱伝導性も銅ほどではないが、優秀であり何より軽いという利点があるためアルミニウムを選定した。本実施形態の受熱部11の内部は中空になっており冷媒13として水が封入されている。なお受熱部の上面には、2つの穴が空いている。複数の大型モジュール素子のIEGT10a,10b,10c,10d,10e,10fが受熱部底面にコンパウンドを介してねじ止めされ、受熱部の上面に空いた二つの穴には、凝固部がそれぞれ一つずつ溶接される。受熱部の内部には冷媒である水が封入されている。本実施形態の電力変換装置では、モジュール型素子IEGT10a,10b,10c,10d,10e,10fが、電力を単相交流から直流へ、直流から三相交流に変換する際に熱が発生する。この熱が受熱部11を通して水13に伝わり、沸点の低い水は気化する。IEGT10a,10b,10e,10fの上面付近からから気化した水13は、そのまま上昇し凝固部12,12bに到達する。それに対し、IEGT10c,10dの上面付近から気化した水13のほとんどはまっすぐ上昇し受熱部11の上面に到達する。上面に到達した水13は、上面に沿って凝固部12a,12bに到達する。凝固部12a,12bに到達した水13は、空気流路15a,15b,15cと冷媒流路16a,16b,16c,16dの接触面を通して冷却され、液体に戻り重力にしたがい下に落ちる。
【0014】本実施形態の鉄道列車用電力変換装置は、凝固部12を二つ受熱部両端に接続した形態になっている。そのため、冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14dを設置した実施形態1のものに比べると製造工程が少なくてすむ。また、凝固部の大きさを小さくすれば第1の実施形態よりも受熱部11上部の空間を多く確保することが出来る。
(第三の実施形態)本発明に基づく第3の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図10は本発明に基づく第3の実施形態の正面図である。図11は本発明に基づく第3の実施形態の上面図である。図12は、本発明に基づく第3の実施形態の右側面図である。図13は、本発明に基づく第3の実施形態のD-D断面図である。図2に記載のものと構造上同一のものは、同一符号を付して説明を省略する。凝固部12,冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14d,冷媒流縦仕切り板20,受熱部11の材料は銅である。冷媒13はフロリナートを使用している。フロリナート13とは、フッ素系不活性液体のことで、すぐれた電気絶縁性と熱特性を持つという特徴のほかに、高温、低温を問わず各種溶剤に溶解しない。完全に不活性で金属、プラスチック、ゴムなどの構成材料を侵さないということや表面張力が非常に低く浸透性にすぐれている,不燃性、実際上無毒、無臭で安全,オゾン破壊係数がゼロという特徴がある。そのため、鉄道車両用電力変換装置内に使用するには、最適であるということが言える。
【0015】モジュール型半導体IPM10a,10b,10c,10d,10e,10fが受熱部下面にねじでとめてある。また受熱部11の上面と凝固部12の下面が溶接されている。受熱部11の内部には、受熱部11下面と、冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14dの二つの平行な面が平行に成るようにかつ受熱部11側面と冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14dが垂直になるように溶接されている。本実施形態では、さらに四枚の冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14dと面同士が垂直になるように八枚の冷媒流仕切り縦板20も溶接されている(図10参照)。モジュール型素子IPM10a,10b,10c,10d,10e,10fが、電力を単相交流から直流へ、直流から三相交流に変換する際に熱が発生する。その熱を沸騰冷却方式により冷却する。本実施形態では、受熱部11を介してフロリナート13にIPM10a,10b,10c,10d,10e,10fによる熱が伝わる。受熱部11の中央付近より気化したフロリナート13は上昇し凝固部12に達する。それに対し受熱部11の端部付近より気化したフロリナート13は直線状に上昇するのではなく、冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14d,冷媒流仕切り縦板20に沿って上昇していく。そのため、最終的には凝固部12に到達する。凝固部12に到達したフロリナート13は第1の実施形態と同様に冷却され、フロリナート13はそのまま重力によりまっすぐ液面に落ちるものと、冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14d,冷媒流仕切り縦板20に沿ってすべり落ちていくものがある。
【0016】本実施形態の効果として、従来の鉄道車両用電力変換装置の冷却装置よりも冷却効率が上がっていることのほかに、本実施形態の特有の効果としては、本実施形態の鉄道車両用電力変換装置は、冷媒流仕切り縦版20を備えているため内部に支えがある状態になっている。そのため、強度が高くなるので受熱部11に使用しなければいけない材料の量を削減できると言ったメリットがある。また、従来と同じ材料を使用し、本実施形態を使用した場合には、非常に強度の高い冷却装置が出来上がるため、色々な用途で実施できる。
(第4の実施形態)本発明に基づく第4の実施形態を図を参照して詳細に説明する。図14は本発明に基づく第4の実施形態の正面図である。図15は本発明に基づく第4の実施形態の上面図である。図16は、本発明に基づく第4の実施形態の右側面図である。図17は、本発明に基づく第4の実施形態のD-D断面図である。図2に記載のものと構造上同一のものは、同一符号を付して説明を省略する。本実施形態は、空冷フィン21第1実施形態と違い備えている。空冷フィン21は、銅製の単純平版である(受熱部の外部にあるものを外部空冷フィン21a,受熱部内部にあるものを内部空冷フィン21bと以後呼ぶ。)。
【0017】空冷フィン21は受熱部11の上面に、差し込まれ溶接されている。本実施形態の鉄道車両用電量変換装置では、モジュール型素子IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fが、電力を単相交流から直流へ、直流から三相交流に変換する際に熱が発生する。IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fが電力変換をする際に発生する熱を沸騰冷却方式により冷却する。凝固部の真下付近(IGBT10c,10dの上面付近)にあるフロリナート13は、気化しそのまま上方に上昇し凝固部に到達する。それに対してそれ以外の部分のフロリナート13は、気化し上方に上昇すると内部空冷フィン21b付近に到達する。外部空冷フィン21aが電動送風機9による送風により冷やされるため、内部空冷フィン21bも冷却される。内部冷却フィン21bとフロリナート13が接することにより、熱交換が行われ、フロリナート13が冷却される。冷却され液化したフロリナート13は重力に従い下に落ちる。凝固部12に達したフロリナート13の冷却については第1の実施形態と同様なのでここでは省略する。本実施形態の効果として、従来の鉄道車両用電力変換装置にくらべ冷却効率が良いという効果と、本実施形態特有の効果として冷却フィンがあることにより、受熱部の面補強効果があり、強度が上がるという効果もある。
【0018】(第5の実施形態)本発明に基づく第5の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図18は本発明に基づく第5の実施形態の正面図である。図19は本発明に基づく第5の実施形態の上面図である。図20は、本発明に基づく第5の実施形態の右側面図である。図21は、本発明に基づく第5の実施形態のD-D断面図である。図2に記載のものと構造上同一のものは、同一符号を付して説明を省略する。本実施形態では、大型モジュール素子IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fと受熱部11底面がねじ止めされ、受熱部11内にはフロリナート13が封入されている。また受熱部11内には、冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14dが溶接され。受熱部11上面には、空冷フィン21が差し込まれ溶接されている。受熱部11上面と凝固部12も溶接により係合している。本実施形態の鉄道車両用電量変換装置では、IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fが、電力を単相交流から直流へ、直流から三相交流に変換する際に熱が発生する。IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fが電力変換をする際に発生する熱を、沸騰冷却方式により冷却する。IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fによる発熱が受熱部11を介してフロリナート13に伝わる。フロリナート13がこの熱により気化する。中央付近(IGBT10c,10dの上面付近)から気化したフロリナート13はそのまままっすぐ上昇し凝固部12に到達する。端部付近(IGBT10a,10b,10e,10f上面付近)から気化したフロリナート13は、冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14dにより凝固部12に直接到達するものと、冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14dに沿って上昇をせず空冷フィン21まで到達するものがある。空冷フィン21まで到達したフロリナート13は、内部空冷フィン21bに接触しそこで熱交換が行われる。なお、凝固部12での冷却などについては、第1の実施形態と同様なため、省略する。
【0019】本発明の鉄道車両用電力変換装置では、従来の電力変換装置に比べ冷却効率が良いという効果はもとより、前述したどの実施形態よりも冷却効率は良くなっている。また空冷フィン21が受熱部11の上面の補強という役割も持つため、強度も補強される。
(第6の実施形態)本発明に基づく第6の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図22は本発明に基づく第6の実施形態の正面図である。図23は本発明に基づく第6の実施形態の上面図である。図24は、本発明に基づく第6の実施形態の右側面図である。図25は、本発明に基づく第6の実施形態のD-D断面図である。図2に記載のものと構造上同一のものは、同一符号を付して説明を省略する。、本実施形態の鉄道車両用電力変換装置では、受熱部11の形状がかまぼこ型になっている。IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fが、電力を単相交流から直流へ、直流から三相交流に変換する際に熱が発生する。IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fが電力変換をする際に発生する熱を、沸騰冷却方式により冷却する。IGBT10a,10b,10c,10d,10e,10fによる発熱が受熱部11を介してフロリナート13に伝わる。フロリナート13がこの熱により気化する。中央付近(IGBT10c,10dの上面付近)から気化したフロリナート13はそのまままっすぐ上昇し凝固部12に到達する。端部付近(IGBT10a,10b,10e,10f上面付近)から気化したフロリナート13は、冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14dにより凝固部12に直接到達するものと、冷媒流仕切り板14a,14b,14c,14dに沿って上昇をせず受熱部11上面に到達するものがある。受熱部11上面に到達したフロリナート13は、上面の湾曲に従い凝固部12まで移動することができる。なお、凝固部12での冷却などについては、第1の実施形態と同様なため、省略する。
【0020】本実施形態の鉄道車両用電力変換装置では、他の実施形態の鉄道車両用電力変換装置同様、高い冷却効率が得られる。第1の実施形態から第6の実施形態まで上述したが、本発明の鉄道車両用電力変換装置は、第1の実施形態から第6の実施形態のみに限定されるものではない。例えば、第2の実施形態と第4の実施形態の鉄道車両用電力変換装置を組合わせて、2つ凝固部12をもち、空冷フィン21も備える鉄道車両用電力変換装置など、組合わせ次第では無数に冷却効率の良い鉄道車両用電力装置を提供することが出来るためである。また、第1の実施形態から第5の実施形態では、受熱部11の形状については、直方体と明記しているが、これも限定はしない。受熱部11の形状を扇状にすることなど形状も無数にあるためである。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、鉄道車両用電力変換装置において、変換素子の冷却の際に、沸騰相変化した冷媒と、凝固変化した冷媒の衝突を減少させる効果を得ることができた。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【出願日】 平成14年1月17日(2002.1.17)
【代理人】 【識別番号】100083161
【弁理士】
【氏名又は名称】外川 英明
【公開番号】 特開2003−219507(P2003−219507A)
【公開日】 平成15年7月31日(2003.7.31)
【出願番号】 特願2002−8222(P2002−8222)