トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 電気自動車
【発明者】 【氏名】浦野 徹
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内

【要約】 【課題】本発明は、定常経路を定期的に走行する車両に用いて好適の小型の電気自動車に関し、バッテリ充電の要否を容易に判断できるようにすることを目的とする。

【解決手段】バッテリ残容量検出手段6によってモータに供給されるバッテリ残容量を検出するとともに、前回走行距離を走行距離算出手段81によって算出する。そして、走行可否判定手段82によってこの前回走行距離を現バッテリ残容量で走行可能か否か判定し、この判定結果を通知手段10によってドライバに通知する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両駆動用のモータに電力を供給するバッテリと、上記バッテリの残容量を検出するバッテリ残容量検出手段と、前回走行距離を算出する走行距離算出手段と、上記前回走行距離を現バッテリ残容量で走行可能か否かを判定する走行可否判定手段と、上記走行可否判定手段の判定結果を通知する通知手段とをそなえたことを特徴とする、電気自動車。
【請求項2】 上記モータの駆動を可能とする始動スイッチを更にそなえ、上記通知手段は、上記始動スイッチがOFFになった後、上記判定結果を通知することを特徴とする、請求項1記載の電気自動車。
【請求項3】 車両駆動用のモータに電力を供給するバッテリと、上記バッテリの残容量を検出するバッテリ残容量検出手段と、目標走行距離を入力可能とする距離入力手段と、上記目標走行距離を現バッテリ残容量で走行可能か否かを判定する走行可否判定手段と、上記走行可否判定手段の判定結果を通知する通知手段とをそなえたことを特徴とする、電気自動車。
【請求項4】 上記モータの駆動を可能とする始動スイッチと、前回走行距離を算出する走行距離算出手段とを更にそなえ、上記走行可否判定手段は、上記始動スイッチがONになった後、上記距離入力手段から上記目標走行距離の入力がない場合に、上記前回走行距離を現バッテリ残容量で走行可能か否かを判定することを特徴とする、請求項3記載の電気自動車。
【請求項5】 上記バッテリの電気消費量を前回走行時の実測値を用いて算出する電気消費量算出手段を更にそなえ、上記走行可否判定手段が、現バッテリ残容量と上記電気消費量とに基づいて走行可能距離を算出するとともに、現バッテリ残容量で上記走行可能距離を走行可能か否かを判定することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの項に記載の電気自動車。
【請求項6】 上記走行距離算出手段は車両の利用形態に基づいて上記前回走行距離を学習し、上記走行可否判定手段は上記学習された前回走行距離を現バッテリ残容量で走行可能か否かを判定することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかの項に記載の電気自動車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車に関し、詳しくは定常経路を定期的に走行する車両に用いて好適の小型の電気自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家庭用の交流電源で充電可能な小型の電気自動車が開発され、通勤時等決まった経路(定常経路)を定期的に走行するのに用いられている。このような小型電気自動車のバッテリ残容量はインジケータに表示されるようになっており、ドライバはこの表示に基づいてバッテリの充電の要否を判断している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ドライバがこのバッテリ残容量から実際に走行できる距離を正確に求めることは困難であり、目的地まで移動或いは往復する途中でバッテリ不足となる虞がある。一般に、このような小型電気自動車では、一回の充電によって走行できる距離はガソリン車に比べて短く、又、フルに充電するのに8時間以上を要するため、走行中にバッテリ不足となった場合には、以後の走行をあきらめざるを得なかった。
【0004】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、バッテリ充電の要否を容易に判断できるようにした、電気自動車を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の電気自動車は、バッテリ残容量検出手段によってモータに供給されるバッテリ残容量を検出するとともに、前回走行距離を走行距離算出手段によって算出する。そして、走行可否判定手段によってこの前回走行距離を現バッテリ残容量で走行可能か否か判定し、この判定結果を通知手段によってドライバに通知する(請求項1)。
【0006】なお、通知手段によってドライバに通知される内容は複数用意され、判定結果に応じてその通知内容を選択することが望ましい。このとき、始動スイッチがONのときにモータ駆動を可能とし、この始動スイッチがOFFとなった後に判定結果をドライバに通知するようにしてもよい(請求項2)。
【0007】また、上記目的を達成するために、本発明の電気自動車は、バッテリ残容量検出手段によってモータに供給されるバッテリ残容量を検出するとともに、距離入力手段によってマニュアルで目標走行距離を入力する。そして、走行可否判定手段によってこの目標走行距離を現バッテリ残容量で走行可能か否か判定し、この判定結果を通知手段によってドライバに通知する(請求項3)。
【0008】このとき、始動スイッチがONのときにモータ駆動を可能とし、この始動スイッチがONになった後、距離入力手段からの目標走行距離が入力されずに走行が開始された場合には、走行距離算出手段によって前回走行距離を算出する。そして、走行可否判定手段によってこの前回走行距離を現バッテリ残容量で走行可能か否かを判定し、通知手段によってこの判定結果を通知するようにしてもよい(請求項4)。
【0009】なお、電気消費量算出手段によってバッテリの電気消費量を前回走行時の実測値に基づいて算出し、走行可否判定手段は、この電気消費量と現バッテリ残容量とに基づいて走行可能距離を算出し、現バッテリ残容量でこの走行可能距離を走行可能か否かを判定することが好ましい(請求項5)。また、走行距離算出手段は車両の利用形態に基づいて前回走行距離を学習し、走行可否判定手段はこの学習された前回走行距離を現バッテリ残容量で走行可能か否かを判定するようにしてもよい(請求項6)。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実施形態としての電気自動車について説明すると、図1はその全体構成を示す模式図であり、図2はその機能に着目した模式的なブロック図であり、図3〜図5はその作用を説明するためのフローチャートである。
【0011】本実施形態に係る電気自動車は、図1に示すように、主な構成として、バッテリ1,モータ5a,MCU(Motor Control Unit)3,TCU(Torque Control Unit)8をそなえており、バッテリ1に蓄えられた電力によりモータ5aを駆動して走行するようになっている。ここで、モータ5aは左右の後輪5,5のホイール部に直接組み込まれており、コンタクタ2及びMCU3等を介してバッテリ1から電力が供給されるようになっている。そして、メインキー(始動スイッチ)11をONにすることでモータ駆動が可能となり、MCU3がTCU8によって決定されたトルク指令値に基づいてモータ駆動電流を制御することでモータ5aの駆動が制御されるようになっている。
【0012】ところで、TCU8は上述のようなトルク制御機能のほかにバッテリ管理機能を有しており、BMS(Battery Manegement System)6から前回走行時におけるバッテリ使用量や現在のバッテリ残容量(現バッテリ残容量)に関する情報が入力され、これらのバッテリ情報に基づいてバッテリ管理を行なえるようになっている。
【0013】ここで、このバッテリ管理機能について説明すると、TCU8には、図2に示すように、走行距離算出手段81,走行可否判定手段82及び表示制御手段86が機能的に設けられており、走行終了時(メインキー11OFF時)或いは走行開始時(メインキー11ON時)にバッテリ残容量の確認が行われる。そして、BMS(バッテリ残容量検出手段)6によって検出された現バッテリ残容量によって前回の走行における走行距離と同じ距離を走行できるか否かを判定してインジケータ(通知手段)10に表示し、ドライバにその走行の可否に関する情報を通知できるようになっている。
【0014】なお、前回の走行とは直近の一回の走行においてメインキー11がON状態からOFF状態になるまでの期間を意味し、メインキー11をOFFにして走行を終了する場合にはメインキー11OFF直前に行なった走行(現走行)が前回の走行に該当し、メインキー11をONにして新たな走行を開始する場合には、最近行なった走行(前走行)が前回の走行に該当する。
【0015】走行距離算出手段81は前回走行時に走行した距離を算出するためのものであり、回転センサ12によって検出されたモータ5aの磁極位置に関する情報からモータ回転数を求め、その積算値として前回走行時の走行距離(前回走行距離)を算出するようになっている。なお、走行距離算出手段81には不揮発性のメモリ(図示略)がそなえられており、算出された前回走行距離はこのメモリに記憶され、次回走行(即ち、前回走行の次に行なう走行)の際に読み出されるようになっている。
【0016】走行可否判定手段82は現バッテリ残容量によって上述の前回走行距離を走行可能か否かを判定するためのものであり、BMS6によって検出される現バッテリ残容量と電力消費量(単位電力当たりの走行可能距離)とに基づいて次回走行において走行可能な距離を算出する走行可能距離算出手段83と、この走行可能距離と上述の前回走行距離とを比較し、現バッテリ残容量によって前回走行距離と同じ距離を次回走行で走行可能か否かを判定する比較手段84とが機能的に設けられている。
【0017】つまり、定常経路を定期走行する小型電気自動車の場合、一回の走行距離は略一定(即ち、前回走行における走行距離と次回走行における走行距離とは略同じ)であるため、次回の走行が可能か否かを判定するには、現バッテリ残容量によって前回走行距離を走行可能か否かを判定すればよい。そのため、比較手段84では現バッテリ残容量によって直近の一回の走行距離を再度走行することができるか否かを判定しているのである。
【0018】この比較手段84による走行可否の判定は所定の判定基準に基づいて行なわれ、表示制御手段86がこの判定結果に基づいてインジケータ10の表示を制御し、判定結果をドライバに通知するようになっている。例えば、走行可能距離と前回走行距離との差が所定距離(例えば10km)以上あり十分走行可能と推定される場合には、表示制御手段86によりインジケータ10に青色で“十分可能”と表示され、走行可能距離が前回走行距離よりも大きいものの上記所定距離よりも小さい場合には、黄色で“可能”と表示される。さらに、走行可能距離が前回走行距離以下である場合には、走行途中にバッテリ不足となる虞があるため、赤色で“充電必要”と表示され、ドライバに充電を促すようになっている。
【0019】なお、走行可能距離はバッテリ残容量と電気消費量(電費)との積として算出されるが、この電費は経時変化で低下したりドライバの運転スタイルによって変化したりするため、本実施形態の電気自動車には電気消費量算出手段85が設けられ、電費を前回走行時の実測値から算出するようにしている。つまり、電気消費量算出手段85には走行距離算出手段81によって算出された前回走行距離とBMS6で検出された前回走行時のバッテリ使用量とが入力され、電費は前回走行距離をバッテリ使用量で除算することにより算出されるようになっている。
【0020】また、本電気自動車には、定常経路を外れて他の目的地へ移動する場合を考慮して、目的地までの距離(目標走行距離)を入力するための距離入力手段7が設けられており、メインキー11をONにして新たな走行を開始する場合に、ドライバがこの目的地までの目標走行距離を入力できるようになっている。そして、走行に際して目標走行距離が入力されると、この目標走行距離は現バッテリ残容量に基づいて算出された走行可能距離と比較され、上述の判定基準に基づいて現バッテリ残容量で今回の走行が可能か否かが判定される。そして、この走行可否の情報が表示制御手段86によってインジケータ10に表示されるようになっている。
【0021】なお、走行開始時に目標走行距離が入力されない場合は、今回の走行は前回走行時と同一経路を走行するものと判断され、比較手段84によって前回走行距離と現バッテリ残容量に基づいて算出された走行可能距離とが比較され、走行の可否が判定されるようになっている。これにより、いちいち目標走行距離を入力しなくてもその走行の可否が自動的に判定されて判定結果が通知されるため、入力の手間を省くことができるとともに、ドライバが距離を入力し忘れても走行の可否を認識することができるのである。
【0022】本発明の一実施形態としての電気自動車は、上述のように構成されているので、走行開始時には例えば図3に示すようなフローチャートに従って制御が行なわれる。まず、ステップS10でドライバが走行に際してメインキー11をONにすると、ステップS11でBMS6から電気消費量算出手段85及び走行可否判定手段83に対してそれぞれ前回走行時におけるバッテリ使用量及び現バッテリ残容量が入力され、更に、前走行における走行距離が走行距離算出手段81に読み込まれる。そして、電気消費量算出手段85によって前回走行時におけるバッテリ使用量と前回走行距離とに基づいて前回走行時の電費が算出され(ステップS12)、この電費に基づいて、走行可能距離算出手段83によって現バッテリ残容量で走行可能な距離が算出される(ステップS13)。
【0023】そして、走行に際して距離入力手段7から目標走行距離が入力されると(ステップS14)、この目標走行距離が比較手段84に入力され、ステップS15でこの目標走行距離での走行可否判定が行なわれる。この走行可否判定は、図5に示されるような走行可否判定ルーチンによって行なわれ、ステップS30,S32でこの目標走行距離と走行可能距離との大小関係が比較される。
【0024】このとき、目標走行距離が走行可能距離よりも所定距離(例えば10km)以上大きい場合には、バッテリ残容量が十分大きく走行途中でバッテリ不足となる虞が少ないと判断され、ステップS31で表示制御手段86によりインジケータ10に青色で“十分可能”と表示される。また、目標走行距離が走行可能距離よりも大きく、その差が上記所定距離未満である場合には、バッテリ残容量が比較的余裕のある状態であると判断され、ステップS33でインジケータ10に黄色で“可能”と表示される。
【0025】さらに、目標走行距離が走行可能距離以下である場合には、バッテリ残容量に余裕はなく走行途中でバッテリ不足となる虞があると判断し、ステップS34でインジケータ10に赤色で“充電必要”と表示され、ドライバに対してバッテリ1の充電が促される。また、ステップS14で目標走行距離が入力されずに走行が開始された場合には、走行距離算出手段81から比較手段84に前走行における走行距離が入力され、ステップS16で走行可否判定ルーチン(図5参照)によって走行可否が判定される。この場合、今回の走行が前回の走行と同様に定常経路を走行するものと推定されるため、ステップS30,S32では前回走行での走行距離と走行可能距離との大小関係が比較され、現バッテリ残容量で前回走行距離と同じ距離を走行可能か否かが判定される。そして、その比較結果に応じてインジケータ10に走行可否の情報が表示される(ステップS31,S33,S34)。
【0026】一方、走行終了時には例えば図4に示すようなフローチャートに従って制御が行なわれ、現走行が終了した後、ステップS20でメインキー11をOFFにすると、ステップS21でBMS6から電気消費量算出手段85及び走行可否判定手段83に対してそれぞれ現走行におけるバッテリ使用量及び現バッテリ残容量が入力される。さらに、電気消費量算出手段85には走行距離算出手段81から現走行における走行距離が入力され、現走行における走行距離と現走行におけるバッテリ使用量とから現走行での電費が算出される(ステップS22)。
【0027】そして、ステップS23で、この電費に基づいて、現バッテリ残容量で走行可能な距離が走行可能距離算出手段83によって算出されて比較手段84に入力され、ステップS24で走行可否判定ルーチン(図5参照)によって走行可否が判定される。つまり、走行終了時には、次回の走行が現走行と同様の定常経路を走行するものと推定し、ステップS30,S32では現走行での走行距離と現バッテリ残容量での走行可能距離との大小関係が比較され、現バッテリ残容量で現走行距離と同じ距離を走行可能か否かが判定される。そして、その比較結果に応じてインジケータ10に走行可否の情報が表示される(ステップS31,S33,S34)。
【0028】これにより、ドライバは現バッテリ残容量によって次回走行が可能か否かを走行終了後に知ることができ、バッテリ残容量が少ない場合には走行終了直後から充電作業を開始することで、次回走行までの間に充電時間を十分確保することができるのである。したがって、本実施形態の電気自動車によれば、走行に際してバッテリ残容量に応じて走行の可否が自動的に判定されて通知されるため、ドライバがバッテリ残容量を意識して確認することなく走行の可否を認識することができ、走行途中でバッテリ不足となる事態を確実に回避することができる。
【0029】そして、この走行の可否が前回走行時の走行距離に基づいて行なわれるため、専ら定常経路を走行するような小型電気自動車において信頼性の高い判定を行なうことができ、毎回バッテリ残容量の確認に煩わされることがなく利便性を向上させることができるのである。また、走行可能距離をバッテリ残容量と電費とから算出する際に、電費を前回走行時の実測値に基づいて算出するようにしているため、走行可能距離をより正確に求めることができる。
【0030】つまり、電費は経時変化によって低下し、或いはドライバの運転スタイルによりその値が増減するため、この電費を一定値とした場合の走行可能距離が実際の走行可能距離よりも大きく算出され、インジケータ10の表示を信頼して走行を開始した場合に、走行途中でバッテリ不足となる虞がある。このため、電費の値を前回の走行における実測値によって求めることで、走行可能距離をより実際の走行可能距離に近づけることができ、走行中にバッテリ不足となる事態を確実に回避することができるのである。
【0031】さらに、このような走行可否の判定が、メインキー11をONにし走行を開始する直前だけでなく、メインキー11をOFFとし運転を終了した後にも行なわれるため、この走行可否状態からドライバは次回走行に際して余裕をもってバッテリ状態を認識することができ、バッテリ残容量が少ない場合には、次回走行時までに充電時間を十分に確保することができる。
【0032】なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、前回走行距離と走行可能距離とを比較する際の判定基準における基準値は好みや運転スタイル等に応じてドライバがマニュアルで設定できるようにしてもよい。これは、一回の走行距離が短く、前回走行距離と走行可能距離との差が10km未満でも次回の走行が十分に可能である場合もあり、インジケータ10の表示が妥当性を欠く場合があることを考慮したものである。これにより、更に使い勝手を向上させることができる。
【0033】また、走行可否に関する情報はインジケータ10に表示させる代わりに、備え付けのオーディオシステムを用いて音声によりドライバに通知したり、インジケータランプを点滅させて認識させたりしてもよい。これにより、ドライバの注意を効果的に喚起することができ、ドライバがインジケータ10を意識的に確認することなく確実にバッテリ状態を認識することができ、インジケータ10を確認し忘れることで走行途中にバッテリ不足となる事態を回避できるのである。
【0034】もちろん、表示,音声及びランプの点滅を組み合わせることも可能であり、これによりドライバの注意を更に効果的に喚起することができる。さらに、次回走行の可否が、前回走行時の走行距離に基づいて判定される代わりに、走行距離算出手段81によって学習された自動車の利用形態(一回の走行距離の平均値や、日毎の走行距離の分布等)に基づいて自動的に判定されるようにしてもよい。つまり、走行距離算出手段81は一定期間に行われた走行データをメモリに記憶するようにし、この走行データに基づいて比較手段84が公知の統計手法によって一回の走行距離の平均値や分布、或いは、曜日毎等の走行距離を求め、自動車の利用形態を学習する。そして、比較手段84はこの自動車の利用形態に基づいて次回行なわれる走行の走行距離を推定し、その走行可否を判定するようにする。
【0035】このように自動車の利用形態に基づいて自動的に次回の走行における走行距離が推定され、この推定値によって走行可否が判定されるようにすることで、より妥当な判定結果を得ることができ、ドライバが意識することなくバッテリ充電の要否を認識することができる。その結果、ドライバが次回の走行に必要なバッテリ電力に対する認識を誤っていても、学習値に基づいて走行可否状態が的確に通知されるため、その誤りに気付くことができる。また、距離入力手段7によって目標走行距離を入力し、前回走行距離が定常経路における走行距離と異なった場合でも、次回の走行距離は定常経路における走行距離と略同じ距離に推定されるため、充電の要否についてより妥当な判断を行なうことができる。これにより、充電忘れが防止され、走行途中でバッテリ不足となる事態を確実に回避でき、極めて使い勝手のよいものとなるのである。
【0036】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、現バッテリ残容量での走行可否が前回走行距離に基づいて判定されるため、専ら定常経路を走行するような電気自動車において信頼性の高い判定を行なうことができ、毎回バッテリ残容量の確認に煩わされることがなく利便性を向上させることができる。そして、このような判定結果が通知手段によってドライバに通知されるため、ドライバがバッテリ残容量を意識して確認することなく走行の可否を認識することができ、走行途中でバッテリ不足となる事態を確実に回避することができる。(請求項1)。
【0037】なお、判定結果に応じて通知内容が選択されることで、ドライバは充電の緊急性を容易に判断することができる。このとき、始動スイッチがOFFとなった後、走行可否状態を通知するようにすることで、この走行可否状態からドライバは次回走行に際して余裕をもってバッテリ状態を認識することができ、バッテリ残容量が少ない場合には、次回走行時までに充電時間を十分に確保することができ、バッテリ不足となる事態を回避することができる(請求項2)。
【0038】また、距離入力手段によって目標走行距離を入力できるようにすることで、定常経路と異なる経路を走行する場合にも正確に走行の可否を判定することができる(請求項3)。このとき、始動スイッチがONになった後、目標走行距離が入力されずに走行が開始された場合に前回走行距離を用いて走行の可否を判定することで、ドライバが目標走行距離を入力し忘れても走行の可否を認識することができる。
【0039】特に、定常経路を毎回走行するような場合には、目標走行距離は常に一定であり、いちいち目標走行距離を入力しなくても前回走行距離に基づいて走行可否判定を行なうことで、入力の手間を省き、利便性を向上させることができるのである(請求項4)。なお、電気消費量を前回走行時の実測値に基づいて算出することで電気消費量が経時変化やドライバの運転スタイルによって変化した場合にも走行可能距離をより正確に求めることができ、走行中にバッテリ不足となる事態を確実に回避することができる(請求項5)。
【0040】また、走行距離算出手段が車両の利用形態を学習することで、ドライバの運転スタイルや習慣等を考慮して前回走行距離を判定することができる。そして、この学習された前回走行距離に基づいて走行可否の判定を行なうことで、ドライバが意識することなくバッテリ充電の要否を認識することができる。これにより、ドライバが次回の走行に必要なバッテリ電力に対する認識を誤っていても、学習値に基づいて走行可否状態が的確に通知されるため、その誤りに気付くことができる。また、距離入力手段によって目標走行距離を入力し、前回走行距離が定常経路における走行距離と異なった場合でも、次回の走行距離は定常経路における走行距離と略同じ距離に推定されるため、充電の要否についてより妥当な判断を行なうことができる。このため、更に使い勝手を向上させることができるのである(請求項6)。
【出願人】 【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区港南二丁目16番4号
【出願日】 平成14年1月24日(2002.1.24)
【代理人】 【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
【公開番号】 特開2003−219503(P2003−219503A)
【公開日】 平成15年7月31日(2003.7.31)
【出願番号】 特願2002−15233(P2002−15233)