| 【発明の名称】 |
車両用電源装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】長谷川 哲也 【住所又は居所】静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社内
【氏名】玉井 康弘 【住所又は居所】静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】DC/DCコンバータの取り付け時、及び取り外し時におけるアークの発生を防止することのできる車両用電源装置を提供する。
【解決手段】DC/DCコンバータ6と、バッテリ(36ボルト、または12ボルト)との間にアーク防止回路12を設置する。アーク防止回路12は、DC/DCコンバータ6とバッテリとを接続する際には抵抗R1を有する回路を介して接続し、その後、抵抗R1を介さない回路に切り換える。また、DC/DCコンバータ6と、バッテリとを切り離す際には、DC/DCコンバータ6が有するコンデンサC1の充電電圧を放電させる。これにより、DC/DCコンバータ取り付け時、取り外し時におけるアークの発生を防止することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電圧変換用のDC/DCコンバータと、該DC/DCコンバータの高圧側に設置される電源回路と、DC/DCコンバータの低圧側に設置される電源回路と、を有する車両用電源装置において、前記DC/DCコンバータと前記各電源回路のうちの少なくとも一方との間にアーク防止手段を設置し、前記アーク防止手段は、前記DC/DCコンバータと前記電源回路とを接続する際には、第1の抵抗値を有する高抵抗回路を介して接続し、その後、前記第1の抵抗値よりも小さい第2の抵抗値を有する低抵抗回路を介した接続に切り換え、前記DC/DCコンバータと前記電源回路とを切り離す際には、前記DC/DCコンバータが有するコンデンサの充電電圧を放電させるべく制御することを特徴とする車両用電源装置。 【請求項2】 電圧変換用のDC/DCコンバータと、該DC/DCコンバータの高圧側に設置される電源回路と、DC/DCコンバータの低圧側に設置される電源回路と、を有する車両用電源装置において、前記DC/DCコンバータと前記各電源回路のうちの少なくとも一方との間にアーク防止手段を設置し、前記アーク防止手段は、第1のスイッチと第1の抵抗体との直列接続からなる第1の回路と、該第1の回路に対して並列接続される第2のスイッチと、第3のスイッチと第2の抵抗体との直列接続回路からなり、前記DC/DCコンバータが有するコンデンサの両端に接続される第2の回路と、前記DC/DCコンバータと前記電源回路とを接続する際には、前記第1のスイッチをオンとし、その後、第1のスイッチをオフ、第2のスイッチをオンとし、前記DC/DCコンバータと前記電源回路とを切り離す際には、前記第2のスイッチをオフ、前記第3のスイッチをオンとするべく制御する制御手段と、を有することを特徴とする車両用電源装置。 【請求項3】 前記制御手段は、前記DC/DCコンバータの接続端と前記電源回路の出力端とを接続した後、前記DC/DCコンバータの接続端に印加される電圧VBが第1のしきい値Vth1以上となったときに、前記第1のスイッチをオンとし、前記電圧VBと、前記DC/DCコンバータが有するコンデンサの端子電圧VCとの差分が、第2のしきい値Vth2以下となったときに、前記第1のスイッチをオフとし、且つ、第2のスイッチをオンとするべく制御することを特徴とする請求項2に記載の車両用電源装置。 【請求項4】 前記制御手段は、車両のイグニッションがオフとされた際に、前記第2のスイッチをオフとし、その後、前記第3のスイッチをオンとするべく制御することを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の車両用電源装置。 【請求項5】 前記制御手段は、前記第3のスイッチをオンとした後、前記DC/DCコンバータが有するコンデンサの端子電圧Vcが第3のしきい値Vth3以下となったときに、当該第3のスイッチをオフとするべく制御することを特徴とする請求項4に記載の車両用電源装置。 【請求項6】 前記第3のスイッチがオンとされているときには、これを報知する報知手段を具備したことを特徴とする請求項5に記載の車両用電源装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載される電源装置に係り、特に、メンテナンス時における安全性を向上させる技術に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、車両に搭載されるバッテリ電圧の高電圧化が進められ、従来より使用している12ボルト電源に代えて、36ボルト程度の電源にしようとする試みが成されている。36ボルトのバッテリを用いる場合には、車両に搭載される各種負荷の規格を全て36ボルトに変更することが困難であることから、36ボルト負荷と、12ボルト負荷とを混在させ、12ボルト負荷については、DC/DCコンバータを用いて直流36ボルトを12ボルトに変換して得られる電圧を使用する方式が用いられる。 【0003】図11は、このような電源装置の従来例を示す回路図である。同図に示すように、この電源装置101は、発電機(M/G)102より出力される交流電圧を整流器(AC/DC)103により直流化する。また、整流器103の出力端は、ジャンクションボックス(J/B)107,108を介して、36ボルト負荷104、36ボルトバッテリ105、及びDC/DCコンバータ106に接続される。 【0004】DC/DCコンバータ106は、直流36ボルト電圧を直流12ボルト電圧に変換するものであり、この出力端は、ジャンクションボックス109を介して12ボルトバッテリ110、及び12ボルト負荷111に接続されている。 【0005】そして、このような構成により、発電機102より出力される交流電圧は、整流器103にて36ボルトの直流電圧に変換された後、36ボルト負荷104及び36ボルトバッテリ105に供給されるので、36ボルト負荷104を駆動させることができ、且つ、36ボルトバッテリ105を充電させることができる。 【0006】更に、DC/DCコンバータ106により12ボルトに降圧され、この12ボルト電圧は12ボルト負荷111、及び12ボルトバッテリ110に供給されるので、12ボルト負荷111を駆動させることができ、且つ、12ボルトバッテリ110を充電することができる。 【0007】ところが、このような従来の電源装置101では、DC/DCコンバータ106と各バッテリ105,110とを連結する電源線の取り付け時や取り外し時において、接続部位にてアーク(火花)が発生する場合がある。アークが発生する状況として、例えば、以下に挙げる場合が考えられる。 【0008】(イ)電圧印加状態(負荷作動状態)で結線部の接続、或いは離脱を行った場合には、この部分でアークが発生する。このアークは、電圧が高くなる程増大する。 【0009】(ロ)DC/DCコンバータ106を長期間放置した場合、或いは初作動させる場合には、DC/DCコンバータ106の内部コンデンサの充電電圧が略0ボルトであるので、電源線の接続時には36ボルトバッテリ105の電圧が内部コンデンサに流れ込むため、電源線の端子接触時にアークが発生する。これは、36ボルトバッテリが満充電に近い程増大する。 【0010】(ハ)DC/DCコンバータ106が一度でも作動させた状態のものである場合には、DC/DCコンバータ106の内部コンデンサに電圧が充電されている場合があり、この場合には電源線の取り外し作業時において、DC/DCコンバータ106のプラス端子に接続されている電源線のターミナルが車体や他の金属と接触した場合にショートし、アークが発生する。更に、36ボルトバッテリ105に電源線が先に取り付けられている場合には、この電源線をDC/DCコンバータ106へ取り付ける際にアークが発生する。反対に、DC/DCコンバータ106に電源線が先に取り付けられている場合には、この電源線を36ボルトバッテリ105へ取り付ける際にアークが発生する。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来における電源装置101では、高電圧側(36ボルト側)と低電圧側(12ボルト側)との間に配置されるDC/DCコンバータ106のメンテナンス時における、電源線の取り外し作業、或いは取り付け作業を行う際に、アークが発生するという問題が発生していた。 【0012】この発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、DC/DCコンバータとバッテリとの間の電源線の取り付け時、取り外し時における、アークの発生を防止することのできる車両用電源装置を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、電圧変換用のDC/DCコンバータと、該DC/DCコンバータの高圧側に設置される電源回路と、DC/DCコンバータの低圧側に設置される電源回路と、を有する車両用電源装置において、前記DC/DCコンバータと前記各電源回路のうちの少なくとも一方との間にアーク防止手段を設置し、前記アーク防止手段は、前記DC/DCコンバータと前記電源回路とを接続する際には、第1の抵抗値を有する高抵抗回路を介して接続し、その後、前記第1の抵抗値よりも小さい第2の抵抗値を有する低抵抗回路を介した接続に切り換え、前記DC/DCコンバータと前記電源回路とを切り離す際には、前記DC/DCコンバータが有するコンデンサの充電電圧を放電させるべく制御することを特徴とする。 【0014】請求項2に記載の発明は、電圧変換用のDC/DCコンバータと、該DC/DCコンバータの高圧側に設置される電源回路と、DC/DCコンバータの低圧側に設置される電源回路と、を有する車両用電源装置において、前記DC/DCコンバータと前記各電源回路のうちの少なくとも一方との間にアーク防止手段を設置し、前記アーク防止手段は、第1のスイッチと第1の抵抗体との直列接続からなる第1の回路と、該第1の回路に対して並列接続される第2のスイッチと、第3のスイッチと第2の抵抗体との直列接続回路からなり、前記DC/DCコンバータが有するコンデンサの両端に接続される第2の回路と、前記DC/DCコンバータと前記電源回路とを接続する際には、前記第1のスイッチをオンとし、その後、第1のスイッチをオフ、第2のスイッチをオンとし、前記DC/DCコンバータと前記電源回路とを切り離す際には、前記第2のスイッチをオフ、前記第3のスイッチをオンとするべく制御する制御手段と、を有することを特徴とする。 【0015】請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、前記DC/DCコンバータの接続端と前記電源回路の出力端とを接続した後、前記DC/DCコンバータの接続端に印加される電圧VBが第1のしきい値Vth1以上となったときに、前記第1のスイッチをオンとし、前記電圧VBと、前記DC/DCコンバータが有するコンデンサの端子電圧VCとの差分が、第2のしきい値Vth2以下となったときに、前記第1のスイッチをオフとし、且つ、第2のスイッチをオンとするべく制御することを特徴とする。 【0016】請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、車両のイグニッションがオフとされた際に、前記第2のスイッチをオフとし、その後、前記第3のスイッチをオンとするべく制御することを特徴とする。 【0017】請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、前記第3のスイッチをオンとした後、前記DC/DCコンバータが有するコンデンサの端子電圧Vcが第3のしきい値Vth3以下となったときに、当該第3のスイッチをオフとするべく制御することを特徴とする。 【0018】請求項6に記載の発明は、前記第3のスイッチがオンとされているときには、これを報知する報知手段を具備したことを特徴とする。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両用電源装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、該車両用電源装置1は、交流電圧を発生する発電機2と、該発電機2より出力される交流電圧を直流電圧(36ボルト)に変換する整流器3と、整流後の36ボルト電圧を充電する36ボルトバッテリ5と、36ボルトの直流電圧を12ボルトの直流電圧に変換するDC/DCコンバータ6と、12ボルト電圧を充電する12ボルトバッテリ10と、ジャンクションボックス7,8,9と、を有している。 【0020】また、整流器3より出力される36ボルトの直流電圧は、車両に搭載される36ボルト負荷4に供給され、DC/DCコンバータ6より出力される12ボルトの直流電圧は、12ボルト負荷11に供給されるようになっている。 【0021】図2は、ジャンクションボックス8内部の詳細な構成を示す回路図である。同図に示すように、ジャンクションボックス8内には、DC/DCコンバータ6が配置され、且つ、該DC/DCコンバータ6の36ボルト側、及び12ボルト側には、それぞれアーク防止回路(アーク防止手段)12が備えられている。 【0022】同図に示すDC/DCコンバータ6は、充電用のコンデンサC1,C2と、ダイオードD1と、チョークコイルL1、及びスイッチング用のトランジスタQ1を有しており、コンデンサC1側から入力される36ボルトの直流電圧を12ボルトの直流電圧に変換する。 【0023】コンデンサC1の一端側(点p2)は、抵抗R1(第1の抵抗体)、スイッチSW1(第1のスイッチ)を介して36ボルトバッテリ5のプラス入力端に接続され、更に、抵抗R1とスイッチSW1との直列接続回路(高抵抗回路、第1の回路)に対して並列的にスイッチSW2(低抵抗回路、第2のスイッチ)が設置されている。また、点p2は、抵抗R2(第2の抵抗体)、スイッチSW3(第3のスイッチ)を介してグランドに接続されている。該コンデンサC1の他端側は、グランドに接続されている。 【0024】同様に、コンデンサC2の一端側(点p4)は、抵抗R3(第1の抵抗体)、スイッチSW1′を介して12ボルトバッテリ10のプラス入力端に接続され、更に、抵抗R3とスイッチSW1′との直列接続回路に対して並列的にスイッチSW2′が設置されている。また、点p4は、抵抗R4(第2の抵抗体)、スイッチSW3′を介してグランドに接続されている。該コンデンサC2の他端側は、グランドに接続されている。 【0025】抵抗R1は、アーク防止用の抵抗であり、該抵抗R1を36ボルトバッテリ5からDC/DCコンバータ6のコンデンサC1に電流が流れ込む経路に設置することにより、DC/DCコンバータ6と36ボルトバッテリ5とを電源線にて接続する際に発生するアークを防止する。 【0026】この抵抗R1は、抵抗値を小さくするするほどコンデンサC1への充電を速くすることができ、大きくするほどアークの発生を効果的に防止することができる。 【0027】更に、各スイッチSW1〜SW3、及びSW1′〜SW3′は、制御回路13により、オン、オフが制御されるようになっている。また、該制御回路13には、点p1に発生する電圧(36ボルトバッテリ5の電圧)、点p2に発生する電圧(コンデンサC1の充電電圧)、点p3に発生する電圧(12ボルトバッテリ10の電圧)、及び点p4に発生する電圧(コンデンサC2の充電電圧)を検出している。更に、この制御回路13は、車両のイグニッション(IGN)のオン、オフ信号が与えられ、且つ、常時供給される12ボルト電圧にて駆動するようになっている。 【0028】なお、図2では、非絶縁型のDC/DCコンバータを用いる例について記載しているが、絶縁型のものを用いても良い。また、各スイッチSW1〜SW3、SW1′〜SW3′は、リレー、半導体スイッチ、或いは機械式スイッチなどの各種のものを用いることができる。更に、図2では、36ボルト側のジャンクションボックス8内にアーク防止回路12を設置する例について示しているが、12ボルト側のジャンクションボックス9内に設置する構成とすることもできる。 【0029】次に、上記のように構成された本実施形態に係る車両用電源装置1の動作を、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。 【0030】図2は、DC/DCコンバータ6の36ボルト側接続用の端子T2と、36ボルトバッテリ5の端子T1とが切り離され、また、DC/DCコンバータ6の12ボルト側接続用の端子T3と、12ボルトバッテリ10の端子T4とが切り離された状態となっている。 【0031】このとき、アーク防止回路12の各スイッチSW1〜SW3、及びSW1′〜SW3′は、全てオフ状態となっている(ステップST1)。なお、アーク防止回路12は、36ボルト側と12ボルト側とで、動作が同一であるので(即ち、図中DC/DCコンバータ6の左側回路と右側回路とで動作が同一であるので)、以下、主として36ボルト側の回路の動作について説明する。また、SW1〜SW3とSW1′〜SW3′は連動して動作するものではない。 【0032】ステップST1の状態から、DC/DCコンバータ6に36ボルトバッテリ5を接続する際には、端子T1とT2とを連結する。この状態では、未だ各スイッチSW1〜SW3はオンとされていない。また、制御回路13には、36ボルトバッテリ5の出力電圧(点p1の電圧)VBが与えられ、この電圧VBと予め設定されているしきい値(第1のしきい値)Vth1との大きさが比較される(ステップST2)。なお、このしきい値Vth1の値は、バッテリの種類、DC/DCコンバータの種類、搭載車種のシステムの違いに応じて適宜変更することができる。 【0033】そして、Vth1≧VBとなった場合には(ステップST2でYES)、スイッチSW1をオンとする(ステップST3)。これにより、図3に示すように、36ボルトバッテリ5より出力される電圧が、抵抗R1を介してコンデンサC1に印加されることになり、コンデンサC1の充電が開始される。同様に、12ボルトバッテリ10より出力される電圧が、抵抗R3を介してコンデンサC2に印加され、コンデンサC2の充電が開始される。 【0034】つまり、コンデンサC1,C2への初期充電時においては、充電電流は抵抗R1,或いは抵抗R3を介して流れるので、アークの発生を防止することができる。 【0035】そして、この充電電圧(点p2の電圧)VCは、制御回路13にて検出され、該制御回路13では、電圧VB(点p1の電圧)と電圧VCとの差分(VB−VC)と、予め設定されているしきい値(第2のしきい値)Vth2とを比較する(ステップST4)。なお、しきい値Vth1と同様に、しきい値Vth2の値は、バッテリの種類、DC/DCコンバータの種類、搭載車種のシステムの違いに応じて適宜変更することができる。 【0036】そして、Vth2≧(VB−VC)となった場合には(ステップST4でYES)、スイッチSW1をオフとし、スイッチSW2をオンとする(ステップST5)。つまり、図4に示すように、抵抗R1を介して接続されていた回路を、抵抗R1を取り除いた回路に変更する(高抵抗回路から低抵抗回路へ変更する)。これにより、コンデンサC1、C2を満充電とすることができ、DC/DCコンバータ6は、36ボルトの電圧を12ボルトの電圧に変換することができる。 【0037】その後、車両のイグニッション(IGN)がオフとされると、制御回路13にてこれが検出され(ステップST6で「有り」)、スイッチSW2をオフとすると共に、スイッチSW3をオンとする。これにより、36ボルトバッテリ5からの電圧の供給が遮断され、且つ、図5に示すように、コンデンサC1に充電された電圧が、抵抗R2を介して放電される。同様に、コンデンサC2に充電された電圧が、抵抗R4を介して放電される。更に、図示省略のLED(報知手段)を点灯させて、コンデンサC1が放電中であることを操作者に知らせる(ステップST7)。 【0038】次いで、コンデンサC1の充電電圧VC(点p2の電圧)と、予め設定されたしきい値Vth3(第3のしきい値)とが比較され(ステップST8)、Vth3≧VCとなった場合には(ステップST8でYES)、図6に示すように、スイッチSW3をオフとし、LEDを消灯する(ステップST9)。なお、しきい値Vth1,Vth2と同様に、しきい値Vth3の値は、バッテリの種類、DC/DCコンバータの種類、搭載車種のシステムの違いに応じて適宜変更することができる。 【0039】こうして、イグニッションがオフとされた際には、36ボルトバッテリ5とDC/DCコンバータ6との接続が遮断され、且つ、コンデンサC1に充電されている電圧を放電させることができるのである。その後、イグニッションのオン信号が与えられると、ステップST1からの処理を繰り返す。 【0040】このようにして、本実施形態に係る車両用電源装置1では、バッテリ接続時、或いはイグニッションがオンとされた際には、バッテリ電圧VBがしきい値Vth1以下となったときにスイッチSW1をオンとし、更に、バッテリ電圧VBとコンデンサC1の充電電圧VCとの差分(VB−VC)がしきい値Vth2以下となったときに、スイッチSW1をオフとしてスイッチSW2をオンとするように制御している。 【0041】従って、電源線の回路接続時、或いはイグニッションのオン時に、過大な電流が流れることを阻止することができ、アークの発生を防止することができる。 【0042】また、イグニッションがオフとされた際には、コンデンサC1に充電されている電圧が放電されるので、電源部品のメンテナンス時にて、バッテリ(特に、36ボルト側)の電源線からの通電が完全に遮断され、作業手順を気にすることなく、安全に作業することができる。また、電源線の取り外し時にて、アークが発生する等のトラブルを回避することができる。 【0043】更に、イグニッションがオフのときには、バッテリの電源線とDC/DCコンバータ6とが遮断された状態となるので、車両を長期間使用しない場合にバッテリ上がりを引き起こすことを防止することができる。 【0044】また、DC/DCコンバータ6の内部にアーク防止回路12を搭載する構成とすれば、構成部品の点数を削減することができ、且つコストダウンを図ることができる。 【0045】次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態に係る車両用電源装置1では、制御回路13によるソフト的な処理により、各スイッチSW1〜SW3、SW1′〜SW3′を切り換えるようにしたが、本実施形態では、ハードウェア構成を用いることにより、同様の処理を行う。 【0046】図8は、第2の実施形態に係る車両用電源装置20の構成を示すブロック図である。該車両用電源装置20は、図1に示した構成のものと略同一であるが、DC/DCコンバータ6と、ジャンクションボックス8とがそれぞれ別個に配置されている点で相違している。本実施形態では、アーク防止回路25,35がDC/DCコンバータ6の内部に設けられている。 【0047】図9は、DC/DCコンバータ回路61、及び該DC/DCコンバータ回路61に付帯するアーク防止回路25、35の構成を示す回路図である。この実施形態では、これらを総称してDC/DCコンバータ6ということにする。 【0048】同図に示すDC/DCコンバータ回路61は、図2に示したDC/DCコンバータ6と同一構成であり、コンデンサC1,C2と、トランジスタQ1と、チョークコイルL1と、ダイオードD1とを具備して構成されている。 【0049】また、ジャンクションボックス8とDC/DCコンバータ回路61との間には、アーク防止回路25が設けられており、該アーク防止回路25は、抵抗R11(第1の抵抗体)と、トランジスタで構成されるスイッチSW1(第1のスイッチ)との直列接続回路と、この直列接続回路に対して並列的に設置されるリレー型のスイッチSW2(第2のスイッチ)と、制御回路26と、を有している。 【0050】制御回路26は、バッテリ電圧を分圧するための抵抗R21、R23と、コンデンサC1の充電電圧を分圧するための抵抗R22、R24と、3つのアンド回路21,22,23と、スイッチSW3(第3のスイッチ)と、トランジスタTR1と、発光ダイオードLED1と、を備えている。なお、アンド回路21,23の入力側、出力側に記載した○印は、「NOT;反転」を示す。また、スイッチSW2と発光ダイオードLED1との間には、抵抗R12(第2の抵抗体)が配設されている。 【0051】また、ジャンクションボックス9とDC/DCコンバータ回路61との間には、アーク防止回路35が設けられている。該アーク防止回路35は、前述したアーク防止回路25と略同一構成を有しており、スイッチSW1′、SW2′と、抵抗R13,R14と、制御回路27と、を有している。また、制御回路27は、分圧用の抵抗R31〜R34と、スイッチSW3′と、発光ダイオードLED2と、トランジスタTR2と、3つのアンド回路31,32,33と、を具備している。 【0052】ここで、アンド回路33の一入力端が、コンデンサC1の一端と接続されている点で、前述のアーク防止回路26と相違している。 【0053】図10は、DC/DCコンバータ6の状態と、各スイッチのオン、オフ動作を示す説明図であり、以下同図を参照しながら、本実施形態の動作について説明する。 【0054】まず、DC/DCコンバータ6とジャンクションボックス8の電源線とが未接続の場合には、バッテリ電圧VB(点p11の電圧)、及びコンデンサC1の充電電圧VC(点p12の電圧)は共にゼロボルトであるので、アンド回路21の2つの入力信号は、「H」、及び「L」となり、出力信号は「H」となる(Lが反転してHとなる)。従って、スイッチSW1はオフ状態となる。 【0055】ここで、ジャンクションボックス8の電源線をDC/DCコンバータ6に接続すると、点p11の電圧VBが36ボルトに上昇する。従って、アンド回路21の出力信号が「L」となり、スイッチSW1がオンとなる。これにより、コンデンサC1への充電が開始されることになる。 【0056】その後、コンデンサC1の端子電圧が上昇し、点p12の電圧VCが所定のレベルに達すると、抵抗R22とR24との接続点の電圧が上昇し、アンド回路21の出力信号が「H」となり、且つ、アンド回路22の出力信号が「H」となる。 【0057】これにより、スイッチSW1はオフとなり、且つ、トランジスタTR1がオンとなるので、スイッチSW2のコイルが励磁され、該スイッチSW2がオンとなる。つまり、ジャンクションボックス8の電源線を接続した直後は、抵抗R11を介した接続となり、その後、抵抗R11を介さない接続に切り換えられる。従って、電源線接続時のアークの発生を防止することができる。 【0058】また、DC/DCコンバータ6から電源線を切り離す場合において、切り離し直後には、点p11における電圧VBがゼロボルトとなり、且つ、コンデンサC1には充電電圧が蓄積されているので(つまり、点p12の電圧VCが高いレベルの電圧となっているので)、アンド回路23の出力信号が「H」レベルとなり、スイッチSW3がオンとなる。これにより、コンデンサC1に蓄積されている電圧が抵抗R12を介して放電され、且つ発光ダイオードLED1が点灯する。 【0059】その後、暫くすると、点p12の電圧はゼロボルトとなるので、アンド回路23の出力は「L」となり、スイッチSW3はオフとなる。これと共に、発光ダイオードLED1は消灯する。こうして、電源線の切り離し時には、コンデンサC1に蓄積されている電圧を安全に放電することができるのである。 【0060】このようにして、第2の実施形態に係る車両用電源装置20では、前述した第1の実施形態と同様に、電源線の接続時、及び切り離し時にアークの発生を防止することができるので、メンテナンス作業等を安全に行うことができる。 【0061】以上、本発明の車両用電源装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。 【0062】例えば、上述した各実施形態では、DC/DCコンバータを用いて直流36ボルトの電圧を直流12ボルトの電圧に変換する例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その他の電圧値に適用することができる。 【0063】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車両用電源装置では、DC/DCコンバータと、電源回路(高電圧側、または低電圧側)の電源線とを接続する際には、高抵抗回路(抵抗値の高い回路)を介して接続し、その後、低抵抗回路(抵抗値の低い回路)に切り換えられるので、電源線接続時におけるアークの発生を防止することができる。また、電源線を取り外す際には、DC/DCコンバータが有するコンデンサに充電されている電圧が放電されるので、電源線取り外し時におけるアークの発生を防止することができる。従って、DC/DCコンバータの取り付け時、取り外し時における安全性を向上させることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006895 【氏名又は名称】矢崎総業株式会社 【住所又は居所】東京都港区三田1丁目4番28号
|
| 【出願日】 |
平成14年1月18日(2002.1.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−219501(P2003−219501A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月31日(2003.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2002−10743(P2002−10743) |
|