| 【発明の名称】 |
ハイブリッド車両の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】倉島 芳国 【住所又は居所】茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株式会社日立製作所自動車機器グループ内
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| 【要約】 |
【課題】電動機を適切に制御して内燃機関の燃焼を切り換える際に発生するトルク段差を低減する。
【解決手段】電動機トルク演算選択部52は、エンジン制御切換信号により、回転数フィードバック制御を行なうか否かを選択する。エンジン制御切換信号が”0”の時には、電動機への要求トルク値をそのまま電動機のトルク指令値として用い、エンジン切換信号が“1”の時には、電動機目標回転数演算手段50と電動機トルク補正値演算手段51とで算出される電動機トルク補正値を電動機トルク要求値に加算し、電動機のトルク指令値として用いる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アクセル操作量に基づく要求駆動トルクを車両駆動用の内燃機関と電動機それぞれの要求トルクに分割し、前記内燃機関への要求トルクと前記内燃機関の稼働状態に基づいて当該内燃機関の燃焼状態を成層燃焼と均質燃焼とで切り換え、前記電動機への要求トルクに基づき当該電動機のトルク指令値を演算して当該電動機を制御するハイブリッド車両の制御装置において、前記内燃機関の燃焼状態を切り換える時に、前記電動機の要求トルクを変更する手段と、前記要求駆動トルクと前記電動機の回転数に基づき前記電動機の目標回転数を求める手段と、前記電動機の回転数と前記電動機の目標回転数との差異に基づき回転数フィードバック制御によって前記電動機のトルク指令値を補正する手段と、を有するハイブリッド車両の制御装置。 【請求項2】 前記電動機の目標回転数を求める手段は、内燃機関の燃焼状態を切り換える直前に前記要求駆動トルクと前記電動機の回転数に基づき前記要求駆動トルクの変化量に対する前記電動機回転数の変化量の割合を算出し、内燃機関の燃焼状態を切り換える時に、その割合と前記要求駆動トルクに基づき電動機の目標回転数を求めることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置。 【請求項3】 前記電動機のトルク指令値を補正する手段は、前記電動機の回転数と前記電動機の目標回転数との差異の大きさに応じたマップ検索により補正値を求めることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両駆動用の原動機として内燃機関と電動機を備えたハイブリッド車両の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】車両駆動用の原動機として内燃機関と電動機を備えたハイブリッド車両は知られている。この種のハイブリッド車では、アクセル操作量、車速などの車両駆動状態を検出し、車両駆動状態に応じて内燃機関と電動機の使用分担が制御される。例えば、特開昭59−204402号公報に示されているハイブリッド車両は、要求される運転状態に応じて、モータモード、発電モード、回生モード、エンジンモードを適宜選択することで、エンジン効率のよい回転数、出力で制御すると共に、モータ駆動により、燃費、排ガスを減少させた運転を行うことができる。 【0003】成層燃焼と均質燃焼を切り換える筒内噴射式内燃機関では、成層燃焼と均質燃焼を切り換える際、運転者の要求と関係のない内燃機関自身のトルク段差が発生する。内燃機関の燃焼を切り換える際に発生するトルク段差を、吸入空気量の制御や燃料噴射量、燃料噴射時期を調整することにより低減する技術は、すでに公知である。また、内燃機関の燃焼を切り換える際に発生するトルク段差を電動機の出力トルクにより低減する制御装置も、すでに公知である(特開平10−246132号公報)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内燃機関の燃焼を切り換える際に発生するトルク段差を低減するために、どの様に電動機を制御するかの具体的な手法は確立されていない。本発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、電動機を適切に制御して内燃機関の燃焼を切り換える際に発生するトルク段差を低減し、運転性を向上するハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、本発明によるハイブリッド車両の制御装置は、アクセル操作量に基づく要求駆動トルクを車両駆動用の内燃機関と電動機それぞれの要求トルクに分割し、前記内燃機関への要求トルクと前記内燃機関の稼働状態に基づいて当該内燃機関の燃焼状態を成層燃焼と均質燃焼とで切り換え、前記電動機への要求トルクに基づき当該電動機のトルク指令値を演算して当該電動機を制御するハイブリッド車両の制御装置において、前記内燃機関の燃焼状態を切り換える時に、前記電動機の要求トルクを変更する手段と、前記要求駆動トルクと前記電動機の回転数に基づき前記電動機の目標回転数を求める手段と、前記電動機の回転数と前記電動機の目標回転数との差異に基づき回転数フィードバック制御によって前記電動機のトルク指令値を補正する手段とを有する。 【0006】上述したように構成された本発明によるハイブリッド車両の制御装置によれば、内燃機関の燃焼状態を切り換える時に、要求駆動トルクと電動機の回転数に基づき電動機の目標回転数を求め、電動機の回転数と電動機の目標回転数との差異に基づき電動機のトルク指令値を補正することが行われる。 【0007】本発明によるハイブリッド車両の制御装置においては、前記電動機の目標回転数を求める手段は、内燃機関の燃焼状態を切り換える直前に前記要求駆動トルクと前記電動機の回転数に基づき前記要求駆動トルクの変化量に対する前記電動機回転数の変化量の割合を算出し、内燃機関の燃焼状態を切り換える時に、その割合と前記要求駆動トルクに基づき電動機の目標回転数を求めるものとすることができる。また、本発明によるハイブリッド車両の制御装置においては、前記電動機のトルク指令値を補正する手段は、前記電動機の回転数と前記電動機の目標回転数との差異の大きさに応じたマップ検索により補正値を求めるものとすることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態による制御装置が適用されるハイブリッド車両の駆動系および制御系を示している。ハイブリッド車両は、車両駆動用原動機として、筒内噴射式内燃機関(直噴内燃機関、以下、エンジンと云う)1と電動機(モータジェネレータ)2とを有している。エンジン1と電動機2は、互いに直列に駆動連結され、CVT方式の自動変速機3を介して駆動軸4、車輪5を駆動する。 【0009】このハイブリッド車両は、総合制御ユニット6と、エンジン制御ユニット7とモータ制御ユニット8と、CVT制御ユニット9と、バッテリ制御ユニット10とを有している。総合制御ユニット6とエンジン制御ユニット7とモータ制御ユニット8は、本発明による制御装置に対応する装置である。 【0010】各制御ユニット6〜10は通信線11によって相互にデータ通信可能に接続され、データのやり取りを行う。総合制御ユニット6は、各種センサと各制御ユニット7〜10から送信されるデータにより、車両状態を認識し、各制御ユニット7〜10に対して制御指令信号(制御指令値)を送信する。 【0011】図2はハイブリッド車における駆動制御システムを示している。運転者によるアクセルペダル操作量はアクセル操作量検出手段12によってアクセル操作量に変換され、総合制御ユニット6に入力される。総合制御ユニット6は、要求トルク算出手段13と要求トルク分割手段14とを含んでいる。 【0012】要求トルク算出手段13は入力したアクセル操作量に基づいて運転者の要求する駆動トルクを算出する。要求トルク分割手段14は、バッテリ残量等を考慮して要求駆動トルクを、エンジン1において発生させるトルク分(エンジン要求トルク)と電動機2において発生させるトルク分(電動機要求トルク)とに分割する。エンジン要求トルクはエンジン制御ユニット7に送信され、電動機要求トルクはモータ制御ユニット8に送信される。 【0013】エンジン制御ユニット7は、要求トルク分割手段14から受け取るエンジン要求トルクをエンジン1が出力するように、エンジン1の吸入空気量、燃料噴射量、点火時期を制御し、エンジン1で発生するトルクを制御する。また、エンジン制御ユニット7は、エンジン1への要求トルクとエンジン回転数により、成層燃焼と均質燃焼とにエンジン1の燃焼モードを切り換える。モータ制御ユニット8は、要求トルク分割手段14から受け取る電動機要求トルクを電動機2が出力するよう、電動機2に流す電流を制御し、電動機2で発生するトルクを制御する。 【0014】図3(a)はエンジン回転数−トルクにおけるエンジン1の成層燃焼モードと均質燃焼モードとの燃焼モード切換マップを示している。図3(a)において、符合Aは成層燃焼領域を、符合Bは均質燃焼領域を示している。運転者のアクセル操作量から演算されるエンジン要求トルクとエンジン回転数により決まるエンジン1の運転域が、時刻t1において、成層燃焼領域Aから均質燃焼領域Bへ移行すると、図3(b)に示されているように、エンジン制御ユニット7は、時刻t1において、エンジン1の燃焼状態を成層燃焼から均質燃焼に切換えるためのエンジン制御切換信号をオン出力(“1”)する。そして、切換え後、時刻t2において、エンジン制御切換信号をオフ出力(“0”)する。 【0015】図4は一般的な燃焼モードの切換えを示したタイムチャートである。アクセルペダル操作量の増加により、エンジン要求トルクとエンジン回転数が上昇すると、時刻t1において、成層燃焼→均質燃焼のエンジン制御切換信号が“1”となる。理想的な切換えができる場合には、図4の時刻t1の時点で、エンジン要求トルクに対して、エンジン制御ユニット7によって吸入空気量、燃料噴射量を操作する。吸入空気量の操作はエンジン吸気系のスロットル制御装置等により実現されるが、実吸入空気量は、スロットル制御装置の応答遅れ、吸気系のダイナミックスにより、図5に示されているように、なだらかに変化する。それに伴い燃料噴射装置を制御して燃料噴射量を変更する。この結果、エンジン1の出力トルクは変動せずに一定値となる。 【0016】しかしながら、実際には、図6に示されているように、エンジン制御切換信号が切換わるときの空燃比は段階的に変化し、それぞれの燃焼においては、図7に示す燃焼安定性が悪化するリーン限界、リッチ限界による燃焼悪化領域Cにより燃焼モード切換途中で、燃焼悪化が生じる。これに対応する為に、燃焼モード切換途中で、燃焼噴射制御により、吸入空気量に応じて切換えが行われると、エンジン1ではエンジン実トルクに示す余分なトルクが生じる。この余分なトルクにより駆動軸トルクが増加し、車両はエンジントルク段差によるショックを受け、駆動軸回転数が上昇する。 【0017】本発明は、このエンジントルク段差による車両へのショックを抑制することを目的としたものであり、図8は本発明による制御装置におけるモータ制御ユニット8の内部構成例を示している。モータ制御ユニット8は、電動機目標回転数演算手段50と、電動機トルク補正値演算手段51と、電動機トルク演算選択部52とを含んでいる。 【0018】電動機トルク演算選択部52は、エンジン制御切換信号によって動作し、回転数フィードバック制御を行なうか否かを選択するものであり、エンジン制御切換信号が“0”のときには、電動機2へのトルク要求値をそのまま電動機1のトルク指令値として用い、エンジン制御切換信号が“1”のときには、電動機目標回転数演算手段50と電動機トルク補正値演算手段51とで算出される電動機トルク補正値を電動機トルク要求値に加算し、加算したものを電動機1のトルク指令値として用いる。 【0019】図9は電動機目標回転数演算手段50の詳細構成を示している。エンジン制御切換信号が“1”となる時、切換時駆動要求トルク保持部60において、最新の駆動軸要求トルクと1サンプリング前の駆動軸要求トルク値を保持し、それぞれ、T0、T−1とする。また、駆動軸要求トルクと同様に、電動機回転数もエンジン制御切換信号が”1”となる時、切換時駆動軸回転数保持部61において、最新の電動機回転数と1サンプリング前の電動機回転数を保持し、それぞれN0、N−1とする。 【0020】演算器62によってT0からT−1を減算して駆動軸要求トルク値の変化量ΔT0を算出する。演算器63によってN0からN−1を減算し、電動機回転数の変化量ΔN0を算出する。さらに、演算器64によって駆動軸要求トルクからT0を減算し、エンジン制御切換え信号が“1”となった時からの駆動軸要求トルク変化量ΔTnを算出する。 【0021】電動機回転数目標変化量算出部65において、下式に従ってエンジン制御切換え信号が“1”になった時の電動機回転数からの電動機回転数目標変化量ΔNnを算出する。 ΔNn=ΔTn・ΔN0/ΔT0演算器66によってΔNnにN0を加算し、電動機目標回転数Nnを算出する。 【0022】図10は電動機トルク補正値演算手段51の詳細構成を示している。電動機トルク補正値演算手段51は演算器71によって駆動軸回転数から電動機目標回転数を減算し、Δ駆動軸回転数を算出し、駆動軸要求トルクとΔ駆動軸回転数を引数として電動機の回転数と電動機の目標回転数との差異の大きさに応じた補正値マップ72を検索し、Δ駆動軸回転数が0となるような電動機トルク補正値を出力する。図11は本発明による制御装置を用いた場合の成層燃焼から均質燃焼へ切換わるときのタイムチャートである。アクセルペダル操作量に応じて駆動軸トルク要求値が算出され、これがエンジントルク要求値と電動機トルク要求値とに分割される。 【0023】時刻t1になるとき、燃焼状態が成層燃焼から均質燃焼に切換わり、エンジン制御切換信号が“1”となる。エンジン切換信号が“1”の間、エンジン出力トルクはトルク段差を生じるが、電動機目標回転数が算出され、駆動軸回転数を電動機目標回転数に合わせようと電動機トルク指令値が電動機トルク要求値に対し補正されるため、駆動軸トルク値は、駆動軸トルク要求値とほぼ等しくなる。これにより、エンジンのトルク段差の影響が駆動軸回転数に現れなくなり、エンジンのトルク段差の影響を軽減できる。 【0024】 【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明によるハイブリッド車両の制御装置によれば、内燃機関の燃焼状態を切り換える時に、要求駆動トルクと電動機の回転数に基づき電動機の目標回転数を求め、電動機の回転数と電動機の目標回転数との差異に基づき電動機のトルク指令値を補正することが行われるから、電動機の適切制御により内燃機関の燃焼を切り換える際に発生するトルク段差が効果的に低減し、ハイブリッド車両の運転性が向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【住所又は居所】東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地
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| 【出願日】 |
平成14年1月10日(2002.1.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091096 【弁理士】 【氏名又は名称】平木 祐輔
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| 【公開番号】 |
特開2003−209906(P2003−209906A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月25日(2003.7.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−3283(P2002−3283) |
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