| 【発明の名称】 |
電気車制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中 沢 洋 介 【住所又は居所】東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝府中事業所内
【氏名】結 城 和 明 【住所又は居所】東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝府中事業所内
【氏名】門 田 行 生 【住所又は居所】東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝府中事業所内
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| 【要約】 |
【課題】回生エネルギーの有効利用を充分に図ること。
【解決手段】電圧基準出力回路12は速度センサ8からの速度検出信号Velに基づき電圧基準信号V_EDLCrefを出力する。電圧指令出力回路14は、このV_EDLCrefと、平滑コンデンサ5の電圧検出信号Vdcとの偏差に基づき電圧指令信号VchRefを出力する。PWM出力回路15は、このVchRefに基づきDC/DCコンバータ9のスイッチング素子S1,S2の制御を行い、電気2重層コンデンサ10の充放電動作の制御を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】架線からの直流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサにより平滑化された直流電圧を入力し、可変電圧可変周波数制御した交流電力を駆動モータに出力するインバータ、又は固定電圧固定周波数制御した交流電力を補助機器に出力するインバータと、を備えた電気車制御装置において、スイッチング素子を有するDC/DCコンバータを介して前記平滑コンデンサに対して並列接続され、回生時には前記インバータからの直流電流を蓄積し、力行時又は惰行時にはこの蓄積された直流電流を前記架線側又は自車の前記インバータ側に供給することが可能な電気2重層コンデンサと、前記電気2重層コンデンサの直流電流の蓄積又は供給が所定の特性に従って行われるように、所定の信号の入力に基づき前記DC/DCコンバータのスイッチング素子に対して制御信号を出力するコンバータ制御装置と、を備えたことを特徴とする電気車制御装置。 【請求項2】前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、速度検出信号Vel、及び前記電気2重層コンデンサの電圧検出信号V_EDLCであり、速度検出に応じた電圧基準V_EDLCrefと、前記電圧検出信号V_EDLCとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。 【請求項3】前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、前記平滑コンデンサに対して予め設定された電圧基準信号VdcRef、及びその電圧検出信号Vdcであり、前記電圧基準信号VdcRefと前記電圧検出信号Vdcとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。 【請求項4】前記コンバータ制御装置は、前記電気2重層コンデンサの直流電流の蓄積時又は供給時に、電気2重層コンデンサの電圧が上限値以上又は下限値以下にならないように制限するリミット回路を有するものである、ことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。 【請求項5】前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、前記架線と自車側との間に流れる電流の検出信号Isであり、前記検出信号Isに基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。 【請求項6】前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、前記平滑コンデンサの電圧検出信号Vdc、及び前記架線と自車側との間に流れる電流の検出信号Isであり、前記電圧検出信号Vdcに基づき得られる電流基準IsRefと前記電流検出信号Isとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。 【請求項7】前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、前記架線と自車側との間に流れる電流の検出信号Isであり、前記検出信号Isが設定されたレベル以下となり、このレベルを超える超過電流分IsOVERがなくなるように、前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行うことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。 【請求項8】前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、自車の力行時に必要とする有効電力分を求めるために必要な信号であり、この有効電力分に相当する電力を前記電気2重層コンデンサから前記インバータに供給できるように、前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。 【請求項9】前記有効電力分を求めるために必要な信号は、速度検出信号Vel、前記インバータを制御する装置からのトルク指令Tc、前記電気2重層コンデンサの電圧検出信号V_EDLC、及び前記電気2重層コンデンサの流入電流又は流出電流の検出信号Ichであり、前記速度検出信号Vel及び前記トルク指令Tcの乗算により自車の駆動に必要な有効電力分を求め、この有効電力分を前記電圧検出信号V_EDLCで除算することにより電流基準IchRefを生成し、この電流基準IchRefと前記検出信号Ichとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする請求項8記載の電気車制御装置。 【請求項10】前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、自車の位置情報PDに関する信号、及び前記電気2重層コンデンサの電圧検出信号V_EDLCであり、前記位置情報PDに基づき得られる電圧基準V_EDLCrefと前記電圧検出信号V_EDLCとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。 【請求項11】前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、自動運転における今後の運転パターン、及び前記電気2重層コンデンサの電圧検出信号V_EDLCであり、前記運転パターンに基づき得られる電圧基準V_EDLCrefと前記電圧検出信号V_EDLCとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。 【請求項12】前記コンバータ制御装置は、回生時に用いる第1のコンバータ制御装置と、力行時又は惰行時に用いる第2のコンバータ制御装置とから成り、前記第1のコンバータ制御装置が入力する所定の信号は、速度検出信号Vel、及び前記電気2重層コンデンサの電圧検出信号V_EDLCであり、速度検出に応じた電圧基準V_EDLCrefと、前記電圧検出信号V_EDLCとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行うようになっており、また、前記第2のコンバータ制御装置が入力する所定の信号は、前記平滑コンデンサに対して予め設定された電圧基準信号VdcRef、及びその電圧検出信号Vdcであり、前記電圧基準信号VdcRefと前記電圧検出信号Vdcとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行うようになっている、ことを特徴とする請求項1記載の電気車制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電気車の回生エネルギーを利用することが可能な電気車制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電気車では回生ブレーキをかけたときに回生電力が得られるようになっているが、この回生電力は何らかのエネルギー消費手段を用いて消費する必要がある。そこで、自車両付近の位置に他の力行運転車両が存在する場合は、回生電力を架線に返してこの力行運転車両に回生電力を消費させていた。しかし、必ずしも常時力行運転車両が存在するとは限らないが、そのような場合は回生ブレーキ力を小さくし、その代わりに機械的な摩擦ブレーキ力を大きくしたり、ブレーキチョッパと呼ばれる抵抗器を用いて、得られた回生エネルギーを熱放出するようにしていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、回生ブレーキ力を小さくし、その代わりに機械的な摩擦ブレーキ力を大きくすることは、折角得られるエネルギーを充分に活用しないばかりか、機械的ブレーキ機構を多用する結果としてその寿命を短くすることになる。また、抵抗器を用いて回生エネルギーを熱放出するに至っては、回生エネルギーを全く利用しないばかりか、電気車の運転には積極的に寄与しない抵抗器を設けて余分なスペースを確保しなければならず、列車設計上の自由度を小さくする結果ともなっている。このように、従来の電気車制御装置は、回生ブレーキにより得られる回生エネルギーを充分に活用しているとは言い難い状況であり、省エネルギー化にもそぐわない結果となっている。 【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、回生エネルギーの有効利用を充分に図ることが可能な電気車制御装置を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、架線からの直流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記平滑コンデンサにより平滑化された直流電圧を入力し、可変電圧可変周波数制御した交流電力を駆動モータに出力するインバータ、又は固定電圧固定周波数制御した交流電力を補助機器に出力するインバータと、を備えた電気車制御装置において、スイッチング素子を有するDC/DCコンバータを介して前記平滑コンデンサに対して並列接続され、回生時には前記インバータからの直流電流を蓄積し、力行時又は惰行時にはこの蓄積された直流電流を前記架線側又は自車の前記インバータ側に供給することが可能な電気2重層コンデンサと、前記電気2重層コンデンサの直流電流の蓄積又は供給が所定の特性に従って行われるように、所定の信号の入力に基づき前記DC/DCコンバータのスイッチング素子に対して制御信号を出力するコンバータ制御装置と、を備えたことを特徴とする。 【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、速度検出信号Vel、及び前記電気2重層コンデンサの電圧検出信号V_EDLCであり、速度検出に応じた電圧基準V_EDLCrefと、前記電圧検出信号V_EDLCとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする。 【0007】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、前記平滑コンデンサに対して予め設定された電圧基準信号VdcRef、及びその電圧検出信号Vdcであり、前記電圧基準信号VdcRefと前記電圧検出信号Vdcとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする。 【0008】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コンバータ制御装置は、前記電気2重層コンデンサの直流電流の蓄積時又は供給時に、電気2重層コンデンサの電圧が上限値以上又は下限値以下にならないように制限するリミット回路を有するものである、ことを特徴とする。 【0009】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、前記架線と自車側との間に流れる電流の検出信号Isであり、前記検出信号Isに基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする。 【0010】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、前記平滑コンデンサの電圧検出信号Vdc、及び前記架線と自車側との間に流れる電流の検出信号Isであり、前記電圧検出信号Vdcに基づき得られる電流基準IsRefと前記電流検出信号Isとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする。 【0011】請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、前記架線と自車側との間に流れる電流の検出信号Isであり、前記検出信号Isが設定されたレベル以下となり、このレベルを超える超過電流分IsOVERがなくなるように、前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行うことを特徴とする。 【0012】請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、自車の力行時に必要とする有効電力分を求めるために必要な信号であり、この有効電力分に相当する電力を前記電気2重層コンデンサから前記インバータに供給できるように、前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする。 【0013】請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、前記有効電力分を求めるために必要な信号は、速度検出信号Vel、前記インバータを制御する装置からのトルク指令Tc、前記電気2重層コンデンサの電圧検出信号V_EDLC、及び前記電気2重層コンデンサの流入電流又は流出電流の検出信号Ichであり、前記速度検出信号Vel及び前記トルク指令Tcの乗算により自車の駆動に必要な有効電力分を求め、この有効電力分を前記電圧検出信号V_EDLCで除算することにより電流基準IchRefを生成し、この電流基準IchRefと前記検出信号Ichとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする。 【0014】請求項10記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、自車の位置情報PDに関する信号、及び前記電気2重層コンデンサの電圧検出信号V_EDLCであり、前記位置情報PDに基づき得られる電圧基準V_EDLCrefと前記電圧検出信号V_EDLCとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする。 【0015】請求項11記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コンバータ制御装置が入力する所定の信号は、自動運転における今後の運転パターン、及び前記電気2重層コンデンサの電圧検出信号V_EDLCであり、前記運転パターンに基づき得られる電圧基準V_EDLCrefと前記電圧検出信号V_EDLCとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行う、ことを特徴とする。 【0016】請求項12記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記コンバータ制御装置は、回生時に用いる第1のコンバータ制御装置と、力行時又は惰行時に用いる第2のコンバータ制御装置とから成り、前記第1のコンバータ制御装置が入力する所定の信号は、速度検出信号Vel、及び前記電気2重層コンデンサの電圧検出信号V_EDLCであり、速度検出に応じた電圧基準V_EDLCrefと、前記電圧検出信号V_EDLCとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行うようになっており、また、前記第2のコンバータ制御装置が入力する所定の信号は、前記平滑コンデンサに対して予め設定された電圧基準信号VdcRef、及びその電圧検出信号Vdcであり、前記電圧基準信号VdcRefと前記電圧検出信号Vdcとの間の偏差に基づき前記スイッチング素子に対する制御信号の出力を行うようになっている、ことを特徴とする。 【0017】 【発明の実施の形態】電気2重層コンデンサ(以下、本明細書では、適宜、EDLCと略すことがある。EDLC:Electric Double-Layer Capacitor)は、非常に大きな容量を有しており、近年注目を集めているコンデンサである。このEDLCは、桁外れに大きな容量を有するという長所がある反面、コストが高く、更に規定範囲外の電圧で使用した場合には故障したり寿命に大きな影響を及ぼすという短所があるため、いまのところ電気自動車など一部の分野でのみしか使用されていないのが現状である。本発明は、このEDLCに着目し、これをエネルギー蓄積手段として用いることにより従来の課題を解決しようとするものである。 【0018】EDLCを用いたエネルギー貯蔵装置を車両に搭載することにより、他の力行車がない場合にも安定に回生ブレーキをかけることができる。また、EDLCを用いて回生ブレーキ時に蓄えたエネルギーを、力行加速時に再利用することで、エネルギーの有効利用を図ることができる。 【0019】しかし、EDLC及びその他の電気機器には電圧絶対定格がある。回生ブレーキをかけ始める状態において既にEDLCにエネルギーが満タンに貯まっている(EDLC電圧が最大電圧に近い値になっている)状態では、回生エネルギーをEDLCで吸収すると、EDLC電圧が絶対定格を超えて故障してしまう。回生ブレーキをかけ始めるときには、EDLC電圧は低い状態に(放電されている状態)になっていなければならない。一方、力行加速時においてEDLCにエネルギーが殆ど貯まっていない状態では、EDLCからエネルギーを放出しようとするとEDLCが空っぽになってしまい、EDLCがないときと同じように架線を介して変電所からの電力を消費することとなり、変電所容量の低減、架線での電流損失低減に寄与できない。このように、EDLCのエネルギー蓄積状態(EDLC電圧の大きさ)は、これからどのような運転をするかによって最適な値が決まる。 【0020】また、列車がある速度Velで走行している状態から停止(速度がゼロ)まで回生ブレーキで停止する場合、列車の運動エネルギー(速度の2乗に比例)を全てEDLCに吸収することが基本的に必要となる。速度が高ければ高いほどたくさんの運動エネルギーがEDLCに戻ってくるため、速度に応じてEDLC電圧を低く(より多くの充電ができる状態)しておけば、未来の運転状況を予知しなくても、EDLCの最適電圧設定が可能になり、回生時のエネルギー吸収と力行時のエネルギー放出が有効にできるようになる。以下に、本発明の各実施形態を図に基づき説明する。 【0021】図1は、本発明の第1の実施形態の構成図である。変電所の直流電源1からDC1500Vの直流電圧が架線2を介して電気車に印加されるようになっており、架線2からパンタグラフ3を介して電流Isがリアクトル4に流れるようになっている。架線2及びレール間に印加される直流電圧は平滑コンデンサ5により平滑化されてインバータ6に入力されるようになっており、インバータ6はこの直流電圧の入力に基づきVVVF(可変電圧可変周波数)制御された交流電力を駆動モータ7に供給するようになっている。駆動モータ7は、このような交流電力により可変速制御されるようになっている。そして、駆動モータ7に直結された駆動軸には速度センサ8が取り付けられており、速度検出信号Velが得られるようになっている。また、リアクトル4に流れる電流Is、及び平滑コンデンサ5に印加される電圧Vdcも検出できるようになっている。 【0022】なお、図面の都合上、図1では図示していないが、可変電圧可変周波数制御が可能なインバータ6の他に補助機器用インバータを設置することもある。すなわち、補助機器用インバータの入力側を平滑コンデンサ5の両端に接続すると共に、出力側を車内照明灯や空調機等の補助機器に接続し、これらの補助機器に対し固定電圧固定周波数制御された交流電力を供給できるようにしてもよい。 【0023】平滑コンデンサ5には、チョッパとして機能するDC/DCコンバータ9を介して電気2重層コンデンサ10が並列接続されている。DC/DCコンバータ9は、直列接続された2つのスイッチング素子S1,S2と、これらに逆並列接続されたダイオードD1,D2と、スイッチング素子S1,S2及びダイオードD1,D2の共通接続点に一端側(正側)が接続され且つ他端側(負側)が電気2重層コンデンサ10の一端側に接続されたリアクトルL1と、で構成されている。そして、電気2重層コンデンサ10の電圧V_EDLCと、リアクトルL1を流れる電流Ich(電気2重層コンデンサ10の流入電流又は流出電流)とが検出できるようになっており、ダイオードD2の電圧Vchがコンバータ制御装置11Aからの信号により制御されるようになっている。 【0024】上記のDC/DCコンバータ9は、コンバータ制御装置11Aにより制御されるようになっている。コンバータ制御装置11Aは、電圧基準出力回路12、減算器13、電圧指令出力回路14、及びPWM出力回路15を含んで構成されている。電圧基準出力回路12は、速度センサ8からの速度検出信号Velを入力し、予め定められた特性すなわち検出速度が最小(ゼロ)のときに最大となり、検出速度が最大のときに最小(ゼロ)となる電圧基準信号V_EDLCrefを出力するようになっている。減算器13は、この電圧基準信号V_EDLCrefと電圧検出信号V_EDLCとの間の偏差を電圧指令出力回路14に出力し、電圧指令出力回路14はこの偏差の入力に基づきPI制御を行い、電圧指令信号VchRefをPWM出力回路15に出力するようになっている。そして、PWM出力回路15は、この電圧指令信号VchRefの入力に基づきDC/DCコンバータ9のスイッチング素子S1,S2に対してスイッチング制御信号を出力するようになっている。 【0025】次に、図1の動作につき説明する。いま、電気車がある駅に向かって走行中であり、駅が近づいてきたので回生ブレーキをかけた状態であるとする。このとき、電圧基準出力回路12が入力する速度検出信号Velは最大速度から次第に低下していくため、電圧基準出力回路12は最小値から次第に増加していく電圧基準信号V_EDLCrefを出力する。減算器13は、このように増加していく電圧基準信号V_EDLCrefと電圧検出信号V_EDLCとの間の偏差を電圧指令出力回路14に出力し、電圧指令出力回路14はこの入力に基づく電圧指令信号VchRefをPWM出力回路15に出力する。そして、PWM出力回路15はこの電圧指令信号VchRefに基づくPWM信号をDC/DCコンバータ9に出力する。これにより、インバータ6からの回生電流がDC/DCコンバータ9を介して電気2重層コンデンサ10に蓄積され、充電が行われる。 【0026】すなわち、DC/DCコンバータ9のスイッチング素子S1がオン、スイッチング素子S2がオフの状態ではインバータ6からの直流電流がスイッチング素子S1を通り、更にリアクトルL1を電流Ichが図示の矢印方向に通って電気2重層コンデンサ10に流入する。次いで、スイッチング素子S1がオフ、スイッチング素子S2がオンの状態になると、電気2重層コンデンサ10の正側からの電流Ichが図示の矢印とは逆方向に流れ、スイッチング素子S2を通って負側に流れ込む。したがって、スイッチング素子S1のオン期間が長く、スイッチング素子S2のオフ期間が短いほど電気2重層コンデンサ10に蓄積される電流量は大きくなる。このように、スイッチング素子S1,S2のデューティを調節することにより電気2重層コンデンサ10に蓄積される電流量つまり電圧V_EDLCを制御することができる。 【0027】電気車が回生ブレーキにより減速され、やがて完全に停止すると電気2重層コンデンサ10に対する充電は停止される。そして、電気車が次の駅に向かって再び走行を開始し加速した場合には、電圧基準出力回路12は最初は最大であり次第に減少していく電圧基準信号V_EDLCrefを出力する。これにより、電気2重層コンデンサ10に蓄積されている電流がリアクトルL1及びダイオードD1を通ってインバータ6側に供給される。すなわち、当初スイッチング素子S1,S2がオフの状態では、平滑コンデンサ5の電圧Vdcの方が電気2重層コンデンサ10の電圧V_EDLCよりも高いために、電気2重層コンデンサ10からの電流がダイオードD1を通ってインバータ6側に供給されることはない。しかし、スイッチング素子S2をオンにすると、電気2重層コンデンサ10の正側からの電流がリアクトルL1及びダイオードD2を通って負側に流れる状態になるが、この状態でスイッチング素子S2をオフにすると、それまでリアクトルL1を図示の矢印方向とは逆に流れていた電流Ichは行き場を失って、ダイオードD1を通ってインバータ6側に向かわざるを得なくなる。このように、スイッチング素子S2のオンオフにより電気2重層コンデンサ10に蓄積されていた電流をインバータ6側に供給することができる。 【0028】ここで、電圧基準出力回路12が出力する電圧基準信号V_EDLCrefは下式(1)により求めることができる。 【0029】 V_EDLCref=(V_EDLCmax)*(VelMAX−Vel)/(VelMAX) … (1) 但し、V_EDLCmax:電圧検出信号V_EDLCの最大値、VelMAX:速度検出信号Velの最大値、である。 【0030】図2は、本発明の第2の実施形態の構成図である。この実施形態では、他の力行車など架線につながったエネルギー消費手段が有る場合には、積極的にエネルギーを供給する(架線側に返す)制御を行うことを想定している。なお、この実施形態以降では、図1において説明済みの構成要素については重複した説明を省略する。 【0031】図2が図1と異なる点は、コンバータ制御装置11Aの代わりにコンバータ制御装置11Bを用いている点である。コンバータ制御装置11Bは、減算器16、電流基準出力回路17、反転回路18、減算器19、電圧基準出力回路20、及びPWM出力回路15を含んで構成されている。 【0032】減算器16の正側入力端子には、平滑コンデンサ5について予め設定された固定の電圧基準信号VdcRefが入力されるようになっており、一方、負側入力端子には、平滑コンデンサ5の電圧検出信号Vdcが入力されるようになっている。減算器16は両者間の偏差を電流基準出力回路17に出力し、電流基準出力回路17はこれに基づきリアクトルL1を流れる電流(電気2重層コンデンサ10の流入電流又は流出電流)についての基準信号を反転回路18に出力するようになっている。反転回路18は、この入力した信号を反転させ、この反転させた信号を電流基準信号IsRefとして減算器19の正側入力端子に出力する。減算器19の負側入力端子には、リアクトルL1の電流検出信号Ichが入力されるようになっている。 【0033】減算器19は、この電流基準信号IchRefと電流検出信号Ichとの間の偏差を電圧指令出力回路20に出力し、電圧指令出力回路20はこの偏差の入力に基づき電圧指令信号VchRefをPWM出力回路15に出力するようになっている。そして、PWM出力回路15は、この電圧指令信号VchRefの入力に基づきDC/DCコンバータ9のスイッチング素子S1,S2に対してスイッチング制御信号を出力するようになっている。なお、本実施形態では、減算器16の正側入力端子に入力される電圧基準信号VdcRefが1800Vとなっており、架線電圧1500Vよりも300V高くなっているが、このように平滑コンデンサ5の電圧を高くするのは、回生エネルギーを架線2側に対して返しやすくするためである。 【0034】次に、図2の動作につき説明する。いま、ある電気車が走行中であり、線路上にはこの電気車以外の他の電気車も力行運転中であるとすると、平滑コンデンサ5の電圧検出信号Vdcが1800Vを下回ることになる。それ故、減算器16の出力信号の極性は正であり、電流基準出力回路17の出力信号の極性も正となるが、反転回路18により極性が反転されて、負の極性の電流基準信号IchRefが減算器19の正側入力端子に入力される。負の極性の電流基準信号IchRefとは、リアクトルL1に流れる電流Ichを図示の方向とは逆の方向に流すことを指令する信号である。したがって、この負の電流基準信号IchRefにより、電気2重層コンデンサ10側から架線2側に向けて電流が供給されることになる。 【0035】一方、力行運転中の他の電気車が全く存在しないような場合には、平滑コンデンサ5の電圧検出信号Vdcは1800Vを上回ることになる。それ故、減算器16の出力信号の極性が負となるため、電流基準出力回路17の出力信号の極性も負となり、反転回路18により極性が反転されて、正の極性の電流基準信号IchRefが減算器19の正側入力端子に入力される。正の極性の電流基準信号IchRefとは、リアクトルL1に流れる電流Ichを図示の方向と同じ方向に流すことを指令する信号である。したがって、この正の電流基準信号IchRefにより、架線2側からの電流が電気2重層コンデンサ10に蓄積されることになる。 【0036】このように、この実施形態では平滑コンデンサ5についての電圧基準信号VdcRefを、1800VなどVVVFインバータやEDLCチョッパなどの電気品などの運転最大電圧に近い高い値に設定することにより、架線へのエネルギー回生率を最大にすることができる。その結果、EDLCの分担すべき回生エネルギーの吸収量を最小化することができるので、車載EDLCの容量低減による低コスト化、重量低減、小型化等を図ることが可能になる。 【0037】この場合、EDLCのエネルギー放出優先の動作であるため(この先、自車が力行加速によりエネルギーを大きく消費することが分かっていたとしても、可能な限りエネルギーを放出してエネルギーを架線側に返してしまう)、EDLCは常に空っぽに近い状態にあり、回生エネルギーをいつでも充分に吸収することができる。なお、本実施形態では、電圧基準信号VdcRefの値を1800Vの固定値としているが、各種の条件を考慮してこの値を変化させることはもちろん可能である。 【0038】図3は、本発明の第3の実施形態の構成図である。既述したように、EDLCには電圧絶対定格があり、この電圧絶対定格を超えて使用すると、故障するか寿命が著しく損なわれることになる。したがって、上限値及び下限値(EDLCは、マイナスの電圧値になると寿命が著しく損なわれるため、下限値は通常ゼロVかそれよりやや大きな値である)が定められているのが通常である。本実施形態は、図2に示した第2の実施形態において、電気2重層コンデンサ10の電圧V_EDLCが上限値と下限値との間の値に維持されるようにリミット機能を付加したものである。 【0039】すなわち、図3におけるコンバータ制御装置11B1は、図2のコンバータ制御装置11Bにリミット回路21、上限リミット回路22、及び下限リミット回路23を付加したものである。 【0040】上限リミット回路22は電圧検出信号V_EDLCの値に応じた上限値方向への許容変化分(V_EDLCが所定値に増加するまでこの許容変化分は一定であり、所定値を超えるとこの許容変化分は次第に減少してついにはゼロとなる)をリミット回路21に出力するようになっている。また、下限リミット回路23は電圧検出信号V_EDLCの値に応じた下限値方向への許容変化分(V_EDLCが所定値に減少するまでこの許容変化分は一定であり、所定値を下回るとこの許容変化分は次第に減少してついにはゼロとなる)をリミット回路21に出力するようになっている。 【0041】リミット回路21は、上限リミット回路22及び下限リミット回路23から入力する許容変化分に基づき、反転回路18からの電流基準信号IchRefに対する上限値及び下限値が最適になるように設定を行っている。このようなリミット機能により、電気2重層コンデンサ10が電圧絶対定格を超えて使用されることを有効に防止することができる。 【0042】なお、図面の都合上、以降の図4〜図6、及び図8〜図10では図示を省略しているが、これらの図に係る実施形態においても本実施形態と同様に、これらリミット回路21、上限リミット回路22、及び下限リミット回路23が設けられているものとする。 【0043】図4は、本発明の第4の実施形態の構成図である。本実施形態は、架線からの供給電力に頼ることなく回生エネルギーのみで自車走行のための電力をまかなうことを企図するものである。したがって、本実施形態では、他に力行運転車両が存在しても、回生エネルギーを全て自車で消費することを前提としている。 【0044】本実施形態のコンバータ制御装置11Cは、電流基準出力回路24、反転回路18、減算器19、電圧指令出力回路20、及びPWM出力回路15を含んで構成されている。 【0045】電流基準出力回路24は、リアクトル4を流れる電流Isの検出信号を入力し、これに基づきリアクトルL1を流れる電流Ichについての電流基準信号を出力する。反転回路18は、反転回路18は、この入力した信号を反転させ、この反転させた信号を電流基準信号IsRefとして減算器19の正側入力端子に出力する。減算器19の負側入力端子には、リアクトルL1の電流検出信号Ichが入力されるようになっている。 【0046】減算器19は、この電流基準信号IchRefと電流検出信号Ichとの間の偏差を電圧指令出力回路20に出力し、電圧指令出力回路20はこの偏差の入力に基づき電圧指令信号VchRefをPWM出力回路15に出力するようになっている。そして、PWM出力回路15は、この電圧指令信号VchRefの入力に基づきDC/DCコンバータ9のスイッチング素子S1,S2に対してスイッチング制御信号を出力するようになっている次に、図4の動作につき説明する。電気車がある駅を発車して加速走行中であるとすると、電流Isが大きくなろうとするが、電流基準出力回路24がその電流検出信号Isを入力し、これに応じた電流基準を出力する。そして、反転回路18がこの電流基準を反転させた負の極性の電流基準信号IchRefを出力するため、電気2重層コンデンサ10からの電流Ichが図示とは逆向きに流れることになる。したがって、インバータ6に入力されるエネルギーは殆ど電気2重層コンデンサ10からのものとなり、架線2側からの電流Isはほぼゼロとなる。 【0047】そして、電気車が次の駅に接近したので、回生ブレーキをかけて減速をはじめると、インバータ6側からの電流が架線2側に向けて流れようとするので、電流Isの向きは図示の状態とは逆となり、反転回路18から出力される電流基準信号IchRefは正の極性となる。つまり、インバータ6からの電流が電気2重層コンデンサ10に蓄積されるように、コンバータ制御装置11CがDC/DCコンバータ9の制御を行う。 【0048】このように、本実施形態では、インバータ6や駆動モータ7の電気的損失及び走行抵抗などの機械的損失を無視すれば、回生ブレーキ時に電気2重層コンデンサ10に蓄えたエネルギーを力行加速時に用いることで加速及び減速を繰り返すことができる。したがって、架線2からは電気的及び機械的な損失分に相当する僅かな電流だけが供給されれば足りることになる。それ故、架線又は変電所側から見れば電気車への供給電力は最小化され、変電所容量の低減や架線における導通損失の最小化などを図ることができる。 【0049】図5は、本発明の第5の実施形態の構成図である。本実施形態は、電気2重層コンデンサによるエネルギーの供給又は放出により、架線電圧の変動を極力抑制して安定化を図ろうとするものである。 【0050】本実施形態のコンバータ制御装置11Dは、電流基準出力回路25、減算器16、電流指令出力回路26、反転回路18、減算器19、電圧指令出力回路20、及びPWM出力回路15を含んで構成されている。 【0051】ここで、架線2の電圧安定化を図るためには、架線2の電圧を検出する必要がある。架線2の電圧を直接的に検出する手段を新たに設けることももちろん可能であるが、本実施形態では既存の機器のうち架線2の電圧を最も忠実に反映する平滑コンデンサ5を利用し、その電圧検出信号Vdcを架線2の電圧検出信号として代用する構成としている。 【0052】そして、電流基準出力回路25は、電圧検出信号Vdcの値に応じた電流Isについての電流基準信号IsRefを出力するようになっている。この電流基準出力回路25のIsRef−Vdc特性は、そのブロック内に図示してあるように、Vdcが1500V以下ではIsRefの極性が負であり(電流Isの流れる方向が図示方向とは逆)、Vdcが1500Vを超えるとIsRrefの極性が正となる(電流Isの流れる方向が図示方向と同じ)。また、1500Vから所定値に低減するまでIsRefは一定の勾配で低減するが、所定値に低減した後は一定のIsRefとなる。 【0053】次に、図5の動作につき説明する。電気車が走行中に架線2の電圧が上昇し、電圧検出信号Vdcが1500Vを超えると、電流基準出力回路25は正極性の電流基準信号IsRef(電流Isの向きは図示方向と同じ)を出力する。減算器16はIsRefとIsとの偏差を電流指令出力回路26に出力し、電流指令出力回路26はこの入力に基づき正極性の電流基準信号を出力する。この電流基準信号は反転回路18により反転されて負極性の電流基準信号IsRefとなる。したがって、DC/DCコンバータ9のリアクトルL1を流れる電流Ichの向きは図示の方向と同じとなり、架線2側からの電流が電気2重層コンデンサ10に蓄積される。これにより、架線2の電圧上昇は抑制されることになる。また、架線2の電圧が下降し電圧検出信号Vdcが1500V以下になると、電流基準出力回路25は負極性の電流基準信号IsRef(電流Isの向きは図示方向と逆)を出力するので、反転回路18からの電流基準信号IchRefは負極性(電流Ichの向きは図示方向と逆)となり、電気2重層コンデンサ10に蓄積されている電流が架線2側に供給される。これにより、架線2の電圧下降は抑制されることになる。 【0054】このように、本実施形態によれば、架線電圧が高くなった場合にはEDLCに電力を吸収させるようにし、また、架線電圧が低くなった場合にはEDLCから電力を放出することにより、架線電圧系統の安定化を図ることができる。 【0055】図6は、本発明の第6の実施形態の構成図である。本実施形態は、変電所側から供給を受ける電力の最大値を低く抑えることにより、電力会社との間の受電契約容量をより小さなものとし、電力料金の増加を抑制してランニングコストの低減化に寄与しようとするものである。 【0056】本実施形態のコンバータ制御装置11Eは、超過電流分出力回路27、電流基準出力回路24、反転回路18、減算器19、電圧指令出力回路20、及びPWM出力回路15を含んで構成されている。超過電流分出力回路27は、検出信号Isを入力し、このIsが所定値以上又は以下となったときに超過電流分IsOVERを電流基準出力回路24に出力するものである。なお、電流基準出力回路24以降の構成は図4のコンバータ制御装置11Cと同様である。 【0057】次に、図6の動作を図7のタイムチャートを参照しつつ説明する。図7において、加速中における列車速度Velは次第に上昇していくが、これに対応するように、架線2側からリアクトル4に流れる電流Isも次第に上昇していく。そして、電流IsのレベルがIsOVERを超えようとすると、超過電流分出力回路27が超過電流分信号IsOVERを電流基準出力回路25に出力する。これにより、電気2重層コンデンサ10に蓄積されていた電流がインバータ6側に供給される。したがって、図7の上側チャート図に示すように、架線2側から自車に供給される電流IsはIsOVERのレベル以上には上昇することがない。つまり、本来は、一点鎖線で示した超過分の電流も架線2側から供給されるはずであったが、本実施形態ではこの超過分が電気2重層コンデンサ10に蓄積されていた電流によってまかなわれることになる。そして、電力会社に対して支払う電力料金(基本料金)は、この架線2側からのIsの最大値が低くなるほど安価になるため、本実施形態を採用することにより電力料金の増加を抑制することができる。なお、列車減速中における超過分の説明は上昇と下降が入れ代わるだけのものであるため重複した説明を省略する。 【0058】このように、本実施形態によれば、架線2側から流入流出する電流を検出し、その絶対値が一定値以内になるようにDC/DCコンバータ9を制御することで、変電所側から供給を受ける電力の最大値を小さくすることができ、電力料金を節減することができる。また、変電所側にとっても変電所の最大電力低減につながり、変電所容量低減に伴う設備費用の低コスト化を期待できるというメリットがある。 【0059】図8は、本発明の第7の実施形態の構成図である。本実施形態は、自車の力行走行時に必要な有効電力分を求め、この有効電力分を全て電気2重層コンデンサ10に蓄えられたエネルギーによりまかなおうとするものである。 【0060】本実施形態のコンバータ制御装置11Fは、乗算回路28、除算回路29、反転回路18、減算器19、電圧指令出力回路20、及びPWM出力回路15を含んで構成されている。 【0061】本実施形態の動作を説明すると、まず、乗算回路28は速度センサ8から速度検出信号Velを入力すると共に、図示を省略してあるインバータ制御装置からトルク指令Tcを入力する。そして、乗算回路28は、両者を乗算することにより有効電力Powerを除算回路29に出力する。除算回路29は、電気2重層コンデンサ10の電圧検出信号V_EDLCも入力しており、PowerをV_EDLCで除算することにより、Ichの電流基準を出力する。以降の動作は、これまでに説明した実施形態と同様であるため重複した説明を省略する。 【0062】このように、本実施形態によれば、自車の駆動モータ7の運転に必要な殆どの電力を電気2重層コンデンサ10から供給することが可能となる。したがって、架線側又は変電所側から見れば、列車への供給電力が最小化されるので、変電所容量の低減化、及び架線での導通損失最小化を図ることができる。 【0063】なお、本実施形態では、速度検出信号Vel及びトルク指令Tcから有効電力を求める例につき説明したが、有効電力を求める方法はこれに限定されるものではなく、その他の方法により有効電力を求めるようにしてもよい。例えば、平滑コンデンサ5の電圧Vdcと、インバータ6に入力される電流(電流IsからDC/DCコンバータ9側に流れる分を差し引いた電流)とから有効電力を求めることができる。 【0064】図9は、本発明の第8の実施形態の構成図である。本実施形態は、線路条件情報(線路の勾配に関する情報や、減速区間等に関する情報)を予め調べておき、これらの情報に基づいてEDLCのエネルギーの吸収・放出を制御しようとするものである。 【0065】本実施形態のコンバータ制御装置11Gは、線路条件情報回路30、減算器13、電圧指令出力回路14、及びPWM出力回路15を含んで構成されている。このコンバータ制御装置11Gは、図1におけるコンバータ制御装置11Aの電圧基準出力回路12を線路条件情報回路30に置き換えたものとほぼ同様の構成である。 【0066】線路条件情報回路30は、線路の勾配や減速区間等に関する情報を記憶しており、位置情報PDの入力に基づき電圧基準信号V_EDLCrefを出力する。位置情報PDは電気車の現在位置を示す情報であり、これは線路上の所定地点に設けられているセンサを列車が通過したときに与えられる情報である。 【0067】このように、本実施形態では、線路条件情報に基づきDC/DCコンバータ9の制御を行っているので、列車の運転環境に沿った電気2重層コンデンサ10の充放電に関する制御を行うことができる。 【0068】また、線路条件情報回路30の代わりに、自動運転パターン回路を用いるようにし、自動運転における今後の運転パターンに基づき得られる電圧基準信号V_EDLCrefをこの自動運転パターン回路に出力させる構成を採用することができる。これが本発明の第9の実施形態となる。このような構成によれば、自動運転においても、電気2重層コンデンサ10の充放電に関する制御を的確に行うことが可能になる。 【0069】図10は、本発明の第10の実施形態の構成図である。本実施形態は、図1及び図2の各コンバータ制御装置11A,11Bを組み合わせて構成したものである。 【0070】すなわち、図10において、コンバータ制御装置11A,11Bの出力信号は切換回路31を介してDC/DCコンバータ9に出力されるようになっている。そして、切換回路31の接点の切り換えは、運転台に設けられている主幹制御器(マスコン)からの操作信号によって行われるようになっている。 【0071】電気車の運転士は、力行運転時又は惰行運転時には切換回路31の接点をa側に切り換えてコンバータ制御装置11AによりDC/DCコンバータ9の制御を行うようにし、また、回生運転時には切換回路31の接点をb側に切り換えてコンバータ制御装置11BによりDC/DCコンバータ9の制御を行うようにする。これにより、それぞれのコンバータ制御装置の特性を活かした効率的且つ実用的な制御を行うことができる。 【0072】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、電気2重層コンデンサを回生エネルギーの蓄積手段として用い、この電気2重層コンデンサの充放電をDC/DCコンバータを介して適切に制御する構成としたので、回生エネルギーの有効利用を充分に図ることが可能な電気車制御装置を実現することが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝 【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成13年12月25日(2001.12.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075812 【弁理士】 【氏名又は名称】吉武 賢次 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−199204(P2003−199204A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月11日(2003.7.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−391710(P2001−391710) |
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