| 【発明の名称】 |
車両用電源装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】窪寺 雅雄 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】杉山 哲 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】変圧器の作動を制御することにより、モータの回生又は発電機により生成された電気エネルギーを効率的に利用するとともに、補機用電源の充電不足による不具合を解消させる。
【解決手段】モータの駆動電源として用いられる主電源1と、補機用電源と、主電源1と補機用電源2との間に配置される変圧器3と、主電源から変圧器3へ供給される入力電流I1を検出する電流センサ50とを備え、変圧器制御部4aは、入力電流I1が予め設定された停止閾値以下になった場合に、変圧器3の作動を停止させるように変圧器3内のスイッチを制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 モータの駆動電源として用いられる第1の蓄電池と、補機用電源として用いられる第2の蓄電池と、第1の蓄電池と第2の蓄電池との間に配置される変圧器と、第1の蓄電池から変圧器へ供給される入力電流を検出する入力電流検出手段と、入力電流が予め設定された停止閾値以下になった場合に、前記変圧器の作動を停止させる変圧器制御手段とを具備する車両用電源装置。 【請求項2】 前記第2の蓄電池から出力される補機供給電流を検出する補機供給電流検出手段を備え、前記補機供給電流が予め設定された作動閾値以上になった場合に、前記入力電流に拘わらず、前記変圧器制御手段が前記変圧器を作動させる請求項1に記載の車両用電源装置。 【請求項3】 前記補機供給電流が予め設定された作動閾値以上になった場合に、前記入力電流が前記停止閾値よりも大きくなるように、前記変圧器制御手段が前記変圧器の作動を制御する請求項2に記載の車両用電源装置。 【請求項4】 前記変圧器が作動を停止している作動停止期間を計時する計時手段を備え、前記作動停止期間が所定期間に達した場合に、前記入力電流に拘わらず、前記変圧器制御手段が予め設定されている作動維持期間だけ前記変圧器を作動させる請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両用電源装置。 【請求項5】 補機の作動要求を検出する補機作動検出手段を備え、前記作動要求が検出された場合に、前記入力電流が前記停止閾値よりも大きくなるように、前記変圧器制御手段が前記変圧器の作動を制御する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の車両用電源装置。 【請求項6】 モータの駆動電源として用いられる第1の蓄電池と、補機用電源として用いられる第2の蓄電池と、第1の蓄電池と第2の蓄電池との間に、互いに並列に接続される複数の変圧器と、第1の蓄電池から各変圧器へ供給される入力電流をそれぞれ検出する複数の入力電流検出手段と、前記入力電流が、各変圧器に対応してそれぞれ設定されている停止閾値以下となった場合に、その変圧器の作動を停止させる変圧器制御手段とを具備する車両用電源装置。 【請求項7】 前記第2の蓄電池から出力される補機供給電流を検出する補機供給電流検出手段を備え、前記変圧器制御手段は、前記補機供給電流が各変圧器に対応してそれぞれ設定されている作動閾値以上になった場合には、前記入力電流に拘わらず、当該変圧器を作動させる請求項6に記載の車両用電源装置。 【請求項8】 各変圧器が作動を停止している作動停止期間をそれぞれ計時する計時手段を備え、前記補機供給電流が前記作動閾値以上であり、且つ、作動停止期間が各変圧器に対応してそれぞれ設定されている所定期間を超過した場合には、当該変圧器に対応して設定されている作動維持期間だけ、前記変圧器制御手段が当該変圧器を作動させる請求項7に記載の車両用電源装置。 【請求項9】 前記作動維持期間において、作動させる各変圧器へ入力される入力電流が各変圧器に対応する前記停止閾値よりも大きくなるように、前記変圧器制御手段が各変圧器の作動を制御することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の車両用電源装置。 【請求項10】 補機の作動要求を検出する補機作動検出手段を備え、前記作動要求が検出された場合に、各変圧器への入力電流が各変圧器に対応する前記停止閾値よりも大きくなるように、前記変圧器制御手段が各変圧器の作動を制御する請求項6〜請求項9のいずれかに記載の車両用電源装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド車両又は電気自動車に搭載される車両用電源装置に関する。 【0002】 【従来の技術】内燃機関とモータとを併用して走行するハイブリッド車両や、電気自動車は、自動車補機用電源よりも高い電圧で発電又は充電される主電源を備えている。このような車両においては、補機用電源の充電を行う手段として、主電源の電圧を変圧器(例えば、DC/DCコンバータ、ダウンバータ等)を介して降圧する装置が用いられている。従来、補機用電源への充電は、補機用電源の充電状態や補機の使用状態に拘らず、主電源より常時行われていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、補機用電源の充電状態がほぼ満充電状態である場合、即ち、変圧器へ流れる電流の値が小さい領域においては、非常に電力供給の効率が低いという問題があった。 【0004】更に、変圧器の作動時には、変圧器内に設けられている複数のスイッチング素子が駆動するが、これらのスイッチング素子を常時駆動することにより、スイッチングロスが累積し、電力損失が大きくなるという問題もあった。 【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、変圧器の作動を制御することにより、モータの回生又は発電機により生成された電気エネルギーを効率的に利用するとともに、補機用電源の充電不足による不具合を解消する車両用電源装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、モータの駆動電源として用いられる第1の蓄電池(図1における主電源1)と、補機用電源として用いられる第2の蓄電池(図1における補機用電源2)と、第1の蓄電池と第2の蓄電池との間に配置される変圧器(図1における変圧器3)と、第1の蓄電池から変圧器へ供給される入力電流(図1における電流I1)を検出する入力電流検出手段(図1における電流センサ50)と、入力電流が予め設定された停止閾値(図4における停止閾値X)以下になった場合に、前記変圧器の作動を停止させる変圧器制御手段(図1における変圧器制御部4a)とを具備する車両用電源装置を提供する。 【0007】ここで、図7に変圧器の電流−効率特性を示す。この図に示すように、入力電流がP以下の領域では、変圧器の効率は急激に低下する。従って、変圧器の効率が悪い領域、即ち電流値Pを停止閾値として設定し、入力電流が停止閾値以下である領域においては、変圧器の作動を停止させることにより、変圧器の損失を少なくすることが可能となる。また、入力電流が停止閾値以下となる領域は、第2の蓄電池の充電状態がほぼ満充電状態であることを意味するため、このような満充電に近い領域において変圧器を停止させ、第2の蓄電池への電力供給を停止することにより、第2の蓄電池の過充電を防ぐことができ、蓄電池の保護を図ることが可能となる。 【0008】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用電源装置において、前記第2の蓄電池から出力される補機供給電流(図1における補機供給電流I3)を検出又は推定する補機供給電流検出手段(図1における電流センサ70)を備え、前記補機供給電流が予め設定された作動閾値(図4における作動閾値Y)以上になった場合に、前記入力電流に拘わらず、前記変圧器制御手段が前記変圧器を作動させることを特徴とする。 【0009】このように、第2の蓄電池から補機等に供給する電流が増加し、作動閾値以上となった場合には、入力電流の値に拘わらず、変圧器を作動状態とすることにより、補機類の負荷増加時には確実に補機用電源から電力供給を行うことが可能となる。 【0010】また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用電源装置において、前記補機供給電流が予め設定された作動閾値以上になった場合に、前記入力電流が前記停止閾値よりも大きくなるように、前記変圧器制御手段が前記変圧器の作動を制御することを特徴とする。 【0011】このように、補機の電力要求が増加することにより、第2の蓄電池から出力される電流の値が増加し、第2の設定値以上となった場合には、変圧器から前記第2の蓄電池へ供給する電流を増加させるように変圧器の作動を制御するので、補機類の負荷増加時には確実に電力供給を行うことが可能となる。なお、このとき、第2の蓄電池から出力される電流の値と、第2の蓄電池へ供給される電流値がほぼ同等になるように変圧器の作動を制御することにより、第2の蓄電池の充電状態を急激に増減することを防止し、第2の蓄電池を保護しながら補機への適切な電力供給を行うことができる。 【0012】また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両用電源装置において、前記変圧器が作動を停止している作動停止期間(図4における制御信号Sが「0」となっている期間)を計時する計時手段(図1におけるタイマ8)を備え、前記作動停止期間が所定期間(図4における所定期間Ta)に達した場合に、前記入力電流に拘わらず、前記変圧器制御手段が予め設定されている作動維持期間(図4における作動維持期間Tb)だけ前記変圧器を作動させることを特徴とする。 【0013】このように、作動停止状態にある変圧器を定期的に作動させることにより、自由放電による第2の蓄電池の残容量の減少を防ぐことができる。これにより、第2の蓄電池の充電状態をほぼ一定に保つことができるとともに、補機の急峻な電力供給に対しても安定した電力供給を行うことができる。 【0014】また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の車両用電源装置において、補機の作動要求を検出する補機作動検出手段(図1における作動要求検出部7)を備え、前記作動要求が検出された場合に、前記入力電流が前記停止閾値よりも大きくなるように、前記変圧器制御手段が前記変圧器の作動を制御することを特徴とする。 【0015】このように、補機の作動要求が検出された場合には、補機へ供給する電流が増加すると推定して、変圧器から第2の蓄電池へ供給される電流を増加させるので、補機への電力供給が増加したとしても、第2の蓄電池の電圧低下を防止することが可能となる。 【0016】また、請求項6に記載の発明は、モータの駆動電源として用いられる第1の蓄電池(図5における主電源1)と、補機用電源として用いられる第2の蓄電池(図5における補機用電源2)と、第1の蓄電池と第2の蓄電池との間に、互いに並列に接続される複数の変圧器(図5における変圧器3a及び3b)と、第1の蓄電池から各変圧器へ供給される入力電流(図5における電流I1a及びI1b)をそれぞれ検出する複数の入力電流検出手段(図4における電流センサ50a及び50b)と、前記入力電流が、各変圧器に対応してそれぞれ設定されている停止閾値(図5における変圧器3aに対応して設定されている停止閾値Xa及び変圧器3bに対応して設定されている停止閾値Xb)以下となった場合に、その変圧器の作動を停止させる変圧器制御手段(図4における変圧器制御部4b)とを具備する車両用電源装置を提供する。 【0017】このように、複数の変圧器を設け、これらの変圧器が作動を停止する停止閾値をそれぞれ変圧器毎に設定し、入力電流がこの停止閾値よりも小さくなった場合には、変圧器の作動を停止することにより、効率のよい領域でのみ変圧器を使用することが可能となる。また、大型の変圧器を1つ使用して第2の蓄電池へ電力供給を行う場合に比べ、比較的小型の変圧器を複数用い、それぞれの変圧器を高効率な領域(図7参照)でのみ作動させることにより、全体として上記1つの大型の変圧器と同様の能力を発揮できるとともに、効率の良い電力供給を行うことが可能となる。また、大型の変圧器よりも小型の変圧器の方が、駆動時におけるスイッチング等による電力損失が小さいので、電力供給の効率を高めることができる。なお、上記変圧器制御手段は、各変圧器に対応してそれぞれ設けられていても、また、全ての変圧器の制御を1つの変圧器制御手段によって行うようにしてもよい。要は、変圧器制御手段は、各変圧器の作動/停止を所定の条件に応じて切り替えることができる機能を備えていればどのような態様であってもよい。 【0018】また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の車両用電源装置において、前記第2の蓄電池から出力される補機供給電流(図5における補機供給電流I3)を検出する補機供給電流検出手段(図5における電流センサ70)を備え、前記変圧器制御手段は、前記補機供給電流が各変圧器に対応してそれぞれ設定されている作動閾値(図6における変圧器3aに対応して設定されている作動閾値Ya,変圧器3bに対応して設定されている作動閾値Yb)以上になった場合には、前記入力電流に拘わらず、当該変圧器を作動させる。即ち、各変圧器の入力電流が各変圧器に対応する停止閾値以下である場合でも、第2の蓄電池から出力される補機供給電流が各変圧器に対応して設定されている作動閾値以上になった場合には、変圧器制御手段は、その変圧器を作動させる。このように、複数の変圧器を設け、これらの変圧器が作動を開始する作動閾値をそれぞれ変圧器毎に設定することにより、補機からの電力要求に応じた適切な変圧器を用いた第2の蓄電池への電力供給を行うことが可能となる。 【0019】具体的には、通常の場合において、補機からの電力要求が小さく(例えば、電流換算すると40A程度)、補機の使用状態によってはそれ以上の電力(例えば、電流換算すると80A程度)が時として要求されるような場合、入力電流100A仕様の1つの変圧器によって、全ての電流レンジに対応した第2の蓄電池への電力供給を行うよりも、入力電流50A仕様の変圧器を2つ設け、補機の要求電力が小さい(例えば、電流換算すると40A程度)ときには、1つの変圧器を使用することによって第2の蓄電池へ電力を供給し、補機の電力要求が大きく(例えば電流換算すると80A程度)なった場合に、2つの変圧器を併用することにより、補機側の要求電力に応じた電力を第2の蓄電池へ供給する方が、効率よく蓄電池への電力供給を行うことができる。これにより、補機側が要求する要求電力に応じて、適切な変圧器を適切なタイミングで使用することが可能となり、電力損失を極めて抑えた電力供給を実現することが可能となる。 【0020】また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の車両用電源装置において、各変圧器が作動を停止している作動停止期間をそれぞれ計時する計時手段(図5におけるタイマ8a、8b)を備え、前記補機供給電流が前記作動閾値以上であり、且つ、作動停止期間が各変圧器に対応してそれぞれ設定されている所定期間(図6の所定期間Ta、Tc)を超過した場合には、当該変圧器に対応して設定されている作動維持期間(図6における作動維持期間Tb、Td)だけ、前記変圧器制御手段が当該変圧器を作動させることを特徴とする。 【0021】このように、作動を停止している変圧器においても、定期的に作動させることにより、1つの変圧器による電力供給を定期的に補助することが可能となる。これにより、第2の蓄電池の充電状態をほぼ一定に保つことができるとともに、補機の急峻な電力供給に対しても安定した電力供給を行うことができる。 【0022】また、請求項9に記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載の車両用電源装置において、前記作動維持期間(図6における変圧器3aに対応して設定されている作動維持期間Tb、変圧器3bに対応して設定されている作動維持期間Td)において、作動させる変圧器への入力電流(例えば、図5の時刻t3〜時刻t4における変圧器3aの入力電流I1aや、時刻t8〜時刻t9における変圧器3bの入力電流I1b)が、各変圧器に対応する前記停止閾値よりも大きくなるように、前記変圧器制御手段が各変圧器の作動を制御することが好ましい。 【0023】このように、第2の蓄電池から補機へ流れる補機供給電流が、各変圧器に対応して設定されている作動閾値以上となる期間において、定期的に作動状態とされる作動維持期間においては、各変圧器から第2の蓄電池へ供給する電流を増加させるように変圧器の作動を制御するので、補機類の負荷増加時には確実に電力供給を行うことが可能となる。 【0024】また、請求項10に記載の発明は、請求項6〜請求項9のいずれかに記載の車両用電源装置において、補機の作動要求を検出する補機作動検出手段(図5における作動要求検出部7)を備え、前記作動要求が検出された場合に、各変圧器への入力電流が各変圧器に対応する前記停止閾値よりも大きくなるように、前記変圧器制御手段が各変圧器の作動を制御することを特徴とする。 【0025】このように、補機の作動要求が検出された場合には、補機へ供給する電流が増加すると推定して、各変圧器から第2の蓄電池へ供給される電流を増加させるので、補機への電力供給が増加したとしても、第2の蓄電池の電圧低下を防止することが可能となる。 【0026】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態における車両用電源装置の構成を示す図である。同図において、符号1はモータの駆動電源として用いられる主電源であり、符号2は、補機用電源として用いられる補機用電源である。符号3は、主電源1と補機用電源2との間に配置される変圧器であり、主電源1の電圧を降圧して補機用電源2へ出力することにより、主電源1の電力を補機用電源2へ給電する。符号4aは変圧器3の作動を制御する変圧器制御部であり、詳細は後述する。符号5はエアコンやワイパー等の補機負荷(補機類)であり、補機用電源2に接続されている。また、図示しないがオーディオなどの電気負荷等も補機用電源2に接続されている。符号7は、車両の運転手等により補機負荷5や電気負荷等のスイッチがオンにされたことを検知し、補機類等の作動要求が出された旨を示す信号Qを変圧器制御部4aに対して出力する作動要求検出部である。なお、作動要求検出部7は作動要求が出されている場合には、信号Qを「1」として出力する。符号8は、変圧器制御部4aにより制御されるタイマであり、変圧器3の作動停止時間を計時するタイマT1と、変圧器3の作動時間を計時するタイマT2とを備えている。これらタイマT1及びT2は、変圧器制御部4aによってリセットの指示が出されるまで、作動開始からの時間を計時する。 【0027】符号50,70はそれぞれ電流センサであり、電流センサ50は主電源1から変圧器3へ入力される入力電流I1の値を検出し、電流センサ70は補機用電源2から補機5へ供給される補機供給電流I3の値を検出し、検出値を変圧器制御部4aへ通知する。また、符号80,90はそれぞれ電圧センサであり、電圧センサ80は主電源1と変圧器3との間の電圧の値を検出し、電圧センサ90は変圧器3と補機用電源2との間の電圧の値を検出し、検出値を変圧器制御部4aへ通知する。 【0028】次に、上記変圧器3の内部構成及び変圧器制御部4aによる変圧器3の基本的な作動について図2を参照して説明する。図2に示すように、変圧器3は、高圧回路部100と、トランス200と、低圧回路部300とにより構成されている。高圧回路部100は、第1と第2の相インバータ回路からなる、いわゆる双方向ブリッジ回路である。第1の相インバータ回路は、スイッチ101とスイッチ102とが直列接続され、第2の相インバータ回路は、スイッチ103とスイッチ104とが直接接続されて構成されている。上記スイッチとしては、例えば、IGBT、MOSFET、NMOSトランジスタ等が主に使用される。 【0029】また、スイッチ101とスイッチ102との接続点はトランス3の1次側コイル(大巻数)201の一端に接続され、スイッチ103とスイッチ104との接続点は、トランス3の一次側コイル201の他端に接続されている。また、スイッチ101、103の他端は主電源1の高電位側に接続され、スイッチ102、104の他端は主電源1の低電位側に接続されている。また、主電源と高圧回路部100との間には、リップル低減用の平滑コンデンサ105が高圧回路部100と並列に接続されている。 【0030】トランス200は、上記一次側コイル(大巻数)201と、二次側コイル(小巻数)202とを備えている。低圧回路部300は、整流回路301と、リアクトル303と、リップル低減用の平滑コンデンサ304とを備える。上記二次側コイル202は、整流回路301、リアクトル303を通じて補機用電源2に接続されている。また、平滑コンデンサ304は補機用電源2と並列に接続されている。 【0031】次に、上記構成からなる変圧器の基本的な制御について説明する。変圧器制御部4aは、以下のように変圧器3の高圧回路部100のスイッチをオンオフ制御することにより、主電源1からの電力を、変圧器3を介して降圧し、補機用電源2へ供給させる。まず、変圧器制御部4aは、変圧器3の高圧回路部100をインバータ動作させるために、スイッチ101及び104をオン(導通)させ、スイッチ102及びスイッチ103をオフ(遮断)するモードと、スイッチ101とスイッチ104とをオフし、スイッチ102及びスイッチ103とをオンさせるモードとを一定の周期で交互に繰り返す。このとき、1周期におけるスイッチの導通時間(デューティ比)を調整することにより、変圧器3へ入力される入力電流、即ち図1における電流I1を調整することができる。上述したように、高圧回路部100のスイッチ101〜104がオンオフ制御されることにより、二次側コイル202に一次側コイル201に流れる電流に応じた起電力が発生する。発生した電力は、整流器301により整流され、リアクトル303、平滑コンデンサ304によって平滑され、補機用電源2へ供給される。 【0032】次に、本実施形態における変圧器制御部4aが行う変圧器3の作動制御について図3に示したフローチャートを参照して説明する。なお、図3に示す処理内容は、変圧器制御部4aにより所定のタイミングで繰り返し継続して行われる処理である。なお、以下の説明において、I1増加制御とは、変圧器制御部4aが入力電流I1を増加させるために変圧器3のスイッチ101〜104の導通時間を通常作動よりも長くする制御を行うことである。また、初期状態において、前回及び現在において変圧器3は停止、タイマ8はリセット状態、入力電流(I1)増加制御は停止とする。 【0033】まず、変圧器制御部4aは、作動要求検出部7から受信する信号Qに基づいて補機負荷等の作動要求が出されているか否かを判断する(ステップSP1)。この結果、作動要求が出されていた場合には(ステップSP1において「YES」)、タイマT1をリセットする(ステップSP3)。続いて、入力電流I1が通常よりも増加するように変圧器3の作動を制御し(ステップSP4、SP5)、当該処理を終了する。 【0034】一方、ステップSP1において補機負荷などの作動要求が出ていない場合、即ち、作動要求Qが「0」の場合は(ステップSP1において「NO」)、補機負荷5へ供給される補機供給電流I3が予め設定されている作動閾値Y以上であるか否かを判断する(ステップSP2)。この結果、補機要求電流I3が作動閾値Y以上であった場合には(ステップSP2において「YES」)、タイマT1をリセットした後(ステップSP3)、入力電流I1が通常よりも増加するように変圧器3の作動を制御し(ステップSP4、SP5)、当該処理を終了する。 【0035】一方、ステップSP2において、補機負荷5へ供給される負荷供給電流I3が予め設定されている作動閾値Y未満であった場合は(ステップSP2において「NO」)、前回の変圧器3の状態が、作動停止であったか否かを判断する(ステップSP6)。この結果、変圧器3が前回作動停止であれば(ステップSP6において「YES」)、タイマT1をカウントアップさせる(ステップSP12)。これにより、タイマT1が作動していなければタイマT1は計時を開始し、また、作動中であれば計時を継続して行う。 【0036】続いて、タイマT1の計時時間が停止所定期間Ta以上であるか否かを判断し(ステップSP13)、この結果、計時時間が停止所定期間Taに達していなければ、ステップSP10へ進み、変圧器3が作動停止である状態を維持したまま、当該処理を終了する。 【0037】一方、ステップSP13において、タイマT1の計時時間が停止所定期間Taに達していた場合には(ステップSP13において「YES」)、タイマT2をリセットした後に(ステップSP14)、入力電流I1が通常よりも増加するように変圧器3の作動を制御し(ステップSP15、SP16)、当該処理を終了する。 【0038】また、ステップSP6において、前回における変圧器3の状態が作動停止でなかった場合には(ステップSP6において「NO」)、タイマT1の計時時間が停止所定期間Taに達しているか否かを判断する。この結果、タイマT1の計時時間が停止所定期間Taに達していた場合には(ステップSP7において「YES」)、タイマT2を作動させる(ステップSP17)。これにより、タイマT2が作動していない状態であれば計時を開始し、計時中であれば計時を継続して行う。続いて、タイマT2の計時時間が作動維持期間Tbに達しているか否かを判断し(ステップSP18)、この結果、作動維持期間Tbに達していなければ(ステップSP18において「YES」)、入力電流I1が通常よりも増加するように変圧器3の作動を制御し(ステップSP4、SP5)、当該処理を終了する。 【0039】一方、ステップSP18においてタイマT2の計時時間が作動維持期間Tbに達していた場合には(ステップSP18において「NO」)、タイマT1をリセットした後に(ステップSP19)、変圧器3の作動を停止させ(ステップSP10)、当該処理を終了する。 【0040】また、ステップSP7において、タイマT1の計時時間が停止所定期間Taに達していない場合には、例えば、タイマT1がリセットされたままの状態である場合には(ステップSP7において「NO」)、入力電流増加制御を停止し(ステップSP8)、続いて、入力電流I1の値が停止閾値Xよりも大きいか否かを判断する(ステップSP9)。この結果、入力電流I1の値が停止閾値Xよりも大きければ(ステップSP9において「YES」)、タイマT1をリセットし(ステップSP11)、その後、変圧器3を作動させ(ステップSP5)、当該処理を終了する。一方、ステップSP9において、入力電流I1の値が停止閾値X以下である場合には(ステップSP9において「NO」)、変圧器3の作動を停止させ(ステップSP10)、当該処理を終了する。 【0041】本発明では、変圧器制御部4aが所定のタイミングで上述した処理を繰り返し実行することにより、補機用電源2の充電状態を良好に保ちながら、変圧器3を効率よく作動させることができる。以下、図4を参照し、各センサからの電流値、タイマ8や作動要求検出部7からの信号に基づく変圧器制御部4aによる変圧器3の制御について具体的に説明する。 【0042】図4(a)は、作動要求検出部7から通知されるエアコンや熱線デフロスター等の比較的負荷の大きい補機の作動要求に係る信号Qを示している。図4(b)は、電流センサ70から通知される補機供給電流I3を示している。図4(c)は、電流センサ50から通知される入力電流I1を示している。図4(d)は、変圧器制御部4aが出力する制御信号Sを示している。なお、制御信号Sが「1」の場合には、変圧器3を作動させるべく、スイッチ101〜104を所定のオンオフを制御する信号が出力されていることを示しており、制御信号Sが「0」の場合は、変圧器3を停止させるべくスイッチ101〜104を全てオフとする信号が出力されていることを示している。 【0043】まず、時刻t1では、作動要求Qは「0」であり、補機供給電流I3は作動閾値Y未満であり、入力電流I1は予め設定されている停止閾値Xである。これにより、変圧器制御部4aは、図3の動作フローにおいて、ステップSP1及びステップSP2において「NO」と判断し、更に、ステップSP6では、前回作動停止ではないので「NO」と判断する。続いて、現在タイマT1はリセット状態であるので、ステップSP7において「NO」と判断し、ステップSP8で、入力電流I1の増加制御を停止する。そして、ステップSP9において、入力電流I1の値が予め設定されている停止閾値X以下であるので「NO」と判断し、ステップSP10において変圧器3の作動を停止させるべく、制御信号を「0」にする。 【0044】続いて、図4の時刻t1〜t2の期間では、変圧器制御部4aは、図3のステップSP1,SP2において「NO」、ステップSP6において「YES」と判断し、ステップSP12においてタイマT1をカウントアップさせる。続いて、タイマT1の計時時間は停止所定期間Ta未満であるためステップSP13で「NO」と判断し、ステップSP10へ進み、変圧器3の作動停止状態を維持する。 【0045】続いて、図4の時刻t2において、タイマT1の計時時間が停止所定期間Taに達すると、変圧器制御部4aは、図3のステップSP13において「YES」と判断し、タイマT2をリセットした後(ステップSP14)、変圧器3の入力電流I1を増加させるように変圧器3の作動を制御する(ステップSP15,SP16)。即ち、変圧器制御部4aは、変圧器3を作動させるべく制御信号Sを「1」にするとともに、入力電流I1を増加させるために、スイッチ101〜104の導通時間が通常に比べて長くなるように制御する。この結果、主電源1から補機用電源2への給電が開始される。 【0046】続いて、図4の時刻t2〜t3の期間では、変圧器制御部4aは、図3のステップSP1、SP2、SP6において「NO」、ステップSP7において「YES」と判断し、ステップSP17においてタイマT2による計時を開始又は継続させる。その後、時刻t2〜t3の期間では、タイマT2の計時時間は作動維持期間Tbに達していないので、ステップSP18において「YES」となり、入力電流I1が増加するように変圧器3を制御する(ステップSP4、SP5)。 【0047】続いて、図4の時刻t3では、変圧器制御部4aは、タイマT2の計時時間が作動維持期間Tbに達することにより、ステップSP18において「NO」と判断する。これにより、タイマT1をリセットし(ステップSP19)、その後、変圧器3の作動を停止させるべく制御信号Sを「0」にする(ステップSP10)。 【0048】続いて、図4の時刻3〜時刻t4の期間では、変圧器制御部4aは、上述した時刻t1〜t2の期間と同様の作動を行う。続く時刻t4において、補機供給電流I3が予め設定されている作動閾値Y以上となると、変圧器制御部4aは、図3のステップSP2において「YES」と判断し、タイマT1をリセットした後(ステップSP3)、入力電流I1が増加するように変圧器3の作動を制御する(ステップSP4、SP5)。即ち、制御信号Sを「1」にするとともに、入力電流I1が通常よりも増加するようにスイッチ101〜104の導通時間を通常の制御に比べて長くする。 【0049】続いて、図4の時刻t5において、補機供給電流I3が作動閾値Y以下となると、図3のステップSP2において「NO」と判断し、続く、ステップSP6、SP7においても「NO」と判断し、ステップSP8において入力電流増加制御を停止する。即ち、スイッチ101〜104の導通時間を長くする制御を停止する。これにより、その後、入力電流I1が徐々に低下することにより、時刻t6において入力電流I1が停止閾値X以下となると、変圧器制御部4aは、図3におけるステップSP9において「NO」と判断し、制御信号Sを「0」にし、変圧器3の作動を停止させる。 【0050】続いて、図4の時刻t7において、作動要求検出部7により補機の作動要求が検出されたことから、作動要求検出部7から出力される信号Qが「1」となると、変圧器制御部4aは、図3のステップSP1において「YES」と判断し、タイマT1をリセットし(ステップSP3)、その後、入力電流I1を増加させるように変圧器3を作動させる。即ち、変圧器制御部4aは、変圧器3を作動させるべく制御信号Sを「1」とし、且つ、入力電流I1を増加させるように、スイッチ101〜104の導通時間を長くする。 【0051】続いて、図4の時刻t8において、作動要求検出部7から出力される信号Qが「0」になると、図3のステップSP1で「NO」と判断し、続く、ステップSP2、SP6、SP7においても「NO」と判断する。そして、ステップSP8において入力電流増加制御を停止し、ステップSP9では、入力電流I1が停止閾値X以下であることから「NO」と判断し、変圧器3の作動を停止させる。即ち、制御信号Sを「0」にする。 【0052】上述したように、変圧器制御部4aは、基本的に、入力電流I1が停止閾値X以下となった場合には、変圧器3を停止させるように制御するが、入力電流I1が停止閾値X以下において常に停止状態であると、急激な不可変動等に応答できなくなる虞があることから、変圧器3の作動再開の条件として、(1)補機供給電流I3が作動閾値Y以上となった場合、(2)補機の作動要求が出された場合を設定している。更に、上記(1)と(2)に該当しない場合には、作動停止期間が長期にわたることとなり、補機用電源2の充電状態が不安定になる。従って、このような状況を回避するため、上記条件に該当しない場合には、所定のインターバル(所定期間Taと作動維持期間Tb)で定期的に変圧器3を作動させるように設定している。 【0053】上述したように、変圧器制御部4aが変圧器3を制御することにより、主電源1の電気エネルギー及びそれを作り出すのに寄与した他の手段のエネルギーを有効に利用することができるとともに、補機用電源2の消費状態を検出或いは補機作動前に知ることにより過剰な電流持ち出しによる補機用電源の失陥から車両を保護することが可能となる。 【0054】次に、本発明の第2の実施形態における車両用電源装置について説明する。本実施形態においては、変圧器を複数設け、更に効率よく変圧器を使用する。変圧器を複数設けた場合、変圧器制御部4bは、その内の1つを主に作動する変圧器として上述した第1の実施形態と同様の作動をさせ、その他の変圧器を、主に作動する変圧器を補助するように作動させる。 【0055】具体的には、変圧器制御部4bは、主に作動させる変圧器については、図3に示したフローチャートに基づいて制御することにより、上述した第1の実施形態における変圧器3と同様の作動をさせる。一方、補助する変圧器については、補機負荷5への電力供給が大きい期間のみ、即ち、補機供給電流I3の値が各変圧器に対応してそれぞれ設定されている作動閾値以上である期間でのみ作動させ、また、各変圧器に入力される入力電流が各変圧器に対応して予め設定されている停止閾値以下となった場合に作動を停止するように各変圧器を制御する。また、変圧器制御部4bは、補機供給電流I3が作動閾値以上である期間において、入力電流が停止閾値以下となったことにより、作動を停止した変圧器に関しては、定期的に作動させることにより、主に作動している変圧器の補助を充実させ、より安定した補機用電源2への電力供給を行う。 【0056】以下、上記複数の変圧器を設けた場合の一例として、変圧器を2つ設けた場合について、図5及び図6を参照して、その構成及び動作について説明する。 【0057】図5に示すように、第2の実施形態に係る車両用電源装置は2つの変圧器3a,3bを備え、また、各変圧器3a,3bへ入力される電流等を検出する種々のセンサ(電流センサ50a,50b、電圧センサ80a,80b)、又、変圧器から出力される電圧を検出する電圧センサ90a,90bをそれぞれ備えている。また、各変圧器の作動停止期間や作動期間を計時するためのタイマ8a、8bをそれぞれ備える。なお、タイマ8a、8bは、上述した第1の実施形態と同様にタイマT1、タイマT2をそれぞれ備えている。また、上記変圧器3a,3bの構成は、図2に示した構成と同様である。 【0058】上記構成において、変圧器3aは、主として作動する変圧器であり、変圧器3bは、変圧器3aを補助するように作動する。次に、図6を参照し、各センサからの電流値、タイマ8a、8bや作動要求検出部7からの信号に基づく変圧器制御部4bによる変圧器3a及び3bの制御について具体的に説明する。 【0059】図6(a)は、作動要求検出部7から通知される補機の作動要求に係る信号Qを示している。図6(b)は、電流センサ70から通知される補機供給電流I3を示している。なお、図6(b)において、Yaは変圧器3aに対応して設定されている作動閾値、Ybは変圧器3bに対応して設定されている作動閾値である。ここで、原則として、主に作動する変圧器の作動閾値は、最も低い値に設定される。図6(c)は、電流センサ50bから通知される変圧器3bに入力される入力電流I1bを示している。図6(d)は、電流センサ50aから通知される変圧器3aに入力される入力電流I1aを示している。図6(e)は、変圧器制御部4bが変圧器3bに対して出力する制御信号Sbを示している。図6(f)は、変圧器制御部4bが変圧器3aに対して出力する制御信号Saを示している。 【0060】まず、時刻t1において、変圧器3bへの入力電流I1bが停止閾値Xb以下になることにより、変圧器制御部4bは、制御信号Sbを「0」にし、変圧器3bの作動を停止させる。続いて、時刻t2において、変圧器3aへの入力電流I1aが停止閾値Xa以下となることにより、変圧器制御部4bは、制御信号Saを「0」にし、変圧器3aの作動を停止させる。続いて、時刻t3において、タイマ8aのタイマT1の計時時間が所定期間Taに達すると、変圧器制御部4bは、変圧器3aへの制御信号Saを「1」にし、作動を再開させる。また、時刻t4において、タイマ8aのタイマT2の計時時間が作動維持期間Tbに達すると、変圧器制御部4bは、変圧器3aへの制御信号Saを再び「0」にし、作動を停止させる。 【0061】続いて、時刻t5において、補機供給電流I3が変圧器3aに対応する作動閾値Ya以上となることにより、変圧器制御部4bは、制御信号Saを「1」にし、変圧器3の作動を開始させる。続いて、時刻t6において、補機供給電流I3が変圧器3bに対応する作動閾値Yb以上となることにより、変圧器制御部4bは制御信号Sbを「1」にし、変圧器3bを作動させる。 【0062】続いて、時刻t7では変圧器3bへの入力電流I1bが停止閾値Xb以下となることにより、変圧器制御部4bは変圧器3bへの制御信号Sbを「0」とし、変圧器3bの作動を停止させる。ここで、変圧器制御部4bは、補機供給電流I3が、変圧器3bに対応して設定されている作動閾値Yb以上か否かを判断し、補機供給電流I3が作動閾値Ya以上であれば、タイマ8bのタイマT1を作動させる。続いて、時刻t8において、タイマ8bのタイマT1の計時時間が所定期間Tcに達すると、変圧器制御部4bは、制御信号Sbを「1」にし、変圧器3bの作動を再開させる。このとき、変圧器制御部4bは、タイマ8bのタイマT2を作動させる。 【0063】続いて、時刻t9において、タイマ8bのタイマT2の計時時間が作動維持期間Tdに達すると、変圧器制御部4bは、制御信号Sbを「0」にし、変圧器3bの作動を停止させる。また、このとき、変圧器制御部4bは、補機供給電流I3が作動閾値Yb以上であるか判断し、補機供給電流I3が作動閾値Yb以上であれば、タイマ8bのタイマT1を作動させる。 【0064】続いて、時刻t10において、補機の作動要求が出されることにより信号Qが「1」となると、変圧器制御部4bは、制御信号Sbを「1」とし、変圧器3bを作動させる。なお、このとき、タイマ8bのタイマT1或いはT2が作動中であれば、これらの作動を停止させる。なお、補機の作動要求が出されたときには、変圧器3a、3bの入力電流が各変圧器に対応する停止閾値よりも大きくなるように、各変圧器のスイッチング制御を行う。 【0065】続いて、時刻t11において、入力電流I1bが停止閾値Xb以下となると、変圧器制御部4bは、制御信号Sbを「0」とし、変圧器3bの作動を停止させる。続いて、変圧器制御部4bは、補機供給電流I3が作動閾値Yb以上であるかを判断する。この場合、補機供給電流I3が作動閾値Yb以下であるので、変圧器制御部4bはタイマ8bのタイマT1を作動させない。これにより、変圧器3bに関しては、(1)補機供給電流I3が作動閾値Yb以上となるか、若しくは、(2)補機の作動要求が出されるまでは、停止状態となる。即ち、上記2つの条件のいずれかに該当するまでは、変圧器3bを作動させない。 【0066】更に、時刻t12において、補機の作動要求が検出されなくなると、即ち信号Qが「0」となると、変圧器制御部4bは、変圧器3aの作動を停止させる。また、このとき、変圧器制御部4bは、タイマ8aのタイマT1を作動させる。 【0067】上述したように、複数の変圧器が設けられている場合には、各変圧器に対応してそれぞれ設定されている作動閾値が最も低く設定されている変圧器を主に作動させる変圧器として制御し、その他の変圧器は主に作動させる変圧器を補助するような作動をさせることにより、より安定した補機用電源2への電力供給を実現することができる。 【0068】また、主に作動する変圧器の補助として作動する変圧器(上述の例においては、変圧器3b)においては、前提として、(1)補機供給電流I3が各変圧器に対応して設定されている作動閾値以上となるか、若しくは、(2)補機の作動要求が出された場合のみ、作動する。また、上記条件に該当する場合でも、各変圧器に入力される電流の値が、各変圧器に対応して設定されている停止閾値以下となった場合には、作動が停止される。なお、この場合には、一定の間隔で、作動/停止が繰り返されることとなる。このように、補機類の消費電力量に応じて補助の変圧器の作動を制御することにより、より安定した補機用電源への給電を行うことができる。 【0069】なお、第1及び第2の実施形態における変圧器制御部4a、4bは、それぞれ専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、上記の各部の機能を実現するためのプログラムをメモリに記録して、このメモリに記録されたプログラムをCPUがロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。 【0070】以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。 【0071】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の車両用電源装置によれば、変圧器制御手段が、変圧器への入力電流が予め設定されている停止閾値以下となる場合には、変圧器の作動を停止させる。このように、変圧器の効率が悪い領域では変圧器の作動を停止させるので、変圧器のスイッチングロス等による電力損失を極めて低減させることが可能となる。また、入力電流が停止閾値以下となる領域は、第2の蓄電池の充電状態がほぼ満充電状態であることを意味するため、このような満充電に近い領域において変圧器を停止させ、第2の蓄電池への電力供給を停止することにより、第2の蓄電池の過充電を防ぐことができ、蓄電池の保護を図ることができる。 【0072】また、請求項2に記載の車両用電源装置によれば、第2の蓄電池から出力される補機供給電流を検出する補機供給電流検出手段を備え、補機供給電流が予め設定された作動閾値以上になった場合には、入力電流に拘わらず、変圧器制御手段が変圧器を作動させるので、補機類の負荷増加時には確実に補機用電源から電力供給を行うことが可能となる。 【0073】また、請求項3に記載の車両用電源装置によれば、補機供給電流が予め設定された作動閾値以上になった場合には、入力電流が停止閾値よりも大きくなるように、変圧器制御手段が変圧器の作動を制御する。このように、補機の電力要求が増加することにより、第2の蓄電池から出力される電流の値が増加し、第2の設定値以上となった場合には、変圧器制御手段が変圧器から第2の蓄電池へ供給する電流を増加させるように変圧器の作動を制御するので、補機類の負荷増加時には確実に電力供給を行うことが可能となる。 【0074】また、請求項4に記載の車両用電源装置によれば、変圧器が作動を停止している作動停止期間を計時する計時手段を備え、作動停止期間が所定期間に達した場合に、入力電流に拘わらず、変圧器制御手段が予め設定されている作動維持期間だけ変圧器を作動させる。即ち、変圧器制御手段が、作動停止状態にある変圧器を定期的に作動させることにより、自由放電による第2の蓄電池の残容量の減少を防ぐことができる。これにより、第2の蓄電池の充電状態をほぼ一定に保つことができるとともに、補機の急峻な電力供給に対しても安定した電力供給を行うことが可能となる。 【0075】また、請求項5に記載の車両用電源装置によれば、補機の作動要求を検出する補機作動検出手段を備え、作動要求が検出された場合に、入力電流が停止閾値よりも大きくなるように、変圧器制御手段が変圧器の作動を制御する。このように補機の作動要求が検出された場合には、補機へ供給する電流が増加すると推定して、変圧器から第2の蓄電池へ供給される電流を増加させるので、補機への電力供給が増加したとしても、第2の蓄電池の電圧低下を防止することが可能となる。 【0076】また、請求項6に記載の車両用電源装置によれば、複数の変圧器を設け、これらの変圧器が作動を停止する停止閾値をそれぞれ変圧器毎に設定し、入力電流がこの停止閾値よりも小さくなった場合には、変圧器の作動を停止することにより、効率のよい領域でのみ変圧器を使用することが可能となる。また、大型の変圧器を1つ使用して第2の蓄電池へ電力供給を行う場合に比べ、比較的小型の変圧器を複数用い、それぞれの変圧器を高効率な領域でのみ作動させることにより、全体として1つの大型の変圧器と同様の能力を発揮できるとともに、効率の良い電力供給を行うことが可能となる。また、大型の変圧器よりも小型の変圧器の方が、駆動時におけるスイッチング等による電力損失が小さいので、電力供給の効率を高めることができる。 【0077】また、請求項7に記載の車両用電源装置によれば、第2の蓄電池から出力される補機供給電流を検出する補機供給電流検出手段を備え、変圧器制御手段は、補機供給電流が各変圧器に対応してそれぞれ設定されている作動閾値以上になった場合には、入力電流に拘わらず、当該変圧器を作動させる。このように、複数の変圧器を設けた場合には、変圧器が作動を開始する作動閾値をそれぞれ変圧器毎に設定することにより、補機からの電力要求に応じた適切な変圧器を用いた第2の蓄電池への電力供給を行うことが可能となる。また、補機側が要求する要求電力に応じて、適切な変圧器を適切なタイミングで使用することが可能となり、電力損失を極めて抑えた電力供給を実現することが可能となる。 【0078】また、請求項8に記載の車両用電源装置によれば、各変圧器が作動を停止している作動停止期間をそれぞれ計時する計時手段を備え、補機供給電流が作動閾値以上であり、且つ、作動停止期間が各変圧器に対応してそれぞれ設定されている所定期間を超過した場合には、変圧器制御手段が、その変圧器に対応して設定されている作動維持期間だけ、その変圧器を作動させる。このように、補機供給電流が作動閾値以上である期間においては、作動を停止している変圧器を定期的に作動させることにより、1つの変圧器による電力供給を定期的に補助することが可能となる。これにより、第2の蓄電池の充電状態をほぼ一定に保つことができるとともに、補機の急峻な電力供給に対しても安定した電力供給を行うことができる。 【0079】また、請求項9に記載の車両用電源装置によれば、第2の蓄電池から補機へ流れる補機供給電流が、各変圧器に対応して設定されている作動閾値以上となる期間において、定期的に作動状態とされる作動維持期間においては、各変圧器から第2の蓄電池へ供給する電流を増加させるように変圧器の作動を制御するので、補機類の負荷増加時には確実に電力供給を行うことが可能となる。 【0080】また、請求項10に記載の車両用電源装置によれば、補機の作動要求を検出する補機作動検出手段を備え、作動要求が検出された場合に、各変圧器への入力電流が各変圧器に対応する停止閾値よりも大きくなるように、変圧器制御手段が各変圧器の作動を制御するので、補機への電力供給が増加したとしても、第2の蓄電池の電圧低下を防止することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成13年12月27日(2001.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−199201(P2003−199201A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月11日(2003.7.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−396081(P2001−396081) |
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