| 【発明の名称】 |
電気式自動車 |
| 【発明者】 |
【氏名】石川 哲浩 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
【氏名】朝倉 吉隆 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】燃料電池を搭載した電気式自動車では、万一、電気式自動車が事故を起こした場合における、燃料電池に蓄えられた電気エネルギーによる感電等を防止する技術が必要とされている。
【解決手段】燃料電池40は、抵抗体で構成された電池収容ケース30に収容され、燃料電池40のエンドプレート50,52(正極または負極)それぞれの端部50a,52aと、対向する形で、接触部36,38が電池収容ケース30に設けられている。事故時に異常な外力が自動車に加わると、燃料電池40または電池収容ケース30のいずれかが移動し、端部50aと接触部36と、および端部52aと接触部38とが接触することにより、燃料電池40の正極と負極とが短絡し、燃料電池40に蓄えられた電気エネルギーが消費される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両に搭載された車両用電源を動力源とする電気式自動車であって、車両衝突時に車両用電源の電力を強制消費させる手段を備えることを特徴とする電気式自動車。 【請求項2】 前記車両用電源は、複数の単電池を接続して構成された組電池であることを特徴とする請求項1に記載の電気式自動車。 【請求項3】 前記強制消費手段は、車両内部で室内または車外より直接手に触れない位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気式自動車。 【請求項4】 前記車両用電源は、燃料電池であり、前記強制消費手段は、前記燃料電池を収容し、抵抗体で構成されたスタックケースであり、車両衝突時に、前記燃料電池と前記スタックケースとが接触することにより、前記スタックケースの抵抗によって前記燃料電池の電力が消費されることを特徴とする請求項2または3に記載の電気式自動車。 【請求項5】 前記車両用電源は、2次電池であり、前記強制消費手段は、電気抵抗であり、車両衝突時に前記2次電池と前記電気抵抗とが接触することにより、前記2次電池の電力が消費されることを特徴とする請求項2または3に記載の電気式自動車。 【請求項6】 前記燃料電池と前記スタックケースとの接触部は、車両衝突時に前記燃料電池と前記燃料電池に接続された負荷との間を遮断する開閉器により燃料電池側に位置することを特徴とする請求項4に記載の電気式自動車。 【請求項7】 前記2次電池と前記電気抵抗との接続部は、車両衝突時に前記2次電池と前記2次電池に接続された負荷との間を遮断する開閉器より2次電池側に位置することを特徴とする請求項5に記載の電気式自動車。 【請求項8】 車両に搭載された電池から出力される電気エネルギーを動力源とする電気式自動車であって、前記電池の正極および負極にそれぞれ接続された正極部および負極部と、抵抗材料で形成された抵抗体と、前記抵抗体で接続され、前記正極部および負極部と、それぞれ対向して設けられた第1および第2の接触部と、を備え、通常時においては、前記抵抗体は前記電池と絶縁状態にあるように支持固定され、異常外力発生時においては、前記正極部または前記第1の接触部のいずれか、および、前記負極部または前記第2の接触部のいずれかが、前記異常外力によって移動することにより、前記正極部と前記第1の接触部と、および前記負極部と前記第2の接触部とが接触し、前記正極と前記負極とが短絡するような外力変形構造を有することを特徴とする電気式自動車。 【請求項9】 前記電池を収容する電池収容ケースをさらに備え、前記電池収容ケース自体が、前記抵抗体で形成されていることを特徴とする請求項8に記載の電気式自動車。 【請求項10】 前記正極部、負極部および前記第1、第2の接触部が前記電池収容ケース内であって、前記電池に対して、前記車両の進行方向、横方向、または後退方向のいずれかに設けられていることを特徴とする請求項9に記載の電気式自動車。 【請求項11】 前記正極部、負極部および前記第1、第2の接触部は前記車両の前部に設けられていることを特徴とする請求項8または9に記載の電気式自動車。 【請求項12】 前記電池は、アノード電極と、カソード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極との間に保持される電解質と、を有する単位電池が複数積層され、前記複数の単位電池の積層方向の両端側にそれぞれ設置された一対の導電性のエンドプレートにより、前記複数の単位電池が挟持された構造を有する燃料電池であり、前記正極部および負極部は、それぞれ前記正極および負極側のエンドプレートに接続されていることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の電気式自動車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電池に蓄えられた電気エネルギーを動力源とする電気式自動車に関する。特に本発明は、当該自動車の安全面の向上を図る技術に関する。 【0002】 【従来の技術】燃料電池などの電池を駆動源とする電気式自動車における、不慮の事故に対する安全対策としては、たとえば、特開2001−119815号公報において、万一の事故時において、燃料電池への水素の供給を遮断するシステムが記載されている。また、特開平8−192639号公報において、事故時の衝突エネルギーを吸収する吸収部材や、電池ケースの構造が記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】燃料電池を搭載した電気式自動車では、万一、電気式自動車が事故を起こした場合における、燃料電池に蓄えられた電気エネルギーによる感電等を防止する技術が必要とされている。しかし、従来の電気式自動車の安全対策は、事故時の電池内部に蓄えられたエネルギーの確実・安全な消費を簡単に達成していなかった。 【0004】そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる電気式自動車を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、車両に搭載された車両用電源を動力源とする電気式自動車であって、車両衝突時に車両用電源の電力を強制消費させる手段を備える。 【0006】これによれば、車両衝突時において車両用電源の電力が強制的に消費されるため、衝突後の感電防止を図ることができる。また、電力強制消費手段は、車両用電源1個あたり1つで済むため、簡易な構成で済ませることができる。 【0007】なお、「電気式自動車」は、電池から出力される電気エネルギーのみを動力源とする自動車に限られず、電気エネルギーで駆動するモータとガソリンエンジンとを動力源として併せ持つ、いわゆるハイブリッド自動車も含む。 【0008】本発明の前記車両用電源は、複数の単電池を接続して構成された組電池であってもよい。 【0009】本発明の前記強制消費手段は、車両内部で室内または車外より直接手に触れない位置に設けられていてもよい。 【0010】本発明の前記車両用電源は、燃料電池であり、前記強制消費手段は、前記燃料電池を収容し、抵抗体で構成されたスタックケースであり、車両衝突時に、前記燃料電池と前記スタックケースとが接触することにより、前記スタックケースの抵抗によって前記燃料電池の電力が消費されてもよい。 【0011】本発明の前記車両用電源は、2次電池であり、前記強制消費手段は、電気抵抗であり、車両衝突時に前記2次電池と前記電気抵抗とが接触することにより、前記2次電池の電力が消費されてもよい。 【0012】本発明の前記燃料電池と前記スタックケースとの接触部は、車両衝突時に前記燃料電池と前記燃料電池に接続された負荷との間を遮断する開閉器により燃料電池側に位置していてもよい。 【0013】本発明の前記2次電池と前記電気抵抗との接続部は、車両衝突時に前記2次電池と前記2次電池に接続された負荷との間を遮断する開閉器より2次電池側に位置していてもよい。 【0014】また、本発明は、車両に搭載された電池から出力される電気エネルギーを動力源とする電気式自動車であって、前記電池の正極および負極にそれぞれ接続された正極部および負極部と、抵抗材料で形成された抵抗体と、前記抵抗体で接続され、前記正極部および負極部と、それぞれ対向して設けられた第1および第2の接触部と、を備え、通常時においては、前記抵抗体は前記電池と絶縁状態にあるように支持固定され、異常外力発生時においては、前記正極部または前記第1の接触部のいずれか、および、前記負極部または前記第2の接触部のいずれかが、前記異常外力によって移動することにより、前記正極部と前記第1の接触部と、および前記負極部と前記第2の接触部とが接触し、前記正極と前記負極とが短絡するような外力変形構造を有する。 【0015】本発明は、前記電池を収容する電池収容ケースをさらに備え、前記電池収容ケース自体が、前記抵抗体で形成されていてもよい。 【0016】本発明は、前記正極部、負極部および前記第1、第2の接触部が前記電池収容ケース内であって、前記電池に対して、前記車両の進行方向、横方向、または後退方向のいずれかに設けられていてもよい。 【0017】本発明の前記正極部、負極部および前記第1、第2の接触部は前記車両の前部に設けられていてもよい。 【0018】本発明の前記電池は、アノード電極と、カソード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極との間に保持される電解質と、を有する単位電池が複数積層され、前記複数の単位電池の積層方向の両端側にそれぞれ設置された一対の導電性のエンドプレートにより、前記複数の単位電池が挟持された構造を有する燃料電池であり、前記正極部および負極部は、それぞれ前記正極および負極側のエンドプレートに接続されていてもよい。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。 【0020】図1は、実施形態にかかる電気式自動車10のフロント部12の構成を示す図である。フロント部12は、シャーシフレーム20を含む。シャーシフレーム20上には、ケースマウント32,34(および図示しない別の2個のケースマウントの計4個のマウント)を介して抵抗材料によって形成された電池収容ケース30が設置されている。電池収容ケース30内部には、電池収容ケース30の底面に固定された電池マウント42、44(および図示しない別の2個の電池マウントの計4個の電池マウント)を介して、燃料電池(以下では、燃料電池を電池の一例として説明を進める)40が収容されている。電池マウント42、44は、通常時(安全走行時)には、燃料電池40を支えるのに十分な強度を有する。燃料電池40からは、正極線60および負極線62が取り出されている。正極線60および負極線62は、システムメインリレー64を介して、電気式自動車10にモータ等(図示せず)の負荷に接続され、燃料電池40で発生した電力が、モータ等で利用可能になっている。システムメインリレー64は、電気式自動車10に設けられた衝撃センサ(図示せず)によって、電気式自動車10に所定値以上の衝撃が加えられたことが感知された場合にオフとなり、正極線60および負極線62とモータ等との接続を遮断する。なお、点線13の円は、前輪を示す。 【0021】図2は、電池収容ケース30および電池収容ケース30に収容された燃料電池40の斜視図である。燃料電池40は、高分子電解質膜(たとえば、フッ素系樹脂により形成された厚さ100μm−200μmのイオン交換膜)とこの高分子電解質膜を挟持する2つの電極(アノード電極およびカソードカソード電極)とで形成される単位電池46を、セパレータ48を介して複数積層し、さらに積層された単位電池40の両側から、導電性の材料で構成されるエンドプレート50,52により挟持されている。このエンドプレート50,52から、それぞれ、正極線60、負極線62が取り出されている。なお、通常時においては、この燃料電池40は電池収容ケース30とは、電気的に絶縁されている。衝撃センサによって、電気式自動車10に所定値以上の衝撃が加えられたことが感知された場合には、燃料電池40に供給される水素などの燃料供給ラインに設けられた開閉弁(図示せず)が閉じられ、燃料電池40への燃料の供給が遮断される。 【0022】なお、接触部36,38およびエンドプレート端部50a,52aは、続く図3において説明する。 【0023】図3は、図2のA−A線を通る水平面の断面図である。電池収容ケース30には、エンドプレート50,52の進行方向のエンドプレート端部50a,52aに対応して、接触部36,38が設けられている。接触部36,38は、通常時は、エンドプレート端部50a,52aとは、それぞれ空間を隔てて位置している。ただし、電気式自動車10が衝突などによる衝撃(外力)を受けると、電池収容ケース30の変形(具体的には、電池収容ケース30の前方の面がへこむこと)、または電池マウント42,44の変形もしくは破壊による燃料電池40の位置の変化(具体的には、燃料電池40が電池収容ケース30内で進行方向にずれること)によって、接触部36,38は、それぞれ、エンドプレート端部50a,52aと接触する。 【0024】これにより、電気式自動車10が衝突による衝撃を受けるという異常時においては、燃料電池40と抵抗体である電池収容ケース30とが電気的に接続され、電池収容ケース30に電流が流れることにより電池収容ケース30が発熱する。すなわち、燃料電池40で発生した電気エネルギーが熱エネルギーとして消費され、燃料電池40の電圧が降下する。燃料電池40の電圧の降下により、漏電時の危険性を低減することができる。このとき、燃料電池40への燃料供給は開閉弁により絶たれているので、消費すべき電気エネルギーは、異常時発生前に開閉弁よりも下流側(燃料電池40)に存在した燃料によって生じた電気エネルギーのみとなる。 【0025】なお、接触部36,38は、進行方向と反対側に設けてもよい。これによれば、異常時において電池収容ケース30の後方の面が変形した場合等にも、燃料電池40の電圧を降下させ、安全を確保することができる。 【0026】また、図4に示すように、接触部36、38を側面に設け、エンドプレート50,52とそれぞれ接続された端子50b,52bを、接触部36、38に対応して設けてもよい。これによれば、電気式自動車10の側面が外力によって変形した場合等にも、燃料電池40の電圧を降下させ、安全を確保することができる。 【0027】また、上記の例においては、エンドプレート50,52の端部50a,52aまたは、エンドプレート50,52に接続された端子50b,52bを利用して、異常時における燃料電池40と電池収容ケース30との導通を図られているが、同様な端子を単位電池46ごとに設けて、単位電池46ごとに電圧が降下するようにしてもよい。 【0028】図6は、別の実施形態における電気式自動車10のフロント部12の構成を示す図である。なお、基本的な構成は、図1および図2と同様であるので適宜説明を省略する。この場合には、自動車前方(たとえば、自動車フロントのバンパー内)に電池収容ケース30(抵抗体)と接続された端子70、および燃料電池40の正極と接続された端子72とが所定の距離を介して設置されている。燃料電池40の負極は、電池収容ケース30と接続されている。電気式自動車10が衝突すると、そのときの外力により、端子70と端子72とが接触し、燃料電池40で発生した電気エネルギーは、電池収容ケース30の発熱により熱エネルギーとして消費される。 【0029】これによれば、電池収容ケース30または燃料電池40自体にダメージがない場合においても、燃料電池40の電圧を降下させ、安全を確保することができる。 【0030】なお、以上の説明では、電池収容ケース30自体が抵抗体で形成されていたが、図5に示すように、電池収容ケース30は絶縁部材で形成し、別途、接触部36,38と接続された抵抗体74を電池収容ケース30内に設けてもよい。また、抵抗体は、所定の安全対策を施すことにより、電池収容ケース30の外に設けてもよい。 【0031】また、以上の説明では、電池として燃料電池を例にしたが、燃料電池の他にも2次電池、駆動用電源回路における平滑コンデンサ、ウルトラキャパシタ等電圧が残るものについても適用可能である。 【0032】 【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明によれば、万一事故が起きた場合に、自動車に搭載された電源の電圧を降下させることにより、安全性を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
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| 【出願日】 |
平成13年12月13日(2001.12.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075258 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−189415(P2003−189415A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月4日(2003.7.4) |
| 【出願番号】 |
特願2001−379448(P2001−379448) |
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