| 【発明の名称】 |
車両用燃料電池パワープラント |
| 【発明者】 |
【氏名】若林 計介 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】岩崎 靖和 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】走行に必要な燃料電池スタックの出力値を推測することによって、適切な暖機をして、無駄なエネルギーを消費しない車両用燃料電池パワープラントを提供する。
【解決手段】複数の燃料電池スタック部を備え、各燃料電池スタック部を独立して制御可能な燃料電池パワープラントにおいて、車両の走行開始から所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定する出力推定手段と、前記出力推定手段によって推定された燃料電池スタック部の出力から、起動する燃料電池スタック部を決定する起動スタック決定手段と、を備え、前記起動スタック決定手段によって決定された燃料電池スタック部を起動する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の燃料電池スタック部を備え、各燃料電池スタック部を独立して制御可能な燃料電池パワープラントにおいて、車両の走行開始から所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定する出力推定手段と、前記出力推定手段によって推定された燃料電池スタック部の出力から、起動する燃料電池スタック部を決定する起動スタック決定手段と、を備え、前記起動スタック決定手段によって決定された燃料電池スタック部を起動することを特徴とする車両用燃料電池パワープラント。 【請求項2】前記出力推定手段は、予め記憶された車両の走行パターンに関する情報から、所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定することを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料電池パワープラント。 【請求項3】前記出力推定手段は、設定された目的地までの経路に関する情報から、所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定することを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料電池パワープラント。 【請求項4】前記出力推定手段は、所定時間内に到達可能な場所まで経路に関する情報から、所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定することを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料電池パワープラント。 【請求項5】前記出力推定手段は、運転者が設定した値によって、所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定することを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料電池パワープラント。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は燃料電池を用いた車両用燃料電池パワープラントに関し、特に、その起動性の向上に関する。 【0002】 【従来の技術】燃料電池パワープラントには、特開2000−173638号に示されるものが提案されている。この燃料電池パワープラントでは、燃料電池を構成する発電部の一部のみに循環水を流して、一部の発電部のみを加熱することで、燃料電池を短時間で暖機している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した燃料電池システムでは、パワープラント全体の起動時間を短縮することはできても、実際の走行において、初期走行に必要な燃料電池スタックの出力が実際に発生可能な出力より少ない場合もあるので、必要とされていないスタックまで暖機し、多くの暖機エネルギーを消費する問題があった。また、起動直後に必要とされる燃料電池スタックの出力が、暖機中に燃料電池スタックが発生可能な出力よりも大きくなり、暖機中の走行エネルギーが不足する問題があった。 【0004】本発明は、走行に必要な燃料電池スタックの出力値を推定することにより、適切な暖機をして、無駄なエネルギーを消費しない車両用燃料電池パワープラントを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】第1の発明は、複複数の燃料電池スタック部を備え、各燃料電池スタック部を独立して制御可能な燃料電池パワープラントにおいて、車両の走行開始から所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定する出力推定手段と、前記出力推定手段によって推定された燃料電池スタック部の出力から、起動する燃料電池スタック部を決定する起動スタック決定手段と、を備え、前記起動スタック決定手段によって決定された燃料電池スタック部を起動する。 【0006】第2の発明は、第1の発明において、前記出力推定手段は、予め記憶された車両の走行パターンに関する情報から、所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定することを特徴とする。 【0007】第3の発明は、第1の発明において、前記出力推定手段は、設定された目的地までの経路に関する情報から、所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定することを特徴とする。 【0008】第4の発明は、第1の発明において、前記出力推定手段は、所定時間内に到達可能な場所まで経路に関する情報から、所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定することを特徴とする。 【0009】第5の発明は、第1の発明において、前記出力推定手段は、運転者が設定した値によって、所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定することを特徴とする。 【0010】 【発明の作用および効果】第1の発明では、複数の燃料電池スタック部を備え、各燃料電池スタック部を独立して制御可能な燃料電池パワープラントにおいて、車両の走行開始から所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定する出力推定手段と、前記出力推定手段によって推定された燃料電池スタック部の出力から、起動する燃料電池スタック部を決定する起動スタック決定手段と、を備え、前記起動スタック決定手段によって決定された燃料電池スタック部を起動するので、燃料電池パワープラント起動の際、車両走行開始時点から所定時間内に出す可能性のあるスタック出力を得るために、必要最小限のスタック数を算出することができる。また、所定時間内は一部のスタックだけを動作させて、その廃熱で他のスタックを運転可能な状態まで暖機するように構成すれば、燃料電池パワープラントの起動に要するエネルギーを削減することができる。 【0011】第2の発明では、前記出力推定手段は、予め記憶された車両の走行パターンに関する情報から、所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定するので、記憶された走行開始から所定時間内の走行パターンによって更新されたスタック必要出力を用いて起動スタック数を算出することから、出発地点が同じであれば、新たに起動するスタック数を設定する必要がなく、起動に要するエネルギーを予測することができる。 【0012】第3の発明では、前記出力推定手段は、設定された目的地までの経路に関する情報から、所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定するので、出発地点から目的地(例えば、カーナビゲーションに入力された行き先)までの道路状況から推定される出力を用いて起動スタック数を算出することから、道路状況や出発地点が変わっても、その状況に応じた必要最小限の起動スタック数を算出することができる。 【0013】第4の発明では、前記出力推定手段は、所定時間内に到達可能な場所まで経路に関する情報から、所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定するので、出発地点から所定時間内に行くことができるすべての場所までの間の必要とされるスタック出力を用いて起動スタック数を算出することから、出発時に考えていた行き先又は順路を変更してもスタック出力が不足することがない。 【0014】第5の発明では、前記出力推定手段は、運転者が設定した値によって、所定時間内に必要とされる燃料電池スタック部の出力を推定するので、運転者が任意に設定した出力値を用いて起動スタック数を算出することから、カーナビゲーションや渋滞情報等からは得ることのできなかった道路状況、急な走行状況の変更にも対応することができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。 【0016】図1〜図4は、本発明の実施の形態の車両用燃料電池パワープラントの構成を示す系統図である。 【0017】図1は、燃料電池パワーシステムを分割起動して、一つの燃料電池スタックを起動させるた状態を示す。 【0018】本実施の形態で用いる燃料電池10は、3つのスタック10a、10b、10cで構成されている。この燃料電池10は、3つの燃料電池スタックで構成されているが、スタック数は二つに限られるものではなく、燃料電池への負荷によって適宜決定することができる。また、燃料電池スタックは、複数個の別体の燃料電池スタックを用いてもよいし、一体の燃料電池スタック内のセルを複数のブロックで分割して構成し、各々独立に負荷を取り出すことができるように構成してもよい。 【0019】燃料電池スタック10a〜10cには循環水路が設けられており、燃料電池の動作中に燃料電池スタック10a〜10cを冷却する他、燃料電池の暖機中に燃料電池スタック10a〜10cを加熱する役割も有する。この循環水路には燃料電池に循環水を送るための圧力を生成するポンプ13、循環水を放熱させ、循環水の温度を低下させるラジエター12、暖機中に循環水を加熱するヒータ11が設けられている。 【0020】また、この循環水路には、循環水路を開閉して、その接続を変える切替弁(バルブ)21〜28が設けられている。この切替弁21〜28は制御装置(コントロールユニット C/U)14によって、その開閉が制御されている。図1には、この制御装置14からの制御回路を破線で示す。 【0021】また、燃料電池10には負荷Lが接続されている。また、燃料電池からの出力電圧を監視する電圧計Vが燃料電池10と並列に接続されている。また、燃料電池からの出力電流を監視する電流計Aが燃料電池と負荷Lとの間に、燃料電池に直列に接続されている。この電圧計V及び電流計Aは、制御装置14に接続されており、測定した電圧値及び電流値を制御装置14に送信している。 【0022】図1に示す状態では、初期に起動する燃料電池スタックの数が1個なので、燃料電池スタック10aに循環水が流れるように構成されている。具体的には切替弁21、22、24、25、26、27を作動させて、ポンプ13−切替弁21−燃料電池スタック10a−切替弁22−切替弁27−切替弁26−切替弁25−切替弁24−ヒータ11−ポンプ13の循環水流路を構成する。そして、ヒータ11で加熱した循環水をポンプ13の作用によって燃料電池スタック10aに送り、燃料電池スタック10aを暖機する。 【0023】なお、図1に示す状態では、暖機の際の熱効率を低下させないため、ラジエター12をバイパスさせるような循環水流路が形成されるように、切替弁24〜26を制御している。 【0024】図2は、燃料電池パワーシステムを分割起動して、二つの燃料電池スタックを起動させる状態を示す。図2に示す状態では、図1に示す例と同じ構成であり、同じ符号を付した構成は同じ動作をする。よって、これらの個々の構成の詳細な説明は省略する。 【0025】図2に示す状態では、初期に起動する燃料電池スタックの数が2個なので、燃料電池スタック10a、10bに循環水が流れるように構成されている。具体的には切替弁21、22、23、24、25、26、27、28を作動させて、ポンプ13−切替弁21−燃料電池スタック10a−切替弁22−燃料電池スタック10b−切替弁23−切替弁28−切替弁27−切替弁26−切替弁25−切替弁24−ヒータ11−ポンプ13の循環水流路を構成する。そして、ヒータ11で加熱した循環水をポンプ13の作用によって燃料電池スタック10a、10bに送り、燃料電池スタック10a及び10bを暖機する。 【0026】なお、図2に示す状態でも図1に示す構成と同様に、暖機の際の熱効率を低下させないため、ラジエター12をバイパスさせるような循環水流路が形成されるように、切替弁24〜26を制御している。 【0027】図3は、燃料電池パワーシステムの三つの燃料電池スタックを起動させる状態を示す。図3に示す構成は、図1、図2に示す例と構成は同じであり、同じ符号を付した構成は同じ動作をする。よって、これらの構成の詳細な説明は省略する。 【0028】図3に示す状態では、初期に起動する燃料電池スタックの数が3個なので、燃料電池スタック10a、10b、10cに循環水が流れるように構成されている。具体的には切替弁21、22、23、24、25、26、27、28を作動させて、ポンプ13−切替弁21−燃料電池スタック10a−切替弁22−燃料電池スタック10b−切替弁23−燃料電池スタック10c−切替弁28−切替弁27−切替弁26−切替弁25−切替弁24−ヒータ11−ポンプ13の循環水流路を構成する。そして、ヒータ11で加熱した循環水をポンプ13の作用によって燃料電池スタック10a、10b、10cに送り、燃料電池スタック10a、10b及び10cを暖機する。 【0029】なお、図3に示す状態でも図1、図2に示す構成と同様に、暖機の際の熱効率を低下させないため、ラジエター12をバイパスさせるような循環水流路が形成されるように、切替弁24〜26を制御している。 【0030】図4は、起動させた燃料電池スタックの廃熱でその余の未作動の燃料電池スタックの暖機を行う循環水流路を示す。すなわち、図1、図2に示す状態において、初期に作動させた燃料電池スタックの暖機が終了して、燃料電池スタックの冷却が必要になった後に、動作している燃料電池スタックから発生した熱によって、未作動の燃料電池スタックの暖機を行うものである。 【0031】具体的には、図1に示す状態において、燃料電池スタック10aの暖機が終了し、燃料電池スタック10aが動作を始めてその温度が上昇し、燃料電池スタックの冷却が必要になった後に、バルブ21〜28を動作させて、燃料電池スタック10a−切替弁22−燃料電池スタック10b−切替弁23−燃料電池スタック10c−切替弁28−切替弁27−切替弁26−切替弁25−切替弁21の循環水流路を構成して、燃料電池スタック10aによって循環水を加熱し、温度が上昇した循環水によって燃料電池スタック10b、10cに熱を供給して、燃料電池スタック10b、10cを暖機する。 【0032】以上、図1に示す状態において、燃料電池スタック10aの暖機が終了した場合について説明したが、図2に示す状態において、燃料電池スタック10a、10bの暖機が終了した場合についても同様に、燃料電池スタック10a、10bから発生した熱によって、燃料電池スタック10cの暖機を行うことができる。 【0033】また、暖機終了後の通常運転時には、バルブ21〜28を動作させて、燃料電池スタック10a−切替弁22−燃料電池スタック10b−切替弁23−燃料電池スタック10c−切替弁28−切替弁27−切替弁26−ラジエター12−切替弁24−切替弁25−切替弁21の循環水流路を構成して、燃料電池スタック10a、10b、10cによって発生した熱によって加熱された循環水を、ラジエター12で冷却する。なお、図4に示す一部の燃料電池スタックの暖機中にも、ラジエター12による冷却を併用して、循環水の温度上昇を抑えるようにしてもよい。 【0034】図5は、本発明の第1の実施の形態の車両用燃料電池パワープラントの起動処理を説明するフローチャートであり、特に、車両用燃料電池パワープラントの起動モード(起動スタック数)を決定する処理に特徴を有する。 【0035】運転者が車載燃料電池パワープラントの始動準備スイッチを操作して、コントロールユニットに対して燃料電池パワープラントの始動準備を指示する(S101)。そして、スタック必要出力を運転者が手動で設定するのか、自動で推定させるのかのモードを選択する(S102)。ステップS102において「手動」が選択された場合には、運転者からの必要出力の設定の入力を受け付けて(S109)、ステップS106に移行する。 【0036】一方、ステップS102において「自動」が選択された場合には、運転者の通常運転から導き出される運転パターンとして記憶されている運転パターンを示す値Lnを読み出す(S103)。この通常運転状態の運転パターンは後述(図7)する方法によって記憶されている。 【0037】そして、読み込んだ運転パターンから、所定時間内に出す可能性のあるスタック必要出力を決定して、必要出力を推定する(S104)。そして、推定された出力値を表示装置(図示省略)に表示して、運転者に推定された出力値が正しいかの確認を求める(S105)。この推定値の確認に対し、運転者が通常の運転と異なる運転を希望する場合又は道路工事情報、渋滞情報等の交通の状態が通常とは異なる状態であることを知っており、スタック必要出力を推定値からの変更が必要な場合には、ステップS109に移行し、運転者からの必要出力の設定の入力を受け付ける。 【0038】スタック必要出力推定値の確認(S105)又は必要出力の設定の入力(S109)によって、スタックの必要出力が決定したら、スタック必要出力と起動スタック数との関係を示すマップ(図6)を参照して(S106)、いくつの燃料電池スタックを起動すればよいかを選択して、起動モードを決定する(S107)。そして、車載燃料電池パワープラントの始動準備が完了したことを運転者に報知し、運転者が車載燃料電池パワープラントの始動スイッチを操作することで、燃料電池スタックの暖機を開始して、車載燃料電池パワープラントを始動する(S108)。なお、燃料電池パワープラントの始動操作(S108)と、燃料電池パワープラントの始動準備操作(S101)とを兼用して、燃料電池パワープラントの始動準備操作(S101)をすれば、燃料電池パワープラントの始動が終了すると、運転者が操作をすることなく燃料電池パワープラントが始動を開始するように構成してもよい。 【0039】図6は、本発明の実施の形態で使用される、スタック必要出力と起動スタック数との関係を示す図である。本関係図は、例えば、図5のステップS106において、スタックの必要出力から起動する燃料電池スタック数を決定して、起動モードを決定するために用いられる。 【0040】すなわち、上記の燃料電池パワープラントシステムにおいて、初期起動スタックの基準として車両走行開始から所定時間(例えば、10分以内)に出す可能性のあるスタック出力を、マップ(図6)に当てはめて起動するスタック数を決定する。 【0041】図7は、本発明の第1の実施の形態の車両用燃料電池パワープラントの起動処理(図5のS103)で使用される運転パターンの記憶処理を説明するフローチャートである。 【0042】まず、運転パターンの記憶処理に必要な初期設定として、タイマカウンタをゼロにして、タイマを初期化する(S121)。そして、車速センサの出力値を取得して、車速が正の値であるか(又は、車速がゼロでないか)を判定して、走行状態であるか否かを判定する(S121)。車速が正の値でなければ(S121で”NO”)、走行中でないので、ステップS121で、引き続き車速の値によって走行状態であるかを監視する。すなわち、車両が走行してからシステム負荷の読み取る(S124)ために、車両が走行を開始して、車速が正となるまでは、システム負荷のデータを収集せず、ステップS122で待機する。 【0043】一方、車速が正の値であれば(S121で”YES”)、走行中なので、ステップS123以後の処理に移行して、走行データを収集し、運転パターンを記憶する。ステップS123では、車両走行開始から所定時間の運転パターンのデータを収集するために、タイマを作動して、タイマカウンタ値の加算(T=T+1)をする(S123)。そして、燃料電池に接続された電圧計から出力される燃料電池スタックの出力電圧、及び電流計から出力される燃料電池スタックからの出力電流を監視し、システム負荷を算出する。そして、システム負荷の最大値をLmaxとして記憶する。 【0044】そして、所定時間(例えば、10分間)の運転パターンを記憶するために、タイマカウンタ値が所定値に至っていないかによって、走行開始から所定時間が経過していないかを監視する(S125)。所定時間が経過していなければ(S125で”NO”)、ステップS124に戻り、さらに、燃料電池スタックの出力電流及び出力電圧によって、システム負荷を監視して、システム負荷の最大値をさらに更新する。 【0045】一方、所定時間が経過していなければ(S125で”YES”)、前回までの走行時に収集した運転パターンのデータとの加重平均によって、運転パターンとして記憶される、システム最大負荷の値を更新する(S126)。すなわち、前回の走行時に算出された、運転者の通常運転から導出される運転パターンとしての最大負荷値をLn-1とすると、今回の走行時に算出された、運転者の通常運転から導出される運転パターンとしての最大負荷値Lnを、Ln=rLn-1+(1−r)Lmaxによって導出する。上式において、rは、0<r<1の所定値であり、今回収集したデータの重みを定める係数である。 【0046】図8は、本発明の第2の実施の形態の車両用燃料電池パワープラントの起動処理を説明するフローチャートである。この第2の実施の形態は、図5において前述した第1の実施の形態と異なり、目的地までの経路の情報によって燃料電池パワープラントの起動モードを決定する点に特徴を有する。 【0047】運転者が車載燃料電池パワープラントの始動準備スイッチを操作して、コントロールユニットに対して燃料電池パワープラントの始動準備を指示する(S141)。そして、スタック必要出力を運転者が手動で設定するのか、自動で推定させるのかのモードを選択する(S142)。ステップS142において「手動」が選択された場合には、運転者からの必要出力の設定の入力を受け付けて(S150)、ステップS147に移行する。 【0048】一方、ステップS142において「自動」が選択された場合には、運転者にカーナビゲーションシステムに目的地を設定するように促し、運転者が設定した目的地の情報の入力を受け付ける(S143)。 【0049】そして、目的地までの順路を検索して、目的地までのすべての順路を考慮して、道路状況の情報を収集する(S144)。この情報の収集は、カーナビゲーションシステムに設けられた記録媒体(メモリ、ディスク装置等)から読み出してもよく、携帯電話システム等の通信手段を用いることによって車両と外部装置(例えば、情報センターに設けられたサーバ装置)とを接続して、該装置に記憶された情報の提供を受けるように構成してもよい。この収集される道路状況の情報は、走行予定の道路が高速道路であるのか一般道路であるのか、走行予定の道路の制限速度の情報、走行予定の道路の勾配に関する情報(平坦か、上り勾配か、下り勾配か)、走行予定の道路の渋滞情報等が収集される。そして、カーナビゲーションシステムから得られた情報から、車両走行開始後所定時間内に到達する道路の状況を抽出して、その道路を走行する際に必要となる可能性のあるスタック出力を推定する(S145)。すなわち、カーナビゲーションシステムから得られた道路情報から、走行予定経路の勾配データと走行速度データとを算出して、その勾配において、その車速で走行するのに必要とされる出力を、別に記憶されたマップを参照して決定して、必要出力を推定する。なお、このマップは実験的に又はシュミレーションによって、設計段階で求められたものであり、表(テーブル)形式や、近似式で提供され、記憶されているものでもよい。 【0050】そして、推定された出力値を表示装置(図示省略)に表示して、運転者に推定された出力値が正しいかの確認を求める(S146)。この推定値の確認に対し、運転者が通常の運転と異なる運転を希望する場合又は道路工事情報、渋滞情報等の交通の状態が通常とは異なる状態であることを知っており、スタック必要出力を推定値からの変更が必要な場合には、ステップS150に移行し、運転者からの必要出力の設定の入力を受け付ける。 【0051】スタック必要出力推定値の確認(S146)又は必要出力の設定の入力(S150)によって、スタックの必要出力が決定したら、スタック必要出力と起動スタック数との関係を示すマップ(図6)を参照して(S147)、いくつの燃料電池スタックを起動すればよいかを選択して、起動モードを決定する(S148)。そして、車載燃料電池パワープラントの始動準備が完了したことを運転者に報知し、運転者が車載燃料電池パワープラントの始動スイッチを操作することで、燃料電池スタックの暖機を開始して、車載燃料電池パワープラントを始動する(S149)。なお、燃料電池パワープラントの始動操作(S149)と、燃料電池パワープラントの始動準備操作(S141)とを兼用して、燃料電池パワープラントの始動準備操作(S141)をすれば、燃料電池パワープラントの始動が終了すると、運転者が操作をすることなく燃料電池パワープラントが始動を開始するように構成してもよい。 【0052】図9は、本発明の第3の実施の形態の車両用燃料電池パワープラントの起動処理を説明するフローチャートである。この第3の実施の形態は、図5、図8において前述した他の実施の形態と異なり、所定時間内に到達可能な場所までの経路情報によって燃料電池パワープラントの起動モードを決定する点に特徴を有する。 【0053】運転者が車載燃料電池パワープラントの始動準備スイッチを操作して、コントロールユニットに対して燃料電池パワープラントの始動準備を指示する(S161)。そして、スタック必要出力を運転者が手動で設定するのか、自動で推定させるのかのモードを選択する(S162)。ステップS162において「手動」が選択された場合には、運転者からの必要出力の設定の入力を受け付けて(S169)、ステップS166に移行する。 【0054】一方、ステップS162において「自動」が選択された場合には、カーナビゲーションシステムによって、所定時間内に到達可能な場所までのすべての場所までの経路を検索して、この検索された経路の、道路状況の情報を収集する(S163)。例えば、現在地から所定(例えば、5km)の半径の円内の道路情報を収集する。 【0055】この情報の収集は、図8の説明において前述したようにカーナビゲーションシステムに設けられた記録媒体(メモリ、ディスク装置等)から読み出してもよく、携帯電話システム等の通信手段を用いることによって車両と外部装置(例えば、情報センターに設けられたサーバ装置)とを接続して、該装置に記憶された情報の提供を受けるように構成してもよい。この収集される道路状況の情報は、走行予定の道路が高速道路であるのか一般道路であるのか、走行予定の道路の制限速度の情報、走行予定の道路の勾配に関する情報(平坦か、上り勾配か、下り勾配か)、走行予定の道路の渋滞情報等が収集される。そして、カーナビゲーションシステムから得られた情報から、車両走行開始後所定時間内に到達する可能性のある道路について、その道路を走行する際に必要となる可能性のあるスタック出力を推定する(S164)。すなわち、カーナビゲーションシステムから得られた道路情報から、走行予定経路の勾配データと走行速度データとを算出して、その勾配において、その車速で走行するのに必要とされる出力を、別に記憶されたマップを参照して決定して、必要出力を推定する。なお、このマップは実験的に又はシュミレーションによって、設計段階で求められたものであり、表(テーブル)形式や、近似式で提供され、記憶されているものでもよい。 【0056】そして、推定された出力値を表示装置(図示省略)に表示して、運転者に推定された出力値が正しいかの確認を求める(S165)。この推定値の確認に対し、運転者が通常の運転と異なる運転を希望する場合又は道路工事情報、渋滞情報等の交通の状態が通常とは異なる状態であることを知っており、スタック必要出力を推定値からの変更が必要な場合には、ステップS159に移行し、運転者からの必要出力の設定の入力を受け付ける。 【0057】スタック必要出力推定値の確認(S165)又は必要出力の設定の入力(S159)によって、スタックの必要出力が決定したら、スタック必要出力と起動スタック数との関係を示すマップ(図6)を参照して(S166)、いくつの燃料電池スタックを起動すればよいかを選択して、起動モードを決定する(S167)。そして、車載燃料電池パワープラントの始動準備が完了したことを運転者に報知し、運転者が車載燃料電池パワープラントの始動スイッチを操作することで、燃料電池スタックの暖機を開始して、車載燃料電池パワープラントを始動する(S168)。なお、燃料電池パワープラントの始動操作(S168)と、燃料電池パワープラントの始動準備操作(S161)とを兼用して、燃料電池パワープラントの始動準備操作(S161)をすれば、燃料電池パワープラントの始動が終了すると、運転者が操作をすることなく燃料電池パワープラントが始動を開始するように構成してもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成13年12月19日(2001.12.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075513 【弁理士】 【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−189414(P2003−189414A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月4日(2003.7.4) |
| 【出願番号】 |
特願2001−385713(P2001−385713) |
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