| 【発明の名称】 |
電動機搭載車両 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅野 善仁 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】電動機車両における機械式制動装置の負荷の軽減、減速時におけるドライバビリティの向上。
【解決手段】ECU40は、取得したアクセル開度θaccおよび車速Vcから車両の制動要求が発生していると判断すると、第2、第3リレー32,33をオンし、第1リレー31をオフして、駆動用モータ21と可変抵抗器25とを直列に接続する。駆動用モータ21は車輪24を介して入力される外部動力によって駆動され、発電ブレーキとして機能する。ECU40は、アクセル開度θaccおよび車速Vcに基づき、可変抵抗値Rvを設定する。したがって、駆動用モータ21にて生成された電力はインバータ22を介して適当な抵抗値Rvに設定された可変抵抗器25で消費される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動機により車両に要求される車両要求出力を出力する車両であって、電力を生成する燃料電池と、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、電力を消費する電力消費手段と、前記燃料電池と前記電力消費手段とを接続する第1の接続状態と、前記電動機と前記電力消費手段とを接続する第2の接続状態と、前記燃料電池と前記電動機とを接続する第3の接続状態とに選択的に切り替えられる切替装置と、前記検出された燃料電池の温度が所定温度以下の場合には、前記切替装置を第1の接続状態に切り替える切替装置制御手段とを備える車両。 【請求項2】 請求項1に記載の車両において、前記電力消費手段は、前記温度検出手段によって検出された温度が前記所定温度より低くなるにつれて抵抗値が大きくなる可変抵抗体である車両。 【請求項3】 請求項1に記載の車両はさらに、前記車両要求出力の低減を検出する検出手段と、前記車両要求出力の低減が検出された場合には、前記電動機を制動手段として作動させる電動機制御手段とを備え、前記切替装置制御手段は、前記車両要求出力の低減が検出された場合には、前記切替装置を第2の接続状態に切り替える車両。 【請求項4】 請求項3に記載の車両はさらに、前記車両要求出力を入力するアクセルペダルと、前記車両の車両速度を検出する車速検出手段とを備え、前記検出手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が所定値以下であると共に、前記検出された車両速度が所定値以上である場合に車両要求出力の低減を検出する車両。 【請求項5】 請求項4に記載の車両において、前記電力消費手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が前記所定値よりも小さくなるにつれて抵抗値が大きくなる可変抵抗体である車両。 【請求項6】 請求項1に記載の車両はさらに、前記車両要求出力の低減を検出する検出手段を備え、前記切替装置制御手段は、前記車両要求出力の低減が検出されないと共に、前記検出された燃料電池の温度が所定温度よりも高い場合には、前記切替装置を第3の接続状態に切り替える車両。 【請求項7】 電動機により車両に要求される車両要求出力を出力する車両であって、前記電動機に対して電力を供給する電源と、前記車両要求出力の低減を検出する低減検出手段と、前記車両要求出力の低減が検出された場合には、前記電動機を制動手段として作動させる電動機制御手段と、制動手段として作動する前記電動機により生成された電力を消費する電力消費手段と、前記電動機と前記電力消費手段とを接続する第1の接続状態と、前記電源と前記電動機とを接続する第2の接続状態とに選択的に切り替えられる切替装置と、前記車両要求出力の低減が検出された場合には、前記切替装置を第1の接続状態に切り替える切替装置制御手段とを備える車両。 【請求項8】 請求項7に記載の車両はさらに、前記車両要求出力を入力するアクセルペダルを備え、前記低減検出手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が減少変化する場合に車両要求出力の低減を検出する車両。 【請求項9】 請求項8に記載の車両において、前記電力消費手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が減少するにつれて抵抗値が大きくなる可変抵抗体である車両。 【請求項10】 請求項8に記載の車両において、前記電力消費手段は、前記車両要求出力の低減が検出された場合に駆動される補記駆動用電動機である車両。 【請求項11】 請求項7に記載の車両はさらに、前記車両要求出力を入力するアクセルペダルを備え、前記車両の車両速度を検出する車速検出手段とを備え、前記低減検出手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が所定値以下であると共に、前記検出された車両速度が所定値以上である場合に車両要求出力の低減を検出する車両。 【請求項12】 請求項11に記載の車両において、前記電力消費手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が前記所定値よりも小さくなるにつれて抵抗値が大きくなる可変抵抗体である車両。 【請求項13】 請求項7に記載の車両において、前記切替装置制御手段は、前記車両要求出力の低減が検出されない場合には、前記切替装置を第2の接続状態に切り替える車両。 【請求項14】 請求項7ないし請求項13のいずれかに記載の車両において、前記電源は燃料電池である車両。 【請求項15】 請求項14に記載の車両において、前記電源はさらに、二次電池を含む車両。 【請求項16】 電動機により車両に要求される車両要求出力を出力する車両であって、電力を充放電する二次電池と、電力を消費する電力消費手段と、前記電動機と前記電力消費手段とを接続する第1の接続状態と、前記二次電池と前記電動機とを接続する第2の接続状態とに選択的に切り替えられる切替装置と、前記車両要求出力の低減を検出する低減検出手段と、前記車両要求出力の低減が検出された場合には、前記電動機を制動手段として作動させる電動機制御手段と、前記車両要求出力の低減が検出されると共に、前記二次電池の充電量が所定値以上の場合には、前記切替装置を第1の接続状態に切り替える切替装置制御手段とを備える車両。 【請求項17】 請求項16に記載の車両において、前記切替装置制御手段は、前記車両要求出力の低減が検出されると共に、前記二次電池の充電量が所定値未満の場合には、前記切替装置を第2の接続状態に切り替える車両。 【請求項18】 請求項16または請求項17に記載の車両はさらに、主電源としての燃料電池を備え、前記切替装置は、前記第1および第2の接続状態と選択的に切り替えられる、前記燃料電池と前記電動機とを接続する第3の接続状態を有し、前記切替装置制御手段は、前記車両要求出力の低減が検出されない場合には、前記切替装置を前記第3の接続状態に切り替える車両。 【請求項19】 請求項16ないし請求項18のいずれかに記載の車両はさらに、前記車両要求出力を入力するアクセルペダルを備え、前記車両の車両速度を検出する車速検出手段とを備え、前記低減検出手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が所定値以下であると共に、前記検出された車両速度が所定値以上である場合に車両要求出力の低減を検出する車両。 【請求項20】 請求項19に記載の車両において、前記電力消費手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が前記所定値よりも小さくなるにつれて抵抗値が大きくなる可変抵抗体である車両。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動機を駆動力源として備える車両における制動制御に関する。 【0002】 【従来の技術】これまで、一般的に用いられてきた内燃機関を駆動力源として備える車両では、アクセルペダルの踏み込み量を減少させると、内燃機関内部の摩擦損失、ポンピングロス等に起因する、いわゆる、エンジンブレーキの効果が得られるため、車両速度を容易に微調整することができる。特に、車両速度が比較的高い領域では、エンジンブレーキによって車両速度を所望の車両速度まで減速させることができるため、機械的な制動装置に掛かる負荷を軽減することができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】これに対して、電動機のみを駆動力源として備える車両では、アクセルペダルの踏み込み量が減少した場合であっても、内燃機関と比較して摩擦損失の少ない電動機は慣性によって駆動力を出力し続けるため、エンジンブレーキのような適当な制動力を得ることができない。したがって、内燃機関車両と比較して、アクセルペダルによる車両速度の調整が困難であり、ドライバビリティの点においても違和感があるという問題がある。 【0004】さらに、適切な制動力を得るためには、機械的な制動装置に依存するしかなく、内燃機関車両と比較して制動装置に掛かる負荷が大きく、制動装置をそれなりに強化しなければならないという問題があった。この問題に対して、一部の電動機車両では、回生ブレーキを採用して制動力を得るものもあるが、二次電池が満充電状態となった後は、回生ブレーキを使用することはできなくなるため、以前として機械式ブレーキを強化しなければならないという問題が残る。 【0005】本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、電動機車両における機械式制動装置の負荷を軽減することを目的とする。また、電動機車両において減速時におけるドライバビリティを向上させることを目的とする。さらに、燃料電池を電源とする電動機車両において機械式制動装置の負荷の軽減と、燃料電池の早期暖機完了とを両立させることを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段および作用・効果】上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、電動機により車両に要求される車両要求出力を出力する車両を提供する。本発明の第1の態様に係る車両は、電力を生成する燃料電池と、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、電力を消費する電力消費手段と、前記燃料電池と前記電力消費手段とを接続する第1の接続状態と、前記電動機と前記電力消費手段とを接続する第2の接続状態と、前記燃料電池と前記電動機とを接続する第3の接続状態とに選択的に切り替えられる切替装置と、前記検出された燃料電池の温度が所定温度以下の場合には、前記切替装置を第1の接続状態に切り替える切替装置制御手段とを備えることを特徴とする。 【0007】本発明の第1の態様に係る車両によれば、電力消費手段は燃料電池および電動機のいずれか一方と選択的に接続されるので、かかる電力消費手段によって燃料電池の暖機の促進および車両制動時における発電ブレーキの双方を実現することができる。燃料電池の温度が所定温度以下である場合には、電力消費手段は燃料電池と接続されるので、燃料電池は高負荷運転によって早期に暖機される。 【0008】本発明の第1の態様に係る車両において、前記電力消費手段は、前記温度検出手段によって検出された温度が前記所定温度より低くなるにつれて抵抗値が大きくなる可変抵抗体であっても良い。かかる場合には、燃料電池の温度に応じて適切な負荷を燃料電池に付与することができるので、燃料電池の温度にかかわらず燃料電池の暖機時間を短縮することができる。 【0009】本発明の第1の態様に係る車両はさらに、前記車両要求出力の低減を検出する検出手段と、前記車両要求出力の低減が検出された場合には、前記電動機を制動手段として作動させる電動機制御手段とを備え、前記切替装置制御手段は、前記車両要求出力の低減が検出された場合には、前記切替装置を第2の接続状態に切り替えても良い。かかる場合には、電動機を制動手段として作動させることができるので、機械式ブレーキの負荷を軽減することができる。また、制動手段として作動する電動機によって生成された電力は電力消費手段によって消費されるので、回生不能の問題に陥ることなく、必要に応じて電動機によって車両を制動することができる。したがって、電動機車両のドライバビリティを向上させることができる。 【0010】本発明の第1の態様に係る車両はさらに、前記車両要求出力を入力するアクセルペダルと、前記車両の車両速度を検出する車速検出手段とを備え、前記検出手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が所定値以下であると共に、前記検出された車両速度が所定値以上である場合に車両要求出力の低減を検出しても良い。かかる場合には、車両要求出力の低減をより的確に検出することができる。 【0011】本発明の第1の態様に係る車両において、前記電力消費手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が前記所定値よりも小さくなるにつれて抵抗値が大きくなる可変抵抗体であっても良い。かかる場合には、車両要求出力の低減の程度に応じて適切に電力を消費することができる。 【0012】本発明の第1の態様に係る車両はさらに、前記車両要求出力の低減を検出する検出手段を備え、前記切替装置制御手段は、前記車両要求出力の低減が検出されないと共に、前記検出された燃料電池の温度が所定温度よりも高い場合には、前記切替装置を第3の接続状態に切り替えても良い。かかる場合には、電動機車両を通常の運転状態にて運転させることができる。 【0013】本発明の第2の態様は、電動機により車両に要求される車両要求出力を出力する車両を提供する。本発明の第2の態様に係る車両は、前記電動機に対して電力を供給する電源と、前記車両要求出力の低減を検出する低減検出手段と、前記車両要求出力の低減が検出された場合には、前記電動機を制動手段として作動させる電動機制御手段と、制動手段として作動する前記電動機により生成された電力を消費する電力消費手段と、前記電動機と前記電力消費手段とを接続する第1の接続状態と、前記電源と前記電動機とを接続する第2の接続状態とに選択的に切り替えられる切替装置と、前記車両要求出力の低減が検出された場合には、前記切替装置を第1の接続状態に切り替える切替装置制御手段とを備えることを特徴とする。 【0014】本発明の第2の態様に係る車両によれば、車両要求出力の低減を検出した場合には、電動機を制動手段として作動させることができるので、機械式ブレーキの負荷を軽減することができる。また、制動手段として作動する電動機によって生成された電力は電力消費手段によって消費されるので、回生不能の問題に陥ることなく、必要に応じて電動機によって車両の制動することができる。したがって、電動機車両のドライバビリティを向上させることができる。 【0015】本発明の第2の態様に係る車両はさらに、前記車両要求出力を入力するアクセルペダルを備え、前記低減検出手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が減少変化する場合に車両要求出力の低減を検出しても良い。かかる場合には、アクセルペダルの操作に伴う車両要求出力の低減を検出することができるので、電動機車両において内燃機関車両のドライバビリティと同等のドライバビリティを実現することができる。 【0016】本発明の第2の態様に係る車両において、前記電力消費手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が減少するにつれて抵抗値が大きくなる可変抵抗体であっても良く、あるいは、前記車両要求出力の低減が検出された場合に駆動される補記駆動用電動機であっても良い。いずれの場合にも発電機として作動する電動機の負荷として機能するので、電動機の回転を低下させて、制動力を得ることができる。 【0017】本発明の第2の態様に係る車両はさらに、前記車両要求出力を入力するアクセルペダルを備え、前記車両の車両速度を検出する車速検出手段とを備え、前記低減検出手段は、前記アクセルペダルの踏み込み量が所定値以下であると共に、前記検出された車両速度が所定値以上である場合に車両要求出力の低減を検出しても良い。かかる場合には、車両要求出力の低減をより的確に検出することができる。 【0018】本発明の第2の態様に係る車両において、前記電源は燃料電池であっても良く、また、前記電源はさらに、二次電池を含んでも良い。前者の場合には、燃料電池のみを電源とする電動機車両となり、後者の場合には、例えば、燃料電池を主電源、二次電池を補助電源とする電動機車両となり得る。 【0019】本発明の第2の態様に係る車両は、この他にも本発明の第1の態様に係る車両と同様にして種々の態様にて実現され得る。 【0020】本発明の第3の態様は、電動機により車両に要求される車両要求出力を出力する車両を提供する。本発明の第3の態様に係る車両は、電力を充放電する二次電池と、電力を消費する電力消費手段と、前記電動機と前記電力消費手段とを接続する第1の接続状態と、前記二次電池と前記電動機とを接続する第2の接続状態とに選択的に切り替えられる切替装置と、前記車両要求出力の低減を検出する低減検出手段と、前記車両要求出力の低減が検出された場合には、前記電動機を制動手段として作動させる電動機制御手段と、前記車両要求出力の低減が検出されると共に、前記二次電池の充電量が所定値以上の場合には、前記切替装置を第1の接続状態に切り替える切替装置制御手段とを備えることを特徴とする。 【0021】本発明の第3の態様に係る車両によれば、車両要求出力の低減を検出したとき、二次電池の充電量が所定値以上の場合には、制動手段として作動する電動機によって生成された電力を電力消費手段によって消費させるので、回生不能の問題に陥ることなく、必要に応じて電動機によって車両を制動することができる。したがって、機械式ブレーキの負荷を軽減することができる。また、電力消費手段によって電力が消費されることによって、電動機の回転を低下させることができるので、電動機車両のドライバビリティを向上させることができる。 【0022】本発明の第3の態様に係る車両において、前記切替装置制御手段は、前記車両要求出力の低減が検出されると共に、前記二次電池の充電量が所定値未満の場合には、前記切替装置を第2の接続状態に切り替えても良い。かかる場合には、電動機によって消費された電力の一部を回収することができるので、車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。 【0023】本発明の第3の態様に係る車両はさらに、主電源としての燃料電池を備え、前記切替装置は、前記第1および第2の接続状態と選択的に切り替えられる、前記燃料電池と前記電動機とを接続する第3の接続状態を有し、前記切替装置制御手段は、前記車両要求出力の低減が検出されない場合には、前記切替装置を前記第3の接続状態に切り替えても良い。かかる場合には、燃料電池によって電動機を作動させることができると共に、電動機によって消費された電力の一部を二次電池に蓄電することができる。 【0024】本発明の第3の態様に係る車両は、この他にも本発明の第1の態様に係る車両と同様にして種々の態様にて実現され得る。 【0025】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下、図面を参照しつついくつかの実施例に基づいて説明する。 【0026】・第1の実施例:図1を参照して第1の実施例に係る電動機車両のシステム構成について説明する。図1は、第1の実施例に係る電動機車両システムの一構成例を示す説明図である。電動機車両10は、電源としての燃料電池20、電源から得た電力を駆動力に変換して出力する駆動用モータ(電動機)21、駆動用モータ21の動作を制御するインバータ22、車両10に対して要求する出力を入力するためのアクセルペダル23、駆動用モータ21によって駆動される車輪24、抵抗値を連続的に変更可能な可変抵抗器25を備えている。 【0027】燃料電池20、インバータ22および可変抵抗器25は、選択的に3種類の電気的な閉回路を形成するよう互いに電力線を介して接続されている。より具体的には、車両要求出力が減少した場合(制動力が要求される場合)には、第1リレー31がオフされ、第2および第3のリレー32,33がオンされて、インバータ22と可変抵抗器25とが直列に接続される閉回路が形成される。通常運転時には、第2リレー32がオフされ、第1および第3リレー31,33がオンされて、燃料電池20とインバータ22とが直列に接続される閉回路が形成される。燃料電池20の暖機運転時には、第3リレー33がオフされ、第1および第2にリレー31,32がオンされて、燃料電池20と可変抵抗器25とが直列に接続される閉回路が形成される。 【0028】電動機車両10は、燃料電池20および駆動用モータ21の運転、第1〜第3リレー31,32,33のオン・オフ、可変抵抗器25の抵抗値を制御する電子制御ユニット(ECU)40を備えている。ECU40には、図示しない中央処理装置(CPU)、記憶装置(RAM、ROM)等が備えられている。 【0029】ECU40には、アクセルペダルの踏み込み量をアクセル開度θとして出力するアクセル開度センサ41、車輪24の近傍に配置され車両速度を検出する車速センサ42、燃料電池20の温度を検出する温度センサ43といった車両10の運転状態を検出する各種センサが信号線を介して接続されている。ECU40にはまた、第1〜第3リレー31,32,33、インバータ22、可変抵抗器25が信号線を介して接続されている。 【0030】燃料電池20は、図示しない改質装置によって生成された水素を含有する改質ガス、あるいは、水素ガスを燃料として消費し、電力を発生する電池である。なお、本実施例では、改質ガス、空気等の燃料供給系については図示を省略した。 【0031】駆動用モータ21は、例えば、三相の同期モータであり、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成するための三相コイルが巻回されたステータとを備える。駆動用モータ21のロータは、ギヤ機構等を介して車輪24と接続されている。駆動用モータ21は、ロータに備えられた永久磁石による磁界とステータの三相コイルによって形成される磁界との相互作用によって回転して必要な駆動力を車輪24に出力する。車速の減速要求(制動要求)が発生した場合には、ロータを外力によって駆動させることにより、駆動用モータ21は、これら磁界の相互作用により三相コイルの両端に起電力を生成させる発電ブレーキとして機能させられる。 【0032】図2および図3を参照して、第1の実施例に係る電動機車両10において実行される燃料電池20の暖機運転時処理について説明する。図2は第1の実施例に係る電動機車両において燃料電池を暖機運転する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。図3は燃料電池の暖機運転時に、可変抵抗器25の抵抗値を設定するために用いられるマップの一例を示す説明図である。 【0033】本処理ルーチンは、例えば、電動機車両10の始動要求が発生すると開始される。なお、本処理ルーチン開始時には、第1〜第3リレー31,32,33はオフされている。ECU40は、燃料電池20の温度Tfcを温度センサ43を介して取得し(ステップS100)、燃料電池20の温度Tfcが所定温度Tref以下であるか否かを判定する(ステップS110)。所定温度Trefは、例えば、摂氏0度であり、燃料電池20の運転に伴い生成された生成水が凍結するおそれがあるか否かを判断する。ECU40は、燃料電池20の温度Tfcが所定温度Trefよりも高いと判定した場合には(ステップS110:No)、生成水が凍結するおそれはないので、第1リレー31および第3リレー33をオンし、第2リレー32をオフした後に本処理ルーチンを終了して通常の燃料電池の運転処理を実行する。 【0034】ECU40は、燃料電池20の温度Tfcが所定温度Tref以下であると判定した場合には(ステップS110:Yes)、第1リレー31および第2リレー32をオンし、第3リレー33をオフして、燃料電池20と可変抵抗器25とを直列に接続する(ステップS120)。ECU40は図3に示すマップを用いて、取得した燃料電池20の温度Tfcに基づいて可変抵抗器25の可変抵抗値Rvを決定し、可変抵抗器25の抵抗値を決定した可変抵抗値Rvに設定して(ステップS130)本処理ルーチンを終了する。 【0035】図3のマップは、横軸に検出された燃料電池温度Tfc、縦軸に可変抵抗値Rvを示す。図3に示すように、可変抵抗値Rvは、検出された温度Tfcが低くなるにつれて大きくなり、燃料電池20は高負荷の下、運転される。この結果、燃料電池20内部における反応が促進され、暖機運転時間を短縮することができる。よって、燃料電池20の低温始動時、運転時に問題となる燃料電池20の運転に伴い生成された生成水の凍結を防止することができる。 【0036】図4〜図6を参照して、第1の実施例に係る電動機車両10において実行される車両制動制御処理について説明する。図4は第1の実施例に係る電動機車両において実行される車両制動制御処理ルーチンを示すフローチャートである。図5は制動処理時に、アクセル開度θaccから基準抵抗値を求めるために用いられるマップの一例を示す説明図である。図6は制動処理時に、車速Vcから基準抵抗値に対する補正値を求めるために用いられるマップの一例を示す説明図である。 【0037】本処理ルーチンは、電動機車両10における車両要求出力が減少している場合(車両速度の減速、制動が要求されている場合)に適切に実行される必要があるので、所定時間毎に繰り返し実行される。本処理ルーチンが実行されると、ECU40は、アクセル開度センサ41からアクセル開度θaccを取得し、速度センサ42から車速Vcを取得する(ステップS200)。 【0038】ECU40は、取得したアクセル開度θaccが所定のアクセル開度θref以下であるか否かを判定し(ステップS210)、アクセル開度θaccが所定のアクセル開度θref以下であると判定した場合には(ステップS210:Yes)、取得した車速Vcが所定の車速Vref以上であるか否かを判定する(ステップS220)。 【0039】ECU40は、車速Vcが所定の車速Vref以上であると判定した場合には(ステップS220:Yes)、第2リレー32および第3リレー33をオンし、第1リレー31をオフして(ステップS230)、駆動用モータ21と可変抵抗器25とを直列に接続する、制動時の回路構成を形成する。この結果、電源である燃料電池20と駆動用モータ21(インバータ22)との電気的な接続が遮断されるため、駆動用モータ21は車輪24を介して入力される外部動力によって駆動され、発電ブレーキとして機能する。車速Vcがある程度高い領域で、アクセル開度θaccが小さい場合には、一般的に、アクセルペダル23の操作による減速要求(制動要求)が発生していると考えられるからである。 【0040】ECU40は、図5に示すマップを用いて取得したアクセル開度θaccに基づき、基準となる可変抵抗値Rvbを決定し、図6に示すマップを用いて取得した車速Vcに基づき、基準可変抵抗値Rvbの補正値を決定する。設定すべき可変抵抗値Rvは、基準可変抵抗値Rvbに補正値を乗ずることによって求められる(ステップS240)。ECU40は、可変抵抗器25の抵抗値を、求めた可変抵抗値Rvに設定して本処理ルーチンを終了する。 【0041】この結果、駆動用モータ21にて生成された電流はインバータ22を介して可変抵抗器25を流れるので、駆動用モータ21にて機械エネルギ(駆動力)から生成された電気エネルギ(電力)は熱エネルギとして消費される。したがって、駆動用モータ21を回生ブレーキとして用いる場合に問題となる回生不能状態に陥ることなく、必要に応じて駆動用モータ21による車両制動を実行することができる。 【0042】また、駆動用モータ21が外部抵抗を介して短絡される場合には、電流値の低下によって駆動用モータ21のロータの回転速度が抑制されるため、駆動用モータ21の慣性動作そのものを制動して内燃機関におけるエンジンブレーキと同様の制動力をえることができる。さらに、図5および図6から理解されるように、可変抵抗器25の可変抵抗値Rvは、要求される制動力が大きくなるにつれて高く設定されるので、駆動用モータ21のロータの回転をより効果的に抑制することができる。 【0043】ECU40は、アクセル開度θaccが所定のアクセル開度θrefより大きいと判定した場合(ステップS210:No)、および、取得した車速Vcが所定の車速Vref未満であると判定した場合(ステップS220:No)には、第1リレー31および第3リレー33をオンし、第2リレーをオフして燃料電池20と駆動用モータ21とを接続して(ステップS250)、本処理ルーチンを終了する。かかる場合には、駆動用モータ21を用いた制動は不要であるから、各リレー31,32,33の切替状態を通常の運転状態に対応する切替状態に切り替えるのである。 【0044】以上説明したように、本発明の第1の実施例に係る電動機車両10によれば、1つの可変抵抗器25によって燃料電池20の暖機運転の促進、および電気式ブレーキによる車両10の制動を実現することができる。可変抵抗器25を用いることによって、燃料電池20の暖機運転を促進し、燃料電池20の温度Tfcが低い場合に問題となる生成水の凍結を防止することができる。 【0045】第1の実施例では、減速時および制動時に駆動用モータ21にて生成された電力を可変抵抗器25によって消費するので、回生不能によって電気式ブレーキが使用できないといった事態に陥ることなく、必要に応じて電気式ブレーキによって制動力を得ることができる。したがって、機械式ブレーキに掛かる負荷を低減することができるので、機械式ブレーキを強化することなく、従来の内燃機関車両と同等の制動力を得ることができる。 【0046】さらに、可変抵抗器25を介して駆動用モータ21を短絡することによって駆動用モータ21のロータの回転を制動することができるので、内燃機関車両におけるエンジンブレーキと同等の制動感を実現することが可能となり、電動機車両におけるドライバビリティを向上させることができる。 【0047】・第2の実施例:図7および図8を参照して第2の実施例に係る電動機車両について説明する。図7は、第2の実施例に係る電動機車両システムの一構成例を示す説明図である。図8は第2の実施例に係る電動機車両において実行される車両制動制御処理ルーチンを示すフローチャートである。 【0048】第2の実施例に係る電動機車両11は、二次電池28、第4リレー34、二次電池28の充電状態を検知するSOCセンサ45を更に備える他は、基本的に第1の実施例に係る電動機車両10と同様の構成要素を備えている。したがって、第1の実施例に係る電動機車両10と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。 【0049】第2の実施例では、燃料電池20が主電源として用いられ、二次電池28は、例えば、燃料電池20の運転状態が安定するまでの期間等の燃料電池20が十分な電力を供給できない時期に補助電源として機能すると共に、ECU40、その他の電装部品に対する補助電源として用いられる。また、二次電池28は、駆動用モータ21を用いた制動により発生する電力を蓄電し、回生ブレーキを実現する。なお、燃料電池20と二次電池28の切り替え(電源の切り替え)は、例えば、図示しないDC/DCコンバータの電圧制御によって判断・実現される。 【0050】上記構成を備える電動機車両11における車両制動制御処理について図8を参照して説明する。なお、第2の実施例における車両制動制御処理の実行ステップのうち、第1の実施例における車両制動制御処理の実行ステップと同一のステップについては同一のステップ番号を付してその説明を省略する。 【0051】本処理ルーチンは、電動機車両11における車両要求出力が減少している場合(車両制動が要求されている場合)に適切に実行される必要があるので、所定時間毎に繰り返し実行される。本処理ルーチンが実行されると、ECU40は、アクセル開度センサ41からアクセル開度θaccを取得し、速度センサ42から車速Vcを取得する(ステップS200)。 【0052】ECU40は、ステップ210およびステップS220における判定がいずれもYesの場合には、SOCセンサ45によって検知された二次電池28の充電量Bsが充電可能な所定量Bref以上であるか否かを判定する(ステップS222)。ECU40は、二次電池28の充電量Bsが所定量Bref未満であると判定した場合には(ステップS222:No)、第3および第4リレー33,34をオンし、第1および第2リレー31,32をオフして、駆動用モータ21にて生成された電力を回生可能な状態にして本処理ルーチンを終了する。 【0053】一方、ECU40は、二次電池28の充電量Bsが所定量Bref以上であると判定した場合には(ステップS222:Yes)、第2および第3リレー32,33をオンし、第1および第4リレー31,34をオフする(ステップS230)。続いて可変抵抗値Rvを設定して(ステップS230)、本処理ルーチンを終了する。この結果、駆動用モータ21にて生成された電力は可変抵抗器25にて消費され、駆動用モータ21は発電ブレーキとして機能する。 【0054】ECU40は、ステップ210およびステップS220における判定のいずれかがNoの場合には、ステップS250を実行して本処理ルーチンを終了する。 【0055】以上説明したように、第2の実施例に係る電動機車両11では、補助電源として二次電池28を備えるので、SOCセンサ45にて検出された二次電池の充電量が充電可能な充電量である場合には、駆動用モータ21を回生ブレーキとして機能させることができる。したがって、制動時、減速時には、駆動用モータ21にて消費された電力の一部を回収することが可能となり、車両11全体としてのエネルギ効率を向上させることができる。 【0056】一方、SOCセンサ45にて検出された二次電池の充電量が充電不可能な充電量である場合には、第1の実施例にて説明したように、駆動用モータ21を発電ブレーキとして機能させることができるので、機械式ブレーキに掛かる負荷を軽減することができる。さらに、駆動用モータ21を回生ブレーキおよび発電ブレーキのいずれとして機能させる場合にも、必要に応じて電気式ブレーキにより制動力を得ることができるので、特に、減速時、制動時における電動機車両11のドライバビリティを内燃機関車両のドライバビリティと同様にすることができる。 【0057】以上、いくつかの実施例に基づき本発明に係る電動機車両を説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。 【0058】上記第1の実施例では、アクセル開度θaccが所定アクセル開度θref以下であると共に、車速Vcが所定車速Vref以上である場合に、駆動用モータ21による制動処理を実行しているが、この他にも、アクセル開度θaccが0度の時(アクセルペダル23が開放された時)、アクセル開度θaccの時間変化を監視しておき、時間あたりのアクセル開度θaccの減少量が所定値以上となった場合に、制動処理を実行してもよい。 【0059】第2の実施例では、燃料電池20と二次電池28とを備える場合について説明したが、第2の実施例は、二次電池28のみを主電源として用いる電動機車両に対しても適用可能である。かかる場合には、回生ブレーキの使用が不可能となった場合であっても、発電ブレーキによって継続して電気式ブレーキを用いた制動処理を実行することが可能となり、機械式ブレーキを強化することなく所望の制動能力を得ることができる。また、第1の実施例においても燃料電池20を用いて説明しているが、燃料電池20の暖機に関する処理を除けば、二次電池28等を用いる電動機車両に対しても適用可能である。 【0060】上記各実施例では、主にアクセルペダル23の操作に応じて減速、制動処理を実行しているが、ブレーキペダルが踏み込まれた場合にも、上記制動処理が実行され得ることはいうまでもない。 【0061】上記各実施例では、電力消費手段として可変抵抗器25を用いているが、抵抗値が一定の抵抗器を用いても良く、また、抵抗器に替えて、燃料電池20に空気を送るエアブロワー、エアコン用コンプレッサといった電動補記類を作動させることによって、駆動用モータ21によって生成された電力を消費しても良い。エアブロワーによって過剰に供給される空気は、例えば、外部に逃がすことによって適当な供給量に調整される。また、これら電気的な抵抗の他にも、駆動用モータ21のロータと接続されているドライブシャフトによって機械的に駆動されるコンプレッサ等を備える場合には、これらコンプレッサと駆動用モータ21とを結合状態として、機械的な摩擦によって制動力を得るようにしても良い。 【0062】さらに、上記各実施例において用いられる可変抵抗値Rvを決定するためのマップは例示に過ぎず、例えば、アクセル開度θacc、燃料電池温度Tfc等に対して抵抗値が線形変化しても良く、この他にも種々の態様を取り得る。 【0063】上記各実施例では、可変抵抗器25の抵抗値を検出する手段を備えていないが、抵抗値検出器を備えて、抵抗値を正確に変更するようにしてもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
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| 【出願日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000028 【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
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| 【公開番号】 |
特開2003−189409(P2003−189409A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月4日(2003.7.4) |
| 【出願番号】 |
特願2001−388851(P2001−388851) |
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