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【発明の名称】 電気自動車のインバータコントロールユニット
【発明者】 【氏名】新村 修
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】井村 仁史
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区那古野1−47−1 名古屋国際センタービル23F 株式会社アプロ内

【要約】 【課題】簡単な構造で、緊結部材のインバータ収納室への転がりを防止することができる電気自動車のインバータコントロールユニットを提供することである。

【解決手段】インバータコントロールユニット31は、ハウジング3と、ハウジング3のインバータ収納室5に収納されるインバータ7と、端子ボックス室9に収納される端子台11を含む。端子ボックス室9内に設けられた端子台11は、緊結部材転がり防止壁33を備える。緊結部材転がり防止壁33は、覆い板検出スイッチ21でカバーされていない部分をカバーし、端子ボックス室9とインバータ収納室5との間を遮蔽する位置に設けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気自動車のインバータコントロールユニットにおいて、インバータ収納室と端子ボックス室を有するケーシシングと、インバータ室に収納されるインバータと、端子ボックス室に収納され、インバータからの配線端子を有し、その配線端子と外部配線とを緊結部材により接続する端子台と、を備え、前記端子台は、端子ボックス室とインバータ収納室との間に緊結部材転がり防止壁を有することを特徴とする電気自動車のインバータコントロールユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車のインバータコントロールユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】ハイブリッド車を含む電気自動車の電動機に電力を供給するパワーコントロールユニット(PCU)として、バッテリの直流電力を所定相数、例えば三相の交流高電圧電力に変換し、これを電動機に供給するインバータコントロールユニットが搭載される。かかるインバータコントロールユニットは、交流高電圧電力に対する安全性と、車両搭載性を考慮して、堅牢かつ軽量のハウジング内に収納され、ハウジング内部から三相の電力線が取り出され電動機に接続される。
【0003】図3は、従来例のインバータコントロールユニット1につき、その覆い板を取り外した状態を示す図である。インバータコントロールユニット1は、ハウジング3と、ハウジング3のインバータ収納室5に収納されるインバータ7と、端子ボックス室9に収納される端子台11を含む。インバータ7の制御端子に、図示されていない制御信号発生部から、インバータの動作を制御する制御信号が供給される。その制御信号に従って、図示されていないバッテリから供給される直流電力が三相の交流電力に変換される。三相交流電力は三本の電力線13に出力され、その電力線13は、端子台11の内部を通り、電力線結合部15に接続される。
【0004】電力線結合部15は、インバータ7の三本の電力線13に接続された三本のねじ部を持ったプラグを備え、このプラグと図示されていない三相電動機の各相配線17の端子とが、ナット19によりしっかり緊結され、電気的に接続される。また、端子台11は、覆い板検出スイッチ21を備え、ハウジング3の覆い板が外されたときを検出し、インバータ7の作動を停止する等安全確保がされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、堅牢軽量なハウジングのインバータ収納室にインバータを収納し、端子ボックス室に端子台を設けた電気自動車のインバータコントロールユニットを用いることで、端子台においてインバータの三相電力線に接続されたプラグのねじ部と電動機の各相配線とを、ナットによりしっかり緊結し、インバータの交流高圧電力を安全に電動機に供給することができる。
【0006】しかし、端子台において、インバータの三相電力線が取り出されるねじ部を持ったプラグに、電動機の各相配線の端子部を取付け、ナットでしっかり緊結する等の接続作業中に、ナットが端子台から転げ落ちることが起こる。その様子を、図3において、転落ナット23で示した。このように、緊結部材であるナットが端子台から転げ落ちて、インバータ収納室に入り込むと、インバータの回路部分と接触し、短絡等の不具合が起こる。電気自動車において、インバータコントロールユニットが搭載される姿勢は、図3のように、端子ボックス室9側がインバータ収納室5側より上部にあることも多く、この場合、端子台11からナットが脱落すると、そのままインバータ収納室5に転がり落ちてしまうことが起こる。
【0007】本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、簡単な構造で、緊結部材のインバータ収納室への転がりを防止する、電気自動車のインバータコントロールユニットを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するため、本発明に係る電気自動車のインバータコントロールユニットは、インバータ収納室と端子ボックス室を有するケーシシングと、インバータ室に収納されるインバータと、端子ボックス室に収納され、インバータからの配線端子を有し、その配線端子と外部配線とを緊結部材により接続する端子台と、を備え、前記端子台は、端子ボックス室とインバータ収納室との間に緊結部材転がり防止壁を有することを特徴とする。
【0009】本発明に係る電気自動車のインバータコントロールユニットは、端子ボックス室に収納される端子台が、端子ボックス室とインバータ収納室との間に緊結部材転がり防止壁を有するので、緊結部材が端子台から脱落しても、緊結部材転がり防止壁により、インバータ収納室に転がり落ちずに、端子ボックス室内にとどまる。したがって、簡単な構造で、緊結部材のインバータ収納室への転がりを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施の形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るインバータコントロールユニット31の覆い板を取り外した状態を示す図で、従来例と特に異なる点は、端子ボックス室9内に設けられた端子台11が、緊結部材転がり防止壁33を備えることである。図3と共通の他の要素については同一の符号を付し、説明を省略する。緊結部材転がり防止壁33は、覆い板検出スイッチ21でカバーされていない部分をカバーし、端子ボックス室9とインバータ収納室5との間を遮蔽する位置に設けられる。ハウジング3は、アルミダイキャスト等の堅牢かつ軽量の材料で得ることができ、端子台11は、インバータ7からの電力線とそれに接続されるねじ部を持ったプラグとを、インサートモールド樹脂成形法で得ることができる。
【0011】端子台11の詳細を図2(a)に平面図、(b)に斜視図で示す。端子台11は、電力線結合部15と、ハウジング取付け部35とが平面図の上方部に備え、平面図の下方部に緊結部材転がり防止壁33と、覆い板検出スイッチ取付け部37を備える。ハウジング取付け部35には、ハウジング取付け穴39が設けられ、これに対応してハウジングに設けられたねじ穴を用い、ねじにより、端子台11をハウジングにしっかり取付け固定できる。覆い板検出スイッチ取付け部37には、スイッチはめ込み穴41が設けられ、この穴に、覆い板検出スイッチ21の底部に設けられたはめ込み脚をはめ込むことで、覆い板検出スイッチ21を端子台11に取付けることができる。
【0012】緊結部材転がり防止壁33は、図2(a)の平面図上で端子台11の上方部にある電力線結合部15の高さおよびハウジング取付け部35の高さのいずれよりも高く、覆い板検出スイッチ取付け部37に覆い板検出スイッチ21を取付けたときのその部分の高さとほぼ同じ壁高さを有する。つまり、緊結部材転がり防止壁33は、覆い板検出スイッチ21でカバーされていない部分をカバーし、図2(a)の平面図における端子台11の上方部と下方部とを隔てる遮蔽壁となる。
【0013】この構成の端子台11を含むインバータコントロールユニット31は、緊結部材転がり防止壁33により、覆い板検出スイッチ21でカバーされていない部分をカバーし、端子ボックス室9とインバータ収納室5との間の遮蔽が行われる。したがって、端子台11の上方部で緊結部材が脱落しても、端子台11の下方側、すなわちインバータコントロールユニット31のインバータ収納室5に転がり落ちることが防止できる。
【0014】以上の説明では、覆い板検出スイッチ21があり、緊結部材転がり防止壁33が覆い板検出スイッチ21でカバーされていない部分をカバーする遮蔽壁となる場合につき説明したが、その他例えば、覆い板検出スイッチがない場合において、緊結部材転がり防止壁のみで、端子ボックス室9とインバータ収納室5との間の遮蔽壁を構成することもできる。
【0015】また、配線間の緊結方法として、インバータの三相電力線が取り出されるねじ部を持ったプラグに、電動機の各相配線の端子部を取付け、ナットでしっかり緊結する説明を行ったが、その他、インバータの三相電力線が取り出される埋め込みメネジの部分に、電動機の各相配線の端子部を配置し、ボルトでしっかり緊結することもできる。この場合は、ボルトのインバータ収納室への転がり落ちが本発明により防止できる。
【0016】インバータコントロールユニットは、バッテリの直流電力を所定相数、例えば三相の交流高電圧電力に変換し、これを電動機に供給する作用をするものとして説明したが、さらに、電気自動車におけるエネルギ回生時において、電動機を発電機の作用とし、インバータ回路に内蔵されるコンデンサに回生エネルギを戻す作用を持たすインバータコントロールユニットであっても本発明が実施できる。また、インバータコントロールユニットの出力する交流高電圧電力を、電動機以外に供給する場合にも本発明が実施できる。相数は三相以外の場合にも本発明が実施できる。
【0017】
【発明の効果】本発明に係る電気自動車のインバータコントロールユニットは、簡単な構造で、緊結部材のインバータ収納室への転がりを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
【出願日】 平成13年12月19日(2001.12.19)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
【公開番号】 特開2003−189403(P2003−189403A)
【公開日】 平成15年7月4日(2003.7.4)
【出願番号】 特願2001−385617(P2001−385617)