| 【発明の名称】 |
電動作業車 |
| 【発明者】 |
【氏名】脇谷 勉 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】坂本 秀之 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】乾 勉 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】停車中の電動作業車を、人力によって自由に押し引き操作できるようにすることで、電動作業車の取扱い性をより高めること。
【解決手段】電動作業車は、ST01でメインスイッチがオンであるという条件と、ST02で方向速度レバーが中立位置にあるという条件と、ST03で走行準備レバーが走行可能位置にあるという条件との、三つの条件が満たされたときに、ST07で電磁ブレーキを開放するとともに、ST08でモータ回路を、電動モータに駆動電流並びに短絡電流が流れない状態に切換えるように制御する、制御部を備える。停車中の電動作業車を、人力によって自由に押し操作したり引き操作することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主電源スイッチと、走行可能位置に操作すると走行可能指令を発するとともに非走行可能位置に操作すると走行停止指令を発する走行準備部材と、前進、中立、後進を指定することのできる方向速度制御部材と、この方向速度制御部材の操作に基づき正転若しくは逆転して車両を走行させる電動モータと、車両の非走行時にはパーキングブレーキなどの静止時制動を掛ける電磁ブレーキと、を備えた電動作業車において、この電動作業車は、前記主電源スイッチがオンであるという条件と、前記方向速度制御部材が中立位置にあるという条件と、前記走行準備部材が走行可能位置にあるという条件との、三つの条件が満たされたときに、前記電磁ブレーキを開放するとともに、前記電動モータのための駆動回路を、電動モータに駆動電流並びに短絡電流が流れない状態に切換えるように制御する、制御部を備えていることを特徴とした電動作業車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電動作業車の停止中の制御技術に関する。 【0002】 【従来の技術】電動作業車としては、例えば特開平6−98407号公報「電動車両の自動制御装置」(以下、「従来の技術」と言う)が知られている。上記従来の技術は、同公報の図1及び図3によれば、前進・中立・後進を指定することのできる走行操作レバー8(符号は公報に記載されたものを引用した。以下同じ。)を中立位置へ操作したときに、走行用DCモーター2の駆動を停止させるとともに、一定時間T1が経過した後に電磁駐車ブレーキ13で制動を掛けることにより、走行台車Xを停止させるというものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の技術のような電動作業車の取扱い性をより高めるには、作業をしていないときであっても、電動作業車を任意の場所へ自由に移動できると使い勝手が良く便利である。そのためには、動力に頼らずに人力によっても自由に押し引き操作できるようにしたい。 【0004】そこで本発明の目的は、停車中の電動作業車を、人力によって自由に押し引き操作できるようにすることで、電動作業車の取扱い性をより高めることができる技術を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1は、主電源スイッチと、走行可能位置に操作すると走行可能指令を発するとともに非走行可能位置に操作すると走行停止指令を発する走行準備部材と、前進、中立、後進を指定することのできる方向速度制御部材と、この方向速度制御部材の操作に基づき正転若しくは逆転して車両を走行させる電動モータと、車両の非走行時にはパーキングブレーキなどの静止時制動を掛ける電磁ブレーキと、を備えた電動作業車において、この電動作業車が、主電源スイッチがオンであるという条件と、方向速度制御部材が中立位置にあるという条件と、走行準備部材が走行可能位置にあるという条件との、三つの条件が満たされたときに、電磁ブレーキを開放するとともに、電動モータのための駆動回路を、電動モータに駆動電流並びに短絡電流が流れない状態に切換えるように制御する、制御部を備えていることを特徴とする。 【0006】主電源スイッチをオンにし、方向速度制御部材を中立位置にしたときに、走行準備部材を走行可能位置に操作することで、電磁ブレーキは開放状態になる。同時に、電動モータのための駆動回路は、電動モータに駆動電流並びに短絡電流が流れない、いわゆるフリーモードに切り換る。この結果、車両の静止時制動は解除状態となり、電動モータは電流が流れない空転自在な状態となる。停車中の電動作業車を、人力によって自由に押し操作したり引き操作することができる。従って、作業をしていないときの電動作業車を、任意の場所へ人力だけで自由に且つ容易に移動させることができる。電動作業車の取扱い性がより高まる。例えば納屋、倉庫、トラックの荷台等への搬入作業や搬出作業が極めて容易である。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向に従い、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。 【0008】図1は本発明に係る除雪機の平面図であり、電動車両としての除雪機10は、機体11にエンジン12を搭載し、機体11の前部に作業部としてのオーガ13及びブロア14を装備し、機体11の左右にクローラ15L,15Rを配置し、機体11の後部に操作盤16を配置した電動作業車であり、作業者が操作盤16の後から連れ歩く歩行型作業機である。以下、要部を詳細に説明する。なお、操作盤16は図2で詳しく説明する。 【0009】エンジン12の出力の一部で、発電機17を回し、得た電力を操作盤16の下方に配置したバッテリ(図4の符号43参照)に供給すると共に、後述する左右の走行モータに供給する。エンジン12の出力の残部は、電磁クラッチ18及びベルト19を介して作業部としてのブロア14及びオーガ13の回転に充てる。オーガ13は地面に積もった雪を中央に集める作用をなし、この雪を受け取ったブロア14はシュータ21を介して雪を機体11の周囲の所望の位置へ投射する。22はオーガハウジングであり、オーガ13を囲うカバー部材である。 【0010】左のクローラ15Lは、駆動輪23Lと遊動輪24Lとに巻き掛けたものであり、本発明では駆動輪23Lは左の走行モータ25Lで正逆転させる。右のクローラ15Rも、駆動輪23Rと遊動輪24Rとに巻き掛けたものであり、本発明では駆動輪23Rは右の走行モータ25Rで正逆転させる。 【0011】従来の除雪機では1個のエンジン(ガソリンエンジン又はジーゼルエンジン)で作業部系(オーガ回転系)と走行系(クローラ駆動系)とを賄っていたが、本発明ではエンジン12で作業部系(オーガ回転系)を駆動し、電動モータ(走行モータ25L,25R)で走行系(クローラ駆動系)を駆動するようにしたことを特徴とする。細かな走行速度の制御、旋回制御及び前後進切替制御は電動モータが適当であり、一方、急激な負荷変動を受ける作業部系はパワーのある内燃機関が適当であるとの考えに基づいて、そのようにした。 【0012】図2は図1の2矢視図であり、操作盤16には、操作箱27の手前の側面にメインスイッチ28、エンジンチョーク29、クラッチ操作ボタン31などを備え、操作箱27の上面に、投雪方向調節レバー32、オーガハウジング姿勢調節レバー33、走行系に係る方向速度制御部材としての方向速度レバー34、作業部系に係るエンジンスロットルレバー35を備え、操作箱27の右にグリップ36R及び右旋回操作レバー37Rを備え、操作箱27の左にグリップ36L、左旋回操作レバー37L及び走行準備レバー38を備える。 【0013】左右旋回操作レバー37L,37Rはブレーキレバーに近似するが、後述するとおりに完全な制動効果は得られない。操作することで走行モータ25L,25Rの回転を落として機体をターンさせることに使用するため、ブレーキレバーと言わずに旋回操作レバーと呼ぶことにした。 【0014】メインスイッチ28はメインキーを差込み、回すことでエンジンを始動することのできる周知の主電源スイッチである。エンジンチョーク29は引くことで混合気の濃度を高めることができる。投雪方向調節レバー32は、シュータ(図1の符号21)方向を変更するときに操作するレバーであり、オーガハウジング姿勢調節レバー33はオーガハウジング(図1の符号22)の姿勢を変更するときに操作するレバーである。その他の部材の作用は、図4で説明する。 【0015】図3は図2の3矢視図であり、左旋回操作レバー37Lを握ることにより、ポテンショメータ39Lのアーム39aの角度を想像線の位置まで回転することができる。ポテンショメータ39Lはアーム39aの回転位置に応じた電気情報を発する機器である。 【0016】また、走行準備レバー38はスイッチ手段42に作用する走行準備部材であり、スプリング41の引き作用により図の状態(フリー状態)、すなわち非走行可能位置になればスイッチ手段42はオンになる。作業者の左手で走行準備レバー38を図時計回りに下げて走行可能位置にすれば、スイッチ手段42はオフとなる。このように、走行準備レバー38が握られているか否かはスイッチ手段42で検出することができる。このように、走行準備部材としての走行準備レバー38は、走行可能位置に操作したときにスイッチ手段42から走行可能指令を発し、非走行可能位置に操作したときにスイッチ手段42から走行停止指令を発する。 【0017】図4は本発明に係る除雪機の制御系統図であり、操作盤に内蔵若しくは付設した制御部44内の機器及び情報伝達経路を示すが、概ね四角は機器、丸はドライバーを示す。そして、想像線枠で囲ったエンジン12、電磁クラッチ18、ブロア14及びオーガ13が作業部系45であり、その他は走行系となる。43はバッテリである。なお、制御部44内に破線で指令の流れを便宜上示したが、これはあくまでも参考的記載に過ぎない。 【0018】先ず、作業部系の作動を説明する。メインスイッチ28にキーを差込み、回してスタートポジションにすることにより、図示せぬセルモータの回転によりエンジン12を始動させる。エンジンスロットルレバー35は図示せぬスロットルワイヤでスロットルバルブ48に繋がっているので、エンジンスロットルレバー35を操作することでスロットルバルブ48の開度を制御することができる。これにより、エンジン12の回転数を制御することができる。 【0019】走行準備レバー38を握ると共に、クラッチ操作ボタン31を操作することにより、作業者の意志で電磁クラッチ18を接続し、ブロア14及びオーガ13を回すことができる。なお、走行準備レバー38をフリーにするかクラッチ操作ボタン31を操作するかの何れかにより、電磁クラッチ18を断状態にすることができる。 【0020】次に走行系の作動を説明をする。本発明の除雪機は、普通車両のパーキングブレーキに相当するブレーキとして、左右の電磁ブレーキ51L,51Rを備えており、これらの電磁ブレーキ51L,51Rは、駐車中は制御部44の制御により、ブレーキ状態にある。そこで、次の手順で電磁ブレーキ51L,51Rを開放する。 【0021】メインスイッチ28がスタートポジションにある(オンである)という条件で、走行準備レバー38を握ると、電磁ブレーキ51L,51Rは開放(非ブレーキ)状態になる。 【0022】図5は本発明で採用した方向速度レバーの作用説明図であり、方向速度レバー34は、作業者の手で、矢印■,■の如く往復させることができ、「中立範囲」より「前進」側へ倒せば車両を前進させることができ、且つ「前進」領域においては、Lfが低速前進、Hfが高速前進となるように、速度制御も行える。同様に、「中立範囲」より「後進」側へ倒せば車両を後進させることができ、且つ「後進」領域においては、Lrが低速後進、Hrが高速後進となるように、速度制御も行える。この例では、図の左端に付記した通りに、後進の最高速が0V(ボルト)、前進の最高速が5V、中立範囲が2.3V〜2.7Vになるようにポテンショメータでポジションに応じた電圧を発生させる。1つのレバーで前後の方向と高低速の速度制御とを設定できるので、方向速度レバー34と名付けた。 【0023】図4に戻って、方向速度レバー34の位置情報をポテンショメータ49から得た制御部44は、左右のモータドライバー52L,52Rを介して左右の走行モータ25L,25Rを回し、走行モータ25L,25Rの回転速度を回転センサ53L,53Rで検出して、その信号に基づいて回転速度を所定値になるようにフィードバック制御を実行する。この結果、左右の駆動輪23L,23Rが所望の方向に、所定の速度で回り、走行状態となる。 【0024】走行中の制動は次の手順で行う。本発明ではモータドライバー52L,52Rに回生ブレーキ回路54L,54Rを含む。 【0025】一般論としてバッテリから電動モータへ電気エネルギーを供給することで、電動モータは回転する。一方、発電機は回転を電気エネルギーに変換する手段である。そこで、本発明では電気的切換えにより、走行モータ25L,25Rを発電機に変え、発電させるようにした。発電電圧がバッテリ電圧より高ければ、電気エネルギーはバッテリ43へ蓄えることができる。これが回生ブレーキの作動原理である。 【0026】左旋回操作レバー37Lの握りの程度をポテンショメータ39Lで検出し、この検出信号に応じて制御部44は左の回生ブレーキ回路54Lを作動させて、左の走行モータ25Lの速度を下げる。右旋回操作レバー37Rの握りの程度をポテンショメータ39Rで検出し、この検出信号に応じて制御部44は右の回生ブレーキ回路54Rを作動させて、右の走行モータ25Rの速度を下げる。すなわち、左旋回操作レバー37Lを握ることで左旋回させることができ、右旋回操作レバー37Rを握ることで右旋回させることができる。 【0027】そして、次の何れかにより走行を停止することができる。メインスイッチ28をオフ位置に戻す。方向速度レバー34を中立位置に戻す。走行準備レバー38を離す。 【0028】短絡ブレーキ回路55Lは、文字通り走行モータ25Lの両極を短絡させる回路であり、この短絡により走行モータは急制動状態になる。短絡ブレーキ回路55Rも同様であるから説明を省略する。 【0029】図6(a),(b)は本発明で採用した電動モータのための駆動回路図及びモード表である。(a)において、走行モータとしての電動モータ25Lのための駆動回路56の、ハイフレーム(回路の上半分)を電源58に結線し、ローフレーム(回路の下半分)をアース59に落とし、左ハイフレームにEドライブ素子61、左ローフレームにFドライブ素子62を配置し、右ハイフレームにGドライブ素子63、右ローフレームにHドライブ素子64を配置し(E〜Hは便宜上添えた。)、これらのE〜Hドライブ素子61〜64にダイオード65〜68をバイパス回路として付設する。E〜Hドライブ素子61〜64は図示せぬドライバで電気的にオン、オフ制御を行う。以下、電動モータ25Lのための駆動回路56のことを、単にモータ回路56と言う。走行モータ25Rも同様であり、図示及び説明を省略する。なお、電源58は、上記図4のバッテリ43に相当する。 【0030】前記E〜Hドライブ素子61〜64は、FETと称する電界効果型トランジスタが好適である。普通のトランジスタが電流で働く低い、インピーダンス素子であるのに対して、FETは電圧で働く、高いインピーダンス素子である。インピーダンスが高いため、図の様なモータ回路56に介在させるのに適した素子であると言える。 【0031】(b)は走行モータの回路におけるモード表であり、左にモード名、その右にE〜Hドライブ素子の状態をON又はOFFで示した。第1行の短絡ブレーキモードでは、Fドライブ素子とHドライブ素子とをONにし、Eドライブ素子とGドライブ素子とをOFFにする。(a)において電源58と走行モータ25Lとは切り離し、ローフレーム側に短絡回路を形成する。これにより、走行モータ25Lに急制動が掛る。この状態を短絡ブレーキと言う。 【0032】第2行の前進モードでは、Eドライブ素子とHドライブ素子とをONにし、Fドライブ素子とGドライブ素子とをOFFにする。(a)において電流はEドライブ素子61、走行モータ25L、Hドライブ素子64の順で流れるため、走行モータは正転回転する。第3行の後進モードはその逆であるから、逆転回転する。第4行のフリーモードでは、E〜Hドライブ素子のすべてをOFFにした。走行モータに駆動電流並びに短絡電流を含めて全ての電流が流れないため、空転自在となる。 【0033】前進モード並びに後進モードにおいては、走行モータを走行制御することができる。例えば前進モードでは、Eドライブ素子に制御用のパルス幅変調信号(PWM信号)を発して、走行モータの正転回転制御を行う。後進モードでは、Gドライブ素子に制御用のPWM信号を発して、走行モータの逆転回転制御を行う。 【0034】次に、上記図4に示す制御部44をマイクロコンピュータとした場合の制御フローについて、図7に基づき説明する。図中、ST××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番号については、番号順に進行する。 【0035】図7は本発明に係る制御部の制御フローチャートである。 ST01;メインスイッチがオンであるか否かを調べる。YESであればST02に進み、NOであればST05に進む。 ST02:方向速度レバー(図4の符号34)が中立位置にあるか否かを調べる。YESであればST03に進み、NOであればST04に進む。 ST03:走行準備レバー(図4の符号38)が走行可能位置(握ることで走行可能位置)にあるか否かを調べる。NOであればST05に進み、YESであればST07に進む。 ST04:走行準備レバーが走行可能位置にあるか否かを調べる。YESであればST09に進み、NOであればST11に進む。 【0036】ST05:電磁ブレーキ(図4の符号51L,51R)を制動状態、すなわちブレーキ状態に切換える。 ST06:モータ回路(図6の符号56)をフリーモードに切換える。 ST07:電磁ブレーキを非制動状態、すなわち開放状態に切換える。 ST08:モータ回路をフリーモードに切換える。 ST09:電磁ブレーキを非制動状態に切換える。 ST10:モータ回路を前進モード又は後進モードに切換えて電動モータを走行制御する。すなわち、モータ回路に制御用のPWM信号を発して、電動モータの回転制御を実行する。 ST11:電磁ブレーキを制動状態に切換える。 ST12:モータ回路を短絡ブレーキモードに切換える。 以上の制御フローについて、次の表に基づき整理して説明する。 【0037】 【表1】
【0038】この表において、上から順に第1行の制御モード、第2行の制御モード、・・・と言い、各行の制御モードについて説明する。第1行の制御モードでは、メインスイッチがオフであるという条件のときに、電磁ブレーキを制動状態にするとともに、モータ回路をフリーモードに切換える。この第1行の制御モードは、ST01,ST05,ST06に相当する。 【0039】第2行の制御モードでは、メインスイッチがオンであるという条件と、方向速度レバーが中立位置にあるという条件と、走行準備レバーが非走行可能位置にあるという条件との、三つの条件が満たされたときに、電磁ブレーキを制動状態にするとともに、モータ回路をフリーモードに切換える。この第2行の制御モードは、ST01,ST02,ST03,ST05,ST06に相当する。 【0040】第3行の制御モードでは、メインスイッチがオンであるという条件と、方向速度レバーが中立位置にあるという条件と、走行準備レバーが走行可能位置にあるという条件との、三つの条件が満たされたときに、電磁ブレーキを開放する、すなわち非制動状態にするとともに、モータ回路をフリーモードに切換える。フリーモードのモータ回路は、電動モータに駆動電流並びに短絡電流が流れない状態である。この第3行の制御モードは、ST01,ST02,ST03,ST07,ST08に相当する。この第3行の制御モードによれば、車両の静止時制動は解除状態となり、電動モータは電流が流れない空転自在な状態となる。停車中の電動作業車を、人力によって自由に押し操作したり引き操作することができる。 【0041】第4行の制御モードでは、メインスイッチがオンであるという条件と、方向速度レバーが前進位置又は後進位置にあるという条件と、走行準備レバーが走行可能位置にあるという条件との、三つの条件が満たされたときに、電磁ブレーキを開放するとともに、モータ回路を前進モード又は後進モードに切換える。この第4行の制御モードは、ST01,ST02,ST04,ST09,ST10に相当する。この第4行の制御モードによれば、方向速度レバーが前進位置にあるときに電動モータを正転させて前進走行制御を実行する。また、方向速度レバーが後進位置にあるときに電動モータを逆転させて後進走行制御を実行する。 【0042】第5行の制御モードでは、メインスイッチがオンであるという条件と、方向速度レバーが前進位置又は後進位置にあるという条件と、走行準備レバーが非走行可能位置にあるという条件との、三つの条件が満たされたときに、電磁ブレーキを制動状態にするとともに、モータ回路を短絡ブレーキモードに切換える。この第5行の制御モードは、ST01,ST02,ST04,ST11,ST12に相当する。この第5行の制御モードによれば、電動モータに急制動が掛る。 【0043】以上をまとめると、本発明は、主電源スイッチ(図4の符号28)と、走行可能位置に操作すると走行可能指令を発するとともに非走行可能位置に操作すると走行停止指令を発する走行準備部材(図4の符号38)と、前進、中立、後進を指定することのできる方向速度制御部材(図4の符号34)と、この方向速度制御部材の操作に基づいて正転若しくは逆転して車両を走行させる左右一対の電動モータ(図4の符号25L,25R)と、車両の非走行時にはパーキングブレーキなどの静止時制動を掛ける左右一対の電磁ブレーキ(図4の符号51L,51R)と、を備えた電動作業車である。 【0044】この電動作業車は、主電源スイッチがオンであるという条件(図7のST01)と、方向速度制御部材が中立位置にあるという条件(図7のST02)と、走行準備部材が走行可能位置にあるという条件(図7のST03)との、三つの条件が満たされたときに、電磁ブレーキを開放する(図7のST07)とともに、電動モータのための駆動回路(図6の符号56)を、電動モータに駆動電流並びに短絡電流が流れない状態に切換えるように制御する(図7のST08)、制御部(図4の符号44)を備えていることを特徴とする。 【0045】従って、上記図4において、主電源スイッチ28をオンにし、方向速度制御部材34を中立位置にしたときに、走行準備部材38を走行可能位置に操作することで、電磁ブレーキ51L,51Rは開放状態になる。同時に、電動モータ25L,25Rのための駆動回路(図6の符号56)は、電動モータ25L,25Rに駆動電流並びに短絡電流が流れない、いわゆるフリーモードに切り換る。この結果、車両の静止時制動は解除状態となり、電動モータ25L,25Rは電流が流れない空転自在な状態となる。停車中の電動作業車を、人力によって自由に押し操作したり引き操作することができる。 【0046】なお、本発明を適用する電動作業車は除雪機に限るものではなく、電動運搬車、電動ゴルフカート、芝刈機などの電動車両であれば種類は任意である。 【0047】また、実施例の除雪機は左右の走行モータを備えるが、1個の走行モータで左右の駆動輪を駆動する形式の電動作業車に本発明を適用することは差支えない。さらには、方向速度レバーは、実施例では1本であったが、複数本でその役割を分担させてもよい。そして、方向速度制御部材はレバー、ダイヤル、スイッチ又は同等品であればよい。同様に、走行準備部材はレバー、ダイヤル、スイッチ又は同等品であればよい。主電源スイッチは、エンジンを始動するスイッチに限定されるものではなく、電動作業車の走行系のメインスイッチとなるものであればよい。 【0048】 【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮する。請求項1は、主電源スイッチをオンにし、方向速度制御部材を中立位置にしたときに、走行準備部材を走行可能位置に操作することで、電磁ブレーキを開放状態にするとともに、電動モータのための駆動回路を、電動モータに駆動電流並びに短絡電流が流れない、いわゆるフリーモードに切換えることができる。この結果、車両の静止時制動は解除状態となり、電動モータは電流が流れない空転自在な状態となる。停車中の電動作業車を、人力によって自由に押し操作したり引き操作することができる。従って、作業をしていないときの電動作業車を、任意の場所へ人力だけで自由に且つ容易に移動させることができる。電動作業車の取扱い性がより高まる。例えば納屋、倉庫、トラックの荷台等への搬入作業や搬出作業が極めて容易である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成13年12月13日(2001.12.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067356 【弁理士】 【氏名又は名称】下田 容一郎 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−189402(P2003−189402A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月4日(2003.7.4) |
| 【出願番号】 |
特願2001−379987(P2001−379987) |
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