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【発明の名称】 車両の制御装置およびその方法
【発明者】 【氏名】田端 淳
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【要約】 【課題】急制動停止や衝突急停止により燃料電池にダメージが与えられた場合でも、車両の走行性能が低下する可能性を避けるようにする。

【解決手段】制御装置30は加速度センサ41などの検出結果から、急制動停止または衝突急停止したか否かを判定し、何れかの停止を検出したら、検出フラグを立てる。一旦、検出フラグが立ったら、制御装置30は、その後、常にエンジン走行を行うよう制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関と、モータと、を動力源として備えると共に、前記モータの電力源として燃料電池を備える車両に搭載され、走行条件に応じて、前記内燃機関を動力源として用いる第1の走行状態と、前記モータを動力源として用いる第2の走行状態と、を少なくとも切り換えて走行させることが可能な制御装置であって、前記車両に予め設定された所定の加速度が加わった場合に、それ以降は、第1の走行状態で走行するように制御することを特徴とする制御装置。
【請求項2】 請求項1に記載の制御装置において、前記所定の加速度は、前記燃料電池にダメージを与える恐れのある加速度に設定されていることを特徴とする制御装置。
【請求項3】 請求項2に記載の制御装置において、前記燃料電池にダメージを与える恐れのある加速度は、急制動停止時に前記車両に加わる加速度であることを特徴とする制御装置。
【請求項4】 請求項2に記載の制御装置において、前記燃料電池にダメージを与える恐れのある加速度は、衝突急停止時に前記車両に加わる加速度であることを特徴とする制御装置。
【請求項5】 内燃機関と、モータと、を動力源として備えると共に、前記モータの電力源として燃料電池を備え、走行条件に応じて、前記内燃機関を動力源として用いる第1の走行状態と、前記モータを動力源として用いる第2の走行状態と、を少なくとも切り換えて走行し得る車両の制御方法であって、(a)前記車両に予め設定された所定の加速度が加わったか否かを判定する工程と、(b)前記所定の加速度が加わった場合に、それ以降は、第1の走行状態で前記車両を走行させる工程と、を備える制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力源として、内燃機関と、燃料電池によって電力供給されるモータと、を備える車両の制御装置およびその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジン(内燃機関)とモータとを動力源とするハイブリッド車両が提案されている。一般に、このようなハイブリッド車両では、エンジンは運転効率の高い運転ポイントを選択して運転することができるため、エンジンのみを動力源とする従来の車両に比べて省資源性および排気浄化性に優れている。
【0003】このようなハイブリッド車両としては、例えば、特開2001−88586号公報に記載のものが知られている。かかる既提案例においては、動力源としてエンジンとモータとを備えている他、モータに電力を供給するための電力源として、燃料電池と二次電池とを備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように、電力源として燃料電池を備えたハイブリッド車両においては、例えば、ブレーキによって車両が急停止したり(急制動停止)、或いは物体に衝突して車両が急停止したり(衝突急停止)して、車両に急激な加速度が加わった際に、燃料電池にダメージを与える可能性がある。そのような場合、燃料電池の出力電力が低下して、その燃料電池を電力源とするモータの出力トルクも低下して、車両の走行性能が低下する可能性があった。
【0005】従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、急制動停止や衝突急停止により燃料電池にダメージが与えられた場合でも、車両の走行性能の低下の可能性を避けることができる車両の制御装置およびその方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の制御装置は、内燃機関と、モータと、を動力源として備えると共に、前記モータの電力源として燃料電池を備える車両に搭載され、走行条件に応じて、前記内燃機関を動力源として用いる第1の走行状態と、前記モータを動力源として用いる第2の走行状態と、を少なくとも切り換えて走行させることが可能な制御装置であって、前記車両に予め設定された所定の加速度が加わった場合に、それ以降は、第1の走行状態で走行するように制御することを要旨とする。
【0007】また、本発明の制御方法は、内燃機関と、モータと、を動力源として備えると共に、前記モータの電力源として燃料電池を備え、走行条件に応じて、前記内燃機関を動力源として用いる第1の走行状態と、前記モータを動力源として用いる第2の走行状態と、を少なくとも切り換えて走行し得る車両の制御方法であって、(a)前記車両に予め設定された所定の加速度が加わったか否かを判定する工程と、(b)前記所定の加速度が加わった場合に、それ以降は、第1の走行状態で前記車両を走行させる工程と、を備えることを要旨とする。
【0008】従って、本発明によれば、例えば、急制動停止や衝突急停止によって、前記所定の加速度が加わった場合に、仮に、燃料電池にダメージが与えられたとしても、それ以降は、走行状態が内燃機関を動力源として用いる第1の走行状態に固定されるので、燃料電池のダメージによる影響を受けることなく車両を走行させることができる。
【0009】本発明の制御装置において、前記所定の加速度は、前記燃料電池にダメージを与える恐れのある加速度に設定されていることが好ましい。
【0010】本発明の制御装置において、前記燃料電池にダメージを与える恐れのある加速度は、急制動停止時に前記車両に加わる加速度であることが好ましい。
【0011】本発明の制御装置において、前記燃料電池にダメージを与える恐れのある加速度は、衝突急停止時に前記車両に加わる加速度であることが好ましい。
【0012】このように設定することにより、燃料電池にダメージを与える恐れがある場合を確実に検出することができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.実施例の構成:B.実施例の動作:B−1.通常の走行状態切換処理:B−2.特定停止検出処理:B−3.特定停止検出後の走行状態切換処理:C.その他:【0014】A.実施例の構成:図1は本発明の一実施例としての制御装置の制御対象となるハイブリッドシステムを模式的に示す説明図である。このハイブリッドシステムは、ハイブリッド車両に搭載されるものである。
【0015】図1に示すように、このハイブリッドシステムは、主として、特性の異なる2つの動力源であるエンジン10及びモータ12と、モータ12などに電力を供給するための電力源である燃料電池20及び二次電池21と、上記2つの動力源の発生する動力を駆動輪16へ伝達する動力伝達系と、を備えている。
【0016】上記2つの動力源のうち、エンジン10は、ガソリンや軽油などの燃料の燃焼により動力を発生する内燃機関である。本実施例では、エンジン10として、ガソリンエンジンが採用されている。
【0017】一方、モータ12は、上記電力源20,21から供給される電気エネルギにより動力を発生する電動機として機能する他、エンジン10などの回転を受けて発電する発電機としても機能する。
【0018】また、モータ12などに電力を供給する2つの電力源のうち、燃料電池20は、水素を含んだ水素ガスの供給と、酸素を含んだ酸化ガス(例えば、空気)の供給と、を受けて、水素極と酸素極において、下記に示すような反応式に従って、電気化学反応を起こし、電力を発生する。
【0019】即ち、水素極に水素ガスが、酸素極に酸化ガスがそれぞれ供給されると、水素極側では式(1)の反応が、酸素極側では式(2)の反応がそれぞれ起こり、燃料電池全体としては、式(3)の反応が行なわれる。
【0020】
2 → 2H++2e- …(1)
2H++2e-+(1/2)O2 → H2O …(2)
2+(1/2)O2 → H2O …(3)
【0021】一方、二次電池21は、上記モータ12などによって発電された電力を蓄積すると共に、蓄積した電力をモータ12などに供給する。
【0022】なお、このハイブリッドシステムでは、上記モータ12に加え、副モータ18を備えている。この副モータ18は、例えばタイミングベルトなどの巻掛伝動機構17を介してエンジン10の出力軸(クランクシャフト)に駆動連結されている。またこの副モータ18は、エンジン10の回転を受けて電気を発電する発電機として機能する他、エンジン10を始動するためのスタータモータとして機能させることもできる。
【0023】モータ12は、第1の駆動回路22によって駆動され、副モータ18は、第2の駆動回路23によって駆動される。何れの駆動回路22,23も、内部にスイッチング素子としてのトランジスタを複数備えたトランジスタインバータであり、トランジスタのオン・オフの時間をPWM制御することによって、モータ12,副モータ18の動作を制御することができる。
【0024】また、モータ12及び副モータ18は、それぞれ電源切換スイッチ24,25によって、燃料電池20及び二次電池21への電気的な接続が選択的に切り替えられる。このため、モータ12及び副モータ18を電動機として機能させるときの電力源を、状況に応じて任意に切り替えることが可能となる。ただし、このハイブリッドシステムでは、通常、電動機として機能させる際の電力源として、主に、より安定した電力供給が可能な燃料電池20が選択される。また一方、これらモータ12及び副モータ18が発電機として機能しているときには、それぞれの電源切換スイッチ24,25によって電気的な接続が二次電池21へと切り替えられて、発電した電力を二次電池21に蓄積するようにしている。
【0025】一方、エンジン10の出力軸は、動力伝達系の1つであるクラッチ機構11を介して、モータ12の回転軸に接続されている。従って、エンジン10の出力軸は、クラッチ機構11によって、モータ12の回転軸に連結されたり、切断されたりされ得る。
【0026】モータ12の回転軸は、トルクコンバータ13及び歯車式変速機構14から成る自動変速機等の動力伝達系を介して駆動輪16に接続されている。トルクコンバータ13は、モータ12の回転軸を介して入力されたトルクを流体(オイル)を媒介して伝達することで、トルクの調整を行っている。なお、このトルクコンバータ13は、モータ12の回転軸と歯車式変速機構14の入力軸とを機械的に直接連結して、上記流体を媒介しない直接的なトルク伝達を可能とするロックアップ機能を有している。そして、このようなロックアップを車両の走行条件に応じて実施することで、流体のすべりによるトルク損失を低減して燃費の向上を図るようにしている。また、本実施例では、歯車式変速機構14として、6速変速機構が採用されている。
【0027】一方、制御装置30は、内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータであり、CPUがROMに記録されたプログラムに従って動作することにより、エンジン10や、燃料電池20や、駆動回路22,23や、電源切換スイッチ24,25や、自動変速機13,14や、クラッチ機構11などに対して、種々の制御処理を行う。
【0028】また、これらの制御を可能とするために、制御装置30には、各種のセンサおよびスイッチが電気的に接続されている。具体的には、車両の正・負の加速度を検出する加速度センサ41や、歯車式変速機構14の出力軸の回転数を検出する出力軸回転数センサ(車速センサ)42や、運転者の減速意図または制動意図を検出するフットブレーキスイッチ43や、フットブレーキペダル(図示せず)の踏力を検出するブレーキ踏力センサ44や、アクセルペダル(図示せず)の踏込量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ45などが接続されている。
【0029】このようなハイブリッド車両では、各動力源10,12により、自動変速機13,14等の動力伝達系を通じて、駆動輪16を駆動して、走行が行われる。そして、自動変速機13,14やクラッチ機構11などから成る動力伝達機構、或いは各動力源10,12を、制御装置30が車両の走行条件に応じて適宜に制御することで、燃費性能やエミッション性能に優れた高効率の走行を可能としている。
【0030】B.本実施例の動作:B−1.通常の走行状態切換処理:それでは、本実施例におけるハイブリッド車両の走行にかかるハイブリッドシステムの制御について説明する。このハイブリッド車両は、上述したように特性の異なる2つの動力源、すなわち、内燃機関であるエンジン10と、電動機として機能するモータ12と、を備えている。そして、制御装置30は、車両の走行条件に応じて、各々の動力源を用いた走行状態を適宜切り換えて、所望の高いエンジン効率を確保すべく、ハイブリッドシステムを制御する。
【0031】具体的に、走行状態としては、主に、エンジン10を動力源として走行するエンジン走行と、燃料電池20を電力源としモータ12を動力源として走行するモータ走行と、がある。
【0032】このような走行状態の切り換えは、予め設定された走行領域マップと、随時検出される車速およびアクセルペダルの踏込量(アクセル開度)から得られる目標動作点と、の関係に基づいて行われる。
【0033】図2はそのような走行領域マップの一例を示す説明図である。図2に示すように、走行領域マップは、横軸が車速で、縦軸がアクセル開度で表された領域に、エンジン走行を行うべき領域(エンジン走行領域)とモータ走行を行うべき領域(モータ走行領域)がそれぞれ設定されている。なお、このような走行領域マップは、制御装置30内のROMに記憶されている。
【0034】それでは、制御装置30による走行状態の切り換え処理について説明する。
【0035】図3は図1の制御装置30において実行される走行状態切換処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。この処理ルーチンは、所望の時間間隔で繰り返し実行される。
【0036】図3に示す処理ルーチンが開始されると、制御装置30は、後述する検出フラグが立っていなければ(ステップS102)、目標動作点がどの領域にあるかを判定する(ステップS104)。すなわち、制御装置30は、車速センサ42によって検出された車速と、アクセル開度センサ45によって検出されたアクセル開度と、を取り込み、両者から目標動作点を決定し、その目標動作点が走行領域マップ上のどの領域にあるかを判定する。
【0037】判定の結果、目標動作点がモータ走行領域内にある場合には、制御装置30は、モータ走行を行うように、ハイブリッドシステムを制御し(ステップS106)、エンジン走行領域内にある場合には、エンジン走行を行うように、ハイブリッドシステムを制御する(ステップS108)。
【0038】例えば、エンジン効率の悪化する車両発進時などの低速走行時には、目標動作点はモータ走行領域内に存在するので、制御装置30は、エンジン10を停止状態にし、モータ12のみを動力源として走行するように制御する。すなわち、制御装置30は、燃料電池20や電源切換スイッチ24を制御して、燃料電池20で生成された電力を駆動回路22を介してモータ12に供給すると共に、駆動回路22を制御することにより、モータ12を電動機として機能させ、モータ12の動力を駆動輪16に伝達させる。また、このとき、制御装置30は、クラッチ機構11を制御して、エンジン10の出力軸を、モータ12の回転軸から切り離す。
【0039】車両が一旦発進されて充分なエンジン効率を確保可能な走行条件となると、目標動作点はエンジン走行領域内に移動するので、制御装置30は、今度はエンジン10のみを動力源として走行するように制御する。すなわち、制御装置30は、エンジン10を始動して動力を発生させると共に、クラッチ機構11を制御して、エンジン10の出力軸をモータ12の回転軸に連結させ、エンジン10の動力を駆動輪16に伝達させる。また、制御装置30は、駆動回路22を制御して、モータ12を、エンジン10により回転されて発電機として機能させ、電源切換スイッチ24を制御することにより、発電された電力を二次電池21に蓄積させる。
【0040】このようにして、制御装置30は、走行状態の切り換え制御を行う。
【0041】B−2.特定停止検出処理:ところで、このように車両が走行している際に、例えば、ブレーキによって車両が急停止したり(急制動停止)、或いは物体に衝突して車両が急停止したり(衝突急停止)して、車両に急激な加速度が加わると、燃料電池20にダメージが与えられる場合がある。そのような場合に、走行状態がモータ走行に切り換わると、ダメージに基づく燃料電池20の出力電力の低下により、モータ12の出力トルクも低下して、車両の走行性能が落ちる可能性がある。
【0042】そこで、本実施例では、以下に述べる処理によって、急制動停止や衝突急停止を検出し、それらを検出した際には、例え燃料電池20にダメージが与えられていても、車両の走行性能が低下する可能性を避けることができる。
【0043】図4は図1の制御装置30において実行される特定停止検出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。この処理ルーチンも、所望の時間間隔で繰り返し実行される。
【0044】図4に示す処理ルーチンが開始されると、制御装置30は、後述する検出フラグが立っているか否かを判定し(ステップS202)、立っていなければ、車両が急制動停止したか否かを判定する(ステップS204)。具体的には、制御装置30は、フットブレーキスイッチ43,加速度センサ41,車速センサ42からの検出結果に基づいて、フットブレーキスイッチ43がオンした後に、実質的に、車両の加速度として第1の値g1以上の負(−)の加速度(言い換えれば減速度)が検出されて、車両が停止した場合に、「急制動停止した」と判定する。
【0045】図5は図1の制御装置30による急制動停止の判定方法を説明するためのタイムチャートである。図5に示すように、実線で示すように一定車速で走行中に、時刻t1において、フットブレーキスイッチ43がオンされると、その後の時刻t2から車速が実線のように低下し、かつ、加速度が実線のように零から負に変化する。そして、時刻t2から所定の短時間内、例えば時刻t3において、車速が急速に零になるか、または加速度が負の第1の値g1以上を示して停車した場合に、制御装置30は急制動停止と判定する。
【0046】なお、図5において、破線で示す車速、および破線で示す加速度は、急制動停止以外の通常制動を示している。この通常制動の場合は、時刻t3よりも遅い時刻t4において、車速が零になっているとともに、負の加速度が急制動時よりも零側に近い値になっている。
【0047】ところで、車両の加速度を直接検出しなくても、例えば、車速が所定値以下でフットブレーキペダルの踏込量が所定値以上であることが検出されて、車両が停止した場合を、車両が急制動停止したと判断することも可能である。
【0048】以上のようにして、制御装置30は車両が急制動停止したか否かを判定し、その判定の結果、「急制動停止した」と判定した場合には、制御装置30内のRAMに検出フラグを立てる(ステップS208)。
【0049】一方、判定の結果、急制動停止と判定しなかった場合には、次に、制御装置30は、車両が衝突急停止したか否かを判定する(ステップS206)。具体的には、制御装置30は、加速度センサ41,車速センサ42からの検出結果を取り込んで、車両の加速度として第2の値g2以上の負の加速度が検出されて、車両が停止した場合を、「衝突急停止した」と判定する。本実施例では、第2の値g2は、第1の値g1より大きな値に設定されている。
【0050】図6は図1の制御装置30による衝突球停止の判定方法を説明するためのタイムチャートである。図6に示すように、実線で示すように一定車速で走行中に、時刻t1において、車両が物体に衝突すると、その時刻t1から車速が実線のように急激に低下し、かつ、加速度が実線のように零から負側に急速に変化する。そして、時刻t1から所定の短時間内、例えば時刻t2において、車速が急速に零になるか、または加速度が負の第2の値g2以上を示して停車した場合に、制御装置30は衝突急停止と判定する。
【0051】なお、制御装置30は、加速度が負の値を示し、かつ、非常に大きな加速度の変化割合を示して停止した場合に、衝突急停止と判定しても良い。
【0052】また、制御装置30は、必要に応じて、フットブレーキペダルに対する踏力(言い換えれば制動力)、フットブレーキペダルの踏込量などを参照して、衝突急停止か否かを判定するようにしても良い。
【0053】以上のようにして、制御装置30は車両が衝突急停止したか否かを判定し、その判定の結果、「衝突急停止した」と判定した場合には、制御装置30内のRAMに検出フラグを立てる(ステップS208)。
【0054】従って、制御装置30は、急制動停止および衝突急停止の何れかを検出した場合に、検出フラグを立てることになる。こうして、一旦、検出フラグが立つと、その後は、制御装置30によって、図4に示す特定停止検出処理ルーチンが実行されても、ステップS202において、制御装置30は、検出フラグが立っていると常に判定することになるので、ステップS204,S206の判定は行われることなく、直ちにリターンする。
【0055】B−3.特定停止検出後の走行状態切換処理:一方、このように、急制動停止および衝突急停止の何れかが検出されて、検出フラグが立つことにより、前述の図3に示す走行状態切換処理ルーチンにおいては、次のような処理となる。
【0056】すなわち、制御装置30は、ステップS102において、検出フラグが立っているか否かを判定した際、検出フラグが立っていると判定するので、ステップS104の判定を行うことなく、直ちに、エンジン走行を行うよう、ハイブリッドシステムを制御する(ステップS106)。
【0057】従って、急制動停止,衝突急停止の何れかが検出されて、一旦、検出フラグが立つと、その後は、常に、エンジン走行を行うよう制御されることになる。
【0058】よって、本実施例によれば、急制動停止や衝突急停止によって、仮に、燃料電池20にダメージが与えられたとしても、検出後は、走行状態がエンジン走行に固定されるので、燃料電池20のダメージによる影響を受けることなく走行することができる。
【0059】なお、本実施例においては、検出フラグが一旦立つと、その解除はユーザが勝手に行うことができないようになっている。すなわち、検出フラグが立った後は、その車両をディーラなどに持ち込み、専門員が車両を検査し、必要に応じて修理などした上で、制御装置30をリセットすることにより、検出フラグを解除することができる。
【0060】C.その他:なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0061】上記した実施例においては、エンジン走行時、制御装置30はエンジン10のみを動力源として走行するように制御するとして説明したが、エンジン走行時においても、エンジン10だけではトルクが不足する場合には、エンジン10の他にモータ12も動力源として追加して走行するよう制御しても良い。但し、このような制御は、検出フラグが立っていない場合の制御であり、検出フラグが立った後は、エンジン10のみを動力源として走行するよう制御する必要がある。
【0062】上記した実施例では、特に言及しなかったが、急制動停止,衝突急停止の何れかを検出し、検出フラグが立った場合、その旨を表示や音声によって運転者に知らせるようにしても良い。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
【出願日】 平成13年12月6日(2001.12.6)
【代理人】 【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
【公開番号】 特開2003−174705(P2003−174705A)
【公開日】 平成15年6月20日(2003.6.20)
【出願番号】 特願2001−372729(P2001−372729)