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【発明の名称】 電気車制御装置
【発明者】 【氏名】山崎 修
【住所又は居所】東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝府中事業所内

【要約】 【課題】VVVFインバータ8dをCVCFインバータ動作に切り換えるときに必要な判断や操作を自動化して人間系の介入を廃し、切換判断、切換操作の信頼性を向上させ、かつ切換動作を省力化できる電気車制御装置を実現する。

【解決手段】切換制御装置15が、CVCFインバータ12の停止時に切換指令を出して切換装置11の接点を動作させ、人間による判断、操作を介在することなしにVVVFインバータ8dをCVCFインバータ動作するように自動的に切り換える。また、切換制御装置15がCVCFインバータ12の停止回数をカウントし、この停止回数が予め定めた回数より大きくなったときにCVCFインバータの故障と判断し、切換制御することにより、本来切り換える必要のない外乱などによる一時的なCVCFインバータ12の停止で切換動作が行われるのを防ぎ、適正に切換動作するようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直流電力を可変電圧可変周波数の交流電力に変換して複数の電気車駆動用電動機それぞれに供給する複数のVVVFインバータと、直流電力を定電圧定周波数の交流電力に変換して電気車補助回路に供給するCVCFインバータと、前記複数のVVVFインバータのうち一部を前記電気車駆動用電動機から切り離して前記電気車補助回路に接続し、前記定電圧定周波数の交流電力を供給するように切り換える切換装置と、前記CVCFインバータの異常を検出し、前記切換装置に前記複数のVVVFインバータのうち一部を前記電気車駆動用電動機から切り離し、前記電気車補助回路に接続して前記定電圧定周波数の交流電力を供給するように切換動作させる切換制御装置とを備えたことを特徴とする電気車制御装置。
【請求項2】 請求項1記載の電気車制御装置において、前記切換制御装置はモニタ装置であることを特徴とする電気車制御装置。
【請求項3】 請求項1記載の電気車制御装置において、前記切換制御装置は、前記VVVFインバータ自体であることを特徴とする電気車制御装置。
【請求項4】 請求項1記載の電気車制御装置において、前記切換制御装置は、前記CVCFインバータ自体であることを特徴とする電気車制御装置。
【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載の電気車制御装置において、前記切換制御装置は、CVCFインバータの停止回数をカウントし、この停止回数が予め定めた回数より大きくなったときにCVCFインバータの故障と判断し、切換装置に切換指令を出力することを特徴とする電気車制御装置。
【請求項6】 請求項5記載の電気車制御装置において、前記切換制御装置は、CVCFインバータの停止回数をカウントし、一定時間内の停止回数が予め定めた回数より大きくなったときにCVCFインバータの故障と判断し、切換装置に切換指令を出力することを特徴とする電気車制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電力を交流電力に変換して電気車駆動用電動機に供給する可変電圧可変周波数(VVVF)インバータと、直流電力を交流電力に変換して電気車補助回路に供給する定電圧定周波数(CVCF)インバータとを制御する電気車制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に鉄道車両では、電気車駆動用電動機の制御するのに可変電圧可変周波数制御によるVVVFインバータが用いられる。そして、VVVFインバータの制御回路や抵抗器を冷却するための電動送風機を駆動するための回路等の電気車補助回路への電力源には、定電圧定周波数制御によるCVCFインバータが用いられる。図6は、複数のVVVFインバータと1台のCVCFインバータとを備えている電気車制御装置の従来例の構成を示している。
【0003】この従来の電気車制御装置では、パンタグラフ1から電力が、複数の系統それぞれの高速度遮断器2、接触器3、充電抵抗器4、充電抵抗器短絡用接触器5、フィルタリアクトル6を介してVVVFインバータ8a〜8dに供給される。各VVVFインバータ8a〜8dの入力端間にはフィルタコンデンサ7が接続され、さらに出力端には電気車駆動用電動機9a〜9d(以下、電動機という)が接続されている。そして、複数のVVVFインバータ8a〜8dのうちの1台、VVVFインバータ8dはCVCFインバータとして駆動することができる制御部10により制御するようにしてある。また、従来の電気車制御装置は切換装置11を備えていて、VVVFインバータ8dの出力を電動機9dから後述する電気車補助回路に切り換えて供給するようにしてある。
【0004】また、従来の電気車制御装置では、パンタグラフ1から電力が、高速度遮断器21、フィルタリアクトル61、充電抵抗器41、充電抵抗器短絡用接触器51を介してCVCFインバータ12に供給される。CVCFインバータ12の入力端間にはフィルタコンデンサ7が接続され、その出力端は、切換装置11及び波形フィルタ13を介して変圧器14の一次側に接続されている。この変圧器14の2次側には電気車補助回路が接続されている。
【0005】この従来の電気車制御装置では、CVCFインバータ12が故障したときには、切換装置11の各接点をX側からY側に切り換え、CVCFインバータ12の代わりに予め定めたVVVFインバータ8dの入力側を充電抵抗器41、充電抵抗器短絡用接触器51と接続し、その出力側を波形フィルタ13に接続すると共に、制御部10においてVVVF制御部10bの代わりにCVCF制御部10cに切り換えて共通部10aに接続する。これにより、VVVFインバータ8dがCVCFインバータとして動作し、電気車補助回賂に対する電源を確立する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の電気車制御装置では、CVCFインバータが停止し、一部のVVVFインバータを電動機から切り離して電気車補助回路に接続するとき、切換判断や切換操作は、乗務員など人間系によっている。このため、切換完了までに時間を要し、また判断ミスや操作ミスが起きる可能性がある。
【0007】本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、VVVFインバータをCVCFインバータに切り換えるときに必要な判断や操作を自動化して人間系の介入を廃し、切換判断、切換操作の信頼性を向上させ、かつ切換動作を省力化することができる電気車制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の電気車制御装置は、直流電力を可変電圧可変周波数の交流電力に変換して複数の電気車駆動用電動機それぞれに供給する複数のVVVFインバータと、直流電力を定電圧定周波数の交流電力に変換して電気車補助回路に供給するCVCFインバータと、前記複数のVVVFインバータのうち一部を前記電気車駆動用電動機から切り離して前記電気車補助回路に接続し、前記定電圧定周波数の交流電力を供給するように切り換える切換装置と、前記CVCFインバータの異常を検出し、前記切換装置に前記複数のVVVFインバータのうち一部を前記電気車駆動用電動機から切り離し、前記電気車補助回路に接続して前記定電圧定周波数の交流電力を供給するように切換動作させる切換制御装置とを備えたものである。
【0009】請求項1の発明の電気車制御装置では、切換制御装置が、CVCFインバータの停止時に切換指令を出して切換装置の接点を動作させ、人間による判断、操作を介在することなしにVVVFインバータからCVCFインバータヘの切り換えを自動的に行う。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の電気車制御装置において、前記切換制御装置はモニタ装置であることを特徴とするものであり、モニタ装置が切換装置の制御を行うことにより、モニタ装置が搭載されている電気車制御装置の場合、切換制御装置を別途に設ける必要がなく、既存装置のみで構成できる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1の電気車制御装置において、前記切換制御装置はVVVFインバータ自体であることを特徴とするものであり、VVVFインバータ自体が切換装置の制御を行うため、切換制御装置を別途に設ける必要がなく、既存装置のみで構成できる。
【0012】請求項4の発明は、請求項1の電気車制御装置において、前記切換制御装置はCVCFインバータ自体であることを特徴とするものであり、CVCFインバータが切換装置の制御を行うため、切換制御装置を別途に設ける必要がなく、既存装置のみで構成できる。
【0013】請求項5の発明は、請求項1〜4の電気車制御装置において、前記切換制御装置はCVCFインバータの停止回数をカウントし、この停止回数が予め定めた回数より大きくなったときにCVCFインバータの故障と判断し、切換装置に切換指令を出力するようにしたものであり、本来切り換える必要のない外乱などによる一時的なCVCFインバータの停止で切換動作が行われるのを防ぎ、複数回のCVCFインバータの停止を故障と判断し、適正に切換動作を行う。
【0014】請求項6の発明は、請求項5の電気車制御装置において、前記切換制御装置は、CVCFインバータの停止回数をカウントし、一定時間内の停止回数が予め定めた回数より大きくなったときにCVCFインバータの故障と判断し、切換装置に切換指令を出力するようにしたものであり、連続したCVCFインバータの停止を故障と判断して切換動作を行うことにより、本来切り換える必要のない一時的なCVCFインバータの停止で切換動作を行うのを防ぐ。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0016】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形態の電気車制御装置の構成を示している。この実施の形態の電気車制御装置では従来例と同様に、パンタグラフ1から電力が、複数の系統それぞれの高速度遮断器2、接触器3、充電抵抗器4、充電抵抗器短絡用接触器5、フィルタリアクトル6を介してVVVFインバータ8a〜8dに供給される。各VVVFインバータ8a〜8dの入力端間にはフィルタコンデンサ7が接続され、さらに出力端には電動機9a〜9dが接続されている。そして、複数のVVVFインバータ8a〜8dのうちの1台、VVVFインバータ8dはCVCFインバータとして駆動することができる制御部10により制御するようにしてある。
【0017】また、この電気車制御装置では、パンタグラフ1から電力が、高速度遮断器21、フィルタリアクトル61、充電抵抗器41、充電抵抗器短絡用接触器51を介してCVCFインバータ12に供給される。CVCFインバータ12の入力端間にはフィルタコンデンサ7が接続され、その出力端は、切換装置11及び波形フィルタ13を介して変圧器14の一次側に接続されている。この変圧器14の2次側には電気車補助回路が接続されている。
【0018】前述の制御部10には、VVVFインバータ8dをVVVFインバータとして駆動させるVVVF制御部10b、これをCVCFインバータとして駆動させるCVCF制御部10c、そしてこれらのいずれかをVVVFインバータ8dに接続する共通部10aが備えられている。
【0019】前述の切換装置11は、VVVFインバータ8dの出力を電動機9dから電気車補助回路に切り換えて供給するためのものであり、VVVFインバータ8dとCVCFインバータ12との入力側の切換用、出力側の切換用、さらに制御部10のVVVF制御部10b、CVCF制御部10cの切換用のX接点とY接点を有する多数の切換スイッチから構成されている。そして各切換スイッチは、通常時にはX側に接触している。この切換装置11は、本実施の形態の特徴である切換制御装置15によって切換制御される。
【0020】次に、上記の構成の電気車制御装置の動作を説明する。CVCFインバータ12が故障したとき、切換制御装置15はCVCFインバータ12の停止を検出して切換装置11に切換指令を出す。切換装置11は切換指令を受け、切換装置11の接点をX側からY側に切り換える。
【0021】切換装置11の接点がX側からY側に切り換わることによって、CVCFインバータ12の代わりにVVVFインバータ8dの入力側を充電抵抗器41、充電抵抗器短絡用接触器51と接続して出力側を波形フィルタ13に接続する共に、VVVF制御部10bの代わりにCVCF制御部10cに切り換えて共通部10aに接続する。
【0022】これにより、本実施の形態の電気車制御装置では、人間系を介在せず、自動的にVVVFインバータ8dをCVCFインバータ動作するように切り換えることができ、電気車補助回路に対する電源を確保することができる。
【0023】(第2の実施の形態)図2は本発明の第2の実施の形態の電気車制御装置の構成を示している。本実施の形態の特徴は、第1の実施の形態における切換制御装置15に代えて、モニタ装置16により切換装置11の切換制御を行うようにした点にある。したがって、その他の構成要素は、図1に示した第1の実施の形態と共通である。
【0024】この第2の実施の形態においても、CVCFインバータ9が故障したとき、人間系を介在せず、VVVFインバータ8dを自動的にCVCFインバータ動作に切り換えることができる。
【0025】また、その切換制御をモニタ装置16によって行わせるので、従来から備えられているモニタ装置に上記の機能構成をソフトウェアとして追加するだけでよく、第1の実施の形態のように別途に切換制御装置15を設けなくても済み、コスト的なメリットがある。
【0026】なお、上記のモニタ装置16に切換装置11に切換制御機能を付加する代わりに、VVVFインバータ8d自体やCVCFインバータ12自体に切換制御機能を付加的に設けることができる。
【0027】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3の実施の形態の電気車制御装置の構成を、図3を用いて説明する。第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態の電気車制御装置に対して、切換制御装置15によるCVCFインバータ12の停止判定機能をより信頼性の高い構成にしたことを特徴とする。
【0028】第1の実施の形態では、CVCFインバータ12の単純な停止を異常判定条件としたが、その場合、外乱などによりCVCFインバータ12が一時的に停止しただけでも切換動作が行われてしまう。このため、第3の実施の形態における切換制御装置15では、CVCFインバータ12の停止回数をカウンタ15aによってカウントさせ、異常判定回路15bによりこのカウント値が予め定めた規定回数を超えたら異常と判断させ、切換動作を行うようにしている。
【0029】これにより、第3の実施の形態の電気車制御装置では、外乱などによりCVCFインバータ12が一時的に停止した場合には切換動作を行うことがなく、継続的な停止に対して異常と判断して切換動作を行うことができ、切換動作の信頼性を高めることができる。
【0030】(第4の実施の形態)図4は本発明の第4の実施の形態の電気車制御装置の構成を示している。本実施の形態の特徴は、切換制御装置15の機能構成にある。図3に示した第3の実施の形態における切換制御装置では、CVCFインバータ12の停止が所定回数行ったときに異常と判断して切換装置11に切換動作させるようにしたが、その場合には、外乱などによりCVCFインバータが一時的に停止する動作が複数回断続的に起これば切換動作が行われる可能性がある。
【0031】そこで、本実施の形態では、切換動作の信頼性をさらに向上させるために、切換制御装置15が図5に示したような制御動作で、一定時間のCVCF停止回数をカウントし、一定時間内に予め定めた規定回数を超えたら異常と判断し、切換動作を行うようにしている。
【0032】このため、この第4の実施の形態では、切換制御装置15はCVCFインバータ12の停止回数をカウントするカウンタ15a、タイマ15c、そしてタイマ15cが示す一定時間x分のうちにカウンタ15aがカウントした停止回数を取り出し、それが規定回数yを超えていればCVCFインバータ12の異常と判断し、切換指令を切換装置11に出力する判定器15dを備えている。
【0033】これにより、第4の実施の形態の電気車制御装置では、CVCFインバータ12が一時的に数回停止したような場合には切換動作を行わず、一定時間内に予め定めた規定回数を超えたら異常と判断してVVVFインバータ8dをCVCFインバータ動作するように切換制御し、VVVFインバータ8dの切換制御の信頼性をより向上させる。
【0034】なお、図3に示した第3の実施の形態における切換制御装置15の機能、また図4に示し第4の実施の形態のにおける切換制御装置15の機能は、図2に示した第2の実施の形態におけるモニタ装置16、あるいはVVVFインバータ自体、若しくはCVCFインバータ自体に組み込むことも可能である。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明によれば、切換制御装置が、CVCFインバータの停止時に切換指令を出して切換装置の接点を動作させ、人間による判断、操作を介在することなしにVVVFインバータからCVCFインバータヘの切り換えを自動的に行うことができ、操作ミス、切換ミスの発生を避けることができる。
【0036】請求項2の発明によれば、モニタ装置が切換装置の制御を行うため、切換制御装置を別途に設ける必要がなく、既存装置のみで構成でき、コスト的メリットがある。
【0037】請求項3の発明によれば、VVVFインバータ自体が切換装置の制御を行うため、切換制御装置を別途に設ける必要がなく、既存装置のみで構成でき、コスト的メリットがある。
【0038】請求項4の発明によれば、CVCFインバータ自体が切換装置の制御を行うため、切換制御装置を別途に設ける必要がなく、既存装置のみで構成でき、コスト的メリットがある。
【0039】請求項5の発明によれば、切換制御装置はCVCFインバータの停止回数をカウントし、この停止回数が予め定めた回数より大きくなったときにCVCFインバータの故障と判断し、切換装置に切換指令を出力するようにしたので、本来切り換える必要のない外乱などによる一時的なCVCFインバータの停止で切換動作が行われるのを防ぎ、複数回のCVCFインバータの停止を故障と判断し、適正に切換動作を行うことができる。
【0040】請求項6の発明によれば、切換制御装置はCVCFインバータの停止回数をカウントし、一定時間内の停止回数が予め定めた回数より大きくなったときにCVCFインバータの故障と判断し、切換装置に切換指令を出力するようにしたので、連続したCVCFインバータの停止を故障と判断して切換動作を行うことにより、本来切り換える必要のない一時的なCVCFインバータの停止で切換動作を行うのを防ぎ、CVCFインバータの異常をいっそう適正に判定して切換動作を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【出願日】 平成13年12月6日(2001.12.6)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
【公開番号】 特開2003−174701(P2003−174701A)
【公開日】 平成15年6月20日(2003.6.20)
【出願番号】 特願2001−372709(P2001−372709)