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【発明の名称】 車両の駆動力制御方法とその制御装置
【発明者】 【氏名】内田 正明
【住所又は居所】神奈川県横須賀市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内

【要約】 【課題】下り坂走行時に運転者に違和感を感じさせない車両の駆動力制御方法を提供する。

【解決手段】内燃機関(1)に連結された発電機(3)と、バッテリ(17)またはキャパシタと、駆動輪を駆動するモータ(4)とを具備した車両において、車両の速度とアクセルペダルの操作量を検出し、これら検出されたアクセルペダルの操作量と車速から演算される目標駆動力に基づきモータが制御される車両の駆動力制御方法であって、前記検出された車速の変化量に基づき演算される補正値を前記目標駆動力に加算補正する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】バッテリまたはキャパシタと、駆動輪を駆動するモータとを具備した車両において、車両の速度とアクセルペダルの操作量を検出し、これら検出されたアクセルペダルの操作量と車速から演算される目標駆動力に基づきモータが制御される車両の駆動力制御方法であって、前記検出された車速の変化量に基づき演算される補正値を前記目標駆動力に加算補正することを特徴とする車両の駆動力制御方法。
【請求項2】前記補正値は、前記車速変化量が所定値未満では0とし、所定値以上では車速変化量に応じて変化量の絶対値が大きくなるような負の値とすることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御方法。
【請求項3】前記補正値は、前記車速変化量が所定値以上では前記車速変化量を所定値にフィードバック制御する値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の車両の駆動力制御方法。
【請求項4】前記所定値は、0近傍の値とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の車両の駆動力制御方法。
【請求項5】前記所定値は、車速に応じて設定されることを特徴する請求項1から4のいずれか一つに記載の車両の駆動力制御方法。
【請求項6】前記補正値は、所定時間当たりの変化量が制限されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の車両の駆動力制御方法。
【請求項7】車両の速度を検出する手段と、アクセルペダルの操作量を検出する手段と、内燃機関に連結された発電機と、バッテリまたはキャパシタと、駆動輪を駆動するモータと、検出された車速とアクセルペダルの操作量に基づき目標駆動力を演算する手段と、演算された目標駆動力に基づき前記モータを制御する手段と、を備えた車両の駆動力制御装置であって、前記車速検出手段によって検出される車速の変化量に基づき補正値を演算し、この補正値を前記目標駆動力に加算補正する手段を備えたことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車両の駆動力制御方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両、特にいわゆるハイブリッド車両の駆動力制御方法として、特開2000−236602号公報に記載の技術がある。この駆動力制御方法は、出力トルクを電子制御可能なエンジンと、このエンジンに連結され、出力トルクと回転数とを電子制御可能な発電機と、駆動輪に連結され、出力トルクと回転数とを電子制御可能なモータとを備え、これらを一括制御することで駆動力を制御する駆動力制御方法であって、具体的には、アクセル操作量と車速とから目標駆動力を演算し、この目標駆動力に基づいてモータの出力トルクを制御しているものである。
【0003】一方、前述の駆動力制御方法では目標駆動力を平坦路を基準として演算しており、下り坂でエネルギ回生の負のエネルギが不足して運転者が要求していないにもかかわらず、車両の速度が増速して運転性が損なわれたり、またエネルギ回生の点では回生可能なエネルギを車両の増速によって消費して効率向上を図れないという問題があり、下り坂での運転性を改善する技術として特開平9−100903号公報に開示されたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術は、アクセル開放時に車両の速度が増速した場合には変速機の変速比を大きくしてエンジンブレーキが強く作用するようにした制御装置であり、下り坂での運転性を向上することができるものであるが、この従来技術では、エンジン及び変速機を備えない車両、例えば、駆動輪をモータで直接駆動するような電気自動車にそのまま適用することはできない。
【0005】そこで本発明は、このような課題に鑑み、アクセル操作量に応じて、目標駆動力基本値を車速の変化量から演算される目標駆動力補正値で補正して目標駆動力を演算することにより、下り坂においても必要十分なエネルギ回生を成し遂げつつ運転性を向上する駆動力制御方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、バッテリまたはキャパシタと、駆動輪を駆動するモータとを具備する車両において、車両の速度とアクセルペダルの操作量を検出し、これら検出されたアクセルペダルの操作量と車速から演算される目標駆動力に基づきモータが制御される車両の駆動力制御方法であって、前記検出された車速の変化量に基づき演算される補正値を前記目標駆動力に加算補正する。
【0007】第2の発明は、第1の発明において、前記補正値は、前記車速変化量が所定値未満では0とし、所定値以上では車速変化量に応じて変化量の絶対値が大きくなるような負の値とする。
【0008】第3の発明は、第1または第2の発明において、前記補正値は、前記車速変化量が所定値以上では前記車速変化量を所定値にフィードバック制御する値とする。
【0009】第4の発明は、第1から第3のいずれか一つの発明において、前記所定値は、0近傍の値とする。
【0010】第5の発明は、第1から第4のいずれか一つの発明において、前記所定値は、車速に応じて設定される。
【0011】第6の発明は、第1から第3のいずれか一つの発明において、前記補正値は、所定時間当たりの変化量が制限される。
【0012】第7の発明は、車両の速度を検出する手段と、アクセルペダルの操作量を検出する手段と、内燃機関に連結された発電機と、バッテリまたはキャパシタと、駆動輪を駆動するモータと、検出された車速とアクセルペダルの操作量に基づき目標駆動力を演算する手段と、演算された目標駆動力に基づき前記モータを制御する手段とを備えた車両の駆動力制御装置であって、前記車速検出手段によって検出される車速の変化量に基づき補正値を演算し、この補正値を前記目標駆動力に加算補正する手段を備えた。
【0013】
【発明の効果】第1と第7の発明では、アクセルペダルの操作量と車速から演算される目標駆動力に車速の変化量に基づき演算される補正値を加算補正することにより、運転者がアクセルペダルを操作していないにもかかわらず車速が変化する、例えば車両が下り坂を走行しても車両が過度に増速することなく、運転者に違和感を与えない運転性を確保できるとともに、エネルギを効率よく回生できるのでシステムとしてのエネルギ効率を向上させることができる。
【0014】第2の発明では、補正値を車速変化量が所定値未満では0、所定値以上では車速変化量に応じて変化量の絶対値が大きくなるような負の値としたので、車速変化量に応じて木目細かな制御を行うことができ、一層違和感のない運転性を確保することができる。
【0015】第3の発明では、補正値を車速変化量が所定値以上では車速変化量を所定値にフィードバック制御する値としたので、一層精度よく制御を行うことができる。
【0016】第4の発明では、所定値を0近傍の値としたので、下り坂走行時でも車速が増速せずにエネルギ回生を行わせることができる。
【0017】第5の発明では、所定値を車速に応じて設定するので、車速に代表される走行条件に応じて所定値を設定することができ、補正精度を向上できる。
【0018】第6の発明では、補正値の時間当たりの変化量を制限したので、アクセル操作の有無の切り換わり時の目標駆動力の急激な変化を抑制し、良好な運転性を確保することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1に示す構成は、本発明の駆動力制御方法を適用するシステムの構成の一例である。
【0020】システムは、エンジン1を制御するエンジンコントロールユニット(以下、ECUという。)2と、発電機3と図示しない駆動輪を駆動するモータ4とを備えた変速機5を制御するトランスミッションコントロールユニット(以下、TCUという。)6、およびECU2とTCU6とを統括的に制御する統合コントロールユニット(以下、UCUという。)7とを備える。
【0021】エンジン1には電子制御式スロットル弁8のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ9と、吸入空気量を検出するエアフローメータ10と、エンジン回転数及び回転の位相を検出するためのクランク角センサ11とが設置されており、これらのセンサの出力はECU2に入力される。これらの信号に基づいてECU2は点火プラグ12の点火時期制御やインジェクタ13の燃料噴射時期制御を行う。
【0022】つまり、吸入空気量とエンジン回転数およびエンジン回転の位相に基づき、吸入空気量に応じた燃料噴射量と、エンジン負荷とエンジン回転数に応じた点火時期を演算し、この演算結果に基づきインジェクタ13を駆動して所定量の燃料をエンジン2に噴射するとともに、演算による点火時期に従って点火プラグ12により燃料に点火する。
【0023】さらに、図示しないアクセルペダル操作量検出手段によって検出されたアクセルペダル操作量が入力されるUCU7で目標エンジントルクが演算され、この演算結果がECU2に入力される。ECU2は目標エンジントルクに応じてスロットル弁8の開度を制御し、吸入空気量を目標エンジントルクとなるように制御する。尚、本システムではスロットル弁8を備えたガソリンエンジンを用いて説明したが、ディーゼルエンジンを用いたシステムであってもよい。ディーゼルエンジンを用いた場合には、出力トルクが燃料噴射量に比例するので、燃料噴射量を制御することで出力トルクを制御可能である。
【0024】また変速機5にはエンジン回転数に比例する発電機3の回転数を検出するための回転数センサ14と、車速に比例するモータ4の回転数を検出する回転数センサ(車速検出手段)15が備えられており、これらのセンサ出力はTCU6に送信される。TCU6はUCU7が演算した目標発電機回転数となるように、発電機3の回転数をフィードバック制御する。さらにTCU6はUCU7が演算するモータの目標駆動力となるように、モータ4の出力トルクをフィードフォワード制御する。
【0025】なお変速機5とTCU6との間にインバータ16が設置され、TCU6から送信された発電機制御信号とモータ制御信号はインバータを経由して変速機5に送信される。また、インバータ16は車両減速時等の回生エネルギをバッテリ17へ充電するように、またバッテリ17の電力をモータ4に供給するように、さらに発電機3が発電した電力をバッテリ17に充電するように制御する。なお、バッテリ17に換えて、キャパシタを用いることも可能である。
【0026】図2は、特開2000−236602号公報に記載の技術において、UCU7が実施する制御方法を説明するブロック図である。
【0027】アクセルペダル操作量APSと車速VSPが入力される目標駆動力演算ブロック20は、車速VSP毎にアクセルペダル操作量APSに応じた適切な駆動力が得られるように所定のマップから目標駆動力tFwを設定する。この設定された目標駆動力tFwはTCU6に出力される。一方で、目標駆動力tFwには車速VSPが乗算されて目標モータ出力tPmが演算され、この目標モータ出力tPmに発電機損失Lmとモータ損失Lg、及びバッテリ状態に応じた補正値tPbを加算して目標発電機出力tPgが求められる。
【0028】ここで発電機損失Lmは、発電機損失演算ブロック30において目標駆動力tFwを定数zで除した値と車速VSPの関係からなるマップから算出され、モータ損失Lgはモータ損失演算ブロック40において目標エンジン駆動力tTeを定数zで除した値とエンジン回転数Ngとの関係からなるマップから算出される。またバッテリ状態に応じた補正値tPbはバッテリの残量が多ければ小さな値を設定し、少なければ大きな値を設定する。
【0029】次に、目標発電機出力tPgを車速VSPで除して補正後の目標駆動力tFw2が演算され、この目標駆動力tFw2は目標発電機回転数演算ブロック50に入力される。また目標発電機回転数演算ブロック50には車速VSPも入力される。目標発電機回転数演算ブロック50では、既定のマップを用いて、入力された目標駆動力tFw2と車速VSPとから目標発電機回転数tNgを設定し、この目標発電機回転数tNgをTCU6に出力する。ここで目標発電機回転数tNgは、目標発電機出力tPgを最も少ない燃料消費量で実現できる回転数である。
【0030】一方で目標発電機出力tPgは、エンジン回転数Ngによって除算され、この値が目標エンジントルクtTeとしてECU2へ出力される。
【0031】このような制御によって従来技術は、運転性と燃料経済性とを両立するものである。この制御でアクセル操作がない場合には、目標駆動力tFwが車速VSPに応じた負の値に設定されているためエンジンは停止し、モータは発電機として作動してエネルギの回生が行われる。回生されたエネルギはバッテリに充電され、アイドルストップ時等に消費される。しかしながらこの制御においては、目標駆動力tFwが平坦路を基準として設定された一定値であるため、下り坂では車両が増速したり、エネルギの回生が十分に行えないという問題がある。
【0032】そこで本発明では、図2に示す目標駆動力演算ブロック20に換えて図3の目標駆動力演算ブロック60を用いることでこの問題を解決するものである。
【0033】目標駆動力演算ブロック60は、目標駆動力基本値演算ブロック61と目標駆動力補正値演算ブロック62とを備えており、目標駆動力基本値演算ブロック61にはアクセル操作量APSと車速VSPが入力され、所定のマップから目標駆動力基本値tFwBを設定する。このマップはアクセル操作量APSと車速VSPとが大きいほど目標駆動力基本値tFwBも大きな値を得るように設定されている。
【0034】一方、目標駆動力補正値演算ブロック62には、アクセル操作量APSと車速VSPと所定時間毎の車速の変化量ΔVSPが入力され、目標駆動力補正値tFwC0が演算される。目標駆動力補正値tFwC0はアクセル操作量APSが0でない場合には0が設定され、アクセル操作量APSが0の場合には車速VSP毎に車速の変化量ΔVSPに応じて図4に示すような所定のマップから検索されるか、または後述するように車速の変化量ΔVSPが車速VSPに応じて設定される所定の変化量tΔVSP以下となるように目標駆動力補正値tFwC0がフィードバック演算される。
【0035】目標駆動力補正値演算ブロック62で設定された目標駆動力補正値tFwC0は、後述する車速の変化速度を規制するなまし処理が加えられ、目標駆動力補正値tFwCとして設定される。
【0036】次に、目標駆動力基本値tFwBに目標駆動力補正値tFwCが加算されて、目標駆動力tFwが演算される。
【0037】図4に示すマップは、アクセル操作量APSが0の場合の、車速VSP毎に車速の変化量ΔVSPから目標駆動力補正値tFwC0を設定するためのマップの一例である。なお、アクセル操作量APSが0でない場合には目標駆動力補正値tFwC0に0が設定される。このマップを参照すると、目標駆動力補正値tFwC0は、車速の変化量ΔVSPが所定変化量tΔVSP未満の場合には、目標駆動力基本値tFwBのみで十分な駆動力の状態であり、0が設定される。
【0038】一方、車速の変化量ΔVSPが所定変化量tΔVSP以上の場合に目標駆動力補正値tFwC0は、車速の変化量ΔVSPに応じて(図4では比例して)絶対値が大きくなる負の値である。ここで所定変化量tΔVSPは0に近い小さな値である。これは走行条件としては、下り坂であっても車両は増速しない状態であり、このエネルギを回生エネルギとして回収するものである。
【0039】図中の指数a、b、cは走行する下り坂の勾配の度合を示しており、a<b<cの関係にある。勾配a、b、cの大きさに応じて車速の変化量(増速分)はΔVSPa、ΔVSPb、ΔVSPcで設定され、エネルギ回生が可能な目標駆動力補正値tFwC0は勾配a、b、cに対応してそれぞれ、tFwCa、tFwCb、tFwCcで検索される。
【0040】このように勾配の度合により変化する車速の変化量ΔVSPに応じて目標駆動力補正値tFwC0を設定することで、勾配に応じて車両は等加速度で走行、つまり勾配が大きければ大きな加速度で走行し、一方で、従来技術では一定とされた目標駆動力を目標駆動力補正値tFwC0によって補正することで、その差分が回生エネルギとしてバッテリに充電される。このとき回生エネルギ量は勾配が大きいほど回生エネルギ量も大きくなるように目標駆動力補正値が設定される。従って運転者は視覚によって勾配の度合を把握し、その勾配の度合によって車両の加速度合を予見するが、このような運転者の感覚に沿った目標駆動力の補正を行うことができるため運転性を損なうことがない一方で、勾配に応じて目標駆動力の補正値を設定することで回生エネルギ量を増加させてエネルギ効率を向上させることができる。
【0041】なお、エネルギの回生によってバッテリが充電されるが、充電量がフルの状態になった場合には、過充電を防止するために充電を中止し、回生エネルギを発電機に供給して発電機を運転し、発電機に直結したエンジンを回転させる。このようにすることで回生エネルギを消費するとともに、エンジンのモータリングによってエンジンブレーキが生じ、運転者に違和感のない運転性を確保できる。
【0042】図5に示すフローチャートは、目標駆動力補正値tFwC0をフィードバック演算するためのフローチャートである。
【0043】まずステップ1で、アクセル操作量APSが0か否かを判定する。0である場合にはステップ2に進み、0以外の場合にはステップ4に進む。ステップ2では、車速の変化量ΔVSPが所定変化量tΔVSP以上であるか否かを判定し、以上の場合にはステップ3にそれ以外の場合にはステップ4に進む。ステップ3では、車速の変化量ΔVSPが所定変化量tΔVSP以上とならないようにPI制御によって、目標駆動力補正値tFwC0が下式によって演算される。
【0044】
【数1】

【0045】上式中、Kp、Kiは定数である。
【0046】ステップ4では、目標駆動力補正値tFwC0に0を設定して制御を終了する。
【0047】このような制御によって、勾配に応じた目標駆動力補正値を設定することにより、運転者の感覚に則した車両の走行を実現するとともに、回生エネルギ量を増大し、エネルギ効率を向上することができる。さらに、如何なる勾配の下り坂であっても、所定変化量tΔVSPに車速の変化量ΔVSPを略一致させることができ、制御誤差の定常偏差を除去でき、精度よく制御を行うことが可能となる。
【0048】図6は、車速VSPに応じた所定変化量tΔVSPを設定するためのマップであり、所定変化量tΔVSPを低速側で大きな値となるように設定することで、低速時に下り坂に差し掛かった場合には運転者は車両が加速することを予知することができるため、所定変化量tΔVSPを大きめに設定し、下り坂に進入する車速が早い場合には所定変化量tΔVSPを小さく抑制し、下り坂による車両の急激な加速を抑制して危険を防止する。このように運転者の視覚から予知される車両挙動と近似する挙動とすることで違和感のない運転性を実現することができるとともに、回生エネルギ量を増大することができる。
【0049】図7は、目標駆動力補正値tFwCのなまし処理を説明するフローチャートである。
【0050】ステップ1で現在の目標駆動力補正値tFwCと目標駆動力補正値tFwC0と等しいか比較し、等しければ現在の目標駆動力補正値tFwCを維持して制御を終了し、等しくない場合にはステップ2に進み、現在の目標駆動力補正値tFwCが目標駆動力補正値tFwC0より大きいか判定する。
【0051】大きい場合にはステップ3で、現在の目標駆動力補正値tFwCから補正量ΔtFwCを減算したものを新たな目標駆動力補正値tFwCとして設定する。一方、現在の目標駆動力補正値tFwCが目標駆動力補正値tFwC0以下の場合には、現在の目標駆動力補正値tFwCに補正量ΔtFwCを加算したものを新たな目標駆動力補正値tFwCとして設定する。
【0052】このなまし処理を実施することにより、アクセル操作の有無の切り換わり時の目標駆動力tFwの急激な変化を抑制し、良好な運転性を確保することができる。
【0053】以上説明したように本発明では、図8に示すように、アクセル操作量APSが0の場合にアクセル操作量APSと車速VSPに基づきに演算される目標駆動力基準値tFwBを、アクセル操作量APSと車速VSPと車速の変化量ΔVSPより演算される目標駆動力補正値tFwC0により車速の変化量ΔVSPが所定変化量を超えないように加算補正することにより、車両が下り坂を走行しても車両が過度に増速することなく、運転者に違和感を与えない運転性を確保できるとともに、エネルギを回生することでシステムとしてのエネルギ効率を向上させることができる。さらに車速の変化量に応じて目標駆動力補正値を設定するので、木目細かく制御することができ、より一層の運転性向上を図ることができる。
【0054】本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
【出願日】 平成13年11月29日(2001.11.29)
【代理人】 【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
【公開番号】 特開2003−164013(P2003−164013A)
【公開日】 平成15年6月6日(2003.6.6)
【出願番号】 特願2001−363709(P2001−363709)