| 【発明の名称】 |
容量表示装置及び容量表示方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】枚田 典彦 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】酒井 健一 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】中田 祐志 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】バッテリ劣化時においても、満充電を行った場合には表示上も満充電を示し、1セグメントあたりの走行可能距離を略一定に保ち、航続可能距離を予測し易い容量表示装置を提供すること。
【解決手段】車両のバッテリ容量のうちの所定容量を、バッテリの劣化に伴い減少するバッテリ容量を調整するための容量調整域aに予め割り付け、検出された電圧値と電流値とからバッテリの劣化度を算出し(S50)、この劣化度に応じ容量調整域aを補正し(S70)、現在のバッテリ容量を、バッテリ劣化の影響を受けないセグメントをもって表示する(S120)表示制御手段1を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両のバッテリ容量のうちの第1の所定容量に対応する容量表示が割り付けられた第1の表示手段と、車両のバッテリ容量のうちの第2の所定容量に対応する容量表示が割り付けられた第2の表示手段とを少なくとも有する容量表示装置であって、前記第1の表示手段は、電力消費に伴い経時的に変化する前記第1の所定容量を段階的に表示する、所定幅のエネルギー容量で規定された複数のセグメントを含み、前記第2の表示手段は、前記車両のバッテリの劣化度に応じて補正された第2の所定容量を表示する容量表示装置。 【請求項2】前記第2の所定容量は、前記車両のバッテリの劣化度に応じて補正される容量調整域を少なくとも含む請求項1記載の容量表示装置。 【請求項3】前記第2の所定容量は、前記車両のバッテリの充電タイミングを報知するためのしきい値である請求項1又は2記載の容量表示装置。 【請求項4】前記バッテリの電圧値と前記バッテリの電流値とを検知する検知手段と、前記バッテリに関する放電初期特性と、前記バッテリの劣化度と当該劣化度におけるバッテリの放電可能容量とを対応づけた劣化容量テーブルとを少なくとも記憶する記憶手段と、現在の前記バッテリの容量に基づき前記第1の表示手段の表示を制御するとともに、前記車両のバッテリの劣化度に応じて第2の所定容量を補正し、これに基づき前記第2の表示手段の表示を制御する表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記検知手段が検知した電圧値と電流値とに基づいて、バッテリ出力を求める出力演算部と、前記検知手段が検知した電圧値と電流値とに基づいて、前記バッテリの積算放電量を積算する放電積算部と、前記出力演算部により求められたバッテリ出力と前記放電積算部により積算されたバッテリの積算放電量とから前記バッテリの放電特性を算出する放電特性算出部と、前記記憶手段に記憶された前記バッテリの放電初期特性と、前記放電特性算出部により算出されたバッテリの放電特性とを対比して、前記バッテリの劣化度を算出する劣化度算出部と、この劣化度算出部により算出された劣化度に基づいて、前記記憶手段に記憶された劣化容量テーブルを参照して現在のバッテリの放電可能容量を求め、この放電可能容量に応じて第2の所定容量を補正して、当該補正結果を前記第2の表示手段へ送出する補正容量算出部と、前記出力演算部は、現在のバッテリ容量を求め、当該バッテリ容量に応じた制御指令を前記第1の表示手段に送出する請求項1〜3記載の容量表示装置。 【請求項5】前記バッテリ容量は、電気駆動車両又はハイブリッド車両のバッテリ容量である請求項1〜4記載の容量表示装置。 【請求項6】車両のバッテリのバッテリ容量を表示手段に応じて複数の区分に割り付け、前記区分には、前記バッテリの劣化に起因する前記バッテリ容量の変化によって、前記表示手段における容量表示に影響を与えないように、前記バッテリの劣化に起因する前記バッテリ容量の変化に応じて補正される容量調整区分を少なくとも含ませ、この容量調整区分以外の区分に割り付けられたバッテリ容量に応じた表示手段により、現在のバッテリ容量を表示する容量表示方法。 【請求項7】車両のバッテリ容量のうちの第1の所定容量に対応する表示を第1の表示手段に割り付けるとともに、車両のバッテリ容量のうちの第2の所定容量に対応する表示を第2の表示手段に割り付け、前記第1の表示手段に含まれる、所定幅のエネルギー容量で規定された一又は二以上のセグメントにより、電力消費に伴い経時的に変化する前記第1の所定容量を段階的に表示し、前記車両のバッテリの劣化度に応じて第2の所定容量を補正し、この補正された第2の所定容量を前記第2の表示手段により表示する容量表示方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数のセグメントをもって車両のエネルギー容量を表示する容量表示装置及び容量表示方法に関し、特に、バッテリ劣化時においても、航続可能距離を正確に予測できる容量表示装置及び容量表示方法に関する。 【0002】 【従来の技術】電気自動車等に搭載されたバッテリの(残)容量を表示する容量表示装置として、バッテリの絶対容量を複数のセグメントによって表示する技術が知られている(特開平9−33623号公報参照)。このような絶対容量の表示によれば、1セグメントあたりの走行可能距離が一定となるので、ユーザはセグメントの表示により航続可能距離を容易に予測することができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、バッテリは継時的な劣化に伴い内部抵抗が大きくなるため、劣化したバッテリにおいては、たとえ満充電を行っても製品初期時の満充電量を得ることはできない。たとえば、点灯可能な16個のセグメントを有する表示手段を備えた車両において満充電を行ったとしても、バッテリが劣化している場合には16個のセグメントに対して10セグメントしか点灯しないようなことがある。ユーザは、満充電を行ったにもかかわらず表示手段は満充電の状態を示さないため、容量表示に対して違和感を感じるという問題があった。尤も、この問題に対して初期時であっても劣化時であっても、そのときの満充電量を所定のセグメントに均等に割り付けるという相対容量表示も提案されているが、このような相対容量表示にあっては、1セグメントあたりの走行可能距離が一定とならず前述した絶対容量表示の効果を得ることができない。特に、電気自動車のように充電設備が完備されているとはいえない場合において、充電のタイミングを適切に示す観点からも、絶対容量表示は航続距離の確実な予測が可能である点において有利である。本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリの劣化に伴う容量変化が容量表示に与える影響を抑制し、1セグメントあたりの走行可能距離を一定に保ちつつ、継時劣化したバッテリを満充電させた場合には表示上も満充電を表示し、ユーザにバッテリの継時劣化に起因する容量表示上の違和感を与えない容量表示装置及び容量表示方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、車両のバッテリ容量のうちの第1の所定容量に対応する容量表示が割り付けられた第1の表示手段と、車両のバッテリ容量のうちの第2の所定容量に対応する容量表示が割り付けられた第2の表示手段とを少なくとも有する容量表示装置であって、前記第1の表示手段は、電力消費に伴い経時的に変化する前記第1の所定容量を段階的に表示する、所定幅のエネルギー容量で規定された複数のセグメントを含み、前記第2の表示手段は、前記車両のバッテリの劣化度に応じて補正された第2の所定容量を表示する容量表示装置が提供される。この発明において、前記第2の所定容量は、前記車両のバッテリの劣化度に応じて補正される容量調整域を少なくとも含むことが好ましい(請求項2)。 【0004】また、上記目的を達成するために、異なる観点による請求項6記載の発明によれば、車両のバッテリのバッテリ容量を表示手段に応じて複数の区分に割り付け、前記区分には、前記バッテリの劣化に起因する前記バッテリ容量の変化によって、前記表示手段における容量表示に影響を与えないように、前記バッテリの劣化に起因する前記バッテリ容量の変化に応じて補正される容量調整区分を少なくとも含ませ、この容量調整区分以外の区分に割り付けられたバッテリ容量に応じた表示手段により、現在のバッテリ容量を表示する容量表示方法が提供される。また、請求項7記載の発明によれば、車両のバッテリ容量のうちの第1の所定容量に対応する表示を第1の表示手段に割り付けるとともに、車両のバッテリ容量のうちの第2の所定容量に対応する表示を第2の表示手段に割り付け、前記第1の表示手段に含まれる、所定幅のエネルギー容量で規定された一又は二以上のセグメントにより、電力消費に伴い経時的に変化する前記第1の所定容量を段階的に表示し、前記車両のバッテリの劣化度に応じて第2の所定容量を補正し、この補正された第2の所定容量を前記第2の表示手段により表示する容量表示方法が提供される。 【0005】この容量表示装置に係る発明では、バッテリ容量のうちの第1の所定容量に対応する容量表示を第1の表示手段へ割り付け、第2の所定容量に対応する容量表示を第2の表示手段に割り付ける。そして、この第2の所定容量は、車両のバッテリの劣化度に応じて補正され、この補正された第2の所定容量に基づいて第2の表示手段が表示を行う。一方、第1の所定容量は、バッテリの劣化の影響を受けることなく、電力消費に伴って経時的に変化する第1の所定容量を、バッテリの残容量又はバッテリの消費容量(全容量に対する)としてユーザに表示する。また、容量表示方法に係る発明では、車両のバッテリ容量を複数の区分に割り付け、その区分に車両の劣化度に応じて補正される容量調整区分を含ませることとし、現在のバッテリ容量を容量調整区分以外の区分でユーザへ表示する。 【0006】これらの発明において車両のバッテリの劣化度とは、例えば新品時のバッテリなどの基準となるバッテリに対してどのくらい劣化が進行しているかを示す度合いであって、経験的又は実験的な観点から求めることができる。例えば、バッテリが継時的に劣化することから時間に応じてバッテリごとに劣化度の推移を時間対劣化度の相関関係において規定することもでき、また、バッテリが走行に伴い劣化することから走行距離に応じてバッテリごとに走行距離対劣化度の相関関係において規定することもできる。もちろん、バッテリの現在の電圧又は電流から放電特性を求めて、この放電特性の推移から劣化度を規定することもできる。この劣化度に対する内部抵抗の低下を算出し、これに加えて、さらにバッテリ容量の変化を算出し、この容量の変化に応じて第2の所定容量を補正する。この第2の所定容量は、さらに複数の所定容量に区分されていてもよく、少なくとも補正の対象となる容量、例えば容量調整域を含むことが好ましい。付言すると、バッテリ容量が所定容量ごとに区分けされる区分は、限定されることなく、少なくとも第1の所定容量と第2の所定容量とに区分されればよく、さらに他の表示手段に割り付けられる所定容量に区分されてもよい。また、第1の所定容量においても、第1の所定容量が複数の所定容量の容量域に区分されることも可能であるし、第2の所定容量が複数の所定容量の容量域に区分されることも可能である。 【0007】これにより、バッテリの劣化に伴う容量変化が容量表示に与える影響を抑制し、1セグメントあたりの走行可能距離を一定に保ちつつ、継時劣化したバッテリを満充電させた場合には表示上も満充電を表示し、ユーザにバッテリの継時劣化に起因する容量表示上の違和感を与えない容量表示装置及び容量表示方法を提供することができる。 【0008】(2)上記目的を達成するために、請求項3記載の発明によれば、前記第2の所定容量は、前記車両のバッテリの充電タイミングを報知するためのしきい値である容量表示装置が提供される。 【0009】この発明では、第2の所定容量に基づいて、バッテリの充電タイミングを報知するためのしきい値を設定する。第2の所定容量は、少なくともバッテリの劣化度に応じて補正される所定容量が含まれていればよく、他に車両の走行を維持するために必要な所定容量を含むようにすることもできる。すなわち、車両の走行の継続に必要な容量と、車両の走行の維持には充電が必要であると判断される容量と、容量調整域その他のバッテリの劣化に応じて補正されるために設定された容量とを加算した容量を第2の所定容量としてもよい。このように設定された第2の所定容量をしきい値として、第2の表示手段が車両のバッテリの充電タイミングを報知する。車両のバッテリ容量が走行に伴い減少し、この減少したバッテリ容量が第2の所定容量よりも少なくなったとき、第2の表示手段が点灯等によって、ユーザに充電タイミングを報知する。言い換えると、この第2の所定容量はバッテリの劣化度に応じて補正されるため、この補正に応じて第2の所定容量は変化し、この変化に伴いバッテリの充電タイミングを報知するためのしきい値も変化する。 【0010】これにより、ユーザはバッテリの劣化に伴うバッテリ容量の変化の影響が、バッテリ充電のタイミングを報知するしきい値の変動によって吸収され、ユーザが航続可能距離を予測するための情報として利用する第1の表示手段における容量表示に影響を与えない。よって、1セグメントあたりの走行可能距離を一定に保ちつつ、継時劣化したバッテリを満充電させた場合には表示上も満充電を表示し、ユーザにバッテリの継時劣化に起因する容量表示上の違和感を与えない容量表示装置を提供することができる。 【0011】(3)上記目的を達成するために、請求項4記載の発明によれば、前記バッテリの電圧値と前記バッテリの電流値とを検知する検知手段と、前記バッテリに関する放電初期特性と、前記バッテリの劣化度と当該劣化度におけるバッテリの放電可能容量とを対応づけた劣化容量テーブルとを少なくとも記憶する記憶手段と、現在の前記バッテリの容量に基づき前記第1の表示手段の前記セグメントの表示を制御するとともに、前記車両のバッテリの劣化度に応じて第2の所定容量を補正し、これに基づき前記第2の表示手段の表示を制御する表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記検知手段が検知した電圧値と電流値とに基づいて、バッテリ出力を求める出力演算部と、前記検知手段が検知した電圧値と電流値とに基づいて、前記バッテリの積算放電量を積算する放電積算部と、前記出力演算部により求められたバッテリ出力と前記放電積算部により積算されたバッテリの積算放電量とから前記バッテリの放電特性を算出する放電特性算出部と、前記記憶手段に記憶された前記バッテリの放電初期特性と、前記放電特性算出部により算出されたバッテリの放電特性とを対比して、前記バッテリの劣化度を算出する劣化度算出部と、この劣化度算出部により算出された劣化度に基づいて、前記記憶手段に記憶された劣化容量テーブルを参照して現在のバッテリの放電可能容量を求め、この放電可能容量に応じて第2の所定容量を補正して、当該補正結果を前記第2の表示手段へ送出する補正容量算出部と、前記出力演算部は、現在のバッテリ容量を求め、当該バッテリ容量に応じた制御指令を前記第1の表示手段に送出する容量表示装置が提供される。 【0012】この発明では、現在のバッテリ容量に基づき表示を行う第1の表示手段を制御し、バッテリの劣化度に応じて補正した第2の所定容量の表示を行う第2の表示手段を制御する表示制御手段を設けた。この表示制御手段は、バッテリの劣化度を算出し、この劣化度に応じて第2の所定容量又は容量調整域を補正し、この補正された第2の所定容量又は容量調整域を第2の表示手段をもって表示させる。また、現在のバッテリ容量を第1の所定容量における複数のセグメントをもって段階的に表示する。この発明は、上述したとおり、検知手段と、記憶手段と、表示制御手段と、第1の表示手段と、第2の表示手段とを有している。このうち、表示制御手段は、さらに出力演算部と、放電積算部と、放電特性積算部と、劣化度算出部と、補正容量算出部とを有し、以下のように動作する。 【0013】本発明は、検知手段が検知した電圧値と電流値とに基づいて、出力演算部がバッテリ出力を求める。このバッテリ出力の算出は、例えば、検知手段が検知した電圧値と電流値とに基づいて、開放電圧と内部抵抗とを求め、この値と現在の電圧値とからバッテリ出力を求めることができる。また、同じく検知手段が検知した電圧値と電流値とに基づいて、放電積算部がバッテリの積算放電量を積算し、放電特性算出部がこれらのバッテリ出力と積算放電量とからバッテリの放電特性を算出し、劣化度算出部は、記憶手段に記憶された放電初期特性を読み出し、この放電初期特性と現在の放電特性とを対比して現在バッテリの劣化度を算出する。補正容量算出部は、記憶手段に記憶された劣化容量テーブルを読み出し、この劣化容量テーブルを参照して、先に算出された劣化度に基づいて、バッテリの放電可能容量を求め、この放電可能容量に応じて第2の所定容量を補正する。例えば、劣化度に応じて求められた放電可能容量から固定値として設定された第1の所定容量を差し引いて第2の所定容量を算出してもよい。この第2の所定容量に、補正の対象となる容量、例えば容量調整域と車両の走行に必要な容量とが含まれている場合には、第2の所定容量から車両の走行に必要な容量も差し引いて補正するべき容量、例えば容量調整域を算出してもよい。こうして補正された第2の所定容量に基づいて、第2の表示手段が表示を行う。 【0014】他方、出力演算部は現在の電圧値を検知手段に検知させ、この電圧値に基づいて、先に得られた開放電圧、内部抵抗、放電特性を利用して、現在のバッテリ容量を求める。こうして求められた現在のバッテリ容量は、バッテリの残量又は使用容量として、第1の表示手段にて表示される。 【0015】これにより、バッテリの劣化に伴う容量変化が容量表示に与える影響を抑制し、1セグメントあたりの走行可能距離を一定に保ちつつ、継時劣化したバッテリを満充電させた場合には表示上も満充電を表示し、ユーザにバッテリの継時劣化に起因する容量表示上の違和感を与えない容量表示装置及び容量表示方法を提供することができる。 【0016】(4)上記目的を達成するために、請求項5記載の発明によれば、前記バッテリ容量は、電気駆動車両又はハイブリッド車両のバッテリ容量である容量表示装置が提供される。この発明によれば、電気駆動車両又はハイブリッド車両において、バッテリの経時的な劣化に伴って生じる違和感のある容量表示を防止し、1セグメントあたりの走行可能距離を一定に保ちつつ、継時劣化したバッテリを満充電させた場合には表示上も満充電を表示し、ユーザにバッテリの継時劣化に起因する容量表示上の違和感を与えない容量表示装置を提供することができる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明にかかる容量表示装置1は、電気自動車両に搭載され、バッテリの電気容量の残存量を表示する。本実施形態における容量表示装置100は、バッテリが劣化しても、満充電時のバッテリ容量を適切に表示し、また1セグメントあたりの走行可能距離を一定に保ちつつ走行に伴うバッテリ容量の変化を適切に表示する。ここでは、まず本実施形態の表示形態を説明し、続いてバッテリの劣化度を容量表示へ対応させるための具体的手段について説明する。ちなみに、ここでは説明のために電気自動車両を例として説明するが、本実施形態の容量表示装置及び容量表示方法は、電気自動車両、又はハイブリッド車両を備えた車両に適用することができる。 【0018】<表示の概要>本実施形態に係る表示の概要について図1を参照しつつ説明をする。図1は、車両のバッテリ容量の容量域への割り付けの一例を示し、表示の態様を説明するための図である。図1(a)は本実施形態に係る表示の態様を示す図であり、図1(b)はこの本実施形態を説明するために比較において用いる従来の表示の態様を示す図である。 【0019】本実施形態では、車両のバッテリ容量を所定の値に区切られた容量域に区分する。この容量域に対応する容量表示は第1、第2・・・の表示手段へ割り付けられる。この区分には少なくとも第1の所定容量に対応する容量の容量域と、第2の所定容量に対応する容量の容量域とを含む。具体的に本実施形態の容量域は、走行等の電力消費に伴って変動するバッテリ容量に相当する容量表示域cと温度変化に対応するための予備表示域bと、バッテリの劣化に応じて補正される容量調整域aと、バッテリ容量の残量量が少ないときに充電を促す表示を行う残量注意域dと、これ以上走行ができない容量である残量警報域eとに区分されている。 本実施形態におけるバッテリ容量の容量域への割り付けについて、その一例を図1(a)を参照して説明する。本実施形態では、上述したように、残量警報域e、残量注意域d、容量調整域a、容量表示域c、予備表示域bの容量域を有している。このうち、予備表示域bと容量表示域cとは「第1の所定容量」に割り付けられ、「第1の表示手段」として主にセグメントによって、現在のバッテリ容量として表示される。容量調整域aと残量注意域dとは「第2の所定容量」に割り付けられ、「第2の表示手段」によって表示される。ちなみに残量警報域dは「第2の所定容量」に割り付けても良いが、本実施形態においては割り付けの容量として計上していない。 【0020】すなわち、本実施の形態では、バッテリがが蓄えている容量を、予備表示域bと、容量表示域cと、容量調整域aと、残量注意域dと、残量警報域eとに割り付ける演算を行う。この割り付けに従って、バッテリの容量が満充電の状態である場合には、第1の表示手段である複数のセグメントの全数(例えば16個)が点灯する。車両の走行に従って、バッテリの容量が減ってきた場合には、その時のバッテリ容量に従って、対応するセグメント数(たとえば10個)が点灯し、それ以外の残りのセグメント数(例えば6個)が消灯する。更に車両が走行し、バッテリ容量が少なくなった場合には、ユーザに充電を促すための第2の表示手段であるEmpty表示灯を点灯させる。更にバッテリ容量が少なくなった場合には、これ以上の走行ができない旨を表示するEmpty警告灯を表示する。 【0021】言い換えると、上記各容量a〜eは、セグメント表示、Empty表示灯、Empty警告灯を点消灯させるために、演算され、各容量a〜eとして割り付けが行われるものであって、実際にユーザが視認する表示としては、セグメントの点消灯状態およびEmpty表示灯、Empty警告灯の点消灯を視認するものである。 【0022】このような点消灯表示を行うと共に、上述したようにバッテリが劣化しても適切な点消灯表示を行うために行われる演算について、以下詳細に説明する。図1(a)に示す本実施形態では、特に容量調整域aを設けている。この容量調整域aに対応する容量はバッテリの劣化に応じて補正される。図1(a)に示すように、バッテリ新品時(1)の容量調整域aを基準とすると、バッテリ劣化時(2)の容量調整域aはバッテリの劣化に伴い減少し、(1)のそれに比べて小さい容量となる。さらにバッテリの劣化が進んだバッテリ劣化時(3)にあっては容量調整域aはなくなっている。このようにバッテリの劣化に応じて容量調整域aは減少する。これに対して、容量表示域cはバッテリ劣化にかかわらず図1(a)の(1)及び(2)において一定である。 【0023】ちなみに、これに対比される図1(b)に示した従来の容量表示装置にあっては、バッテリ新品時(1’)には満充電の状態が温度変化等に対応するための予備表示域b’を含め容量表示域c’のセグメントが全点灯(16/16)されているが、バッテリの劣化が進むにつれてc’領域は減少し、満充電を行ってもセグメントの表示は一部分しか点灯(10/16)しない。このように、従来の容量表示にあっては、バッテリの劣化時において表示上では満充電が行われたか否かが不明となり、ユーザは違和感を感じる。 【0024】ここで、図1(a)に戻り、この図の(1)〜(3)のそれぞれの状態について説明をすると、バッテリ新品時(1)においては、バッテリ新品時(1)では容量調整域aは最大値となり、また、満充電時には予備表示域bを含め全ての容量表示域cのセグメントの全てが点灯(16/16)されることとなる。バッテリ劣化時を示す図1(a)(2)ではバッテリの劣化度に応じて容量調整域aを減少させるため、第2の表示手段の表示に対応するバッテリ容量が減少し、Empty表示灯の点灯の閾値が低くなる。このように、バッテリ劣化による容量低下の影響を、第2の所定容量を構成する容量調整域aから差し引いて補正する結果、容量表示域cの値はバッテリ劣化の影響を受けることなく、その容量は変化しない。これにより、バッテリの劣化が進行した状態であっても、満充電後の容量表示は満充電(16セグメントが全て点灯する)が示される。このようにバッテリが劣化しても、満充電後の容量表示においては満充電が表示されるため、ユーザは図1(b)で示した表示によって感じるような違和感を感じることがない。 また、図1(a)(3)に示す状態は、予定していたバッテリの劣化度を越えてバッテリが劣化した場合を示している。バッテリの劣化に伴い容量調整域aが減少することは前述したが、この容量調整域aがゼロとなった後は、劣化に応じた調整をすることなく残容量をそのまま表示する。この場合、図1(a)の(3)では満充電をしたにもかかわらずセグメントは16個全ては点灯されることなく、満充電時の容量に応じた14個のセグメントが点灯される。このように、予定を超えたバッテリの劣化に対しては、通常の容量表示を行うことで、却ってユーザにバッテリの劣化を知らしめることができる。 【0025】<容量の表示制御>続いて、上述した表示を行うための具体的な構成について説明をする。図2は、この容量表示装置100の概略構成を示す図である。この容量表示装置100は、単位電池(セル電池)が複数直列に接続された組電池(バッテリ)7の総電圧を検知する電圧検知手段(電圧センサ)6と、バッテリ7に流れる電流を検知する電流検知手段(電流センサ)5と、バッテリ7を構成する各セルの電圧、温度等を管理するセルコントローラ8と、電圧センサ6からの電圧、電流センサ5からの電流、電池温度に関する情報によりバッテリ7の制御及び電池容量の演算を行う表示制御手段(バッテリコントローラ)1と、この表示制御手段1(バッテリコントローラ)の演算結果を受けてバッテリ容量の表示を行う容量表示手段(ディスプレイ)2とを有している。また、バッテリ7から得られる直流電力はインバータ4にて交流電力に変換され、変換された交流電力はモータ3へ伝達されて車両の駆動に用いられる。 【0026】この容量表示手段(ディスプレイ)2は、第1の表示手段21と第2の表示手段22とを有している。この第1の表示手段21は、主に容量表示域cにおける現在のバッテリ容量の推移を段階的に表示する。この容量表示域cの表示には、16分割した所定幅を有する複数のセグメントが用いられる。第2の表示手段22は、現在のバッテリ容量が第2の所定量以下となったときユーザにバッテリ容量不足を報じるEmpty表示灯が用いられる。本実施形態では、第2の所定容量に割り付けられた容量調整域aに対応する容量と残量注意域dに対応する容量と残量警報域eとに対応する容量とを足した容量よりも、バッテリ容量が少なくなった場合に充電を促すためのEmpty注意表示として、Empty表示灯を点灯させることとした。さらにエネルギーが消費されバッテリ容量が残量警報域eよりも少なくなった場合には走行が困難となる旨を報知するためのEmpty警報灯を点灯させる。もちろん、Empty注意とEmpty警報とを一体として表示することも可能であるし、又はこれらをそれぞれ又は一体として、段階的に表示することもできる。 【0027】図3では、図2で示した表示制御手段1を中心に本実施形態のブロック構成を示した。図3に示すように、本実施形態における容量表示装置100は、表示制御手段1に検知した電流値の情報を送出する電流センサ5と、同じく表示制御手段1に検知した電圧値の情報を送出する電圧検知手段6と、記憶手段10と、容量表示手段2とを有している。記憶手段10には新品の製造直後のバッテリ7の出力対放電特性を示す情報である出力対放電初期特性101と、劣化度と当該劣化時度におけるバッテリの放電可能容量とを対応づけた劣化容量テーブル102とを含む各種情報が記憶されている。また、容量表示手段2は、第1の表示手段21と第2の表示手段22とを備えており、第1の表示手段は、電力消費に伴い経時的に変化する第1の所定容量であるバッテリ残容量を段階的に表示する。このバッテリ残容量を段階的に表示するのは複数のセグメントであり、このセグメントへの表示を制御するのがセグメント表示部211である。このセグメント表示部211は、温度変動等に起因して容量表示域cに生じる変動に応じて、1セグメントあたりの容量を再度設定する機能をも有する。他方第2の表示手段22は第2の所定容量に対応したEmpty注意表示又はEmpty警報表示を行う。以下、本実施形態では、第2の表示手段22は充電のタイミングを報知するEmpty注意表示を行うものとして説明を行う。このEmpty注意表示は、所定の値よりも現在のバッテリ容量が少なくなった場合に点灯する。この表示を制御するのはEmpty表示部221である。本実施形態では、Empty表示のしきい値として第2の所定容量とし、この第2の所定容量には図1(a)に示した容量調整域cと残量注意域dとを含むようにしたが、少なくとも容量調整域cが含まれていればよい。 【0028】この表示制御手段1は、第1の表示手段21のセグメントの表示を制御するとともに、第2の表示手段22の表示を制御する。この制御のために、表示制御手段1は、出力演算部110と、放電積算部120と、放電特性算出部130と、劣化度算出部140と、補正容量算出部150とを備えている。これらの各構成について説明をすると、出力演算部110は電圧検知手段6が検知したバッテリ7の電圧値と電流検知手段5が検知したバッテリ7の電流値とに基づいて、バッテリ容量を求める。また、放電積算部120は、同じく電圧検知手段6が検知したバッテリ7の電圧値と電流検知手段5が検知したバッテリ7の電流値とに基づいてバッテリ7の積算放電量を積算する。放電特性算出部130は、出力演算部110が求めたバッテリ容量と放電積算部120が積算した放電積算量とからバッテリの出力対放電特性を算出する。劣化度算出部140は、放電特性算出部130が算出した出力対放電特性と、記憶手段10に予め記憶されている出力対放電初期特性とを対比することにより、現在のバッテリの劣化度を算出する。この劣化度の算出については動作とともに説明する。補正容量算出部150は、劣化度算出部が算出した劣化度に応じて第2の所定容量に含まれる容量調整域cを補正する。また、出力演算部110は、現在の電圧を電圧検知手段6に検知させ、その電圧に基づいて、出力対放電特性を利用して現在のバッテリの容量を算出する。 【0029】続いて、図4、図5を参照しつつ、バッテリの劣化に応じて容量表示を行う動作について説明をする。図4は、この動作についてのフローチャート図であり、図5は電池の出力(kW)と放電容量(kWh)との関係を示す図であり、この関係からバッテリの劣化度をを求めることができる。まず、電圧検知手段6がバッテリ7の電圧を検知する(S10)。このとき、バッテリ7の電圧は1回のみの検知ではなく複数回にわたって検知を行う。また、電流検知手段5はバッテリ7の充放電電流を検知する(S20)。この検知も1回のみではなく複数回にわたって検知を行う。出力演算部110は、電圧検知手段6が検知した複数回の総電圧値と、電流検知手段5が検知したある複数回の電流値とに基づいて、回帰演算を行い、無負荷時の電圧(開放電圧)E0と傾きR(バッテリ内部抵抗)を求め、これらに基づいて現在のバッテリ出力P(BA)を下記の式から求める。ここで、E1は、最新の検知電圧である(S30)。 【0030】 【数1】P(BA)=E1 × (E0−E1)/R続いて、放電積算部120は、S10とS20で検知した総電圧値と電流値とに基づいて、放電積算量CAP(WH)を演算する(S40)。 【0031】放電特性算出部130は、ここで演算された放電積算量CAP(WH)とS30にて算出されたバッテリ出力P(BA)とから、現在のバッテリの出力に対する出力対放電特性を求めることができる。 【0032】劣化度算出部140は、放電特性算出部130により求められたバッテリ出力対放電特性と、予め記憶手段10の出力対放電初期特性101に記憶されているバッテリ新品時におけるバッテリ出力対放電特性(出力対放電初期特性)とを比較することにより、現在のバッテリの劣化度を算出する(S50)。 【0033】ここで、劣化度算出部140にて行われる劣化度の算出について図5を参照しつつ説明する。図5は電流検知手段5が検知した電流値と電圧検知手段6が検知した電圧値とから求められたバッテリの出力値P(BA)と、S10とS20で検知した総電圧値と電流値とに基づいて求められた放電積算量CAP(WH)との相関関係を示す図である。図5にて示された劣化度1、劣化度2、劣化度3の各グラフは劣化度に応じた出力対放電特性相関を示しており、劣化度1が最も劣化度が低く、劣化度2、劣化度3となるに従い劣化度が高くなる(劣化が進んでいる)。図5に示したように、この出力対放電特性相関は劣化度ごとに特徴的な関係を示す。これを初期の出力対放電特性と比較すれば、初期の(新品時の)バッテリに対してどれくらい劣化しているか、という劣化度を算出することができる。すなわち、バッテリの出力と放電容量の積算結果とに基づいて出力対放電特性を算出すれば、そのバッテリの劣化度を算出することができる。ステップ50では、この考え方に基づいてバッテリの劣化度を算出する。なお、図5に示された所定の出力値におけるP(MIN)は、車両における必要最低の出力値であり、最低保証出力値としてバッテリ容量がこの出力を維持できない場合にはEmpty警報表示がなされる。この各劣化度のバッテリにおける最低保証出力値を放電可能なバッテリ容量は、フル容量CAP(FLM)として黒丸で表示されており、劣化度に応じてその値は異なっている。さらに、この出力対放電特性相関に対応させて、容量表示域CAP(SEG)、容量調整域CAP(z)、残量注意域CAP(4M)が表わされている。これらの対応において、容量調整域CAP(Z)が劣化度が大きくなるに従い減少している、また、各劣化度における残量注意域CAP(4M)に属し、Empty表示がなされるバッテリ出力が星印で表示されている。このように劣化度に応じてEmpty表示がされる放電容量が異なる。 【0034】さて、図4のステップ60に戻る。ステップ50にて算出された劣化度に基づいて、予め記憶手段10の劣化容量テーブル102を参照して、現在の(劣化度に応じた)バッテリのフル容量CAP(FLM)を求める(S60)。ここで劣化容量テーブル102は、劣化度とその劣化度に応じた容量を対応づけた情報であって、バッテリごと、車両ごとに予め実験され、又は理論上求められた情報である。また、フル容量CAP(FLM)は車両における必要最低出力放電可能容量である。なお、このフル容量CAP(FLM)はバッテリ温度を検知し、この検知されたバッテリ温度に基づいて適宜補正を行った値を用いることが好ましい。この温度補正手段については、公知のあらゆる温度補正手段を適用することができる。 【0035】続いて、補正容量算出部150が、容量調整域に対応する容量CAP(z)を、以下の式に基づいて算出する(S70)。 【0036】 【数2】CAP(z)=CAP(FLM)−CAP(SEG)−CAP(4M) ここで、CAP(FLM)は現在の劣化度におけるフル容量(車両における必要最低出力を放電可能の容量)であり、検知したバッテリ温度に基づき補正を行っている。CAP(SEG)は第1の所定容量を表示するために予め設定されているセグメントにそれぞれ対応する容量であり、CAP(4M)は車両の走行を確保するために必要な車両ごとに予め設定されている走行マージンとなる容量である。こうしてS70の動作時におけるバッテリの劣化度に対応した容量調整域CAP(z)が求められ、容量調整域CAP(z)は劣化度に応じて補正される。 【0037】ステップ80では、第1の表示手段21のセグメント表示部211が、S70で求められたCAP(z)を取得して、実際のセグメントの表示に対応する現在の容量CAP(R)を下記の式から算出する(S80)。 【0038】 【数3】CAP(R)=CAP(FLM)−CAP(Z)−CAP(4M) 本実施形態におけるセグメントは、そのセグメントあたりの容量が基本的には変化しないという特徴を有するが、実際のバッテリ7の容量状態は温度や走行環境によって影響を受けるため、より正確な容量表示を行うためにセグメント容量を温度や走行環境に応じて微調整できるようにし、現時点で検知された電圧、電流に基づいてセグメント容量となるSEG(R)を算出する。また、バッテリ7の劣化が当初の設定を超えて進み、劣化に伴う容量の減少が容量調整域CAP(z)よりも大きくなった場合には、CAP(R)を再度算出する必要が生じる。このように算出されたセグメントの容量SEG(R)は、セグメント数で除算処理され(例えばセグメント数が16個であれば16で割る)、1セグメント当たりの表示容量が算出される(S90)。この算出処理は常時行ってもよいし、車両発進時に行ってもよいし、所定走行距離又は所定時間ごとに行ってもよい。 【0039】続いて、セグメント表示部211は、算出されたセグメント当たりの容量の値が所定値(予め設定された容量値)以下であるか否かを判断する(S100)。1セグメント当たりの容量が所定値以下でない場合、すなわち1セグメント当たりの容量に大きな変化(減少)がないと判断した場合には、ステップ110に進む。このステップ110では、出力演算部110が、電圧検知手段6の検知した電圧に基づいて、出力対放電特性を参照し、現在のバッテリ容量を算出する(S110)。この算出された容量に応じた制御指令に基づき、セグメント表示部211は対応するセグメントを点灯させる(S120)。 【0040】このように、バッテリ劣化に応じて容量調整域CAP(Z)を補正し容量表示域CAP(SEG)又はCAP(R)を所定の値に保つことから、バッテリの劣化によってフル容量が変化したとしても、満充電時には全セグメントが点灯し、ユーザはセグメントの表示によっても満充電を確認することができる。また、1セグメント当たりの走行距離はバッテリ温度や走行状態の影響を除けばほとんど変化しないことから、ユーザはセグメントの表示に基づき航続可能距離を正確に予測することができる。 【0041】さて、ステップ100における予め設定された所定値は、本実施形態の容量調整処理を機能させるか否かを判断するためのしきい値であり、バッテリの劣化を考慮しつつユーザがセグメント当たりの容量変化に違和感を感じるか否かを考慮して設定される。具体的に説明すると、所定条件下(同一車両に搭載、バッテリ温度20度)の新品時において、1セグメント当たり10Km走行できたとする。このバッテリの劣化が進行すると満充電時の容量も低下する。この劣化状態で満充電時に全てのセグメントを点灯させようとすれば、1セグメントあたりの容量も低下する。このバッテリ劣化時において1セグメント当たり7km走行できたとする。このように1セグメント当たりの走行距離が10kmから7kmと大きく変化すると、ユーザは違和感を感じると考えられるため、満充電時の表示を全点灯させるための容量調整処理を行わずに、絶対容量をそのまま表示する処理を行う。この機能は、バッテリの劣化を考慮して予め定めた容量調整域に応じた容量を越えてバッテリ容量が低下した場合において、ユーザの違和感を減少させるという観点から有用である。 【0042】すなわち、ステップ100において、1セグメント当たりの容量が所定値以下である場合にはステップ130に進み、1セグメント当たりの容量を予め固定値に設定し(S130)、ステップ10の処理で得た電圧に基づいて現在の容量を算出し(S140)、ステップ130で設定した1セグメント当たりの容量に基づいて、対応するセグメントを点灯させる(S150)。この処理においては、満充電させた場合であっても全セグメントは点灯させない。これは、1セグメント当たりの航続可能距離の変動を所定の範囲に抑えて、ユーザが1セグメント当たりの走行距離の確実な予測を確保するためである。 【0043】また、この動作において、バッテリの劣化は急激に進むものではないことから、バッテリの劣化に応じて容量調整域CAP(Z)を補正し、セグメント当たりの容量を再度設定する処理を含む本実施形態は、常時動作させる必要は必ずしもなく、例えば充電を行ったタイミングで動作させてもよく、また、所定の距離を走行したタイミングで動作させてもよく、さらに、所定時間経過後に動作させてもよい。また、本実施形態においては、温度によるバッテリ容量の変動を考慮してステップ90にて1セグメントあたりの容量をセグメントを算出するが、この処理を行うことなく予め設定されたセグメント容量を用いることもできる。また、本実施形態では、ステップ100においてセグメントあたりの容量が所定値以下である場合にはバッテリの劣化に応じた補正を表示に反映させることなく絶対表示を行うが、セグメントあたりの容量の値にかかわらず、バッテリの劣化に応じた表示補正を行うようにしてもよい。例えば、ステップ70において容量調整域が演算されたのち、ステップ110へ進み現在の容量を算出して、予め設定された容量のセグメントにより容量表示を行うようにしてもよく、また、ステップ90からステップ110へ進み、予め設定された容量のセグメントにより容量表示を行うようにしてもよい。この実施形態では、容量表示装置における動作として説明したが、容量表示方法としても同様に作用し、同様の効果を奏する。 【0044】図6は、以上のように動作する容量表示装置100の割り付けられたバッテリ容量と、容量表示手段2とを対応づけて示した図である。予備表示域bと容量表示域cとは第1の所定容量として、第1の表示手段21としてのセグメントに割り付けられ、現在のバッテリ容量に対応する数のセグメントが点灯し、ユーザに現在のバッテリ容量を提示する。また、容量調整域aと残量注意域dとは第2の所定容量として、第2の表示手段22としてのEmpty表示に割り付けられ、現在のバッテリ容量が所定の容量よりも少なくなった場合にはEmpty表示が点灯することとなる。このとき容量調整域aの最大値はバッテリ7及びこれが搭載される車両に応じて予め設定された値であり、また、残量注意域dはバッテリ7及びこれが搭載される車両に応じて予め設定されることが好ましい。 【0045】なお、以上説明した実施例は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施例に開示された各要素および各数値は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成13年11月21日(2001.11.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099900 【弁理士】 【氏名又は名称】西出 眞吾 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−164006(P2003−164006A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月6日(2003.6.6) |
| 【出願番号】 |
特願2001−356283(P2001−356283) |
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