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【発明の名称】 電気自動車の回生制動装置
【発明者】 【氏名】山中 剛
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内

【要約】 【課題】制動時の回生電力を有効に活用する。

【解決手段】バッテリーが充電不可と判定されたときは、制動時に、交流モーターの回生電力をバッテリーへ供給せず、交流モーターを短絡する。これにより、バッテリーの状態に拘わらずモーターに回生制動力を発生させることができ、安定な制動力を確保できる。また、従来のように設置場所に制約がある発熱体(抵抗器)を自動車に設置する必要がなく、回生電力を抵抗器で熱として消費せずにモーター自体で制動力に変換するので、制動時の回生電力を有効に活用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】自動車の走行駆動力と回生制動力を発生する交流モーターと、走行駆動時にはバッテリーの電力を前記モーターへ供給し、回生制動時には前記モーターの回生電力を前記バッテリーへ供給する電力変換手段と、前記バッテリーのSOCを検出するSOC検出手段と、前記SOC検出値に基づいて前記バッテリーの充電可否を判定する充電可否判定手段と、前記交流モーターの端子を短絡する短絡手段と、回生制動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記バッテリーが充電不可と判定されたときは、制動時に、前記電力変換手段により前記モーターの回生電力を前記バッテリーへ供給せず、前記短絡手段により前記モーターを短絡させることを特徴とする電気自動車の回生制動装置。
【請求項2】請求項1に記載の電気自動車の回生制動装置において、前記短絡手段は短絡相数の切り換えが可能であり、前記制御手段は、要求される制動力に応じて前記短絡手段の短絡相数を切り換えることを特徴とする電気自動車の回生制動装置。
【請求項3】請求項2に記載の電気自動車の回生制動装置において、前記モーターは3相交流モーターであり、前記制御手段は、要求される制動力に応じて前記短絡手段により2相短絡と3相短絡とを切り換えることを特徴とする電気自動車の回生制動装置。
【請求項4】請求項3に記載の電気自動車の回生制動装置において、機械式制動力を発生する機械式制動手段を備え、前記制御手段は、要求される制動力を3相短絡により前記モーターから発生させることができない場合には、前記機械式制動手段により不足分の制動力を発生させることを特徴とする電気自動車の回生制動装置。
【請求項5】請求項2〜4のいずれかの項に記載の電気自動車の回生制動装置において、前記モーターの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記モーターの温度を検出する温度検出手段とを備え、前記制御手段は、短絡相数ごとに前記モーターの回転速度と温度に対する短絡制動力のテーブルを記憶しており、前記モーターの前記回転速度検出値と前記温度検出値に対応する短絡制動力を表引き演算し、要求される制動力と比較して短絡相数を決定することを特徴とする電気自動車の回生制動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モーターにより走行駆動力と回生制動力を発生させる電気自動車の制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】走行時にはモーターを電動運転して駆動力を発生させ、制動時にはモーターを回生運転して回生制動力を発生させる電気自動車が知られている(例えば特開平08−051701号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の電気自動車では、バッテリーが満充電状態に近い場合には、制動時の回生電力をバッテリーへ供給するとバッテリーが過充電になり、バッテリーの寿命が短くなってしまうので、このような場合には回生電流を抵抗器へ流し、回生電力を熱にして消費している。したがって、制動時の回生電力が有効に活用されていないという問題がある。
【0004】本発明の目的は、制動時の回生電力を有効に活用することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】一実施の形態の構成を示す図1および図2に対応づけて本発明を説明すると、(1) 請求項1の発明は、自動車の走行駆動力と回生制動力を発生する交流モーター2と、走行駆動時にはバッテリー8の電力をモーター2へ供給し、回生制動時にはモーター2の回生電力をバッテリー8へ供給する電力変換手段7と、バッテリー8のSOCを検出するSOC検出手段18と、SOC検出値に基づいてバッテリー8の充電可否を判定する充電可否判定手段14と、交流モーターの端子を短絡する短絡手段7(TR7、TR8)と、回生制動を制御する制御手段14とを備え、制御手段14は、バッテリー8が充電不可と判定されたときは、制動時に、電力変換手段7によりモーター2の回生電力をバッテリー8へ供給せず、短絡手段7(TR7、TR8)により交流モーター2を短絡させる。
(2) 請求項2の電気自動車の回生制動装置は、短絡手段7(TR7、TR8)は短絡相数の切り換えが可能であり、制御手段14によって、要求される制動力に応じて短絡手段7(TR7、TR8)の短絡相数を切り換えるようにしたものである。
(3) 請求項3の電気自動車の回生制動装置は、モーター2は3相交流モーターであり、制御手段14によって、要求される制動力に応じて短絡手段7(TR7、TR8)により2相短絡と3相短絡とを切り換えるようにしたものである。
(4) 請求項4の電気自動車の回生制動装置は、機械式制動力を発生する機械式制動手段19、(6a〜6d)を備え、制御手段14によって、要求される制動力を3相短絡によりモーター2から発生させることができない場合には、機械式制動手段19、(6a〜6d)により不足分の制動力を発生させるようにしたものである。
(5) 請求項5の電気自動車の回生制動装置は、モーター2の回転速度を検出する回転速度検出手段11と、モーター2の温度を検出する温度検出手段12とを備え、制御手段14によって、短絡相数ごとにモーター2の回転速度と温度に対する短絡制動力のテーブルを記憶しており、モーター2の回転速度検出値と温度検出値に対応する短絡制動力を表引き演算し、要求される制動力と比較して短絡相数を決定するようにしたものである。
【0006】なお、上述した課題を解決するための手段では、発明を解りやすくするために一実施の形態の構成図に対応づけて説明したが、本発明は一実施の形態に限定されるものではない。
【0007】
【発明の効果】(1) 請求項1の発明によれば、バッテリーが充電不可と判定されたときは、制動時に、交流モーターの回生電力をバッテリーへ供給せず、交流モーターを短絡するようにしたので、バッテリーの状態に拘わらずモーターに回生制動力を発生させることができ、安定な制動力を確保できる。また、従来のように設置場所に制約がある発熱体(抵抗器)を自動車に設置する必要がなく、回生電力を抵抗器で熱として消費せずにモーター自体で制動力に変換するので、制動時の回生電力を有効に活用できる。
(2) 請求項2および3の発明によれば、要求される制動力に応じてモーターの短絡相数を切り換えるようにしたので、モーター短絡による回生制動力を段階的に調節することができ、制動時の回生電力を有効に活用できる。
(3) 請求項4の発明によれば、要求される制動力を3相短絡によりモーターから発生させることができない場合には、機械式制動手段により不足分の制動力を発生させるようにしたので、要求制動力を安定に確保することができる。
(4) 請求項5の発明によれば、短絡相数ごとにモーターの回転速度と温度に対する短絡制動力のテーブルを記憶しており、モーターの回転速度検出値と温度検出値に対応する短絡制動力を表引き演算し、要求される制動力と比較して短絡相数を決定するようにしたので、モーター短絡による短絡相数ごとの回生制動力を正確に検出でき、その結果、制動時の回生電力をさらに有効に活用できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本願発明を、車両の走行駆動源としてエンジンとモーターを搭載し、エンジンとモーターの両方またはいずれか一方により走行するハイブリッド電気自動車に適用した一実施の形態を説明する。
【0009】一般に、電動機(モーター)は、電力を駆動力に変換して電動運転するものであるが、そのままの構造で駆動力を電力に逆変換して回生運転することが可能である。また、発電機(ジェネレーター)は、駆動力を電力に変換して発電運転(回生運転と同等)するものであるが、そのままの構造で電力を駆動力に逆変換して電動運転することが可能である。つまり、電動機(モーター)と発電機(ジェネレーター)とは基本的に同一構造であり、どちらも電動運転と回生運転とが可能である。したがって、この明細書では、電気エネルギー(電力)を回転エネルギー(駆動力)に変換する電動機(モーター)の機能と、回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機(ジェネレーター)の機能を合わせ持つ回転電機を単にモーターと呼ぶ。一方、内燃機関は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃やしたときに発生する燃焼エネルギーを回転エネルギー(駆動力)に変換するものであり、この明細書ではこれらの内燃機関を単にエンジンと呼ぶ。
【0010】図1は一実施の形態の構成を示す。エンジン1とモーター2の駆動力は動力伝達機構3、変減速機4およびドライブシャフト5a、5bを介して駆動輪6a、6bに伝達され、自動車を走行させる。なお、動力伝達機構3にはクラッチや遊星ギアなどが含まれる。モーター2はY結線の3相交流モーターであり、自動車を走行させる駆動力を発生するとともに、自動車を減速させる回生制動力を発生する。なお、モーター2には同期機や誘導機を用いることができる。
【0011】インバーター7は、バッテリー8の直流電力を交流電力に変換してモーター2へ印加し、モーター2から駆動力を発生させるとともに、回生制動力を発生しているモーター2の回生電力を直流電力に変換してバッテリー8を充電する。
【0012】図2はインバーター7の主回路部分を示す。インバーター7は、トランジスターTR1〜TR6とダイオードD1〜D6により3相電力変換回路を構成し、バッテリー8の直流電力を交流電力に変換してモーター2の3相U、V、W端子へ印加する。インバーター7はまた、モーター2のU相端子とV相端子を短絡するためのトランジスターTR7と、V相端子とW相端子を短絡するためのトランジスターTR8を備えている。
【0013】トランジスターTR7を導通(オン)することによってモーター2のU相巻線2uとV相巻線2vとが短絡され、モーター2が回転しているときはU相巻線2uとV相巻線2vに誘起される起電力により端子U→トランジスターTR7→端子V→巻線2v→巻線2u→端子Uの回路で短絡電流が流れ、モーター2に制動力が発生する。この明細書では、3相Y結線モーター2の端子Uと端子Vを短絡、すなわちU相巻線2uとV相巻線2vとを短絡して制動をかける方法を2相短絡制動と呼ぶ。
【0014】同様に、トランジスターTR8を導通(オン)することによってモーター2のV相巻線2vとW相巻線2wとが短絡され、モーター2が回転しているときはV相巻線2vとW相巻線2wに誘起される起電力により端子V→トランジスターTR8→端子W→巻線2w→巻線2v→端子Vの回路で短絡電流が流れ、モーター2に制動力が発生する。
【0015】通常、上述したU相とV相の2相短絡制動をかけても制動力が不足する場合には、トランジスターTR7とTR8を同時にオンし、3相Y結線モーター2の端子U、V、Wを同時に短絡、すなわちU相巻線2u、V相巻線2v、W相巻線2wを短絡する。この明細書では、3相Y結線モーター2の端子U、V、Wを短絡、すなわちU相巻線2u、V相巻線2v、W相巻線2wを短絡して制動をかける方法を3相短絡制動と呼ぶ。
【0016】ふたたび図1において、モーター回転センサー11はモーター2の回転速度Nを検出し、モーター温度センサー12はモーター2の温度Tmを検出する。モーターコントローラー13は、車両コントローラー14からの指令信号、モーター回転センサー11からのモーター回転速度N、モーター温度センサー12からのモーター温度Tmなどに基づいてインバーター2を制御し、モーター2の駆動と回生を行う。
【0017】電圧センサー15はバッテリー8の端子電圧、すなわちインバーター7へ供給される直流電圧Vbを検出する。バッテリー温度センサー16はバッテリー8の温度Tbを検出し、バッテリー内部抵抗センサー17はバッテリー8の内部抵抗Rbを検出する。バッテリーコントローラー18は、車両コントローラー14からの指令信号、電圧センサー15からのバッテリー電圧Vb、バッテリー温度センサー16からのバッテリー温度Tb、バッテリー内部抵抗センサー17からのバッテリー内部抵抗Rbなどに基づいてバッテリー8の充電状態(以下、SOC(State Of Charge)という)を演算する。なお、SOCは現在のバッテリー温度Tbから20℃の値に換算する。
【0018】ブレーキコントローラー19は、車両コントローラー14からの指令信号に基づいて各車輪6a〜6dに内蔵される機械式ブレーキ(不図示)に供給されるブレーキ液圧を制御し、機械式制動力を調節する。
【0019】アクセルセンサー20はアクセルペダル(不図示)の踏み込み量Accを検出し、ブレーキセンサー21はブレーキペダル(不図示)の踏み込み量Brを検出する。また、車速センサー22は自動車の走行速度(車速)Vspを検出する。車両コントローラー14は、アクセルセンサー20からのアクセルペダル踏み込み量Acc、ブレーキセンサー21からのブレーキペダル踏み込み量Br、車速センサー22からの車速Vspなどに基づいてモーターコントローラー13、バッテリーコントローラー18およびブレーキコントローラー19を制御し、自動車の駆動力と制動力を制御する。
【0020】ここで、この一実施の形態の回生制動方法を整理して説明する。自動車を制動するときに、バッテリー8が充電可能な状態にあって通常の回生制動が可能なときは、回生制動を行って回生電力をバッテリー8へ供給し、バッテリー8の充電を行う。このとき、回生制動のみでは制動力が不足する場合は不足分を機械式制動により発生させる。
【0021】一方、バッテリー8が満充電状態またはそれに近い状態にあって充電不可能な状態にあり、回生制動ができないときには、機械式制動をかける。ただし、機械式制動のみでは制動力が不足する場合は、上述した2相短絡制動または3相短絡制動を優先的にかける。つまり、機械式制動力のみでは制動力が不足する場合には、2相短絡制動をかけ、それでも制動力が不足する場合は3相短絡制動をかけ、なお制動力が不足する場合には不足分を機械式制動力により補う。
【0022】ここで、機械式制動のみでは制動力が不足する場合に短絡制動を優先的にかけ、不足分を機械式制動により補うのは、2相短絡制動および3相短絡制動による制動力がモーター2の回転速度、温度、定数などに依存し、短絡制動力を任意に制御できないからである。
【0023】図3〜図4は、一実施の形態の回生制動制御プログラムを示すフローチャートである。このフローチャートにより、一実施の形態の動作を説明する。車両コントローラー14は、自動車のメインスイッチ(不図示)が投入されるとこの回生制動制御プログラムを繰り返し実行する。
【0024】ステップ1において、車速センサー22から車速Vspを、アクセルセンサー20からアクセル操作量(アクセルペダル踏み込み量)Accを、ブレーキセンサー21からブレーキ操作量(ブレーキペダル踏み込み量)Brをそれぞれ読み込む。続くステップ2で、車速Vsp、アクセル操作量Accおよびブレーキ操作量Brに基づいて運転者の制動要求があるかどうかを判定する。制動要求がないと判定された場合はステップ1へ戻り、制動要求があると判定された場合はステップ3へ進む。
【0025】ステップ3では車速Vspとブレーキ操作量Brなどに基づいて運転者の要求制動力を演算する。次に、ステップ4でバッテリーコントローラー18からバッテリー8のSOCを読み込む。上述したように、バッテリー8のSOCはバッテリーコントローラー18で演算される。
【0026】ステップ5において、バッテリーSOCに基づいてバッテリー8が充電可能な状態にあるかどうかを判定する。この判定は、最大の回生電力が発生したときに、その回生電力を回収可能なSOCの判定基準範囲を予め設定しておき、現在のSOCが判定基準範囲内にあれば充電可能と判定する。充電可能な場合はステップ6へ進み、充電不可能な場合はステップ11へ進む。
【0027】バッテリー8が充電可能な状態にあるときは、ステップ6で回生制動のみで要求制動力を発生できるか否かを判定する。この判定は、モーター2の回転速度Nと温度Tmなどに基づいて回生制動力を演算し、上述した運転者の要求制動力と比較して行う。回生制動のみで要求制動力を発生できる場合はステップ9へ進み、モーターコントローラー13を制御して要求制動力分の回生制動を行う。
【0028】一方、回生制動のみでは要求制動力を満たせない場合はステップ7へ進み、要求制動力から現状での最大回生制動力を差し引いて不足分を求め、この不足分を機械式制動力に割り当てる。ステップ8でブレーキコントローラー19を制御して不足分の機械式制動力を発生させ、続くステップ9でモーターコントローラー13を制御して最大限の回生制動を行う。
【0029】次に、ステップ5でSOCが判定基準範囲を超えてバッテリー8の充電が不可能であると判定されたときは、ステップ11で、機械式制動のみで要求制動力を発生できるか否かを判定する。この判定は、車速Vspなどに基づいて現状での最大機械式制動力を演算し、上述した運転者の要求制動力と比較して行う。機械式制動のみで要求制動力を発生できる場合はステップ12へ進み、そうでなければステップ13へ進む。
【0030】機械式制動のみで要求制動力を満たせる場合は、ステップ12でブレーキコントローラー19を制御して要求制動力に等しい機械式制動力を発生させる。
【0031】一方、機械式制動のみでは要求制動力を発生できない場合は、ステップ13で2相短絡制動で充分かどうかを判定する。図5に、モーター温度Tmをパラメーターとする2相短絡制動時のモーター回転速度Nに対する発生制動力(短絡制動力)の特性例を示す。また、図6に、モーター温度Tmをパラメーターとする3相短絡制動時のモーター回転速度Nに対する発生制動力(短絡制動力)の特性例を示す。これらの特性からモーター2の回転速度Nと温度Tmに対応する2相短絡制動力および3相短絡制動力を表引き演算し、要求制動力と比較する。
【0032】要求制動力が2相短絡制動力よりもわずかに大きいが、3相短絡制動をかけるほどの差がない場合には、2相短絡制動のみで充分と判断し、ステップ14へ進む。ステップ14では、モーターコントローラー13を制御して2相短絡制動を行う。モーターコントローラー13はトランジスターTR7をオンし、U相巻線2uとV相巻線2vを短絡する。ステップ16で要求制動力から2相短絡制動力を差し引いて不足分を求め、続くステップ17でブレーキコントローラー19を制御して不足分の機械式制動力を発生させる。
【0033】一方、要求制動力が2相短絡制動力よりもかなり大きく、3相短絡制動をかける必要がある場合はステップ15へ進み、モーターコントローラー13を制御して3相短絡制動を行う。モーターコントローラー13はトランジスターTR7およびTR8をオンし、U相巻線2u、V相巻線2vおよびW相巻線2wを短絡する。ステップ16で要求制動力から3相短絡制動力を差し引いて不足分を求め、続くステップ17でブレーキコントローラー19を制御して不足分の機械式制動力を発生させる。
【0034】この一実施の形態によれば、バッテリー8の状態に拘わらずモーター2に回生制動力を発生させることができ、安定な制動力を確保できる。また、従来のように設置場所に制約がある発熱体(抵抗器)を自動車に設置する必要がなく、回生電力を抵抗器で熱として消費せずにモーター自体で制動力に変換するので、制動時の回生電力を有効に活用できる。
【0035】上述した一実施の形態ではY結線の3相交流モーターを用い、2相短絡制動と3相短絡制動を行う例を示したが、3相以外の交流モーターを用いて短絡する相数を変えて短絡制動を行うようにしてもよい。
【0036】また、本願発明は、モーターの駆動力により走行する純粋な電気自動車はもちろんのこと、エンジンとモーターの駆動力により走行する種々の形式のハイブリッド自動車に対しても適用することができる。
【0037】上述した一実施の形態では、インバーター7のスイッチング素子としてトランジスターTR1〜TR8を用いる例を示したが、インバーター7のスイッチング素子はトランジスターに限定されず、例えばパワーFET、IGBT、サイリスター、GTOなどを用いることができる。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
【出願日】 平成13年11月28日(2001.11.28)
【代理人】 【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
【公開番号】 特開2003−164002(P2003−164002A)
【公開日】 平成15年6月6日(2003.6.6)
【出願番号】 特願2001−362066(P2001−362066)