| 【発明の名称】 |
電動作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】脇谷 勉 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】乾 勉 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】菅家 博夫 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
|
| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】電動作業機(除雪機10)は、作業者の操作に基づいて制御出力を発生する主制御箱61と、この主制御箱61からの制御出力に基づいて走行用電動モータ25L,25Rを個別に制御する子制御箱62,63と、を備え、1個の主制御箱61と、走行用電動モータ25L,25Rに各々備えた複数の子制御箱62,63とで走行制御するもので、すなわち、主制御箱61と子制御箱62,63とを切り離して分離し、別体構成としたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の走行用電動モータにより走行する電動作業機において、この電動作業機は、作業者の操作に基づいて制御出力を発生する主制御箱と、この主制御箱からの制御出力に基づいて前記走行用電動モータを個別に制御する子制御箱と、を備え、1個の主制御箱と、走行用電動モータに各々備えた複数の子制御箱とで走行制御することを特徴とする電動作業機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は走行用電動モータを制御するための制御箱を小型にした電動作業機に関する。 【0002】 【従来の技術】走行用電動モータで走行するものには、例えば、特開昭57−78855号公報「車輌操向方式」に示されたものがある。この車輌操向方式は、同公報の第4図に示す演算装置11(符号は公報記載のものを使用した。以下同様。)、増幅器12,13、操向優先制御回路20とかなり、同公報の第2図に示す電動車イス1の左右の車輪3,4を駆動用モータ5,6で独立して駆動させるものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記公報の車輌操向方式では、演算装置11、増幅器12,13、操向優先制御回路20を収納箱に納め、その納めた収納箱を電動車イス1に取付けることになるが、演算装置11、増幅器12,13、操向優先制御回路20を納めるには収納箱は大型になり、収納箱を取付けることができる位置は限られる。また、演算装置11、増幅器12,13、操向優先制御回路20を納めた収納箱内の温度は上昇しやすくなり、冷却性が低下する。さらに、駆動用モータを追加した場合、収納箱を改造する必要があり、拡張性が悪い。 【0004】そこで、本発明の目的は、走行用電動モータの制御機器の小型化を図り、冷却性の向上を図り、制御装置の拡張性の向上を図った電動作業機を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1では、複数の走行用電動モータにより走行する電動作業機において、この電動作業機は、作業者の操作に基づいて制御出力を発生する主制御箱と、この主制御箱からの制御出力に基づいて走行用電動モータを個別に制御する子制御箱と、を備え、1個の主制御箱と、走行用電動モータに各々備えた複数の子制御箱とで走行制御することを特徴とする。 【0006】電動作業機は、1個の主制御箱と、走行用電動モータに各々備えた複数の子制御箱とで走行制御するもので、すなわち、主制御箱と子制御箱とを切り離して分離し、別体構成としたので、主制御箱は小型化になるとともに、子制御箱は小型になる。 【0007】また、電動作業機では、主制御箱と子制御箱とを切り離して分離し、別体構成としたので、取付け部材を介しての熱伝達が無く、且つ、冷却風の対流がよくなり、冷却性は向上する。 【0008】さらに、電動作業機では、主制御箱と子制御箱とを切り離して分離し、別体構成としたので、後で走行用電動モータを追加する場合、主制御箱を改造せずに、且つ、子制御箱を取付けるための取付け位置を改造せずに、新たに子制御箱を追加することができる。従って、制御装置の拡張性は向上する。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向に従い、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。 【0010】図1は本発明に係る電動作業機の平面図であり、電動作業機としての除雪機10は、機体11にエンジン12を搭載し、機体11の前部に作業部としてのオーガ13及びブロア14を装備し、機体11の左右にクローラ15L,15Rを配置し、機体11の後部に操作盤16を配置した作業機であり、作業者が操作盤16の後から連れ歩く歩行型作業機である。60は制御装置を示す。以下、要部を詳細に説明する。なお、操作盤16は図3で詳しく説明する。 【0011】エンジン12の出力の一部で、発電機17を回し、得た電力を操作盤16の下方に配置したバッテリ(図5の符号43参照)に供給すると共に、後述する左右の走行用電動モータとしての走行モータに供給する。エンジン12の出力の残部は、電磁クラッチ18及びベルト19を介して作業部としてのブロア14及びオーガ13の回転に充てる。オーガ13は地面に積もった雪を中央に集める作用をなし、この雪を受け取ったブロア14はシュータ21を介して雪を機体11の周囲の所望の位置へ投射する。22はオーガハウジングであり、オーガ13を囲うカバー部材である。 【0012】左のクローラ15Lは、駆動輪23Lと遊動輪24Lとに巻き掛けたものであり、本発明では駆動輪23Lは左の走行モータ25Lで正逆転させる。右のクローラ15Rも、駆動輪23Rと遊動輪24Rとに巻き掛けたものであり、本発明では駆動輪23Rは右の走行モータ25Rで正逆転させる。 【0013】従来の除雪機では1個のエンジン(ガソリンエンジン又はジーゼルエンジン)で作業部系(オーガ回転系)と走行系(クローラ駆動系)とを賄っていたが、本発明ではエンジン12で作業部系(オーガ回転系)を駆動し、電動モータ(走行モータ25L,25R)で走行系(クローラ駆動系)を駆動するようにしたことを特徴とする。細かな走行速度の制御、旋回制御及び前後進切替制御は電動モータが適当であり、一方、急激な負荷変動を受ける作業部系はパワーのある内燃機関が適当であるとの考えに基づいて、そのようにした。 【0014】制御装置60は、主制御箱61と、子制御箱62,63と、を有し、主制御箱61と子制御箱62,63とを切り離して分離し、別体構成としたものである。 【0015】図2は本発明に係る電動作業機の側面図であり、機体11の後方に走行モータ25Lを配置し、この走行モータ25Lで駆動輪23Lを介して駆動する左のクローラ15Lを左に設け、機体11の上方に主制御箱61ならびに子制御箱62,63を取付けるとともに、操作盤16を配置したことを示す。 【0016】図3は図1の3矢視図であり、操作盤16には、操作箱27の手前の側面にメインスイッチ28、エンジンチョーク29、クラッチ操作ボタン31などを備え、操作箱27の上面に、投雪方向調節レバー32、オーガハウジング姿勢調節レバー33、走行系に係る方向速度レバー34、作業部系に係るエンジンスロットルレバー35を備え、操作箱27の右にグリップ36R及び右旋回操作レバー37Rを備え、操作箱27の左にグリップ36L、左旋回操作レバー37L及び走行準備レバー38を備える。 【0017】左右旋回操作レバー37L,37Rはブレーキレバーに近似するが、後述するとおりに完全な制動効果は得られない。操作することで走行モータ25L,25Rの回転を落として機体をターンさせることに使用するため、ブレーキレバーと言わずに旋回操作レバーと呼ぶことにした。 【0018】メインスイッチ28はメインキーを差込み、回すことでエンジンを始動することのできる周知のスイッチである。エンジンチョーク29は引くことで混合気の濃度を高めることができる。投雪方向調節レバー32は、シュータ(図1の符号21)方向を変更するときに操作するレバーであり、オーガハウジング姿勢調節レバー33はオーガハウジング(図1の符号22)の姿勢を変更するときに操作するレバーである。その他の部材の作用は、図6で説明する。 【0019】図4は本発明に係る電動作業機の背面図であり、制御装置60の主制御箱61ならびに子制御箱62,63を示す。主制御箱61は、作業者の操作に基づいて制御出力を発生し、複数の電動モータ(ここでは、走行モータ25L,25R)を制御するもので、操作入力情報処理部(例えば、前進量、後進量、旋回量)と、演算部と、表示情報出力部と、子制御箱62,63への走行情報出力部(例えば、前進速度指令、後進速度指令、回転方向指令)と、子制御箱62,63からのフィードバック情報入力部(例えば、回転センサからの信号、異常情報)と、を備え、クローズドループ制御を行う装置である。なお、主制御箱61は、中央処理装置(CPU)のシリアルポート数に応じて、通信路を確保する通信制御装置(マルチプレクサ)にて拡張が可能なものである。 【0020】子制御箱62は、主制御箱61の走行情報出力部からの情報に基づいて、回転方向、電動モータ25Lへの通電量を出力するとともに、異常検出時に主制御箱61へ異常情報を出力する装置である。子制御箱63は、主制御箱61の走行情報出力部からの情報に基づいて、回転方向、電動モータ25Rへの通電量を出力するとともに、異常検出時に主制御箱61へ異常情報を出力する装置である。 【0021】図5は本発明に係る電動作業機の制御系統図であり、制御装置60および情報伝達経路を示す。図面の上の想像線枠で囲ったエンジン12、電磁クラッチ18、ブロア14及びオーガ13が作業部系45であり、その他は走行系となる。43はバッテリである。なお、制御装置60内に破線で指令の流れを便宜上示したが、これはあくまでも参考的記載に過ぎない。 【0022】走行系の作動を説明をする。本発明の除雪機は、普通車両のパーキングブレーキに相当するブレーキとして、左右の電磁ブレーキ51L,51Rを備えており、これらの電磁ブレーキ51L,51Rは、駐車中は制御装置60の制御により、ブレーキ状態にある。そこで、次の手順で電磁ブレーキ51L,51Rを開放する。 【0023】メインスイッチ28がスタートポジションにあること及び走行準備レバー38が握られていることの2つの条件が満たされ、方向速度レバー34を前進又は後進(図6で説明する。)に切換えると、電磁ブレーキ51L,51Rは開放(非ブレーキ)状態になる。 【0024】図6は本発明に係る方向速度レバーの説明図であり、方向速度レバー34は、作業者の手で、矢印■,■の如く往復させることができ、「中立範囲」より「前進」側へ倒せば車両を前進させることができ、且つ「前進」領域においては、Lfが低速前進、Hfが高速前進となるように、速度制御も行える。同様に、「中立範囲」より「後進」側へ倒せば車両を後進させることができ、且つ「後進」領域においては、Lrが低速後進、Hrが高速後進となるように、速度制御も行える。この例では、図の左端に付記した通りに、後進の最高速が0V(ボルト)、前進の最高速が5V、中立範囲が2.3V〜2.7Vになるようにポテンショメータでポジションに応じた電圧を発生させる。1つのレバーで前後の方向と高低速の速度制御とを設定できるので、方向速度レバー34と名付けた。 【0025】図5に戻って、方向速度レバー34の位置情報をポテンショメータ49から得た主制御箱61は、左右の子制御箱62,63を介して左右の走行モータ25L,25Rを回し、走行モータ25L,25Rの回転速度を回転センサ53L,53Rで検出して、その信号に基づいて回転速度を所定値になるようにフィードバック制御を実行する。この結果、左右の駆動輪23L,23Rが所望の方向に、所定の速度で回り、走行状態となる。 【0026】走行中の制動は次の手順で行う。本発明の走行モータ25L,25Rには回生ブレーキ回路を付属する。これを便宜上、回生ブレーキドライバー54L,54Rと呼称する。 【0027】左旋回操作レバー37Lの握りの程度をポテンショメータ39Lで検出し、この検出信号に応じて主制御箱61は左の走行モータ25Lの速度を下げる。右旋回操作レバー37Rの握りの程度をポテンショメータ39Rで検出し、この検出信号に応じて主制御箱61は右の走行モータ25Rの速度を下げる。すなわち、左旋回操作レバー37Lを握ることで左旋回させることができ、右旋回操作レバー37Rを握ることで右旋回させることができる。 【0028】そして、次の何れかにより走行を停止することができる。方向速度レバー34を中立位置に戻す。走行準備レバー38を離す。メインスイッチ28をオフ位置に戻す。走行準備レバー38を離すかメインスイッチ28をオフ位置に戻したときには、直ちに電磁ブレーキ51L,51Rがブレーキ状態となり、緊急停止が掛る。 【0029】以上に述べた電動作業機の作用を次に説明する。図4に示すように、電動作業機(除雪機10)は、作業者の操作に基づいて制御出力を発生する主制御箱61と、この主制御箱61からの制御出力に基づいて走行用電動モータ25L,25Rを個別に制御する子制御箱62,63と、を備え、1個の主制御箱61と、走行用電動モータ25L,25Rに各々備えた複数の子制御箱62,63とで走行制御するもので、すなわち、主制御箱61と子制御箱62,63とを切り離して分離し、別体構成としたので、主制御箱61の小型化を図ることができるとともに、子制御箱62,63の小型化を図ることができる。 【0030】また、電動作業機(除雪機10)では、主制御箱61と子制御箱62,63とを切り離して分離し、別体構成としたので、取付け部材を介しての熱伝達が無く、且つ、冷却風の対流がよくなり、冷却性の向上を図ることができる。 【0031】さらに、電動作業機(除雪機10)では、主制御箱61と子制御箱62,63とを切り離して分離し、別体構成としたので、後で走行用電動モータを追加する場合、主制御箱61を改造せずに、且つ、子制御箱を取付けるための取付け位置を改造せずに、新たに子制御箱を追加することができる。従って、制御装置の拡張性の向上を図ることができる。 【0032】尚、本発明の実施の形態に示した主制御箱61、子制御箱62,63の取付け位置は任意であり、作業内容や環境など電動作業機の仕様によって設定する。電動モータは、走行用の電動モータに限定するものではない。 【0033】 【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮する。請求項1では、電動作業機は、作業者の操作に基づいて制御出力を発生する主制御箱と、この主制御箱からの制御出力に基づいて前記走行用電動モータを個別に制御する子制御箱と、を備え、1個の主制御箱と、走行用電動モータに各々備えた複数の子制御箱とで走行制御するもので、すなわち、主制御箱と子制御箱とを切り離して分離し、別体構成としたので、主制御箱の小型化を図ることができるとともに、子制御箱の小型化を図ることができる。 【0034】また、電動作業機では、主制御箱と子制御箱とを切り離して分離し、別体構成としたので、取付け部材を介しての熱伝達が無く、且つ、冷却風の対流がよくなり、冷却性の向上を図ることができる。 【0035】さらに、電動作業機では、主制御箱と子制御箱とを切り離して分離し、別体構成としたので、後で走行用電動モータを追加する場合、主制御箱を改造せずに、且つ、子制御箱を取付けるための取付け位置を改造せずに、新たに子制御箱を追加することができる。従って、制御装置の拡張性の向上を図ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
|
| 【出願日】 |
平成13年10月30日(2001.10.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067356 【弁理士】 【氏名又は名称】下田 容一郎 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−143716(P2003−143716A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月16日(2003.5.16) |
| 【出願番号】 |
特願2001−332010(P2001−332010) |
|