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【発明の名称】 給電装置
【発明者】 【氏名】藤岡 一路

【要約】 【課題】路面に危険がなく、インフラ費の安い給電装置を実現する。

【解決手段】路面に接触式または非接触式のスポット送電子を設け、底部に受電子を張った自動車の送電要求信号に基づき、安全性・正当性を確認後、送電することを特徴とした給電装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】路面に埋設されたスポット送電子と、その上を停止または移動し前記スポット送電子より受電する自動車の底面に張られた受電子と、前記送電子への給電をオンオフするスイッチと、前記受電子側から発信される送電要求信号を受信する受信器と、その出力信号を解析し、前記スイッチのオンオフ等をする処理装置と、電源装置とからなる給電装置【請求項2】前記スポット送電子として接触子を、前記受電子として架線を、それぞれ用いたことを特徴とする【請求項1】に記載の給電装置【請求項3】前記スポット送電子として送電コイルを、前記受電子として自動車底部に張られた受電コイルを、それぞれ用いたことを特徴とする【請求項1】に記載の給電装置【請求項4】路面に前記スポット送電子を複数組埋設し、前記受電子の移動に伴い前記スポット送電子の前記スイッチを前記処理装置の指令により次々と切換えて送電し、前記自動車の充電のみならず加速・走行にも利用でることを特徴とした【請求項1】に記載の給電装置【請求項5】前記スポット送電子と前記受電子が互いに近接している間のみ、前記送信子より送られた前記送電要求信号を受信する前記受信器と、前記送信要求信号を解析しその信号内の自動車番号など正当であれば、前記接触子の地表への頭出しや前記スポット送電子の前記スイッチをオンにする指令を行う【請求項1】に記載の処理装置【請求項6】コンデンサーまたはトランス結合により高周波信号を前記架線に電力と併せ重畳し、前記送電子側に信号が現れることにより、前記処理装置は前記架線が前記接触子に正常に触れたと判断し、前記送電子の前記スイッチをオンにすることを特徴とした【請求項2】に記載の給電装置【請求項7】前記スポット送電子に流れる電流を計測、積算して自動車番号ごとに記憶し、遠隔地に課金データとして送信できることを特徴とした【請求項1】に記載の処理装置【請求項8】全波整流波形の低い電圧のタイミングで前記スイッチをオンして送電し、接触時にスパークが出ないようにしたことを特徴とする【請求項1】に記載の処理装置
【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】電車・電気自動車・災害用電源【従来の技術】
【0001】従来、乗物の給電子としては、電車・トロリーバスに利用されている架線が典型的な例である。高い所に張り巡らされているため、人間等生き物は感電する心配も少なく、また安くきれいなエネルギー供給方法として現在も広く使用されている。しかしながら、景観や保守などからいわゆる市電やトロリーバスでは廃止されているケースも多い。路面内部に長いコイルを埋め、誘導電力により乗物を動かそうという技術もあるが、敷設費の膨大さ・他の物体への電磁波による悪影響・効率の悪さなど問題が多い。
【発明が解決しようとする課題】
【0002】従来、路面より電力供給する場合の最大の課題は歩行者や他の物体への感電や電磁波障害を防止できないことであった。しかしながら環境問題が深刻な現代、路面からの安価で安全かつ走行中も電力供給可能な装置を発明する必要がある。また、障害物としないためにも、装置はできるだけ地中に埋設する。この手段によりエネルギーの半分でも供給するようにすれば、自動車に搭載の燃料が少なくて済み、自動車の軽量化・低価格化・無公害化に役立つし、電気自動車も実用化が広がる。また、スタンド不要等、燃料のみならず供給コストも削減できる。
【課題を解決するための手段】
【0003】この対策として、乗物の走る区間に長い電力線を設け電力供給するのではなく、間欠的に配置された電力供給スポットと、自動車の底部に設けられた車長に等しいほど長い受電機構と、安全に通電する(感電のおそれのない)手段が必要になる。
【図1】、【図2】は本発明の送電子を3対、道路の登り坂道や交差点あるいは停留所近傍の路面に埋設した場合の断面概要図と平面概要図で、送電子として接触子を、受電子として架線を使用した例である。同図で、1は路面に埋設または頭出しした接触子、2は自動車の床下に張った架線、3は自動車(特に回生装置を搭載した)、4は送電用スイッチ、5は受(送)信コイル、6は送(受)信コイル、7は受信処理およびスイッチ4のオンオフ等の制御装置、9は路面である。
【0004】同図に従って動作を説明すると、まず自動車3が左に移動し、架線2が最初の接触子1(【図1】で7の上)に近づいても、全ての接触子1は送電しない。(感電しない)さらに自動車が左に進んで接触子1を架線2が単に押し下げても送電しない。ではどう安全に送電させるかの手段を説明する。
【図2】で、自動車3には架線2に隣接して横長ループ状(または複数円状)の送信コイル6を2組設け、それぞれから【図4】に示すような送電要求の信号を繰り返し送信する。同【図4】で例えばAは自動車番号コード、Bは課金引落し番号コードとしてもよい。
【0005】この送信信号は、車が充分近接した受信コイル5にのみ受信される。受信信号は制御装置7に送られ、2組の受信コイル5の信号コードが一致し、かつ自動車番号がブラックリストにない、と判断された場合のみ、図1に示すように右端の接触子1が路上への頭出しする。さらに、該当のスイッチ4をオンにし、接触子1を通して架線2に電力を送電してもよい。上記、近接しただけで、スイッチ4をオンにする方式は人のいない高速道路では採用しても問題なかろう。また送受信は6個の受信コイルと2個の送信コイル用いいるが、3個の受信コイル5と1個の送信コイル6でもよい。また、媒体は電波であるが、赤外線等光や音波による送受信器を用いてもよい。
【0006】
【図3】は、近接ではなく接触したとき、スイッチ4をオンにする方式の一例である。このようにすると、通電している接触子1は必ず自動車3に被われ、より感電の心配のない方式であるため街中で使用するのが良いと思われる。同図で、16はパスコン又はトランスなどを含んだカップラー、17は抵抗、18は送受信器である。いま、送受信器18より、例えば100khzなどの高周波をカプラー16を通して架線2に重畳して送信する。接触子側のカプラー16の共振周波数を100khzにしておくと、架線2と接触子1が接した時、送受信器18からの信号は、架線2−接触子1−カプラー16を通って抵抗17の両端に電圧となって現れ、制御装置7に到達する。その後、処理装置7は信号を調べ、正当であればスイッチ4をオンにして電力を架線2へ送電する。つまり接触子1は、特殊な周波数発信をおこなっている自動車3が2本の接触子1と2本の架線2がセンターずれが少なく、確実に接触した場合にのみ、送電する。
【図3】では最右端の接触子1にのみカプラー16を記載しているが、他の2対の接触子1にも同様に装着する。
【0007】以上述べた自動車3への送電方法は、路面に頭出しする接触子1を使用した例であるが、路面9の下に誘導コイルを埋め込んで、非接触でスポット的に送電しても良い。
【図5】はこの場合の断面概要図であり、前記送電子として送電コイル、前記受電子として受電コイルを使用している。10は送電コイル、11はマッチングコンデンサー、12は受電コイル、13は高周波電力線、14は発信機・自動周波数調整を含む制御装置である。同図でも、【図1】と同じように受信器5を持ち、自動車からの送電要求信号を受信し、14で自動車番号等正当性を確認したら、送電コイル10から受電コイル12に高周波電力を送電する。同図では省略しているが、送電コイル10(あるいはコンデンサーを含む)は前記と同様、自動車3が近くにあるもののみスイッチにより通電される。
【0008】送電コイル10は、スポット的単巻(数−数十ターンの)で小さく、自動車車体にほとんど覆われている間のみ受電コイル12に高周波送電するので、高周波による歩行者などへの事故(指,腕輪による火傷、ペースメーカなど電子機器の破損・爆発)がない。受電コイル12はループ状あるいはスパイラル〈複数円〉状で、長さは車体が許すだけ長くして、自動車が動いても出来るだけ長い時間受電できるようにするのが望ましい。上記送電コイル10あるいは受電コイル12の周辺または中心部には、磁路を形成するためのコアを別途設けても良い。また、【図5】ではマッチングコンデンサー11は送電コイル10毎に並列に3個接続されているが、共通にして1個でもよい。しかし、自動車の移動に伴い、電力供給側から見た負荷インピーダンスは時々刻々変化するので、制御装置14により周波数を微調して抵抗性インピーダンスにする。
【0009】
【図1】,【図5】は、3対の送電子(接触子1や送電コイル10)を設けた例であるが(1対でも勿論よい)、このように複数の送電子を設け、かつ送電子間の間隔を自動車の架線2の長さとほぼ同じにすると自動車3は連続して電力の供給を受けることができる。たとえば架線2の長さを8メートルとすると、24メートルに亘り連続して電力を受け取れるので、自動車は走りながら、車内蓄電器(池)への充電のみならず、加速用電力も得ることができる。
【0010】ところで制御装置7,14には、別途電流検出器と通信機能付きマイクロコンピュータが内蔵されていて、送電子より送られる電力は自動車番号ごとに計測、積算され記憶される。さらに通信機能により、課金データとして遠隔地に送信できる。さて、制御装置7,14は上記送電のほか受電も制御し、典型的にはAC電力を整流して、各送電子に振り分けることを行うが、別途電源装置15により、ソーラや風力の電力も貯め込んでで利用するのでもよい。所で、給電装置を普及させるにはコストが最も大切で、構成する部品を出来るだけ少なくする必要がある。
【0011】
【図6】は電源装置15の構成例を示す。AC受電電力を全波整流のまま取りこみ、大きな整流用リアクタンスとコンデンサーを省いた場合の構成概要である。同図で点線の部分(25,23,24,30)はAC電源が無いか、節電したい場合に使う、いわゆる自然エネルギー電源部である。
【図7】は電圧波形である。
【図6】で19は電力会社からのAC電圧を変圧するトランス、20は全波整流器、21はダイオード、22は出力電圧線である。23はソーラパネル、24は風力発電機、25は分割バッテリ充電制御回路である。
【図7】で26はAC電圧全波整流電圧波形、27は蓄電器(池)からの電圧、28はレベル1の電圧基準線、29はレベル2の電圧基準線である。
【0012】図に添って説明すると、まず、商用AC電圧は変圧器19により、給電子で使う電圧に変換され、全波整流器19を通った後、合成ダイオード21を通して出力電圧となる。従来は20の後にLとCによる平滑回路を入れるが、ここでは省いている。〈いれるとすれば高周波阻止のチョークコイルのみとした方が安価である〉一方、ソーラパネル23の電圧、または風力発電機24からの電圧は、分割蓄電器(池)30へ制御装置25の指令により蓄えられる。たとえば、電圧の値が大きい場合は蓄電器(池)を直列に接続し、電圧が小さいときは並列に接続して、充電される。
【0013】
【図7】の実線は、このように蓄えられた蓄電器(池)の出力電圧27と前記のAC電圧26との合成電圧波形を示している。このような一定で無い電圧を前記【図1】や【図5】の送電子に印加しても大丈夫であろうか?給電子からの電圧を利用する自動車3には、【図6】の25に相当する分割蓄電器(池)制御装置が普通は搭載されているので、自動車側に充電する場合、例えば【図7】で28以上の電圧値のときは直列に29以上のときは直列・並列に、29以下のときは並列に、それぞれ蓄電器(池)接続を変えて充電すれば良い。また、充電と同時に自動車3を動かしたい場合は、いわゆるPWM法により電圧の切りだしをしてモータに印加すれば良い。
【0014】上記記述したように、送電子からは従来と違い全波整流波形のような変動する電圧を送電して良いことがわかる。このことは別のメリットを生む。つまり、自動車3からの送電要求を受信した時刻での上記電圧の値は高い時も低い時もありうる。もし自動車側の蓄電電圧が低いとき、送電子より高い電圧を送電すると、大電流がながれ、いわゆるスパークが起こる。そこで、上記送電要求を受信してもすぐに送電せず、全波整流値が低い値になるまで待って送電開始すると、スパークは軽減される。
【本発明による効果】以上、本発明によれば、非接触式は勿論、路面上に露出した接触子といえども制御により充分安全に送電できる。例えば、車内に蓄電器〈池〉を搭載した路面電車・路線電気バスの停留所近くに複数個設置した場合、直前の送電子を人が踏んでも感電しない。また、このよにすると車両搭載の蓄電器(池)量を大幅に削減でき、車両の軽量化・安価が実現でき、大げさに言えば環境を破壊しない新しいクルマ社会の実現が可能になる。また送電子は震災時電源として別途利用できる。
【出願人】 【識別番号】592102076
【氏名又は名称】藤岡 一路
【出願日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−143712(P2003−143712A)
【公開日】 平成15年5月16日(2003.5.16)
【出願番号】 特願2001−385291(P2001−385291)