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【発明の名称】 給電装置
【発明者】 【氏名】藤岡 一路

【要約】 【課題】従来、路面より電力供給する場合の最大の課題は歩行者や他の物体への感電や電磁波障害を防止できないことであった。しかしながら環境問題が深刻な時代、路面からの安価で安全かつ走行中も電力供給可能な装置を発明する必要がある。

【解決手段】受信器5を持ち、自動車からの送電要求信号を受信し、14で自動車番号等正当性を確認したら、給電用の送電コイル10から受電コイル12に高周波電力を送電する。送電コイル10は、スポット的単巻(3−20ターンの)で小さく、自動車車体にほとんど覆われている間のみ受電コイル12に高周波送電するので、高周波による歩行者などへの事故がない。受電コイル12はループ状あるいはスパイラル<複数円>状で、長さは車体が許すだけ長くして、自動車が動いても出来るだけ長く受電できるようにするのが望ましい。上記送電あるいは受電コイルの周辺または中心部には、磁路を形成するためのコアを別途設けても良い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 路面に設置され、その上に停止または移動する受電子に送電するスポット送電子と、送電子への給電をオン・オフするスイッチと、前記受電子側から発信される送電要求信号を受信する受信器と、受信信号を解析し前記受電子の要求が正当でかつ前記送電子と受電子が近接している場合のみ、前記スイッチをオンにする処理装置と、電源装置からなる給電装置【請求項2】前記スポット送電子として接触子を、前記受電子として自動車底部に張られた架線を、それぞれ設けたことを特徴とする【請求項1】に記載の給電装置【請求項3】前記スポット送電子として送電コイルを、前記受電子として自動車底部に張られた受電コイルを、それぞれ設けたことを特徴とする【請求項1】に記載の給電装置【請求項4】路面に、前記スポット送電子を複数個設置し、前記受電子の移動に伴い、次々に前記スポット送電子の前記スイッチを、前記処理装置の指令により切り替えて送電し、自動車内の充電のみならず、自動車の走行エネルギーも得ることを特徴とした【請求項1】に記載の給電装置
【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】電車・電気自動車・災害 用電源【従来の技術】
【0001】従来、乗物の給電子としては、電車・トロリーバスに利用されている架線が典型的な例である。高い所に張り巡らされているため、人間等生き物は感電する心配も少なく、また安くきれいなエネルギー供給方法として現在も広く使用されている。しかしながら、景観や保守などからいわゆる市電やトロリーバスでは廃止されているケースも多い。路面内部に長いコイルを埋め、誘導電力により乗物を動かそうという技術もあるが、敷設費の膨大さ・他の物体への電磁波による悪影響・効率の悪さなど問題が多い。
【発明が解決しようとする課題】
【0002】従来、路面より電力供給する場合の最大の課題は歩行者や他の物体への感電や電磁波障害を防止できないことであった。しかしながら環境問題が深刻な現代、路面からの安価で安全かつ走行中も電力供給可能な装置を発明する必要がある。この手段によりエネルギーの半分でも供給するようにすれば、自動車に搭載の燃料が少なくて済み、自動車の軽量化・低価格化・無公害化に役立つ。また、スタンド不要等、燃料のみならず供給コストも削減できる。
【課題を解決するための手段】
【0003】この対策として、乗物の走る区間に長い電力線により電力供給するのではなく、間欠的に配置された電力供給スポットと、自動車の底部に設けられた車長に等しいほど長い受電機構とを発明する。安全に通電する(感電のおそれのない)手段が必要になる。
【図1】、【図2】は本発明の送電子を3対、路面に埋設した場合の断面の概要図と平面概要図で、送電子として接触子を、受電子として架線を使用した例である。同図で1はバネで押し上げられ路面に頭出しした接触子、2は自動車の床下に張った架線、3は自動車(特にモータ車輪駆動のある)、4はスイッチ、5は受(送)信コイル、6は送(受)信コイル、7は受信処理およびスイッチ4のオンオフ等の制御装置、9は路面である。
【0004】同図に従って動作を説明すると、まず自動車3が左に移動し、架線2が最初の接触子1(【図1】で7の上)に近づいても、全ての接触子1は送電していない。(感電しない)
さらに自動車が左に進んで接触子1を架線2が押し下げても送電しない。ではどう安全に送電させるかの手段を説明する。
【図2】で、自動車3には架線2に隣接して横長ループ状(または複数円状)の送信コイル6を2組設け、それぞれから【図4】に示すような送電要求の信号を繰り返し送信する。同【図4】で例えばAは自動車番号コード、Bは課金引落し番号コードとしてもよい。
【0005】この送信信号は、車が充分近接した受信コイル5にのみ受信される。受信信号は制御装置7に送られ、2組の受信コイル5の信号コードが一致し、かつ自動車番号がブラックリストにない、と判断された場合のみ該当のスイッチ4をオンにし、接触子1を通して架線2に電力を送電する。つまり、不確かな送電要求信号や1つの受信コイルのみの正常信号では送電しない。これで十分他の物体が本接触子に触れても感電はありえないが、念のため、例えば常時には全接触子1を地下に沈めておき、前記該当する接触子のみ頭出しする構造にしても良い。また送受信はコイルによる電波を用いているが、光や音波を用いてもよい。
【0006】
【図3】は、前記信号の送受信線を電力線と兼用する例である。同図で、16はパスコン又はトランス、17はインダクタンス、18は送受信器である。いま、送受信器18より、例えば100khzなどの高周波に前記自動車番号コード等を変調して送信する。パスコン16とインダクタンス17の共振周波数を100khzにしておくと、架線2と接触子1が接した時、送受信器18からの信号は制御装置7に到達する。その後、処理装置7は信号のコードを調べ、正当であれば電力スイッチ4をオンにするのは前記と同じである。
【図3】では最右端の接触子にのみパスコン16とインダクタンス17を記載しているが、他の2対の接触子1にも同様に装着する。
【0007】以上述べた自動車への送電方法は、路面に頭出しする接触子を使用した例であるが、路面9の下に誘導コイルを埋め込んで、非接触でスポット的に送電しても良い。
【図5】はこの場合の断面概要図であり、前記送電子として送電コイル、前記受電子として受電コイルを使用している。10は送電コイル、11はマッチングコンデンサー、12は受電コイル、13は高周波給電線、14は自動周波調整を含む制御装置である。同図でも、【図1】と同じように受信器5を持ち、自動車からの送電要求信号を受信し、14で自動車番号等正当性を確認したら、給電用の送電コイル10から受電コイル12に高周波電力を送電する。
【0008】送電コイル10は、スポット的単巻(3−20ターンの)で小さく、自動車車体にほとんど覆われている間のみ受電コイル12に高周波送電するので、高周波による歩行者などへの事故(指,腕輪による火傷、ペースメーカなど電子機器の破損・爆発)がない。受電コイル12はループ状あるいはスパイラル〈複数円〉状で、長さは車体が許すだけ長くして、自動車が動いても出来るだけ長く受電できるようにするのが望ましい。上記送電あるいは受電コイルの周辺または中心部には、磁路を形成するためのコアを別途設けても良い。しかし、自動車の移動に伴い、電力供給側から見た負荷インピーダンスは時々刻々変化するので、制御装置14により周波数を微調して抵抗性インピーダンスにする。
【0009】
【図1】,【図5】は、3対の送電子〈接触子1や送電コイル10を設けた例であるが(1対でも勿論よい)、このように複数の送電子を設け、かつ送電子間の間隔を自動車の架線2の長さとほぼ同じにすると連続して電力の供給を受けることができる。たとえば架線2の長さを8メートルとすると、24メートルに亘り連続して電力を受け取れるので、自動車は走りながら、車内蓄電器(池)への充電のみならず、加速用エネルギーも得ることができる。
【0010】さて、制御装置7,14は上記送電のほか受電も制御し、典型的にはAC電力を整流して、各送電子に振り分けることを行うが、別途電源装置15により、ソーラや風力の電力も貯め込んでで利用するのでもよい。所で、給電装置を普及させるにはコストが最も大切で、構成する部品を出来るだけ少なくする必要がある。
【0011】
【図6】は電源装置15の構成例を示す。AC受電電力を全波整流のまま取りこみ、大きな整流用リアクタンスとコンデンサーを省いた場合の構成概要である。同図で点線の部分(25,23,24,30)はAC電源が無いか、節電したい場合に使う、いわゆる自然エネルギー電源部である。
【図7】は電圧波形である。
【図6】で19は電力会社からのAC電圧を変圧するトランス、20は全波整流器、21はダイオード、22は出力電圧線である。23はソーラパネル、24は風力発電機、25は分割バッテリ充電制御回路である。
【図7】で26はAC電圧全波整流電圧波形、27は蓄電器(池)からの電圧、28はレベル1の電圧基準線、29はレベル2の電圧基準線である。
【0012】図に添って説明すると、まず、商用AC電圧は変圧器19により、給電子で使う電圧に変換され、全波整流器19を通った後、合成ダイオード21を通して出力電圧となる。従来は20の後にLとCによる平滑回路を入れるが、ここでは省いている。〈高周波阻止のチョークコイルのみとした方が安価である〉一方、ソーラパネル23の電圧、または風力発電機24からの電圧は、分割蓄電器(池)30へ制御装置25の指令により蓄えられる。たとえば、電圧の値が大きい場合は蓄電器(池)を直列に接続し、電圧が小さいときは並列に接続して、充電される。
【0013】
【図7】の実線は、このように蓄えられた蓄電器(池)の出力電圧27と前記のAC電圧26との合成電圧波形を示している。このような一定で無い電圧を前記【図1】や【図5】の送電子に印加しても大丈夫であろうか?給電子からの電圧を利用する自動車には、【図6】の25に相当する分割蓄電器(池)制御装置が普通搭載されているので、自動車側に充電する場合、例えば【図7】で28以上の電圧値のときは直列に29以上のときは直列・並列に、29以下のときは並列に、それぞれ自動車搭載の蓄電器(池)接続を変えて充電すれば良い。また、同時に自動車を動かしたい場合は、いわゆるPWM法により電圧の切りだしをしてモータに印加すれば良い。
【本発明による効果】以上、本発明によれば、非接触式は勿論、路面上に露出した接触子といえども制御により充分安全に送電できる。例えば、車内に蓄電器〈池〉を搭載した路面電車・路線電気バスの停留所近くに複数個設置した場合、直前の送電子を人が踏んでも感電しない。また、このよにすると車両搭載の蓄電器(池)量を大幅に削減でき、車両の軽量化・安価が実現でき、大げさに言えば環境を破壊しない新しいクルマ社会の実現が可能になる。また送電子は震災時電源として別途利用できる。
【出願人】 【識別番号】592102076
【氏名又は名称】藤岡 一路
【出願日】 平成13年10月8日(2001.10.8)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−143711(P2003−143711A)
【公開日】 平成15年5月16日(2003.5.16)
【出願番号】 特願2001−346760(P2001−346760)