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【発明の名称】 電動車両駆動制御装置、電動車両駆動制御方法及びそのプログラム
【発明者】 【氏名】中村 洋
【住所又は居所】愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社内

【氏名】大越 利夫
【住所又は居所】愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社内

【要約】 【課題】制御の信頼性を高くすることができ、電動車両駆動制御装置のコストを低くすることができるようにする。

【解決手段】電動機械と、該電動機械の回転速度を互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段と、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段90とを有する。この場合、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定するようになっているので、車両制御装置、エンジン制御装置、発電機制御装置及び駆動モータ制御装置による各制御の信頼性を高くすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動機械と、該電動機械の回転速度を互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段と、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段とを有することを特徴とする電動車両駆動制御装置。
【請求項2】 第1の電動機械と、該第1の電動機械と機械的に連結された第2の電動機械と、第1、第2の電動機械の各回転速度のうちの少なくとも一つの回転速度を、互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段と、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段とを有することを特徴とする電動車両駆動制御装置。
【請求項3】 前記各算出手法のうちの所定の算出手法は、第1、第2の電動機械の回転速度の回転速度関係式に基づいて回転速度を算出する請求項2に記載の電動車両駆動制御装置。
【請求項4】 エンジンと機械的に連結された電動機械と、エンジン回転速度、及び前記電動機械の回転速度のうちの少なくとも一つの回転速度を、互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段と、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段とを有することを特徴とする電動車両駆動制御装置。
【請求項5】 前記各算出手法のうちの所定の算出手法は、エンジン回転速度、及び前記電動機械の回転速度の回転速度関係式に基づいて回転速度を算出する請求項4に記載の電動車両駆動制御装置。
【請求項6】 エンジンと機械的に連結された第1の電動機械と、該第1の電動機械と機械的に連結された第2の電動機械と、エンジン回転速度、及び第1、第2の電動機械の各回転速度のうちの少なくとも一つの回転速度を、互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段と、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段とを有することを特徴とする電動車両駆動制御装置。
【請求項7】 前記各算出手法のうちの所定の算出手法は、エンジン回転速度、及び第1、第2の電動機械の回転速度の回転速度関係式に基づいて回転速度を算出する請求項6に記載の電動車両駆動制御装置。
【請求項8】 前記各算出方法は、位置検出器によって検出された位置の変化率に基づいて回転速度を算出する算出方法、回転検出器によって回転速度を直接検出する算出方法、及び前記回転速度関係式に基づいて回転速度を算出する算出方法である請求項3、5又は7のいずれか1項に記載の電動車両駆動制御装置。
【請求項9】 少なくとも第1〜第3の歯車要素を備えるとともに、第1の歯車要素が前記第1の電動機械と、第2の歯車要素が前記第2の電動機械と、第3の歯車要素が前記エンジンと機械的に連結されるプラネタリギヤユニットを有する請求項6に記載の電動車両駆動制御装置。
【請求項10】 電動機械の回転速度を互いに異なる三つ以上の算出手法で算出し、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定することを特徴とする電動車両駆動制御方法。
【請求項11】 第1の電動機械の回転速度、及び前記第1の電動機械と機械的に連結された第2の電動機械の回転速度のうちの少なくとも一つの回転速度を、互いに異なる三つ以上の算出手法で算出し、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定することを特徴とする電動車両駆動制御方法。
【請求項12】 エンジン回転速度、及びエンジンと機械的に連結された電動機械の回転速度のうちの少なくとも一つの回転速度を、互いに異なる三つ以上の算出手法で算出し、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定することを特徴とする電動車両駆動制御方法。
【請求項13】 エンジン回転速度、エンジンと機械的に連結された第1の電動機械の回転速度、及び前記第1の電動機械と機械的に連結された第2の電動機械の回転速度のうちの少なくとも一つの回転速度を、互いに異なる三つ以上の算出手法で算出し、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定することを特徴とする電動車両駆動制御方法。
【請求項14】 コンピュータを、電動機械の回転速度を互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段、及び各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段として機能させることを特徴とする電動車両駆動制御方法のプログラム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動車両駆動制御装置、電動車両駆動制御方法及びそのプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気自動車、ハイブリッド型車両等の電動車両が提供されている。そして、前記電気自動車に搭載され、交流の電流を駆動モータに供給し、該駆動モータを駆動するようにした車両駆動装置においては、駆動モータを駆動することによって発生させられたトルク、すなわち、駆動モータトルクが駆動輪に伝達され、該駆動輪において駆動力が発生させられるようになっている。
【0003】また、ハイブリッド型車両に搭載され、エンジンのトルク、すなわち、エンジントルクの一部を発電機(発電機モータ)に、残りを駆動輪に伝達するようにした車両駆動装置においては、サンギヤ、リングギヤ及びキャリヤを備えたプラネタリギヤユニットを有し、前記キャリヤとエンジンとを連結し、リングギヤと駆動輪とを連結し、サンギヤと発電機とを連結し、前記リングギヤ及び駆動モータから出力された回転を駆動輪に伝達して駆動力を発生させるようにしている。
【0004】ところで、前記車両駆動装置には、車両駆動装置の制御を行うために電気自動車駆動制御装置、ハイブリッド型車両駆動制御装置等の電動車両駆動制御装置が搭載される。また、例えば、ハイブリッド型車両駆動制御装置においては、車両制御装置、エンジン制御装置、発電機制御装置及び駆動モータ制御装置が配設される。そして、例えば、前記車両制御装置において、ハイブリッド型車両の全体の制御が行われ、前記エンジン制御装置において、エンジンの回転速度、すなわち、エンジン回転速度に基づいてエンジンが始動された後、所定のエンジントルクが発生させられるようにトルク制御が行われ、その間、発電機制御装置において発電機回転速度制御が行われる。また、前記発電機制御装置において、発電機の回転速度、すなわち、発電機回転速度の目標値を表す発電機目標回転速度と実際の発電機回転速度との差、すなわち、差回転速度に基づいてトルク制御が行われ、発電機のトルク、すなわち、発電機トルクが制御される。さらに、駆動モータ制御装置において、駆動モータトルクの目標値を表す駆動モータ目標トルク、駆動モータの回転速度、すなわち、駆動モータ回転速度及びバッテリ電圧に基づいてトルク制御が行われる。
【0005】そして、前記エンジン回転速度、発電機回転速度及び駆動モータ回転速度を検出するために、エンジン回転速度センサ、発電機回転速度センサ、駆動モータ回転速度センサ等の各センサが配設される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の電動車両駆動制御装置においては、エンジン回転速度センサ、発電機回転速度センサ又は駆動モータ回転速度センサに異常が発生した場合、前記車両制御装置、エンジン制御装置、発電機制御装置及び駆動モータ制御装置による各制御の信頼性が低くなってしまう。
【0007】そこで、前記各センサを2重系又は3重系にしたり、センサの単体の精度を極めて高くしたりすることが考えられるが、ハイブリッド型車両駆動制御装置のコストがその分高くなってしまう。
【0008】本発明は、前記従来の電動車両駆動制御装置の問題点を解決して、制御の信頼性を高くすることができ、コストを低くすることができる電動車両駆動制御装置、電動車両駆動制御方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の電動車両駆動制御装置においては、電動機械と、該電動機械の回転速度を互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段と、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段とを有する。
【0010】本発明の他の電動車両駆動制御装置においては、第1の電動機械と、該第1の電動機械と機械的に連結された第2の電動機械と、第1、第2の電動機械の各回転速度のうちの少なくとも一つの回転速度を、互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段と、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段とを有する。
【0011】本発明の更に他の電動車両駆動制御装置においては、さらに、前記各算出手法のうちの所定の算出手法は、第1、第2の電動機械の回転速度の回転速度関係式に基づいて回転速度を算出する。
【0012】本発明の更に他の電動車両駆動制御装置においては、エンジンと機械的に連結された電動機械と、エンジン回転速度、及び前記電動機械の回転速度のうちの少なくとも一つの回転速度を、互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段と、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段とを有する。
【0013】本発明の更に他の電動車両駆動制御装置においては、さらに、前記各算出手法のうちの所定の算出手法は、エンジン回転速度、及び前記電動機械の回転速度の回転速度関係式に基づいて回転速度を算出する。
【0014】本発明の更に他の電動車両駆動制御装置においては、エンジンと機械的に連結された第1の電動機械と、該第1の電動機械と機械的に連結された第2の電動機械と、エンジン回転速度、及び第1、第2の電動機械の各回転速度のうちの少なくとも一つの回転速度を、互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段と、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段とを有する。
【0015】本発明の更に他の電動車両駆動制御装置においては、さらに、前記各算出手法のうちの所定の算出手法は、エンジン回転速度、及び第1、第2の電動機械の回転速度の回転速度関係式に基づいて回転速度を算出する。
【0016】本発明の更に他の電動車両駆動制御装置においては、さらに、前記各算出方法は、位置検出器によって検出された位置の変化率に基づいて回転速度を算出する算出方法、回転検出器によって回転速度を直接検出する算出方法、及び前記回転速度関係式に基づいて回転速度を算出する算出方法である。
【0017】本発明の更に他の電動車両駆動制御装置においては、さらに、少なくとも第1〜第3の歯車要素を備えるとともに、第1の歯車要素が前記第1の電動機械と、第2の歯車要素が前記第2の電動機械と、第3の歯車要素が前記エンジンと機械的に連結されるプラネタリギヤユニットを有する。
【0018】本発明の電動車両駆動制御方法においては、電動機械の回転速度を互いに異なる三つ以上の算出手法で算出し、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する。
【0019】本発明の他の電動車両駆動制御方法においては、第1の電動機械の回転速度、及び前記第1の電動機械と機械的に連結された第2の電動機械の回転速度のうちの少なくとも一つの回転速度を、互いに異なる三つ以上の算出手法で算出し、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する。
【0020】本発明の更に他の電動車両駆動制御方法においては、エンジン回転速度、及びエンジンと機械的に連結された電動機械の回転速度のうちの少なくとも一つの回転速度を、互いに異なる三つ以上の算出手法で算出し、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する。
【0021】本発明の更に他の電動車両駆動制御方法においては、エンジン回転速度、エンジンと機械的に連結された第1の電動機械の回転速度、及び前記第1の電動機械と機械的に連結された第2の電動機械の回転速度のうちの少なくとも一つの回転速度を、互いに異なる三つ以上の算出手法で算出し、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する。
【0022】本発明の電動車両駆動制御方法のプログラムにおいては、コンピュータを、電動機械の回転速度を互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段、及び各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段として機能させる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】図1は本発明の実施の形態における電動車両駆動制御装置の機能ブロック図である。
【0025】図において、25は電動機械としての駆動モータ、91〜93は、該駆動モータ25の回転速度を互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段としての第1〜第3の駆動モータ回転速度算出手段、90は、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段である。
【0026】次に、電動車両としてのハイブリッド型車両について説明する。この場合、該ハイブリッド型車両には、エンジン、発電機及び駆動モータを備えたもののほか、発電機を備えず、エンジン及び駆動モータを備えるものも含まれる。なお、電動車両として、ハイブリッド型車両に代えて、エンジン及び発電機を備えず、駆動モータだけを備えた電気自動車、エンジンを備えず、発電機及び駆動モータを二つの電動機械として備えた電気自動車等に本発明を適用することもできる。
【0027】図2は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の概念図である。
【0028】図において、11は第1の軸線上に配設されたエンジン(E/G)、12は前記第1の軸線上に配設され、前記エンジン11を駆動することによって発生させられた回転を出力する出力軸、13は前記第1の軸線上に配設され、前記出力軸12を介して入力された回転に対して変速を行う差動歯車装置としてのプラネタリギヤユニット、14は前記第1の軸線上に配設され、前記プラネタリギヤユニット13における変速後の回転が出力される出力軸、15は該出力軸14に固定された出力ギヤとしての第1のカウンタドライブギヤ、16は、前記第1の軸線上に配設され、伝達軸17を介して前記プラネタリギヤユニット13と連結され、更にエンジン11と差動回転自在に、かつ、機械的に連結された第1の電動機械としての発電機(G)である。
【0029】前記出力軸14は、スリーブ状の形状を有し、前記出力軸12を包囲して配設される。また、前記第1のカウンタドライブギヤ15はプラネタリギヤユニット13よりエンジン11側に配設される。
【0030】そして、前記プラネタリギヤユニット13は、少なくとも、第1の歯車要素としてのサンギヤS、該サンギヤSと噛(し)合するピニオンP、該ピニオンPと噛合する第2の歯車要素としてのリングギヤR、及び前記ピニオンPを回転自在に支持する第3の歯車要素としてのキャリヤCRを備え、前記サンギヤSは前記伝達軸17を介して発電機16と、リングギヤRは、出力軸14及び所定のギヤ列を介して、前記第1の軸線と平行な第2の軸線上に配設され、前記エンジン11及び発電機16と差動回転自在に、かつ、機械的に連結された第2の電動機械としての駆動モータ(M)25及び駆動輪37と、キャリヤCRは出力軸12を介してエンジン11と機械的に連結される。また、前記キャリヤCRと車両駆動装置のケース10との間にワンウェイクラッチFが配設され、該ワンウェイクラッチFは、エンジン11から正方向の回転がキャリヤCRに伝達されたときにフリーになり、発電機16又は駆動モータ25から逆方向の回転がキャリヤCRに伝達されたときにロックされ、逆方向の回転がエンジン11に伝達されないようにする。
【0031】さらに、前記発電機16は、前記伝達軸17に固定され、回転自在に配設されたロータ21、該ロータ21の周囲に配設されたステータ22、及び該ステータ22に巻装されたコイル23から成る。前記発電機16は、伝達軸17を介して伝達される回転によって電力を発生させる。前記コイル23は、図示されないバッテリに接続され、該バッテリに直流の電流を供給する。前記ロータ21と前記ケース10との間に発電機ブレーキBが配設され、該発電機ブレーキBを係合させることによってロータ21を固定し、発電機16の回転を機械的に停止させることができる。
【0032】また、26は、前記第2の軸線上に配設され、前記駆動モータ25の回転が出力される出力軸、27は該出力軸26に固定された出力ギヤとしての第2のカウンタドライブギヤである。前記駆動モータ25は、前記出力軸26に固定され、回転自在に配設されたロータ40、該ロータ40の周囲に配設されたステータ41、及び該ステータ41に巻装されたコイル42から成る。
【0033】前記駆動モータ25は、コイル42に供給される電流によって駆動モータトルクTMを発生させる。そのために、前記コイル42は前記バッテリに接続され、該バッテリからの直流の電流が交流の電流に変換され、前記コイル42に供給されるようになっている。
【0034】そして、前記駆動輪37をエンジン11の回転と同じ方向に回転させるために、前記第1、第2の軸線と平行な第3の軸線上にカウンタシャフト30が配設され、該カウンタシャフト30に、第1のカウンタドリブンギヤ31、及び該第1のカウンタドリブンギヤ31より歯数が多い第2のカウンタドリブンギヤ32が固定される。前記第1のカウンタドリブンギヤ31と前記第1のカウンタドライブギヤ15とが、また、前記第2のカウンタドリブンギヤ32と前記第2のカウンタドライブギヤ27とが噛合させられ、前記第1のカウンタドライブギヤ15の回転が反転されて第1のカウンタドリブンギヤ31に、前記第2のカウンタドライブギヤ27の回転が反転されて第2のカウンタドリブンギヤ32に伝達されるようになっている。
【0035】さらに、前記カウンタシャフト30には前記第1のカウンタドリブンギヤ31より歯数が少ないデフピニオンギヤ33が固定される。
【0036】そして、前記第1〜第3の軸線と平行な第4の軸線上にディファレンシャル装置36が配設され、該ディファレンシャル装置36のデフリングギヤ35と前記デフピニオンギヤ33とが噛合させられる。したがって、デフリングギヤ35に伝達された回転が前記ディファレンシャル装置36によって分配され、駆動輪37に伝達される。このように、エンジン11によって発生させられた回転を第1のカウンタドリブンギヤ31に伝達することができるだけでなく、駆動モータ25によって発生させられた回転を第2のカウンタドリブンギヤ32に伝達することができるので、エンジン11及び駆動モータ25を駆動することによってハイブリッド型車両を走行させることができる。
【0037】なお、38は、伝達軸17と対向させて配設され、ロータ21の位置、すなわち、発電機ロータ位置θGを検出するレゾルバ等の発電機ロータ位置センサ、39は、出力軸26と対向させて配設され、ロータ40の位置、すなわち、駆動モータロータ位置θMを検出するレゾルバ等の駆動モータロータ位置センサである。また、19は、第1のカウンタドライブギヤ15と対向させて配設され、出力軸14の回転速度、すなわち、出力軸回転速度NOUTを検出するアウトプットセンサ、52は、エンジン11の図示されないクランクと対向させて配設され、回転方向におけるクランクの位置、すなわち、クランク位置θEを検出するエンジン回転速度センサとしてのクランク位置センサである。なお、本実施の形態において、前記アウトプットセンサ19として電磁ピックアップが使用されたり、クランク位置センサ52としてレゾルバ、エンコーダ等の電子計数式の回転速度センサが使用される。また、前記アウトプットセンサ19としてレゾルバ、エンコーダ等の電子計数式の回転速度センサを使用したり、クランク位置センサ52として電磁ピックアップを使用したりすることもできる。
【0038】前記発電機ロータ位置θGの変化率ΔθGを算出することによって発電機回転速度NGを算出したり、前記駆動モータロータ位置θMの変化率ΔθMを算出することによって駆動モータ回転速度NMを算出したり、前記クランク位置θEの変化率ΔθEを算出することによってエンジン回転速度NEを算出したりすることができる。
【0039】なお、発電機ロータ位置θGは発電機回転速度NGに比例し、駆動モータロータ位置θMは駆動モータ回転速度NM及び車速Vに比例し、クランク位置θEはエンジン回転速度NEに比例するので、前記出力軸回転速度NOUT、及び出力軸14から出力軸26までのギヤ比γNMに基づいて駆動モータ回転速度NMを算出したり、前記変化率ΔθM、及び前記出力軸26から駆動輪37までのトルク伝達系におけるギヤ比γVに基づいて車速Vを算出したりすることができる。
【0040】そして、前記発電機ロータ位置センサ38を、発電機回転速度NGを検出する発電機回転速度検出部及び発電機回転速度センサとして、駆動モータロータ位置センサ39を、駆動モータ回転速度NMを検出する駆動モータ回転速度検出部及び駆動モータ回転速度センサ、並びに車速Vを検出する車速検出部及び車速センサとして、クランク位置センサ52を、エンジン回転速度NEを検出するエンジン回転速度検出部及びエンジン回転速度センサとして機能させることもできる。また、前記出力軸回転速度NOUTは駆動モータ回転速度NM及び車速Vに比例するので、アウトプットセンサ19を駆動モータ回転速度検出部及び駆動モータ回転速度センサ、並びに車速検出部及び車速センサとして機能させることもできる。
【0041】さらに、リングギヤ回転速度NRを検出し、該リングギヤ回転速度NR、及びリングギヤRから駆動輪37までのトルク伝達系におけるギヤ比γVsに基づいて車速Vを算出したり、駆動輪37の回転速度、すなわち、駆動輪回転速度に基づいて車速Vを算出したりすることもできる。その場合、リングギヤ回転速度センサ、駆動輪回転速度センサ等を車速検出部及び車速センサとして機能させることもできる。
【0042】次に、前記プラネタリギヤユニット13の動作について説明する。
【0043】図3は本発明の実施の形態におけるプラネタリギヤユニットの動作説明図、図4は本発明の実施の形態における通常走行時の車速線図、図5は本発明の実施の形態における通常走行時のトルク線図である。
【0044】前記プラネタリギヤユニット13(図2)においては、キャリヤCRがエンジン11と、サンギヤSが発電機16と、リングギヤRが出力軸14を介して前記駆動モータ25及び駆動輪37とそれぞれ連結されるので、リングギヤRの回転速度、すなわち、リングギヤ回転速度NRと出力軸回転速度NOUTとが等しく、キャリヤCRの回転速度とエンジン回転速度NEとが等しく、サンギヤSの回転速度と発電機回転速度NGとが等しくなる。そして、リングギヤRの歯数がサンギヤSの歯数のρ倍(本実施の形態においては2倍)にされると、(ρ+1)・NE=1・NG+ρ・NRの関係が成立する。したがって、リングギヤ回転速度NR及び発電機回転速度NGに基づいてエンジン回転速度NE NE=(1・NG+ρ・NR)/(ρ+1) ……(1)
を算出することができる。なお、前記式(1)によって、プラネタリギヤユニット13の回転速度関係式が構成される。
【0045】また、エンジントルクTE、リングギヤRに発生させられるトルク、すなわち、リングギヤトルクTR、及び発電機トルクTGは、 TE:TR:TG=(ρ+1):ρ:1 ……(2)
の関係になり、互いに反力を受け合う。なお、前記式(2)によって、プラネタリギヤユニット13のトルク関係式が構成される。
【0046】そして、ハイブリッド型車両の通常走行時において、リングギヤR、キャリヤCR及びサンギヤSはいずれも正方向に回転させられ、図4に示されるように、リングギヤ回転速度NR、エンジン回転速度NE及び発電機回転速度NGは、いずれも正の値を採る。また、前記リングギヤトルクTR及び発電機トルクTGは、プラネタリギヤユニット13の歯数によって決定されるトルク比でエンジントルクTEを按(あん)分することによって得られるので、図5に示されるトルク線図上において、リングギヤトルクTRと発電機トルクTGとを加えたものがエンジントルクTEになる。
【0047】次に、前記車両駆動装置の制御を行う電動車両駆動制御装置としてのハイブリッド型車両駆動制御装置及びハイブリッド型車両駆動制御方法について説明する。
【0048】図6は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両駆動制御装置の概念図である。
【0049】図において、10はケース、11はエンジン(E/G)、13はプラネタリギヤユニット、16は発電機(G)、19はアウトプットセンサ、Bは前記発電機16のロータ21を固定するための発電機ブレーキ、25は駆動モータ(M)、28は前記発電機16を駆動するための発電機インバータとしてのインバータ、29は前記駆動モータ25を駆動するための駆動モータインバータとしてのインバータ、37は駆動輪、38は発電機ロータ位置センサ、39は駆動モータロータ位置センサ、43はバッテリである。前記インバータ28、29は電源スイッチSwを介してバッテリ43に接続され、該バッテリ43は前記電源スイッチSwがオンのときに直流の電流を前記インバータ28、29に送る。そして、該インバータ28の入口側に、インバータ28に印加される直流の電圧、すなわち、発電機インバータ電圧VGを検出するために第1の直流電圧検出部としての発電機インバータ電圧センサ75、及びインバータ28に印加される直流の電流、すなわち、発電機インバータ電流IGを検出するために直流電流検出部としての図示されない発電機インバータ電流センサが配設され、インバータ29の入口側に、インバータ29に印加される直流の電圧、すなわち、駆動モータインバータ電圧VMを検出するために第2の直流電圧検出部としての駆動モータインバータ電圧センサ76が配設される。前記発電機インバータ電圧VG、発電機インバータ電流IG及び駆動モータインバータ電圧VMは車両制御装置51に送られる。なお、前記バッテリ43とインバータ29との間に平滑用のコンデンサCが接続される。
【0050】また、前記車両制御装置51は、図示されないCPU、記録装置等から成り、ハイブリッド型車両の全体の制御を行い、コンピュータとして機能する。前記車両制御装置51は、エンジン制御装置46、発電機制御装置47及び駆動モータ制御装置49を備える。そして、前記エンジン制御装置46は、図示されないCPU、記録装置等から成り、エンジン11の制御を行うために、スロットル開度θ、バルブタイミング等の指示信号をエンジン11に送る。また、前記発電機制御装置47は、図示されないCPU、記録装置等から成り、前記発電機16の制御を行うために、駆動信号SG1をインバータ28に送る。そして、駆動モータ制御装置49は、図示されないCPU、記録装置等から成り、前記駆動モータ25の制御を行うために、駆動信号SG2をインバータ29に送る。
【0051】前記インバータ28は、駆動信号SG1に従って駆動され、力行(駆動)時にバッテリ43から直流の電流を受けて、相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流IGU、IGV、IGWを発生させ、各電流IGU、IGV、IGWを発電機16に送り、回生(発電)時に発電機16から各相の電流IGU、IGV、IGWを受けて、直流の電流を発生させ、バッテリ43に送る。
【0052】また、前記インバータ29は、駆動信号SG2に従って駆動され、力行時にバッテリ43から直流の電流を受けて、U相、V相及びW相の電流IMU、IMV、IMWを発生させ、該各相の電流IMU、IMV、IMWを駆動モータ25に送り、回生時に駆動モータ25から各相の電流IMU、IMV、IMWを受けて、直流の電流を発生させ、バッテリ43に送る。
【0053】そして、44は前記バッテリ43の状態、すなわち、バッテリ状態としてのバッテリ残量SOCを検出するバッテリ残量検出装置、52はクランク位置θEを検出するクランク位置センサ、53は選速操作部としての図示されないシフトレバーの位置、すなわち、シフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ、54はアクセルペダル、55は該アクセルペダル54の位置(踏込量)、すなわち、アクセルペダル位置APを検出するアクセル操作検出部としてのアクセルスイッチ、61はブレーキペダル、62は該ブレーキペダル61の位置(踏込量)、すなわち、ブレーキペダル位置BPを検出するブレーキ操作検出部としてのブレーキスイッチ、63はエンジン11の温度tmEを検出するエンジン温度センサ、64は発電機16の温度、例えば、コイル23(図2)の温度tmGを検出する発電機温度センサ、65は駆動モータ25の温度、例えば、コイル42の温度を検出する駆動モータ温度センサである。
【0054】また、66〜69はそれぞれ電流IGU、IGV、IMU、IMVを検出する交流電流検出部としての電流センサ、72は前記バッテリ状態としてのバッテリ電圧VBを検出するバッテリ43用の電圧検出部としてのバッテリ電圧センサである。前記バッテリ電圧VBは、発電機制御装置47、駆動モータ制御装置49及び車両制御装置51に送られる。また、バッテリ状態として、バッテリ電流、バッテリ温度等を検出することもできる。なお、バッテリ残量検出装置44、バッテリ電圧センサ72、図示されないバッテリ電流センサ、図示されないバッテリ温度センサ等によってバッテリ状態検出部が構成される。
【0055】前記車両制御装置51は、前記エンジン制御装置46にエンジン制御信号を送り、エンジン制御装置46によってエンジン11の駆動・停止を設定させたり、発電機制御装置47に発電機ロータ位置θGを、駆動モータ制御装置49に駆動モータロータ位置θMを送ったりする。そして、車両制御装置51の指示に基づいて、エンジン制御装置46は、エンジン回転速度NEの目標値を表すエンジン目標回転速度NE* を設定し、前記発電機制御装置47は、発電機回転速度NGの目標値を表す発電機目標回転速度NG* 、及び発電機トルクTGの目標値を表す発電機目標トルクTG* を設定し、前記駆動モータ制御装置49は、駆動モータトルクTMの目標値を表す駆動モータ目標トルクTM* 、及び駆動モータトルクTMの補正値を表す駆動モータトルク補正値δTMを設定する。
【0056】また、前記発電機制御装置47の図示されない発電機回転速度算出処理手段は、発電機回転速度算出処理を行い、前記発電機ロータ位置θGを読み込んで発電機回転速度NGを算出する。
【0057】そして、前記駆動モータ制御装置49の第1の駆動モータ回転速度算出処理手段91(図1)は、第1の駆動モータ回転速度算出処理を行い、前記出力軸回転速度NOUTを読み込んで、駆動モータ回転速度NMを第1の駆動モータ回転速度NMsとして算出し、前記駆動モータ制御装置49の第2の駆動モータ回転速度算出処理手段92は、第2の駆動モータ回転速度算出処理を行い、駆動モータロータ位置θMを読み込んで、駆動モータ回転速度NMを第2の駆動モータ回転速度NMθとして算出する。
【0058】また、前記エンジン制御装置46の図示されない第1のエンジン回転速度算出処理手段は、第1のエンジン回転速度算出処理を行い、前記クランク位置θEの変化率ΔθEを読み込んで、エンジン回転速度NEを第1のエンジン回転速度NEsとして算出する。そして、車両制御装置51の図示されない第2のエンジン回転速度算出処理手段及びエンジン回転速度推定処理手段は、第2のエンジン回転速度算出処理及びエンジン回転速度推定処理を行い、エンジン回転速度NEを第2のエンジン回転速度NEvとして算出し、推定する。さらに、前記エンジン制御装置46の図示されない第3の前記エンジン回転速度算出処理手段は、第3のエンジン回転速度算出処理を行い、発電機回転速度NG及び第2の駆動モータ回転速度NMθを読み込んで、前記回転速度関係式によってエンジン回転速度NEを第3のエンジン回転速度NEcとして算出する。
【0059】そして、前記駆動モータ制御装置49の第3の駆動モータ回転速度算出処理手段93は、発電機回転速度NG及び第2のエンジン回転速度NEvを読み込んで、前記回転速度関係式によって駆動モータ回転速度NMを第3の駆動モータ回転速度NMcとして算出する。
【0060】なお、本実施の形態においては、前記発電機回転速度検出部及び発電機回転速度算出処理手段によって発電機回転速度算出手段が、前記駆動モータ回転速度検出部及び第1〜第3の駆動モータ回転速度算出処理手段91〜93によって第1〜第3の駆動モータ回転速度算出手段が、前記エンジン回転速度検出部及び第1〜第3のエンジン回転速度算出処理手段によって第1〜第3のエンジン回転速度算出手段が構成される。また、前記発電機回転速度算出手段、第1〜第3の駆動モータ回転速度算出手段及びエンジン回転速度算出手段によって回転速度算出手段が構成される。
【0061】なお、前記発電機ロータ位置センサ38及び駆動モータロータ位置センサ39を使用せず、センサレス制御によって発電機回転速度NG及び駆動モータ回転速度NMを算出する場合には、算出された発電機回転速度NG及び駆動モータ回転速度NMに基づいてエンジン回転速度NEを算出することもできる。
【0062】次に、前記構成のハイブリッド型車両駆動制御装置の動作について説明する。
【0063】図7は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両駆動制御装置の動作を示す第1のメインフローチャート、図8は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両駆動制御装置の動作を示す第2のメインフローチャート、図9は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両駆動制御装置の動作を示す第3のメインフローチャート、図10は本発明の実施の形態における第1の車両要求トルクマップを示す図、図11は本発明の実施の形態における第2の車両要求トルクマップを示す図、図12は本発明の実施の形態におけるエンジン目標運転状態マップを示す図、図13は本発明の実施の形態におけるエンジン駆動領域マップを示す図である。なお、図10、11及び13において、横軸に車速Vを、縦軸に車両要求トルクTO* を、図12において、横軸にエンジン回転速度NEを、縦軸にエンジントルクTEを採ってある。
【0064】まず、車両制御装置51(図6)の異常判定処理手段90(図1)は、異常判定処理を行い、エンジン回転速度NE、発電機回転速度NG、駆動モータ回転速度NM等が異常であるかどうかの判定を行うとともに、ワンウェイクラッチFに異常が発生したかどうかの判定を行う。そのために、エンジン回転速度NE、発電機回転速度NG、駆動モータ回転速度NM等の回転速度について、互いに異なる三つ以上の算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する。
【0065】次に、前記車両制御装置51の図示されない車両要求トルク決定処理手段は、車両要求トルク決定処理を行い、アクセルスイッチ55からアクセルペダル位置APを、ブレーキスイッチ62からブレーキペダル位置BPを読み込むとともに、駆動モータロータ位置センサ39から駆動モータロータ位置θMを読み込んで、車速Vを算出する。そして、前記車両要求トルク決定処理手段は、アクセルペダル54が踏み込まれた場合、前記車両制御装置51の記録装置に記録された図10の第1の車両要求トルクマップを参照し、ブレーキペダル61が踏み込まれた場合、前記記録装置に記録された図11の第2の車両要求トルクマップを参照して、アクセルペダル位置AP、ブレーキペダル位置BP及び車速Vに対応させてあらかじめ設定された、ハイブリッド型車両を走行させるのに必要な車両要求トルクTO* を決定する。
【0066】続いて、前記車両制御装置51は、車両要求トルクTO* があらかじめ駆動モータ25の定格として設定されている駆動モータ最大トルクTMmaxより大きいかどうかを判断する。そして、車両要求トルクTO* が駆動モータ最大トルクTMmaxより大きい場合、前記車両制御装置51はエンジン11が停止中であるかどうかを判断し、エンジン11が停止中である場合、車両制御装置51の図示されない急加速制御処理手段は、急加速制御処理を行い、駆動モータ25及び発電機16を駆動してハイブリッド型車両を走行させる。
【0067】また、車両要求トルクTO* が駆動モータ最大トルクTMmax以下である場合、及び車両要求トルクTO* が駆動モータ最大トルクTMmaxより大きく、かつ、エンジン11が駆動中である場合、前記車両制御装置51の図示されない運転者要求出力算出処理手段は、運転者要求出力算出処理を行い、前記車両要求トルクTO* と車速Vとを乗算することによって、運転者要求出力PDPD=TO* ・Vを算出する。
【0068】次に、前記車両制御装置51の図示されないバッテリ充放電要求出力算出処理手段は、バッテリ充放電要求出力算出処理を行い、前記バッテリ残量検出装置44からバッテリ残量SOCを読み込み、該バッテリ残量SOCに基づいてバッテリ充放電要求出力PBを算出する。
【0069】続いて、前記車両制御装置51の図示されない車両要求出力算出処理手段は、車両要求出力算出処理を行い、前記運転者要求出力PDとバッテリ充放電要求出力PBとを加算することによって、車両要求出力POPO=PD+PBを算出する。
【0070】次に、前記エンジン制御装置46の図示されないエンジン目標運転状態設定処理手段は、エンジン目標運転状態設定処理を行い、前記記録装置に記録された図12のエンジン目標運転状態マップを参照し、前記車両要求出力POを表す線PO1、PO2、…と、各アクセルペダル位置AP1、AP2、…におけるエンジン11の効率が最も高くなる最適燃費曲線Lとが交差するポイントA1、A2、…、Amを、エンジン目標運転状態であるエンジン11の運転ポイントとして決定し、該運転ポイントにおけるエンジントルクTE1、TE2、…、TEmをエンジントルクTEの目標値を表すエンジン目標トルクTE* として決定し、前記運転ポイントにおけるエンジン回転速度NE1、NE2、…、NEmをエンジン目標回転速度NE* として決定する。
【0071】そして、前記エンジン制御装置46は、前記記録装置に記録された図13のエンジン駆動領域マップを参照して、エンジン11が駆動領域AR1に置かれているかどうかを判断する。図13において、AR1はエンジン11が駆動される駆動領域、AR2はエンジン11の駆動が停止させられる停止領域、AR3はヒステリシス領域である。また、LE1は停止させられているエンジン11が駆動されるライン、LE2は駆動されているエンジン11の駆動が停止させられるラインである。なお、前記ラインLE1は、バッテリ残量SOCが大きいほど図13の右方に移動させられ、駆動領域AR1が狭くされ、バッテリ残量SOCが小さいほど図13の左方に移動させられ、駆動領域AR1が広くされる。
【0072】そして、エンジン11が駆動領域AR1に置かれているにもかかわらず、エンジン11が駆動されていない場合、エンジン制御装置46の図示されないエンジン始動制御処理手段は、エンジン始動制御処理を行い、エンジン11を始動する。また、エンジン11が駆動領域AR1に置かれていないにもかかわらず、エンジン11が駆動されている場合、エンジン制御装置46の図示されないエンジン停止制御処理手段は、エンジン停止制御処理を行い、エンジン11の駆動を停止させる。そして、エンジン11が駆動領域AR1に置かれておらず、エンジン11が停止させられている場合、前記駆動モータ制御装置49の図示されない駆動モータ目標トルク決定処理手段は、駆動モータ目標トルク決定処理を行い、前記車両要求トルクTO* を駆動モータ目標トルクTM* として決定し、駆動モータ制御装置49の図示されない駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ制御処理を行い、駆動モータ25のトルク制御を行う。その結果、ハイブリッド型車両はモータ駆動モードで走行させられる。
【0073】また、エンジン11が駆動領域AR1に置かれていて、かつ、エンジン11が駆動されている場合、エンジン制御装置46の図示されないエンジン制御処理手段は、エンジン制御処理を行い、所定の方法でエンジン11の制御を行う。
【0074】次に、発電機制御装置47の図示されない発電機目標回転速度算出処理手段は、発電機目標回転速度算出処理を行い、具体的には、駆動モータロータ位置θMを読み込み、該駆動モータロータ位置θM、及び出力軸26(図2)からリングギヤRまでのギヤ比γRに基づいてリングギヤ回転速度NRを算出するとともに、前記エンジン目標運転状態設定処理において決定されたエンジン目標回転速度NE* を読み込み、リングギヤ回転速度NR及びエンジン目標回転速度NE* に基づいて、前記回転速度関係式によって、発電機目標回転速度NG* を算出し、決定する。
【0075】ところで、前記構成のハイブリッド型車両をモータ・エンジン駆動モードで走行させているときに、発電機回転速度NGが低い場合、消費電力が大きくなり、発電機16の発電効率が低くなるとともに、ハイブリッド型車両の燃費がその分悪くなってしまう。そこで、発電機目標回転速度NG* の絶対値が所定の回転速度より小さい場合、発電機ブレーキBを係合させ、発電機16を機械的に停止させ、燃費を良くするようにしている。
【0076】そのために、前記発電機制御装置47は、前記発電機目標回転速度NG* の絶対値が所定の第1の回転速度Nth1(例えば、500〔rpm〕)以上であるかどうかを判断し、発電機目標回転速度NG* の絶対値が第1の回転速度Nth1以上である場合、発電機制御装置47は、発電機ブレーキBが解放されているかどうかを判断する。そして、該発電機ブレーキBが解放されている場合、前記発電機制御装置47の図示されない発電機回転速度制御処理手段は、発電機回転速度制御処理を行い、発電機16のトルク制御を行う。また、前記発電機ブレーキBが解放されていない場合、前記発電機制御装置47の図示されない発電機ブレーキ解放制御処理手段は、発電機ブレーキ解放制御処理を行い、発電機ブレーキBを解放する。
【0077】ところで、前記発電機回転速度制御処理において、発電機目標トルクTG* が決定され、該発電機目標トルクTG* に基づいて発電機16のトルク制御が行われ、所定の発電機トルクTGが発生させられると、前述されたように、エンジントルクTE、リングギヤトルクTR及び発電機トルクTGは互いに反力を受け合うので、発電機トルクTGがリングギヤトルクTRに変換されてリングギヤRから出力される。
【0078】そして、リングギヤトルクTRがリングギヤRから出力されるのに伴って、発電機回転速度NGが変動し、前記リングギヤトルクTRが変動すると、変動したリングギヤトルクTRが駆動輪37に伝達されるので、ハイブリッド型車両の走行フィーリングが低下してしまう。そこで、発電機回転速度NGの変動に伴う発電機16のイナーシャ(ロータ21及びロータ軸のイナーシャ)分のトルクを見込んでリングギヤトルクTRを算出するようにしている。
【0079】そのために、前記車両制御装置51の図示されないリングギヤトルク算出処理手段は、リングギヤトルク算出処理を行い、前記発電機目標トルクTG* を読み込み、該発電機目標トルクTG* 、及びサンギヤSの歯数に対するリングギヤRの歯数の比に基づいてリングギヤトルクTRを算出する。
【0080】すなわち、発電機16のイナーシャをInGとし、発電機16の角加速度(回転変化率)をαGとしたとき、サンギヤSに加わるトルク、すなわち、サンギヤトルクTSは、発電機目標トルクTG* にイナーシャInG分のトルク等価成分(イナーシャトルク)TGITGI=InG・αGを加算することによって得られ、 TS=TG* +TGI =TG* +InG・αG ……(3)
になる。なお、前記トルク等価成分TGIは、通常、ハイブリッド型車両の加速中は加速方向に対して負の値を、ハイブリッド型車両の減速中は加速方向に対して正の値を採る。また、角加速度αGは、発電機回転速度NGを微分することによって算出される。
【0081】そして、リングギヤRの歯数がサンギヤSの歯数のρ倍であるとすると、リングギヤトルクTRは、サンギヤトルクTSのρ倍であるので、 TR=ρ・TS =ρ・(TG* +TGI)
=ρ・(TG* +InG・αG) ……(4)
になる。このように、発電機目標トルクTG* 及びトルク等価成分TGIからリングギヤトルクTRを算出することができる。
【0082】そこで、前記駆動モータ制御装置49の図示されない駆動軸トルク推定処理手段は、駆動軸トルク推定処理を行い、前記発電機目標トルクTG* 及びトルク等価成分TGIに基づいて出力軸26におけるトルク、すなわち、駆動軸トルクTR/OUTを推定する。すなわち、前記駆動軸トルク推定処理手段は、前記リングギヤトルクTR、及びリングギヤRの歯数に対する第2のカウンタドライブギヤ27の歯数の比に基づいて駆動軸トルクTR/OUTを推定し、算出する。
【0083】なお、発電機ブレーキBが係合させられる際に、発電機目標トルクTG* は零(0)にされるので、リングギヤトルクTRはエンジントルクTEと比例関係になる。そこで、発電機ブレーキBが係合させられる際に、前記駆動軸トルク推定処理手段は、エンジン制御装置46からエンジントルクTEを読み込み、前記トルク関係式によって、エンジントルクTEに基づいてリングギヤトルクTRを算出し、該リングギヤトルクTR、及びリングギヤRの歯数に対する第2のカウンタドライブギヤ27の歯数の比に基づいて前記駆動軸トルクTR/OUTを推定する。
【0084】続いて、前記駆動モータ目標トルク決定処理手段は、駆動モータ目標トルク決定処理を行い、前記車両要求トルクTO* から駆動軸トルクTR/OUTを減算することによって、駆動軸トルクTR/OUTでは過不足する分を駆動モータ目標トルクTM* として決定する。
【0085】そして、前記駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ制御処理を行い、算出された駆動軸トルクTR/OUTに基づいて駆動モータ25のトルク制御を行い、駆動モータトルクTMを制御する。
【0086】また、発電機目標回転速度NG* の絶対値が第1の回転速度Nth1より小さい場合、発電機制御装置47は、発電機ブレーキBが係合させられているかどうかを判断する。そして、該発電機ブレーキBが係合させられている場合、車両制御装置51は処理を終了し、発電機ブレーキBが係合させられていない場合、発電機制御装置47の図示されない発電機ブレーキ係合制御処理手段は、発電機ブレーキ係合制御処理を行い、発電機ブレーキBを係合させる。
【0087】次に、図7〜9のフローチャートについて説明する。
ステップS1 異常判定処理を行う。
ステップS2 アクセルペダル位置AP及びブレーキペダル位置BPを読み込む。
ステップS3 車速Vを算出する。
ステップS4 車両要求トルクTO* を決定する。
ステップS5 車両要求トルクTO* が駆動モータ最大トルクTMmaxより大きいかどうかを判断する。車両要求トルクTO* が駆動モータ最大トルクTMmaxより大きい場合はステップS6に、車両要求トルクTO* が駆動モータ最大トルクTMmax以下である場合はステップS8に進む。
ステップS6 エンジン11が停止中であるかどうかを判断する。エンジン11が停止中である場合はステップS7に、停止中でない(駆動中である)場合はステップS8に進む。
ステップS7 急加速制御処理を行い、処理を終了する。
ステップS8 運転者要求出力PDを算出する。
ステップS9 バッテリ充放電要求出力PBを算出する。
ステップS10 車両要求出力POを算出する。
ステップS11 エンジン11の運転ポイントを決定する。
ステップS12 エンジン11が駆動領域AR1に置かれているかどうかを判断する。エンジン11が駆動領域AR1に置かれている場合はステップS13に、駆動領域AR1に置かれていない場合はステップS14に進む。
ステップS13 エンジン11が駆動されているかどうかを判断する。エンジン11が駆動されている場合はステップS17に、駆動されていない場合はステップS15に進む。
ステップS14 エンジン11が駆動されているかどうかを判断する。エンジン11が駆動されている場合はステップS16に、駆動されていない場合はステップS26に進む。
ステップS15 エンジン始動制御処理を行い、処理を終了する。
ステップS16 エンジン停止制御処理を行い、処理を終了する。
ステップS17 エンジン制御処理を行う。
ステップS18 発電機目標回転速度NG* を決定する。
ステップS19 発電機目標回転速度NG* の絶対値が第1の回転速度Nth1以上であるかどうかを判断する。発電機目標回転速度NG* の絶対値が第1の回転速度Nth1以上である場合はステップS20に、発電機目標回転速度NG*の絶対値が第1の回転速度Nth1より小さい場合はステップS21に進む。
ステップS20 発電機ブレーキBが解放されているかどうかを判断する。発電機ブレーキBが解放されている場合はステップS23に、解放されていない場合はステップS24に進む。
ステップS21 発電機ブレーキBが係合させられているかどうかを判断する。発電機ブレーキBが係合させられている場合は処理を終了し、係合させられていない場合はステップS22に進む。
ステップS22 発電機ブレーキ係合制御処理を行い、処理を終了する。
ステップS23 発電機回転速度制御処理を行う。
ステップS24 発電機ブレーキ解放制御処理を行い、処理を終了する。
ステップS25 駆動軸トルクTR/OUTを推定する。
ステップS26 駆動モータ目標トルクTM* を決定する。
ステップS27 駆動モータ制御処理を行い、処理を終了する。
【0088】次に、図7のステップS1における異常判定処理のサブルーチンについて説明する。
【0089】図14は本発明の実施の形態における異常判定処理の第1のサブルーチンを示す図、図15は本発明の実施の形態における異常判定処理の第2のサブルーチンを示す図である。
【0090】ところで、クランク軸、ロータ21、40等の回転している部材、すなわち、回転部材の回転速度を算出するに当たり、前記レゾルバ、エンコーダ等の位置検出器を使用して回転部材の位置を検出し、検出されたクランク位置θE、発電機ロータ位置θG、駆動モータロータ位置θM等の変化率ΔθE、ΔθG、ΔθM等をエンジン回転速度NE、発電機回転速度NG、駆動モータ回転速度NM等として算出する第1の算出手法、電磁ピックアップ等の回転検出器を使用して、エンジン回転速度NE、発電機回転速度NG、駆動モータ回転速度NM等を直接検出し、算出する第2の算出手法、及び前記回転速度関係式によってエンジン回転速度NE、発電機回転速度NG、駆動モータ回転速度NM等を算出する第3の算出方法がある。
【0091】そして、本実施の形態において、前記発電機回転速度算出処理手段は、前記発電機ロータ位置θGを読み込んで発電機回転速度NGを第1の算出手法で算出する。次に、前記第1の駆動モータ回転速度算出処理手段91(図1)は、出力軸回転速度NOUTを読み込んで、駆動モータ回転速度NMを第2の算出手法で第1の駆動モータ回転速度NMsとして算出し、前記第2の駆動モータ回転速度算出処理手段92は、駆動モータロータ位置θMを読み込んで、駆動モータ回転速度NMを第1の算出手法で第2の駆動モータ回転速度NMθとして算出する。
【0092】また、前記第1のエンジン回転速度算出処理手段は、クランク位置θEの変化率ΔθEを読み込んで、エンジン回転速度NEを第1の算出手法で第1のエンジン回転速度NEsとして算出し、前記第2のエンジン回転速度算出処理手段は、エンジン回転速度NEを第2の算出手法で第2のエンジン回転速度NEvとして算出する。さらに、前記第3のエンジン回転速度算出処理手段は、発電機回転速度NG及び第2の駆動モータ回転速度NMθを読み込んで、前記回転速度関係式によってエンジン回転速度NEを第3の算出手法で第3のエンジン回転速度NEcとして算出する。
【0093】そして、前記第3の駆動モータ回転速度算出処理手段93は、発電機回転速度NG及び第2のエンジン回転速度NEvを読み込んで、前記回転速度関係式によって駆動モータ回転速度NMを第3の算出手法で第3の駆動モータ回転速度NMcとして算出する。
【0094】次に、前記異常判定処理手段90は、第1〜第3のエンジン回転速度NEs、NEv、NEc及び第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcを読み込み、前記異常判定処理手段90の図示されないエンジン回転速度判定処理手段は、エンジン回転速度判定処理を行い、第1〜第3のエンジン回転速度NEs、NEv、NEcの絶対値が互いにほぼ等しいかどうかを判断する。そして、第1〜第3のエンジン回転速度NEs、NEv、NEcの絶対値が互いにほぼ等しい場合、前記エンジン回転速度判定処理手段は、第1〜第3のエンジン回転速度NEs、NEv、NEcが正常であると判定する。
【0095】また、第1〜第3のエンジン回転速度NEs、NEv、NEcの絶対値が互いにほぼ等しくない場合、前記エンジン回転速度判定処理手段は、第2、第3のエンジン回転速度NEv、NEcの絶対値がほぼ等しいかどうかを判断し、第2、第3のエンジン回転速度NEv、NEcの絶対値がほぼ等しい場合、前記エンジン回転速度判定処理手段は、第1のエンジン回転速度NEsが異常であると判定するとともに、第2、第3のエンジン回転速度NEv、NEcが正常であると判定する。そして、第1、第3のエンジン回転速度NEs、NEcの絶対値がほぼ等しい場合、前記エンジン回転速度判定処理手段は、第2のエンジン回転速度NEvが異常であると判定するとともに、第1、第3のエンジン回転速度NEs、NEcが正常であると判定する。
【0096】さらに、第1、第2のエンジン回転速度NEs、NEvの絶対値がほぼ等しい場合、前記エンジン回転速度判定処理手段は、第3のエンジン回転速度NEcが異常であると判定するとともに、第1、第2のエンジン回転速度NEs、NEvが正常であると判定する。なお、第3のエンジン回転速度NEcが異常であるということは、第3の算出手法で第3のエンジン回転速度NEcを算出する根拠になった発電機回転速度NG及び第2の駆動モータ回転速度NMθのうちの少なくとも一方が異常であると考えられるので、前記異常判定処理手段90の図示されない発電機・駆動モータ回転速度判定処理手段は、発電機・駆動モータ回転速度判定処理を行う。
【0097】そして、第1〜第3のエンジン回転速度NEs、NEv、NEcの絶対値が互いにほぼ等しい場合、前記異常判定処理手段90は、第3のエンジン回転速度NEcが0以上であるかどうか判断し、第3のエンジン回転速度NEcが0以上である場合、前記発電機・駆動モータ回転速度判定処理手段は、同様に、発電機・駆動モータ回転速度判定処理を行う。また、第3のエンジン回転速度NEcが0より小さい場合、前記異常判定処理手段90は、第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcの絶対値が互いにほぼ等しいかどうかを判断し、第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcの絶対値が互いにほぼ等しい場合、ワンウェイクラッチFに異常が発生したと判定する。そして、車両制御装置51の図示されないフェールセーフ処理手段は、フェールセーフ処理を行う。
【0098】また、前記発電機・駆動モータ回転速度判定処理において、前記発電機・駆動モータ回転速度判定処理手段は、第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcの絶対値が互いにほぼ等しいかどうかを判断し、第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcの絶対値が互いにほぼ等しい場合、第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcはいずれも正常であると判定する。
【0099】そして、第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcの絶対値が互いにほぼ等しくない場合、第2、第3の駆動モータ回転速度NMθ、NMcの絶対値がほぼ等しいかどうかを判断し、第2、第3の駆動モータ回転速度NMθ、NMcの絶対値がほぼ等しい場合、前記発電機・駆動モータ回転速度判定処理手段は、第1の駆動モータ回転速度NMsが異常であると判定するとともに、第2、第3の駆動モータ回転速度NMθ、NMcが正常であると判定する。また、第1、第3の駆動モータ回転速度NMs、NMcの絶対値がほぼ等しい場合、前記発電機・駆動モータ回転速度判定処理手段は、第2の駆動モータ回転速度NMθが異常であると判定するとともに、第1、第3の駆動モータ回転速度NMs、NMcが正常であると判定する。
【0100】そして、第1、第2の駆動モータ回転速度NMs、NMθの絶対値がほぼ等しい場合、前記発電機・駆動モータ回転速度判定処理手段は、第3の駆動モータ回転速度NMcが異常であると判定するとともに、第1、第2の駆動モータ回転速度NMs、NMθが正常であると判定する。なお、第3の駆動モータ回転速度NMcが異常であるということは、第3の算出手法で第3の駆動モータ回転速度NMcを算出する根拠になった発電機回転速度NGが異常であると考えられるので、前記発電機・駆動モータ回転速度判定処理手段は、発電機回転速度NGが異常であると判定する。
【0101】このように、第1〜第3のエンジン回転速度NEs、NEv、NEcのうちの二つのエンジン回転速度が等しいかどうか、また、第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcのうちの二つの駆動モータ回転速度が等しいかどうかを判断することによって、残りの一つのエンジン回転速度が異常であるかどうかの判定を行ったり、ワンウェイクラッチFに異常が発生したかどうかの判定を行ったり、残りの一つの駆動モータ回転速度が異常であるかどうかの判定を行ったり、発電機回転速度NGが異常であるかどうかの判定を行ったりすることができる。
【0102】したがって、エンジン制御装置46(図6)、発電機制御装置47及び駆動モータ制御装置49による各制御の信頼性を高くすることができる。また、各センサを2重系又は3重系にしたり、センサの単体の精度を極めて高くしたりする必要がないので、ハイブリッド型車両駆動制御装置のコストを低くすることができる。
【0103】なお、本実施の形態においては、ワンウェイクラッチFに異常が発生したかどうかの判定を行うために、第3のエンジン回転速度NEcが0以上であるかどうかを判断するようにしているが、第1〜第3のエンジン回転速度NEs、NEv、NEcのうちの任意のエンジン回転速度NEが0以上であるかどうかを判断することもできる。
【0104】次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1−1 第1〜第3のエンジン回転速度NEs、NEv、NEc及び第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcを読み込む。
ステップS1−2 第1〜第3のエンジン回転速度NEs、NEv、NEcの絶対値が互いにほぼ等しいかどうかを判断する。第1〜第3のエンジン回転速度NEs、NEv、NEcの絶対値が互いにほぼ等しい場合はステップS1−3に、等しくない場合はステップS1−7に進む。
ステップS1−3 第3のエンジン回転速度NEcが0以上であるかどうか判断する。第3のエンジン回転速度NEcが0以上である場合はステップS1−4に、第3のエンジン回転速度NEcが0より小さい場合はステップS1−5に進む。
ステップS1−4 第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcの絶対値が互いにほぼ等しいかどうかを判断する。第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcの絶対値が互いにほぼ等しい場合はリターンし、等しくない場合はステップS1−11に進む。
ステップS1−5 第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcの絶対値が互いにほぼ等しいかどうかを判断する。第1〜第3の駆動モータ回転速度NMs、NMθ、NMcの絶対値が互いにほぼ等しい場合はステップS1−6に、等しくない場合はステップS1−11に進む。
ステップS1−6 ワンウェイクラッチFに異常が発生したと判定し、リターンする。
ステップS1−7 第2、第3のエンジン回転速度NEv、NEcの絶対値がほぼ等しいかどうかを判断する。第2、第3のエンジン回転速度NEv、NEcの絶対値がほぼ等しい場合はステップS1−8に、等しくない場合はステップS1−9に進む。
ステップS1−8 第1のエンジン回転速度NEsが異常であると判定し、ステップS1−4に進む。
ステップS1−9 第1、第3のエンジン回転速度NEs、NEcの絶対値がほぼ等しいかどうかを判断する。第1、第3のエンジン回転速度NEs、NEcの絶対値がほぼ等しい場合はステップS1−10に、等しくない場合はステップS1−4に進む。
ステップS1−10 第2のエンジン回転速度NEvが異常であると判定し、ステップS1−4に進む。
ステップS1−11 第2、第3の駆動モータ回転速度NMθ、NMcの絶対値がほぼ等しいかどうかを判断する。第2、第3の駆動モータ回転速度NMθ、NMcの絶対値がほぼ等しい場合はステップS1−12に、等しくない場合はステップS1−13に進む。
ステップS1−12 第1の駆動モータ回転速度NMsが異常であると判定し、リターンする。
ステップS1−13 第1、第3の駆動モータ回転速度NMs、NMcの絶対値がほぼ等しいかどうかを判断する。第1、第3の駆動モータ回転速度NMs、NMcの絶対値がほぼ等しい場合はステップS1−14に、等しくない場合はステップS1−15に進む。
ステップS1−14 第2の駆動モータ回転速度NMθが異常であると判定し、リターンする。
ステップS1−15 発電機回転速度NGが異常であると判定し、リターンする。
【0105】次に、図7のステップS7における急加速制御処理のサブルーチンについて説明する。
【0106】図16は本発明の実施の形態における急加速制御処理のサブルーチンを示す図である。
【0107】まず、前記急加速制御処理手段は、車両要求トルクTO* を読み込むとともに、駆動モータ目標トルクTM* に駆動モータ最大トルクTMmaxをセットする。続いて、前記発電機制御装置47(図6)の図示されない発電機目標トルク算出処理手段は、発電機目標トルク算出処理を行い、前記車両要求トルクTO* と駆動モータ目標トルクTM* との差トルクΔTを算出し、駆動モータ目標トルクTM* である駆動モータ最大トルクTMmaxでは不足する分を発電機目標トルクTG* として算出し、決定する。
【0108】そして、前記駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ制御処理を行い、駆動モータ目標トルクTM* で駆動モータ25のトルク制御を行う。また、前記発電機制御装置47の図示されない発電機トルク制御処理手段は、発電機トルク制御処理を行い、前記発電機目標トルクTG* に基づいて発電機16のトルク制御を行う。
【0109】次に、フローチャートについて説明する。
ステップS7−1 車両要求トルクTO* を読み込む。
ステップS7−2 駆動モータ目標トルクTM* に駆動モータ最大トルクTMmaxをセットする。
ステップS7−3 発電機目標トルクTG* を算出する。
ステップS7−4 駆動モータ制御処理を行う。
ステップS7−5 発電機トルク制御処理を行い、リターンする。
【0110】次に、図9のステップS27、及び図16のステップS7−4における駆動モータ制御処理のサブルーチンについて説明する。
【0111】図17は本発明の実施の形態における駆動モータ制御処理のサブルーチンを示す図である。
【0112】まず、前記駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ目標トルクTM* を読み込むとともに、図14及び15の前記異常判定処理において正常であると判定された駆動モータ回転速度NMを読み込み、続いて、バッテリ電圧VBを読み込む。次に、前記駆動モータ制御処理手段は、前記駆動モータ目標トルクTM* 、駆動モータ回転速度NM及びバッテリ電圧VBに基づいて、前記駆動モータ制御装置49(図6)の記録装置に記録された駆動モータ制御用の図示されない電流指令値マップを参照し、d軸電流指令値IMd* 及びq軸電流指令値IMq* を決定する。
【0113】また、前記駆動モータ制御処理手段は、電流センサ68、69から電流IMU、IMVを読み込むとともに、該電流IMU、IMVに基づいて電流IMWIMW=IMU−IMVを算出する。なお、電流IMWを電流IMU、IMVと同様に電流センサによって検出することもできる。
【0114】続いて、前記駆動モータ制御処理手段は、3相/2相変換を行い、電流IMU、IMV、IMWをd軸電流IMd及びq軸電流IMqに変換し、前記d軸電流IMd及びq軸電流IMq、並びに前記d軸電流指令値IMd* 及びq軸電流指令値IMq* に基づいて、電圧指令値VMd* 、VMq* を算出する。そして、前記駆動モータ制御処理手段は、2相/3相変換を行い、電圧指令値VMd* 、VMq* を電圧指令値VMU* 、VMV* 、VMW* に変換し、該電圧指令値VMU* 、VMV* 、VMW* に基づいてパルス幅変調信号SU、SV、SWを算出し、該パルス幅変調信号SU、SV、SWを前記駆動モータ制御装置49の図示されないドライブ処理手段に出力する。該ドライブ処理手段は、ドライブ処理を行い、パルス幅変調信号SU、SV、SWに基づいて駆動信号SG2を前記インバータ29に送る。
【0115】次に、フローチャートについて説明する。なお、この場合、ステップS27及びステップS7−4において同じ処理が行われるので、ステップS7−4について説明する。
ステップS7−4−1 駆動モータ目標トルクTM* を読み込む。
ステップS7−4−2 駆動モータ回転速度NMを読み込む。
ステップS7−4−3 バッテリ電圧VBを読み込む。
ステップS7−4−4 d軸電流指令値IMd* 及びq軸電流指令値IMq* を決定する。
ステップS7−4−5 電流IMU、IMVを読み込む。
ステップS7−4−6 3相/2相変換を行う。
ステップS7−4−7 電圧指令値VMd* 、VMq* を算出する。
ステップS7−4−8 2相/3相変換を行う。
ステップS7−4−9 パルス幅変調信号SU、SV、SWを出力し、リターンする。
【0116】次に、図16のステップS7−5における発電機トルク制御処理のサブルーチンについて説明する。
【0117】図18は本発明の実施の形態における発電機トルク制御処理のサブルーチンを示す図である。
【0118】まず、前記発電機トルク制御処理手段は、発電機目標トルクTG* を読み込み、発電機ロータ位置θGを読み込むとともに、図14及び15の前記異常判定処理において正常であると判定された発電機回転速度NGを読み込み、続いて、バッテリ電圧VBを読み込む。なお、前記異常判定処理において発電機回転速度NGが異常であると判定された場合には、正常であると判定されたエンジン回転速度NE及び駆動モータ回転速度NMに基づいて、発電機回転速度NGを回転速度関係式で算出する。
【0119】次に、前記発電機トルク制御処理手段は、前記発電機目標トルクTG* 、発電機回転速度NG及びバッテリ電圧VBに基づいて、前記発電機制御装置47(図6)の記録装置に記録された発電機制御用の図示されない電流指令値マップを参照し、第1の交流電流指令値としてのd軸電流指令値IGd* 、及び第2の交流電流指令値としてのq軸電流指令値IGq* を算出し、決定する。
【0120】また、前記発電機トルク制御処理手段は、電流センサ66、67から電流IGU、IGVを読み込むとともに、電流IGU、IGVに基づいて電流IGWIGW=IGU−IGVを算出する。なお、電流IGWを電流IGU、IGVと同様に電流センサによって検出することもできる。
【0121】続いて、前記発電機トルク制御処理手段は、3相/2相変換を行い、電流IGU、IGV、IGWをd軸電流IGd及びq軸電流IGqに変換し、前記d軸電流IGd及びq軸電流IGq、並びに前記d軸電流指令値IGd* 及びq軸電流指令値IGq* に基づいて、第1、第2の交流電圧指令値としての電圧指令値VGd* 、VGq* を算出する。そして、前記発電機トルク制御処理手段は、2相/3相変換を行い、電圧指令値VGd* 、VGq* を電圧指令値VGU* 、VGV* 、VGW* に変換し、該電圧指令値VGU* 、VGV* 、VGW* に基づいてパルス幅変調信号SU、SV、SWを算出し、該パルス幅変調信号SU、SV、SWを発電機制御装置47の図示されないドライブ処理手段に出力する。該ドライブ処理手段は、ドライブ処理を行い、パルス幅変調信号SU、SV、SWに基づいて駆動信号SG1を前記インバータ28に送る。
【0122】次に、フローチャートについて説明する。
ステップS7−5−1 発電機目標トルクTG* を読み込む。
ステップS7−5−2 発電機回転速度NGを読み込む。
ステップS7−5−3 バッテリ電圧VBを読み込む。
ステップS7−5−4 d軸電流指令値IGd* 及びq軸電流指令値IGq* を決定する。
ステップS7−5−5 電流IGU、IGVを読み込む。
ステップS7−5−6 3相/2相変換を行う。
ステップS7−5−7 電圧指令値VGd* 、VGq* を算出する。
ステップS7−5−8 2相/3相変換を行う。
ステップS7−5−9 パルス幅変調信号SU、SV、SWを出力し、リターンする。
【0123】次に、図8のステップS15におけるエンジン始動制御処理のサブルーチンについて説明する。
【0124】図19は本発明の実施の形態におけるエンジン始動制御処理のサブルーチンを示す図である。
【0125】まず、前記エンジン始動制御処理手段は、スロットル開度θを読み込み、該スロットル開度θが0〔%〕である場合に、車速Vを読み込み、かつ、エンジン目標運転状態設定処理において決定されたエンジン11(図6)の運転ポイントを読み込む。なお、前記車速Vは、前述されたように、駆動モータロータ位置θMに基づいて算出される。
【0126】続いて、発電機制御装置47は、駆動モータロータ位置θMを読み込み、該駆動モータロータ位置θM及び前記ギヤ比γRに基づいてリングギヤ回転速度NRを算出するとともに、前記運転ポイントにおけるエンジン目標回転速度NE* を読み込み、リングギヤ回転速度NR及びエンジン目標回転速度NE* に基づいて、前記回転速度関係式によって発電機目標回転速度NG* を算出し、決定する。
【0127】次に、前記エンジン制御装置46は、図14及び15の前記異常判定処理において正常であると判定されたエンジン回転速度NEを読み込み、該エンジン回転速度NEと、あらかじめ設定された始動回転速度NEth1とを比較し、エンジン回転速度NEが始動回転速度NEth1より高いかどうかを判断する。そして、エンジン回転速度NEが始動回転速度NEth1より高い場合、エンジン始動制御処理手段は、エンジン11において燃料噴射及び点火を行う。
【0128】続いて、前記発電機制御装置47の発電機回転速度制御処理手段は、発電機目標回転速度NG* に基づいて発電機回転速度制御処理を行い、発電機回転速度NGを高くし、それに伴ってエンジン回転速度NEを高くする。
【0129】そして、前記駆動モータ制御装置49は、図9のステップS25〜S27において行われたように、駆動軸トルクTR/OUTを推定し、駆動モータ目標トルクTM* を決定し、駆動モータ制御処理を行う。
【0130】また、前記エンジン始動制御処理手段は、エンジン回転速度NEがエンジン目標回転速度NE* になるようにスロットル開度θを調整する。次に、前記エンジン始動制御処理手段は、エンジン11が正常に駆動されているかどうかを判断するために、発電機トルクTGが、エンジン11の始動に伴うモータリングトルクTEthより小さいかどうかを判断し、発電機トルクTGがモータリングトルクTEthより小さい状態で所定時間が経過するのを待機する。
【0131】また、前記エンジン回転速度NEが始動回転速度NEth1以下である場合、前記発電機回転速度制御処理手段は、発電機目標回転速度NG* に基づいて発電機回転速度制御処理を行い、続いて、前記駆動モータ制御装置49は、図9のステップS25〜S27において行われたように、駆動軸トルクTR/OUTを推定し、駆動モータ目標トルクTM* を決定し、駆動モータ制御処理を行う。
【0132】次に、フローチャートについて説明する。
ステップS15−1 スロットル開度θが0〔%〕であるかどうかを判断する。スロットル開度θが0〔%〕である場合はステップS15−3に、0〔%〕でない場合はステップS15−2に進む。
ステップS15−2 スロットル開度θを0〔%〕にし、ステップS15−1に戻る。
ステップS15−3 車速Vを読み込む。
ステップS15−4 エンジン11の運転ポイントを読み込む。
ステップS15−5 発電機目標回転速度NG* を決定する。
ステップS15−6 エンジン回転速度NEが始動回転速度NEth1より高いかどうかを判断する。エンジン回転速度NEが始動回転速度NEth1より高い場合はステップS15−11に、エンジン回転速度NEが始動回転速度NEth1以下である場合はステップS15−7に進む。
ステップS15−7 発電機回転速度制御処理を行う。
ステップS15−8 駆動軸トルクTR/OUTを推定する。
ステップS15−9 駆動モータ目標トルクTM* を決定する。
ステップS15−10 駆動モータ制御処理を行い、ステップ15−1に戻る。
ステップS15−11 燃料噴射及び点火を行う。
ステップS15−12 発電機回転速度制御処理を行う。
ステップS15−13 駆動軸トルクTR/OUTを推定する。
ステップS15−14 駆動モータ目標トルクTM* を決定する。
ステップS15−15 駆動モータ制御処理を行う。
ステップS15−16 スロットル開度θを調整する。
ステップS15−17 発電機トルクTGがモータリングトルクTEthより小さいかどうかを判断する。発電機トルクTGがモータリングトルクTEthより小さい場合はステップS15−18に進み、発電機トルクTGがモータリングトルクTEth以上である場合はステップS15−11に戻る。
ステップS15−18 所定時間が経過するのを待機し、経過するとリターンする。
【0133】次に、図19のステップS15−7、S15−12における発電機回転速度制御処理のサブルーチンについて説明する。
【0134】図20は本発明の実施の形態における発電機回転速度制御処理のサブルーチンを示す図である。
【0135】まず、前記発電機回転速度制御処理手段は、発電機目標回転速度NG* 、並びに図14及び15の前記異常判定処理において正常であると判定された発電機回転速度NGを読み込み、発電機目標回転速度NG* と発電機回転速度NGとの差回転速度ΔNGに基づいてPI制御を行い、発電機目標トルクTG* を算出し、決定する。この場合、差回転速度ΔNGが高いほど、発電機目標トルクTG* は大きくされ、正負も考慮される。なお、前記異常判定処理において発電機回転速度NGが異常であると判定された場合には、正常であると判定されたエンジン回転速度NE及び駆動モータ回転速度NMに基づいて、発電機回転速度NGを回転速度関係式で算出する。
【0136】続いて、前記発電機トルク制御処理手段は、図18の発電機トルク制御処理を行い、発電機16(図6)のトルク制御を行う。
【0137】次に、フローチャートについて説明する。なお、この場合、ステップS15−7、S15−12において同じ処理が行われるので、ステップS15−7について説明する。
ステップS15−7−1 発電機目標回転速度NG* を読み込む。
ステップS15−7−2 発電機回転速度NGを読み込む。
ステップS15−7−3 発電機目標トルクTG* を決定する。
ステップS15−7−4 発電機トルク制御処理を行い、リターンする。
【0138】次に、図8のステップS16におけるエンジン停止制御処理のサブルーチンについて説明する。
【0139】図21は本発明の実施の形態におけるエンジン停止制御処理のサブルーチンを示す図である。
【0140】まず、前記発電機制御装置47(図6)は、発電機ブレーキBが解放されているかどうかを判断する。そして、発電機ブレーキBが解放されておらず、係合させられている場合、前記発電機ブレーキ解放制御処理手段は、発電機ブレーキ解放制御処理を行い、発電機ブレーキBを解放する。
【0141】また、前記発電機ブレーキBが解放されている場合、前記エンジン停止制御処理手段は、エンジン11における燃料噴射及び点火を停止させ、スロットル開度θを0〔%〕にする。
【0142】続いて、前記エンジン停止制御処理手段は、前記リングギヤ回転速度NRを読み込み、該リングギヤ回転速度NR及びエンジン目標回転速度NE* (この場合、0〔rpm〕)に基づいて、前記回転速度関係式によって発電機目標回転速度NG* を決定する。そして、前記発電機制御装置47が図20の発電機回転速度制御処理を行った後、駆動モータ制御装置49は、図9のステップS25〜S27において行われたように、駆動軸トルクTR/OUTを推定し、駆動モータ目標トルクTM* を決定し、駆動モータ制御処理を行う。
【0143】次に、前記発電機制御装置47は、図14及び15の異常判定処理において正常であると判定されたエンジン回転速度NEを読み込み、該エンジン回転速度NEが停止回転速度NEth2以下であるかどうかを判断し、エンジン回転速度NEが停止回転速度NEth2以下である場合、発電機16に対するスイッチングを停止させ、発電機16のシャットダウンを行う。
【0144】次に、フローチャートについて説明する。
ステップS16−1 発電機ブレーキBが解放されているかどうかを判断する。発電機ブレーキBが解放されている場合はステップS16−3に、解放されていない場合はステップS16−2に進む。
ステップS16−2 発電機ブレーキ解放制御処理を行う。
ステップS16−3 燃料噴射及び点火を停止させる。
ステップS16−4 スロットル開度θを0〔%〕にする。
ステップS16−5 発電機目標回転速度NG* を決定する。
ステップS16−6 発電機回転速度制御処理を行う。
ステップS16−7 駆動軸トルクTR/OUTを推定する。
ステップS16−8 駆動モータ目標トルクTM* を決定する。
ステップS16−9 駆動モータ制御処理を行う。
ステップS16−10 エンジン回転速度NEが停止回転速度NEth2以下であるかどうかを判断する。エンジン回転速度NEが停止回転速度NEth2以下である場合はステップS16−11に進み、エンジン回転速度NEが停止回転速度NEth2より高い場合はステップS16−5に戻る。
ステップS16−11 発電機16に対するスイッチングを停止させ、リターンする。
【0145】次に、図9のステップS22における発電機ブレーキ係合制御処理のサブルーチンについて説明する。
【0146】図22は本発明の実施の形態における発電機ブレーキ係合制御処理のサブルーチンを示す図である。
【0147】まず、前記発電機ブレーキ係合制御処理手段は、発電機ブレーキB(図6)の係合を要求するための発電機ブレーキ要求をオフからオンにして、発電機目標回転速度NG* に0〔rpm〕をセットし、発電機制御装置47が図20の発電機回転速度制御処理を行った後、駆動モータ制御装置49は、図9のステップS25〜S27において行われたように、駆動軸トルクTR/OUTを推定し、駆動モータ目標トルクTM* を決定し、駆動モータ制御処理を行う。
【0148】次に、前記発電機ブレーキ係合制御処理手段は、図14及び15の前記異常判定処理において正常であると判定された発電機回転速度NGを読み込み、該発電機回転速度NGの絶対値が所定の第2の回転速度Nth2(例えば、100〔rpm〕)より小さいかどうかを判断し、発電機回転速度NGの絶対値が第2の回転速度Nth2より小さい場合、発電機ブレーキBを係合させる。なお、前記異常判定処理において発電機回転速度NGが異常であると判定された場合には、正常であると判定されたエンジン回転速度NE及び駆動モータ回転速度NMに基づいて、発電機回転速度NGを回転速度関係式で算出する。続いて、前記駆動モータ制御装置49は、図9のステップS25〜S27において行われたように、駆動軸トルクTR/OUTを推定し、駆動モータ目標トルクTM* を決定し、駆動モータ制御処理を行う。
【0149】そして、発電機ブレーキBが係合させられた状態で所定時間が経過すると、前記発電機ブレーキ係合制御処理手段は、発電機16に対するスイッチングを停止させ、発電機16のシャットダウンを行う。
【0150】次に、フローチャートについて説明する。
ステップS22−1 発電機目標回転速度NG* に0〔rpm〕をセットする。
ステップS22−2 発電機回転速度制御処理を行う。
ステップS22−3 駆動軸トルクTR/OUTを推定する。
ステップS22−4 駆動モータ目標トルクTM* を決定する。
ステップS22−5 駆動モータ制御処理を行う。
ステップS22−6 発電機回転速度NGの絶対値が第2の回転速度Nth2より小さいかどうかを判断する。発電機回転速度NGの絶対値が第2の回転速度Nth2より小さい場合はステップS22−7に進み、発電機回転速度NGの絶対値が第2の回転速度Nth2以上である場合はステップS22−2に戻る。
ステップS22−7 発電機ブレーキBを係合させる。
ステップS22−8 駆動軸トルクTR/OUTを推定する。
ステップS22−9 駆動モータ目標トルクTM* を決定する。
ステップS22−10 駆動モータ制御処理を行う。
ステップS22−11 所定時間が経過したかどうかを判断し、所定時間が経過した場合はステップS22−12に進み、経過していない場合はステップS22−7に戻る。
ステップS22−12 発電機16に対するスイッチングを停止させ、リターンする。
【0151】次に、図9のステップS24における発電機ブレーキ解放制御処理のサブルーチンについて説明する。
【0152】図23は本発明の実施の形態における発電機ブレーキ解放制御処理のサブルーチンを示す図である。
【0153】前記発電機ブレーキ係合制御処理において、発電機ブレーキB(図6)を係合している間、所定のエンジントルクTEが反力として発電機16のロータ21に加わるので、発電機ブレーキBを単に解放すると、エンジントルクTEがロータ21に伝達されるのに伴って、発電機トルクTG及びエンジントルクTEが大きく変化し、ショックが発生してしまう。
【0154】そこで、前記発電機ブレーキ解放制御処理手段は、図14及び15の異常判定処理において正常であると判定されたエンジントルクTEを読み込み、該エンジントルクTEに相当するトルク、すなわち、エンジントルク相当分を読み込み、該エンジントルク相当分を発電機目標トルクTG* としてセットする。続いて、前記発電機トルク制御処理手段が図18の発電機トルク制御処理を行った後、駆動モータ制御装置49は、図9のステップS25〜S27において行われたように、駆動軸トルクTR/OUTを推定し、駆動モータ目標トルクTM* を決定し、駆動モータ制御処理を行う。
【0155】そして、発電機トルク制御処理が開始された後、所定時間が経過すると、前記発電機ブレーキ解放制御処理手段が、発電機ブレーキBを解放し、発電機目標回転速度NG* に0〔rpm〕をセットした後、発電機回転速度制御手段は図20の発電機回転速度制御処理を行う。続いて、前記駆動モータ制御装置49は、図9のステップS25〜S27において行われたように、駆動軸トルクTR/OUTを推定し、駆動モータ目標トルクTM* を決定し、駆動モータ制御処理を行う。なお、前記エンジントルク相当分は、エンジントルクTEに対する発電機トルクTGのトルク比を学習することによって推定又は算出される。
【0156】次に、フローチャートについて説明する。
ステップS24−1 エンジントルク相当分を発電機目標トルクTG* にセットする。
ステップS24−2 発電機トルク制御処理を行う。
ステップS24−3 駆動軸トルクTR/OUTを推定する。
ステップS24−4 駆動モータ目標トルクTM* を決定する。
ステップS24−5 駆動モータ制御処理を行う。
ステップS24−6 所定時間が経過したかどうかを判断する。所定時間が経過した場合はステップS24−7に進み、経過していない場合はステップS24−2に戻る。
ステップS24−7 発電機ブレーキBを解放する。
ステップS24−8 発電機目標回転速度NG* に0〔rpm〕をセットする。
ステップS24−9 発電機回転速度制御処理を行う。
ステップS24−10 駆動軸トルクTR/OUTを推定する。
ステップS24−11 駆動モータ目標トルクTM* を決定する。
ステップS24−12 駆動モータ制御処理を行い、リターンする。
【0157】なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0158】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、電動車両駆動制御装置においては、電動機械と、該電動機械の回転速度を互いに異なる三つ以上の算出手法で算出する回転速度算出手段と、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定する異常判定処理手段とを有する。
【0159】この場合、各算出手法のうちの二つの算出手法で算出された回転速度が等しいかどうかを判断することによって、他の算出手法で算出された回転速度が異常であるかどうかを判定するようになっているので、車両制御装置、エンジン制御装置、発電機制御装置及び駆動モータ制御装置による各制御の信頼性を高くすることができる。また、各回転速度検出部におけるセンサを2重系又は3重系にしたり、センサの単体の精度を極めて高くしたりする必要がないので、電動車両駆動制御装置のコストを低くすることができる。
【出願人】 【識別番号】000100768
【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
【住所又は居所】愛知県安城市藤井町高根10番地
【出願日】 平成13年10月31日(2001.10.31)
【代理人】 【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠 (外2名)
【公開番号】 特開2003−143707(P2003−143707A)
【公開日】 平成15年5月16日(2003.5.16)
【出願番号】 特願2001−335550(P2001−335550)