| 【発明の名称】 |
作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】脇谷 勉 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】乾 勉 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】菅家 博夫 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】エンジンへの急激な負担増加を抑制しつつ、電動モータを必要加速度で加速できること。
【解決手段】作業機は、エンジン12により駆動する除雪用オーガ13等の作業部と、エンジンにより駆動する発電機17と、発電機により充電するバッテリ43と、発電機並びにバッテリを電源とする電動モータ25L,25Rと、電動モータにより駆動する走行輪23L,23R等の走行部と、走行部の目標走行速度に対する走行部の実走行速度の比較に基づいて電動モータの回転を制御する制御部44とを備える。制御部は、走行部の実走行速度の大きさに応じて必要加速度を定めるステップと、エンジンの回転数が大きいほど1に近く回転数が小さいほど0に近い補正係数からそのときのエンジンの回転数に対応する補正係数を求めるステップと、補正係数を必要加速度に乗じるステップと、補正した必要加速度にて電動モータの回転を制御するステップとを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンにより駆動する除雪用オーガ等の作業部と、前記エンジンにより駆動する発電機と、この発電機により充電するバッテリと、これら発電機並びにバッテリを電源とする電動モータと、この電動モータにより駆動する走行輪等の走行部と、この走行部の目標走行速度に対する走行部の実走行速度の比較に基づいて前記電動モータの回転を制御する制御部と、を備える作業機において、前記制御部は、前記走行部の実走行速度の大きさに応じて必要加速度を定めるステップと、前記エンジンの回転数が大きいほど1に近く回転数が小さいほど0に近い補正係数からそのときの前記エンジンの回転数に対応する補正係数を求めるステップと、この補正係数を前記必要加速度に乗じるステップと、この補正した必要加速度にて前記電動モータの回転を制御するステップと、を備えたことを特徴とする作業機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、作業部の駆動源となるエンジン及び走行部の駆動源となる電動モータを備えた作業機に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、作業機としては、作業部の駆動源と走行部の駆動源とを分離した機種が開発されてきている。例えば作業部をエンジンで駆動し、走行部を電動モータで駆動する。電動モータの回転を制御する方式であるから、比較的小回りの利く作業機にすることができる。このような作業機としては、例えば特開平3−43013号公報「自力走行芝刈機」(以下、「従来の技術」と言う)が知られている。 【0003】この従来の技術は、同公報の第1図によれば、エンジン2(番号は公報に記載されたものを引用した。以下同じ。)にて芝刈り用カッタ3を駆動し、バッテリ49を電源とする走行用駆動モータ20にて前輪10を駆動し、コントローラ53にて走行用駆動モータ20を回転制御するというものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、走行用駆動モータ20の消費電力をバッテリ49の電力だけでまかなうものであり、長時間にわたって作業をするには限界がある。しかも大容量のバッテリ49を備える必要がある。大容量のバッテリ49は大型で大重量であり、小型の作業機に搭載することは得策ではない。 【0005】そこで、エンジン2にて芝刈り用カッタ3の他に発電機をも駆動し、この発電機にてバッテリ49を充電し、これら発電機並びにバッテリ49を走行用駆動モータ20の電源とすることが考えられる。発電機にて発生させた電力だけで走行用駆動モータ20の消費電力をまかなうとともに、余った電力をバッテリ49に充電することができる。このようにすれば、バッテリ49の小型化を図ることができるので、作業機への搭載スペースの削減を図るとともに作業機を軽量にするには有利である。しかも、長時間にわたって作業をすることができる。 【0006】ところで、芝刈り用カッタ3のような小負荷の作業部を駆動するエンジン2としては、小型エンジンを採用することが多い。しかし、作業機の運転にあたっては、作業状況に応じて走行速度を大幅に変更して使用されることがある。例えば、スロットルバルブの開度を絞って小型エンジンを低速回転させているときであっても、走行用駆動モータ20を急激に加速させて高速走行状態にする場合がある。常に発電機で発生した電力にて走行用駆動モータ20を駆動させるので、走行用駆動モータ20の加速度が大きいと、発電機による発電量も多く要求される。要求される発電量が急増すれば、エンジン2の負担も急増する。エンジン2の負担が急激に過大になるとエンジン2の回転数は低下する。エンジン回転数が下がると芝刈り用カッタ3の回転数も下がるので、作業効率は低下する。 【0007】そこで本発明の目的は、エンジンで作業部並びに発電機を駆動し、この発電機でバッテリを充電し、これらの発電機並びにバッテリを電動モータの電源とする作業機において、エンジンへの急激な負担増加を抑制しつつ、電動モータを必要加速度で加速することができる技術を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1は、エンジンにより駆動する除雪用オーガ等の作業部と、エンジンにより駆動する発電機と、この発電機により充電するバッテリと、これら発電機並びにバッテリを電源とする電動モータと、この電動モータにより駆動する走行輪等の走行部と、この走行部の目標走行速度に対する走行部の実走行速度の比較に基づいて電動モータの回転を制御する制御部と、を備える作業機において、制御部が、走行部の実走行速度の大きさに応じて必要加速度を定めるステップと、エンジンの回転数が大きいほど1に近く回転数が小さいほど0に近い補正係数からそのときのエンジンの回転数に対応する補正係数を求めるステップと、この補正係数を必要加速度に乗じるステップと、この補正した必要加速度にて電動モータの回転を制御するステップと、を備えたことを特徴とする。 【0009】エンジンの回転数が大きいときには、走行部の実走行速度の大きさに応じて定めた必要加速度に近い値で、電動モータの回転を加速することができる。また、エンジンの回転数が小さいときには、補正された小さい必要加速度で、電動モータの回転を加速することができる。従って、エンジンの回転数に応じた最適な加速度で電動モータの回転を制御することができる。 【0010】このように、エンジンが低速回転中に電動モータを急加速させた場合であっても、電動モータの加速度がエンジンの回転数に応じた最適な値に抑制されるので、発電機による発電量も抑制される。この結果、エンジンの負担を軽減することができる。エンジンへの急激な負担増加を抑制しつつ、電動モータを必要加速度で加速することができる。エンジンへの急激な負担増加を抑制することで、エンジンの回転数の低下を防止することができ、この結果、作業部の作業効率を高めることができる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は作業者から見た方向に従い、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。 【0012】図1は本発明に係る除雪機の平面図であり、電動車両としての除雪機10は、機体11にエンジン12を搭載し、機体11の前部に作業部としてのオーガ13及びブロア14を装備し、機体11の左右にクローラ15L,15Rを配置し、機体11の後部に操作盤16を配置した車両であり、作業者が操作盤16の後から連れ歩く歩行型作業機である。以下、要部を詳細に説明する。なお、操作盤16は図2で詳しく説明する。 【0013】エンジン12の出力の一部で、発電機17を回し、得た電力を操作盤16の下方に配置したバッテリ(図4の符号43参照)に供給すると共に、後述する左右の走行モータに供給する。エンジン12の出力の残部は、電磁クラッチ18及びベルト19を介して作業部としてのブロア14及びオーガ13の回転に充てる。オーガ13は地面に積もった雪を中央に集める作用をなし、この雪を受け取ったブロア14はシュータ21を介して雪を機体11の周囲の所望の位置へ投射する。22はオーガハウジングであり、オーガ13を囲うカバー部材である。 【0014】左のクローラ15Lは、駆動輪23Lと遊動輪24Lとに巻き掛けたものであり、本発明では駆動輪23Lは左の走行モータ25Lで正逆転させる。右のクローラ15Rも、駆動輪23Rと遊動輪24Rとに巻き掛けたものであり、本発明では駆動輪23Rは右の走行モータ25Rで正逆転させる。 【0015】従来の除雪機では1個のエンジン(ガソリンエンジン又はジーゼルエンジン)で作業部系(オーガ回転系)と走行系(クローラ駆動系)とを賄っていたが、本発明ではエンジン12で作業部系(オーガ回転系)を駆動し、電動モータ(走行モータ25L,25R)で走行系(クローラ駆動系)を駆動するようにしたことを特徴とする。細かな走行速度の制御、旋回制御及び前後進切替制御は電動モータが適当であり、一方、急激な負荷変動を受ける作業部系はパワーのある内燃機関が適当であるとの考えに基づいて、そのようにした。 【0016】図2は図1の2矢視図であり、操作盤16には、操作箱27の手前の側面にメインスイッチ28、エンジンチョーク29、クラッチ操作ボタン31などを備え、操作箱27の上面に、投雪方向調節レバー32、オーガハウジング姿勢調節レバー33、走行系に係る方向速度レバー34、作業部系に係るエンジンスロットルレバー35を備え、操作箱27の右にグリップ36R及び右旋回操作レバー37Rを備え、操作箱27の左にグリップ36L、左旋回操作レバー37L及び走行準備レバー38を備える。 【0017】左右旋回操作レバー37L,37Rはブレーキレバーに近似するが、後述するとおりに完全な制動効果は得られない。操作することで走行モータ25L,25Rの回転を落として機体をターンさせることに使用するため、ブレーキレバーと言わずに旋回操作レバーと呼ぶことにした。 【0018】メインスイッチ28はメインキーを差込み、回すことでエンジンを始動することのできる周知のスイッチである。エンジンチョーク29は引くことで混合気の濃度を高めることができる。投雪方向調節レバー32は、シュータ(図1の符号21)方向を変更するときに操作するレバーであり、オーガハウジング姿勢調節レバー33はオーガハウジング(図1の符号22)の姿勢を変更するときに操作するレバーである。その他の部材の作用は、図4で説明する。 【0019】図3は図2の3矢視図であり、左旋回操作レバー37Lを握ることにより、ポテンショメータ39Lのアーム39aの角度を想像線の位置まで回転することができる。ポテンショメータ39Lはアーム39aの回転位置に応じた電気情報を発する機器である。 【0020】また、走行準備レバー38はスイッチ手段42に作用する部材であり、スプリング41の引き作用により、図の状態(フリー状態)になればスイッチ手段42はオンになる。作業者の左手で走行準備レバー38を図時計回りに下げれば、スイッチ手段42はオフとなる。このように、走行準備レバー38が握られているか否かはスイッチ手段42で検出することができる。 【0021】図4は本発明に係る除雪機の制御系統図であり、操作盤に内蔵若しくは付設した制御部44内の機器及び情報伝達経路を示すが、概ね四角は機器、丸はドライバーを示す。そして、想像線枠で囲ったエンジン12、電磁クラッチ18、ブロア14及びオーガ13が作業部系45であり、その他は走行系となる。43はバッテリである。なお、制御部44内に破線で指令の流れを便宜上示したが、これはあくまでも参考的記載に過ぎない。 【0022】先ず、作業部系の作動を説明する。メインスイッチ28にキーを差込み、回してスタートポジションにすることにより、図示せぬセルモータの回転によりエンジン12を始動させる。エンジンスロットルレバー35は図示せぬスロットルワイヤでスロットルバルブ48に繋がっているので、エンジンスロットルレバー35を操作することでスロットルバルブ48の開度を制御することができる。これにより、エンジン12の回転数を制御することができる。 【0023】走行準備レバー38を握ると共に、クラッチ操作ボタン31を操作することにより、作業者の意志で電磁クラッチ18を接続し、ブロア14及びオーガ13を回すことができる。なお、走行準備レバー38をフリーにするかクラッチ操作ボタン31を操作するかの何れかにより、電磁クラッチ18を断状態にすることができる。 【0024】次に走行系の作動を説明をする。本発明の除雪機は、普通車両のパーキングブレーキに相当するブレーキとして、左右の電磁ブレーキ51L,51Rを備えており、これらの電磁ブレーキ51L,51Rは、駐車中は制御部44の制御により、ブレーキ状態にある。そこで、次の手順で電磁ブレーキ51L,51Rを開放する。 【0025】メインスイッチ28がスタートポジションにあること及び走行準備レバー38が握られていることの2つの条件が満たされ、方向速度レバー34を前進又は後進(図5で説明する。)に切換えると、電磁ブレーキ51L,51Rは開放(非ブレーキ)状態になる。 【0026】図5は本発明で採用した方向速度レバーの作用説明図であり、方向速度レバー34は、作業者の手で、矢印■,■の如く往復させることができ、「中立範囲」より「前進」側へ倒せば車両を前進させることができ、且つ「前進」領域においては、Lfが低速前進、Hfが高速前進となるように、速度制御も行える。同様に、「中立範囲」より「後進」側へ倒せば車両を後進させることができ、且つ「後進」領域においては、Lrが低速後進、Hrが高速後進となるように、速度制御も行える。この例では、図の左端に付記した通りに、後進の最高速が0V(ボルト)、前進の最高速が5V、中立範囲が2.3V〜2.7Vになるようにポテンショメータでポジションに応じた電圧を発生させる。1つのレバーで前後の方向と高低速の速度制御とを設定できるので、方向速度レバー34と名付けた。 【0027】図4に戻って、方向速度レバー34の位置情報をポテンショメータ49から得た制御部44は、左右のモータドライバー52L,52Rを介して左右の走行モータ25L,25Rを回し、走行モータ25L,25Rの回転速度を回転センサ53L,53Rで検出して、その信号に基づいて回転速度を所定値になるようにフィードバック制御を実行する。この結果、左右の駆動輪23L,23Rが所望の方向に、所定の速度で回り、走行状態となる。 【0028】走行中の制動は次の手順で行う。本発明ではモータドライバー52L,52Rに回生ブレーキ回路54L,54Rを含む。 【0029】一般論としてバッテリから電動モータへ電気エネルギーを供給することで、電動モータは回転する。一方、発電機は回転を電気エネルギーに変換する手段である。そこで、本発明では電気的切換えにより、走行モータ25L,25Rを発電機に変え、発電させるようにした。発電電圧がバッテリ電圧より高ければ、電気エネルギーはバッテリ43へ蓄えることができる。これが回生ブレーキの作動原理である。 【0030】左旋回操作レバー37Lの握りの程度をポテンショメータ39Lで検出し、この検出信号に応じて制御部44は左の回生ブレーキ回路54Lを作動させて、左の走行モータ25Lの速度を下げる。右旋回操作レバー37Rの握りの程度をポテンショメータ39Rで検出し、この検出信号に応じて制御部44は右の回生ブレーキ回路54Rを作動させて、右の走行モータ25Rの速度を下げる。すなわち、左旋回操作レバー37Lを握ることで左旋回させることができ、右旋回操作レバー37Rを握ることで右旋回させることができる。 【0031】そして、次の何れかにより走行を停止することができる。方向速度レバー34を中立位置に戻す。走行準備レバー38を離す。メインスイッチ28をオフ位置に戻す。 【0032】停止後にメインスイッチ28をオフ位置に戻せば、電磁ブレーキ51L,51Rがブレーキ状態となり、パーキングブレーキを掛けたことと同じになる。 【0033】次に、上記図4に示す制御部44をマイクロコンピュータとした場合の制御フローについて、図6〜図10に基づき説明する。この制御フローは、例えばメインスイッチ28をオンにしたときに開始する。図中、ST××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番号については、番号順に進行する。 【0034】図6は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その1)である。 ST01;方向速度レバーの操作方向並びに操作量Opを読み込む。方向速度レバーのポジションにより定まる。 ST02;方向速度レバーの操作方向が「前進」側であるか否かを調べ、YESでST03に進み前進モードで左右の電動モータ(走行モータ)を前進走行制御し、NOでST12に進む。 【0035】ST03;方向速度レバーの操作量Opから前進する走行部の目標速度Soを算出する。目標速度Soは例えば電動モータの目標モータ回転数である。 ST04;走行部の実走行速度Srを計測する。実走行速度Srは、例えば図4の回転センサ53L,53Rで現実のモータ回転数を計測すればよい。 ST05;実走行速度Srが予め設定された上限しきい値SHより小さいか否かを調べ、YESならST06に進み、NOなら実走行速度Srが過大であるとしてST10に進む。 【0036】ST06;目標速度Soと実走行速度Srとを比較する。実走行速度Srが目標速度Soより小さければ、速度不足であると判断してST07に進む。実走行速度Srが目標速度Soと等しければ、状態を変える必要が無いと判断してST08に進む。実走行速度Srが目標速度Soより大きければ、速度超過であると判断してST09に進む。 【0037】ST07;速度不足を是正すべく、加速モードで電動モータの加速制御を施してST13に進む。 ST08;状態を変える必要が無いので、電動モータの実回転数を維持してST13に進む。 ST09;速度超過を是正すべく減速モードで電動モータの減速制御を施してST13に進む。 【0038】ST10;実走行速度Srと上限しきい値SHとの速度差ΔSを算出することで、実走行速度Srの過大分を求める。 ST11;速度差ΔS分だけ電動モータを減速させ、上限しきい値SHに戻してST13に進む。 ST12;所定の後進モードで電動モータを後進走行制御する。なお、このST12の制御については、上記ST03〜ST11の前進走行制御と実質的に同じ制御ステップであり、前進制御の代りに後進制御を実行するものである。 ST13;この図6に示す制御を停止するか否かを判定し、YESであれば制御を停止し、NOであればST01に戻る。例えば、メインスイッチ28をオフにしたときに停止する。 【0039】図7は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その2)であり、上記図6のステップST07に示す加速モード制御を具体的に実行するためのサブルーチンを示す。 【0040】ST101;実走行速度Srを予め設定された速度しきい値(高速しきい値SH、中速しきい値SM、低速しきい値SL、微速しきい値SN)と比較する。各速度しきい値については、「SH>SM>SL>SN」の関係にある。例えば、高速しきい値SH=4.0km/h、中速しきい値SM=3.0km/h、低速しきい値SL=1.5km/h、微速しきい値SN=0.5km/hである。 【0041】実走行速度Srが高速しきい値SH以下で中速しきい値SMを越えているなら、実走行速度Srが高速域にあるとしてST102に進む。実走行速度Srが中速しきい値SM以下で低速しきい値SLを越えているなら、実走行速度Srが中速域にあるとしてST103に進む。実走行速度Srが低速しきい値SL以下で微速しきい値SNを越えているなら、実走行速度Srが低速域にあるとしてST104に進む。実走行速度Srが微速しきい値SNL以下なら、実走行速度Srが微速域にあるとしてST105に進む。 【0042】ST102;電動モータを加速制御するときに必要な加速度α0(必要加速度α0)を第1基準加速度α1とする。第1基準加速度α1は例えば0.8m/s2である。 ST103;必要加速度α0を第2基準加速度α2とする。第2基準加速度α2は第1基準加速度α1よりも大きい値であり、例えば0.9m/s2である。 ST104;必要加速度α0を第3基準加速度α3とする。第3基準加速度α3は第2基準加速度α2よりも大きい値であり、例えば1.0m/s2である。 ST105;必要加速度α0を第4基準加速度α4とする。第4基準加速度α4は第3基準加速度α3よりも大きい値であり、例えば1.4m/s2である。以上の説明から明らかなように、上記ST101〜ST105は、走行部の実走行速度Srの大きさに応じて必要加速度α0を定めるステップである。 【0043】ST106;エンジンの回転数Noを計測する。図示せぬ回転センサで計測すればよい。 ST107;エンジンの回転数Noに基づき補正係数Deを求める。具体的には、図8に示すマップにて求める。 【0044】図8は本発明に係る補正係数マップであり、横軸をエンジンの回転数No(rpm)とし縦軸を補正係数Deとして、エンジンの回転数Noに対応する補正係数Deを得るものである。このマップによれば、補正係数Deは、エンジンの回転数Noが大きいほど1に近く、回転数Noが小さいほど0に近い値であることが判る。より具体的には、補正係数Deは、エンジンの回転数Noが常用下限値2200rpm未満であるときには0.5であり、回転数Noが常用上限値2800rpmを越えるときには1.0であり、回転数Noが常用域2200〜2800rpmであるときには回転数Noに比例する一次直線で表される値である。このマップによって、そのときのエンジンの回転数Noに対応する補正係数Deを求めることができる。 【0045】図7に戻って説明を続ける。以上の説明から明らかなように、上記ST107は、エンジンの回転数Noが大きいほど1に近く回転数Noが小さいほど0に近い補正係数Deからそのときのエンジンの回転数Noに対応する補正係数Deを求めるステップである。 【0046】ST108;補正係数Deを必要加速度α0に乗じて補正し、これを新たな必要加速度α0とする。このようにST108は、補正係数Deを必要加速度α0に乗じるステップである。 ST109;補正した必要加速度α0にて電動モータの回転を加速制御して、図6のST07にリターンする。このようにST109は、補正した必要加速度α0にて電動モータの回転を制御するステップである。 【0047】図9は本発明に係る補正した必要加速度マップであり、上記図7のST01〜ST108にて実行するエンジンの回転数No(rpm)と実走行速度Sr(km/h)と必要加速度α0(m/s2)との関係をまとめて表したものである。このマップによれば、エンジンの回転数Noが大きいときには、走行部の実走行速度Srの大きさに応じて定めた必要加速度α0に近い値で、電動モータの回転を加速できることが判る。また、エンジンの回転数Noが小さいときには、補正された小さい必要加速度α0で、電動モータの回転を加速することができることが判る。従って、エンジンの回転数Noに応じた最適な必要加速度α0で、電動モータの回転を加速できる。 【0048】本発明を整理すれば、図1に示す機体11の左右に各々走行モータとしての電動モータ25L,25Rを備え、これらの電動モータ25L,25Rで左右の駆動輪23L,23R(走行部)を各々駆動する作業機としての除雪機10において、この除雪機10は、駆動輪23L,23Rの目標走行速度に対する駆動輪23L,23Rの実走行速度の比較に基づいて電動モータ25L,25Rの回転を制御する制御部(図4の符号44)を備える。 【0049】この制御部44は、駆動輪23L,23Rの実走行速度の大きさに応じて必要加速度を定めるステップ(図7のST101〜ST105)と、エンジン12の回転数が大きいほど1に近く回転数が小さいほど0に近い補正係数からそのときのエンジン12の回転数に対応する補正係数を求めるステップ(図7のST107)と、この補正係数を必要加速度に乗じるステップ(図7のST108)と、この補正した必要加速度にて電動モータ25L,25Rの回転を制御するステップ(図7の109)と、を備えたことを特徴とする。 【0050】エンジン12が低速回転中に電動モータ25L,25Rを急加速させた場合であっても、電動モータ25L,25Rの加速度がエンジン12の回転数に応じた最適な値に抑制されるので、発電機17(交流発電機)による発電量も抑制される。この結果、エンジン12の負担を軽減することができる。エンジン12への急激な負担増加を抑制しつつ、電動モータ25L,25Rを必要加速度で加速することができる。エンジン12への急激な負担増加を抑制することで、エンジン12の回転数の低下を防止することができ、この結果、作業部(オーガ13及びブロア14)の作業効率を高めることができる。 【0051】図10は本発明に係る制御部の制御フローチャート(その3)であり、上記図6のステップST09に示す減速モード制御を具体的に実行するためのサブルーチンを示す。なお、この図10のサブルーチンは、上記図7に示す加速モードで電動モータの加速制御するサブルーチンと基本的に同じ内容であり、加速度α0を減速度β0に入れ替えただけのものである。以下に概要を説明する。 【0052】ST201;実走行速度Srを予め設定された高速しきい値SH、中速しきい値SM、低速しきい値SL、微速しきい値SNと比較し、Sr≧Sr>SMならST202に進み、SM≧Sr>SLならST203に進み、SL≧Sr>SNならST204に進み、SN≧SrならST205に進む。 ST202;電動モータを減速制御するときに必要な減速度β0(必要減速度β0)を第1基準減速度β1とする。 ST203;必要減速度β0を第2基準減速度β2とする。β1>β2。 ST204;必要減速度β0を第3基準減速度β3とする。β2>β3。 ST205;必要減速度β0を第4基準減速度β4とする。β3>β4。 【0053】ST206;エンジンの回転数Noを計測する。 ST207;図8に示すマップにて、エンジンの回転数Noに基づき補正係数Deを求める。上記図7のST107と同じ。 ST208;補正係数Deを必要減速度β0に乗じて補正し、これを新たな必要減速度β0とする。 ST209;補正した必要減速度β0にて電動モータの回転を減速制御して、図6のST09にリターンする。 【0054】以上の説明から明らかなように、上記ST201〜ST205は、走行部の実走行速度Srの大きさに応じて必要減速度β0を定めるステップである。ST208は、補正係数Deを必要減速度β0に乗じるステップである。ST209は、補正した必要減速度β0にて電動モータの回転を制御するステップである。 【0055】ここで、必要減速度β0で電動モータを減速制御することについて、整理して説明する。一般に、エンジンの回転数が小さいときに電動モータの減速度が過大であっても、これによって直接的にエンジンの負担が増すことはない。しかし、減速度が過大であると、電動モータの回生ブレーキ作用によって発生する起電圧(発電電圧)は大きい。バッテリに過大な起電圧が加わることは、バッテリ並びに電気部品にとって好ましくないので、何等かの対策が必要になる。さらには、回生ブレーキ作用によって発生する起電圧が過大であると、この起電圧で発電機のロータが現状よりも高速で回ろうとすることが考えられる。その場合には、発電機でエンジンの出力軸を回そうとするので、エンジンの作動にとって好ましいことではない。 【0056】これに対して本発明は、補正係数Deを必要減速度β0に乗じることで、補正された必要減速度β0にて電動モータを減速制御するようにした。必要減速度β0については、上記図9に示す必要加速度α0と同様に、実走行速度Srが大きいほど小さくなるとともに、エンジンの回転数が小さいほど小さくなるように設定することができる。必要減速度β0が小さければ、電動モータの回生ブレーキ作用によって発生する起電圧も小さくなる。このようにすることで、バッテリ並びに電気部品の負担を軽減するとともに、エンジンの作動にとってより好ましい、最適な必要減速度β0で電動モータを減速制御することができる。 【0057】なお、本発明を適用する作業機は除雪機10に限るものではなく、芝刈機など種類は任意である。芝刈機とした場合の作業部は、エンジンにより駆動する芝刈用カッタである。また上記本発明の実施の形態において、制御部44は、走行部の目標走行速度に対する走行部の実走行速度の比較に基づいて電動モータの回転を制御する機能を備えるとともに、必要加速度を定めるステップST101〜ST105、エンジンの回転数に対応する補正係数を求めるステップST107、補正係数を必要加速度に乗じるステップST108、及び、補正した必要加速度にて電動モータの回転を制御するステップST109、に各々相当する機能を備えた構成であればよい。 【0058】 【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮する。請求項1は、走行部の実走行速度の大きさに応じて必要加速度を定め、また、エンジンの回転数に対応する補正係数を求め、この補正係数を必要加速度に乗じて補正し、この補正した必要加速度にて電動モータの回転を制御することにした。補正係数は、エンジンの回転数が大きいほど1に近く回転数が小さいほど0に近い値である。このようにすることで、エンジンの回転数が大きいときには、走行部の実走行速度の大きさに応じて定めた必要加速度に近い値で、電動モータの回転を加速することができる。また、エンジンの回転数が小さいときには、補正された小さい必要加速度で、電動モータの回転を加速することができる。従って、エンジンの回転数に応じた最適な加速度で電動モータの回転を制御することができる。 【0059】エンジンが低速回転中に電動モータを急加速させた場合であっても、電動モータの加速度がエンジンの回転数に応じた最適な値に抑制されるので、発電機による発電量も抑制される。この結果、エンジンの負担を軽減することができる。エンジンへの急激な負担増加を抑制しつつ、電動モータを必要加速度で加速することができる。エンジンへの急激な負担増加を抑制することで、エンジンの回転数の低下を防止することができ、この結果、作業部の作業効率を高めることができる。しかも、エンジンへの急激な負担増加を抑制することで、エンジンからの排気を円滑に排出する排気性能の向上、異常燃焼に伴うノッキング等による騒音の低減、燃費の向上を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成13年10月30日(2001.10.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067356 【弁理士】 【氏名又は名称】下田 容一郎 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−143706(P2003−143706A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月16日(2003.5.16) |
| 【出願番号】 |
特願2001−333213(P2001−333213) |
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