| 【発明の名称】 |
車両用変速制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田端 淳 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】第1動力源および第2動力源が効率の高い領域で選択的に作動させられる車両用駆動制御装置を提供する。
【解決手段】動力源切換手段96は、エンジン(第1動力源)10の効率、および燃料電池70とそれからの電流が供給される第1モータジェネレータMG1(第2動力源)の効率の少なくとも一方の変化たとえば経時的変化に基づいてそれらエンジン10と燃料電池70および第1モータジェネレータMG1とを切換ることにより車両の走行に用いる動力源を選択するので、エンジン10と燃料電池70および第1モータジェネレータMG1とのうちの効率の高い領域でそれぞれ選択的に作動させられることができ、車両の燃費などに関して走行性能が高められる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1動力源および第2動力源を選択的に用いて車両を駆動する車両用駆動制御装置であって、前記第1動力源の効率と第2動力源の効率とを比較してそれらの一方を選択するに際して、該第1動力源の効率および第2動力源の効率の少なくとも一方の変化に基づいて選択する動力源切換手段を含むことを特徴とする車両用駆動制御装置。 【請求項2】 車両状態が予め定められた最適切換点演算開始状態となったことに基づいて最適切換点の演算開始時期か否かを判定する演算開始時期判定手段と、該演算開始時期判定手段によって最適切換点演算開始時期となったと判定される毎に、前記第1動力源の効率および第2動力源の効率の少なくとも一方の変化に基づいて最適切換点を決定する最適切換点決定手段とを含み、前記動力源切換手段は、該最適切換点決定手段により決定された最新の最適切換点を用いて前記第1動力源および第2動力源の一方を選択するものである請求項1の車両用駆動制御装置。 【請求項3】 前記演算開始時期判定手段は、前記車両の走行時間が予め設定された判定値に到達したこと、車両の走行距離が予め設定された判定値に到達したこと、車両の走行状態の変化があったこと、車両の走行状態変化があったこと、前記車両のイグニションキーのオン操作からの経過時間が所定値となったこと、前記車両に搭載されたバッテリが交換されたこと、前記車両のタイヤが交換されたことの少なくともいずれか1つの条件が成立したときに、前記最適切換点の演算開始時期であると判定するものである請求項1の車両用駆動制御装置。 【請求項4】 前記第1動力源の出力に対する効率の変化を示す第1効率曲線と前記第2動力源の出力に対する効率の変化を示す第2効率曲線とを含む効率線図が計算済みであるか否かを判定する効率曲線計算済判定手段を含み、前記最適切換点決定手段は、該効率曲線計算済判定手段により効率線図が計算済みであると判定された場合には、計算済みである既存の効率曲線を最新のものとして決定するものである請求項1の車両用駆動制御装置。 【請求項5】 前記第1動力源の出力に対する効率の変化を示す第1効率曲線と前記第2動力源の出力に対する効率の変化を示す第2効率曲線とを含む効率線図を、該第1動力源の効率および第2動力源の効率の少なくとも一方の変化に基づいて補正する補正手段を含み、前記最適切換点決定手段は、該補正手段により補正された効率線図の第1効率曲線と第2効率曲線との交点を最適切換点として決定するものである請求項1の車両用駆動制御装置。 【請求項6】 前記第1動力源の効率および第2動力源の効率は、経済効率またはエネルギ効率である請求項1の車両用駆動制御装置。 【請求項7】 前記第1動力源は燃料の燃焼によって作動させられるエンジンであり、前記第2動力源は燃料電池および該燃料電池から供給される電流によって作動させられる電気モータである請求項1の車両用駆動制御装置。 【請求項8】第1動力源および第2動力源を選択的に用いて車両を駆動する車両用駆動制御装置であって、前記第1動力源の効率関連情報および第2動力源の効率関連情報に対応する複数種類の最適切換点をそれぞれ有する複数種類の最適切換点マップを記憶する最適切換点マップ記憶手段と、該最適切換点マップ記憶手段により記憶された複数種類の最適切換点マップから実際の第1動力源の効率関連情報および第2動力源の効率関連情報の少なくとも一方の変化値に対応する最適切換点マップを選択する最適切換点マップ選択手段と、該最適切換点マップ選択手段により選択された最適切換点マップから最適切換点を決定する最適切換点決定手段と、該最適切換点決定手段により決定された最新の最適切換点を用いて前記第1動力源および第2動力源の一方を選択する動力源切換手段とを、含むことを特徴とする車両用駆動制御装置。 【請求項9】 前記効率関連情報は、前記第1動力源或いは第2動力源の温度、または該第1動力源或いは第2動力源の始動開始からの時間である請求項8の車両用変速制御装置。 【請求項10】 前記第1動力源の効率および第2動力源の効率は、経済効率またはエネルギ効率である請求項8の車両用駆動制御装置。 【請求項11】 前記第1動力源は燃料の燃焼によって作動させられるエンジンであり、前記第2動力源は燃料電池および該燃料電池から供給される電流によって作動させられる電気モータである請求項8の車両用駆動制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、第1動力源および第2動力源を選択的に用いて車両を駆動する車両用駆動制御装置に関し、特に最適な燃費などを維持できるようにする技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両の一種に、エンジンのような第1動力源と電気モータ或いはモータジェネレータのような第2動力源とを備え、運転状態に応じて第1動力源と第2動力源とを使い分けるようにしたハイブリッド車両がある。たとえば、特開平9−98516号公報に記載されたものがそれである。これによれば、変速マップを用いなくても、燃費特性、加速特性、その他のパタメータを考慮しつつリアルタイムに自動変速機を制御できる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンと電気モータ(モータジェネレータ)のように複数の動力源を備えた上記のようなハイブリッド車両においては、第1動力源や第2動力源は、それらの効率のよい作動領域が選択的に使用されるように予め設定された関係から実際の車両状態に基づいて選択的に切換られる。たとえば、実際の車両状態を表すすなわち車速およびエンジン負荷を示す点が上記関係を示す切換線を横切ったときに第1動力源および第2動力源が選択的に切換られる。しかしながら、上記第1動力源および第2動力源の効率がたとえば経時的原因などによって変化すると、必ずしも効率のよい作動領域が用いられることが保証されなくなることから、車両の燃費などに関して走行性能が低下するという不都合が発生する可能性があった。 【0004】本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、第1動力源および第2動力源が効率の高い領域で選択的に作動させられる車両用駆動制御装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、第1動力源および第2動力源を選択的に用いて車両を駆動する車両用駆動制御装置であって、前記第1動力源の効率と第2動力源の効率とを比較してそれらの一方を選択するに際して、その第1動力源の効率および第2動力源の効率の少なくとも一方の変化に基づいて選択する動力源切換手段を含むことにある。 【0006】 【第1発明の効果】このようにすれば、動力源切換手段は、第1動力源の効率および第2動力源の効率の少なくとも一方の変化たとえば経時的変化に基づいてそれら第1動力源および第2動力源を切換ることにより車両の走行に用いる動力源を選択するので、第1動力源および第2動力源がそれらの効率の高い領域でそれぞれ作動させられることができ、車両の燃費などに関して走行性能が高められる。 【0007】 【発明の他の態様】ここで、好適には、車両状態が予め定められた最適切換点演算開始状態となったことに基づいて最適切換点の演算開始時期か否かを判定する演算開始時期判定手段と、その演算開始時期判定手段によって最適切換点演算開始時期となったと判定される毎に、前記第1動力源の効率および第2動力源の効率の少なくとも一方の変化に基づいて最適切換点を決定する最適切換点決定手段とを含み、前記動力源切換手段は、その最適切換点決定手段により決定された最適切換点を用いて前記第1動力源および第2動力源の一方を選択する。このようにすれば、演算開始時期判定手段によって最適切換点演算開始時期となったと判定される毎に、第1動力源の効率および第2動力源の効率の少なくとも一方の変化たとえば経時的変化に基づいて最適切換点が算出されるので、リアルタイムで逐次算出する場合に比較して、高速且つ高価なコンピュータを用いなくてもよい利点がある。 【0008】また、好適には、前記演算開始時期判定手段は、前記車両の走行時間が予め設定された判定値に到達したこと、車両の走行距離が予め設定された判定値に到達したこと、車両の走行状態の変化があったこと、車両の走行状態変化があったこと、前記車両のイグニションキーのオン操作からの経過時間が所定値となったこと、前記車両に搭載されたバッテリが交換されたこと、前記車両のタイヤが交換されたことの少なくともいずれか1つの条件が成立したときに、前記最適切換点の演算開始時期であると判定するものである。このようにすれば、前記車両の走行時間が予め設定された判定値に到達したこと、車両の走行距離が予め設定された判定値に到達したこと、車両の走行状態の変化があったこと、車両の走行状態変化があったこと、前記車両のイグニションキーのオン操作からの経過時間が所定値となったこと、前記車両に搭載されたバッテリが交換されたこと、前記車両のタイヤが交換されたことのいずれか1つの条件が成立する毎に、最適切換点決定手段により第1動力源の効率および第2動力源の効率の少なくとも一方の変化たとえば経時的変化に基づいて最適切換点が算出されるので、リアルタイムで逐次算出する場合に比較して、高速あるいは高価なコンピュータを用いなくてもよい利点がある。 【0009】また、好適には、前記第1動力源の出力に対する効率の変化を示す第1効率曲線と前記第2動力源の出力に対する効率の変化を示す第2効率曲線とを含む効率線図が計算済みであるか否かを判定する効率線図計算済判定手段を含み、前記最適切換点決定手段は、その効率線図計算済判定手段により効率線図が計算済みであると判定された場合には、計算済みである既存の効率曲線を最新のものとして決定するものである。このようにすれば、同様な演算が省略されて最適切換点の演算時間が一層短縮される。 【0010】また、好適には、前記第1動力源の出力に対する効率の変化を示す第1効率曲線と前記第2動力源の出力に対する効率の変化を示す第2効率曲線とを含む効率線図を、該第1動力源の効率および第2動力源の効率の少なくとも一方の変化たとえば経時的変化に基づいて補正する補正手段を含み、前記最適切換点決定手段は、その補正手段により補正された効率線図の第1効率曲線と第2効率曲線との交点を最適切換点として決定するものである。このようにすれば、第1動力源の効率および第2動力源の効率の少なくとも一方の変化たとえば経時的変化に基づいて効率線図が補正されるので、その最適切換線図から決定される切換点が正確に得られる。 【0011】また、好適には、上記補正手段は、予め記憶された関係から経過時間および/または温度に基づいて前記第1動力源の効率或いは第2動力源の効率を補正するものである。第1動力源がエンジン(内燃機関)である場合には、補正手段は、そのエンジンの作動累積時間、エンジンの冷却水温度、エンジンの作動開始からの時間に基づいて第1動力源の効率を補正する。また、第2動力源が電気モータである場合には、その温度に基づいて第2動力源の効率を補正する。 【0012】また、好適には、前記第1動力源の効率および第2動力源の効率は、経済効率またはエネルギ効率である。このようにすれば、第1動力源および第2動力源がそれらの経済効率またはエネルギ効率の高い領域でそれぞれ作動させられることができる利点がある。 【0013】また、好適には、前記第1動力源は燃料の燃焼によって作動させられるエンジンであり、前記第2動力源は燃料電池およびそれから供給される電流によって作動させられる電気モータである。このようにすれば、エンジンと燃料電池およびそれから供給される電流によって作動させられる電気モータとが、それらの効率の高い領域で作動させられる。 【0014】 【課題を解決するための第2の手段】かかる目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、第1動力源および第2動力源を選択的に用いて車両を駆動する車両用駆動制御装置であって、(a) 前記第1動力源の効率関連情報および第2動力源の効率関連情報に対応する複数種類の最適切換点をそれぞれ有する複数種類の最適切換点マップを記憶する最適切換点マップ記憶手段と、(b) その最適切換点マップ記憶手段により記憶された複数種類の最適切換点マップから実際の第1動力源の効率関連情報および第2動力源の効率関連情報の少なくとも一方の変化値に対応する最適切換点マップを選択する最適切換点マップ選択手段と、(c) その最適切換点マップ選択手段により選択された最適切換点マップから最適切換点を決定する最適切換点決定手段と、(d) その最適切換点決定手段により決定された最新の最適切換点を用いて前記第1動力源および第2動力源の一方を選択する動力源切換手段とを、含むことにある。 【0015】 【第2発明の効果】このようにすれば、予め記憶された複数種類の最適切換点マップから実際の第1動力源の効率関連情報および第2動力源の効率関連情報の少なくとも一方の変化値たとえば経時的変化値に対応する最適切換点マップが選択され、その選択された最適切換点マップから決定された最新の最適切換点を用いて第1動力源および第2動力源の一方が選択されることから、実際の第1動力源の効率関連情報および第2動力源の効率関連情報に基づいて最適切換点を得るための演算時間が短かくてすむので、制御サイクル毎に実際の第1動力源の効率関連情報および第2動力源の効率関連情報から第1動力源の第1効率曲線と第2動力源の第2効率曲線を計算してそれらの交点を最適切換点として決定する場合に比較して、高速あるいは高価なコンピュータを用いなくてもよい利点がある。 【0016】 【発明の他の態様】ここで、好適には、前記効率関連情報は、前記第1動力源或いは第2動力源の温度、または該第1動力源或いは第2動力源の始動開始からの時間である。このようにすれば、第1動力源或いは第2動力源の効率の変化に応じて動力源が選択される。 【0017】また、好適には、前記第1動力源の効率および第2動力源の効率は、経済効率またはエネルギ効率である。このようにすれば、第1動力源および第2動力源のうちの経済効率またはエネルギ効率の高い方が選択されるので、車両の経済効率またはエネルギ効率が高められる。 【0018】また、好適には、前記第1動力源は燃料の燃焼によって作動させられるエンジンであり、前記第2動力源は燃料電池およびその燃料電池から供給される電流によって作動させられる電気モータである。このようにすれば、エンジンと燃料電池からの電流により作動させられる電気モータとのうちで効率の高い方が選択されるので、車両の効率が一層高められる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 【0020】図1は、本発明の一実施例の制御装置が適用された車両用動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。図において、第1動力源としてのエンジン10の出力は、クラッチ12、トルクコンバータ14を介して自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。上記クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、電動モータおよび発電機として機能する第2動力源としての第1モータジェネレータMG1が配設されている。上記トルクコンバータ14は、クラッチ12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。 【0021】上記自動変速機16は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速機32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速機34とを備えている。第1変速機32は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。 【0022】第2変速機34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。 【0023】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸46に連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リングギヤR2およびサンギヤS3と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2と中間軸48との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。 【0024】キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。 【0025】以上のように構成された自動変速機16では、例えば図2に示す作動表に従って後進1段および変速比が順次異なる前進5段の変速段のいずれかに切り換えられる。図2において「○」は係合状態を表し、空欄は解放状態を表し、「◎」はエンジンブレーキのときの係合状態を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。この図2から明らかなように、第2変速段(2nd)から第3変速段(3rd)へのアップシフトでは、ブレーキB3を解放すると同時にブレーキB2を係合させるクラッチツークラッチ変速が行われ、ブレーキB3の解放過程で係合トルクを持たせる期間とブレーキB2の係合過程で係合トルクを持たせる期間とがオーバラップして設けられる。それ以外の変速は、1つのクラッチまたはブレーキの係合或いは解放作動だけで行われるようになっている。上記クラッチおよびブレーキは何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式摩擦係合装置である。 【0026】前記エンジン10は、後述する過給機54を備えているとともに、燃料消費を減少させるために、燃料が筒内噴射されることにより軽負荷時においては空燃比A/Fが理論空燃比よりも高い燃焼である希薄燃焼が行われるリーンバーンエンジンである。このエンジン10は、3気筒ずつから構成される左右1対のバンクを備え、その1対のバンクは単独で或いは同時に作動させられるようになっている。すなわち、作動気筒数の変更が可能となっている。 【0027】たとえば図3に示すように、上記エンジン10の吸気配管50および排気管52には、排気タービン式過給機(以下、過給機という)54が設けられている。この過給機54は、排気管52内において排気の流れにより回転駆動されるタービン翼車56と、エンジン10への吸入空気を圧縮するために吸気配管50内に設けられ且つタービン翼車56に連結されたポンプ翼車58とを備え、そのポンプ翼車58がタービン翼車56によって回転駆動されるようになっている。また排気管52内には、タービン翼車56が設けられた部分とは並列に、吸気配管50内の過給圧Pa を調節するための排気ウエイストゲート弁59を有するバイパス管61が設けられている。 【0028】上記エンジン10の吸気配管50には、スロットルアクチュエータ60によって操作されるスロットル弁62とが設けられている。このスロットル弁62は、基本的には図示しないアクセルペダルの操作量すなわちアクセル開度θACC に対応する開度θTHとなるように制御されるが、エンジン10の出力を調節するために変速過渡時などの種々の車両状態に応じた開度となるように制御されるようになっている。 【0029】また、図3に示すように、前記第1モータジェネレータMG1はエンジン10と自動変速機16との間に配置され、クラッチ12はエンジン10と第1モータジェネレータMG1との間に配置されている。上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置およびロックアップクラッチ26は、電動油圧ポンプ64から発生する油圧を元圧とする油圧制御回路66により制御されるようになっている。また、エンジン10には第2モータジェネレータMG2が作動的に連結されている。この第2モータジェネレータMG2も第2動力源として機能することができる。そして、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の電源として機能する燃料電池70および二次電池72と、それらから第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2へ供給される電流を制御したり或いは充電のために二次電池72へ供給される電流を制御するための切換スイッチ74および76とが設けられている。この切換スイッチ74および76は、スイッチ機能を有する装置を示すものであって、たとえばインバータ機能などを有する半導体スイッチング素子などから構成され得るものである。 【0030】図4は、電子制御装置80に入力される信号およびその電子制御装置80から出力される信号を例示している。たとえば、電子制御装置80には、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度θACC を表すアクセル開度信号、スロットル弁62の開度θTHを表すスロットル信号、自動変速機16の出力軸46の回転速度NOUT に対応する車速信号、エンジン回転速度NE を表す信号、吸気配管50内の過給圧Pa を表す信号、空燃比A/Fを表す信号、シフトレバーの操作位置SH を表す信号などが図示しないセンサから供給されている。また、電子制御装置80からは、燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を制御するための噴射信号、自動変速機16のギヤ段を切り換えるために油圧制御回路66内のシフト弁を駆動するシフトソレノイドを制御する信号、ロックアップクラッチ26を開閉制御するために油圧制御回路66内のロックアップコントロールソレノイドを制御する信号などが出力される。 【0031】上記電子制御装置80は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、自動変速機16のギヤ段を自動的に切り換える変速制御や、ロックアップクラッチ26の係合、解放、或いはスリップを実行する制御を実行する。たとえば、上記変速制御では、予め求められた変速線図からアクセル開度θACC (%)、吸入空気量Q/N、燃料噴射量、吸気管負圧などの運転者の要求出力量と車速V(出力側回転速度NOUT に対応)とに基づいて変速判断を行い、その変速判断に対応してギヤ段が得られるように油圧制御回路66内の電磁弁(シフトソレノイド)S1、S2、S3を制御する。また、ロックアップクラッチ制御では、図示しない予め求められた関係から実際の車両走行状態を表す車速V(出力側回転速度NOUT に対応)および運転者の要求出力量を表すアクセル開度θACC に基づいて、係合領域、解放領域、スリップ領域のいずれに属するかを判定し、その判定された領域に対応する状態が得られるように油圧制御回路66内のロックアップコントロールソレノイドを制御してロックアップクラッチ26を係合、解放、或いはスリップのいずれかの状態とする制御を実行する。 【0032】図5は、上記電子制御装置80の制御機能の要部すなわち最適変速線算出制御機能を説明する機能ブロック線図である。 【0033】図5において、演算開始時期判定手段90は、車両状態が予め定められた最適切換点演算開始状態となったことに基づいて最適切換点の演算開始時期か否かを判定する。エンジン10およびモータジェネレータMG1の切換制御精度が低下しない範囲で最適切換点の演算周期が可及的に長くして演算負荷を軽減するために、演算開始時期判定手段90は、たとえば、エンジン10の作動累積時間Hがたとえば500時間或いは1000時間程度に予め設定された判定値HJに到達したこと、車両の累積走行距離Dがたとえば1乃至3万km程度に予め設定された判定値DJに到達したこと、車両の走行状態の変化があったこと、エンジンの作動開始からの経過時間Ta が所定値Ta Jとなったこと、前記車両のイグニションキーのオン操作からの経過時間Tb が所定値Tb Jとなったこと、車両に搭載されたバッテリが交換されたこと、車両のタイヤが交換されたことのいずれかとなったときに、最適切換点の演算開始時期であると判定する。 【0034】図6は、車両の動力源に求められる総負荷(出力)(kw) を表す軸(横軸)と動力源の効率ηを表す軸(縦軸)との二次元座標において、エンジン10の負荷(出力)と効率との関係を示す第1効率曲線CE と、燃料電池70からの電流により駆動されるときの第1モータジェネレータMG1の負荷(出力)と効率との関係を示す第2効率曲線CM とが表示された効率線図を示している。この効率線図において、第1効率曲線CE と第2効率曲線CM との交点に対応する負荷が最適切換点(図6のa,b,c)を示す。この最適切換点よりも低負荷側では第2動力源(電気モータ)として機能する第1モータジェネレータMG1の効率が高いことから車両の動力源としてその第1モータジェネレータMG1が選択されるが、その最適切換点よりも高負荷側では第1動力源として機能するエンジン10の効率が高いことから車両の動力源としてそのエンジン10が選択される。すなわち、いずれか効率の高い方の動力源に車両の原動機として切り換えられるようになっている。上記効率は、エネルギ効率であってもよいが、各燃料の価格などを考慮した経済効率などの他の効率であってもよい。上記効率線図において、第1効率曲線CE はエンジン10の実際の効率変化に応じてたとえば破線、実線、1点鎖線に示すように変化させられ、同様に効率曲線CM も燃料電池70および第1モータジェネレータMG1の実際の効率変化に応じてたとえば破線、実線、1点鎖線に示すように変化させられるので、それらの交点である最適切換点もたとえば図6のa,b,cに示すように変化させられる。また、上記効率線図の基本値は、たとえば電子制御装置80内のROM或いはRAMに対応する効率記憶手段91において予め記憶されている。 【0035】補正手段92は、エンジン10の状態に基づいて第1効率曲線CE と第2効率曲線CM との少なくとも一方を補正して各効率線図の最適切換点を実際の効率に則した値に修正し、切換精度を高める。たとえば、補正手段92は、エンジン10についての効率の変化たとえば経時的な変化、エンジン10の効率の始動直後の変化、およびエンジン10の効率の冷却水温度による変化などに応じて、上記第1効率曲線CE を補正するものである。エンジン10の変化たとえば経時的な効率変化に応じて第1効率曲線CE を補正する場合には、たとえば予め記憶された経時的なエンジン効率変化特性から実際のエンジン10の作動累積時間Hに基づいてエンジン10の効率を算出し、上記第1効率曲線CE を補正する。或いは、図7に示す予め記憶されたエンジン10の燃料消費量特性からエンジン回転速度NE およびエンジン出力トルクTE に基づいて実際の燃料消費量Fを求めてエンジン10の効率を算出し、上記第1効率曲線CE を補正する。図7において、(a) は所定のスロットル開度においてエンジン10の出力トルクが大きい場合の特性を示し、(b) は所定のスロットル開度においてエンジン10の出力トルクが上記(a) よりもやや低くなった場合の特性を示し、(c) は、作動累積時間Hが大きくなったり、冷却水温が未だ低かったりしてエンジン10の出力トルクが上記(b) よりも低く劣化した場合の特性を示している。上記エンジン10の経時変化では、所定のスロットル開度におけるエンジン10の出力トルクすなわち効率は、エンジン10の使用開始時点から所定時間までしばらくは上昇し、その後には経過時間が増すにつれて低下するので、燃料消費量は使用開始時点から所定時間までしばらくは低下し、その後には経過時間が増すにつれて上昇低下する。 【0036】また、上記補正手段92は、たとえばエンジン10の始動時変化に応じて第1効率曲線CE を補正する場合には、始動時の燃料噴射量の増量が徐々に基本値へ減少させられて効率が高められることから、始動直後の経過時間に伴って効率が上昇する予め記憶された関係から実際の始動直後の経過時間に基づいて第1効率曲線CE を補正する。始動直後には壁面付着を考慮して燃料噴射量が増量させられるとともに時間経過に伴ってそれが減少させられるからである。また、たとえばエンジン10の冷却水温度変化に応じて第1効率曲線CE を補正する場合には、冷却水温度上昇に伴って効率が上昇する予め記憶された関係から実際の冷却水温度に基づいて第1効率曲線CE を補正する。エンジン10の暖気に伴ってその効率が上昇するからである。 【0037】さらに、上記補正手段92は、燃料電池70および第1モータジェネレータMG1についての効率の変化たとえば経時的な変化、燃料電池70或いは第1モータジェネレータMG1の温度による変化などに応じて効率が低下する予め記憶された関係から実際の燃料電池70或いはおよび第1モータジェネレータMG1に基づいて、第2効率曲線CM を補正する。特に、燃料電池70の温度に対する効率の変化が大きい性質があることから、その燃料電池70について補正することが重要である。 【0038】最適切換点決定手段94は、演算開始時期判定手段90によって最適切換切換点演算開始時期となったと判定される毎に、上記補正手段92により補正された効率線図から最適切換点を決定する。すなわち、補正後の効率線図において、第1効率曲線CE と第2効率曲線CM との交点を求め、その交点に対応する負荷(出力)値を最適切換点として決定する。なお、上記最適切換点決定手段94は、上記のように決定された新たな最適切換点(動力源切換点負荷)を決定して更新(変更)する場合には、煩雑な切換(ハンチング)を避けるために、その更新によって動力源切換が発生しない状態で更新する。図6のa,b,cは、破線に示す第2効率曲線CM が変化せず、エンジン10の効率を示す第2効率曲線CM が1点鎖線、実線、破線に示すように増加した場合に決定される切換点をそれぞれ示している。 【0039】そして、動力源切換制御手段96は、上記最適切換点決定手段94により決定された最新の最適切換点を用いて、車両の動力源に求められる実際の負荷とその最適切換点とを比較し、実際の負荷がその最適切換点を下まわる場合には燃料電池70からの電流供給による作動させられる第1モータジェネレータMG1を車両の動力源として選択する指令信号を出力するが、実際の負荷がその最適切換点以上となる場合にはエンジン10を車両の動力源として選択する指令信号を出力する。上記車両の動力源に求められる実際の負荷は、たとえば運転者から要求される要求トルクであり、たとえば予め記憶された関係から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速V、ギヤ段などに基づいて算出される。作動エネルギ供給制御手段98は、上記動力源切換制御手段96からの指令に従って動力源が切換られるように、エンジン10への燃料供給を停止し且つ燃料電池70からの電流を第1モータジェネレータMG1へ供給させたり、或いはエンジン10への燃料を供給し且つ第1モータジェネレータMG1へ供給される燃料電池70からの電流を停止させる。 【0040】効率線図計算済判定手段100は、演算開始時期判定手段90によって最適切換点演算開始時期となったと判定される毎に、前記最適切換点を決定するための第1効率曲線CE および第2効率曲線CM の一部または全部が現在の車両状態下において計算済みであるか否かを判定する。前記最適切換点決定手段94は、その効率線図計算済判定手段100により第1効率曲線CE および第2効率曲線CM の一部または全部が計算済みであると判定された場合には、その計算済みである第1効率曲線CE および第2効率曲線CM の一部または全部である既存の効率曲線をそのまま最新のものとして決定し、最適切換点の決定のために用いるようにする。 【0041】図8は、電子制御装置80による制御作動の要部すなわち最適変速線演算ルーチンを説明するフローチャートであり、数msec 乃至数十msec 程度の極めて短い周期で繰り返し実行される。なお、上記変速制御手段96は、よく知られたものであるので、その作動を説明するフローチャートは省略されている。 【0042】図8において、前記演算開始時期判定手段90および補正手段92に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SB1では、第1動力源であるエンジン10の作動時間補正が成立したか否か、すなわちエンジン10の作動累積時間Dが判定値DJに到達し、そのときのエンジン10の出力特性の経時変化に応じた第1効率曲線CE の補正が完了したか否かが判断される。このSB1の判断が肯定される場合は、前記最適切換点決定手段94に対応するSB2において、上記補正後の第1効率曲線CE と第2効率曲線CM との交点に基づいて最適切換点が決定され、要求出力毎に最適切換点を記憶させるための最適切換点マップに記憶される。そして、SB3において、その最適切換点マップから実際の要求出力に対応する最適切換点が読み出されて使用される。 【0043】前記SB1の判断が否定される場合は、前記演算開始時期判定手段90および補正手段92に対応するSB4においてエンジン始動補正成立か否かが判断される。すなわち、エンジン10の始動時には燃料の壁面付着を考慮して燃料噴射量が増量されるとともにその増量分が時間経過とともに逐次減少させられることから、その燃料噴射量増量分に起因するエンジン10の出力特性の変化に応じた第1効率曲線CE の補正が完了したか否かが判断される。このSB4の判断が否定される場合は同様に前記演算開始時期判定手段90および補正手段92に対応するSB5において、動力源温度補正成立か否かが判断される。すなわち、エンジン10の冷却水温の低下に起因するエンジン10の出力特性の変化に応じた第1効率曲線CE の補正、および燃料電池70とそれからの電流が供給される第1モータジェネレータMG1との温度上昇による出力低下に応じた第2効率曲線CMの補正が完了したか否かが判断される。上記SB4またはSB5の判断が肯定される場合は、前記効率線図計算済判定手段100に対応するSB6において、最適切換点を決定するための第1効率曲線CE および第2効率曲線CM の一部または全部が既に計算済みのものと同じであるか否かが判断される。このSB6の判断が否定される場合は、前記最適切換点決定手段94に対応するSB2以下において最適切換点が新たに決定され、最適切換点マップに記憶される。しかし、このSB6の判断が肯定される場合は、前記最適切換点決定手段94に対応するSB7以下において、その計算済みである第1効率曲線CE および第2効率曲線CM の一部または全部である部分がそのまま最新のものとして決定され、最新の最適切換点の決定のために用いられる。前記SB4およびSB5の判断がいずれも否定される場合は、エンジン10、燃料電池70、それからの電流が供給される第1モータジェネレータMG1の安定状態にあるので、SB8において、現在の第1効率曲線CE および第2効率曲線CM すなわちそれらの交点である最適切換点が動力源の切換制御にそのまま継続的に用いられる。 【0044】上述のように、本実施例によれば、動力源切換手段96(SB3)は、エンジン(第1動力源)10の効率、および燃料電池70とそれからの電流が供給される第1モータジェネレータMG1(第2動力源)の効率の少なくとも一方の変化たとえば経時的変化に基づいてそれらエンジン10と燃料電池70および第1モータジェネレータMG1とを切換ることにより車両の走行に用いる動力源を選択するので、エンジン10と燃料電池70および第1モータジェネレータMG1とのうちの効率の高い領域でそれぞれ選択的に作動させられることができ、車両の燃費などに関して走行性能が高められる。 【0045】また、本実施例においては、車両状態が予め定められた最適切換点演算開始状態となったことに基づいて最適切換点の演算開始時期か否かを判定する演算開始時期判定手段90と、その演算開始時期判定手段90によって最適切換点演算開始時期となったと判定される毎に、エンジン(第1動力源)10の効率と燃料電池70およびそれからの電流が供給される第1モータジェネレータMG1(第2動力源)の効率との少なくとも一方の変化たとえば経時的変化に基づいて最適切換点を決定する最適切換点決定手段94とを含み、前記動力源切換手段96は、その最適切換点決定手段94により決定された最適切換点を用いてエンジン(第1動力源)10と燃料電池70およびそれからの電流が供給される第1モータジェネレータMG1との一方を選択することから、最適切換点がリアルタイムで逐次算出する場合に比較して、高速あるいは高価なコンピュータを用いなくてもよく、それほど高性能ではない安価なコンピュータを電子制御装置(演算制御装置)80として用いることができる。 【0046】また、本実施例によれば、演算開始時期判定手段90は、エンジン10の作動累積時間Hが予め設定された判定値HJに到達したこと、車両の走行距離Dが予め設定された判定値DJに到達したこと、車両の走行状態の変化があったこと、エンジン10の作動開始からの時間が所定値となったこと、車両のイグニションキーのオン操作からの経過時間が所定値となったこと、車両に搭載されたバッテリが交換されたこと、車両のタイヤが交換されたことのいずれかとなったときに、最適切換点の演算開始時期であると判定するものであることから、エンジン10の作動累積時間Hがが予め設定された判定値HJに到達したこと、車両の走行距離Dが予め設定された判定値DJに到達したこと、車両の走行状態の変化があったこと、エンジン10の作動開始からの時間が所定値となったこと、車両のイグニションキーのオン操作からの経過時間が所定値となったこと、車両に搭載されたバッテリが交換されたこと、車両のタイヤが交換されたことのいずれかとなる毎に、最適切換点決定手段94によりエンジン(第1動力源)10の効率と燃料電池70およびそれからの電流が供給される第1モータジェネレータMG1(第2動力源)の効率との少なくとも一方の変化たとえば経時的変化に基づいて最適切換点が算出されるので、リアルタイムで逐次算出する場合に比較して、高速且つ高価なコンピュータを用いなくてもよく、比較的低速で安価なコンピュータを電子制御装置(演算制御装置)80として用いることができる。 【0047】また、本実施例によれば、エンジン(第1動力源)10の出力に対する効率の変化を示す第1効率曲線CE と燃料電池70およびそれからの電流が供給される第1モータジェネレータMG1(第2動力源)の出力に対する効率の変化を示す第2効率曲線CM とを含む効率線図が計算済みであるか否かを判定する効率線図計算済判定手段100を含み、前記最適切換点決定手段94(SB3)は、その効率線図計算済判定手段102により効率線図が計算済みであると判定された場合には、計算済みである既存の効率曲線を最新のものとして決定するものであるので、同様な演算が省略されて最適切換点の演算時間が一層短縮される。 【0048】また、本実施例によれば、エンジン(第1動力源)10の出力に対する効率の変化を示す第1効率曲線CE と燃料電池70およびそれからの電流が供給される第1モータジェネレータMG1(第2動力源)の出力に対する効率の変化を示す第2効率曲線CM とを含む効率線図を、それらの効率の少なくとも一方の変化たとえば経時的変化に基づいて補正する補正手段92を含み、最適切換点決定手段94は、その補正手段92により補正された効率線図の第1効率曲線CE と第2効率曲線CM との交点を最適切換点として決定するものであるので、効率線図から決定される切換点が正確に得られる。 【0049】また、本実施例では、上記補正手段92は、予め記憶された関係から経過時間および/または温度に基づいてエンジン(第1動力源)10の出力に対する効率と、燃料電池70およびそれからの電流が供給される第1モータジェネレータMG1(第2動力源)の効率とを補正するものである。上記エンジン10の場合には、上記経過時間としてエンジン10の作動累積時間H、或いはエンジン10の作動開始直後における作動開始点からの時間が用いられる。上記温度としてエンジン10の冷却水温度が用いられる。また、燃料電池70およびそれからの電流が供給される第1モータジェネレータMG1の場合には、上記温度として、燃料電池70の温度或いは第1モータジェネレータMG1の温度が用いられる。このようにすれば、エンジン10と燃料電池70およびそれから供給される電流によって作動させられる第1モータジェネレータMG1とが、それらの効率の高い領域で正確に作動させられる。 【0050】次に本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において、前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。 【0051】前述の実施例の最適切換点決定手段94は、演算開始時期判定手段90によって最適切換点演算開始時期となったと判定される毎に、上記補正手段92により補正された効率線図から最適切換点を算出するものであったが、たとえば図9に示すように、第1動力源として機能するエンジン10の出力に対する効率またはそれに関連するパラメータを表す第1効率関連情報と、第2動力源として機能する燃料電池70およびモータジェネレータMG1の出力に対する効率またはそれに関連するパラメータを表す第2効率関連情報と、最適切換点との関係を示す最適切換点マップを、その第1効率関連情報(エンジン10の作動累積時間H、エンジン10の作動開始直後における作動開始点からの時間、および/またはエンジン10の冷却水温度)と第2効率関連情報(燃料電池70および/またはモータジェネレータMG1の温度)との組合わせ毎に複数種類記憶する最適切換点マップ記憶手段102と、その最適切換点マップ記憶手段102により記憶された複数種類の最適切換点マップからそのときに実際に用いる第1効率関連情報および第2効率関連情報に対応する最適切換点マップを選択する最適切換点マップ選択手段104と、その最適切換点マップ選択手段104により選択された最適切換点マップから実際に用いる第1効率関連情報および第2効率関連情報に基づいて最適切換点を決定する最適切換点決定手段106とを設け、動力源切換手段96によりその最適切換点決定手段106により決定された最新の最適切換点と実際の車両の要求出力との対比に基づいて動力源の切換を実行するようにしてもよい。図10は、上記最適切換点マップの一例を示している。 【0052】本実施例によれば、最適切換点マップ記憶手段102により記憶された複数種類の最適切換点マップから実際の第1効率関連情報および第2効率関連情報に対応する最適切換点マップが選択され、その最適切換点マップから最適切換点が決定され、その決定された最新の最適切換点を用いて動力源の切換が実行されることから、実際の効率の変化状態に対応する最適切換点を得るための演算時間が短くてすむので、制御サイクル毎に効率線図から最適切換点が逐次演算される場合に比較して、それほど高性能ではない安価な演算制御装置を用いることができる。また、エンジン10の出力の経時的変化、エンジン10の出力の始動経過時間による変化、或いはエンジン10の出力の冷却水温度による変化などのエンジン状態に応じた最適切換点が得られ、それに基づく動力源の切換制御によって良好な燃費が得られる。 【0053】また、本実施例においても、上記最適切換点決定手段106は、新たな最適切換点を決定して更新(変更)する場合には、その更新によって動力源の切換が発生しない状態(期間)において更新するので、頻繁な切換が好適に回避される。 【0054】図11は、上記図9の機能ブロック線図に用いられる最適切換点マップの他の例を示している。この場合の最適切換点は、スロットル開度θTHを表す軸と車速Vを表す軸との二次元座標において、モータ(第1モータジェネレータMG1)作動領域(MG1)とエンジン作動領域との境界線Kが設けられており、上記スロットル開度θTHおよび車速Vにより表される車両状態がその境界線Kを横切るときにエンジン(第1動力源)と燃料電池70からの電流供給により作動する第1モータジェネレータMG1(第2動力源)とが相互に切換えられる。上記境界線Kは最適切換線に対応するものであり、最適切換点の連なりから構成される。この最適切換点マップは、たとえば図11の(a) 、(b) 、(c) などに示すように、第1効率関連情報(エンジン10の作動累積時間H、エンジン10の作動開始直後における作動開始点からの時間、および/またはエンジン10の冷却水温度)と第2効率関連情報(燃料電池70および/またはモータジェネレータMG1の温度)との組合わせ毎に複数種類予め記憶され、実際に用いる第1効率関連情報および第2効率関連情報に対応する最適切換点マップが選択され、選択された最適切換点マップの最適切換線から実際の車速Vおよびスロットル弁開度θTHに基づいて切換判断が行われる。 【0055】本実施例においても、実際の効率の変化状態に対応する最適切換点を得るための演算時間が短くてすむので、制御サイクル毎に効率線図から最適切換点が逐次演算される場合に比較して、それほど高性能ではない安価な演算制御装置を用いることができる。また、エンジン10の出力の経時的変化、エンジン10の出力の始動経過時間による変化、或いはエンジン10の出力の冷却水温度による変化などのエンジン状態に応じた最適切換点が得られ、それに基づく動力源の切換制御によって良好な燃費が得られる。 【0056】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。 【0057】たとえば、前述の実施例では、複数組の遊星歯車装置40、42、44から成る自動変速機16が用いられていたが、油圧アクチュエータにより駆動されるシフトフォークによってギヤ段が変更される平行2軸式常時噛み合い型変速機や、有効径が可変の一対の可変プーリに伝動ベルトが巻き掛けられたベルト式無段変速機であってもよい。 【0058】また、前述の図8におけるSB1、SB2、SB3は、演算開始時期判定手段90および補正手段92を兼ねていたが、それら演算開始時期判定手段90および補正手段92に対応するステップが独立に設けられていてもよい。 【0059】また、前述の実施例では、第1効率曲線CE および第2効率曲線CM に基づいて、或いはエンジン10の効率変化(第1効率関連情報の変化)と燃料電池70およびそれにより駆動される第1モータジェネレータMG1の効率変化(第2効率関連情報の変化)とに基づいて最適切換点が決定されていたが、第1効率曲線CE または第2効率曲線CM に基づいて、或いはエンジン10の効率変化(第1効率関連情報の変化)と燃料電池70およびそれにより駆動される第1モータジェネレータMG1の効率変化(第2効率関連情報の変化)との一方に基づいて最適切換点が決定されるようにしてもよい。このようにすれば、特に変化が大きい側効率変化値に基づいて最適切換点が決定されることにより、一応の効果が得られる。 【0060】また、前述の実施例では、第2効率関連情報の変化として、燃料電池70およびそれにより駆動される第1モータジェネレータMG1の効率変化値が用いられていたが、たとえば燃料電池70および第1モータジェネレータMG1の一方の効率変化が用いられてもよい。 【0061】その他、一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社 【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
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| 【出願日】 |
平成13年9月21日(2001.9.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085361 【弁理士】 【氏名又は名称】池田 治幸
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| 【公開番号】 |
特開2003−102107(P2003−102107A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月4日(2003.4.4) |
| 【出願番号】 |
特願2001−289915(P2001−289915) |
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