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【発明の名称】 電気自動車の可搬型充電システムユニット
【発明者】 【氏名】大竹 俊行
【住所又は居所】東京都品川区荏原5丁目2番1号 株式会社三英社製作所内

【氏名】寺本 正彦
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内

【要約】 【課題】太陽光と風力とから得た電力を利用して電気自動車への充電を行うことができ、移設も容易に行うことができる電気自動車の可搬型充電システムユニットを提供する。

【解決手段】床体1及びこの床体1に立設した支持体2により支持された屋根体3を有する構造体4と、前記屋根体3に設けた太陽光電池モジュール5と、前記構造体4から上方に突設したポール6に設けた風力発電機7と、前記太陽光電池モジュール及び風力発電機により発電された電力を蓄電するバッテリーと、充電用電力を電気自動車に供給する充電スタンド8とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 床体及びこの床体に立設した支持体により支持された屋根体を有する構造体と、前記屋根体に設けた太陽光電池モジュールと、前記構造体から上方に突設したポールに設けた風力発電機と、前記太陽光電池モジュール及び風力発電機により発電された電力を蓄電するバッテリーと、充電用電力を電気自動車に供給する充電器とを備えていることを特徴とする電気自動車の可搬型充電システムユニット。
【請求項2】 前記バッテリー、前記発電電力をバッテリーに蓄電するためのコントローラー及び直流電力を充電用の交流電力に変換するためのインバーターを、前記床体上に設けた椅子一体型の筐体内に収納したことを特徴とする請求項1記載の電気自動車の可搬型充電システムユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車の可搬型充電システムユニットに関し、詳しくは、クリーンエネルギーである太陽光及び風力を利用して電気自動車への充電を行う可搬型充電システムユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の環境保全の問題から電気自動車の普及促進が図られている。今まで、電気自動車に充電する設備としては、商用電源を用いた電気自動車用の充電器が用いられている。しかし、従来の充電器は、商用電源に接続するための電源工事や設置工事が必要であり、充電には電源代がかかっていた。また、一旦設置固定した充電器を移設することは容易ではなく、工事コストや設置時間を考慮すると現実的ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、イベント等で電気自動車を比較的短時間使用する場合、電気自動車への充電を如何にして行うかが問題となっている。さらに、電気自動車自体はゼロエミッションであるにもかかわらず、商用電源を使用して充電することは、完全ゼロエミッションとはいえない。また、山間部や電源の確保が困難な地域では、充電器を設置することが容易ではなく、したがって、電気自動車への充電を行うことができなかった。
【0004】そこで本発明は、商用電源を使用せずに太陽光と風力とから得た電力を利用して電気自動車への充電を行うことができ、大がかりな電源工事や設置工事を必要とせず、移設も容易に行うことができる電気自動車の可搬型充電システムユニットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の電気自動車の可搬型充電システムユニットは、床体及びこの床体に立設した支持体により支持された屋根体を有する構造体と、前記屋根体に設けた太陽光電池モジュールと、前記構造体から上方に突設したポールに設けた風力発電機と、前記太陽光電池モジュール及び風力発電機により発電された電力を蓄電するバッテリーと、充電用電力を電気自動車に供給する充電器とを備えていることを特徴とし、特に、前記バッテリー、前記発電電力をバッテリーに蓄電するためのコントローラー及び直流電力を充電用の交流電力に変換するためのインバーターを、前記床体上に設けた椅子一体型の筐体内に収納したことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電気自動車の可搬型充電システムユニットを、図面に示す一形態例に基づいてさらに詳細に説明する。図1は可搬型充電システムユニットの斜視図、図2は可搬型充電システムユニットの側面図、図3は機器システム構成を示すブロック図である。
【0007】この可搬型充電システムユニットSは、一度に2台の電気自動車への充電を可能としたもので、図1に示すように、床体1及びこの床体1に立設した支持体2により支持された屋根体3を有する構造体4と、前記屋根体3に設けた複数の太陽光電池モジュール5と、前記構造体4から上方に突設した2本のポール6にそれぞれ設けた風力発電機7と、床体1に設けた2基の充電器(充電スタンド)8と、電気機器を収納した筐体(パワーコントロールユニットボックス)9とにより形成されている。これらの各部材及び機器類は、ボルト結合や嵌合構造等の着脱可能な結合手段によって分解・組立可能に形成されている。なお、パワーコントロールユニットボックス9の上面には、休憩用の長椅子(ベンチシート)94が設けられている。
【0008】床体1は、前記パワーコントロールユニットボックス9の両側に前記支持体2及び充電スタンド8を設置した基盤部11と、この基盤部11の前方に延設した2本の床支持部からなり、重量物である前記パワーコントロールユニットボックス9を軸にして左右及び前方向を高剛性にすることによって安定化を図っている。また、各部はボルト結合することにより、分解組立を容易に行えるようにしている。
【0009】支持体2は、N形構造を基本とした一対の脚部21からなり、両脚部21でパワーコントロールユニットボックス9を挟み込むことにより、最少の部品によって高剛性を得られるようにしている。また、この一対の脚部21には、外側から半透明のアクリル板22を被せて取付け、内側のパワーコントロールユニットボックス9上に設けた長椅子94で休憩する顧客の日除けや風除けとしている。
【0010】また、屋根体3は、図2に詳細を示すように、前後方向の一対の角パイプ31をメインとし、一対のターンバックル付丸棒を両角パイプ31間にかすがい状に掛渡すことによって平面方向の剛性を得るようにしている。角パイプ31上には、アルミ引抜きパイプで形成したフレームにアクリルパネルを取付けてウィング状とした太陽光電池取付部32が設けられており、太陽光電池モジュール5は、軽量でかつ取付け自由度の高いフレキシブル太陽電池パネルを前記アクリルパネルに取付けることによって形成されている。太陽光電池モジュール5は、太陽電池パネル表面を水平面に対して傾斜させて設けることにより、発電効率を向上させるようにしている。また、屋根上の太陽光電池モジュール5を複数の長方形翼型に分割形成することにより、強風や積雪にも耐えることが可能となる。
【0011】前記風力発電機7を支持するポール6は、丸パイプの下端部を床体1に設けた保持穴に挿入し、中間部を屋根体3の前記角パイプ31にボルトで固定するようにしており、丸パイプ内に配線を引き通すようにしている。また、風力発電機7は、ポール6の上端に風上方向に回転翼が向くように回転可能に取付けられている。
【0012】太陽光電池モジュール5及び風力発電機7は、これらの発電能力に応じて直列又は並列に接続され、これらの配線は、パワーコントロールユニットボックス9との間の適当な位置でコネクタにより分割可能に形成されている。
【0013】パワーコントロールユニットボックス9内には、図3に詳細を示すように、電力を蓄電するためのバッテリー91と、太陽光電池モジュール5及び風力発電機7で発生した直流電力を過電流防止、逆流防止、過充電防止、過電圧防止等の制御を行ってバッテリー91の蓄電に対応した電圧を発生するためのDCコントローラー92と、直流電力を所定電圧、例えば100V又は200Vの交流電力に変換するためのインバーター93とが収納されている。なお、前述の通り、このパワーコントロールユニットボックス9の上面には、長椅子(ベンチシート)94が一体的に設けられ、電気自動車充電中の休憩等に利用できるようにしている。
【0014】前記インバーター93からの交流電力は、例えば3線200Vの交流電源として充電スタンド8に供給され、この充電スタンド8で通常の充電スタンドと同様の処理がなされ、コネクタ81を介して電気自動車Aへの充電が行われる。電気自動車への充電方式は任意であるが、世界標準化が検討されている、電磁誘導によって非接触で電力を伝える「200Vインダクティブ充電方式」をメインとし、従来型の「コンダクティブ充電方式」に対応した200/100V用コンセント(JEVS規格)を設けておくことにより、各種電気自動車に対応することが可能となる。
【0015】さらに、バッテリー91を設置したことにより、太陽光電池モジュール5及び風力発電機7で発生した電力を無駄なく蓄電しておくことができ、夜間や無風時の発電不可能なときでも、バッテリー91に蓄電した電力を利用して電気自動車Aへの充電を行うことができる。また、バッテリー91における蓄電量が少なくても、太陽光電池モジュール5や風力発電機7の発生電力量が十分な場合は、この電力を直接利用して電気自動車Aへの充電を行うことができる。
【0016】この可搬型充電システムユニットSは、床体1における基盤部11及び床支持部12、支持体2、屋根体3、太陽光発電モジュール5、ポール6及び風力発電機7、充電スタンド8、パワーコントロールユニットボックス9に分割することによってトラック等の通常の運搬手段で目的地まで運搬することが可能であり、平坦な土地に床体1を敷設した後、この床体1に支持体2や充電スタンド8、パワーコントロールユニットボックス9等を所定の状態に組付けていくことによって形成することができ、適当な大きさの平坦な場所さえ確保できれば、任意の場所に設置して電気自動車Aへの充電が可能となる。また、システムユニットとしては、電気自動車1台に充電するシステムを基本ユニットとして標準化し、必要に応じてユニットを組合わせることによって多数台の電気自動車を充電できるシステムを構築することができる。
【0017】このように、太陽光及び風力を利用して発電した電力を利用して電気自動車の充電を行うように形成するとともに、各部材及び機器を分解・組立可能に形成しておくことにより、ゼロエミッション化が図れるだけでなく、商用電源に依存しない独立発電性が得られ、さらに、電源工事や設置工事を必要とせずに、簡単自由に移動設置することが可能な可搬性をも得ることができる。したがって、短期間のイベントにおける電気自動車の使用や、電源のない場所での電気自動車の使用も可能となり、電気自動車の普及促進を図ることができる。また、太陽光電池モジュールと風力発電機とを併用することにより、限られた面積である通常の1台分の駐車スペースで電気自動車の充電用として十分な電力を得ることができる。
【0018】さらに、商用電源と接続可能に形成しておくことにより、発電量の多い日中には売電を行うこともでき、また、日中は独立発電によって充電用電力を蓄電し、夜間には夜間電力を使用して蓄電を行うことにより、電力消費量の平準化にも寄与することができる。加えて、家庭用電源として供給することも可能であるから、一般家庭の駐車場として利用した場合には、家庭用サブ電源として利用することもでき、多大な経済効果を得ることができる。
【0019】また、本システムは、クリーンエネルギーを利用するため、二酸化炭素の削減にも大いに貢献することができるので、本システムを利用することによる二酸化炭素削減量を数値化して表示する表示装置を取付けておくことにより、二酸化炭素削減量を数量化して確認することができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電気自動車の可搬型充電システムユニットによれば、以下のような効果を期待することができる。
(1)地域特性に合わせて利用するクリーンエネルギーの一層の多角化を行うことが可能である。
(2)工事の容易性として、電源工事及び固定設置工事が不要で、設置スペースさえあれば数時間で組立設置や解体搬出が可能である。
(3)工事施工費の削減として、単相3線200Vの電源工事費、機器の工程設置工事費が削減できる。
(4)充電器に要する電源代が不要となる。
(5)商用電源と接続すれば売電も可能であり、夜間電力を利用して充電することで電力消費の平準化にも貢献することができる。
(6)電気自動車の充電とは別に家庭用等に電気供給が可能であり、サブ電源としての利便性や経済効果も期待できる。
(7)通常の駐車スペースという限られた面積で電気自動車を充電するのに十分な発電量を得ることが可能である。
(8)クリーンエネルギーを利用するため、二酸化炭素の削減にも大いに貢献することができる。
【出願人】 【識別番号】000144108
【氏名又は名称】株式会社三英社製作所
【住所又は居所】東京都品川区荏原5丁目2番1号
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
【出願日】 平成13年9月26日(2001.9.26)
【代理人】 【識別番号】100088720
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞一
【公開番号】 特開2003−102104(P2003−102104A)
【公開日】 平成15年4月4日(2003.4.4)
【出願番号】 特願2001−293213(P2001−293213)